JP4303512B2 - 大断面トンネルの施工方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、仮設の小断面分割体を利用しながら大断面トンネルを構築する施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
地下にトンネルを構築する場合、トンネル軸に沿ってトンネルの両側に山留壁を構築し、その内部を掘削してトンネル函体を構築した後に埋戻しをおこない、山留壁を撤去する開削工法がおこなわれている。
一方、道路や鉄道などの下に地下立体交差トンネルを構築する場合は、上記する開削工法による地上交通への障害を回避するために、シールド工法や推進工法による施工が一般的である。
ところで、近年の交通量の増加や地下トンネルの適用の多様化などから、地下トンネルが大断面化してきている。かかる大断面トンネルを構築する場合、シールド工法にて複数の小断面トンネルを構築して連結させて大断面トンネルを構築している。また、開削工法では、地盤改良等の補助工法を併用し、広範な作業帯を占有しながら施工をおこなっている。
発明者等においては、図10に示すように、大断面トンネルの構築に際し、複数の小断面トンネルを相互に隣接させるように推進工法にて設置する方法を考案し、開示している(特許文献1参照)。ここで、推進管aの推進は、一方の側壁に刻設した溝bに他方の側壁に設けた突条cを嵌装させながら設置していく。
【0003】
また、開削工法とシールド工法の利点を兼ね備えた工法としてオープンシールド工法が使用されている。オープンシールド工法とは、前方および上方を開放したシールド掘進機を使用し、切羽掘削チャンバー内の地山をバックホウで掘削排土し、油圧ジャッキにより敷設函体を反力にシールド掘進機を推進し、函体を敷設し、テールボイドの注入をおこない、函体上部を埋戻していく工法である。なお、特許文献2にオープンシールド機およびかかるオープンシールド機を使用したオープンシールド工法について開示している。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−214699号公報
【特許文献2】
特開2002−70481号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来の大断面トンネルの施工方法にあっては、次のような問題点がある。
<イ>開削工法では大型機械の必要性などから広範な作業帯を占有するため、地上の交通渋滞の要因となり得る。
<ロ>開削工法においては、施工場所に近接した周辺施設への影響が大きいため、地盤改良等の補助工法の併用が不可避となる。
<ハ>シールド工法では大断面に対応した掘削が困難となる。また、大断面を小断面に分割した分割体を結合して大断面トンネルを構築する場合であっても、土被りが少ない場合にはシールド工法の使用は困難となる。
【0006】
【発明の目的】
本発明は上記したような従来の問題を解決するためになされたもので、大断面トンネルの施工時に地上に広範な作業帯を占有する必要のない大断面トンネルの施工方法を提供することを目的とする。また、施工場所に近接した周辺施設への影響が少ない大断面トンネルの施工方法を提供することを目的とする。また、土被りが少ない条件下での大断面トンネルの施工方法を提供することを目的とする。
本発明は、これらの目的の少なくとも一つを達成するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、地盤に断面視矩形の掘削溝を造成し、掘削溝に函体を隣接設置して函体列を構築していく函体設置工程と、前記函体の上部を埋戻す埋戻し工程と、によって函体列を構築し、前記函体の底版下面にトンネル軸方向に刻設した溝条に、推進管の上床版上面においてトンネル軸方向に延伸した凸条を嵌装させながら前記推進管を前記函体下に設置して推進管列を構築し、前記函体の上床版上面の端部に予め設けた山留め壁を利用して、間隔を置いて略並行に構築した複数の前記函体列及び前記推進管列の間を掘削し、前記函体列及び前記推進管列を山留め支保部材として利用しながら本設大断面トンネルを構築することを特徴とする大断面トンネルの施工方法である。
【0009】
さらに、本発明の大断面トンネルの施工方法は、地盤に断面視矩形の掘削溝を造成し、掘削溝に函体を隣接設置して函体列を構築していく函体設置工程と、前記函体において、函体の上床版上面の端部付近に予め設けた山留め壁係止支柱に山留め壁を係止して山留め壁を設置して前記函体の上部を埋戻す埋戻し工程と、によって函体列を構築し、前記函体の底版下面にトンネル軸方向に刻設した溝条に、推進管の上床版上面においてトンネル軸方向に延伸した凸条を嵌装させながら前記推進管を前記函体下に設置して推進管列を構築し、間隔を置いて略並行に構築した複数の前記函体列及び推進管列の間を掘削し、前記函体列及び前記推進管列を山留め支保部材として利用しながら本設大断面トンネルを構築することを特徴とする大断面トンネルの施工方法である。
【0010】
また、本発明の大断面トンネルの施工方法は、異形断面を掘進可能な異形断面シールド掘進機を使用して函体を設置していく函体設置工程と、前記函体の上床版に沿って地盤に掘削溝を造成しながら、前記函体上に上段函体を設置する上段函体設置工程と、前記上段函体の上部を埋戻す埋戻し工程と、によって函体列及び上段函体列を構築し、間隔を置いて略並行に構築した複数の前記函体列及び前記上段函体列の間を掘削し、前記函体列及び前記上段函体列を山留め支保部材として利用しながら本設大断面トンネルを構築することを特徴とする大断面トンネルの施工方法である。
【0011】
また、本発明の大断面トンネルの施工方法は、異形断面を掘進可能な異形断面シールド掘進機を使用して函体を設置していく函体設置工程と、前記函体の上床版に沿って地盤に掘削溝を造成しながら、前記函体上に上段函体を設置する上段函体設置工程と、前記上段函体の上部を埋戻す埋戻し工程と、によって函体列及び上段函体列を構築し、前記上段函体の上床版上面の端部に予め設けた山留め壁を利用して、間隔を置いて略並行に構築した複数の前記函体列及び前記上段函体列の間を掘削し、前記函体列及び前記上段函体列を山留め支保部材として利用しながら本設大断面トンネルを構築することを特徴とする大断面トンネルの施工方法である。
【0012】
さらに、本発明の大断面トンネルの施工方法は、異形断面を掘進可能な異形断面シールド掘進機を使用して函体を設置していく函体設置工程と、前記函体の上床版に沿って地盤に掘削溝を造成しながら、前記函体上に上段函体を設置する上段函体設置工程と、前記上段函体において、上段函体の上床版上面の端部に山留め壁を設置して前記上段函体の上部を埋戻す埋戻し工程と、によって函体列及び上段函体列を構築し、間隔を置いて略並行に構築した複数の前記函体列及び前記上段函体列の間を掘削し、前記函体列及び前記上段函体列を山留め支保部材として利用しながら本設大断面トンネルを構築することを特徴とする大断面トンネルの施工方法である。
【0013】
また、本発明の大断面トンネルの施工方法は、シールド掘進機の天井を地上に開放してシールド掘進をおこなうオープンシールド掘進機を使用して前記掘削溝を造成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
<イ>オープンシールド掘進機(図6(a)、(b))
オープンシールド掘進機11は、左右の側壁板111にて土留めをしながら掘進機1の前方及び上方を開放させた公知の掘進機1である。地上からバックホウ91などで掘削排土しながら函体2を吊下げ設置し、かかる函体2に反力をとって油圧ジャッキ112にて掘進する。側壁板111にて土留めをしているため掘削の影響が周囲に及びにくく、また油圧ジャッキ112を使用するため、騒音や振動が少ないことから住宅街での施工にも好適である。また、側壁板111が2分割された中折れ構造のオープンシールド掘進機11を使用することによって曲線施工も可能である。
本発明においては、土被りの少ない条件にて大断面トンネルを施工する際にオープンシールド掘進機11を使用するのが好ましい。
【0017】
<ロ>異形断面シールド掘進機(図7(a)、(b))
異形断面シールド掘進機12としては、例えば断面視矩形(または正方形)のシールド掘進機において、掘進機1前面に掘進軸方向の掘進軸121回りに揺動する揺動カッター122を複数備えた掘進機1を使用することができる。かかる複数の揺動カッター122は夫々の揺動カッター122の掘削範囲を重複させないように制御することができる。すなわち、例えば2基の揺動カッター122を同一平面内又は双方が前後するように配置して夫々の揺動カッター122を自己の持分範囲のみを掘削させることである。矩形断面を掘進する場合には、矩形断面を例えば均等に2分割して、2基の揺動カッター122が各分割範囲内を揺動しながら地盤を切削することができる。この場合に、揺動カッター122の揺動は揺動軸121を中心に双方が相反する方向に揺動するように制御することができる。かかる制御によって、2基の揺動カッター122は相互に干渉することなく、また掘進機1の進行方向を一定方向に確保しながら掘進させることが可能となる。
【0018】
異形断面シールド掘進機12を使用して掘削溝3を造成する際には、かかる掘進機1の天井に切削山留め体13を設けるのが好ましい。ここで、切削山留め体13とは、例えば2つの山留め板131を異形断面シールド掘進機12の幅程度の間隔を置いてほぼ並行に直立させて配置し、かかる間隔に複数の間隔保持部材132を夫々の山留め板131に垂直に連結させて製作したものである。山留め板131としては例えば鋼製板など山留め部材としての剛性を有する材料を使用するのが好ましい。また、間隔保持部材132としては、例えばH型鋼材を使用できる。
切削山留め体13を使用する目的は、異形断面シールド掘進機12の掘進に応じて山留め板131を地盤内に推進させ、かかる山留め板131で土留めをしながら、山留め板131内を地上からバックホウ91等で掘削して函体2を異形断面シールド掘進機12内に吊り下ろしていくためである。なお、切削山留め体13は掘進機1の天井に着脱可能な構造とするのが好ましい。
【0019】
【実施例1】
以下、図面を参照しながら本発明の大断面トンネルの施工方法の実施例1について説明する。
【0020】
<イ>函体設置工程(図1(a))
オープンシールド掘進機11または異形断面シールド掘進機12を使用して、地盤に断面視矩形の掘削溝3を造成する。掘削溝3を造成しながら函体2を地上からクレーン92等で吊り下ろして掘削溝3内に設置し、函体列23を構成させる。かかる函体2は例えば工場にて運搬可能な大きさに製作するのがよい。また、かかる函体2は本設トンネルを構築するための仮設支保部材であるため、函体2構成部材は土圧に耐え得る程度の部材厚を備えていればよい。なお、函体2は例えばセメント系混合材料(コンクリート材料)にて製作できる。
【0021】
<ロ>埋戻し工程及び推進管列の構築(図1(b))
函体列23を構築しながら、かかる函体列23の上部を埋戻していく。すなわち、埋戻し工程は、上記の函体設置工程と並行しながら進めていくのが好ましい。埋戻し工程を完了することによってトンネル延長方向に伸びた1列の函体列23が構築される。
本発明においては、上記の函体列23を間隔をおいてほぼ並行に複数構築するため、かかる複数の函体列23の構築は、工期や工費を勘案して1列ごとにおこなうこともできるし、掘進機1を複数使用して各列を同時に構築することもできる。
埋戻し工程完了後は舗装を施工することで、地上道路として供用することができる。
【0022】
函体列23を構築後、または函体列23の構築と同時に函体列23の下部に推進機13を推進させながら推進管7を設置していく。ここで、推進管7の設置方法は、函体2の底版21下面にトンネル軸方向に予め刻設した溝条22に、推進管7の上床版72上面にトンネル軸方向に予め延伸した凸条71を嵌装させながら設置していく。ここで、溝条22の断面視形状は凸条71の断面視形状に応じて製作される。凸条71の断面視形状は、例えば矩形やT字形状などに製作できる(図3参照)。また、凸条71は推進管7と同程度の長さに製作することもできるし、所定長さの凸条71を所定間隔を置いて設置することもできる。凸条71はセメント系混合材料や鋼製材料などにより製作できる。また、使用する凸条71の断面視形状に応じた断面視形状を備えた溝条22は、溝条22を構成する型枠を函体2の底版21に予め埋め込んでおき函体2を製作するのがよい。
【0023】
なお、上記実施例は函体列23の下に推進管列73を構築する場合の実施例であるが、函体列23の下には複数段の推進管列73を構築することもできる。すなわち、構築する本設大断面トンネル4の断面寸法と使用する函体2及び推進管7の断面寸法に応じて鉛直下方に設置していく推進管7の段数を調整できる。かかる場合は、推進管7の上床版72には凸条71を設け、推進管7の下床版には函体2と同様溝条22を設けておき、かかる溝条22に下方に設置される推進管7の上床版72に設けた凸条71を嵌装させながら設置していくのが好ましい。
【0024】
<ハ>函体列及び推進管列の間の掘削(図2(a))
函体列23及び推進管列73の間の掘削は、函体列23上の土被り部分については、地上から所定の法面を形成しながら開削施工をおこない、函体列23の函体側壁間及び推進管側壁間の掘削は函体2及び推進管7を山留め支保部材として利用しながら推進管列73最下段レベル付近まで掘り下げていくことができる。また、その他の方法としては、トンネル延長端部より並行する函体列23の最上段レベルおよび推進管列73の最下段レベル付近に例えば鋼製の間隔掘削山留め板をトンネル延長方向に推進させ、上下の土圧は間隔掘削山留め板にて支保させ、左右は函体2及び推進管7を山留め支保部材として利用しながらかかる函体列22及び推進管列73の間の掘削をおこなうこともできる。この方法によれば、地上において開削に伴う工事占有帯を確保する必要がないため、工事占有帯による交通障害の問題を最小限に抑えることができる。
【0025】
<ニ>本設大断面トンネルの構築(図2(b))
函体列23及び推進管列73の間の掘削完了後、または函体列22及び推進管列73の間の掘削と並行して本設大断面トンネル4の構築をおこなう。函体列23及び推進管列73を構成する各構成部材を外型枠とし、函体2及び推進管7の構成部材を撤去しながら本設大断面トンネル4を構成する構成部材(上床版、側壁、柱脚、底版など)を構築する。
【0026】
【実施例2】
以下、図面を参照しながら本発明の大断面トンネルの施工方法の実施例2について説明する。なお、実施例1と重複する工程については省略する。
【0027】
函体列23の上床版上面において、並行する函体列23側の端部付近には予め山留め壁5を設置した状態でかかる函体2を設置し、埋戻し工程を完了させる。山留め壁5としてはコンクリート壁を設けておいたり、鋼矢板壁を設けておくなどできる(図4(a)参照)。
かかる山留め壁5を設けておくことで、地上から法面を形成しながら掘削する場合に比べて地上の工事占有帯幅を極力狭めることができる。
【0028】
【実施例3】
以下、図面を参照しながら本発明の大断面トンネルの施工方法の実施例3について説明する。なお、他の実施例と重複する工程については省略する。
【0029】
函体列23の上床版上面において、並行する函体列23側の端部付近には山留め壁5を設置するための山留め係止支柱51などを予め設置した状態でかかる函体2を設置する(図4(b)参照)。山留め係止支柱51は支柱の安定を図るために断面視L字状に成形するのもよい。次に、かかる山留め係止支柱51に例えば鋼矢板などの山留め壁5を係止させた後に函体2の上部を埋戻していく。
【0030】
【実施例4】
以下、図面を参照しながら本発明の大断面トンネルの施工方法の実施例4について説明する。なお、他の実施例と重複する工程については省略する。
【0031】
実施例4は、実施例1〜3のように函体列23の下方に推進管列73を構築していくのではなく、異形断面シールド掘進機12を使用して函体列23(またはセグメント函体列)を構築後、かかる函体列23の上方に掘進機1により掘削溝3を造成しながら函体列23を構築する方法である。
まず、函体設置工程として、異形断面シールド掘進機12により函体列23(セグメント函体列)を構築する。ここで、本設大断面トンネル4の寸法に応じた数の函体列23を間隔6を置いてほぼ並行に構築する(図5(a)参照)。
函体設置工程完了後、または函体設置工程と同時に、掘進機1を使用して函体列23の上部に上段函体24を設置していく(上段函体設置工程)(図5(b)参照)。
掘進機1としては、オープンシールド掘進機11又は異形断面シールド掘進機12(切削山留め体13を備えたもの)を使用して掘削溝3を造成しながら上段函体24を設置していく。
【0032】
オープンシールド掘進機11を使用して上段函体24を設置する方法を図6(a)、(b)に示す。
ここで、オープンシールド掘進機11を使用する場合は、既に構築された函体列23をガイドとして利用しながら掘進させるのが好ましい。すなわち、オープンシールド掘進機11の側壁板111を下方の函体2の側壁まで延ばした状態で下方函体上にオープンシールド掘進機11を設置することにより、下方の函体列23をガイドとしてオープンシールド掘進機11が掘進することができる。オープンシールド掘進機11の前方地山はバックホウ91等で掘削排土させ、地上からクレーン92等で上段函体24を吊下げて設置していき、上段函体24に反力をとってオープンシールド掘進機11を掘進させていく。
【0033】
一方、異形断面シールド掘進機12を使用して上段函体24を設置する方法を図7(a)、(b)に示す。
異形断面シールド掘進機12を使用する場合も、既に構築された函体列23をガイドとして利用しながら掘進させるのが好ましい。すなわち、既設置された函体列23を構成する函体2の上床版には予めトンネル軸方向に刻設した溝条22を設けておく。異形断面シールド掘進機12の掘進機12底部にはトンネル軸方向に延伸した凸条71を設けておき、凸条71を溝条22に嵌装させながら異形断面シールド掘進機12を掘進させる。
【0034】
上段函体列25の構築完了後、または上段函体列25の構築と同時に間隔6の掘削をおこなう。掘削方法は、実施例1〜3と同様である(図8(a)、図9(a)、(b)参照)。
掘削完了後、または掘削と同時に本設大断面トンネル4の構築をおこなう(図8(b)参照)。
【0035】
【発明の効果】
本発明の大断面トンネルの施工方法は以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<イ>広範な作業帯を占有しないため、地上の交通障害を少なくして工事をおこなうことができる。
<ロ>オープンシールド掘進機または切削山留め体を備えた異形断面シールド掘進機を使用して地上に掘削溝を造成するため、掘削の影響が周辺におよび難い。<ハ>函体の規模を小さくすることにより、函体を吊り下ろすクレーンを小型化できる。
<ニ>仮設用の函体や本設の分割函体が土留め壁および土留め支保部材としての役割を担うため、土留め壁の施工や切梁設置などの必要がなく、全体工程を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の大断面トンネルの施工方法の実施例1を説明した施工フロー図であり、(a)函体設置工程の説明図。(b)埋戻し工程および推進管列を構築した説明図。
【図2】本発明の大断面トンネルの施工方法の実施例1を説明した施工フロー図であり、(a)函体列及び推進管列の間を掘削している説明図。(b)本設大断面トンネルの構築完了を説明した説明図。
【図3】函体の溝条に推進管の凸条を嵌装させている状況を説明した説明図。
【図4】(a)本発明の大断面トンネルの施工方法の実施例2の函体群列の間を掘削している説明図。(b)本発明の大断面トンネルの施工方法の実施例3の函体群列の間を掘削している説明図。
【図5】本発明の大断面トンネルの施工方法の実施例4を説明した施工フロー図であり、(a)函体設置工程の説明図。(b)上段函体設置工程の説明図。
【図6】オープンシールド掘進機によって上段函体を設置していることを説明した図であり、(a)オープンシールド掘進機の斜視図。(b)オープンシールド掘進機により施工状況を説明した説明図。
【図7】異形断面シールド掘進機によって上段函体を設置していることを説明した図であり、(a)異形断面シールド掘進機の正面図。(b)異形断面シールド掘進機の縦断図。
【図8】本発明の大断面トンネルの施工方法の実施例4を説明した施工フロー図であり、(a)函体列及び推進管列の間を掘削している説明図。(b)本設大断面トンネルの構築完了を説明した説明図。
【図9】(a)本発明の大断面トンネルの施工方法の実施例4において函体列及び上段函体列の間を山留め壁を利用して掘削している説明図。(b)本発明の大断面トンネルの施工方法の実施例4において函体列及び上段函体列の間を山留め係止支柱及び山留め壁を利用して掘削している説明図。
【図10】従来の大断面トンネルの施工方法を説明した説明図。
【符号の説明】
1・・・掘進機
11・・オープンシールド掘進機
12・・異形断面シールド掘進機
13・・切削山留め体
131・山留め板
132・間隔保持部材
2・・・函体
21・・底版
22・・溝条
23・・函体列
24・・上段函体
25・・上段函体列
3・・・掘削溝
4・・・本設大断面トンネル
5・・・山留め壁
6・・・間隔
7・・・推進管
71・・凸条
72・・上床版
73・・推進管列

Claims (6)

  1. 地盤に断面視矩形の掘削溝を造成し、掘削溝に函体を隣接設置していく函体設置工程と、
    前記函体の上部を埋戻す埋戻し工程と、によって函体列を構築し、
    前記函体の底版下面にトンネル軸方向に刻設した溝条に、推進管の上床版上面においてトンネル軸方向に延伸した凸条を嵌装させながら前記推進管を前記函体下に設置して推進管列を構築し、
    前記函体の上床版上面の端部に予め設けた山留め壁を利用して、間隔を置いて略並行に構築した複数の前記函体列及び推進管列の間を掘削し、
    前記函体列及び前記推進管列を山留め支保部材として利用しながら本設大断面トンネルを構築することを特徴とする、
    大断面トンネルの施工方法。
  2. 地盤に断面視矩形の掘削溝を造成し、掘削溝に函体を隣接設置していく函体設置工程と、
    前記函体において、函体の上床版上面の端部付近に予め設けた山留め壁係止支柱に山留め壁を係止して山留め壁を設置して前記函体の上部を埋戻す埋戻し工程と、によって函体列を構築し、
    前記函体の底版下面にトンネル軸方向に刻設した溝条に、推進管の上床版上面においてトンネル軸方向に延伸した凸条を嵌装させながら前記推進管を前記函体下に設置して推進管列を構築し、
    間隔を置いて略並行に構築した複数の前記函体列及び推進管列の間を掘削し、
    前記函体列及び前記推進管列を山留め支保部材として利用しながら本設大断面トンネルを構築することを特徴とする、
    大断面トンネルの施工方法。
  3. 異形断面を掘進可能な異形断面シールド掘進機を使用して函体を設置していく函体設置工程と、
    前記函体の上床版に沿って地盤に掘削溝を造成しながら、前記函体上に上段函体を設置していく上段函体設置工程と、
    前記上段函体の上部を埋戻す埋戻し工程と、によって函体列及び上段函体列を構築し、
    間隔を置いて略並行に構築した複数の前記函体列及び前記上段函体列の間を掘削し、
    前記函体列及び前記上段函体列を山留め支保部材として利用しながら本設大断面トンネルを構築することを特徴とする、
    大断面トンネルの施工方法。
  4. 異形断面を掘進可能な異形断面シールド掘進機を使用して函体を設置していく函体設置工程と、
    前記函体の上床版に沿って地盤に掘削溝を造成しながら、前記函体上に上段函体を設置する上段函体設置工程と、
    前記上段函体の上部を埋戻す埋戻し工程と、によって函体列及び上段函体列を構築し、
    前記上段函体の上床版上面の端部に予め設けた山留め壁を利用して、間隔を置いて略並行に構築した複数の前記函体列及び前記上段函体列の間を掘削し、
    前記函体列及び前記上段函体列を山留め支保部材として利用しながら本設大断面トンネルを構築することを特徴とする、
    大断面トンネルの施工方法。
  5. 異形断面を掘進可能な異形断面シールド掘進機を使用して函体を設置していく函体設置工程と、
    前記函体の上床版に沿って地盤に掘削溝を造成しながら、前記函体上に上段函体を設置する上段函体設置工程と、
    前記上段函体において、上段函体の上床版上面の端部に山留め壁を設置して前記上段函体の上部を埋戻す埋戻し工程と、によって函体列及び上段函体列を構築し、
    間隔を置いて略並行に構築した複数の前記函体列及び前記上段函体列の間を掘削し、
    前記函体列及び前記上段函体列を山留め支保部材として利用しながら本設大断面トンネルを構築することを特徴とする、
    大断面トンネルの施工方法。
  6. シールド掘進機の天井を地上に開放してシールド掘進をおこなうオープンシールド掘進機を使用して前記掘削溝を造成することを特徴とする、
    請求項1乃至5のいずれかに記載の大断面トンネルの施工方法。
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