JPH1030398A - トンネル覆工方法およびこの方法に用いられる発泡性ウレタン樹脂 - Google Patents

トンネル覆工方法およびこの方法に用いられる発泡性ウレタン樹脂

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JPH1030398A
JPH1030398A JP8186481A JP18648196A JPH1030398A JP H1030398 A JPH1030398 A JP H1030398A JP 8186481 A JP8186481 A JP 8186481A JP 18648196 A JP18648196 A JP 18648196A JP H1030398 A JPH1030398 A JP H1030398A
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JP
Japan
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tunnel
urethane foam
urethane resin
foam resin
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JP8186481A
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English (en)
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Masataka Ueno
正高 上野
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Nippon Koei Co Ltd
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Nippon Koei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 先進導坑は、これに後続して大断面トンネル
の本体工を掘削する際に拡幅掘削されるものであるた
め、セグメントの組立による覆工では、解体に多くの手
間がかかり、また、コンクリート吹付けによる覆工体の
場合には、壁面強度に問題があり、施工には時間がかか
り、しかも吹付け時のはねによる作業環境の悪化などの
問題があった。 【解決手段】 掘削された先進導坑2の断面形状に沿っ
て型枠14を配置し、型枠14とトンネル壁面との隙間
dに充填用発泡性ウレタン樹脂を注入、固化させて、ウ
レタン樹脂の発泡固化により前記トンネル壁面に覆工構
造体20を構築する。型枠14は、型枠用の発泡ウレタ
ン樹脂で成形され、トンネル壁面履工構造体の一部とさ
れている。充填用または型枠用の発泡ウレタン樹脂に
は、フライアッシュまたはペーパースラッジおよび火山
灰等の灰が適宜割合で混合されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、大断面トンネル
における先進導坑などの覆工に最適なトンネル覆工方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、セグメントは、シールド
工法や、トンネルボーリングマシン(以下「TBM」と
称する)で代表されるトンネル掘削機などによって掘削
形成されたトンネルの周方向並びに軸方向に沿って複数
に分割された鋼製もしくは鉄筋コンクリート製の型枠で
ある。これらのセグメントは、トンネル掘削機などによ
る掘削後にトンネルの内周面に沿って周方向に建て込ま
れてリング状に一体化され、掘進に伴い軸方向に連結す
ることによってトンネル内周面を履工するために用いら
れる。
【0003】このようなセグメントは、基本的に、掘削
で形成されたトンネルの崩壊を防止するためにトンネル
に働く荷重に抵抗し、必要とされる断面を保持するため
の永久構造物もしくは仮設として設置されるものである
とともに、特に、シールド掘削機やTBMに対しては、
これらを前進させるための推進ジャッキの反力壁として
の機能をも果たすものであるため、強固で安定した構造
物とすることが望ましい。
【0004】ところで、例えば道路トンネルで掘削断面
積が200m2 を越える大断面のトンネルを構築する際
に、図1に示すように大断面の本体工の掘削に先立ち、
地質調査や水抜き、あるいは切羽の先行補強などを目的
として、地盤中に当該大断面のトンネルより小さな直径
3.5〜5.0m程度の先進導坑をTBMで掘進するこ
とにより先行させ、トンネル掘削の急速化及び工事の安
全確保を目指している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
セグメントを用いてこのような先進導坑2を掘削した後
に大断面のトンネルを構築するには、予め地上にて形成
された複数のセグメントを先進導坑2内に搬入してこれ
を所定位置に建込み、ボルトなどの強固な緊結手段によ
り連結する必要がある。また、大断面のトンネルを掘削
する際にボルトなどを外してセグメントを地上に排出す
る必要があるため、多くの手間と時間を費やすことにな
り、特にトンネルの掘削作業をTBMにより行う場合に
はTBMの高速掘削といったメリットを生かすことがで
きないといった問題がある。
【0006】一方、コンクリートの吹付けによる覆工に
あっては、撤去作業などの必要がないものの、吹付けコ
ンクリートの強度発現までに時間がかかり、しかも吹付
け時の作業環境の悪化などの問題があった。
【0007】この発明は、以上の課題を解決するもので
あって、急速施工が可能であって、地山支持耐力が大で
あり、後続する本体掘削の際に撤去作業の容易なトンネ
ル覆工工法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、掘削されたトンネルの断
面形状に沿って型枠を配置し、型枠とトンネル壁面との
隙間に発泡性ウレタン樹脂液を注入、固化させて、ウレ
タン樹脂の発泡固化体を前記トンネル壁面の覆工構造体
とすることを特徴とし、これにより、短時間急速施工を
可能とし、しかも地山支持耐力が大で、地山に密着した
靱性の高い覆工が得られる。
【0009】また、請求項2に記載の発明は、前記型枠
を発泡性ウレタン樹脂で成形し前記トンネル壁面の履工
構造体の一部とすることを特徴とし、これにより、型枠
の短時間成形を可能とし、靱性の高い構造体が得られ
る。
【0010】そして、請求項3に記載の発明は、前記発
泡性ウレタン樹脂は、ポリオールを40〜60重量部、
イソシアネートを40〜60重量部、発泡助剤を0.1
〜2.0重量部からなり、合計が100重量部となるこ
とを特徴とし、これにより、ウレタン樹脂固化物がで
き、短時間に固化するとともに、高い圧縮強度を有する
履工構造体または型枠が得られる。
【0011】ここで、前記発泡性ウレタン樹脂中にフラ
イアッシュまたはペーパースラッジおよび火山灰等の灰
を適宜割合で混合すれば(請求項4)、樹脂に対するフ
ィラーとしての機能とともに、ウレタン樹脂の持つ弾塑
性に加え、圧縮強度、剛性の増加を図ることができる。
【0012】さらに、請求項5に記載の発明は、請求項
1または2に記載のトンネル履工方法に用いられる発泡
性ウレタン樹脂であって、ポリオールを40〜60重量
部、イソシアネートを40〜60重量部、発泡助剤を
0.1〜2.0重量部からなり、合計が100重量部と
なることを特徴とし、これにより、短時間に固化すると
ともに、固化後は高い圧縮強度を有するウレタン樹脂固
化物が得られ、トンネル履工に適する。
【0013】ここで、フライアッシュまたはペーパース
ラッジおよび火山灰等の灰を適宜割合で混合すれば(請
求項6)、樹脂に対するフィラーとしての機能ととも
に、ウレタン樹脂の持つ弾塑性に加え、圧縮強度、剛性
の増加を図ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好ましい実施の
形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。図
2、図3(a),(b)は、この発明による覆工方法を
示している。なお、前記図1と同一箇所には同一符号を
用いて説明を行う。
【0015】図において、先進導坑2は、例えばTBM
3により掘削される。TBM3は、専らその後部底面に
配置されたインバートセグメント10に対し推進ジャッ
キ3aにより反力をとって前進しつつ地盤のEの切羽を
掘削する。
【0016】インバートセグメント10の設置箇所以外
においては、これを基準足場としてその上部に支保工1
2を組立て、この支保工12の周囲にトンネル断面形状
に沿って型枠14を組んだ後、この型枠14とトンネル
壁面との隙間d内に発泡性ウレタン樹脂液を注入する。
なお、図においては説明の簡易化のために型枠14を断
面八角形に組立てた場合を示したが、さらに多角の形状
とすることによって、トンネル断面の形状に近くなるこ
とは勿論である。また、隙間dの厚みは成形される発泡
ウレタン樹脂の強度・耐力などに応じて設定され、また
地山強度によっても異なるが、3.0〜10.0cm程
度に設定することが好ましい。
【0017】この発泡性ウレタン樹脂液は、イソシアネ
ートなどの主剤、固化剤、発泡助剤などの液状組成物で
あり、その発泡倍率が例えば10倍となるように調整さ
れたものである。
【0018】またこの組成物に、フライアッシュまたは
ペーパースラッジ及び火山灰等の灰を5〜50重量%の
割合で添加、混合しておくことができる。フライアッシ
ュ等は、ウレタン樹脂に対するフィラーとしての機能を
有するとともに、これ自体が水分によって水和反応を生
じ、固化することによってモルタルと同等の耐圧縮強度
部材としての機能を兼用し、成形された構造体の剛性を
増すことができる。
【0019】また、このフライアッシュ等の混合比を低
くすると、樹脂の特性が卓越して材料特性に富んだもの
となり、高い場合には逆に材料特性による効果がないた
め、その配合比の上限を50%、下限を5%程度に設定
することで、より効果的な実施形態が得られる。
【0020】以上の発泡性ウレタン樹脂液の注入条件と
しては、注入作業の直前において、前記組成物を混合器
16内に投入して十分攪拌混合し、可使時間以内に型枠
14の任意の位置にあけられた穴から注入器18を通じ
て隙間d内に注入することにより、樹脂液は発泡しなが
ら固化する。
【0021】この注入から固化及び型枠脱型に至るまで
の時間は、0.5〜10分程度であり、従来のコンクリ
ート吹付け作業やセグメント組立作業に比べて、作業時
間を極度に短縮できる。固化の完了は、例えば型枠14
の内側にはみ出た発泡樹脂の固化状態を観察することで
確認できる。
【0022】固化後は、直ちに型枠14を撤去し脱型す
ることができる。この型枠14、支保工12は次の充填
箇所に転用できる。またこのために、型枠14の表面に
は予め離型剤などを塗布しておくことが必要である。
【0023】脱型後の発泡ウレタン樹脂の固化による覆
工構造体20は、内周が型枠14の形状に応じた形状で
あって、外周はトンネル壁面に密着し、この密着によっ
て地山内部のゆるみや変位を拘束し、地山支持力低下を
防止するとともに、きわめて靱性の高い構造体となる。
【0024】なお、トンネル内に多少の湧水などがあっ
ても樹脂の固化には影響を与えないが、多量の湧水があ
るとこれに押し流され、発泡固化がなされなくなる場合
もあるので、多量の湧水がある場合には、型枠設置作業
に先立ち、湧水処理を施すことが必要である。
【0025】先進導坑2の施工完了後、本工1を掘削
し、先進導坑2を拡幅掘削する場合には、覆工構造体2
0をそのままの状態で掘削でき、これによるウレタン屑
は他の掘削土砂とともに混合された状態で排土処理され
る。
【0026】前記型枠14は地山強度によっても異なる
が、1.0〜10.0cm程度に設定することが好まし
い。この型枠用発泡性ウレタン樹脂は、ポリオール、イ
ソシアネートなどの主剤、発泡助剤などの液状組成物で
あり、その発泡倍率が例えば2倍となるように調整され
たものである。またこの組成物にフライアッシュまたは
ペーパースラッジおよび火山灰等の灰を5〜50重量%
の割合で添加混合することができる。フライアッシュ等
はウレタン樹脂に対するフィラーとしての機能を有する
とともに、これ自体が水分により水和反応を生じ、固化
することによってモルタルと同等の耐圧縮強度部材とし
ての機能を兼用し、成形された構造体の剛性を増すこと
ができる。
【0027】前記型枠を前記トンネル壁面の履工構造体
の一部とするトンネル履工方法では、充填用発泡ウレタ
ン樹脂が前記トンネル壁面の内周に密着し、前記型枠の
外周と接着してトンネル壁面と一体化することにより地
山内部のゆるみや変位を拘束し、地山支持力の低下を防
止するとともに、きわめて靱性の高い履工構造体とな
る。
【0028】充填用発泡ウレタン樹脂が固化した後、前
記型枠の撤去は行われず、そのまま履工構造体の一部と
なるので離型剤を塗布する必要はなく、前記型枠の撤去
が不要なのこと等が相俟って、短時間の急速施工を可能
にすることができる。
【0029】以下、本発明に用いられる発泡性ウレタン
樹脂液の具体的実施例について比較例と比較しつつ説明
する。
【0030】
【実施例】 [基本配合] 主剤A ポリオール :三井東圧化学株式会社製の商品名「SU−464」 49部 主剤b イソシアネート:三井東圧化学株式会社製の商品名「コスモネートM −100」 49部 発泡助剤 :サンアプロ株式会社製の商品名「ポリキャット41」 2部 からなる組成の発泡性ウレタン樹脂液に、フライアッシ
ュを15部混合した。
【0031】
【比較例1】実施例と同じ組成の発泡性ウレタン樹脂液
に、フライアッシュを50部混合して比較対象とした。
【0032】
【比較例2】実施例と同じ組成の発泡性ウレタン樹脂液
に、フライアッシュを混合せずに比較対象とした。
【0033】
【比較結果】上記実施例1、比較例1,2の樹脂液を、
直径20mm、長さ45mmの型に入れて成形したとこ
ろ、表1に示す結果が得られた。
【0034】
【表1】 ここで、固化時間の単位は分であり、圧縮強度は、JI
S A1108「コンクリートの圧縮試験方法」により
測定した(単位:kgf/cm2 )。
【0035】この結果から明らかなように、フライアッ
シュの適度割合で混入したことにより、圧縮強度が向上
することが確認された。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のうち請
求項1に記載の発明によれば、短時間急速施工を可能と
し、しかも地山支持耐力が大で、地山に密着した靱性の
高い覆工体が得られる利点がある。請求項2に記載の発
明では、同様な効果が得られる型枠を得ることができ
る。
【0037】また、請求項3に記載の発明によれば、ウ
レタン樹脂固化物ができ、短時間に固化するとともに、
高い圧縮強度を有する履工構造体または型枠が得られ
る。請求項4に記載の発明によれば、樹脂に対するフィ
ラーとしての機能とともに、ウレタン樹脂の持つ弾塑性
に加え、圧縮強度、剛性の増加を図ることができる。
【0038】さらに、請求項5に記載の発明は、短時間
に固化するとともに、固化後は高い圧縮強度を有するウ
レタン樹脂固化物が得られ、トンネル履工に適する。請
求項6に記載の発明によれば、樹脂に対するフィラーと
しての機能とともに、ウレタン樹脂の持つ弾塑性に加
え、圧縮強度、剛性の増加を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】大断面トンネルにおける本工と先進導坑との関
係を示す正断面図である。
【図2】この発明にかかる覆工方法を示す側断面図であ
る。
【図3】(a)は図2のA−A線における正断面図であ
る。(b)は同断面における型枠撤去状態を示す正断面
図である。
【符号の説明】
2 先進導坑 10 インバートセグメント(基準足場) 12 支保工 14 型枠(発泡ウレタン樹脂固化体) 16 混合器 18 注入器 20 覆工構造体(発泡ウレタン樹脂固化体)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 掘削されたトンネルの断面形状に沿って
    型枠を配置し、型枠とトンネル壁面との隙間に発泡性ウ
    レタン樹脂を注入、固化させて、ウレタン樹脂の発泡固
    化体を前記トンネル壁面の覆工構造体とすることを特徴
    とするトンネル覆工方法。
  2. 【請求項2】 前記型枠を発泡性ウレタン樹脂で成形し
    前記トンネル壁面の履工構造体の一部とすることを特徴
    とする請求項1に記載のトンネル履工方法。
  3. 【請求項3】 前記発泡性ウレタン樹脂は、ポリオール
    を40〜60重量部、イソシアネートを40〜60重量
    部、発泡助剤を0.1〜2.0重量部からなり、合計が
    100重量部となることを特徴とする請求項1または2
    に記載のトンネル履工方法。
  4. 【請求項4】 前記発泡性ウレタン樹脂中にフライアッ
    シュまたはペーパースラッジおよび火山灰等の灰を適宜
    割合で混合したことを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれかに記載のトンネル覆工方法。
  5. 【請求項5】 ポリオールを40〜60重量部、イソシ
    アネートを40〜60重量部、発泡助剤を0.1〜2.
    0重量部からなり、合計が100重量部となることを特
    徴とする請求項1または2に記載のトンネル履工方法に
    用いられる発泡性ウレタン樹脂。
  6. 【請求項6】 フライアッシュまたはペーパースラッジ
    および火山灰等の灰を適宜割合で混合したこと特徴とす
    る請求項7に記載のトンネル履工方法に用いられる発泡
    性ウレタン樹脂。
JP8186481A 1996-07-16 1996-07-16 トンネル覆工方法およびこの方法に用いられる発泡性ウレタン樹脂 Pending JPH1030398A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7421538B2 (en) 2002-11-22 2008-09-02 Fujitsu Limited Storage control apparatus and control method thereof
JP2013245514A (ja) * 2012-05-29 2013-12-09 Maeda Corp トンネル内壁面への断熱材施工方法
JP2014190038A (ja) * 2013-03-27 2014-10-06 Nippon Civic Engineering Consultant Co Ltd 拡幅トンネルの構築方法と拡幅シールド機
JP2020186537A (ja) * 2019-05-10 2020-11-19 日油技研工業株式会社 空洞充填方法

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