JP2764802B2 - トンネル掘削における坑壁補強方法 - Google Patents

トンネル掘削における坑壁補強方法

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JP2764802B2
JP2764802B2 JP7269689A JP26968995A JP2764802B2 JP 2764802 B2 JP2764802 B2 JP 2764802B2 JP 7269689 A JP7269689 A JP 7269689A JP 26968995 A JP26968995 A JP 26968995A JP 2764802 B2 JP2764802 B2 JP 2764802B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネル掘削機
(TBM)を用いたトンネル施工において、トンネル掘
削機が良質岩盤から崩壊性の軟弱地盤に進入したとして
効率的に掘進を行い得るようにしたトンネル掘削におけ
る坑壁補強方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、鉄道、道路、導水路、上下水
道などのトンネル施工を行うに当たっては、全断面トン
ネル掘削機を用いた掘削方法が盛んに行われている。ト
ンネル掘削機(以下、単に掘削機ともいう。)は、前面
の回転カッターにより連続的に土砂を切削、破砕して掘
進する掘削機械であり、掘削とズリ出しが同時に連続し
て行えるため施工速度が速い、掘削面が平滑であり余堀
量も少なくて済み工費に無駄がない、無公害であるなど
の利点を有しており、多くのトンネルが掘削機により施
工されている。
【0003】しかし、前記トンネル掘削機は適用可能な
地質の範囲が狭いなどの欠点もあり、効率的な掘削を実
現するためには、各地質条件に合わせた機械仕様としな
ければならず、前記トンネル掘削機は、対象地質毎に岩
盤型、軟弱地盤型および複合地盤型に仕様が大別されて
いる。もちろん、使用するディスクカッターの種類や外
殻胴の有無等も異なるが、掘進機構もおのずと異なる。
岩盤型はたとえばトンネル壁面に対し直交する方向に進
退自在のジャッキからなる前後1対のグリッパー装置を
備えるとともに、前胴部を推進させるスラストジャッキ
を備え、グリッパー装置で交互に掘削坑壁に反力を取り
ながら、前記スラストジャッキで前進するスラスト推進
機構が主に採用されており、基本的に外殻胴を有しない
(オープンタイプ)。
【0004】また、軟弱地盤型は坑壁に対して反力が取
れないために、シールド工法に代表されるように、後方
に連続設置されたセグメントの端にシールドジャッキを
押し当て、セグメントに反力をとって前進していくセグ
メント推進機構が採用されており、掘削機の外方に外殻
胴を有する。また、前記複合地盤型は、掘削機の外方に
外殻胴を有し、前記両方の推進機構を同時に備えたもの
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】掘進効率の点からする
と、スラスト推進機構により前進する岩盤型掘削機が最
も効率的である。しかし、我が国の地質条件は非常に複
雑であり、たとえ、良質岩盤層がほとんどであっても、
その中間に崩壊性の軟弱地盤層や断層破砕帯などが入り
込んでいる場合も少なくない。このようないつ崩壊する
か判らないような前記崩壊性地山が中間に存在する場合
には、掘進反力を坑壁に取ることができないため、掘削
機の種別としては、前記複合地質型トンネル掘削機が選
定されることになる。もちろん、この場合の地山支保
は、前述したように掘削機の後方に連続設置されたセグ
メントによる。
【0006】通常、坑壁と外殻胴部との摩擦力の軽減の
ため、先端のディスクカッターにより掘削された坑壁と
トンネル掘削機の外殻胴部との間に若干の空隙が形成さ
れるが、掘削された坑壁が支保されるのは後方に設置さ
れたセグメントが到達した後である。したがって、地山
が緩い場合にはその間に地山に変形が生じ、地山圧力が
掘削機の外殼胴部に作用するようになる。掘削機が前記
セグメント推進機構により、この摩擦力に打ち勝って進
むことができる間は何ら問題はないが、地山の緩みが極
端な場合には前記摩擦力のために掘削途中で立ち往生し
てしまう場合があった。
【0007】そこで、本発明の主たる課題は、たとえ崩
壊性の軟弱地盤等が中間に介在している場合であって
も、地山の変形や緩みを防止しながら、円滑かつ効率的
に掘進することができるようにしたトンネル掘削におけ
る坑壁補強方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、トンネル掘削機により掘削された坑壁
を、順次、内部に硬化性充填材を注入した袋状シートに
より補強しながら掘削を行うにあたり、トンネル掘削機
内にトンネルの坑壁に対して接離する方向に移動自在の
補強材受台座を備え、この補強材受台座を前記袋状シー
トの支持台としながら、前記袋状シート内へ硬化性充填
材の注入を行うことを特徴とするものである。
【0009】ところで、崩壊性の軟弱地盤や破砕帯など
の軟弱部では、掘削後時間を空けることなく直ちに地山
を補強を行うことが最も効果的である。したがって、本
発明の場合には、前記袋状シート内への硬化性充填材の
注入をトンネル掘削機による掘進と併行的に行うことが
望ましい。また、前記トンネル掘削機の掘進に併行し
て、前記袋状シート内部への硬化性充填材の注入を行
い、坑壁面に対して圧力を加えながら前記トンネル掘削
機による掘削を行うことが望ましい。この場合、袋状シ
ートの膨張により坑壁に対して圧力が作用するため、地
山の変形を効果的に抑えることができる。
【0010】また、本発明における前記硬化性充填材と
しては、ほぼトンネル掘削機による1サイクル掘削が完
了した後に硬化を開始する性質を有する或いはそのよう
に配合調整された硬化性材料であり、1サイクル掘削毎
に前記袋状シート材による補強固化体を形成することが
望ましい。
【0011】具体的施工に当たっては、より好ましく
は、前記トンネル掘削機のスキンプレート後部相応部分
に前記補強材受台を備え、袋状シートを前記補強材受
上に設置した後、前記補強材受台を所定位置に定
位させることにより、前記袋状シートをスキンプレート
と前記補強材受台との間に保持し、前記トンネル掘削
機の掘進と併行して、前記袋状シート内部への硬化性充
填材の注入を行い、坑壁面に対して圧力を加えるととも
に、順次前記スキンプレート後端に生じた空隙部を前記
袋状シートの膨張により埋めながらトンネル掘削を行
う。
【0012】本発明ではトンネルの坑壁に対して接離す
る方向に移動自在の補強材受台座用いており、この補
強材受台の定位位置の変更により、前記硬化性材料に
よって形成される補強固化体の厚さを変化させることが
できるため、地盤の軟弱度に応じて段階的に補強強度を
変えることができ、工費的にも経済的となる。また、前
記硬化性充填材の注入圧力の変更により、掘削対象地山
の地質に応じて坑壁面に対する作用圧力を変化させるこ
ともできる。
【0013】本発明の場合には、順次形成される袋状シ
ートによる補強固化体に対して掘進時の反力を取ること
ができるため、スラスト推進機構(岩盤型)のトンネル
掘削機であっても、容易に前進することができる。特
に、オープンタイプの掘削機により掘削された坑壁を補
強する場合には、ディスクカッターの後方近傍で、順
、内部に硬化性充填材を注入した袋状シートによる補
強固化体を形成しながらトンネル掘削を行うことができ
るため、フロントグリッパおよびメイングリッパの両方
の反力を補強固化体に対して取ることができるととも
に、掘削から時間を空けることなく直ちに地山補強を行
うことができる点でより効果的となる。
【0014】他方、坑壁の緩みや崩落が少しであるなど
の場合には、前記袋状シートに代えて補強プレートを用
いることもできる。具体的施工に当たっては、トンネル
掘削機のスキンプレート後部相応部分に、トンネルの坑
壁に対して接離する方向に移動自在の補強材受台を備
え、補強プレートを前記補強材受台上に設置した後、
前記補強材受台を所定位置に定位させることにより、
前記補強プレートをスキンプレートと前記補強材受台
との間に保持し、トンネル掘削機による1サイクル掘削
を完了した後、前記補強材受台をトンネル坑壁側に移
動して前記補強プレートをトンネル坑壁に対して密着さ
せ、この補強プレートを坑壁に対し順次固定していく。
【0015】かかる掘削方法は、袋状シートを用いる場
合と比較すると、掘進とほぼ同時併行的に地山が変形な
いし緩まないように補強を行う点で共通する。地盤の軟
弱程度に応じて、前記袋状シートを用いるか補強プレー
トを用いるかを選択するのが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳述する。図1は本発明に係るトンネル掘削
方法を行うためのトンネル掘削機の断面図であり、図2
は袋状シート材の断面図、図3は袋状シートによる坑壁
補強状態図である。図1に示されるように、トンネル掘
削機1は、先端にカッターディスク2を備え、地山を連
続的に切削あるいは破砕して掘進する。胴部は前記カッ
ターディスク2に続く前胴部3と、後胴部4とからな
り、これら前胴部3と後胴部4との接続部に屈折可能な
中折れ部5が形成され、曲線施工が可能となっている。
なお、20はずり排出機構、21は方向制御ジャッキで
ある。
【0017】また、前記前胴部3にフロントグリッパ
6、6を備えるとともに、後方側にメイングリッパ7、
7を備え、かつ前胴部3とメイングリッパ7部分とがス
ラストジャッキ8により連結されている。トンネル掘削
機1の推進は、フロントグリッパ6による坑壁支持を開
放し、かつメイングリッパ7を伸ばして坑壁に対して反
力を取り、スラストジャッキ8を伸長させ前胴部3を前
進させることにより掘削を行う。1サイクル長の掘削が
完了したならば、前記フロントグリッパ6を伸ばして坑
壁に反力を取るとともに、メイングリッパ7による坑壁
支持を開放し、スラストジャッキ8を収縮させることに
より後部側を前方に移動させる。所謂スラスト推進方式
である。
【0018】本発明に係るトンネル掘削機1は、前記後
胴部4のスキンプレート4aの後部相応部分に補強材受
台装置9を備えている。補強材受台装置9は、図示され
ないシリンダーやジャッキ装置などの駆動源と、この駆
動源によりトンネル坑壁に対して接離する方向に移動自
在の台座部材9Aとからなり、本発明法において補強材
として使用される袋状シート10や補強プレート14を
載せ、これを所定位置で支持する。なお、前記補強材受
台装置9はトンネル坑壁の各部位に応じた曲率に対応す
るために、適宜の数に、たとえば天端部、アーチ部、側
壁部およびインバート部に夫々分割されているのが望ま
しい。
【0019】先ず、本第1発明の場合には、図2に示さ
れる袋状シート10が補強材として用いられる。前記袋
状シート10としては、たとえば布、ポリエチレンシー
ト、ナイロンシート、キャンバスシート等のプラスチッ
クシート、あるいは合成ゴム等の適宜の素材が用いら
れ、少なくとも1箇所、充填材用の接続プラグ10aを
有する。
【0020】前記トンネル掘削機1を用いたトンネル掘
削は以下のようにして行われる。掘削対象地盤が良質岩
盤であるような場合には、通常の掘削方式に従い、特に
地山支保を行うことなくスラスト推進により掘削を進め
る。
【0021】その後、崩壊地質または破砕帯などに軟弱
地盤に到達したならば、或いは到達する若干手前側より
本発明に係る補強掘削方法に移行する。先ず、図4に示
されるように、補強受台装置9の台座部材9A上に前記
袋状シート10を載置し、この袋状シート10の接続プ
ラグ10aに対して注入材ホース12の端部(接続ソケ
ット)11を接続し、硬化材の注入が可能なように準備
する。
【0022】次いで、補強材受台装置9をトンネル坑壁
側に移動し所定の断面位置に定位させ、前記袋状シート
10をスキンプレート4aと前記補強材受台装置9との
間に保持する。この状態で前記袋状シート10内部に硬
化材を注入し、規定の圧力に達した時点で、掘削機1の
カッターディスク2を回転させるとともに、スラストジ
ャッキ8を伸ばすことにより掘削を開始する。
【0023】その後、掘削速度に合わせながら、掘進と
同時併行的に袋状シート10内への硬化材の注入を継続
的に行う。硬化材の注入は段階的に行うことでもよい
が、好ましくは連続的に行い坑壁に対して一定の圧力が
作用するように維持する。
【0024】前記ディスクカッター2により掘削される
断面径は、掘削機1の断面径よりも若干大きめであり、
かつ掘進に伴ってスキンプレート4aが前進するため、
図5および図6に示されるように、後胴側スキンプレー
ト4aの後端には空隙部Aが生じるが、直ちに袋状シー
ト材10が膨張して前記空隙部Aを埋めるとともに、そ
の膨張圧により坑壁を外方に圧し坑壁の変形や緩みが生
じないように保護する。
【0025】その後、図7に示されるように、1サイク
ル長さの掘削が完了したならば、硬化材が硬化するのを
待って(この状態を図3に拡大図として示す。)、図8
に示されるように、補強材受台装置9を現位置からトン
ネル中心側に移動させ、袋状シート10の支持を開放す
る。前記袋状シート10内に注入した硬化材の硬化によ
りトンネルの周方向にはリング状の補強固化体13が形
成される。
【0026】ここまでの作業が完了したならば、次に掘
削機1のフロントグリッパ6を伸ばして坑壁に押し当て
反力を取るとともに、メイングリッパ7の支持を開放し
て、スラストジャッキ8を収縮することにより、掘削機
1の後部を前進させる。その後、メイングリッパ7を伸
ばしてリング状補強体13の内壁に対して反力を取り、
フロントグリッパ6による支持を開放し、次サイクルの
掘削準備に入る。
【0027】ところで、前記硬化材としては、種々の材
料を使用することができる。好適には、ほぼトンネル掘
削機による1サイクル掘削が完了した後に硬化を開始す
る性質を有する単独の、あるいはそのように配合調整さ
れた硬化性材料とする。具体的には、超早強セメント、
アルミナセメント、セメント+セメント急硬材、セメン
ト+粘土などのセメント系材料の他、水ガラス系薬液、
水ガラス+セメント系薬液等のものを用いることができ
る。
【0028】また、袋状シート10内への注入は掘進と
同時併行的に行うのが最も好ましいが、トンネル掘削機
1による掘進を行った後、直ちに前記袋状シート材10
の内部へ硬化性材料の注入を行いリング状補強固化体1
3を形成することでも、十分な地山保護効果が望める。
【0029】他方、掘削地山の軟弱性の程度に応じて、
補強固化体13の形成部位を天端〜側壁に至る部分のみ
というように部分的に形成することもできるし、また前
記補強材受台装置9の定位位置の変更により、前記硬化
性材料によって形成されるリング状補強体13の厚さを
段階毎に変化させることもできる。さらに、前記硬化性
充填材の注入圧力の変更により、掘削対象地山の地質に
応じて坑壁面に対する作用圧力を変化させることもでき
る。すなわち、地山の緩みや変形が大きい場合には高い
圧力でもって前記硬化材を注入し坑壁面に対する作用圧
力を上げ、地山の緩みや変形が普通である場合には相応
の圧力でもって前記硬化材を注入し孔壁面を抑える。
【0030】ところで、上記実施の形態は、シールドタ
イプ(外殻付)のトンネル掘削機1に対して本発明を適
用した場合であり、フロントグリッパ6は依然として坑
壁に対する反力支持となる。これに対して、オープンタ
イプ(外殻を有しないか或いは極めて短い範囲で前部に
のみ形成され、他が開放されているタイプ)に対して適
用する場合には、カッターディスクのすぐ後方部位にお
いて、前記リング状補強体13を形成することができる
ため、フロントグリッパおよびメイングリッパの双方が
前記リング状補強体13形成範囲内に位置するようにな
る。したがって、このリング状補強体13に対して直
接、フロントグリッパおよびメイングリッパの反力を取
って前進することができるようになる。
【0031】以下、前記オープンタイプの掘削機に対し
て本発明を適用した場合について説明する。図9および
図10に示されるように、カッターディスク2の後方近
傍に補強材受台装置9を備え、掘削機1の進行に合わせ
て、すなわち1サイクル掘削が完了してその長さ分の坑
壁が露出したならば、その部位に順次リング状補強体1
3を形成する。具体的には、1サイクル長の掘削が完了
した段階で、前記補強材受台装置9の上に袋状シート1
0を載せ、所定の断面位置に定位させた状態で硬化材を
注入し、硬化材の硬化をまって前記補強材受台装置9に
よる支持を開放する。この場合の前記硬化材としては、
比較的短時間のゲルタイムのものが使用される。
【0032】また、掘削と同時併行的に袋状シート10
内へ硬化材の注入を行いたい場合には、たとえば以下の
ようにして行う。図11および図12に示されるよう
に、ディスクカッター2の動きと連動できるように、た
とえばディスクカッター2の背面側に一体的に、或いは
別途トンネル方向に前後進自在に前記補強材受台装置1
6を設ける。この補強材受台装置16はディスクカッタ
ー寄りに袋状シート10の送出し部Bを備えている。ト
ンネル掘削機の前進に合わせて前記送出し部Bより袋状
シート10を送り出すとともに、硬化材の注入を行う。
トンネル掘削機1の前進に伴って、直ちに袋状シート1
0が送り出され、掘削によって形成された坑壁を押さえ
るリング状補強体13が形成されるため、効果的に坑壁
の変形や緩みを抑えることができる。なお、送出しロー
ラ17、18は袋状シート10に対する密着により注入
した硬化材が袋状シート10の外側部分(未送出し部
分)へ移行しないように阻止している。
【0033】次いで、本第2発明の場合には、図13〜
図17に示されるように、鋼板、グラス材等の補強プレ
ート14を補強材として用いるものであり、軟弱地山で
あっても、比較的締まった地質で変形や崩壊が少量であ
るような場合に好適に採用される。この場合の補強対象
部位は主に天端〜アーチ部である。
【0034】先ず、図13に示すように、補強受台装置
9の台座部材9A上に前記補強プレート14を載置す
る。次いで、図14に示すように、補強材受台装置9を
トンネル坑壁に対し接近させかつ所定の断面位置に定位
させ、前記補強プレート14をスキンプレート4aと前
記補強材受台装置9との間に保持する。この状態のま
ま、掘削機1のカッターディスク2を回転させるととも
に、スラストジャッキ8を伸ばすことにより掘削を開始
する。掘削機1のスキンプレート4aは前方へ移動する
が、スキンプレート4aに代わり、前記補強プレート1
4が地山を支え変形や崩落を防止する。
【0035】その後、図16に示すように、1サイクル
長さの掘削が完了したならば、補強受台装置9をさらに
上昇させて補強プレート14を坑壁に対して密着させ、
この補強プレート14をロックボルト等の定着材15を
用い坑壁に対して固定する。
【0036】補強プレート14の固定が完了したなら
ば、図17に示すように、補強受台装置9を現位置から
トンネル中心側に移動させ、掘削機1による次サイクル
の掘進準備作業に入る。
【0037】
【発明の効果】以上詳説のとおり、本発明によれば、ト
ンネル掘削機が良質岩盤から軟弱地盤に進入したとして
も、地山の変形や緩みを防止しながら、円滑かつ効率的
に掘削を進めることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトンネル掘削方法に用いられるト
ンネル掘削機の断面図である。
【図2】袋状シート材の断面図である。
【図3】袋状シートによる坑壁補強状態図である。
【図4】袋状シートによる補強掘進方法の手順図であ
る。
【図5】袋状シートによる補強掘進方法の手順図であ
る。
【図6】袋状シートによる補強掘進方法の手順図であ
る。
【図7】袋状シートによる補強掘進方法の手順図であ
る。
【図8】袋状シートによる補強掘進方法の手順図であ
る。
【図9】オープンタイプの場合の袋状シートによる補強
掘進方法の手順図である。
【図10】オープンタイプの場合の袋状シートによる補
強掘進方法の手順図である。
【図11】オープンタイプの場合の袋状シートによる補
強掘進方法の手順図である。
【図12】オープンタイプの場合の袋状シートによる補
強掘進方法の手順図である。
【図13】補強プレートによる補強掘進方法の手順図で
ある。
【図14】補強プレートによる補強掘進方法の手順図で
ある。
【図15】補強プレートによる補強掘進方法の手順図で
ある。
【図16】補強プレートによる補強掘進方法の手順図で
ある。
【図17】補強プレートによる補強掘進方法の手順図で
ある。
【符号の説明】
1…トンネル掘削機、2…カッターディスク、3…前胴
部、4…後胴部、5…中折れ部、6…フロントグリッ
パ、7…メイングリッパ、8…スラストジャッキ、9・
16…補強材受台装置、10…袋状シート、13…リン
グ状補強固化体、14…補強プレート

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トンネル掘削機により掘削された坑壁を、
    順次、内部に硬化性充填材を注入した袋状シートにより
    補強しながら掘削を行うにあたり、トンネル掘削機内に
    トンネルの坑壁に対して接離する方向に移動自在の補強
    材受台座を備え、この補強材受台座を前記袋状シートの
    支持台としながら、前記袋状シート内へ硬化性充填材の
    注入を行うことを特徴とするトンネル掘削における坑壁
    補強方法。
  2. 【請求項2】前記袋状シート内への硬化性充填材の注入
    をトンネル掘削機による掘進に併行して行う請求項1記
    載のトンネル掘削における坑壁補強方法。
  3. 【請求項3】前記トンネル掘削機の掘進に併行して、前
    記袋状シート内部への硬化性充填材の注入を行い、坑壁
    面に対して圧力を加えながら前記トンネル掘削機による
    掘削を行う請求項記載のトンネル掘削における坑壁補
    強方法。
  4. 【請求項4】前記硬化性充填材は、ほぼトンネル掘削機
    による1サイクル掘削が完了した後に硬化を開始する性
    質を有する或いはそのように配合調整された硬化性材料
    であり、1サイクル掘削毎に前記袋状シート材による補
    強固化体を形成する請求項1、2または3記載のトンネ
    ル掘削における坑壁補強方法。
  5. 【請求項5】トンネル掘削機のスキンプレート後部相応
    部分に、トンネルの坑壁に対して接離する方向に移動自
    在の補強材受台を備え、袋状シートを前記補強材受台
    上に設置した後、前記補強材受台を所定位置に定位
    させることにより、前記袋状シートをスキンプレートと
    前記補強材受台との間に保持し、前記トンネル掘削機
    の掘進と併行して、前記袋状シート内部への硬化性充填
    材の注入を行い、坑壁面に対して圧力を加えるととも
    に、順次前記スキンプレート後端に生じた空隙部を前記
    袋状シートの膨張により埋めながらトンネル掘削を行う
    ことを特徴とするトンネル掘削における坑壁補強方法。
  6. 【請求項6】前記補強材受台の定位位置の変更によ
    り、前記硬化性充填材によって形成される補強固化体の
    厚さを変化させる請求項1〜5記載のトンネル掘削にお
    ける坑壁補強方法。
  7. 【請求項7】オープンタイプのトンネル掘削機により掘
    削された坑壁を、ディスクカッターの後方近傍で、順
    、内部に硬化性充填材を注入した袋状シートによる補
    強固化体を形成しながらトンネル掘削を行うことを特徴
    とするトンネル掘削における坑壁補強方法。
  8. 【請求項8】前記硬化性充填材の注入圧力の変更によ
    り、掘削対象地山の地質に応じて坑壁面に対する作用圧
    力を変化させる請求項1〜7記載のトンネル掘削におけ
    る坑壁補強方法。
  9. 【請求項9】トンネル掘削機のスキンプレート後部相応
    部分に、トンネルの坑壁に対して接離する方向に移動自
    在の補強材受台を備え、補強プレートを前記補強材受
    上に設置した後、前記補強材受台を所定位置に定
    位させることにより、前記補強プレートをスキンプレー
    トと前記補強材受台との間に保持し、トンネル掘削機
    による1サイクル掘削を完了した後、前記補強材受台
    をトンネル坑壁側に移動して前記補強プレートをトンネ
    ル坑壁に対して密着させ、この補強プレートを坑壁に対
    し順次固定していくことを特徴とするトンネル掘削にお
    ける坑壁補強方法。
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