JP3773332B2 - 沈設体用セグメントピース - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地中構造物に使用する沈設体用セグメントピースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、地中構造物の構築工法としては、地中に沈設体として、各種の杭を打ち込む工法、あるいは円形、長方形などの中空箱を地中の支持地盤まで潜掘沈下させ構造物を支えるケーソン工法などがある。ケーソンとしては、鉄筋コンクリート製が一般的である。
【0003】
一方、トンネル構築においては、鋼製セグメントを用いたシールド工法が一般的に用いられている。従来の鋼製セグメントの構成について図3、図4を参照して説明する。図3は従来の鋼製セグメントの斜視図である。図4は、図3の鋼製セグメントを多数連接して構築される構造体である沈設体の説明図である。
【0004】
図3において、鋼製セグメント20のすべての面は厚さ3〜25mmの鋼板で構成され、各部材は溶接により接続されている。一対の主桁21は、ドーナツ形状を複数に等分した2重円弧形状であり、例えば1mの間隔をおいて平行位置に対置されている。主桁21,21の両端に長方形の継手板22,22が連結され、概略四角形の枠状を構成している。さらに、主桁21,21と継手板22,22の構成する枠内に、継手板22,22に平行に複数の縦リブ23,23,…が設けられ、それぞれ両主桁21,21に接続されている。縦リブ23,23,…の形状としては、長方形の鋼板、あるいは主桁21に接する面がJ字型になる様に長方形の鋼板を曲げた形状のものが用いられる。
【0005】
さらに、主桁21のドーナツ形状の外側の円弧に接して、円筒を等分割した形状の外殻板(スキンプレート)24が主桁21,21、継手板22,22、縦リブ23,23…のすべてに接続して構成される。また、主桁21と継ぎ手板22にはボルト接合のための貫通孔が多数開けられており、多数の鋼製セグメント20の継手板22同士、及び主桁21同士が連結されて図4に示すようにトンネル形状の沈設体30が構成される。
【0006】
一方最近、この鋼製セグメント20を沈設体30として用いることにより、地下構造物を構築する工法が考えられている。鋼製セグメント20による沈設体30を用いることにより、次のような利点がある。第一に圧入工法と設置工法が選択できる。まず、圧入工法について図5を参照して説明する。図5は圧入工法の説明図である。この工法は、まず地中内にグラウンドアンカー31を設置し、沈設体30を地上で構築し、内部を水中掘削する。さらに、グラウンドアンカー31の反力をとって圧入桁32を介してジャッキ33にて沈設体30を押圧して沈設し、それを繰り返して所望の深度まで地中に圧入する。その後、底版コンクリートを打設し、内部にコンクリートの2次巻きを行なうことにより立坑としたり、あるいは鉄筋カゴを挿入しコンクリートを打設することにより基礎としたりする。圧入工法によれば、地盤改良の必要がなく経済性に優れている、圧入の途中でコンクリートの躯体養生がなく、連続施工が可能なので工期が短縮できる、等の利点がある。
【0007】
次に、鋼製セグメント20による沈設体30を用いた設置工法について図6を参照して説明する。図6は設置工法の説明図である。この工法は、まず、水中掘削にて施工された土留め41内に、地上で組み立てた底版リングを据え付ける。水面に設置したフロート足場42を利用して沈設体30を地上で組み立てながら、所定の深度まで沈設する。その後、躯体コンクリートとして流動化コンクリートを、底版コンクリートとして水中コンクリートを打設する。設置工法によれば、土留め内の水替えを行なわないので、土留め工事の効率が簡素で経済性に優れる、また、沈設体に近接して土留めを配置できるので掘削土量が少ない、さらに、底版を鉄筋コンクリートで施工でき、信頼性、経済性に優れている、等の利点がある。
【0008】
第二に、鋼製セグメント20による沈設体30を用いることにより次のような利点もある。すなわち、ビルトリング方式による構築で大型重機を必要としない。セグメントにコンクリートを使用しないので、各セグメントを小さく軽量に構成することができ、運搬、取り扱いが容易である。また、沈設体30の組み立ては、常に地表近くで行なわれるため、大型重機を必要としない。
【0009】
第三に、鋼製セグメント20による沈設体30を用いる工法は、地盤改良の必要がなく作業員が坑内に立ち入ることのない安全確実な工法である。さらに、多様な施工条件に柔軟に対応できる。狭い施工ヤードや上空制限などの厳しい条件下での施工が可能である、といった利点もある。したがって鋼製セグメント20を沈設体30として用いることにより、地下構造物を構築する工法を用いることは望ましく思われている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、地中構造がより深くなり、沈設体を地中深くに沈設すると、圧入工法では地盤の土圧を、設置工法では周囲の水圧を強く受ける。上記の鋼製セグメントを複数個連続して構築される円筒形の沈設体に対し、土圧あるいは水圧は、円筒形状を内側へつぶす方向に働き、各セグメントに関しては、外殻板を円弧の中心に向かって押す力となる。従って、鋼製セグメントを沈設体として使用した場合、鋼板の弾性変形または塑性変形により、各セグメントピースの中央部において外殻板が沈設体の内側に湾曲する現象が起こる。この現象が多数のセグメントピースで起きると変形が顕著となり、全体として構成された円筒形沈設体の外周面が真円からずれるという問題がある。
【0011】
そして、円筒形沈設体が各セグメントピースの変形により真円からずれ、円筒中心線が曲がった場合には、以下のような問題点が発生する。第一に、沈設体と地盤との隙間が大きくなり、周辺地盤に地盤沈下等の変状を起こしやすくなる。すなわち、一旦設置した沈設体が設置後に変形した場合、沈設体と地盤との間の隙間が大きくなる。そのため、隙間上部の地盤が隙間に入り込み、地盤沈下の原因となり、周辺地盤に悪影響を及ぼす問題がある。
【0012】
また、圧入工法で施工する場合、沈設体を圧入しやすくするために、沈設体が形成する筒状体の先端に刃口あるいはフリクションカットを設けている。さらに、一般に沈設体の圧入の際には、沈設体と地盤との摩擦を減じ、地盤の緩みを防ぎ、止水を目的として滑材注入を行う。滑材としては主にベントナイトが使われている。沈設体の圧入の途中で沈設体の一部が変形した場合、先端にある刃口あるいはフリクションカットの外周面軌跡が真円形であっても、湾曲した部分の外殻板外周面は真円形でないため、軌跡が異なる。すなわち、真円形に刃口が地盤を切り進んでも、変形した部分は刃口と同じ場所を通らないため、周面摩擦低減のための滑材などの効果が事実上無くなり、変形した部分に地盤の流入が起こる。さらに、一旦変形が起きると、直下方へ均一に働いていた圧入力が変形部分で分散される。従って、変形部分に応力が集中し、さらに変形が増幅される。よって、圧入自体が困難となる。
【0013】
さらに、鋼製セグメントの沈設体を使用したとき、地中浅い部分の沈設体が受ける地盤の土圧、水圧はそれほど大きくなく、健全な真円度を保つことができる。しかし、地中深くに用いた部分の沈設体については、大きな土圧、水圧を受け、外殻板が変形を起こすので、深さによる形状の違いが生じる。
【0014】
さらに、沈設体の設置後、沈設体の内側にコンクリートの二次覆工をして、沈設体の内空を利用する場合がある。二次覆工とは、沈設体沈設(一次覆工)に続いて、沈設体内面をコンクリートで巻きたて、沈設体の防護や表面抵抗の軽減を目的として行うものである。二次覆工を行う場合、沈設体用セグメントピースの外殻板の内側への湾曲は、二次覆工コンクリートの内部に挿入される鉄筋の配置やコンクリートのかぶりの設定に不都合となる。すなわち、真円形状を想定して配置した鉄筋は、セグメントピースの湾曲した部分に抵触し、配置が困難となる。また、湾曲部に合わせて鉄筋を配置すると、より内側に鉄筋を配置することになるので、必要なかぶり厚さを得るためにはより厚くコンクリートを打ち込む必要が生じる。コンクリートのかぶりが小さいと鉄筋の腐食を招いたり、鉄筋強度が有効に発揮されないなどのため、耐用年数や強度上に問題があるからである。しかし、コンクリートを予定より厚く打つことは、材料の手配やコスト面で問題があり、また、利用しようとしている内空を圧迫し、利用しにくいものになってしまう問題がある。
【0015】
以上のように多数の問題点があるので、従来の鋼製セグメントによる沈設体では、地中深くに設置する地下構造物の沈設体として使用することはできなかった。
【0016】
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、地中深くに沈設しても沈設体の外殻板の内側への湾曲を起こすことなく真円を保つ沈設体用セグメントピースを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1の発明によれば、複数個連続されることにより、鉛直方向で地中に構築される構造体である縦型沈設体を構成するものであって、所定の間隔をおいて平行に配置される一対の主桁と、該一対の主桁の両端を連結して平行に配置される一対の継手板と、該継手板の間に配置され両端が該一対の主桁に連結する複数の縦リブと、該主桁、該継手板及び該縦リブの外側に連結され地盤に面する外殻板とを有する沈設体用セグメントピースにおいて、前記継手板と前記縦リブ、または前記縦リブと前記縦リブとの間に端面が連結され該端面と交差する他端面が前記外殻板と同じ曲率に形成されて前記外殻板に隙間なく連結されることにより、前記継手板と前記縦リブとの間、または前記縦リブ間を個別に連結して、前記外殻板が地盤の圧力を受けて内側に変形するのを抑制する補強材を有することを特徴とする。
【0018】
請求項1の発明によれば、補強材を有するので外殻板が外部から圧力を受けた際に、その圧力を分散して受けるのでセグメントピースが変形するのを防ぐことが可能である。沈設体用セグメントピースを多数連接して構成された円筒形をなす沈設体を鉛直方向で地中深くに設置すると、円筒形の外側から中心に向けて土圧あるいは水圧を受ける。従って、個々のセグメントピースは外殻板に対し垂直方向の力を受ける。この発明では、縦リブの間に補強材を有することにより、外殻板に対する圧力により強く、変形を抑制することが可能となる。
【0019】
請求項2の発明によれば上記問題点を解決するために、請求項1に記載の沈設体用セグメントピースにおいて、前記補強材が前記主桁に平行に形成されることを特徴とする。
【0020】
請求項2の発明によれば、補強材が主桁に平行に形成されるので、外殻板が外部から圧力を受けたとき、縦リブと補強材によって縦横に支えられる。従って、沈設体を内側へつぶす方向の圧力に強く、変形を防ぐことが可能である。
【0021】
請求項3の発明によれば上記問題点を解決するために、請求項1または請求項2に記載する沈設体用セグメントピースにおいて、前記補強材の取付が溶接により行われることを特徴とする。
【0022】
請求項3の発明によれば、補強材を溶接によって取り付けるので、取付が容易であり、必要に応じて取り付けることが可能である。
【0023】
請求項4の発明によれば上記問題点を解決するために、請求項1乃至請求項3に記載する沈設体用セグメントピースにおいて、前記補強材が、前記外殻板に連結される面が前記外殻板と同じ曲率であり、概三角形の鋼製プレート、あるいは、L型またはT型の鋼材で形成されることを特徴とする。
【0024】
請求項4の発明によれば、補強材の外殻板に接する面が外殻板と同じ曲率であるので、外殻板との間に隙間なく取り付けることが出来る。また、沈設体用セグメントピースは外殻板を外周とした円筒形の一部をなすので、開口部である、外殻板に相対する側は、外殻板側に比較してやや小さく構成される。そのため、補強材を縦リブの間に挿入するためには、外殻板に接する面に比して、開口部側は小さく形成する必要がある。請求項4の発明では、概三角形の鋼製プレート、あるいは、L型またはT型の鋼材で形成されるので、沈設体用セグメントピースの内部に適合する形に形成することが容易に可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る沈設体用セグメントピースについて、具体化した実施の形態を挙げ、図面に基づいて詳細に説明する。本発明の沈設体用セグメントピースの第一、第二の実施の形態について、図1R>1、図2を参照して説明する。図1は第一の実施の形態、図2は第二の実施の形態の沈設体用セグメントピースの斜視図である。
【0026】
図1、図2に示すように、沈設体用セグメントピース10は基本的構成は従来の鋼製セグメント20と同様である。すなわち、主桁1,1、継手板2,2、外殻板4の5壁面及び複数の縦リブ3,3,…により、円筒形の一部をなす形状に構成される。各壁面の材質は厚さ3〜25mmの鋼板であり、これらの鋼板を溶接にて接合し製作された円弧形状の部材である。さらに、主桁1、継手板2にはそれぞれ複数の接合孔1a,2a,…が設けられる。これらの接合孔1a,2a,…は、沈設体30を構築していくときに、各沈設体用セグメントピース10同士を接合するためのボルト貫通孔であり、複数の沈設体用セグメントピース10を接合することにより、図4のような形状の円筒形の沈設体30が構成出来る。
【0027】
さらに、図1、図2に示すように、外殻板4に接し、各縦リブ3,3,…の間に補強材5,5,…が接続される。補強材5,5,…の材質はいずれも各壁面と同様、厚さ3〜25mmの鋼板である。
【0028】
図1に示す第一実施例においては、L型あるいはT型のアングルを補強材5,5,…として用いる。L型アングルの一面あるいは、T型アングルの平面部を外殻板4と同じ曲率に形成し、他面を縦リブ3,3,…の形状に合わせて、上方へ行くほどやや小さくなるように形成する。なお、図1の場合は、縦リブ3,3,…がJ字型に構成されているので、補強材5,5,…は、縦リブ3,3,…の上面まで構成することは取付上困難であり、縦リブ3,3,…の2分の1から3分の2の高さまでに構成される。この様に構成された補強材5,5,…を、主桁1,1の中央位置に各縦リブ3,3,…に垂直に溶接されて取り付けられる。
【0029】
また、図2に示す第二実施例においては、概三角形の鋼板プレートを使用する。鋼板プレートの一辺を外殻板4と同じ曲率に形成し、他辺を縦リブ3,3,…の外殻板4に対する角度と同じ角度に構成する。この様に構成することにより、補強材5,5,…は、外殻板4と縦リブ3,3,…の両方に接して接続されることが可能である。この様に構成された補強材5,5,…を、主桁1,1の中央位置に各縦リブ3,3,…に垂直に、補強材5,5,…同士が背中合わせになるように溶接されて取り付けられる。
【0030】
この様に、補強材5,5,…を設けたことにより、本発明の沈設体用セグメントピース10を多数連接した沈設体30は、外殻板4に垂直な外圧を受けたとき、各縦リブ3,3,…と、補強材5,5,…によって、外圧を分散して受けることが可能となる。一般に外圧は外殻板4に垂直な方向に、外殻板4全体にほぼ均一にかかる。従って、最も弱い部分に変形は起こりやすい。沈設体用の鋼製セグメントピース10では、各縦リブ3,3,…間の中央部が最も弱いので、その位置に補強材5,5,…を設けたことにより、非常に強度が大きくなる。また、補強材5,5,…を溶接によって取り付けるので、必要によって、数を増すこともでき、さらに強度を大きくすることも可能である。従って、沈設体30を沈設した際の外殻板の変形を抑制することができる。なお、以上の実施例では、補強材5は、縦リブ3間の中央部に一列連続して、円周方向に取り付けたが、これに限定されるものではなく、補強材5を複数列、或いは互い違い又は飛び飛びに設けても良い。
【0031】
以上説明したように、本発明の沈設体用セグメントピース10は縦リブ3,3,…の間に補強材5,5,…を設けたので、外部からの土圧あるいは水圧に対し抗力が大きく、変形しにくい。従って、地中深くに沈設する沈設体30に用いても沈設体用セグメントピース10の外殻板4の変形による様々な問題を起こさない。よって、本発明のセグメントピース10による沈設体30は地中深くに使用することが可能である。
【0032】
また、本発明の沈設体用セグメントピース10は、補強材5,5,…を主桁1,1に平行に設けたので、縦リブ3,3,…と垂直に設けたことになる。従って、外殻板のうち最も弱い部分である、縦リブ3,3,…間の中央位置を保護することができ、変形に対して強いので、地中深くに使用することが可能である。
【0033】
さらに、本発明の沈設体用セグメントピース10は、補強材5,5,…を溶接によって取り付けられるので、必要に応じて取り付けることが可能である。従って、地中ごく深くに沈設される部分の沈設体用セグメントピース10では、補強材5,5,…を1箇所につき2つずつ取付け、また、地中中程度に深くに沈設される部分の沈設体用セグメントピース10では、補強材5,5,…を1箇所につき1つずつ取付け、また、地中浅くに沈設される部分の沈設体用セグメントピース10では、補強材5,5,…を取り付けないといったように使用される箇所によって使い分けることが可能である。
【0034】
さらに、本発明の沈設体用セグメントピース10は、補強材5,5,…の外殻板4に連結される面が外殻板4と同じ曲率で形成されるので、補強材5,5,…と、外殻板4とを密着させることができ、外殻板4にかかる圧力を補強材5,5,…が全体で受けることが可能となるので、より強度を増すことができる。さらに、第一実施例では、補強材5,5,…がL型またはT型の鋼材で形成されるので、J字型の縦リブ3,3,…の間に挿入することが容易であり、また、補強材5,5,…を縦リブ3,3,…より高さ方向に小さく形成する必要があっても、強度的には問題なく構成できる。また、第二実施例では、補強材5,5,…が概三角形の鋼製プレートで形成されるので、平板状の縦リブ3,3,…の間に、2辺を外殻板4と縦リブ3,3,…に接して取り付けることができる。また、概三角形を用いているので、平板状の縦リブ3,3,…が外殻板4に相対する側にやや小さく構成されていても、問題なく挿入し、取り付けることが可能である。
【0035】
以上本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限ることなく、色々な応用が可能である。例えば本実施の形態では、沈設体の外側面が平坦であるが、この外側面に突起を設ければ、押し込み・引抜きに対して強い沈設体を構築することが可能である。
【0036】
【発明の効果】
本発明の沈設体用セグメントピースによれば、外殻板と複数の縦リブに接して補強材を有しているので、外殻板が外部から圧力を受けた際に、その圧力を分散して受けるのでセグメントピースが変形するのを防ぐことが可能である。従って、本発明の沈設体用セグメントピースを、地中深くに沈設する沈設体に使用しても、外殻板に対する土圧あるいは水圧により強く、沈設体の外殻板が内側への湾曲を起こすことなく沈設体の真円形を保つことが可能である。なお、本発明における沈設体において、地中浅い部分の沈設体用セグメントピースは、地盤の土圧・水圧がそれほど大きくないので、補強板の数量、強度を少なくしたり、場合によっては、無くしたりすることも可能である。
【0037】
また、補強材が主桁に平行に形成されるので、外殻板が外部から圧力を受けたとき、縦リブと補強材によって縦横に支えられる。従って、沈設体を内側へつぶす方向の圧力に強く、外殻板の変形を防ぐことが可能である。
【0038】
さらに、補強材を溶接によって取り付けるので、取付が容易であり、必要に応じて取り付けることが可能である。
【0039】
また、補強材の外殻板に接する面が外殻板と同じ曲率であるので、外殻板との間に隙間なく取り付けることが出来る。さらに、補強材が概三角形の鋼製プレート、あるいは、L型またはT型の鋼材で形成されるので、沈設体用セグメントピースの内部に適合する形に形成することが容易に可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る沈設体用セグメントピースの斜視図である。
【図2】本発明の第二の実施の形態に係る沈設体用セグメントピースの斜視図である。
【図3】従来の鋼製セグメントピースの斜視図である。
【図4】従来の鋼製セグメントピースを連接した沈設体の説明図である。
【図5】圧入工法の説明図である。
【図6】設置工法の説明図である。
【符号の説明】
1 主桁
1a 主桁接続孔
2 継手板
2a 継手板接続孔
3 縦リブ
4 外殻板
5 補強材
10 沈設体用セグメントピース
20 従来の鋼製セグメントピース
30 沈設体

Claims (4)

  1. 複数個連続されることにより、鉛直方向で地中に構築される構造体である縦型沈設体を構成するものであって、所定の間隔をおいて平行に配置される一対の主桁と、該一対の主桁の両端を連結して平行に配置される一対の継手板と、該継手板の間に配置され両端が該一対の主桁に連結する複数の縦リブと、該主桁、該継手板及び該縦リブの外側に連結され地盤に面する外殻板とを有する沈設体用セグメントピースにおいて、
    前記継手板と前記縦リブ、または前記縦リブと前記縦リブとの間に端面が連結され該端面と交差する他端面が前記外殻板と同じ曲率に形成されて前記外殻板に隙間なく連結されることにより、前記継手板と前記縦リブとの間、または前記縦リブ間を個別に連結して、前記外殻板が地盤の圧力を受けて内側に変形するのを抑制する補強材を有することを特徴とする沈設体用セグメントピース。
  2. 請求項1に記載する沈設体用セグメントピースにおいて、前記補強材が前記主桁に平行に形成されることを特徴とする沈設体用セグメントピース。
  3. 請求項1または請求項2に記載する沈設体用セグメントピースにおいて、前記補強材の取付が溶接により行われることを特徴とする沈設体用セグメントピース。
  4. 請求項1乃至請求項3に記載する沈設体用セグメントピースのいずれか1つにおいて、前記補強材が、概三角形の鋼製プレート、あるいは、L型またはT型の鋼材で形成されることを特徴とする沈設体用セグメントピース。
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