JP4309219B2 - トンネル構築方法 - Google Patents
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Description
一方、道路や鉄道などの下に地下立体交差トンネルを構築する場合は、上記する開削工法による地上交通への障害を回避するために、シールド工法や推進工法による施工が一般的である。
<1>シールド掘進機を使用してトンネルを構築する場合は、所定深度まで立坑を構築する必要がある。この場合、立坑構築に要する工費と工期が施工全体への工費及び工期に影響を与える。
<2>地上から立坑を構築する場合、地上には比較的広範囲にわたる施工ヤードを確保する必要が生じ得る。立坑構築場所が交通導線に干渉する場合は、交通障害の原因となる。
<1>トンネルの構築に際し、所定深度まで掘下げた立坑の構築を必要としないため、工費の低廉化と工期の短縮を図ることができる。
<2>深い立坑の構築を必要としないため、広範な施工ヤードを確保する必要がない。また、立坑構築場所が交通導線に干渉する場合でも、交通障害を最小限に抑えることができる。
<3>本発明のトンネル構築方法を使用して複数のアプローチ部を構築しながら大断面化することにより、大がかりな立坑を構築することなく大断面トンネルの構築が可能となる。
本発明は、シールド掘進機1によるトンネル5の構築のうち、特に地上から地下のトンネル5へ連絡するアプローチ部6の構築方法に関するものである。
使用するシールド掘進機1は、矩形断面削孔用の密閉型のシールド掘進機1を使用するのがよい(図1参照)。また、密閉型のシールド掘進機1とオープン型のシールド掘進機を併用することもできる。
山留め板12をシールド掘進機1の天井に配置することにより、掘削深度がシールド掘進機1の高さ以深となっても一定の深度までは開放部11を介して地上からセグメント4の吊り下ろし設置が可能となる。
以下に本発明のトンネル構築方法の詳細について説明する。
発進部2は、地表または地表からアプローチ部6の傾斜を備えて浅く掘下げた掘下げ部である。地表または掘下げ端部にはシールド掘進機1発進用の反力壁91を設置する。ここで、反力壁91は、鋼材を組立てて構築してもよく、またコンクリート壁としてもよい。
発進部2を浅く掘下げた場合でも、通常の立坑を構築する場合に比べて広範な施工ヤードを必要としない。
発進部2から斜め下方へ発進したシールド掘進機1を、その高さ程度の深度まで掘進させる。その天井に開閉可能な開閉機構13を備えて製作したシールド掘進機1において、開放部11を介して地上からクレーン等の重機3にてセグメント4を吊り下ろして設置するため、その深度(所定深度)はシールド掘進機1の高さ程度となる。ここで、シールド掘進機1の天井に山留め板12,12を設置する場合は、シールド掘進機1の高さに山留め板12の高さを加えた程度の高さを所定深度とできる。この場合は、シールド掘進機1の天井より下方の地盤はシールド掘進機1にて、天井より上方の地盤は地上からバックホウなどの重機3によって掘削するのがよい。
アプローチ部61は発進部2から所定延長までは断面視矩形の上部を開放したU型のセグメント41を設置し(図5参照)、それ以深は断面視矩形のセグメント42を設置する(図6参照)。
アプローチ部初期構築工程にて所定深度までアプローチ部61を構築した後は、該アプローチ部61からさらに延伸するアプローチ部6を下段62と上段63の2段階に分けて施工する。ここで、シールド掘進機1の開閉機構13を閉塞させた状態で該シールド掘進機1を所定延長掘進させながら断面視矩形のセグメント42を設置していく(図7参照)。その後、下段62を構築したシールド掘進機1を使用し、下段62を形成するセグメント42上に沿ってシールド掘進機1を掘進させながら上段63を形成するセグメント42を下段上に設置していく(図8、9参照)。
発進部構築工程とアプローチ部初期構築工程とアプローチ部後続構築工程を経て1列のアプローチ部6を構築する。ここで、シールド掘進機1を2機使用し、アプローチ部初期構築工程と並行してアプローチ部後続構築工程をおこなうこともできる。
次に、既設アプローチ部6を構築したシールド掘進機1を使用し、既設アプローチ部6に所定の間隔100を置いて既設アプローチ部6に並行するアプローチ部6を構築する(図11参照)。造成する大断面アプローチ部7の大きさと使用するシールド掘進機1の掘進断面に応じて、並行するアプローチ部6を3列以上構築する必要も生じる。
ここで、シールド掘進機1を2機以上使用して、複数のアプローチ部6,6を並行して構築することもできる。
11・・開放部
12・・山留め板
2・・・発進部
3・・・重機
4・・・セグメント
411・凹部
5・・・トンネル
6・・・アプローチ部
62・・下段
63・・上段
7・・・大断面アプローチ部
81・・受け桁
82・・覆工板
100・間隔
Claims (6)
- トンネルへ通ずる地上からのアプローチ部を構築するトンネル構築方法であって、
シールド掘進機を発進させるための発進部を構築する発進部構築工程と、
前記シールド掘進機の天井を開閉可能に構成した該シールド掘進機を前記発進部から斜めへ掘進させ、前記シールド掘進機の天井より上方は地上から掘削し、所定深度までは断面視矩形の上部を開放したセグメントを前記シールド掘進機の天井の開放部を介して設置し、
所定深度以深には断面視矩形のセグメントを設置するアプローチ部初期構築工程と、
前記開放部を閉塞して前記アプローチ部初期構築工程にて構築したアプローチ部から延伸するアプローチ部の下段を構築し、前記シールド掘進機の天井を開放させながら該シールド掘進機を前記下段に設けたセグメント上に沿って掘進させて所定深度までの上段を構築し、
所定深度以深の上段は前記開放部を閉塞した前記シールド掘進機を掘進させて構築するアプローチ部後続構築工程と、
からなることを特徴とする、
トンネル構築方法。
- トンネルへ通ずる地上からのアプローチ部を構築するトンネル構築方法であって、
シールド掘進機を発進させるための発進部を構築する発進部構築工程と、
前記シールド掘進機の天井を開閉可能に構成した該シールド掘進機を前記発進部から斜めへ掘進させ、前記シールド掘進機の天井より上方は地上から掘削し、所定深度までは断面視矩形の上部を開放したセグメントを前記シールド掘進機の天井の開放部を介して設置し、
所定深度以深には断面視矩形のセグメントを設置するアプローチ部初期構築工程と、
前記開放部を閉塞して前記アプローチ部初期構築工程にて構築したアプローチ部から延伸するアプローチ部の下段を構築し、
前記シールド掘進機の天井を開放させながら該シールド掘進機を前記下段に設けたセグメント上に沿って掘進させて上段を構築するアプローチ部後続構築工程と、
からなることを特徴とする、
トンネル構築方法。
- 請求項1又は2記載のトンネル構築方法において、
前記アプローチ部初期構築工程に並行して、別途のシールド掘進機により前記アプローチ部後続構築工程をおこなうことを特徴とする、
トンネル構築方法。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載のトンネル構築方法において、
前記シールド掘進機の天井に山留め板を着脱可能に備えた構成とし、
前記アプローチ部初期構築工程の前記所定深度までの掘削時に前記山留め板を設置し、
前記アプローチ部後続構築工程の前記上段の構築時に前記山留め板を設置することを特徴とする、
トンネル構築方法。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載のトンネル構築方法によって間隔を置いて略並行に配した複数のアプローチ部を構築し、
前記間隔を掘削して大断面アプローチ部を構築することを特徴とする、
トンネル構築方法。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載のトンネル構築方法において、
断面視矩形の上部を開放した前記セグメントを設置した後に、該セグメントを構成する左右の側壁の天端に夫々設けた凹部に受け桁を係止させ、前記アプローチ部の延伸方向に略並列した前記受け桁上に覆工板を設置しながら前記所定深度以深に断面視矩形の前記セグメントを設置することを特徴とする、
トンネル構築方法。
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