JP3924197B2 - 多段式トンネル掘削機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地盤を掘削してトンネルを構築するシールド掘削機やトンネルボーリングマシンなどに適用され、一台で径の異なるトンネルを連続して掘削可能な多段式トンネル掘削機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的なトンネル掘削機において、円筒形状をなす掘削機本体の前部にカッタヘッドが駆動モータにより駆動回転自在に装着される一方、後部に複数のシールドジャッキが円周方向に並設されており、このシールドジャッキを伸長して既設セグメントへの押し付け反力により掘削機本体を前進することができる。また、掘削機本体の後部にはエレクタ装置が装着されており、このエレクタ装置はシールドジャッキによって前進した掘削機本体と既設セグメントとの間の空所に新しいセグメントを装着することで、セグメントをリング状に組み付けてトンネルを構築することができる。
【0003】
ところで、下水道用のトンネルは下水の流量に応じてその内径が設定されており、一般に上流は小径であって、下流にいく程大径に移行するものとなっている。このような途中で内径の異なるトンネルを掘削する場合、親子トンネル掘削機を用いてトンネル工事を行う。
【0004】
例えば、特開平9−13873号公報に開示された中折れ式親子シールド掘進機にあっては、親シールドの前胴部に子シールドの前胴部を格納すると共に、親シールドの後胴部に子シールドの後胴部を格納し、これら親子シールド中折れ中心点を同一位置とし、中折れジャッキにより前胴部と前胴部を中折れ可能としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の親子シールド掘進機では、親シールドにおける前胴部の後端と後胴部の前端を球面軸受により中折れ可能に連結すると共に、子シールドにおける前胴部の後端と後胴部の前端を球面軸受により中折れ可能に連結しており、嵌合するシールド(胴)の数だけ球面軸受が必要となる構造となっており、構造が複雑化してしまうという問題がある。また、近年、親子シールド掘進機のような2段式ではなく、3段以上のシールド掘進機を用いて内径が3段以上変化するトンネルの掘削工事が増加してきており、3段式シールド掘進機では、3つの球面軸受が必要となり、更に構造が複雑化してしまう。
という問題がある。
【0006】
本発明はこのような問題を解決するものであって、装置の小型軽量化並びに製造コストの低減を図ると共に、途中で径が変化するトンネルを容易に掘削可能とした多段式トンネル掘削機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するための請求項1の発明の多段式トンネル掘削機は、前胴と後胴とが屈曲手段により屈曲自在に連結された第1掘削機本体と、前記後胴の外周部に相対移動自在に嵌合する第2掘削機本体と、前記後胴と前記第2掘削機本体を連結するロック機構と、前記第1掘削機本体を前進させる推進ジャッキと、前記第1掘削機本体の前部に駆動回転可能に装着されて掘削径を変更可能なカッタヘッドとを具えたことを特徴とするものである。
【0008】
従って、推進ジャッキにより第1、第2掘削機本体が同時に掘進し、回転するカッタヘッドによりトンネルを掘削可能であり、第1、第2掘削機本体が所定の掘進位置で一つの屈曲手段により屈曲可能である。この場合、掘削機本体は2つだけでなく3つ以上設けてもよく、前胴と後胴だけではなくその間に中胴を屈曲自在に設けてもよい。
【0009】
請求項2の発明の多段式トンネル掘削機では、前記屈曲手段は、前記前胴の後端部と前記後胴の前端部とを連結する球面軸受と、前記前胴と前記後胴との間に架設された屈曲ジャッキとを有することを特徴としている。
【0010】
請求項3の発明の多段式トンネル掘削機では、前記前胴から径方向外方に突出可能な張出部を有するグリッパ手段を設けたことを特徴としている。
【0011】
即ち、第1掘削機本体の後胴の外周部に第2掘削機本体が嵌合する構造であり、掘進中は第1掘削機本体の前胴の外周面と掘削壁面との間に空洞部が位置することとなるため、この空洞部に対してグリッパ手段により張出部を突出することで、掘削壁面を支持する。この場合、張出部を前胴の周方向に沿って複数設けて独立移動自在とすることで、上部の張出部は掘削壁面の滑落を防止でき、下部及び側部の張出部は掘削機本体の掘進方向を規制できる。
【0012】
請求項4の発明の多段式トンネル掘削機では、前記グリッパ手段の張出部は、前記前胴の周方向に沿って複数並設されそれぞれ独立して移動自在としたことを特徴としている。
【0013】
請求項5の発明の多段式トンネル掘削機では、前記グリッパ手段の張出部は、トンネル掘削機の長手方向におけるほぼ重心位置に設けられたことを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
図1に本発明の第1実施形態に係る多段式トンネル掘削機としての泥水式シールド掘削機の概略断面、図2にシールド掘削機の正面視を示す。
【0016】
本実施形態の泥水式シールド掘削機において、図1及び図2に示すように、第1掘削機本体11は円筒形状をなし、前胴12の後端部が後胴13の前端部に取付けられた球面軸受(屈曲手段)14に嵌合することで、ほぼ同径の前胴12と後胴13とが屈曲自在に連結されている。第2掘削機本体15は第1掘削機本体11よりもやや大径の円筒形状をなし、後胴13の外周部に前後のシールリング16を介して相対移動自在に嵌合している。第3掘削機本体17は第2掘削機本体15よりもやや大径の円筒形状をなし、第2掘削機本体15の外周部に前後のシールリング18を介して相対移動自在に嵌合している。
【0017】
そして、第1掘削機本体11にて、前胴12の後端部に固定された前胴連結部19と後胴13の前端部に固定された後胴連結部20とが連結軸21により連結されることで、前胴12と後胴13及び第2、第3掘削機本体15,17とがそれぞれ一体に屈曲自在となっている。また、前胴12と後胴13との間には複数の複数の中折ジャッキ(屈曲手段、屈曲ジャッキ)22が介装されており、この中折ジャッキ22の伸縮動作により前胴12と後胴13及び第2、第3掘削機本体15,17とを屈曲させることができる。
【0018】
第1掘削機本体11における前胴12の前部にはバルクヘッド23が形成され、このバルクヘッド23には各掘削機本体11,15,17の中心に位置する回転軸(図示略)によりカッタヘッド24が回転自在に支持されており、回転軸の後部にはリングギヤ25が固定され、前胴12に取付けられた複数の駆動モータ26の駆動ギヤ27がこのリングギヤ25に噛み合っている。従って、駆動モータ26を駆動することで、駆動ギヤ27と噛み合うリングギヤ25を介してカッタヘッド24を回転することができる。
【0019】
このカッタヘッド24は、中心部から4つのカッタスポーク28が放射方向に延出されると共に、この間に扇形状をなす4つの面板29が取付けられてなり、各カッタスポーク29に多数の先行ビット30及びカッタビット31が取付けられ、各面板29に補助ビット32が取付けられている。そして、各カッタスポーク28の先端部には伸縮スポーク33が径方向に沿って移動自在に装着され、伸縮ジャッキ34により伸縮可能となっており、伸縮スポーク33に先行ビット35及びカッタビット36が取付けられている。また、2つの伸縮スポーク33の先端部にはコピーカッタ37が油圧ジャッキ38により出没可能となっている。なお、カッタヘッド24は4つのカッタスポーク28及び面板29から構造に限定されるものではない。
【0020】
また、各掘削機本体11,15,17が一体となって掘進できるように、後胴13と第2、第3掘削機本体15,17を連結する連結板(ロック機構)39,40が設けられている。この連結板39は後胴13と第2掘削機本体15の各後端部を一体に連結し、連結板40は第2、第3掘削機本体15,17の後端部を一体に連結するものである。
【0021】
更に、カッタヘッド24と前胴12のバルクヘッド23との間には掘削土砂を取り込むチャンバ41が設けられている。そして、このチャンバ41には一端が第1掘削機本体11の後方に延設された送泥管42及び排泥管43の他端が開口している。
【0022】
一方、掘削機本体11には球面軸受14の内周側に位置して複数のシールドジャッキ(推進ジャッキ)44が周方向に沿って並設され、支持壁45に取付けられており、所定量偏心したクランク部材46を介してスプレッダ47が装着されている。このシールドジャッキ44は伸長してスプレッダ47をトンネル内周面に組付けられた既設セグメントSに押し付けることで、その反力により掘削機本体11,15,17を前進させることができる。また、支持壁45には駆動モータ48により旋回リング49が旋回自在に支持されており、この旋回リング49にはエレクタ装置50が搭載されている。このエレクタ装置50はセグメントSを把持し、既設トンネルの周方向及び径方向に移動することで、このセグメントSを所定の位置に組み付けることができる。
【0023】
ここで、上述した本実施形態のシールド掘削機によるトンネル掘削作業について説明する。
【0024】
本実施形態では、まず、第3掘削機本体17の外径に対応した大径トンネルを所定長さ掘削し、次に、第2掘削機本体15の外径に対応した中径トンネルを所定長さ掘削し、最後に、第1掘削機本体11の外径に対応した小径トンネルを所定長さ掘削する。そのため、掘削を開始する前に、連結板39,40により各掘削機本体11,15,17を一体に連結すると共に、伸縮ジャッキ34を伸長して伸縮スポーク33を突出させておく。
【0025】
この状態で、まず、駆動モータ26によってカッタヘッド24を回転しながら複数のシールドジャッキ44を伸長して既設セグメントSへの押し付け反力によって各掘削機本体11,15,17を一体に前進させる。すると、カッタヘッド24が前方の地盤を掘削し、第3掘削機本体17とほぼ同径の大径トンネルを掘削することができる。そして、カッタヘッド24により掘削された土砂はチャンバ41内の取り込まれ、送泥管42からの泥水と共に攪拌されて排泥管43により外部に排出される。次に、シールドジャッキ44の何れか一つを縮み方向に作動して既設セグメントSとの間に空所を形成し、エレクタ装置50によりこの空所に新しいセグメントSを装着する。
【0026】
このトンネル掘削作業時に、中折ジャッキ22を伸縮作動することで、第1掘削機本体11の後胴13及び第2、第3掘削機本体15,17に対して前胴12を屈曲させ、第1掘削機本体11の前胴12をトンネル掘削予定進路に応じて掘進させることができる。
【0027】
この作業の繰り返しにより大径トンネルを所定長さ構築すると、カッタヘッド24の回転を停止すると共に各掘削機本体11,15,17を停止する。ここで、連結板39を取り外して第2掘削機本体15と第3掘削機本体17の連結を解除し、伸縮ジャッキ34を第2掘削機本体15の外径に合わせて若干収縮して伸縮スポーク33を内方に移動させる。また、第3掘削機本体17と既設セグメントSとを連結する一方、エレクタ装置50により第2掘削機本体15の外径に応じた中径のセグメントをリング状に組み付ける。更に、第2掘削機本体15の後端部に図示しないテールリング及びテールシールを装着すると共に、シールドジャッキ44のスプレッダ47を交換する。
【0028】
この状態で、前述同様に、カッタヘッド24を回転しながら各シールドジャッキ44を伸長すると、中径の既設セグメントSへの押し付け反力によって第1、第2掘削機本体11,15のみが一体に前進し、既設セグメントSに連結された第3掘削機本体17がその位置に置き去りにされる。従って、カッタヘッド24が前方の地盤を掘削し、第2掘削機本体15とほぼ同径の中径トンネルを大径トンネルに連続して掘削することができる。
【0029】
この作業の繰り返しにより中径トンネルを所定長さ構築すると、カッタヘッド24及び掘削機本体11,15を停止する。そして、連結板40を取り外して後胴13と第2掘削機本体15の連結を解除し、伸縮ジャッキ34を第1掘削機本体11の外径に合わせて収縮して伸縮スポーク33を内方に移動させる。また、第2掘削機本体15と既設セグメントSとを連結する一方、エレクタ装置50により第1掘削機本体11の外径に応じた小径のセグメントをリング状に組み付ける。更に、後胴13の後端部に図示しないテールリング及びテールシールを装着すると共に、シールドジャッキ44のスプレッダ47を交換する。
【0030】
この状態で、前述同様に、カッタヘッド30を回転しながら各シールドジャッキ65を伸長すると、小径の既設セグメントSへの押し付け反力によって第1掘削機本体11のみが一体に前進し、既設セグメントSに連結された第2掘削機本体15がその位置に置き去りにされる。従って、カッタヘッド30が前方の地盤を掘削し、第1掘削機本体11とほぼ同径の小径トンネルを中径トンネルに連続して掘削することができる。
【0031】
このように本実施形態のシールド掘削機にあっては、前胴12と後胴13とを球面軸受14により屈曲自在に連結して第1掘削機本体11を構成し、後胴13の外周部に第2掘削機本体15を嵌合し、第2掘削機本体15の外周部に第3掘削機本体17を嵌合し、前胴12と後胴13との間に中折ジャッキ22を介装することで、この中折ジャッキ22の伸縮動作により第1掘削機本体11の前胴12と後胴13及び第2、第3掘削機本体15,17とを球面軸受14により一体に屈曲可能としている。
【0032】
従って、3段の掘削機本体11,15,17を一つの球面軸受14と中折ジャッキ22により一体に屈曲可能となり、構造の簡素化を図ることができる。そして、第1掘削機本体11の前胴12の外周部には第2、第3掘削機本体15,17の前胴が存在しないため、通常の屈曲動作に支障をきたすことなく、第3掘削機本体17から第1、第2掘削機本体11,15を、また、第2掘削機本体15から第1掘削機本体11を容易に離脱させることができ、径の変化する3段のトンネルを適正に掘削することができる。
【0033】
図3に本発明の第2実施形態に係る多段式トンネル掘削機としての泥水式シールド掘削機の概略断面、図4に図3のIV−IV断面を示す。なお、前述した実施形態で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0034】
第2実施形態の泥水式シールド掘削機では、図3及び図4に示すように、第1掘削機本体11の後胴13の外周部に第2、第3掘削機本体15,17が嵌合する構造であり、掘進中は第1掘削機本体11の前胴12の外周面と掘削壁面との間に空洞部が形成されることとなる。掘削地盤が岩盤などの硬質地盤でないときには、地盤の滑落や崩落が発生するおそれがあるため、この空洞部に対して張出部を突出して掘削壁面を支持するグリッパ手段51がシールド掘削機の長手方向におけるほぼ重心位置に設けられている。
【0035】
このグリッパ手段51において、第1掘削機本体11の前胴12にはバルクヘッド23の後方に矩形をなす貫通孔52,53,54,55が周方向に沿って上下左右に位置して形成され、各貫通孔52,53,54,55には張出部56,57,58,59が径方向移動自在に嵌合している。この張出部56,57,58,59は外周面が前胴12の外周面と連続するような円弧形状をなし、貫通孔52,53,54,55との間には図示しないシール機能が作用することで、前胴12内に泥水や泥土などが浸入しない構造となっている。
【0036】
また、前胴12のバルクヘッド23にはその後部に支持筒60が固定されており、この支持筒60の外周部には4つの取付部61が取付けられており、各取付部61と張出部56,57,58,59との間には張出ジャッキ62,63,64,65が架設されている。
【0037】
従って、各張出ジャッキ62,63,64,65を収縮すると、各張出部56,57,58,59が前胴12内に引き込まれ、外周面が前胴12の外周面と凹凸なく連続して円筒形状を形成することができる一方、各張出ジャッキ62,63,64,65を伸長すると、各張出部56,57,58,59が前胴12から外方に押し出され、外周面が第2掘削機本体15、あるいは第3掘削機本体17の外周面とほぼ同位置に位置することができる。
【0038】
即ち、各張出ジャッキ62,63,64,65を伸長して各張出部56,57,58,59を第3掘削機本体17の外周面とほぼ同位置に位置させた状態で、カッタヘッド24を回転しながら各シールドジャッキ44を伸長して掘削機本体11,15,17を一体に前進させると、カッタヘッド24が前方の地盤を掘削し、第3掘削機本体17とほぼ同径の大径トンネルを掘削することができる。
【0039】
このとき、カッタヘッド24が掘削したトンネル径よりも前胴12の外径が小さいため、前胴12の外周面と掘削壁面との間に空洞部が形成されるが、この空洞部に張出部56,57,58,59が位置することで、地盤の滑落や崩落を未然に防止できると共に、各掘削機本体11,15,17の姿勢を適正に維持できる。実際には、上部の張出部56が地盤の滑落や崩落を防止し、下部の張出部59が掘削機本体11,15,17のピッチングを防止し、左右の張出部57,58が掘削機本体11,15,17のヨーイングを防止する。また、この張出部56,57,58,59がシールド掘削機の長手方向におけるほぼ重心位置に設けられているため、その自重がシールド掘削機の姿勢に悪影響を及ぼすことはない。この場合、張出ジャッキ62,63,64,65により張出部56,57,58,59を独立して出没させることができ、地盤の形態や掘進形態(屈曲時)等により一つ、あるいは必要な張出部56,57,58,59のみを張り出すようにすることもできる。
【0040】
そして、大径トンネルを所定長さ構築すると、カッタヘッド24の回転を停止すると共に各掘削機本体11,15,17を停止し、第2掘削機本体15の外径に合わせて伸縮スポーク33を内方に移動させると共に、各張出ジャッキ62,63,64,65を収縮し、各張出部56,57,58,59を第2掘削機本体15の外周面とほぼ同位置に位置させる。この状態で、カッタヘッド24を回転しながらシールドジャッキ44を伸長すると、第1、第2掘削機本体11,15のみが一体に前進し、既設セグメントSに連結された第3掘削機本体17がその位置に置き去りにされ、第2掘削機本体15とほぼ同径の中径トンネルを大径トンネルに連続して掘削することができる。
【0041】
この作業の繰り返しにより中径トンネルを所定長さ構築すると、カッタヘッド24の回転を停止すると共に各掘削機本体11,15を停止し、第1掘削機本体15の外径に合わせて伸縮スポーク33を内方に移動させると共に、各張出ジャッキ62,63,64,65を収縮し、各張出部56,57,58,59を第1掘削機本体11の外周面とほぼ同位置に位置させる。この状態で、カッタヘッド24を回転しながらシールドジャッキ44を伸長すると、第1掘削機本体15のみが前進し、既設セグメントSに連結された第2掘削機本体15がその位置に置き去りにされ、第1掘削機本体11とほぼ同径の小径トンネルを中径トンネルに連続して掘削することができる。
【0042】
このように本実施形態のシールド掘削機にあっては、前胴12と後胴13とを球面軸受14により屈曲自在に連結して第1掘削機本体11を構成し、後胴13の外周部に第2掘削機本体15を嵌合し、第2掘削機本体15の外周部に第3掘削機本体17を嵌合し、前胴12と後胴13との間に中折ジャッキ22を介装すると共に、張出部56,57,58,59を張出ジャッキ62,63,64,65により外方に張り出し可能なグリッパ手段51をシールド掘削機の重心位置に位置するように前胴12に設けている。
【0043】
従って、掘削時に、上部の張出部56が前胴12の上方に突出することで、地盤の滑落や崩落を防止することができ、下部の張出部59が前胴12の下方に突出することで、掘削機本体11,15,17のピッチングを防止することができ、左右の張出部57,58が前胴12の側方に突出することで、掘削機本体11,15,17のヨーイングを防止することができ、シールド掘削機を安定して掘進させることができる。
【0044】
なお、上述の実施形態では、グリッパ手段51として、第1掘削機本体11の前胴12に上下左右に位置して4つの張出部56,57,58,59を設けたが、その数は4つに限定されるものではなく、必要な1つの張出部であってもよく、5個以上に分割してもよい。また、前胴12の長手方における一部ではなく、全長にわたって設けてもよい。
【0045】
また、上述した各実施形態では、シールド掘削機を3つの第1、第2、第3掘削機本体11,15,17により構成したが、2つでも、また、4つ以上であってもよい。また、掘削機本体を前胴、中胴、後胴により構成してもよい。
【0046】
更に、上述の実施形態では、本発明の多段式トンネル掘削機を泥水式シールド掘削機として説明したが、土圧式シールド掘削機としてもよく、この場合、排土装置としてスクリューコンベヤを用いればよい。
【0047】
【発明の効果】
以上、実施形態において詳細に説明したように請求項1の発明の多段式トンネル掘削機によれば、前胴と後胴とを屈曲手段により屈曲自在に連結して第1掘削機本体を構成すると共に、後胴の外周部に第2掘削機本体を相対移動自在に嵌合し、第1掘削機本体の後胴と第2掘削機本体とをロック機構により連結可能とし、第1掘削機本体を前進させる推進ジャッキを設けると共に、第1掘削機本体の前部に掘削径を変更可能なカッタヘッドを駆動回転可能に装着したので、複数の掘削機本体を一つの屈曲手段により一体に屈曲可することができ、構造の簡素化、装置の小型軽量化、低コスト化することができると共に、途中で径が変化するトンネルを容易に掘削することができる。
【0048】
請求項2の発明の多段式トンネル掘削機によれば、屈曲手段を、前胴の後端部と後胴の前端部とを連結する球面軸受と、前胴と後胴との間に架設された屈曲ジャッキとで構成したので、構造の簡素化を図ることができる。
【0049】
請求項3の発明の多段式トンネル掘削機によれば、前胴から径方向外方に突出可能な張出部を有するグリッパ手段を設けたので、掘進中にて、地盤の滑落や崩落を未然に防止することができると共に、掘削機本体の姿勢を適正に維持することができる。
【0050】
請求項4の発明の多段式トンネル掘削機によれば、グリッパ手段の張出部を前胴の周方向に沿って複数並設してそれぞれ独立して移動自在としたので、上部の張出部は地盤の滑落や崩落を防止することができ、下部の張出部は掘削機本体のピッチングを防止することができ、左右の張出部は掘削機本体のヨーイングを防止することができる。
【0051】
請求項5の発明の多段式トンネル掘削機によれば、グリッパ手段の張出部をトンネル掘削機の長手方向におけるほぼ重心位置に設けたので、グリッパ手段の自重がトンネル掘削機の姿勢に悪影響を及ぼすことはなく、安定して掘進作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る多段式トンネル掘削機としての泥水式シールド掘削機の概略断面図である。
【図2】シールド掘削機の正面図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る多段式トンネル掘削機としての泥水式シールド掘削機の概略断面図である。
【図4】図3のIV−IV断面図である。
【符号の説明】
11 第1掘削機本体
12 前胴
13 後胴
14 球面軸受(屈曲手段)
15 第2掘削機本体
17 第3掘削機本体
22 中折ジャッキ(屈曲手段、屈曲ジャッキ)
24 カッタヘッド
39,40 連結板(ロック機構)
44 シールドジャッキ(推進ジャッキ)
50 エレクタ装置
51 グリッパ手段
52,53,54,55 貫通孔
56,57,58,59 張出部
62,63,64,65 張出ジャッキ

Claims (5)

  1. 前胴と後胴とが屈曲手段により屈曲自在に連結された第1掘削機本体と、前記後胴の外周部に相対移動自在に嵌合する第2掘削機本体と、前記後胴と前記第2掘削機本体を連結するロック機構と、前記第1掘削機本体を前進させる推進ジャッキと、前記第1掘削機本体の前部に駆動回転可能に装着されて掘削径を変更可能なカッタヘッドとを具えたことを特徴とする多段式トンネル掘削機。
  2. 請求項1記載の多段式トンネル掘削機において、前記屈曲手段は、前記前胴の後端部と前記後胴の前端部とを連結する球面軸受と、前記前胴と前記後胴との間に架設された屈曲ジャッキとを有することを特徴とする多段式トンネル掘削機。
  3. 請求項1記載の多段式トンネル掘削機において、前記前胴から径方向外方に突出可能な張出部を有するグリッパ手段を設けたことを特徴とする多段式トンネル掘削機。
  4. 請求項3記載の多段式トンネル掘削機において、前記グリッパ手段の張出部は前記前胴の周方向に沿って複数並設され、それぞれ独立して移動自在としたことを特徴とする多段式トンネル掘削機。
  5. 請求項3記載の多段式トンネル掘削機において、前記グリッパ手段の張出部は、トンネル掘削機の長手方向におけるほぼ重心位置に設けられたことを特徴とする多段式トンネル掘削機。
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