JP4881555B2 - 地下構造物の構築方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、前記開削工法を採用して地下構造物を構築する場合、地上部に道路交通、ロータリーや歩行者動線がある場合には、切り廻しをかけながら、極力、地上利用を維持しながら工事を進めることとなる。そのため、覆工板の敷設状態を工事完了まで維持しなければならず、当初に作業用地内に埋設されていたライフラインの埋設管の復旧が遅れることになっていた。また、地下構造物の構築後に、覆工板の撤去等地上部の復旧を行わなければならず、地上占用期間が長期に亘り、周辺環境に与える影響が大きいとともに、工事が長期化するなどの問題があった。
(1)土留め壁61は通常、仮設材として取り扱われるが、地下構造物本体60の外側に構築しなければならず、施工時占用幅が増大する。
(2)H形鋼や鋼矢板からなる土留め壁61を支持部材として、これら土留め壁61、61間にプレキャストコンクリート桁部材62を架設し支持させるようにしているが、H形鋼や鋼矢板からなる土留め壁61は、基本的には仮設材としての設計であるため、前記プレキャストコンクリート桁部材62の自重を支持させるには、断面寸法が大型化する、或いはアンカーなどの補強工法を併用しなければならないなどの問題が生ずるようになる。
(3)すべての掘削を終えた後に、側壁部分65を現場施工によって構築しなければならないため、施工に多くの手間と時間が掛かるようになる。
(4)前記土留め壁61は仮設材としての取り扱いであるため、工事完了後は撤去することが望ましいが、土留め壁61によって前記プレキャストコンクリート桁部材62を支持させ、この支持させた状態のままで、側壁65の施工を行わなければならないため、躯体完了後に前記土留め壁61を撤去することは困難であり、埋め殺しとなってしまう。
少なくとも前記両側壁部の構築部位に、本体構造となるプレキャストコンクリート側壁を、接合面において、両者を繋ぐ雄・雌継手を有するとともに、その隣接位置に建込み用ガイドを兼用する脱抜可能のパイプを設けながら地中に建込み、これらプレキャストコンクリート側壁間の浅層地盤を掘削除去した後、前記プレキャストコンクリート側壁間に本体構造となるプレキャストコンクリート頂版を架け渡し、埋め戻すことにより頂版以浅部分を先行的に完成させる第1工程と、
前記プレキャストコンクリート側壁及びプレキャストコンクリート頂版によって囲まれた頂版部以深の地盤を掘削し、最終的に底版部の構築深さまでの掘削を行う第2工程と、
底版部構築部位にコンクリートを打設するとともに、前記プレキャストコンクリート側壁との結合及び一体化を図る第3工程と、からなることを特徴とする地下構造物の構築方法が提供される。
上記請求項1記載の本発明においては、工事の最初の段階で、プレキャストコンクリート側壁間に本体構造となるプレキャストコンクリート頂版を架け渡し、埋め戻すことにより頂版以浅部分を先行的に完成させるため、工事に伴う地上占用規模及び期間を最小化でき、周辺環境への影響を必要最小限度に抑制することが可能となる。
前記両側壁部、両側壁間の中間壁又は中間柱によって仕切られる各スパンを順に、側壁の構築部位には、本体構造となるプレキャストコンクリート側壁を、接合面において、両者を繋ぐ雄・雌継手を有するとともに、その隣接位置に建込み用ガイドを兼用する脱抜可能のパイプを設けながら地中に建込むとともに、中間壁又は中間柱の構築部位には、本体構造となるプレキャストコンクリート中間壁又は中間柱を地中に建込み、これらスパン間の浅層地盤を掘削除去した後、本体構造となるプレキャストコンクリート頂版を架け渡し、埋め戻すことにより頂版以浅部分を先行的に完成させる第1工程と、
前記プレキャストコンクリート側壁及びプレキャストコンクリート頂版によって囲まれた頂版部以深の地盤を掘削し、最終的に底版部の構築深さまでの掘削を行う第2工程と、
底版部構築部位にコンクリートを打設するとともに、前記プレキャストコンクリート側壁及びプレキャストコンクリート中間壁又は中間柱との結合及び一体化を図る第3工程と、からなることを特徴とする地下構造物の構築方法が提供される。
上記請求項3記載の本発明においては、前記プレキャストコンクリート側壁及び/又はプレキャストコンクリート中間壁又は中間柱に対して、鉛直支持力及び土水圧などの側方抵抗のために、下端面より下方側に突出するように複数本の鋼杭を設けるようにしたものである。全根入れ長をプレキャストコンクリート部材とすることも可能であるが、この場合は建込み溝の掘削深さが深くなるばかりでなく、プレキャスト部材費が増し、工期の長期化と施工手間、工費が増す原因となる。従って、下端に複数本の鋼杭を設けることにより、建込み溝を浅くでき、かつこれら鋼杭によって十分な鉛直支持力及び土水圧などの側方抵抗力を確保することができる。
また、従来法のように、側壁にプレキャストコンクリート部材を使用するため施工時占用幅が増大することがなく、かつプレキャストコンクリート構造であるため、プレキャストコンクリート頂版を支持するだけの耐力を十分に有することができる。また、施工を簡略化できるため、施工手間、工費を大幅に削減できるとともに、工期も短縮することができる。さらに、工事完成後に仮設材が側壁外側の地盤中に残置されることも無くなる、などの利点を有することができる。
〔第1形態例〕
図1は地下構造物1Aの横断面図及び平面図、図2は図1のII−II線矢視図、図3は図1のIII−III線矢視図である。
以下、具体的に前記地下構造物1Aについて施工順序に従いながら詳述する。
第1工程は、プレキャストコンクリート側壁2,2間に本体構造となるプレキャストコンクリート頂版4を架け渡し、埋め戻すことにより頂版以浅部分を先行的に完成させる工程である。この第1工程について、図4〜図17に基づき詳述する。
先ず、図4に示されるように、側壁構築部位及び中間柱構築部位に、プレキャストコンクリート側壁2、プレキャストコンクリート中間柱3の建込みのための掘削を行う。掘削は、同図に示されるように、浅層地盤範囲のみとし、鋼矢板10,10と、これら鋼矢板10,10間に横架した切梁11、11…を使用しながら掘削重機12を用いて行う。
さらに前述した要領によって、右側スパン部分の頂版部以浅の構造部分を完成させることにより(説明は省略)、図17に示されるように、すべての地上占用が開放されることになる。
上記第1工程により、頂版以浅部分を先行的に完成させたならば、図18に示されるように、前記プレキャストコンクリート側壁2,2及びプレキャストコンクリート頂版4によって囲まれた頂版部以深の地盤を掘削し、最終的に底版部の構築深さまでの掘削を行う。掘削は必要に応じて切梁32、32…によって支保を行い、掘削土砂の排出は、例えば前記プレキャストコンクリート頂版4の一部を開口としておき、バケット(クレーン)により地上まで揚上し、ダンプトラック等により搬出するようにする。
所定深さ(底版部5の構築深さ)までの掘削を終えたならば、図19に示されるように、底版部構築部位にコンクリート24を打設するとともに、前記プレキャストコンクリート側壁2,2及びプレキャストコンクリート中間柱3,3との結合及び一体化を図るようにする。例えば、底版部5とプレキャストコンクリート側壁2との結合は、図20に示されるように、プレキャストコンクリート側壁2の下部より底版部側に向けて鉄筋やロッド等の定着筋24、24…を延出しておき、底版部5に配筋される鉄筋33、33…と構造的に接続するようにする。
前記底版部5のコンクリート打設を完了し、底版コンクリートがプレキャストコンクリート側部2及びプレキャストコンクリート中間柱3と完全に結合したならば、図3に示されるように、土留め杭16、16…の露出部分をガス等によって切断して撤去する。
上記第1形態例では、中間の仕切り構造部材として、プレキャストコンクリート中間柱3、3を用いた構造としたが、完全にスパン毎に仕切るプレキャストコンクリート中間壁8、8とすることも可能である。図21〜図23はその完成状態を示したもので、図21は地下構造物1Bの横断面図及び平面図、図22は図21のXXII−XXII線矢視図、図23は図21のXXIII−XXIII線矢視図である。
構築手順は前述した第1形態例と基本的には同様であるが、中間仕切り構造部材として、プレキャストコンクリート中間壁8を採用した場合には、土留め杭16,16…が不要になるとともに、プレキャストコンクリート梁7,7が不要になる。従って、同図に示されるように、プレキャストコンクリート中間壁8、8の上面に直接、プレキャストコンクリート頂版4を設置すれば足りる。
また、この場合も、底版部5のコンクリート打設に当たっては、プレキャストコンクリート中間壁8の下端面を底版部下面よりも上側位置としておき、打設したコンクリート24がプレキャストコンクリート中間壁8を越えて他のスパンへ流動可能で、かつプレキャストコンクリート中間壁8部でとぎれることなく連続して配筋可能とするのが望ましい。
上記第1形態例では、プレキャストコンクリート頂版はスラブ構造とし、その上面を埋戻すことにより外部と遮断された地下構造物としたが、図24〜図26に示されるように、頂版部分の一部に外部と連通させたスリット型地下構造物1Cとすることも可能である。
図24において、スリット半地下構造物1Cは、下端面より下方側に突出するように複数本の鋼杭2Aを備えるプレキャストコンクリート側壁2,2と、前記プレキャストコンクリート側壁2,2間に、鉛直支持力及び土水圧などの側方抵抗のために、下端面より下方側に突出するように複数本の鋼杭8Aを備えるプレキャストコンクリート中間壁8と、前記プレキャストコンクリート側壁2とプレキャストコンクリート中間壁8との間の上部に架け渡されたプレキャストコンクリート頂版9と、プレキャストコンクリート側壁2,2間の下部に設けられるとともに、現場打設コンクリートによって構築された底版5とからなるものである。前記プレキャストコンクリート頂版9は、多数の開口9a、9a…を有する頂版梁9Aと、この頂版梁9Aの上面に設置される頂版スラブ9Bとから構成されることにより、中央部分に頂版梁9Aの開口9a、9a…部分が外部に開放されたスリット部が形成されるようになっている。
前記プレキャストコンクリート頂版4の設置は、先ず頂版梁9Aを設置した後、その上側に、断面L字形状とし起立部を土留め壁とした頂版スラブ9Bを載置し、埋戻しを行い、頂版以浅部分を先行的に完成させるようにする。
(1)上記第1〜第3形態例では、プレキャストコンクリート側壁2,2の間に、プレキャストコンクリート中間柱3や中間壁8を有する地下構造物1A〜1Cとしたが、地下構造物の幅寸法が小さいため、プレキャストコンクリート中間柱3,3…や中間壁8等の中間仕切り構造材を有さず、単にプレキャストコンクリート側壁2,2が対峙する構造の地下構造物としてもよく、かつこの場合も同様の施工手順によって構築することが可能である。
(2)上記形態例では、浅層地盤の掘削を行った後、プレキャストコンクリート頂版4を設置するようにしたが、掘削部の開放が長期に亘る場合には、一旦、覆工版を設置して掘削部を塞ぎ、この覆工版と順次交換しながら、プレキャストコンクリート頂版4を設置するようにしてもよい。
(3)上記形態例においては、プレキャストコンクリート側壁2及びプレキャストコンクリート中間柱3共に、下端面より下方側に突出するように複数本の鋼杭2A(3A)を備えるとともに、頂版部よりも以浅の浅層地盤の土水圧などの側方抵抗のために、上端面より上方側に突出するように複数本の仮設鋼材2B(3B)を備えるものを使用したが、前記鋼杭2A(3A)及び仮設鋼材2B(3B)のどちらか一方のみを備えるプレキャスト部材としてもよい。
Claims (7)
- 少なくとも両側壁部、頂版部及び底版部を有する地下構造物の構築方法であって、
少なくとも前記両側壁部の構築部位に、本体構造となるプレキャストコンクリート側壁を、接合面において、両者を繋ぐ雄・雌継手を有するとともに、その隣接位置に建込み用ガイドを兼用する脱抜可能のパイプを設けながら地中に建込み、これらプレキャストコンクリート側壁間の浅層地盤を掘削除去した後、前記プレキャストコンクリート側壁間に本体構造となるプレキャストコンクリート頂版を架け渡し、埋め戻すことにより頂版以浅部分を先行的に完成させる第1工程と、
前記プレキャストコンクリート側壁及びプレキャストコンクリート頂版によって囲まれた頂版部以深の地盤を掘削し、最終的に底版部の構築深さまでの掘削を行う第2工程と、
底版部構築部位にコンクリートを打設するとともに、前記プレキャストコンクリート側壁との結合及び一体化を図る第3工程と、からなることを特徴とする地下構造物の構築方法。 - 両側壁部、両側壁間の中間壁又は中間柱、頂版部及び底版部を有する地下構造物の構築方法であって、
前記両側壁部、両側壁間の中間壁又は中間柱によって仕切られる各スパンを順に、側壁の構築部位には、本体構造となるプレキャストコンクリート側壁を、接合面において、両者を繋ぐ雄・雌継手を有するとともに、その隣接位置に建込み用ガイドを兼用する脱抜可能のパイプを設けながら地中に建込むとともに、中間壁又は中間柱の構築部位には、本体構造となるプレキャストコンクリート中間壁又は中間柱を地中に建込み、これらスパン間の浅層地盤を掘削除去した後、本体構造となるプレキャストコンクリート頂版を架け渡し、埋め戻すことにより頂版以浅部分を先行的に完成させる第1工程と、
前記プレキャストコンクリート側壁及びプレキャストコンクリート頂版によって囲まれた頂版部以深の地盤を掘削し、最終的に底版部の構築深さまでの掘削を行う第2工程と、
底版部構築部位にコンクリートを打設するとともに、前記プレキャストコンクリート側壁及びプレキャストコンクリート中間壁又は中間柱との結合及び一体化を図る第3工程と、からなることを特徴とする地下構造物の構築方法。 - 前記プレキャストコンクリート側壁及び/又はプレキャストコンクリート中間壁又は中間柱は、鉛直支持力及び土水圧などの側方抵抗のために、下端面より下方側に突出するように複数本の鋼杭を備える請求項1、2いずれかに記載の地下構造物の構築方法。
- 前記プレキャストコンクリート中間壁又は中間柱は、鉛直支持力及び土水圧などの側方抵抗のために、下端面より下方側に突出するように複数本の鋼杭を備えるとともに、プレキャストコンクリート中間壁又は中間柱の下端面を底版部下面よりも上側位置としておき、前記第3工程における底版部のコンクリート打設において、打設したコンクリートがプレキャストコンクリート中間壁又は中間柱を越えて他のスパンへ流動可能で、かつ前記プレキャストコンクリート中間壁又は中間柱部で連続して配筋可能としてある請求項2、3いずれかに記載の地下構造物の構築方法。
- 前記プレキャストコンクリート側壁及び/又はプレキャストコンクリート中間壁又は中間柱は、頂版部よりも以浅の浅層地盤の土水圧などの側方抵抗のために、上端面より上方側に突出するように複数本の仮設鋼材を備える請求項1〜4いずれかに記載の地下構造物の構築方法。
- 前記プレキャストコンクリート側壁及び/又はプレキャストコンクリート中間壁又は中間柱は、少なくとも内壁面側に対して、フィルムを貼設又は剥離剤を塗布してある請求項1〜5いずれかに記載の地下構造物の構築方法。
- 前記両側壁間にプレキャストコンクリート中間柱が配置される場合において、前記プレキャストコンクリート中間柱間に所定の間隔で土留め杭を打設した後、これら土留め杭を両側から挟み込むように、前記プレキャストコンクリート中間柱間に2分割構造のプレキャストコンクリート梁を横架し、前記土留め杭とプレキャストコンクリート梁とを結合する請求項2〜6いずれかに記載の地下構造物の構築方法。
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