JP2001132382A - 親子シールド掘進装置及びシールド掘進方法 - Google Patents

親子シールド掘進装置及びシールド掘進方法

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JP2001132382A
JP2001132382A JP31390299A JP31390299A JP2001132382A JP 2001132382 A JP2001132382 A JP 2001132382A JP 31390299 A JP31390299 A JP 31390299A JP 31390299 A JP31390299 A JP 31390299A JP 2001132382 A JP2001132382 A JP 2001132382A
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shield
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shield excavator
child
excavator
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JP31390299A
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Michiaki Morita
道明 森田
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】子シールド掘進機と親シールド掘進機のシール
ド本体外径差が比較的小さい場合にも、シール性能を低
下させることなく中折れ構造を実現し、トンネルの曲線
部分の掘削を可能とする。 【解決手段】相対的に大径断面のトンネル8を親シール
ド掘進機で掘削し、その親シールド掘進機から発進させ
た子シールド掘進機で相対的に小径断面のトンネル8′
を掘削する親子シールド掘進装置において、子シールド
掘進機のシールド本体32を形成する前胴26,30及
び後胴31を互いに摺動可能に連結する中折れ機構25
を、一体的に構成された1つの接続構造体として親シー
ルド掘進機のシールド本体1内に内蔵させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、親シールド掘進機
と子シールド掘進機とを備えた親子シールド掘進装置に
関し、さらに詳しくは、子シールド掘進機と親シールド
掘進機とのシールド本体外径差が比較的小さい場合に
も、シール性能を低下させることなく中折れ構造を実現
しトンネル曲線部分の掘削を可能とした親子シールド掘
進装置及びこれを用いたシールド掘進方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、シールド掘進機は、シールド本
体と、このシールド本体の掘進方向前方側に回転可能に
支持され地山を掘削するカッタと、このカッタを回転駆
動させるカッタ駆動装置と、このカッタ駆動装置の回転
をカッタに伝える回転伝達機構とを有している。
【0003】前記のカッタで掘削された土砂は、カッタ
のすぐ後方にある掘削室内で撹拌され、必要に応じて掘
削土砂の塑性流動化を促進するための作泥剤が注入され
る。このようにして塑性流動化した土砂は、スクリュー
コンベアによりシールド本体の後方へ送られる。シール
ド本体の後部にはエレクタが設けられており、このエレ
クタはトンネルを構築すべくセグメントリングを順次組
み立てていく。このとき、シールド本体の後部には複数
のシールドジャッキが環状に配列されており、これらシ
ールドジャッキを伸ばしてセグメントリングを押し付け
ることによりシールド本体を掘進させるようになってい
る。また、セグメントリングの周囲にできる空洞部分に
は裏込め材が注入され、その空洞部分が埋められる。シ
ールド工法は、シールド掘進機を用いた以上のような手
順を繰り返すことにより、地中にトンネルを形成するも
のである。
【0004】ここで、シールド掘進機で掘削したトンネ
ルは、通常、その径がシールド本体にほぼ等しい円形断
面となるが、トンネル内部においては、例えばトンネル
の途中に通風口等を設ける場合や、地下鉄用のトンネル
の掘削時に途中に駅施設を設ける場合、本管から末節の
枝管になるほど小径となる管路(例えば下水管等)の埋
設用のトンネルを掘削する場合等において、通常のトン
ネル掘削断面に対し拡大又は縮小した断面(異径断面)
の掘削が要求される場合がある。このようなニーズに対
応するために、例えば特開平5−159082号公報に
記載のように、最初に親シールド掘進機によって相対的
に大径断面のトンネルを掘削し、それが終了した後に、
親シールド掘進機に内蔵されていた子シールド掘進機を
発進させて相対的に小径断面のトンネルを掘削する親子
シールド掘進装置が提唱されている。
【0005】この従来技術による親子シールド掘進装置
では、親シールド掘進機のシールド本体内に、予め子シ
ールド掘進機のシールド本体をそのまま内蔵させてお
く。また、一部の部材(例えばシールドジャッキ、エレ
クタ等)については、上記親シールド掘進機から子シー
ルド掘進機への切換時に、親シールド掘進機から子シー
ルド掘進機へと付け替えて流用するようになっている。
なお、流用が不可能な部材(すなわち子シールド掘進機
専用の部材)については、特に上記公報中には明示され
ていないが、通常、この種の親子シールド掘進装置の場
合、予め親シールド掘進機内の適宜の空きスペースに収
納しておくか、あるいはその掘削切り換え時において例
えば既掘削トンネル内を介し新たに地上側から分割パー
ツ状態で親シールド掘進機内に運び込み、その機内で組
立を行う。
【0006】ところで、一般に、トンネル掘削における
施工費用は、トンネル掘削断面の面積とトンネル掘削長
さとの積に比例することが知られている。近年のさらな
るコスト低減化の背景の下、トンネルの掘削ルート中に
おいて少しでも径を小さくできる部分があれば、その部
分の掘削断面を縮小することでコストを少しでも低減し
たいというニーズがある。
【0007】例えば、上記特開平5−159082号公
報による親子シールド掘進装置では、その適用対象が、
縮小前の掘削断面と縮小後の掘削断面との比(以下適宜
単に掘削断面比という。また、親シールド掘進機のシー
ルド本体と子シールド掘進機のシールド本体との外径比
にほぼ等しい。)が150:100以上と比較的大きい
構造のトンネルであったが、これよりももっと掘削断面
比が小さいような構造(例えば100:90〜100:
70)のトンネルであっても、親子シールド掘進装置を
適用して施工費用を低減したい場合がある。
【0008】このように掘削断面比が比較的小さいトン
ネルを掘進する親子シールド掘進装置に、上記従来技術
による親子シールド掘進装置の構造を適用した場合、親
シールド掘進機のシールド本体と子シールド掘進機のシ
ールド本体との外径比が小さくなって前記親シールド掘
進機内の空きスペースが少なくなるため、前述のように
子シールド掘進機のシールド本体を親シールド掘進機の
シールド本体内にそのまま内蔵させておくのは困難とな
る(例えば、子シールド掘進機のシールド本体と親シー
ルド掘進機のシールドジャッキとが干渉するため)。し
たがって、この場合には子シールド掘進機のシールド本
体についても、親シールド掘進機から子シールド掘進機
への掘削切り換え時において地上側から分割パーツ状態
で親シールド掘進機内に運び込み、その機内で組立を行
うこととなる。
【0009】ところで、例えば都市部で地下トンネルを
掘削する場合には、地上建造物、あるいは既設のトンネ
ルや埋設物等からの各種の制約が多いため、そのトンネ
ルのルートは直線部分のみでなく曲線部分をも含まざる
を得ない。そこで、直進だけでなく曲進もできるシール
ド掘進機の需要が急速に増大している。従来、このよう
なニーズに対応し、例えば、特開平9−221980号
公報に記載のように、シールド本体を複数個の胴部(例
えば前胴と後胴、以下同様)とに分割するとともにそれ
ら胴部のうち隣接するものどうしを互いに中折れ機構で
摺動可能に連結し、中折れジャッキを用いてそれらのな
す角度を変えて掘進方向を可変とするいわゆる中折れ式
のシールド掘進機が提唱されている。このとき、その中
折れ機構には、隣接する胴部の自由な回動を維持しつつ
それらの接続を確保するために、一の胴部の後端部及び
他の胴部の前端部のうち、一方に例えばほぼ球面状であ
る摺動部が設けられ、他方にはその摺動部に摺接する例
えばリング状のシール部材が設けられ機内側と機外との
シールを行うようになっている。
【0010】近年、都市機能の一極集中はますます進
み、都市部の地下利用は著しく増大する傾向にある。そ
のため、上記の2つのニーズを合わせたニーズ、すなわ
ち掘削断面比が比較的小さい構造でかつ曲線部分を含む
ようなトンネルを、できるだけ安価な施工費用で掘削し
たいというニーズが増大しつつある。
【0011】そこで、このニーズを満たすためには、前
述の特開平9−221980号公報の中折れシールド掘
進機の構造を上記特開平5−159082号公報の親子
シールド掘進装置に対し応用した中折れ式の親子シール
ド掘進装置とすることが考えられる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような中折れ式の親子シールド掘進装置を用いて、上記
した掘削断面比が比較的小さくかつ曲線部分を含むトン
ネルを掘削する場合には、以下のような課題が存在す
る。
【0013】すなわち、この親子シールド掘進装置は、
中折れ式であることから親シールド掘進機及び子シール
ド掘進機のシールド本体は複数個の胴部からなるが、掘
削断面比が比較的小さいことから子シールド掘進機と親
シールド掘進機とのシールド本体外径差が小さくなり、
前述のように子シールド掘進機のシールド本体をそのま
ま親シールド掘進機本体中に内蔵させておくことは困難
となる。そのため、親シールド掘進機から子シールド掘
進機への掘削切り換え時において前記の複数個の胴部や
中折れ機構を地上側からそれぞれ分割パーツ状態で親シ
ールド掘進機内に運び込み、その機内で各胴部へと組み
立てることととなる。
【0014】ところが、前述のように隣接胴部を接続す
る中折れ機構は例えば球状面で構成される摺動部を備え
ているが、この摺動部は機内側と機外とのシール性能を
確保するために非常に高精度の寸法形状が要求される。
しかし、上記のように分割パーツ状態で親シールド掘進
機内に運び込み組み立てるようにすると、その組立誤差
によって組立後の寸法形状を高精度とするのは困難であ
り、そのため中折れ機構のシール性能を確保することが
困難となる。そのため、子シールド掘進機と親シールド
掘進機とのシールド本体外径差が比較的小さい親子シー
ルド掘進装置では、事実上、中折れ構造が不可能とな
り、トンネルの曲線部分を掘削することができなかっ
た。
【0015】本発明の目的は、子シールド掘進機と親シ
ールド掘進機とのシールド本体外径差が比較的小さい場
合にも、シール性能を低下させることなく中折れ構造を
実現し、トンネルの曲線部分の掘削を可能とする親子シ
ールド掘進装置及びこれを用いたシールド掘進方法を提
供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明は、相対的に大径断面のトンネルを親
シールド掘進機で掘削し、その親シールド掘進機から発
進させた子シールド掘進機で相対的に小径断面のトンネ
ルを掘削する親子シールド掘進装置において、子シール
ド掘進機のシールド本体を形成する複数個の胴部を互い
に摺動可能に連結する中折れ機構を、一体的に構成され
た1つの接続構造体として前記親シールド掘進機のシー
ルド本体内に内蔵させる。
【0017】大径断面のトンネルを親シールド掘進機で
掘削した後、子シールド掘進機で小径断面のトンネルを
掘削する親子シールド掘進装置では、親シールド掘進機
で掘削する大径断面のトンネルと子シールド掘進機で掘
削する小径断面のトンネルとの掘削断面比が比較的小さ
い場合、子シールド掘進機と親シールド掘進機とのシー
ルド本体外径差が小さくなる。そのため、子シールド掘
進機のシールド本体をそのまま親シールド掘進機本体中
に内蔵させておくことは困難となる。
【0018】したがって、子シールド掘進機のシールド
本体が、複数個の胴部を中折れ機構を介して互いに摺動
可能に連結する中折れ式である場合には、親シールド掘
進機から子シールド掘進機への掘削切り換え時におい
て、前記の複数個の胴部及び中折れ機構を地上側からそ
れぞれ分割パーツ状態で親シールド掘進機内に運び込
み、その機内で組み立てることが考えられる。ここで、
中折れ機構に通常備えられる摺動部は機内側と機外との
シール性能確保の観点から非常に高精度の寸法形状が要
求されるが、上記の組み立て方式とすると組立誤差によ
って寸法形状を高精度とするのが難しいため、中折れ構
造自体が困難となる。
【0019】そこで、本発明においては、子シールド掘
進機のシールド本体の複数個の胴部を連結する中折れ機
構を、予め一体的に構成された1つの接続構造体として
親シールド掘進機のシールド本体内に内蔵させておく。
これにより、親シールド掘進機から子シールド掘進機へ
の掘削切り換え時において、例えば中折れ機構以外の複
数個の胴部を地上側から分割パーツ状態で親シールド掘
進機内に運び込み、既に一体的に構成されている中折れ
機構に機内において順次結合させることで、子シールド
掘進機のシールド本体を組み立てることができる。この
ように中折れ機構を分割組立構造とせず1つの接続構造
体のまま親シールド掘進機に内蔵させておく方式とする
ことにより、中折れ機構の摺動部の寸法形状の精度を高
く維持することができ、シール性能を確保できる。
【0020】以上のようにして、子シールド掘進機と親
シールド掘進機とのシールド本体外径差が比較的小さい
親子シールド掘進装置においても、従来構造を応用した
場合と異なり、シール性能を低下させることなく中折れ
構造を実現することができるので、トンネルの曲線部分
の掘削を行うことができる。
【0021】(2)上記(1)において、好ましくは、
前記子シールド掘進機の前記中折れ機構は、前記親シー
ルド掘進機のシールド本体の内周部に形成された、略円
環状の第1空間に収納されている。
【0022】(3)上記(1)において、また好ましく
は、前記子シールド掘進機の前記複数個の胴部のうち掘
進方向最前側に位置する前胴部のさらに最前端にあるフ
ード部を、一体的に構成された1つの略円筒状構造体と
して前記親シールド掘進機のシールド本体内に内蔵させ
る。
【0023】親子シールド掘進装置では、大径断面のト
ンネルを親シールド掘進機で掘削した後、小径断面のト
ンネルを掘削する子シールド掘進機をその親シールド掘
進機から発進させる。すなわち、その発進時には、親シ
ールド掘進機のシールド本体の内周側から子シールド掘
進機のシールド本体が抜け出るように掘進前方側に発進
していくこととなる。このような構成であることから、
子シールド掘進機のシールド本体の全部をそのまま親シ
ールド掘進機本体中に内蔵させておくことが困難な場合
でも、子シールド掘進機のシールド本体の掘進方向最前
部だけでも予め親シールド掘進機本体中に内蔵させ組み
込んでおいた方が、親シールド掘進機から子シールド掘
進機への掘削切り換え時における各胴部の組み立て作業
及びその周辺部材に係わる作業の労力が軽減される。
【0024】本発明においては、子シールド掘進機の掘
進方向最前側に位置する前胴部のさらに最前端にあるフ
ード部を、一体的に構成された1つの略円筒状構造体と
して予め親シールド掘進機のシールド本体内に内蔵させ
ておくことにより、親シールド掘進機から子シールド掘
進機への掘削切り換え時には、この前胴部のフード部及
び各胴部を連結する中折れ機構以外の部分(すなわち単
純な円筒形状部分)のみを、例えば地上側から分割パー
ツ状態で親シールド掘進機内に運び込み組み立てれば足
りる。したがって、掘削切り換え時における各胴部の組
み立て作業及びその周辺部材に係わる作業の労力が大き
く軽減される。
【0025】また、シールド掘進機では、シールド本体
の掘進方向前方側にあるカッタのすぐ後方にある掘削室
とシールド本体内部との間を隔壁でシールする場合が多
い。このような場合には、略円筒状構造体として構成さ
れた前記の子シールド掘進機のフード部の先端部を例え
ば親シールド掘進機の上記隔壁に貫入させるように配置
し、それらの間を別途設けたシール部材でシールするよ
うにしておけば、子シールド掘進機発進時において、そ
のシール部材をエントランスパッキンの代わりに流用で
きるので、エントランスパッキン設置のために作業員が
機外に出る必要がなくなるという効果もある。
【0026】(4)上記(3)において、さらに好まし
くは、前記子シールド掘進機の前記フード部は、前記親
シールド掘進機のシールド本体の内周部に形成された、
略円環状の第2空間に収納されている。
【0027】(5)上記(1)又は(3)において、ま
た好ましくは、前記中折れ機構は、連結する2つの胴部
のうち一方側の胴部の端部に設けられた摺動部と、他方
側の胴部の端部に設けられ前記摺動面に摺接するシール
部とを備えている。
【0028】(6)上記目的を達成するために、また本
発明は、相対的に大径断面のトンネルを親シールド掘進
機で掘削した後、その親シールド掘進機から発進させた
子シールド掘進機で相対的に小径断面のトンネルを掘削
するシールド掘進方法において、予め、子シールド掘進
機のシールド本体を形成する複数個の胴部を互いに摺動
可能に連結する中折れ機構を、一体的に構成された1つ
の接続構造体として前記親シールド掘進機のシールド本
体内に内蔵させておき、この内蔵した状態で前記大径断
面のトンネルの掘削を行い、前記親シールド掘進機から
前記子シールド掘進機への掘削切換時に、前記子シール
ド掘進機のシールド本体のうち少なくとも一部を、機外
から分割パーツの状態で前記親シールド掘進機のシール
ド本体内に搬入し、この搬入した分割パーツを前記中折
れ機構と順次結合させて前記子シールド掘進機のシール
ド本体を組み立てた後、前記子シールド掘進機を前記親
シールド掘進機から発進させ、前記小径断面のトンネル
の掘削を行う。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面を参照しつつ説明する。本実施の形態は、例えば、縮
小前の掘削断面と縮小後の掘削断面との比(掘削断面
比)が例えば100:90〜100:70のトンネルを
掘削するのに好適な親子シールド掘進機の実施の形態で
ある。
【0030】図1は、本実施の形態による親子シールド
掘進装置の全体構造を表す側断面図であり、図2は、図
1中A方向から見た矢視図である。
【0031】図1及び図2において、シールド掘進装置
は、親シールド掘進機の胴体であり、かつ後述する中折
れを可能とするために前胴1Aと後胴1Bとを折り曲げ
可能に連結した構造となっているシールド本体1と、前
記前胴1Aをさらにフード部1Aaとガータ部1Abに
区分するように設けられ、前記前胴1A内部を掘削室内
の泥土(後述)から隔離する隔壁2と、この隔壁2に回
転可能に支持され地山3を掘削するカッタ4と、このカ
ッタ4を回転駆動するカッタ駆動装置(例えば電動モー
タや油圧モータ)5と、前記の隔壁2に取り付けられ、
カッタ駆動装置5からの駆動力を前記カッタ4に伝達す
る回転伝達機構6と、前記のカッタ4のすぐ後方に形成
される掘削室P内に生成された掘削土砂を前記後胴1B
の掘進方向と反対側(図1中右側)に搬送し排出するス
クリューコンベア7と、前記後胴1B内に設けられ、ト
ンネル8の内面を覆工する大断面用セグメントリング9
を順次組み立てるエレクタ10とを有している。
【0032】前胴1Aと後胴1Bとの間には、それらを
互いに摺動可能に連結する中折れ機構11が設けられて
いる。すなわち、後胴1Bの前胴側端部には、外周面が
ほぼ球面状の摺動部11bが設けられており、この摺動
部11bと前胴1A後端部との間には、摺動部11bに
摺接しこれらの間をシールする(土砂、地下水の浸入を
防止する)略リング状のシール部材11aが設けられて
おり、これら摺動部11bとシール部材11aとで中折
れ機構11を構成している。
【0033】そしてこのとき、前胴1Aのブラケット取
付部1Acに設けた中折れジャッキブラケット12と後
胴1Bに設けたリングガーダ13との間に、複数本(例
えば左右一対2本)の中折れジャッキ14が設けられ、
これら中折れジャッキ14の伸縮動作により前記中折れ
機構11を介して前胴1Aと後胴1Bとを折り曲げ、そ
れらのなす角度を変化させて掘進方向を変えられるよう
になっている。
【0034】また、後胴1Bに設けた前記のリングガー
ダ13には、周方向に複数本(例えば6本)のシールド
ジャッキ15が取り付けられている。これらシールドジ
ャッキ15は、特に図示しないが等間隔に環状に配置さ
れており、それらを伸長させて先端に設けられたスプレ
ッダ16を既設のセグメントリング9に押し付けること
により、最終的にカッタ4に推進力を付与するようにな
っている(詳細は後述)。
【0035】カッタ4は、図2に示すように、径方向中
央部に位置するセンターフレーム17と、このセンター
フレーム17から径方向外側に向かって放射状に延設さ
れた5つのスポーク18a,18b,18c,18d,
18eと、センターフレーム17及びスポーク18a〜
eに固定された多数のカッタビット19とを備えてい
る。このとき、スポーク18a〜eのうち、スポーク1
8a,18b,18dは、2重構造になっており、図示
しない内蔵ジャッキを公知の方法で遠隔制御することに
より、径方向に伸縮できるようになっている(図1及び
図2は伸びた状態を示している)。
【0036】また、スポーク18c,18eは、伸縮し
ないスポークであり、その長さは後述する子シールド掘
進機の掘削外径D2(ほぼ後述の子シールド掘進機のシ
ールド本体32の外径に等しい)に合致するように設定
されている。なおこのとき、スポーク18a,18b,
18dが伸びた状態になることでカッタビット19が配
置されなくなる径方向位置は、伸縮しないスポーク18
c,18eのカッタビット19で掘削可能となるよう
に、予めスポーク18c,18eのカッタビット19の
配置が配慮されている(図2参照)。
【0037】さらに、これらスポーク18c,18eに
は、コピーカッタ20が設けられており、トンネルの曲
線部分を施工する時にこのコピーカッタ20でカーブ内
側側面の掘削及び土砂取り込みを行うことにより、より
広い範囲を余堀りして親シールド掘進機の通過する通路
を確保できるようになっている。但し、前記の中折れジ
ャッキ14による前胴1Aと後胴1Bとの中折れ動作に
よって、このコピーカッタ20による余堀り量の低減が
図られている。
【0038】スクリューコンベア7は、電動モータ(ま
たは油圧モータ)21で減速機22を介しスクリューシ
ャフト(図示せず)を駆動することにより、掘削土砂を
搬送し排出するようになっている。またスクリューコン
ベア7の吸い込み口は掘削室Pの下部に開口しており、
その吸込口には、スクリューコンベア7を取り外すとき
(後述)に遮断可能な遮断ゲート23が設けられてい
る。
【0039】本実施の形態による親シールド掘進機の最
も大きな特徴は、後述する子シールド掘進機による掘削
に備えて、子シールド掘進機への掘削切り換えを行いや
すい構造となっており、かつ子シールド掘進機のための
専用の構成部材を予め親シールド掘進機内に内蔵してい
ることである。以下、それら子シールド掘進機に係わる
構成について順次説明する。
【0040】まず、前記の中折れジャッキ14の前端部
を支持する中折れジャッキブラケット12は、親子シー
ルド掘進機でない通常のシールド掘進機のように隔壁2
に直接固定されておらず、その径方向外側部分が前記の
ように前胴1Aの内周側にあるブラケット取付部1Ac
に固定されている。そして、中折れジャッキブラケット
12の前方側には、隔壁2との間に後方側から順に固定
ブロック24a,24b,24cが設けられている。そ
して、前述したシールドジャッキ15の押し付け動作に
よる押し付け力は、リングガーダ13、中折れジャッキ
14、中折れジャッキブラケット12、固定ブロック2
4a、固定ブロック24b、固定ブロック24c、及び
隔壁2を介し、カッタ4に推進力として付与されるよう
になっている。なお、これら固定ブロック24a〜c
は、カッタ4のローリングを防止するストッパとしても
機能する。
【0041】そしてこのとき、上記固定ブロック24a
の配置によって、その径方向外周部と前胴1Aの内周部
との間に略円環状の空間Qが形成されるが、この空間Q
に、子シールド掘進機(詳細は後述)のシールド本体
(同)を形成する前胴(同)と後胴(同)とを互いに摺
動可能に連結することとなる中折れ機構25を、一体的
に構成された1つの接続構造体(すなわち周方向や軸方
向に分割されたパーツではなく既に組み立てられた完成
構造体)として収納している。
【0042】この中折れ機構25は、前述した親シール
ド掘進機のシールド本体1の中折れ機構11と同様、子
シールド掘進機のシールド本体(後述)を構成する前胴
(同)及び後胴(同)のうち後胴の前胴側端部に設けら
れることとなる外周面がほぼ球面状の摺動部25bと、
この摺動部25bに摺接し前胴の後胴側端部に設けられ
ることとなるリング状シール部材25aとから構成され
ている。
【0043】また、上記同様に、上記固定ブロック24
cの配置によってその径方向外周部と前胴1Aの内周部
との間に略円環状の空間Rが形成されるが、この空間R
に、子シールド掘進機の前記前胴の最前端部分となるフ
ード部26を、一体的に構成された1つの略円筒状構造
体として配置している。このフード部26は、その後方
側端部に略円環状の推力受け板26aを備えており、こ
の推力受け板26aが前記の固定ブロック24b,24
cに挟まれて支持されることにより、親シールド掘進機
の前胴1A内に位置決め固定されている。
【0044】そして、上記フード部26の前端部は、親
シールド掘進機の上記隔壁2に貫入するように配置され
ており、これによって隔壁2は、親シールド掘進機及び
子シールド掘進機の両方で使用する中央側部分2Aと親
シールド掘進機でのみ使用する外周側部分2Bとに分割
された構造となっている。このとき、その隔壁中央側部
分2Aとフード部26との間には内側シール部材27a
が設けられ、また隔壁外周側部分2Bとフード部26と
の間には外側シール部材27bが設けられ、隔壁2全体
としてのシール性(土砂、地下水の浸入防止)を確保す
るようになっている。なお、外側シール部材27bは、
隔壁外周側部分2Bの後方側に延設され上記フード部2
6の径方向外周側に位置する仕切壁28の内部に組み込
まれるように配置されている、次に、上記のように構成
した本実施の形態の動作を以下に説明する。
【0045】(1)親シールド掘進機による大断面トン
ネルの掘進 まず、図1に示すように、上記の親シールド掘進機によ
って、相対的に大断面(外径が図1中のD1)であるト
ンネル8の掘進を行う。
【0046】すなわち、上記構成において、既設のセグ
メントリング9を反力受けとしてシールドジャッキ15
を伸張させカッタ4に推進力を与えつつ、カッタ駆動装
置5で回転駆動されるカッタ4により地山3を掘削して
いく。この掘削土砂はカッタ4のスポーク18a〜eに
より掘削室P内で撹拌されて塑性流動化され、これによ
って地山3の崩壊防止・止水が図られる。またこのと
き、必要に応じ、カッタ4のスポーク18a〜eに設け
られた図示しない注入口から、掘削土砂の塑性流動化を
促進するための作泥剤が注入される。塑性流動化した土
砂は、スクリューコンベア7に取り込まれて排土され
る。
【0047】このようにして所定距離(例えばシールド
ジャッキ15の1ストローク分の距離)だけ掘削を行っ
た後、シールドジャッキ15を縮め、スプレッダ16と
既設のセグメントリング9との間に生じたスペースに、
エレクタ10で新たなセグメントリング9を組み立てて
配置する。このとき、セグメントリング9の周囲にでき
る空洞部分には例えば図示しない注入手段で裏込め剤が
注入され、これによりこの空洞部分が埋められる。
【0048】そして、上記した新たに配置したセグメン
トリング9を再び反力受けとしてシールドジャッキ15
を伸び状態にしシールド本体1を前方へ推進させつつ、
カッタ4を回転させて再び地山3の掘削を行っていく。
【0049】以上の手順を繰り返し、所定長さの大断面
トンネル8を掘進する。なおこのとき、親シールド掘進
機が通過した後のセグメントリング9の周囲の土砂に対
しては、例えば図示しない注入手段で時効硬化する裏込
め剤を注入充填し、トンネル壁面を地山3に固定する。
【0050】(2)親シールド掘進機から子シールド掘
進機への切り換え 上記のようにして大断面トンネル8の掘進が終了した
ら、その後相対的に小断面(外径が図1中のD2、但し
D1/D2=100:90〜100:70程度)であるト
ンネルの掘進を行うために、親シールド掘進機から子シ
ールド掘進機への切り換えを行う。これを図1と同様の
側断面図である図3〜図7により説明する。なお、これ
ら図3〜図7においては、図示の明確化のため、地山3
の図示を省略している。
【0051】すなわちまず、カッタ4の前記スポーク1
8a,18d,18eを縮めることにより、カッタ4の
掘削外径をこれまでの略D1から略D2へと変更する。そ
の後、固定ブロック24b,24cを取り外し、固定ブ
ロック24aを前記のフード部推力受け板26aに当接
させる。そして、中折れジャッキブラケット12と前胴
ブラケット取付部1Acとの接続を切り離し、中折れジ
ャッキ14を伸張させることにより、前記フード部26
を前方側(切羽側)へ押し出す。この状態を図3に示
す。また図3中B方向から見た矢視図を図4に示す。
【0052】次に、前胴ブラケット取付部1Ac、スク
リューコンベア7(電動モータ21及び減速機22を含
む)、エレクタ10、中折れジャッキブラケット12、
リングガーダ13、中折れジャッキ14、及びシールド
ジャッキ15(スプレッダ16を含む)等を取り外す。
なおこれらのうち、スクリューコンベア7、エレクタ1
0、中折れジャッキブラケット12、中折れジャッキ1
4、及びシールドジャッキ15は、後述するように後で
子シールド掘進機に再び流用する。
【0053】このように各機器を取り外すことで、図5
に示すように前胴1A及び後胴1B内に広い空間Sが形
成されるが、この空間Sの下部の周方向2箇所に、子シ
ールド掘進機の組立及び発進用の発進架台29を設置す
る。そして、子シールド掘進機の前記中折れ機構25
(シール部材25a+摺動部25b)を発進架台29上
の所定の位置にセットする。この発進架台29のセット
状態を表す図5中VI−VI断面による断面図を図6に示
す。
【0054】なお、この発進架台29は図5及び図6に
示すように前胴1A及び後胴1Bの内周面に接するよう
に載置されるが、このとき発進架台29の下部には凹部
29aが設けられ、前胴1A及び後胴1Bに設けた中折
れ機構11(シール部材11a及び摺動部11b)がそ
の凹部29aに収納されることにより、中折れ機構11
が破損することのないように配慮されている。
【0055】その後、図7に示すように、前記のフード
部26と前記のシール部材25aとを接続する子シール
ド掘進機前胴本体30と前記の摺動部25bの後方に接
続される子シールド掘進機後胴31とを、ともに分割パ
ーツ(周方向及び軸方向に複数個に分割されたパーツ)
状態で機内に持ち込んだ後に組み立て、これによって、
子シールド掘進機のシールド本体32をなす前胴(フー
ド部26A+前胴本体30、以下適宜、前胴26,30
のように称する)と後胴31とを完成させる。
【0056】また、子シールド掘進機後胴31の内周側
に、前述した親シールド掘進機のリングガーダ13と類
似形状のリングガーダ33を上記同様に分割搬入後に組
み立て固定するとともに、前記前胴フード部26の推力
受け板26aに中折れジャッキブラケット12を固定す
る。そして、この中折れジャッキブラケット12と前記
リングガーダ33とを接続するように、先に取り外して
おいた中折れジャッキ14を再び取り付ける。またこの
とき、リングガーダ33には、先に取り外しておいたシ
ールドジャッキ15(スプレッダ16を含む)を等間隔
で周方向複数箇所に再び取り付ける。さらにその後、先
に取り外しておいたスクリューコンベア7(電動モータ
21、減速機22を含む)及びエレクタ10も所定位置
に再び取り付ける。
【0057】これらのようにして、切羽や地山3に出る
ことなく、親シールド掘進機から子シールド掘進機への
切り換え(子シールド掘進機への改装または換装)を行
えるようになっている。
【0058】以上のようにして子シールド掘進機が完成
したら、既設の前記セグメントリング9のうち最も前方
側(図7中左側)にあるものの径方向内周部に、セグメ
ントブラケット34を固定する。その後、エレクタ10
を用いて、そのセグメントブラケット34の前方側端部
と、前記のシールドジャッキスプレッダ16との間の軸
方向空間に、適宜の個数(図7の例では軸方向に2列)
の小断面用セグメントリング35(図7では想像線で示
す)を配置する。これにより、子シールド掘進機の発進
準備がすべて整ったことになる。
【0059】(3)子シールド掘進機の発進及び小断面
トンネルの掘進 最後に、図8に示すように、子シールド掘進機を発進さ
せ、相対的に小断面(外径が図8中のD2)であるトン
ネルの掘進を行う。
【0060】すなわち、上記(2)の最後の手順でセグ
メントブラケット34を介し大断面用セグメントリング
9に接続するように既設した適宜の個数の小断面用セグ
メントリング35を反力受けとして、シールドジャッキ
15を伸張させカッタ4に推進力を与えつつ、カッタ駆
動装置5で回転駆動されるカッタ4により地山3を掘削
していく。
【0061】このとき、上記(1)のときと同様、所定
距離だけ掘削を行った後、シールドジャッキ15を縮
め、エレクタ10で新たなセグメントリング35を配置
し、これを再び反力受けとしてシールド本体前胴26,
30及び後胴31を前方へ推進させつつ、カッタ4を回
転させて再び地山3の掘削を行っていく。以上の手順を
繰り返し小断面トンネル8′を掘進する。
【0062】なお、前記の外側シール部材27bは、こ
のような子シールド掘進機の発進時におけるいわゆるエ
ントランスパッキン(シールド掘進機の発進時に、機外
の地山の掘削開始断面外周側に設置されるシール部材)
の役割も果たすことになる。
【0063】なお、以上において、空間Qが、特許請求
の範囲各項記載の、親シールド掘進機のシールド本体の
内周部に形成された略円環状の第1空間を構成し、空間
Rが、親シールド掘進機のシールド本体の内周部に形成
された略円環状の第2空間を構成する。また、子シール
ド掘進機の前胴26,30及び後胴31が、子シールド
掘進機のシールド本体を形成する複数個の胴部を構成
し、中折れ機構25に備えられたシール部材25aが、
連結する2つの胴部のうち他方側の胴部の端部に設けら
れ摺動面に摺接するシール部を構成する。
【0064】以上のように構成した本実施の形態によれ
ば、以下の効果を奏する。
【0065】一般に、大径断面のトンネルを親シールド
掘進機で掘削した後に子シールド掘進機で小径断面のト
ンネルを掘削する親子シールド掘進装置において、大径
断面のトンネルと小径断面のトンネルとの掘削断面比が
比較的小さい場合には、子シールド掘進機と親シールド
掘進機とのシールド本体外径差が小さくなることから、
子シールド掘進機のシールド本体をそのまま親シールド
掘進機の本体中に内蔵させておくことは困難となる。
【0066】したがって、子シールド掘進機が中折れ機
構を介して前胴と後胴とを連結する中折れ式である場合
には、親シールド掘進機から子シールド掘進機への掘削
切り換え時において、前胴、後胴、及び中折れ機構を地
上側からそれぞれ分割パーツ状態で親シールド掘進機内
に運び込み、機内で組み立てることが考えられる。ここ
で、中折れ機構に備えられる摺動部は機内側と機外との
シール性能確保の観点から非常に高精度の寸法形状が要
求されるが、上記の組み立て方式とすると組立誤差によ
って寸法形状を高精度とするのが難しいため、中折れ構
造自体が困難となる。
【0067】そこで、本実施の形態においては、子シー
ルド掘進機のシールド本体32の前胴26,30と後胴
31とを連結する中折れ機構25(シール部材25a+
摺動部25b)を、予め一体的に構成された1つの接続
構造体として親シールド掘進機の前胴1A内に内蔵させ
ておく。またこれに加え、子シールド掘進機の前胴最前
端にあるフード部26についても、一体的に構成された
1つの略円筒状構造体として予め親シールド掘進機の前
胴1A内に内蔵させておく。
【0068】これにより、上記(2)で説明したよう
に、親シールド掘進機から子シールド掘進機への掘削切
り換え時において、前胴本体30及び後胴31のみを地
上側から分割パーツ状態で親シールド掘進機内に運び込
み、既に一体的に構成されている中折れ機構25及びフ
ード部26に対して機内において順次結合させること
で、シールド本体32を組み立てることができる。
【0069】このように中折れ機構25を分割組立構造
とせず1つの接続構造体のまま親シールド掘進機に内蔵
させておく方式とすることにより、中折れ機構25の摺
動部25bの寸法形状の精度を高く維持することがで
き、シール性能を確保できる。したがって、本実施の形
態のように子シールド掘進機と親シールド掘進機とのシ
ールド本体外径差(D1/D2)が比較的小さい親子シー
ルド掘進装置においても、従来構造を応用した場合と異
なり、シール性能を低下させることなく中折れ構造を実
現することができるので、トンネルの曲線部分の掘削を
行うことができる。
【0070】また、親シールド掘進機から子シールド掘
進機への掘削切り換え時には、単なる円筒状部材である
前胴本体30や後胴31のみを分割パーツ状態から組み
立てて結合すれば足りるので、中折れ機構25やフード
部26を含めすべてのシールド本体構成部材を分割組み
立て方式とした場合に比べ、組み立て作業及びその周辺
部材に係わる作業の労力が大きく軽減される。
【0071】さらに、上記(3)で説明したように、子
シールド掘進機発進時において、外側シール部材27b
をエントランスパッキンの代わりに流用できるので、エ
ントランスパッキン設置のために作業員が機外に出る必
要がなくなるという効果もある。
【0072】なお、上記本発明の一実施の形態において
は、子シールド掘進機のシールド本体は前胴26,30
と後胴31との2分割構造であったが、これに限られ
ず、3つ以上の分割構造(例えば前胴、中胴、後胴の3
分割構造)であってもよい。この場合も、本発明を適用
することで、同様の効果を得る。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、子シールド掘進機の中
折れ機構を分割組立構造とせず1つの接続構造体のまま
親シールド掘進機のシールド本体に内蔵させておくこと
により、中折れ機構の摺動部の寸法形状の精度を高く維
持することができ、シール性能を確保できる。したがっ
て、従来構造を応用した場合に不可能であった中折れ構
造を実現し、トンネルの曲線部分の掘削を行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による親子シールド掘進
装置の全体構造を表す側断面図である。
【図2】図1中A方向から見た矢視図である。
【図3】本発明の一実施の形態による親子シールド掘進
装置における親シールド掘進機から子シールド掘進機へ
の切り換えの際に、子シールド掘進機のフード部を押し
出した状態を表す側断面図である。
【図4】図3中B方向から見た矢視図である。
【図5】本発明の一実施の形態による親子シールド掘進
装置における親シールド掘進機から子シールド掘進機へ
の切り換えの際に、親シールド掘進機の各機器を取り外
し、子シールド掘進機用の発進架台を載置した状態を表
す側断面図である。
【図6】図5中VI−VI断面による断面図である。
【図7】本発明の一実施の形態による親子シールド掘進
装置における親シールド掘進機から子シールド掘進機へ
の切り換えの際に、子シールド掘進機を完成させた状態
を表す側断面図である。
【図8】本発明の一実施の形態による親子シールド掘進
装置における親シールド掘進機から子シールド掘進機へ
の切り換えが終了し、子シールド掘進機を発進させた状
態を表す側断面図である。
【符号の説明】
1 親シールド掘進機のシールド本体 8 トンネル(相対的に大径断面のトンネ
ル) 8′ トンネル(相対的に小径断面のトンネ
ル) 25 子シールド掘進機の中折れ機構 25a シール部材(シール部) 25b 摺動部 26 子シールド掘進機のフード部(前胴
部、胴部) 30 子シールド掘進機の前胴本体(前胴
部、胴部) 31 子シールド掘進機の後胴(胴部) 32 子シールド掘進機のシールド本体 Q 空間(第1空間) R 空間(第2空間)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相対的に大径断面のトンネルを親シールド
    掘進機で掘削し、その親シールド掘進機から発進させた
    子シールド掘進機で相対的に小径断面のトンネルを掘削
    する親子シールド掘進装置において、 子シールド掘進機のシールド本体を形成する複数個の胴
    部を互いに摺動可能に連結する中折れ機構を、一体的に
    構成された1つの接続構造体として前記親シールド掘進
    機のシールド本体内に内蔵させたことを特徴とする親子
    シールド掘進装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の親子シールド掘進装置にお
    いて、前記子シールド掘進機の前記中折れ機構は、前記
    親シールド掘進機のシールド本体の内周部に形成され
    た、略円環状の第1空間に収納されていることを特徴と
    する親子シールド掘進装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の親子シールド掘進装置にお
    いて、前記子シールド掘進機の前記複数個の胴部のうち
    掘進方向最前側に位置する前胴部のさらに最前端にある
    フード部を、一体的に構成された1つの略円筒状構造体
    として前記親シールド掘進機のシールド本体内に内蔵さ
    せたことを特徴とする親子シールド掘進装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の親子シールド掘進装置にお
    いて、前記子シールド掘進機の前記フード部は、前記親
    シールド掘進機のシールド本体の内周部に形成された、
    略円環状の第2空間に収納されていることを特徴とする
    親子シールド掘進装置。
  5. 【請求項5】請求項1又は3記載の親子シールド掘進装
    置において、前記中折れ機構は、連結する2つの胴部の
    うち一方側の胴部の端部に設けられた摺動部と、他方側
    の胴部の端部に設けられ前記摺動面に摺接するシール部
    とを備えていることを特徴とする親子シールド掘進装
    置。
  6. 【請求項6】相対的に大径断面のトンネルを親シールド
    掘進機で掘削した後、その親シールド掘進機から発進さ
    せた子シールド掘進機で相対的に小径断面のトンネルを
    掘削するシールド掘進方法において、 予め、子シールド掘進機のシールド本体を形成する複数
    個の胴部を互いに摺動可能に連結する中折れ機構を、一
    体的に構成された1つの接続構造体として前記親シール
    ド掘進機のシールド本体内に内蔵させておき、 この内蔵した状態で前記大径断面のトンネルの掘削を行
    い、 前記親シールド掘進機から前記子シールド掘進機への掘
    削切換時に、前記子シールド掘進機のシールド本体のう
    ち少なくとも一部を、機外から分割パーツの状態で前記
    親シールド掘進機のシールド本体内に搬入し、 この搬入した分割パーツを前記中折れ機構と順次結合さ
    せて前記子シールド掘進機のシールド本体を組み立てた
    後、前記子シールド掘進機を前記親シールド掘進機から
    発進させ、前記小径断面のトンネルの掘削を行うことを
    特徴とするシールド掘進方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011074752A (ja) * 2009-09-04 2011-04-14 Itochu Construction Machinery Co Ltd 掘進機

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