JP5167578B2 - 地下構造物の構築工法 - Google Patents

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本発明は、工事桁を本設構造物として構築する地下構造物の構築方法に関し、特に、シールド機を用いて鉄道線路、道路等の車両軌道をアンダーパスするアンダーパス構造物を構築する方法に関する。
例えば、鉄道線路の下方をアンダーパスする地下構造物を構築する場合においては、全線を開削して施工する全線開削工法と線路の下方部分を非開削で施工し、アプローチ部を開削して施工する部分開削工法とが用いられている。全線開削工法は、営業中の鉄道線路下の支持杭間に列車が走行するための工事桁を設置し、上部荷重を工事桁で支持しながら工事桁下方の地盤を掘削して地下構造物を構築する工法である。すなわち、図19に示すように、支持杭101を鉄道線路の下方に築造し、鉄道線路の下に架設した工事桁102を支持杭101で支持し、構築予定場所の両側に土留め杭103を打設し、土留め杭103の内側で工事桁下の地盤を掘削し、この掘削した場所に地下構造物100を構築し、その後、埋戻す工法である。
また、部分開削工法として、例えば、鉄道線路と平行に発進立坑及び到達立坑を設け、鉄道線路の下方に、これを横断するように発進立坑から到達立坑へパイプルーフを推進設置し、このパイプルーフにて上部荷重を支持しながら地下構造物を構築する方法がある。すなわち、図20に示すように、パイプルーフ105を発進立坑から地中に推進設置させた後、パイプルーフ105下部の地盤を掘削しながら作業空間106を形成し、この作業空間106を利用して地下構造物104を構築する工法である(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−259108号公報
上述した全線開削工法においては、工事桁を設置し、この工事桁の下に掘削された場所で地下構造物を構築するために、工事桁を設置した後に地下構造物の構築作業を行うことになり、工事桁の設置作業と地下構造物の構築作業とを同時に施工することができず、工期が長くなるという問題点があった。また、地下構造物の構築作業は、工事桁下の狭隘空間で行うことになり、作業性が悪く、品質管理も困難であるという問題点があった。さらに、工事桁の下方に上床版を含む地下構造物を構築するために、車両軌道面からの土被りが大きくなり、地下構造物までのアプローチ区間の距離が長くなるという問題点があった。また、地下構造物の構築部分以上の地盤を掘削しなければならないために、環境に負荷がかかるという問題点があった。
そして、上述した部分開削工法においては、立坑を掘削する作業に手間と時間がかかるために、工期が長くなり、工事費が高くなるという問題点があった。また、立坑を掘削した後に地下構造物へのアプローチ区間を構築しなければならないために、さらに工期が長くなるという問題点があった。また、立坑の掘削には、杭打ち機及び重機を使用するために、騒音・振動を低減することが困難であった。また、立坑間にパイプルーフを推進設置する際に、パイプルーフが地下構造体の外郭から大きくはみ出した範囲で山留材が敷設されるために、広い用地が必要となるという問題があった。さらに、立坑内での作業は、狭い範囲での作業で足場の確保が難しく、作業性が悪いという問題点があった。
本発明は、上記のような問題点を鑑みてなされたものであり、工事桁を地下構造物の上床版として利用する地下構造物の構築方法を提供し、短期間で経済性に優れた地下構造物を構築することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明の地下構造物の構築工法は、既存の鉄道線路、道路等の車両軌道をアンダーパスするアンダーパス構造物を構築するための地下構造物の構築工法であって、前記車両軌道を工事桁にて支持し、シールド機にて前記車両軌道の下方にトンネルを掘削してセグメントを設置することによりトンネル部構造物を構築し、前記工事桁を前記トンネル部構造物にて支持し、前記工事桁を撤去し、本設桁を設置することにより前記アンダーパス構造物を構成することを特徴とする。
の発明の地下構造物の構築工法は、既存の鉄道線路、道路等の車両軌道をアンダーパスするアンダーパス構造物を構築するための地下構造物の構築工法であって、前記車両軌道を工事桁にて支持し、シールド機を地上部から発進させて、所定の下り勾配を有する下りアプローチ区間を構築し、前記下りアプローチ区間の終点部から、セグメントを設置することにより前記工事桁をトンネル部構造物にて支持するアンダーパス区間を構築し、前記アンダーパス区間の終点部から、所定の上り勾配を有する上りアプローチ区間を構築し、前記シールド機を地上に到達させ、前記工事桁を撤去し、本設桁を設置することにより前記アンダーパス構造物を構成することを特徴とする。
の発明は、第又はの発明において、前記セグメントを略U型に設置することにより略U型の前記トンネル部構造物を構築し、前記本設桁を上床板、該略U型のトンネル部構造物を壁・下床板とする前記アンダーパス構造物を構成することを特徴とする。
の発明は、第の発明において、前記上りアプローチ区間及び前記下りアプローチ区間は、掘削部分が地上に開放された半地中部を備えることを特徴とする。
の発明は、第の発明において、前記半地中部のセグメントは、環状又は矩形状に配置され、後に一部が撤去されて略U型に構築されることを特徴とする。
本発明の地下構造物の構築工法によれば、本設桁を地下構造物の上床版として利用するために、土被りを最小限に抑えることができる。したがって、地下構造物までのアプローチ区間の距離を短くすることができる。また、地下構造物の壁・下床版をシールド機にて掘削しながら構築する。したがって、地下構造物の構築工期を飛躍的に短縮することができる。
また、本発明の地下構造物の構築工法によれば、シールド機は地上発進して地上到達する。したがって、立坑の開削作業及び構築作業が不要となり、工期を短縮することができる。また、杭打ち機等による騒音・振動も発生しない。
さらに、本発明の地下構造物の構築工法によれば、シールド機にて下りアプローチ区間、アンダーパス区間、上りアプローチ区間の順番に構築する。したがって、工事兼本設桁又は工事桁の設置作業と下りアプローチ区間の構築作業とを、また、工事兼本設桁の仮設部撤去又は本設桁の設置作業と上りアプローチ区間の構築作業とを同時に施工することができるために、工期を短縮することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、発明の理解の便宜上、鉄道線路をアンダーパスするトンネルを構築する方法について説明するが、本発明の適用対象は鉄道線路に限定されるものではなく、既設構造物の下方に構築される地下構造物に広く適用が可能である。
図1は、本発明の第一実施形態に係る工事兼本設桁の設置状態を示す平面図で、図2は、図1のA−A’断面図で、図3は、図1のB−B’断面図である。
図1〜図3に示すように、車両軌道である鉄道線路のレール1の両側の地盤に支持杭2を打ち込み、レール1を一時的に撤去し、両側の支持杭2の上にH形鋼からなる架台4を介して工事兼本設桁5を設置する。工事兼本設桁5の設置後は、その上にレール1を敷設し、列車の走行を可能にする。この工事兼本設桁5は、本設部5aと、その両側に連結される仮設部5bとから構成され、本設部5aと仮設部5bとの各連結面には、互いに嵌合する嵌合溝及び嵌合突部が設けられ、脱着可能である。本設部5aと仮設部5bとは嵌合し一体化された状態にて架台4の上に設置され、仮設部5bが支持杭2の上方となるように設置される。ここで、本設部5aの幅は、トンネル部構造物であるU型構造物20(後述する)の両端部20a、20bの外面幅よりも短く、かつ、内面幅よりも長くなるようにする。この工事兼本設桁5は、鉄筋コンクリート製、すなわちプレキャスト版であり、現場で製作してもよいし、工場で製作して現場に搬入してもよい。
図4は、本発明の第一実施形態に係るシールド機10を用いた下りアプローチ区間12の構築方法を示す図である。
本発明の地下構造物の構築工法にて構築されるトンネル11は、地上発進部15から工事兼本設桁5の下面の深度に到達するための下り勾配を有する下りアプローチ区間12と、工事兼本設桁5の下面深度にて、レール1をアンダーパスするアンダーパス区間13と、このアンダーパス区間13の終端から地上到達部16に到達するための上り勾配を有する上りアプローチ区間14とからなる。
以下に、シールド機10にてレール1の下方をアンダーパスするトンネル11の構築工法について、トンネル11の構築手順にしたがって説明する。最初に、シールド機10による下りアプローチ区間12の構築方法について説明する。
図4に示すように、シールド機10は、地盤をカッターヘッド17により掘削するとともに、地上発進部15から地中へ所定の下り勾配で進入する。カッターヘッド17で掘削された土砂は、隔壁を介してカッターヘッド17のすぐ後方にある掘削室内18で撹拌され、必要に応じて掘削土砂の塑性流動化を促進するための作泥剤が注入される。そして、塑性流動化した土砂は、スクリューコンベア等の排土装置19によりシールド機10本体の後方へ送給される。
シールド機10により下りアプローチ区間12を掘進しながら、シールド機10の後方には、掘削した部分の内面に順次セグメントを設置することにより下りアプローチ区間12が構築される。下りアプローチ区間12は、U型にセグメントを配設してU型構造物20を構築し、上方が地上に開放した半地下状態の半地中部となる。
次に、アンダーパス区間13を掘削する方法について説明する。
図5は、本発明の第一実施形態に係るシールド機10を用いたアンダーパス区間13の構築方法を示す図で、図6は、図5のC−C’矢視図である。図5に示すように、下りアプローチ区間12を構築した後に、連続してアンダーパス区間13を構築する。ここで、シールド機10本体の勾配をアンダーパス区間13の所定の勾配、つまり工事兼本設桁5の勾配と同じにし、かつ、シールド機10による掘削断面の上面が、工事兼本設桁5の下面から支承(後述する)を配設するための所定の隙間分だけ下方の位置となるようにシールド機10を調整する。そして、シールド機10を掘進させ、図6に示すように、工事兼本設桁5の真下を掘削して工事兼本設桁5の下面を露出させる。
図7は、本発明の第一実施形態に係るシールド機10が通過した後のアンダーパス区間13の横断方向断面図である。シールド機10を工事兼本設桁5の真下に掘進させながら、後方にU型のセグメントを設置することによりU型構造物20を構築し、図7に示すように、工事兼本設桁5を、積層ゴム6aとこの積層ゴム6aを固定する無収縮モルタル6bとから構成される支承6を介してU型構造物20にて支持する。ここで、支承6の積層ゴム6aをアンカーバー(図示せず)等の固定材にて工事兼本設桁5に固定し、また、積層ゴム6aの下部をU型構造物20に取り付けられた型枠内に配設し、この型枠内に無収縮モルタル6bを充填して固化することによりU型構造物20に固定する。そして、シールド機10にて掘進する際は、U型構造物20の両端部20a、20bが本設部5aの両端部のそれぞれ所定の位置に近接するように、掘削の中心軸と本設部5aの中心軸とを一致させて掘削する。
次に、上りアプローチ区間14を構築する方法について説明する。
図8は、本発明の第一実施形態に係るシールド機10を用いた上りアプローチ区間14の構築方法を示す図である。図8に示すように、アンダーパス区間13を構築した後に、連続して上りアプローチ区間14を構築する。ここで、シールド機10本体の勾配を上りアプローチ区間14の所定の勾配と同じになるようにシールド機10を調整し、地上到達部16へ向けて所定の上り勾配で掘進する。シールド機10により上りアプローチ区間14を掘削しながら、シールド機10の後方に、上述した下りアプローチ区間12と同様に、セグメントを配設してU型構造物20を構築し、上方が地上に開放した状態の半地中部とする。
図9は、本発明の第一実施形態に係るアンダーパス区間13の断面図である。上りアプローチ区間14を構築した後に、図9に示すように、仮設部5b、架台4、支持杭2を撤去する。仮設部5b、架台4等を撤去し、パラペット22を取り付け、工事兼本設桁5を上床版、U型構造物20を壁・下床版とするアンダーパス区間13を構築する。
なお、本実施形態においては、上りアプローチ区間14を構築した後に、仮設部5b、架台4等を撤去する方法について説明したが、これに限定されるものではなく、上りアプローチ区間14を構築しながら仮設部5b、架台4等を撤去する方法を用いてもよい。
図10は、本発明の第一実施形態に係る地下構造物の構築工法にて構築したトンネル11を示す図である。図10に示すように、トンネル11は、シールド機10により掘削され、U型構造物20を壁・下床版とする下りアプローチ区間12と、工事兼本設桁5を上床版、U型構造物20を壁・下床版とするアンダーパス区間13と、U型構造物20を壁・下床版とする上りアプローチ区間14とから構成される。
図11は、本発明の第一実施形態に係る地下構造物の構築工法にて構築したトンネル11とレール1との交差部を示す平面図である。図11の道路Aと道路B、道路Cと道路Dに示すように、レール1の横断方向にトンネル11を構築したことにより、従来は1つであった道路を分断してしまい近隣住民が不便になるために、レール1近傍の下りアプローチ区間12及び上りアプローチ区間14の上部に道路Aと道路Bとを、道路Cと道路Dとを接続するための道路橋23をそれぞれ設置し、近隣住民の利便性を図る。
本実施形態における地下構造物の構築工法にあっては、工事兼本設桁5をトンネル11の上床版として利用するために、土被りを最小限に抑えることができる。したがって、下り・上りアプローチ区間12、14の距離を短くすることができる。
また、トンネル11の壁・下床版として利用するU型構造物20をシールド機10にて掘削しながら構築する。したがって、トンネル11の構築工期を飛躍的に短縮することができる。
そして、シールド機10は地上発進して地上到達する。したがって、立坑の開削作業及び構築作業が不要となり、工期を短縮することができる。また、杭打ち機等による騒音・振動も発生しない。
さらに、シールド機10にて下りアプローチ区間12、アンダーパス区間13、上りアプローチ区間14の順番に構築する。したがって、工事兼本設桁5の設置作業と下りアプローチ区間12の構築作業とを、工事兼本設桁5の仮設部5b撤去作業と上りアプローチ区間14の構築作業とを同時に施工することができるために、工期を短縮することができる。
なお、本実施形態においては、本設部5aと仮設部5bとからなる工事兼本設桁5を用い、アンダーパス区間13の構築時に仮設部5bを撤去する方法について説明したが、これに限定されるものではなく、本設部5aのみからなる工事兼本設桁5を用いる方法でもよい。ここで、この方法用いる場合は架台4、支持版3、支持杭2は埋め殺しとなる。
次に、本発明における第一実施形態と異なる実施形態を示す。下記に示す説明において、第一実施形態と同様の技術を用いたものと対応する部分には同一の符号を付して、説明を省略する。
図12は、本発明の第二実施形態に係る工事桁の設置状態を示す断面図である。図12に示すように、鉄道線路のレール1の両側の地盤に支持杭2を打ち込み、レール1を一時的に撤去し、支持杭2の上に架台4を介して工事桁8を設置する。工事桁8の設置後は、その上にレール1を敷設し、列車の走行を可能にする。工事桁8は、鉄筋コンクリート製、すなわちプレキャスト版であり、現場で製作してもよいし、工場で製作して現場に搬入してもよい。
図13は、本発明の第二実施形態に係るシールド機10を用いた下りアプローチ区間12の構築方法を示す図である。
本発明の地下構造物の構築工法にて構築されるトンネル31は、地上発進部15から工事桁8の下面の深度に到達するための下りアプローチ区間12と、工事桁8の下面深度にて、レール1をアンダーパスするアンダーパス区間33と、このアンダーパス区間33の終端から地上到達部16に到達するための上りアプローチ区間14とからなる。
図13に示すように、シールド機10は、第一実施形態と同様に、地上発進部15から地中へ所定の下り勾配で進入する。そして、シールド機10により下りアプローチ区間12を掘進しながら、順次セグメントを設置することにより下りアプローチ区間12が構築される。下りアプローチ区間12は、U型にセグメントを配設してU型構造物20を構築し、上方が地上に開放した半地下状態の半地中部となる。
図14は、本発明の第二実施形態に係るシールド機10を用いたアンダーパス区間33の構築方法を示す図である。図14に示すように、下りアプローチ区間12を構築した後に、連続してアンダーパス区間33を構築する。ここで、シールド機10本体の勾配をアンダーパス区間33の所定の勾配、つまり工事桁8の勾配と同じにし、かつ、シールド機10による掘削断面の上面が、工事桁8の下面から支承6を配設するための所定の隙間分だけ下方の位置となるようにシールド機10を調整する。そして、シールド機10を掘進させ、工事桁8の真下を掘削して工事桁8の下面を露出させる。
図15は、本発明の第二実施形態に係るシールド機10が通過した後のアンダーパス区間33の横断方向断面図である。図15に示すように、シールド機10を工事桁8の真下に掘進させながら、後方にU型のセグメントを設置することによりU型構造物20を構築し、工事桁8を支承6を介してU型構造物20にて支持する。ここで、支承6は工事桁8及びU型構造物20に取り付けず、仮留め状態とする。
図16は、本発明の第二実施形態に係るシールド機10を用いた上りアプローチ区間14の構築方法を示す図である。図16に示すように、アンダーパス区間33を構築した後に、上りアプローチ区間14を構築する。ここで、第一実施形態と同様に、シールド機10本体の勾配を上りアプローチ区間14の所定の勾配と同じになるようにシールド機10を調整し、地上到達部16へ向けて所定の上り勾配で掘進する。シールド機10により上りアプローチ区間14を掘削しながら、上述した下りアプローチ区間12と同様に、セグメントを配設してU型構造物20を構築し、上方が地上に開放した状態の半地中部とする。
図17は、本発明の第二実施形態に係るアンダーパス区間33の横断方向断面図である。上りアプローチ区間14を構築した後に、図17に示すように、工事桁8、架台4、支持杭2を撤去し、本設桁9を設置し、パラペット22を取り付け、本設桁9を上床版、U型構造物20を壁・下床版とするアンダーパス区間33を構築する。ここで、支承6を第一実施形態と同様に、本設桁9及びU型構造物20に取り付ける。
図18は、本発明の第二実施形態に係る地下構造物の構築工法にて構築したトンネル31を示す図である。図18に示すように、トンネル31は、シールド機10により掘削され、U型構造物20を壁・下床版とする下りアプローチ区間12と、本設桁9を上床版、U型構造物20を壁・下床版とするアンダーパス区間33と、U型構造物20を壁・下床版とする上りアプローチ区間14とから構成される。また、第一実施形態と同様に近隣住民の利便性を図るために道路橋23をそれぞれ下りアプローチ区間12、上りアプローチ区間14の本設桁9近傍の上部に設置する。
なお、本実施形態においては、上りアプローチ区間14を構築した後に、工事桁8、架台4等を撤去する方法について説明したが、これに限定されるものではなく、上りアプローチ区間14を構築しながら工事桁8、架台4等を撤去し、本設桁9を設置する方法を用いてもよい。
本実施形態における地下構造物の構築工法にあっては、本設桁9をトンネル31の上床版として利用するために、土被りを最小限に抑えることができる。したがって、下り・上りアプローチ区間12、14の距離を短くすることができる。また、トンネル31の壁・下床版として利用するU型構造物20をシールド機10にて掘削しながら構築する。したがって、トンネル31の構築工期を飛躍的に短縮することができる。そして、シールド機10は地上発進して地上到達する。したがって、立坑の開削作業及び構築作業が不要となり、工期を短縮することができる。また、杭打ち機等による騒音・振動も発生しない。さらに、シールド機10にて下りアプローチ区間12、アンダーパス区間33、上りアプローチ区間14の順番に構築する。したがって、工事桁8の設置作業と下りアプローチ区間12の構築作業とを、工事桁8を撤去して本設桁9を設置する作業と上りアプローチ区間14の構築作業とを同時に施工することができるために、工期を短縮することができる。
なお、上述したすべての実施形態において、アンダーパス区間13、33及び下り・上りアプローチ区間12、14にU型のセグメントを設置することによりU型構造物20を構築する方法について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、(1)アンダーパス区間13、33にはU型構造物20を構築して工事兼本設桁5又は工事桁8若しくは本設桁9を支持し、下り・上りアプローチ区間12、14にはシールド機10の十分な推進力を得るために矩形のセグメントを設置して矩形構造物を構築し、地上への開放部分は矩形構造物への入口部分のみの状態とする方法、又は(1)において、下り及び上りアプローチ区間12、14の矩形構造物を構築した後に、この矩形構造物の地上露出部分を撤去して上方が地上に開放した状態とする方法、又は(2)アンダーパス区間13、33及び下り・上りアプローチ区間12、14に矩形のセグメントを設置することによりすべての区間を矩形構造物にて構築し、アンダーパス区間13、33の矩形構造物にて工事兼本設桁5又は工事桁8若しくは本設桁9を支持し、地上への開放部分は矩形構造物への入口部分のみの状態とする方法、又は(2)において、下り及び上りアプローチ区間12、14の矩形構造物を構築した後に、この矩形構造物の地上露出部分を撤去して上方が地上に開放した状態とする方法、又は(3)アンダーパス区間13、33には矩形構造物を構築して工事兼本設桁5又は工事桁8若しくは本設桁9を支持し、下り・上りアプローチ区間12、14にはU型構造物20を構築する方法、のいずれかを用いてもよい。
また、上述したすべての実施形態において、架台4、支持杭2を撤去する方法について説明したが、これに限定されるものではなく、架台4、支持杭2は埋め殺しとしてもよい。
さらに、上述したすべての実施形態において、軌道受式による工事兼本設桁5又は工事桁8若しくは本設桁9を用いる方法について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、枕木式、抱え込み式、槽状式等の他の方法による工事兼本設桁5又は工事桁8若しくは本設桁9を用いる方法でもよい。
本発明の第一実施形態に係る工事兼本設桁の設置状態を示す平面図である。 図1のA−A’断面図である。 図1のB−B’断面図である。 本発明の第一実施形態に係るシールド機を用いた下りアプローチ区間の構築方法を示す図である。 本発明の第一実施形態に係るシールド機を用いたアンダーパス区間の構築方法を示す図である。 図5のC−C’矢視図である。 本発明の第一実施形態に係るシールド機が通過した後のアンダーパス区間の横断方向断面図である。 本発明の第一実施形態に係るシールド機を用いた上りアプローチ区間の構築方法を示す図である。 本発明の第一実施形態に係るアンダーパス区間の断面図である。 本発明の第一実施形態に係る地下構造物の構築工法にて構築したトンネルを示す図である。 本発明の第一実施形態に係る地下構造物の構築工法にて構築したトンネルとレールとの交差部を示す平面図である。 本発明の第二実施形態に係る工事桁の設置状態を示す断面図である。 本発明の第二実施形態に係るシールド機を用いた下りアプローチ区間の構築方法を示す図である。 本発明の第二実施形態に係るシールド機を用いたアンダーパス区間の構築方法を示す図である。 本発明の第二実施形態に係るシールド機が通過した後のアンダーパス区間の横断方向断面図である。 本発明の第二実施形態に係るシールド機を用いた上りアプローチ区間の構築方法を示す図である。 本発明の第二実施形態に係るアンダーパス区間の横断方向断面図である。 本発明の第二実施形態に係る地下構造物の構築工法にて構築したトンネルを示す図である。 従来の全線開削工法の実施例を示す図である。 従来の部分開削工法の実施例を示す図である。
符号の説明
1 レール 2 支持杭
4 架台 5 工事兼本設桁
5a 本設部 5b 仮設部
6 支承 6a 積層ゴム
6b 無収縮モルタル 8 工事桁
9 本設桁 10 シールド機
11 トンネル 12 下りアプローチ区間
13 アンダーパス区間 14 上りアプローチ区間
15 地上発進部 16 地上到達部
17 カッターヘッド 18 掘削室内
19 排土装置 20 U型構造物
22 パラペット 23 道路橋
31 トンネル 33 アンダーパス区間
100 地下構造物 101 支持杭
102 工事桁 103 土留め杭
104 地下構造物 105 パイプルーフ
106 作業空間

Claims (5)

  1. 既存の鉄道線路、道路等の車両軌道をアンダーパスするアンダーパス構造物を構築するための地下構造物の構築工法であって、
    前記車両軌道を工事桁にて支持し、
    シールド機にて前記車両軌道の下方にトンネルを掘削してセグメントを設置することによりトンネル部構造物を構築し、
    前記工事桁を前記トンネル部構造物にて支持し、
    前記工事桁を撤去し、本設桁を設置することにより前記アンダーパス構造物を構成することを特徴とする地下構造物の構築工法。
  2. 既存の鉄道線路、道路等の車両軌道をアンダーパスするアンダーパス構造物を構築するための地下構造物の構築工法であって、
    前記車両軌道を工事桁にて支持し、
    シールド機を地上部から発進させて、所定の下り勾配を有する下りアプローチ区間を構築し、
    前記下りアプローチ区間の終点部から、セグメントを設置することにより前記工事桁をトンネル部構造物にて支持するアンダーパス区間を構築し、
    前記アンダーパス区間の終点部から、所定の上り勾配を有する上りアプローチ区間を構築し、
    前記シールド機を地上に到達させ、
    前記工事桁を撤去し、本設桁を設置することにより前記アンダーパス構造物を構成することを特徴とする地下構造物の構築工法。
  3. 前記セグメントを略U型に設置することにより略U型の前記トンネル部構造物を構築し、前記本設桁を上床板、該略U型のトンネル部構造物を壁・下床板とする前記アンダーパス構造物を構成することを特徴とする請求項1又は2に記載の地下構造物の構築工法。
  4. 前記上りアプローチ区間及び前記下りアプローチ区間は、掘削部分が地上に開放された半地中部を備えることを特徴とする請求項2に記載の地下構造物の構築工法。
  5. 前記半地中部のセグメントは、環状又は矩形状に配置され、後に一部が撤去されて略U型に構築されることを特徴とする請求項4に記載の地下構造物の構築工法。
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