JP2673940B2 - 地中への水平版状構造物の築造方法 - Google Patents

地中への水平版状構造物の築造方法

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JP2673940B2
JP2673940B2 JP4618695A JP4618695A JP2673940B2 JP 2673940 B2 JP2673940 B2 JP 2673940B2 JP 4618695 A JP4618695 A JP 4618695A JP 4618695 A JP4618695 A JP 4618695A JP 2673940 B2 JP2673940 B2 JP 2673940B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地中への水平版状構造
物の築造方法に係り、さらに詳しくは盛り土構造物内
に、水平版状のシールド機を用いて水平版状構造物を正
確に能率よく築造するための築造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、盛り土構造物内に水平版状構造物
を築造するには、図17および図18に示すように、推
進機100を推進架台101の上に設置し、主に鋼管製
の推進管102の内部を掘削し、推進架台101を反力
に推進管102を押し込み、この作業を繰り返すことに
より、推進管102a,102b,102c,…を推進
し、締結して施工している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来技術
では掘削が推進管102の先端部のみで行うため、掘削
速度が遅いこと、推進管102を1本ずつ施工するた
め、推進管同士の緊結度が低く、剛性の高い構造が得に
くいこと、鋼管以外の例えばコンクリート製の梁を構築
する場合は、鋼管推進後、コンクリート製の梁に置換す
る必要があること、推進管102を押し込むため、地表
面が隆起すること、水平版状構造物を築造する場所の側
方に広い作業用地を必要とすること等の問題がある。
【0004】本発明は、上記の事情に鑑みなされたもの
で、その目的とするところは、水平版状構造物を築造す
る場所が盛り土構造物であって、その上面に既に道路や
鉄道等が敷設されているような場合でも、地表面が隆起
したり陥没したりする不具合を回避しつつ施工でき、か
つ正確で剛性の高い水平版状構造物を能率よく築造で
き、しかも作業用地が小さくて済む地中への水平版状構
造物の築造方法を提供することにある。
【0005】また、本発明の他の目的は、土留めをより
一層確実に行い、安全に施工し得る地中への水平版状構
造物の築造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は水平版状構造物を築造する横坑を掘進する
ためのシールド機18を幅方向に複数の部分に分割し組
み立てる分割・組み立て型に構成し、水平版状構造物を
築造する場所に、シールド機18の分割された部分を持
ち込み組み立て可能な側方作業空間6を確保し、この側
方作業空間6から前記場所の所定深さの位置に、シール
ド設置空間11を築造し、前記側方作業空間6にシール
ド機18の分割された部分を持ち込み、シールド設置空
間11に挿入し、シールド機18の次の部分を持ち込
み、シールド設置空間11に挿入されている部分に連結
し、この作業を繰り返して前記場所の幅方向に連続する
シールド機本体19を組み立て、このシールド機本体1
9の幅方向の両側に、突出する形状の土留め板30を取
り付けるとともに、少なくとも一側部に掘削具駆動装置
26を取り付けて水平版状のシールド機18を構成し、
前記シールド機18により水平方向に地山を掘削して行
き、掘削した土砂を側方に排出しつつ横坑を掘進し、前
記側方作業空間6に、複数の部分に分割された水平版状
構造物築造用の桁材の前記部分を持ち込み、桁材の部分
をシールド機18の後方に形成された空間に挿入し、次
に持ち込まれた桁材の部分を前記空間に挿入されている
部分に連結し、この作業を繰り返して1本の桁材にまと
め、シールド機18の掘進に伴って前記桁材を水平方向
に配列し、連結して水平版状構造物48を築造するよう
にしたものである。
【0007】また、前記目的を達成するため、本発明は
前記土留めとして、水平版状構造物を築造する場所の幅
方向に所定の間隔をおいて鋼矢板4,4を打設し、前記
シールド機18の土留め板30,30を前記鋼矢板4,
4の外側に近接させてシールド機本体19の側部に取り
付け、シールド機18の掘進時にシールド機18の下部
で鋼矢板4,4を切断し、シールド機18の前進時にシ
ールド機18の高さだけ鋼矢板4,4を引き上げ、シー
ルド機18の通過後に土留材により地山を押さえるよう
にしたものである。
【0008】
【作用】必要に応じ、水平版状構造物を築造する場所の
幅方向の両側に、鋼矢板等による土留めを打設し、ま
た、本発明ではシールド機本体19の幅方向の両側に、
シールド機本体19の上下および前方に突出する形状の
土留め板30を取り付けているので、シールド機18に
よる横坑の掘進時の土圧,水圧を受け止め、切羽の崩壊
を防止できるし、さらには水平版状のシールド機18に
より前記場所の所定深さの位置を水平方向に掘進し、横
坑を掘削後、その後方に形成された空間にPC桁等の桁
材を挿入して連結し、水平版状構造物48を築造するよ
うにしているので、水平版状構造物を築造する場所が盛
り土構造物であって、その上面に既に道路や鉄道等が敷
設されているような場合であっても、地表面が隆起した
り陥没したりする不具合を回避しつつ水平版状構造物4
8を築造することができる。
【0009】また、本発明では前記横坑を掘進するため
のシールド機18を幅方向に複数の部分に分割し組み立
てる分割・組み立て型に構成し、水平版状構造物を築造
する場所に確保された側方作業空間6に、前記シールド
機18の分割された部分を持ち込み、その部分を側方作
業空間6から前記場所の所定深さの位置に築造されたシ
ールド設置空間11に挿入し、次に側方作業空間6に持
ち込んだ部分と、前記シールド設置空間11に挿入され
ている部分とを連結し、組み立てるようにしており、さ
らには水平版状構造物築造用の桁材も複数の部分に分割
しておき、前記側方作業空間6に桁材の分割された部分
を持ち込み、シールド機18の後方に形成された空間に
挿入し、次に持ち込まれた部分と、前記シールド機18
の後方に挿入されている部分とを連結して1本の桁材に
まとめるようにしているので、水平版状構造物を築造す
る場所の側方の作業用地を小さくすることができる。
【0010】また、本発明では水平版状のシールド機1
8を水平方向に掘進させて横坑を掘削し、この横坑に沿
って水平版状構造物48を築造するようにしているの
で、正確に築造することができる。
【0011】さらに、本発明では横坑を掘削後、側方作
業空間6からシールド機18の後方に形成された空間に
桁材の分割された部分を持ち込んで組み立て、1本の桁
材にまとめるとともに、シールド機18の掘進に伴って
前記桁材を水平方向に配列し、連結して水平版状構造物
48を築造するようにしているので、1本の桁材を構成
している部分同士、および水平方向に配列された桁材同
士とも堅固に連結でき、したがって剛性の高い水平版状
構造物48を築造することができる。
【0012】しかも、本発明では前述のごとく水平版状
構造物を築造する場所の側方の作業用地が小さくて済む
し、水平版状のシールド機18により地中を掘進するよ
うにしているので、掘進速度を高めることができるし、
掘削した土砂をシールド機18の側方に排出するように
しているので、排土が邪魔にならず、横坑を掘削後、シ
ールド機18の後方に直ちに桁材を持ち込んで組み立て
ることができることとが相俟ち、水平版状構造物48を
能率よく築造することができる。
【0013】さらに、前記土留めとして、水平版状構造
物を築造する場所の幅方向に所定の間隔をおいて鋼矢板
4,4を打設し、前記シールド機18の土留め板30,
30を前記鋼矢板4,4の外側に近接させてシールド機
本体19の側部に取り付け、シールド機18の掘進時に
シールド機18の下部で鋼矢板4,4を切断し、シール
ド機18の前進時にシールド機18の高さだけ鋼矢板
4,4を引き上げ、シールド機18の通過後に土留材に
より地山を押さえるようにしているので、シールド機1
8による掘進時の土留めをより一層確実に行い、安全に
施工することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜図16に基づ
いて説明する。
【0015】図1は水平版状構造物を築造する場所の縦
断正面図である。
【0016】この図1に示す場所は、盛り土1で構築さ
れている。この盛り土1の上面には、既に鉄道2が敷設
されているが、道路の場合もある。この実施例では、盛
り土1の所定深さの位置に、水平版状構造物を築造しよ
うとするものである。なお、図中3は用地境界を示す。
【0017】図2は盛り土の幅方向に側方作業空間を築
造した状態の縦断正面図である。
【0018】この図2に示すように、盛り土1の幅方向
に所定の間隔をおいて、在来工法により鋼矢板4,4を
打設し、鋼矢板4,4をタイロッド5により締結し、土
留めを構築する。次に、盛り土1の幅方向の両側部を掘
削し、側方作業空間6を確保する。ついで、側方作業空
間6を利用して、リバース工法またはオールケーシング
工法等の在来工法により、構造物基礎杭7を築造する。
なお、図中8は列車を示す。
【0019】図3はシールド設置空間を築造した状態の
縦断正面図、図4は図3の平面図である。
【0020】これら図3および図4に示すように、鋼矢
板4,4による土留めの外側に、軌道桁支持杭9,9を
打設し、鉄道2を仮受けし、工事桁10を構築する。次
に、盛り土1の上面から所定深さの位置を、一方の側方
作業空間6から他方の側方作業空間6に向かって盛り土
1である地山を掘削し、盛り土1の幅方向に貫通するシ
ールド設置空間11を築造する。
【0021】図5はシールド機の部分の吊り込み,シー
ルド設置空間内への引き込み,組み立て過程を示す縦断
正面図、図6は図5の平面図である。
【0022】これら図5および図6に示すように、前記
構造物基礎杭7の上部に継ぎ柱7′を継ぎ足すととも
に、一方の側方作業空間6には桟橋杭12を打設する。
そして、一方の側方作業空間6には軌道桁支持杭9と継
ぎ柱7′とに敷設されたレール13a,13b間に覆工
14を仮設し、同継ぎ柱7′と桟橋杭12とに敷設され
たレール13c,13d間に覆工14を仮設し、継ぎ柱
7′の列の上部にガイドレール15を敷設する。他方の
側方作業空間6には、継ぎ柱7′と軌道桁支持杭9とに
敷設されたレール13e,13f間に覆工14を仮設
し、継ぎ柱7′の列の上部にガイドレール15を敷設す
る。
【0023】次に、他方の側方作業空間6にはシールド
機18をシールド設置空間11に引き込むための牽引装
置16を設置する。
【0024】図7はシールド機の一例を示す平面図、図
8は図7のA−A線断面図、図9は図7のB−B線断面
図である。
【0025】これら図7〜図9に示す実施例のシールド
機18は、扁平状でボックス型のシールド機本体19を
備えている。このシールド機本体19の前部には、隔壁
20と、掘削具21a,21bとが取り付けられてい
る。また、シールド機本体19の前寄りの両側部には、
掘削具駆動装置26,26が設けられている。さらに、
シールド機本体19の前端部から後端部にわたって、土
留め板30,30が取り付けられている。さらにまた、
シールド機本体19の内部の前半部側には複数本の推進
ジャッキ31が配備されており、後半部側にはPC桁等
の桁材挿入部32が形成され、後端部にはテールシール
33が取り付けられている。
【0026】前記隔壁20は、図7および図8に矢印x
で示すシールド機18の掘進方向に向かって凹円弧に形
成され、シールド機本体19の前端部に固定されてい
る。
【0027】前記掘削具21a,21bは、シャフト2
2a,22bと、スクリュー23a,23bとを備えて
構成されている。前記シャフト22a,22bは、軸受
24に回転可能に支持され、かつ掘削具駆動装置26,
26に連結されている。前記スクリュー23a,23b
の外周には、多数のビット25が設けられている。
【0028】前記掘削具駆動装置26は、シールド機本
体19の幅方向の両側部に取り付けられている。各掘削
具駆動装置26は、土留め板30をはさんでシールド機
本体19の側部に固定されたケーシング27と、これの
内部に設置されたモータ28a,28bとを有してい
る。前記モータ28a,28bには、掘削具21a,2
1bのシャフト22a,22bが駆動連結されている。
そして、シールド機本体19の両側部に取り付けられた
前記掘削具駆動装置26,26は、同期的に駆動し、掘
削具21a,21bを図8に矢印a,bで示す方向に同
期的に回転させ得るようになっている。
【0029】前記各掘削具駆動装置26のケーシング2
7には、排土口29が形成されており、掘削された土砂
を前記排土口29を通じて側方作業空間6がわに排出す
るようにしている。
【0030】前記土留め板30は、シールド機本体19
の上下および前方に突出する形状に形成されていて、シ
ールド機本体19の幅方向の両側部に取り付けられてい
る。両土留め板30,30は、前記盛り土1にあらかじ
め打設された鋼矢板4,4による土留めの外側に近接す
るようになっている。
【0031】前記推進ジャッキ31は、シールド機本体
19の内部の上下部に、例えば2本ずつ等、複数本配備
されており、最も推進ジャッキ寄りに挿入された桁材4
1に反力を取って、シールド機18全体を推進させるよ
うになっている。
【0032】前記桁材挿入部32は、シールド機本体1
9の後半部における幅方向の側方から、PC桁等の桁材
41を挿入し得るように形成されている。
【0033】前記テールシール33は、シールド機本体
19の後端部に設けられていて、シールド機本体19内
への裏込め注入材等の浸入を防止するようになってい
る。
【0034】前記シールド機本体19と、これに付属の
部材と、掘削具21a,21bとは、幅方向に複数の部
分34a,34b,34c,…に分割されている。そし
て、シールド機本体19とこれに付属の部材の分割され
た部分は、現場で連結金具35により連結し、組み立て
るようになっており、掘削具21a,21bの分割され
た部分は、現場でカップリング36により連結するよう
になっている。また、掘削具駆動装置26および土留め
板30も、現場でシールド機本体19の側部に組み付け
るようになっている。
【0035】さかのぼって、図5および図6に示すよう
に、シールド機18の分割された部分34aをクレーン
で吊り込み、一方の側方作業空間6に持ち込み、ガイド
レール15上に載置し、ワイヤロープ17に結合し、牽
引装置16により牽引し、シールド設置空間11に挿入
する。ついで、シールド機18の分割された次の部分3
4bを前記部分34aと同じ要領で持ち込み、一方の側
方作業空間6でシールド設置空間11に挿入されている
部分34aに連結する。前記部分34aと部分34bの
連結は、掘削具21a,21b;21a,21b同士は
カップリング36により、またシールド機本体19およ
びこれに付属の部材同士は連結金具35により連結す
る。前記部分34a,34bを連結後、再び牽引装置1
6により引き込み、シールド設置空間11に挿入する。
【0036】以上の作業を繰り返して幅方向に連続する
シールド機本体19を組み立てる。次に、シールド機本
体19の両側部に土留め板30および掘削具駆動装置2
6を取り付け、水平版状のシールド機18を構成する。
【0037】前述のごとく組み立てた状態で、シールド
機18を両側の側方作業空間6に敷設されたガイドレー
ル15上に載置する。また、この状態ではシールド機本
体19の両側部に取り付けられている土留め板30が鋼
矢板4からなる土留めの外側に近接し、土留めとして協
働して作用する。
【0038】図10は盛り土中を掘削し、桁材を組み立
てるための色々な装置を配備した状態の側面図、図11
は図10の平面図である。
【0039】これら図10および図11に示すように、
両側の側方作業空間6にベルトコンベア37と、ダンプ
トラック38とを配置する。また、一方の側方作業空間
6には裏込め注入装置44と、滑材注入装置45とを設
置し、他方の側方作業空間6には桁材用の牽引装置39
を設置する。この牽引装置39は、ガイドレール15に
沿って移動可能に設置する。
【0040】そして、一方の側方作業空間6に、PC桁
等の桁材41の部分41aを持ち込み、この部分41a
をワイヤロープ40を介して牽引装置39によりシール
ド機18の後方の桁材挿入部32に引き込み、挿入す
る。前記部分41aと同様に、一方の側方作業空間6に
次の部分41bを持ち込み、桁材挿入部32に挿入され
ている部分41aに連結金具(図示せず)を介して連結
し、再びワイヤロープ40および牽引装置39により引
き込む。
【0041】以上の動作を繰り返して行い、1本の桁材
41にまとめ、その桁材41をシールド機18の後方に
配置する。
【0042】次に、土砂でシールド設置空間11を埋め
戻し、工事桁10および軌道桁支持杭9を撤去する。
【0043】図12は盛り土の所定深さの位置を水平に
掘削し、シールド機の後方で桁材41を組み立て、水平
版状構造物を築造する過程を示す側面図、図13は図1
2の平面図の半部のみを示す図である。
【0044】これら図12および図13から分かるよう
に、シールド機18により盛り土中を掘進するに当たっ
て、シールド機18の下部で鋼矢板4を切断し、切断さ
れた鋼矢板4をシールド機18の高さだけ引き上げ、地
盤より上の部分は切断する。
【0045】ついで、シールド機18の掘削具21a,
21bにより盛り土1の所定深さの位置を掘削し、その
土砂をシールド機18の掘削具駆動装置26のケーシン
グ27に形成された排土口29から両側の側方作業空間
6に排出しながら掘進する。礫,コンクリートガラ等の
土中の障害物は、掘削具21a,21bのスクリュー2
3a,23bの排土作用、およびスクリュー23a,2
3bを掘進方向xの前後または左右に揺動させることに
よりスクリュー23a,23b内に取り込み、排出す
る。排土口29から排出された土砂は、ベルトコンベア
37によりダンプトラック38に積み込まれ、場外に排
出される。
【0046】ここで、シールド機18にはシールド機本
体19の幅方向の両側に、シールド機本体19の上下お
よび前方に突出する形状の土留め板30,30が取り付
けられており、この土留め板30,30はあらかじめ打
設されている土留めとしての鋼矢板4,4の外側に近接
しているため、両者が協働して土圧,水圧を受け止め、
切羽の崩壊を防止する。
【0047】所定の区域の地山である盛り土1を掘削
後、シールド機18の後方であらかじめ組み立てられた
桁材41を反力として、シールド機18内に設置された
複数本の推進ジャッキ31を一斉に伸長させ、シールド
機18全体を矢印x方向に推進させ、水平方向に横坑を
掘進する。その後、推進ジャッキ31を縮小させる。こ
のとき、裏込め注入装置44から裏込め材を供給し、桁
材41と横坑間の隙間に充填し、シールする。
【0048】前述のごとくシールド機18を推進させる
に伴い、切断された鋼矢板4,4の外側をシールド機1
8の土留め板30,30が通過後、前記切断された鋼矢
板4,4を押し込み、土嚢46を積むことにより、土嚢
46と一体となって地山を押さえる。
【0049】図14はシールド機を推進後、シールド機
の後方に形成された空間に、次の桁材を挿入し組み立て
る過程を示す側面図、図15は図14の平面図の半部の
みを示す図である。
【0050】これら図14および図15に示すように、
シールド機18を推進後、クレーン47により一方の側
方作業空間6に桁材42の部分42aを持ち込み、シー
ルド機本体19の後部に形成されている桁材挿入部32
に、前記ワイヤロープ40および牽引装置39により引
き込み、挿入する。その後、前記部分42aと同じ要領
で次の部分42bを側方作業空間6に持ち込み、桁材挿
入部32に挿入されている部分42aに次の部分42b
を連結金具により連結し、再びワイヤロープ40および
牽引装置39により引き込み、前記部分42a,42
b,…を1本の桁材42にまとめる。
【0051】以上の作業を繰り返して桁材42の次に桁
材43を配置し、適宜本数の桁材42,43,…を配列
するとともに、隣接する桁材同士を連結して行き、水平
版状構造物48を築造して行く。
【0052】図16は盛り土構造物内に築造された水平
版状構造物と、これに付随して築造された地下構造物を
示す縦断正面図である。
【0053】以上のように、水平版状のシールド機18
により盛り土構造物内を水平に掘進し、横坑を掘削し、
横坑に桁材41,42,43,…を引き込み、互いに連
結して築造された水平版状構造物48は、築造時に使用
したガイドレール15,15、構造物基礎杭7,7の上
部に継ぎ足された継ぎ柱7′,7′の列を受け梁49と
して一体化させることにより、地上の交通を安全に支持
することができる。これに伴い、桁下空間50を他の交
通等に利用したり、地下構造物51を築造したりするこ
とも可能となる。
【0054】以上の説明からも分かるように、この実施
例によれば、水平版状構造物を築造する場所の幅方向の
両側に鋼矢板4,4による土留めを打設し、またシール
ド機本体19の幅方向の両側に、このシールド機本体1
9の上下および前方に突出する形状の土留め板30,3
0を取り付け、シールド機18の発進に当たって、シー
ルト機18の下部で鋼矢板4,4の下部を切断し、シー
ルド機18の高さだけ持ち上げ、シールド機18の通過
後、切断された鋼矢板4,4や土留材によって土留めを
し、かつ鋼矢板4,4の外側に前記土留め板30,30
を近接するようにシールド機本体19の両側部に取り付
けているので、シールド機18による横坑の掘進時の土
圧,水圧をしっかりと受け止め、切羽の崩壊を確実に防
止することができる。なお、土留材としては、土のう袋
や、L形のプレキャスト部材等を用い、桁材と一体化
し、土留めを行う。
【0055】また、この実施例では水平版状のシールド
機18により、水平版状構造物を築造する場所の所定深
さの位置を水平方向に掘進し、横坑を掘削後、その後方
に形成された空間にPC桁等の桁材41,42,43,
…を挿入して連結し、水平版状構造物48を築造するよ
うにしており、さらにシールド機18をあらかじめ敷設
されたガイドレール15,15に載置し、ガイドレール
15,15に沿って水平方向に推進させるようにしてい
るので、水平版状構造物を築造する場所が盛り土構造物
であって、しかもその上に既に鉄道2や道路等が敷設さ
れているような場合であっても、地表面が隆起したり,
陥没したりする不具合を回避しつつ水平版状構造物48
を築造することができる。
【0056】さらに、この実施例ではシールド機18の
シールド機本体19と、これに付属の部材と、掘削具2
1a,21bとを複数の部分34a,34b,34c,
…に分割し、現場で組み立てるようにしており、また土
留め板30をはさんで掘削具駆動装置26をシールド機
本体19の両側部に現場で取り付けるように構成してお
り、さらには桁材41,42,43,…もそれぞれ複数
の部分に分割し、側方作業空間6で連結しながらシール
ド機本体19の後部の桁材挿入部32に挿入するように
しているので、水平版状構造物を築造する場所の側方作
業空間6を小さくすることができ、その分施工を簡単に
なし得る。
【0057】また、この実施例では水平版状のシールド
機18を両側の側方作業空間6,6に敷設されたガイド
レール15,15に沿って水平方向に推進させ、横坑を
掘削し、この横坑に沿って水平版状構造物48を築造す
るようにしているので、水平版状構造物48を極めて正
確に築造することが可能となる。
【0058】さらに、この実施例では横坑を掘削後、側
方作業空間6からシールド機18の後方に形成された空
間にそれぞれ桁材41,42,43,…の分割された部
分を持ち込んで組み立て、それぞれ1本の桁材41,4
2,43,…にまとめるようにしており、またシールド
機18の掘進に伴って桁材41,42,43,…を水平
方向に配列し、連結して水平版状構造物48を築造する
ようにしているので、1本の桁材を構成している部分同
士、および水平方向に配列された桁材41,42,4
3,…同士をそれぞれ堅固に連結できるので、剛性の高
い水平版状構造物48を築造することができる。
【0059】しかも、この実施例では水平版状構造物を
築造する場所の側方の作業用地、つまり側方作業空間6
が小さくて済むこと、水平版状のシールド機18により
地中を掘進するようにしているので、掘進速度を高める
ことができること、掘削した土砂をシールド機18の掘
削具駆動装置26のケーシング27に形成された排土口
29を通じて、シールド機18の側方に排出するように
しているので、排土が邪魔にならず、横坑を掘削後、シ
ールド機18の後方に直ちに桁材41,42,43,…
を持ち込んで組み立てることができることとが相俟ち、
水平版状構造物48を能率よく築造することができる。
【0060】
【発明の効果】以上説明した本発明の請求項1記載の発
明では、シールド機本体19の幅方向の両側に、突出す
る形状の土留め板30を取り付けているので、シールド
機18による横坑の掘進時の土圧,水圧を受け止め、切
羽の崩壊を防止できるし、さらには水平版状のシールド
機18により前記場所の所定深さの位置を水平方向に掘
進し、横坑を掘削後、その後方に形成された空間にPC
桁等の桁材を挿入して連結し、水平版状構造物48を築
造するようにしているので、水平版状構造物を築造する
場所が盛り土構造物であって、その上面に既に道路や鉄
道等が敷設されているような場合であっても、地表面が
隆起したり陥没したりする不具合を回避しつつ水平版状
構造物48を築造し得る効果がある。また、本発明では
前記横坑を掘進するためのシールド機18を幅方向に複
数の部分に分割し組み立てる分割・組み立て型に構成
し、水平版状構造物を築造する場所に確保された側方作
業空間6に、前記シールド機18の分割された部分を持
ち込み、その部分を側方作業空間6から前記場所の所定
深さの位置に築造されたシールド設置空間11に挿入
し、次に側方作業空間6に持ち込んだ部分と、前記シー
ルド設置空間11に挿入されている部分とを連結し、組
み立てるようにしており、さらには水平版状構造物築造
用の桁材も複数の部分に分割しておき、前記側方作業空
間6に桁材の分割された部分を持ち込み、シールド機1
8の後方に形成された空間に挿入し、次に持ち込まれた
部分と、前記シールド機18の後方に挿入されている部
分とを連結して1本の桁材にまとめるようにしているの
で、水平版状構造物を築造する場所の側方の作業用地を
小さくすることができ、その分施工を簡単に行い得る効
果がある。また、本発明では水平版状のシールド機18
を水平方向に掘進させて横坑を掘削し、この横坑に沿っ
て水平版状構造物48を築造するようにしているので、
正確に築造し得る効果がある。さらに、本発明では横坑
を掘削後、側方作業空間6からシールド機18の後方に
形成された空間に桁材の分割された部分を持ち込んで組
み立て、1本の桁材にまとめるとともに、シールド機1
8の掘進に伴って前記桁材を水平方向に配列し、連結し
て水平版状構造物48を築造するようにしているので、
1本の桁材を構成している部分同士、および水平方向に
配列された桁材同士とも堅固に連結でき、したがって剛
性の高い水平版状構造物48を築造し得る効果がある。
しかも、本発明では前述のごとく水平版状構造物を築造
する場所の側方の作業用地が小さくて済むし、水平版状
のシールド機18により地中を掘進するようにしている
ので、掘進速度を高めることができるし、掘削した土砂
をシールド機18の側方に排出するようにしているの
で、排土が邪魔にならず、横坑を掘削後、シールド機1
8の後方に直ちに桁材を持ち込んで組み立てることがで
きる等が相俟ち、水平版状構造物48を能率よく築造し
得る効果もある。
【0061】そして、本発明の請求項2記載の発明で
は、前記土留めとして、水平版状構造物を築造する場所
の幅方向に所定の間隔をおいて鋼矢板4,4を打設し、
前記シールド機18の土留め板30,30を前記鋼矢板
4,4の外側に近接させてシールド機本体19の側部に
取り付け、シールド機18の掘進時にシールド機18の
下部で鋼矢板4,4を切断し、シールド機18の前進時
にシールド機18の高さだけ鋼矢板4,4を引き上げ、
シールド機18の通過後に土留材により地山を押さえる
ようにしているので、シールド機18による掘進時の土
留めをより一層確実に行い、安全に施工し得る効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】水平版状構造物を築造する場所の縦断正面図で
ある。
【図2】盛り土の幅方向に側方作業空間を築造した状態
の縦断正面図である。
【図3】シールド設置空間を築造した状態の縦断正面図
である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】シールド機の部分の吊り込み,シールド設置空
間内への引き込み,組み立て過程を示す縦断正面図であ
る。
【図6】図5の平面図である。
【図7】シールド機の一例を示す平面図である。
【図8】図7のA−A線断面図である。
【図9】図7のB−B線断面図である。
【図10】盛り土中を掘削し、桁材を組み立てるための
色々な装置を配備した状態の側面図である。
【図11】図10の平面図である。
【図12】盛り土の所定深さの位置を水平に掘削し、シ
ールド機の後方で桁材を組み立て、水平版状構造物を築
造する過程を示す側面図である。
【図13】図12の平面図の半部のみを示す図である。
【図14】シールド機を推進後、シールド機の後方に形
成された空間に、次の桁材を挿入し組み立てる過程を示
す側面図である。
【図15】図14の平面図の半部のみを示す図である。
【図16】盛り土構造物内に築造された水平版状構造物
と、これに付随して築造された地下構造物を示す縦断正
面図である。
【図17】従来技術を示す側面図である。
【図18】図17のC−C矢視図である。
【符号の説明】
1 水平版状構造物を築造する場所である盛り土 2 盛り土上に敷設されている鉄道 4 土留めを構成している鋼矢板 6 側方作業空間 7 構造物基礎杭 7′ 構造物基礎杭に継ぎ足した継ぎ柱 9 軌道桁支持杭 10 工事桁 11 シールド設置空間 12 桟橋杭 13a〜13f レール 14 覆工 15 ガイドレール 16 シールド機の分割された部分の牽引装置 17 同じくワイヤロープ 18 シールド機 19 シールド機本体 21a,21b 掘削具 26 掘削具駆動装置 29 排土口 30 土留め板 31 推進ジャッキ 32 桁材挿入部 34a,34b,34c シールド機の分割された部分 37 排土用のベルトコンベア 38 同じくダンプトラック 39 桁材の分割された部分の牽引装置 40 同じくワイヤロープ 41,42,43 PC桁等の桁材 46 土留材 47 クレーン 48 水平版状構造物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−259108(JP,A) 特開 平7−252989(JP,A) 特開 平6−299783(JP,A) 特開 平6−294280(JP,A) 特開 平6−33685(JP,A) 特開 平5−171888(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平版状構造物を築造する横坑を掘進す
    るためのシールド機18を幅方向に複数の部分に分割し
    組み立てる分割・組み立て型に構成し、 水平版状構造物を築造する場所に、シールド機18の分
    割された部分を持ち込み組み立て可能な側方作業空間6
    を確保し、この側方作業空間6から前記場所の所定深さ
    の位置に、シールド設置空間11を築造し、 前記側方作業空間6にシールド機18の分割された部分
    を持ち込み、シールド設置空間11に挿入し、シールド
    機18の次の部分を持ち込み、シールド設置空間11に
    挿入されている部分に連結し、この作業を繰り返して前
    記場所の幅方向に連続するシールド機本体19を組み立
    て、このシールド機本体19の幅方向の両側に、突出す
    る形状の土留め板30を取り付けるとともに、少なくと
    も一側部に掘削具駆動装置26を取り付けて水平版状の
    シールド機18を構成し、 前記シールド機18により水平方向に地山を掘削して行
    き、掘削した土砂を側方に排出しつつ横坑を掘進し、 前記側方作業空間6に、複数の部分に分割された水平版
    状構造物築造用の桁材の前記部分を持ち込み、桁材の部
    分をシールド機18の後方に形成された空間に挿入し、
    次に持ち込まれた桁材の部分を前記空間に挿入されてい
    る部分に連結し、この作業を繰り返して1本の桁材にま
    とめ、シールド機18の掘進に伴って前記桁材を水平方
    向に配列し、連結して水平版状構造物48を築造する、
    ことを特徴とする地中への水平版状構造物の築造方法。
  2. 【請求項2】 前記土留めとして、水平版状構造物を築
    造する場所の幅方向に所定の間隔をおいて鋼矢板4,4
    を打設し、前記シールド機18の土留め板30,30を
    前記鋼矢板4,4の外側に近接させてシールド機本体1
    9の側部に取り付け、シールド機18の掘進時にシール
    ド機18の下部で鋼矢板4,4を切断し、シールド機1
    8の前進時にシールド機18の高さだけ鋼矢板4,4を
    引き上げ、シールド機18の通過後に土留材により地山
    を押さえることを特徴とする請求項1記載の地中への水
    平版状構造物の築造方法。
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