JP6966821B1 - プレート状の建設資材およびそれを用いた施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】深礎杭などを施工するための建設資材として、再利用可能なプレート状の資材を提供する。【解決手段】 波付けされた鋼板部11と、その四方に設けられた組立用のフランジ12とを有し、複数枚を組み合わせることにより筒状の壁体(型枠)20を構成可能なプレート状の建設資材10であって、鋼板部の外周側19のそれぞれの凹部13の一部を封鎖するように設けられた平面部15を有する建設資材を提供する。平面部15は凹部13のそれぞれに装着された板材16であってもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、プレート状の建設資材およびそれを用いた施工方法に関するものである。
特許文献1には、ライナープレートを用いた深礎工法において、鉄道営業線に近接した箇所で施工する際の、工期の延長および工事費の増加を抑えることが記載されている。この深礎工法においては、支持壁体を構成するライナープレートの下端に、新たなライナープレートを継ぎ足す際に、新たに設置したライナープレートと地山との間にできる空隙の開口を閉塞し、支持壁体と、新たに継ぎ足したライナープレートとに跨るようにライナープレート補強器具を取り付けることにより、新たに継ぎ足したライナープレートの剛性を補い、その後、空隙に裏込めを充填する。
特開2014−234658号公報
深礎工法は波板を含むライナープレートでリング状の土留めのための枠を形成し、その枠で土留めを行いながら、人力または機械により孔(立坑)を掘削する工法を含む。土留めのための枠の解体は、立坑(縦穴)にコンクリートを打込みながら行ってもよいが、土留めのための枠を解体することによって立坑の壁の崩壊が起こる場合は、解体せずそのまま埋め殺しとする場合が多い。
土木建築の分野においても建設資材の再利用は、資源の無駄な消費を抑制するために重要である。そのためには、ライナープレートを用いた土留め枠を安全に、かつ、簡単に解体できることが望ましい。現場によっては、地山(立坑の地盤)とライナープレートとの間の隙間にグラウト材としてモルタルを注入することは行われるが、ライナープレートを取り外せるほどの強度の確保は難しく、また、ライナープレートの外側に離型剤を塗布したとしても波板状のライナープレートは接地面積が大きく、取り外しは容易ではない。
本発明の態様の1つは、波付けされた鋼板部と、その四方に設けられた組立用のフランジとを有し、複数枚を組み合わせることにより筒状の壁体を構成可能なプレート状の建設資材であり、さらに、波付けされた鋼板部(波板)の外周側のそれぞれの凹部(谷部)の一部を封鎖するように設けられた平面部を有する。この建設資材は、基本的な構成はライナープレートと呼ばれるものと共通するが、外周側の凹部の一部を封鎖して平面状とすることにより、建設資材として要求される強度などの基本的な仕様は従来のライナープレートと共通し、外周側の面(外周面)の面積を小さくできる。したがって、コンクリートまたはモルタルとの接触面積が小さくなる。このため、本発明の建設資材を組み合わせた壁体を型枠として使用し、外側に十分な強度のコンクリートまたはモルタルによる壁(以降においてはモルタル製の壁を含めてコンクリート壁と呼ぶことがある)を構築でき、さらに、容易に型枠(壁体)を解体することができる。このため、この建設資材は容易に再利用可能であり、資源の無駄な消費を抑制できる。
また、凹部の全部ではなく、一部を封鎖するように平面部を形成することにより、平面部を追加することによる建設資材の重量の増加およびコストの増加を抑制でき、安価で取り扱いが容易な建設資材を提供できる。さらに、外周面に凹部の一部、すなわち、凸部を残すことにより、コンクリート壁との適度な密着性を確保できる。特に、コンクリート壁を施工した後に、その下側に、建設資材により次の筒状の壁体を組み立てるときや、筒状の壁体を解体するときの軸方向の脱落を抑制することができ、作業の安全性を向上できる。
建設資材は、平面部を構成するように凹部のそれぞれに装着された板材をさらに有していてもよい。板材と波板の凹部との間の空間を発泡スチロールなどの軽量な部材で充填してもよい。鋼板部の平面部から外周側に突き出た長さhと、平面部の軸方向の長さLとが以下の条件(1)を満たしてもよい。
0.05<h/L<0.5・・・(1)
条件(1)の下限を下回ると、建設資材の重量およびコストが増加し、解体時(脱型時)に軸方向に脱落しやすくなる。上限を上回ると、外周面の面積が大きくなりすぎて脱型が難しくなる。
建設資材は、鋼板部の外周側から見た凹部上部から平面部の一部を外周下側に向けて貫通するコンクリートおよび/またはモルタルを注入するための注入孔をさらに有してもよい。内周側から見ると、凸部の上部から外側下向きに傾いた注入孔が設けられる。この注入孔は、内側からコンクリートおよび/またはモルタルの注入が容易な形状であるとともに、地山からの落石などが入りにくい形状となっている。建設資材は、組立用フランジの中の軸方向に延びた組立用フランジの少なくとも一方が傾いている、すなわち、半径方向から傾いている建設資材を含んでいてもよい。フランジの向きを半径方向から傾けることにより、内側への離脱が容易になり、さらに内側に解体して剥がしやすい建設資材を提供できる。
本発明の他の態様の1つは、波付けされた鋼板部と、その四方に設けられた組立用のフランジとを有し、複数枚を組み合わせることにより筒状の壁体を構成可能なプレート状の建設資材を用いて構造物を施工する方法である。建設資材は、鋼板部の外周側のそれぞれの凹部の一部を封鎖するように設けられた平面部を含む。この方法は、以下のステップを含む。
1.掘削された地盤(地山)の内部に建設資材を組み合わせて筒状の壁体を構成すること。
2.筒状の壁体の平面部を含む外周面と地盤との間にコンクリートおよび/またはモルタルを注入すること。
3.筒状の壁体の外周面と地盤との間に注入されたコンクリートまたはモルタルが固化した後に、筒状の壁体を内周側に解体すること。
この方法は、さらに以下のステップを含んでいてもよい。
4.建設資材を内側に解体することにより、平面と平面から凹んだ部分とが軸方向に繰り返されるコンクリートまたはモルタルによる壁面が構築されること。
コンクリートまたはモルタル製の壁面の凹んだ部分の深さdと、平面の軸方向の長さcLとが以下の条件(2)を満たしてもよい。
0.05<d/cL<0.5・・・(2)
本発明のさらに異なる態様の1つは、波付けされた鋼板部と、その四方に設けられた組立用のフランジとを有し、複数枚を組み合わせることにより筒状の壁体を構成可能なプレート状の建設資材により施工された構造物である。建設資材は、鋼板部の外周側のそれぞれの凹部の一部を封鎖するように設けられた平面部を含む外周面を有する。この構造物は、建設資材を、掘削された地盤の内部で組み合わせて筒状の壁体を構成し、筒状の壁体の外周面と地盤との間にコンクリートおよび/またはモルタルを注入することにより、コンクリートまたはモルタルにより構造物を施工でき、建設資材を内側に解体することにより、平面と平面から凹んだ部分とが軸方向に繰り返される内周面を含む構造物を施工できる。この構造物において、コンクリート製またはモルタル製の壁面の凹んだ部分の深さdと、平面の軸方向の長さcLとが上記の条件(2)を満たしてもよい。
型枠プレートにより組み立てられた壁体を型枠として立坑を施工する様子を示す図。 型枠プレートの概要を示す図。 坑内で型枠プレートにより型枠を組み立てた状態を示す図。 型枠と地盤との間にコンクリートまたはモルタルを注入した状態を示す図。 型枠を外した状態を示す図。 注入孔を有する型枠プレートを外周側から見た図。 注入孔を有する型枠プレートの断面図。 分解用の型枠プレートを示す図。
図1に、本発明に係る建設資材と、建設資材を用いて施工された構造物の一例を模式的に示している。本例の建設資材10は、波付けされた鋼板部11と、その四方に設けられた組立用のフランジ12とを有し、複数枚を組み合わせることにより筒状の壁体20を構成可能なプレート状の建設資材であって、鋼板部11の外周側19のそれぞれの凹部(谷部)13の一部を封鎖するように設けられた平面部15を有する。この建設資材(建築資材)10は、土留め材と、型枠とを兼ねた、全体として円弧状のプレート材(型枠プレート)である。型枠プレート10は、波付けされた鋼板部(波板)11と、その四方に設けられた組立用のフランジ12とを有する点では、従来のライナープレートと呼ばれる建設資材と共通する構成を含む。
この型枠プレート10は、複数枚、例えば、本例においては4枚、または取り外し用(解体用)の短尺の型枠プレート10bを含むと5枚を組み合わせることにより円筒状の壁体20を構成でき、立坑などのコンクリート製またはモルタル製の構造物(以降においてはコンクリート構造物と呼ぶ)50を施工するための型枠として使用できる。型枠プレート10は、コンクリートおよび/またはモルタルを注入するための注入孔30を含むプレート材10aを含んでいてもよい。筒状の壁体20は、円筒状に限らず、楕円筒状、角筒状などであってもよく、半円状などの他の形状であってもよい。典型的には、円筒状の壁体20を用いて、掘削した地盤(地山)1に、コンクリート製またはモルタル製で円筒状の立坑(縦穴)50を施工することができる。
図2に、型枠プレート10の一例を示している。この型枠プレート10は、外周面17の外側(外周側(裏側))19にコンクリートおよび/またはモルタルを注入して立坑などの構造物50を施工するための型枠プレート(裏込注入型枠用ライナープレート、ライナープレート)10の標準形(ライナープレート裏込注入型枠標準型)の一例であり、本発明は、これに限定されない。図2(a)は、型枠プレート10を内側(内周側)18から見た正面図であり、図2(b)は、型枠プレート10を上側または下側(軸方向Xの上下)から見た平面図(底面図)であり、図2(c)は、型枠プレート10を外側(外周側)19から見た裏面図であり、図2(d)は、型枠プレート10の左側面図であり、右側面図は対称に現れる。また、図2(e)は、型枠プレート10の軸方向Xに沿った断面e−eを示す断面図であり、図2(f)は、型枠プレート10の軸方向(縦方向)Xの断面の一部を拡大した端面図である。
上述したように、本例の型枠プレート10は、円筒状の壁体20の一部を構成する扇型または円弧状(円筒状の壁体20の軸方向(縦方向)Xに垂直な断面が円弧状)の鋼板製の波板11と、その四方に設けられた組立用のフランジ12とを有する。組立用のフランジ12は、上下(軸方向X)に接続するためのフランジ12aおよび12bと、周方向(横方向)に接続するためのフランジ12cおよび12dとを含み、それぞれのフランジ12a〜12dに接続用のボルト孔38が設けられている。周方向の接続用フランジ12cおよび12dには水抜き孔39が設けられていてもよい。型枠プレート10のサイズの一例は高さ(軸方向Xの長さ)が500mm、周方向の長さが1570mmであり、4枚の型枠プレート10を周方向(横方向)に組み合わせることにより直径2mの円筒状の壁体20を構成できる。
波板11の一例は、厚みが2.7〜7.0mmで、外周側19に軸方向Xに3つの凹部13が、ピッチ(谷から谷、または山から山)が135mmとなるように設けられたものである。型枠プレート10は、波板11の外周側19に、それぞれの凹部13の一部を封鎖するように設けられた平面部15を含む。したがって、型枠プレート10の外周面17は、軸方向Xに、凹部13を封鎖するように設けられた平面部15と、平面部15から突き出た凸部14とが繰り返し現れる形状を備えている。一方、型枠プレート10の内周側18の面(内面)は、波板11の凹凸(山谷)が現れた形状である。したがって、本例の型枠プレート10は、外周側19の面17と内周側18の面とが非対称であり、型枠プレート10により組み立てられる円筒状の壁体(型枠、ライナープレート裏込注入型枠、ライナープレート裏込注入型枠組立体)20も外周側19の面17と内周側18の面とは形状が異なり、内面と外面とが非対称な構成の型枠20が組み立てられる。
本例の型枠プレート10は、凹部13の一部を封鎖するように溶接等により装着された幅90mmの平らな板材(鋼板、フラットバー)16により平面部15が形成されている。板材16は、波付けされた鋼板部(波板)11の外周側19に突き出た凸部14の先端から10mm後退するように取り付けられている。したがって、本例の型枠プレート10においては、平面部15から外周側19に突き出た凸部の長さhが10mmであり、平面部15の軸方向Xの長さLが90mmである。したがって、長さhと長さLとの比h/Lは0.11であり、以下の条件(1)を満たす。
0.05<h/L<0.5・・・(1)
条件(1)の下限は、0.07であってもよく、0.08であってもよく、0.09であってもよい。上限は、0.3であってもよく、0.2であってもよく、0.15であってもよい。下限を下回ると、建設資材の重量およびコストが増加し、解体時(脱型時)や下方を掘削している途中に軸方向Xに脱落しやすくなる。上限を上回ると、外周面の面積が大きくなりすぎて脱型が難しくなる。
板材16と凹部13とにより形成される空間には何も充填されていなくてもよく、発泡スチロールなどの軽量な部材が充填されていてもよい。また、板材16には、水抜き用の孔を一定の間隔で設けてもよい。
図3〜図5に、本例の型枠プレート10により組み立てられた壁体(型枠)20により、コンクリート製の立坑(構造物)50を施工(製造、構築)する様子を示している。まず、図3に示すように、地山1を掘削し、掘削された地盤3の内部に、型枠プレート10を組み合わせて筒状の型枠(壁体)20を構成する。型枠プレート10を組み合わせた筒状の型枠20は土留め(山留)として十分な強度を有する。したがって、円筒状の型枠20は土留め壁としての機能を備えており、その内側で、地山1をさらに下方に向けて掘削するなどの作業を安全に行うことができる。
次に、図4に示すように、筒状の型枠(壁体)20の平面部15を含む外周面17と地盤3との間5にコンクリートまたはモルタル58を注入することによりコンクリート構造物50を形成する。型枠プレート10の外周側19、すなわち、裏側に、上方の型枠プレート10aに設けられた注入孔30からコンクリート(モルタル)を注入することにより型枠プレート10の裏側にコンクリート構造物50を施工する。型枠プレート10の外周側(裏側)19と地盤3との間5にはコンクリートまたはモルタルにより構造体を構築するための隙間、例えば、100mm程度の隙間5が設けられており、コンクリート58を注入(裏込め注入)することにより、壁厚が100mm程度の円筒状の立坑をコンクリートまたはモルタルによる構造物50として施工できる。なお、以降においては、コンクリートを注入して構造物を製造(施工)する方法を例に説明するが、コンクリートの代わりに、またはコンクリートと重ねてモルタルを注入してもよい。
図5に示すように、筒状の型枠(壁体)20の外周面17と地盤3との間に注入されたコンクリート58が固化した後に、筒状の型枠20を内周側18に解体する。これにより、型枠プレート10を内側の脱型方向60に、コンクリート構造物50から取り外すことができる。外周面17に平面部15と凸部14とが軸方向Xに繰り返し現れる型枠プレート(建設資材)10を内側60に外す(脱型する)ことにより、コンクリート構造物50の内側には、平面55と平面55から凹んだ部分54とが軸方向Xに繰り返されるコンクリート壁面(表面、内面)51が構築される。
コンクリート壁面(内周面)51の凹んだ部分54の深さdと、平面55の軸方向の長さcLとは、型枠プレート10の外周面17の平面部15と凸部とから形成される。したがって、凹んだ部分54の深さdは凸部の長さhと同じ10mmとなり、平面55の軸方向の長さ(幅)cLは平面部15の軸方向Xの長さ(幅)Lと同じ90mmとなる。したがって、深さdと長さcLとの比d/cLは0.11であり、以下の条件(2)を満たす。
0.05<d/cL<0.5・・・(2)
条件(1)と同様に、条件(2)の下限は、0.07であってもよく、0.08であってもよく、0.09であってもよい。上限は、0.3であってもよく、0.2であってもよく、0.15であってもよい。
図6および図7に、コンクリート58の注入孔30を備えた型枠プレート(建設資材)10aを示している。図6は型枠プレート10aを外周側19から見た図であり、図7は型枠プレート10aの注入孔30の部分の軸方向Xの断面図(端面図、図6のVII−VII断面)である。この型枠プレート10aは鋼板部(波板)11の凹部13の上部(凹部上部)から平面部15、本例では板材16の一部を外周下側に向けて貫通するコンクリートの注入孔30を有する。型枠プレート10aの内側18に、注入孔30に繋がったパイプ状の注入口31を設けてもよい。
注入孔30を備えた型枠プレート10aは、コンクリート58を注入する円筒状の型枠20の最下段に配置され、その型枠20の下に設けられる、次にコンクリート58を注入する型枠20の直上に設定される。注入孔30の外周側(裏側)19には、注入孔30から下方に延びた箱抜き(不図示)が予め施工される。このため、注入孔30から、その下の、次にコンクリート58を注入する型枠20の外周側19に注入(投入、充填)することができる。したがって、コンクリート58を、注入孔30が設けられた型枠プレート10aの直下の型枠20の外周側(裏側)19の面17と掘削した地盤1との間に充填することができる。注入孔付の型枠プレート(裏込注入型枠用注入孔付型枠プレート、裏込注入孔付ライナープレート、ライナープレート裏込注入型枠注入孔形型枠)10aは、複数の型枠プレート10および10aが円筒状に組み合わされる型枠(裏込注入型枠)20の一か所に組み込まれてもよいが、対角線上の(対峙する)2か所に組み込まれていてもよく、3か所以上に組み込まれていてもよい。
注入孔30が設けられた型枠プレート(ライナープレート裏込注入型枠注入孔形)10aの他の構成は上述した型枠プレート10と共通しており、平面部15と、凸部14とが軸方向Xに連続した形状の外周面17を含む。注入孔30は、波板11の最も下側の凹部13の上側を貫通するように設けられる。したがって、注入孔30の上側の凹部13が、落石などのガードとなる。このように、型枠プレート10aは、地盤3から崩れた物体が注入孔30を介して型枠(壁体)20の内側に入りにくい構成となっている。注入孔30の内径φの一例は75mmであり、平面部15を構成する板材16の幅(長さ)Lが90mmより狭く、注入孔30が波板11の凹部13の上側の面と、平面部15を構成する板材16とを貫通するように設けることができるサイズとなっている。
図8に、型枠20の解体を容易に開始できるように分割された短尺の型枠プレート10bの一例を示している。この型枠プレート10bは、解体分解用の型枠プレート(裏込注入型枠解体分解用型枠プレート、裏込注入型枠解体分解用ライナープレート、ライナープレート裏込注入型枠解体分割形)であり、組立用フランジ12の中の軸方向Xに延びた組立用フランジの少なくとも一方、本例では組立用フランジ12eが傾いている。すなわち、型枠プレート10を周方向に隣接する型枠プレート10と接続するための、左右の軸方向Xに延びた組立用フランジ12cおよび12dは、半径方向Yと一致する(平行)ように設けられている。これに対し、短尺の分解用型枠プレート10bの一方の組立用フランジ12eは、半径方向Yに対し傾いており、型枠プレート10bを取り外す(脱型する)内側方向60に対して開いた(鈍角な)面を構成する。したがって、組立用フランジ12eの間にコンクリートあるいはモルタルが入って固まったとしても、分解用の短尺の型枠プレート10bを容易に取り外すことができる。1つの型枠プレート10bを取り外すことにより、コンクリート構造物(立坑)50の内面51の一部が現れる。このため、円弧状の複数の型枠プレート10が円筒状に組み合わされた型枠20は、型枠20の外周面17と内面51との間にバールなどの治具を入れることにより、容易に型枠20を分解しながら脱型できる。
土木建設の分野においても建設資材の再利用は、資源の無駄な消費を抑制するために重要である。本例の型枠プレート10は、波板11と組立用フランジ12とを含み、基本的な構成は立坑などを施工するための土留め枠を組み立てるライナープレートと共通する。したがって、土留め枠を兼ねた壁体(型枠)20を、型枠プレート10を組み合わせることにより、安全に、かつ、簡単に構築できる。さらに、型枠プレート10を組み合わせることにより構成される壁体20は、裏側(外周側)19にコンクリート58を注入(裏込め)できる型枠(裏込注入型枠)であり、地山1を掘削した地盤3、例えば縦穴内(坑内)に、土留め(山留)と裏込注入型枠とを兼ねた壁体20を、従来のライナープレートで土留め枠を組み立てるのと同様の手間で構築できる。さらに型枠プレート10としては標準形のプレートに加えて、注入孔付の型枠プレート(裏込注入孔付型枠プレート)10aを含めて円筒状の型枠20を組み立てることが可能であり、注入孔30から型枠20の外周側(裏側)19と地盤3との間にコンクリート58を注入することにより、型枠20を用いて、所定の壁厚を備え、十分な強度を備えた立坑などのコンクリート構造物50を施工(構築)できる。
本例の型枠プレート(建設資材、建築資材、ライナープレート)10は、外周面(裏込め注入面)17の凹部13の一部に平面部15を設け、外周面17を平面化している。このため、凹部13が連続した従来のライナープレートに対し、コンクリート58に対する接触面積を削減でき、コンクリート58に対する剥離性が良好となる。このため、立坑などのコンクリート構造物50を施工した後に、簡単に型枠20を分離(剥離)して、型枠プレート10の状態に分解できる。したがって、型枠プレート10は簡単に再利用が可能であり、建設資材の浪費を抑制できる。
また、型枠プレート10の外周面17は、凹部13の一部を平面部15とした構成であり、縦方向(軸方向)Xに、平面部15と、平面部15から条件(1)を満たす程度に突き出た凸部14とが繰り返される構成となる。この平面部15と凸部14とが繰り返される外周面17は、コンクリート58の内面51に対し、剥離性がよいとともに、ある程度の密着性があり、型枠20あるいは型枠プレート10が予期せず剥離することを防止できる。例えば、立坑を施工する際は、地盤3の底面をさらに掘削し、コンクリート壁を施工した型枠20の下段に連結して、次のコンクリート壁を施工するための型枠20を組み立てる必要があるが、その際に、上側の型枠20が落下することを防止できる。
また、この型枠プレート10を用いて施工されるコンクリート構造物50の壁面51は、平面55と、条件(2)を満たす程度に凹んだ部分54とが軸方向Xに繰り返される構造となり、基本的には平面55で構成される。このため、波板でコンクリート壁面を構築する場合と異なり、コンクリート構造物50の強度として利用できる(有効な)壁厚を十分に確保することができる。したがって、コンクリート構造物50だけで十分な強度を備えた立坑などの構造物を容易に施工することが可能となり、型枠プレート10あるいはそれらにより組み立てられる壁体(型枠)20を埋め殺しにする必要がなくなる。この点でも、型枠プレート10を再利用することが可能となり、資源の浪費を抑制できる。
また、型枠プレート10として、型枠20を組立後、解体するときに便利な分割用に組立フランジ12eが傾いた型枠プレート10bを用いることにより、コンクリート壁面51からさらに容易に型枠20を剥離・分解することができる。したがって、安全に、かつ容易に、また、再利用により低コストで立坑などコンクリート構造物50を構築できる型枠プレート10を提供できる。
この裏込め注入型の型枠プレート10を用いた構築方法(ライナープレート裏込め注入型枠を使用した坑内地山土留壁構築法、深礎工法)の特徴は、型枠20の連結組み立てを正確にできることである。本例においては直径2mの円筒状の型枠20を構成するように事前に設計された型枠プレート10を組み立てることにより、所定の形状の型枠20を組み立てることができる。このため、まず、坑内土留壁として機能する型枠20を、構造上の精度が高い機能で正確に組み立てることができ、坑内土留壁築造精度を向上でき、その型枠20を用いることによりコンクリート構造の立坑50を精度よく施工できる。また、型枠20は解体することにより土留め材である型枠プレート10の全損の発生を防止できる。
さらに、湧水による注入材の硬化難を発生させることもなく、土留め壁構築時の粉塵・硬化剤被災も抑制できる。すなわち、従来、深礎掘削においては、吹き付けコンクリートの施工方法、例えば、遠心力吹き付け工法が用いられているが、湧水による硬化難に対応することが難しく、また、硬化促進のために硬化剤が多用される。これに対し、この裏込め注入型の型枠プレート10を用いた構築方法においては、湧水箇所に対しても型枠プレート10により区画化された領域にモルタルまたはコンクリートを注入することにより止水材としての効果を得ることが可能であり、安全に、強度の高い立坑などの構造物を施工することができる。
なお、以上においては、円筒状の型枠(壁体)20を構成するための円弧状の型枠プレート10に基づき本発明を説明しているが、型枠20は円筒状に限らず、楕円筒状、角筒状などであってもよく、型枠プレート10もそれぞれの形状に即した形状のものであってもよい。この型枠プレート10を組み立てた型枠20により施工されるコンクリート構造物50は立坑に限らず、横坑であってもよく、立坑をコンクリートなどで埋め戻した深礎杭あるいは深礎基礎などであってもよい。
10 型枠プレート、 20 円筒状の壁体(型枠)、 50 コンクリート構造物(立坑)

Claims (6)

  1. 波付けされた鋼板部と、その四方に設けられた組立用のフランジとを有し、複数枚を組み合わせることにより筒状の壁体を構成可能なプレート状の建設資材であって、
    前記鋼板部の外周側のそれぞれの凹部の一部を封鎖するように設けられた平面部を有し、前記鋼板部の前記平面部から外周側に突き出た長さhと、前記平面部の軸方向の長さLとが以下の条件を満たす、建設資材。
    0.05<h/L<0.5
  2. 請求項1において、
    前記平面部を構成するように前記凹部のそれぞれに装着された板材をさらに有する、建設資材。
  3. 請求項1または2において、
    前記鋼板部の凹部上部から前記平面部の一部を外周下側に向けて貫通するコンクリートおよび/またはモルタルを注入するための注入孔をさらに有する、建設資材。
  4. 請求項1ないしのいずれかにおいて、
    前記組立用フランジの中の軸方向に延びた組立用フランジの少なくとも一方が傾いている、建設資材。
  5. 波付けされた鋼板部と、その四方に設けられた組立用のフランジとを有し、複数枚を組み合わせることにより筒状の壁体を構成可能なプレート状の建設資材を用いて構造物を施工する方法であって、
    前記建設資材は、前記鋼板部の外周側のそれぞれの凹部の一部を封鎖するように設けられた平面部を含む外周面を有し、
    当該方法は、
    掘削された地盤の内部に前記建設資材を組み合わせて筒状の壁体を構成することと、
    前記筒状の壁体の前記平面部を含む前記外周面と前記地盤との間にコンクリートおよび/またはモルタルを注入することと、
    前記筒状の壁体の前記外周面と地盤との間に注入されたコンクリートおよび/またはモルタルが固化した後に、前記筒状の壁体を内周側に解体することと
    前記建設資材を内側に解体することにより、平面と平面から凹んだ部分とが軸方向に繰り返されるコンクリートまたはモルタルによる壁面が構築されることとを有し、前記凹んだ部分の深さdと、前記平面の軸方向の長さcLとが以下の条件を満たす、方法。
    0.05<d/cL<0.5
  6. 波付けされた鋼板部と、その四方に設けられた組立用のフランジとを有し、複数枚を組み合わせることにより筒状の壁体を構成可能なプレート状の建設資材であって、前記鋼板部の外周側のそれぞれの凹部の一部を封鎖するように設けられた平面部を含む外周面を有する建設資材を、掘削された地盤の内部で組み合わせて筒状の壁体を構成し、前記筒状の壁体の前記外周面と前記地盤との間にコンクリートおよび/またはモルタルを注入することにより施工されたコンクリートまたはモルタル製の構造物であって、
    前記建設資材を内側に解体することにより、平面と平面から凹んだ部分とが軸方向に繰り返される構成の内周面を含み、前記凹んだ部分の深さdと、前記平面の軸方向の長さcLとが以下の条件を満たす、構造物。
    0.05<d/cL<0.5
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