JP6186267B2 - 地下トンネルの構築方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プレキャスト部材を用いた地下トンネルの構築方法に関する。
近年、都市部の道路整備工事等において、既設道路直下に通過交通用の地下トンネルを構築する計画が増加している。図9は、一般的な開削工法の構造を示す図である。計画中の地下トンネルの土かぶりが浅い場合、図9に示すような開削工法が用いられる。図9に示す開削工法では、まず、地下トンネルの躯体の外側に土留壁103を構築し、内部に中間杭107を打設する。そして、路面覆工を設置し、必要に応じて止水や先行地中梁としての底盤改良109を行い、切梁105を設置しながらトンネル構築スペースを掘削する。その後、掘削したトンネル構築スペースに現場打ちコンクリート111を打設して、トンネル躯体を構築する。
現場打ちコンクリートでトンネル躯体を構築するには、土留め壁として設置したH型コンクリート杭に頂版アーチの型枠を取り付け、H型コンクリート杭相互間の内部空間に頂版鉄筋の端部を挿入し、内部空間と頂版アーチの型枠内にコンクリートを打設して側壁と頂版とを一体に結合させる方法(例えば、特許文献1参照)等もある。
特許第4865300号公報
しかしながら、切梁を設置しながらトンネル構築スペースを掘削する場合、掘削までの仮設構造の構築に時間がかかり、工費も嵩む。また、現場打ちコンクリートによりトンネル躯体を構築する場合、型枠や鉄筋の組み立て、コンクリートの養生等に多くの手間と時間を要する。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、切梁を設置せずにトンネル構築スペースを掘削し、プレキャスト部材を用いてトンネルを構築することにより、大幅な工期短縮と工費削減を図れる地下トンネルの構築方法を提供することである。
前述した目的を達成するための本発明は、地盤中に複数の側壁セグメントを設置して、一対の側壁を形成する工程aと、前記一対の側壁の上端に複数の頂版セグメントを架設して頂版を形成する工程bと、前記頂版に設けられた開口または孔を介して、前記頂版の上面側から下面側に地盤改良用のロッドを貫通させ、前記一対の側壁の間の地盤を改良して先行地中梁を形成する工程cと、前記一対の側壁の間の地盤を掘削し、前記先行地中梁の上方に、底版を形成する工程dと、を具備することを特徴とする地下トンネルの構築方法である。
本発明では、工程bで形成した頂版や工程cで形成した先行地中梁を、工程dで地盤を掘削する際に土留めとして用いる。そのため、仮設の土留めを設置するための工期・工費が不要となる。また、プレキャスト製のセグメントを用いて頂版および側壁を形成する。そのため、型枠等の設置・撤去やコンクリートの養生期間が不要となるうえ、天候の影響を受けずに施工を進めることができ、大幅な工期短縮・工費削減を図ることができる。
前記工程bでは、例えば、開口のない第1の頂版セグメントと開口を有する第2の頂版セグメントとをトンネル軸方向に交互に配置して前記頂版を形成する。
開口を有する頂版セグメントを用いることにより、工程cで、頂版の上面側から下面側に地盤改良用のロッドを容易に貫通させることができる。
工程bで開口のない第1の頂版セグメントと開口を有する第2の頂版セグメントとを用いる場合、例えば、前記第1の頂版セグメントが、トンネル幅方向に複数に分割されており、前記工程bで、分割された前記第1の頂版セグメントを、ほぞを噛み合わせて連結する。
頂版セグメントを複数に分割することにより、部材を軽量化できる。また、ほぞを噛み合わせることにより、分割されたセグメント同士を確実に連結できる。
前記頂版セグメントは、例えばアーチ状である。
構造上有利なアーチ形状を採用することにより、部材厚を薄くすることができる。
前記工程aでは、例えば、前記側壁セグメント同士をほぞを噛み合わせて連結して側壁を形成する。
ほぞを噛み合わせることにより、隣接する側壁セグメント同士を確実に連結し、目違いを防止できる。
前記工程bでは、例えば、前記側壁セグメントと前記頂版セグメントとを、アンカボルトを用いて接合する。
側壁セグメント、頂版セグメントに、アンカボルトを設置するための機構をあらかじめ設けておけば、側壁セグメントと頂版セグメントとを容易かつ確実に接合できる。
本発明では、前記工程aと前記工程bとの間に、前記一対の側壁の間の地盤を所定の深さまで掘削し、前記工程bと前記工程cとの間に、前記一対の側壁の間の地盤を所定の深さまで掘削して発生した掘削残土を用いて、前記頂版の上部の埋め戻しを行うことが望ましい。
現地で発生した掘削残土を埋め戻しに用いることにより、産業廃棄物の削減と材料費の削減が可能となる。
また、前記工程dでは、例えば、前記側壁セグメントと鉄筋継手を用いて接合して前記底版を形成する。
側壁セグメントに鉄筋継手をあらかじめ設けておけば、底版の鉄筋を側壁セグメントに容易に定着できる。
本発明によれば、切梁を設置せずにトンネル構築スペースを掘削し、プレキャスト部材を用いてトンネルを構築することにより、大幅な工期短縮と工費削減を図れる地下トンネルの構築方法を提供することができる。
プレキャスト製の側壁セグメント1の構造を示す図 プレキャスト製の頂版セグメント25、41の構造を示す図 側壁2を形成する工程を示す図 地盤55の一次掘削を行う工程を示す図 頂版20を形成する工程を示す図 先行地中梁83を形成する工程を示す図 トンネル内部を掘削する工程を示す図 底版コンクリート91等を形成する工程を示す図 一般的な開削工法の構造を示す図
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態について説明する。
(側壁セグメント)
本実施の形態では、地盤中に複数の側壁セグメント1を連結して設置して、一対の側壁を形成する。図1は、プレキャスト製の側壁セグメント1の構造を示す図である。図1(a)は、側壁セグメント1を内側面3側から見た正面図である。図1(b)は、側壁セグメント1の側面図である。図1(c)は、側壁セグメント1を上側から見た平面図である。
図1に示すように、側壁セグメント1は、本体19の内側面3(トンネルの内周面を構成する面)の上端付近に、後述する頂版セグメント(図2)の端部を受けるための切欠部13が設けられる。側壁セグメント1の切欠部13の下面15には、頂版セグメントとの接合に用いるアンカ17が設けられる。アンカ17は、アンカ用孔、アンカプラグ等である。
側壁セグメント1の下部には、現場打ちの底版の鉄筋を定着させるための鉄筋継手23が設けられる。鉄筋継手23は、L字型の機械式継手であり、側壁セグメント1の内側面3の下部に端部が位置するように埋設される。鉄筋継手23は、側壁セグメント1の内部で上方に曲がる鉄筋継手23aと、下方に曲がる鉄筋継手23bとからなる。
側壁セグメント1は、側壁セグメント1同士を連結して側壁を形成する際に隣接するセグメントとの目違いを防ぐために、側面7aにほぞ9が設けられ、側面7bにほぞ穴11が設けられる。
側壁セグメント1の外側面5側には、本体19の上方に延びるパラペット21が設けられる。
側壁セグメント1同士の接合面(側面7a、7b)や、側壁セグメント1と頂版セグメント25や頂版セグメント41との接合面(切欠部13の下面15)には、必要に応じて、図示しない止水用パッキンが設けられる。
(頂版セグメント)
本実施の形態では、開口のない第1の頂版セグメント25と開口を有する第2の頂版セグメント41とをトンネル軸方向に交互に配置して頂版を形成する。図2は、プレキャスト製の頂版セグメント25、頂版セグメント41の構造を示す図である。図2(a)は、頂版セグメント25を上側から見た平面図である。図2(b)は、頂版セグメント25の側面図である。図2(c)は、頂版セグメント41を上側から見た平面図である。図2(d)は、頂版セグメント41の側面図である。
図2に示すように、頂版セグメント25は、アーチ状である。頂版セグメント25の両側部には、上面27から下面までを貫通するボルト穴39が設けられる。
頂版セグメント25は、頂部の上面27側に凸部29を有する。頂版セグメント25は、凸部29の位置でトンネル幅方向に2つに分割され、図2(a)、図2(b)において右半部に図示される頂版セグメント25aと、図2(a)、図2(b)において左半部に図示される頂版セグメント25bとからなる。頂版セグメント25aは、頂版セグメント25bとの接合面33にほぞ穴37が設けられる。頂版セグメント25bは、頂版セグメント25aとの接合面33にほぞ35が設けられる。
頂版セグメント25aの凸部29、頂版セグメント25bの凸部29には、それぞれ、凸部29を貫通する連結ボルト用穴31が設けられる。頂版セグメント25aの連結ボルト用穴31と頂版セグメント25aの連結ボルト用穴31とは、頂版セグメント25aのほぞ穴37と頂版セグメント25bのほぞ35とを噛み合わせると連通する。
図2に示すように、頂版セグメント41は、アーチ状である。頂版セグメント41の両側部には、上面43から下面までを貫通するボルト穴53が設けられる。
頂版セグメント41は、頂部に開口73を有する。頂版セグメント41は、開口73によってトンネル幅方向に2つに分割され、図2(c)、図2(d)において右半部に図示される頂版セグメント41aと、図2(c)、図2(d)において左半部に図示される頂版セグメント41bとからなる。頂版セグメント41a、頂版セグメント41bは、上面43側に開口73に沿って凸部45が設けられる。頂版セグメント41a、頂版セグメント41bの凸部45の上面には、開口73に沿って、パラペット47が設けられる。凸部45およびパラペット47は、頂版セグメント41の両側面49から張り出すように設けられる。
頂版セグメント41a、頂版セグメント41bの中央付近には、それぞれ、上面43から下面までを貫通する底盤改良用孔51が設けられる。
頂版セグメント25aと頂版セグメント25bとの接合面33、頂版セグメント25と頂版セグメント41との接合面、頂版セグメント25や頂版セグメント41と側壁セグメント1のセグメントとの接合面等には、必要に応じて、図示しない止水用パッキンが設けられる。
(地下トンネルの構築方法)
本実施の形態では、上述した側壁セグメント1、頂版セグメント25、頂版セグメント41を用いて地下トンネルを構築する。以下に、図3から図8を用いて地下トンネルの構築方法について説明する。
図3は、側壁2を形成する工程を示す図である。図3(a)はトンネル計画用地の平面図を、図3(b)は図3(a)に示す矢印A−Aによる断面図を示す。図3に示す用地境界57の内側に地下トンネルを構築するには、まず、側壁の構築予定箇所の両側方の地表付近に、H型鋼等によりガイドウォール59を設置する。そして、側壁の構築予定箇所の地盤55を連続地中壁掘削機により掘削して一対の溝61を形成する。掘削した溝61には、孔壁を安定させるため、ベントナイト等を用いた安定液63を満たす。
次に、溝61内の下部を、地盤55の強度以上となるソイルモルタルで置換する。その後、溝61内に複数の側壁セグメント1を順次挿入し、図1に示すほぞ9とほぞ穴11とを噛み合わせることによって、隣接する側壁セグメント1同士を目違いが生じないように連結し、地盤55に一対の側壁2を形成する。なお、挿入した側壁セグメント1は、ガイドウォール59に設置した図示しない沈下防止用金具によって、所定の深さに固定しておく。そして、溝61内の下部のソイルモルタルが硬化した後、側壁セグメント1と溝61の孔壁との間の部分を、ソイルモルタルに置換する。
図4は、地盤55の一次掘削を行う工程を示す図である。図4(a)はトンネル計画用地の平面図を、図4(b)は図4(a)に示す矢印B−Bによる断面図を示す。図4に示す工程では、まず、一対の側壁2の間の地盤55を、図2に示す頂版セグメント25、頂版セグメント41が設置可能となる深さ67まで掘削する。深さ67は、例えば5m程度とする。深さは、両側の側壁2で土圧を支持可能な深さである。そして、地盤55の掘削面に地盤改良用のスライムピット65を削孔する。スライムピット65の大きさは、例えば1m×1m程度とする。スライムピット65は、図5に示す後続の工程で側壁2に架設される頂版セグメント41の開口73や底盤改良用孔51に対応する位置に削孔する。
図5は、頂版20を形成する工程を示す図である。図5(a)、図5(c)は、トンネル計画用地の平面図を、図5(b)、図5(d)は、トンネル計画用地の鉛直方向断面図を示す。図5に示す工程では、一対の側壁2の上端に、開口のない頂版セグメント25と開口73を有する頂版セグメント41とをトンネル軸方向に交互に配置して、頂版20を形成する。
頂版セグメント25と頂版セグメント41とを側壁2の上端にトンネル軸方向に交互に架設するには、図5(a)に示すように、先行して架設した頂版セグメント25nの隣に頂版セグメント41nを設置するための間隔50を確保しつつ、頂版セグメント25(n+1)を配置する。図5(b)に示すように、頂版セグメント25は、頂版セグメント25aと頂版セグメント25bとを、図2に示すほぞ穴37とほぞ35とを噛み合わせ、連結ボルト用穴31にボルトを挿入して締結することによって連結した状態で、側壁2に架設される。
側壁2の上端では、側壁セグメント1の切欠部13の下面15が頂版セグメント25の両端部を受ける。側壁セグメント1と頂版セグメント25とは、図2に示す頂版セグメント25のボルト穴39と図1に示す側壁セグメント1のアンカ17とを用いてアンカボルトで接合される。
頂版セグメント25(n+1)を架設した後、図5(c)に示すように、頂版セグメント25nと頂版セグメント25(n+1)との間に頂版セグメント41nを架設する。このとき、頂版セグメント41aと頂版セグメント41bとを、図5(d)に示すように同時に架設してもよいし、図5(c)に示すように順に架設してもよい。
頂版セグメント41nの凸部45は、頂版セグメント41nの両側面49から張り出しているため、張り出した部分は、隣接する頂版セグメント25nおよび頂版セグメント25(n+1)の上面に配置される。頂版セグメント41の凸部45の張り出し長さは、パラペット47がトンネル軸方向に連続するように設定される。
側壁2の上端では、側壁セグメント1の切欠部13の下面15が頂版セグメント41の両端部を受ける。側壁セグメント1と頂版セグメント41とは、図2に示す頂版セグメント41のボルト穴53と図1に示す側壁セグメント1のアンカ17とを用いてアンカボルトで接合される。
図6は、先行地中梁83を形成する工程を示す図である。図6(a)は、トンネル計画用地の平面図を、図6(b)は、トンネル計画用地の鉛直方向断面図を示す。図6に示す工程では、まず、頂版セグメント41の底盤改良用孔51に底盤改良用さや管69を設置し、地盤55の表面まで立ち上げる。そして、図4に示す工程で一対の側壁2の間の地盤55を所定の深さまで掘削して発生した掘削残土をスライムピット65から回収し、回収した掘削残土に土やセメントを混合した流動化処理土71を用いて、頂版20の上部の埋め戻しを行う。パラペット47は、埋め戻し時に土留めとして機能する。流動化処理土71で埋め戻すことにより、頂版セグメント25と頂版セグメント41との間の止水性を確保できる。
その後、頂版20に設けられた開口を介して、地上に設置した地盤改良施工機75のロッド77を頂版20の上面側から下面側に貫通させる。そして、ロッド77を用いて削孔および噴射注入を行って複数の高圧噴射撹拌杭79を形成することにより、一対の側壁2の下部の間の地盤55を改良し、先行地中梁83を形成する。
頂版20に設けられた開口とは、開口73や、底盤改良用さや管69(底盤改良用孔51)である。トンネルの中央部に高圧噴射撹拌杭79を形成する際には、開口73に図示しない施工機受桁を渡して地盤改良施工機75を設置し、開口73にロッド77を貫通させる。また、トンネルの側部に高圧噴射撹拌杭79を形成する際には、図6(b)に示すように、底盤改良用さや管69にロッド77を貫通させる。いずれの場合にも、削孔時に生じるスライムの排出は開口73から行う。
図6に示す工程では、高圧噴射撹拌杭79の形成終了後に、頂版セグメント41の底盤改良用孔51にコンクリートを充填し、底盤改良用さや管69内に流動化処理土を充填する。そして、底盤改良用さや管69を撤去する。
図7は、トンネル内部を掘削する工程を示す図である。図7(a)は、トンネル計画用地の平面図を、図7(b)は、トンネル計画用地の鉛直方向断面図を示す。図7に示す工程では、トンネル内に小型バックホウ87を入れ、トンネル内部の土砂85を掘削する。このとき、頂版20や先行地中梁83が掘削時の背面土圧に対抗する。また、地上にテレスコクラム89を設置し、開口73を用いて掘削土砂の揚上を行う。
図8は、底版コンクリート91等を形成する工程を示す図である。図8(a)は、トンネル計画用地の平面図を、図8(b)は、トンネル計画用地の鉛直方向断面図を示す。図8に示す工程では、必要に応じて、先行地中梁83上に図示しない均しコンクリートを打設した後、その上方に底版の鉄筋の組み立てを行う。底版の鉄筋は、図1に示す側壁セグメント1の鉄筋継手23を用いて側壁セグメント1に定着される。
次に、底版コンクリート91を打設して底版を形成する。底版コンクリート91の打設時には、温度収縮を考慮し、20m程度のブロックに分割して打設し、施工継ぎ目に目地を設けることが望ましい。さらに、トンネル内舗装93および地上部舗装95を行って、トンネルの仕上げを行う。トンネル完成後、パラペット47は手すりとして機能する。
本実施の形態では、頂版20や先行地中梁83を、トンネル内部の土砂85の掘削時の土留めとして用いるため、仮設の土留めを設置するための工期・工費が不要となる。また、プレキャスト製の頂版セグメント25や頂版セグメント41を用いて頂版20を形成し、側壁セグメント1を用いて側壁2を形成するため、型枠等の設置・撤去やコンクリートの養生期間が不要となるうえ、天候の影響を受けずに施工を進めることができ、大幅な工期短縮・工費削減を図ることができる。
本実施の形態では、開口のない頂版セグメント25と開口を有する頂版セグメント41とをトンネル軸方向に交互に配置して頂版20を形成する。開口73や底盤改良用孔51等の開口を有する頂版セグメント41を用いることにより、頂版20の上面側から下面側に地盤改良用のロッド77を容易に貫通させることができる。
本実施の形態では、頂版セグメント25、頂版セグメント41をアーチ状とする。また、頂版セグメント25を頂版セグメント25aと頂版セグメント25bとに分割する。構造上有利なアーチ形状を採用して部材厚を薄くしたり、セグメントを複数に分割したりすることにより、部材を軽量化でき、運搬等が容易となる。
本実施の形態では、側壁セグメント1同士をほぞを噛み合わせて連結して側壁2を形成する。また、側壁セグメント1と頂版セグメント25や頂版セグメント41とを、あらかじめ設けられたアンカ17を用いてアンカボルトで接合する。さらに、側壁セグメント1にあらかじめ設けられた鉄筋継手23を用いて底版の鉄筋を側壁セグメント1に接合する。これらにより、部材同士を確実かつ容易に連結できる。
本実施の形態では、一対の側壁2の間の地盤55を所定の深さまで掘削して発生した掘削残土を用いて、頂版20の上部の埋め戻しを行う。現地で発生した掘削残土を用いることにより、産業廃棄物の削減と材料費の削減が可能となる。
なお、本実施の形態では、頂版セグメント25と頂版セグメント41とをトンネル軸方向に交互に配置したが、頂版20の形成に用いる頂版セグメントは、これらに限らない。頂版セグメントは、開口が設けられた頂版20を形成できるようなものであればよい。また、頂版セグメント25をトンネル軸方向に2つに分割したが、分割は必須ではない。
本実施の形態では、頂版セグメント41にパラペット47をあらかじめ一体化したが、パラペット47は後付けでもよい。パラペット47は、図6に示す流動化処理土71による埋め戻しの際に土留めとして機能するので、埋め戻し前に設置すればよい。
本実施の形態では。高圧噴射撹拌杭79を一対の側壁2の間の全面に隙間なく形成したが、所定の改良効果が得られれば、高圧噴射撹拌杭79同士の間に隙間があってもよい。但し、側壁2の縁には高圧噴射撹拌杭79を切れ目なく形成することが望ましい。また、底盤改良用孔51は、頂版セグメント25に形成してもよい。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………側壁セグメント
2………側壁
9、35………ほぞ
11、37………ほぞ穴
13………切欠部
17………アンカ
20………頂版
21、47………パラペット
23………鉄筋継手
25、25a、25b、41、41a、41b………頂版セグメント
29、45………凸部
31………連結用ボルト穴
39、53………ボルト穴
51………底盤改良用孔
71………流動化処理土
77………ロッド
79………高圧噴射撹拌杭
83………先行地中梁
85………土砂
91………底版コンクリート

Claims (8)

  1. 地盤中に複数の側壁セグメントを設置して、一対の側壁を形成する工程aと、
    前記一対の側壁の上端に複数の頂版セグメントを架設して頂版を形成する工程bと、
    前記頂版に設けられた開口または孔を介して、前記頂版の上面側から下面側に地盤改良用のロッドを貫通させ、前記一対の側壁の間の地盤を改良して先行地中梁を形成する工程cと、
    前記一対の側壁の間の地盤を掘削し、前記先行地中梁の上方に、底版を形成する工程dと、
    を具備することを特徴とする地下トンネルの構築方法。
  2. 前記工程bで、開口のない第1の頂版セグメントと開口を有する第2の頂版セグメントとをトンネル軸方向に交互に配置して前記頂版を形成することを特徴とする請求項1記載の地下トンネルの構築方法。
  3. 前記第1の頂版セグメントが、トンネル幅方向に複数に分割されており、
    前記工程bで、分割された前記第1の頂版セグメントを、ほぞを噛み合わせて連結することを特徴とする請求項2記載の地下トンネルの構築方法。
  4. 前記頂版セグメントがアーチ状であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の地下トンネルの構築方法。
  5. 前記工程aで、前記側壁セグメント同士をほぞを噛み合わせて連結して側壁を形成することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の地下トンネルの構築方法。
  6. 前記工程bで、前記側壁セグメントと前記頂版セグメントとを、アンカボルトを用いて接合することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の地下トンネルの構築方法。
  7. 前記工程aと前記工程bとの間に、前記一対の側壁の間の地盤を所定の深さまで掘削し、 前記工程bと前記工程cとの間に、前記一対の側壁の間の地盤を所定の深さまで掘削して発生した掘削残土を用いて、前記頂版の上部の埋め戻しを行うことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の地下トンネルの構築方法。
  8. 前記工程dで、前記側壁セグメントと鉄筋継手を用いて接合して前記底版を形成することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の地下トンネルの構築方法。
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