JP2023106012A - トンネル掘削機及びトンネル掘削方法 - Google Patents

トンネル掘削機及びトンネル掘削方法 Download PDF

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雅章 笠川
Masaaki Kasakawa
友幸 鈴木
Tomoyuki Suzuki
敏之 豊田
Toshiyuki Toyoda
晃洋 重永
Akihiro Shigenaga
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Abstract

【課題】トンネル掘削機を容易に後退させる。【解決手段】トンネル掘削機100は、トンネルTの軸方向に沿って延在する胴体10と、胴体10の前方において回転駆動される掘削部20と、軸方向に直交する方向に拡縮可能なグリッパ部40と、胴体10を支持するとともに、グリッパ部40を支持する支持体30と、一端がグリッパ部40に接続され他端が支持体30に接続される推進ジャッキ50と、を備え、胴体10は、掘削部20側に設けられる前方筒部11と、グリッパ部40側に設けられる後方筒部13と、を有し、後方筒部13の外周縁14は、軸方向に直交する面での断面視において、前方筒部11の外周縁12よりもトンネルTの径方向内側に位置する。【選択図】図3

Description

本発明は、トンネル掘削機及びトンネル掘削方法に関する。
特許文献1には、坑壁または覆工体から推進反力を得ることによって地中を掘削してトンネルを構築するトンネル掘削機(TBM:Tunnel Boring Machine)が開示されている。
特開平10-220181号公報
特許文献1に記載されるようなトンネル掘削機によってトンネルを掘削する際に、軟弱地盤などの不良地山に遭遇した場合、地山の改良等の作業を行うために、切羽からトンネル掘削機を一旦後退させて、カッタヘッドの前方に作業用のスペースを確保する必要が生じる。しかしながら、掘削坑の内壁に吹付コンクリートや型鋼といった支保工材が設置されると、掘削坑の内径が掘削時よりも小さくなり、トンネル掘削機を後退させようとしても支保工材と干渉してしまうため、支保工材を撤去しない限りトンネル掘削機を後退させることが不可能となる。このため、不良地山を突破するのに要する時間が長くなり、結果として、トンネルを施工する期間が長引くおそれがある。
本発明は、トンネル掘削機を容易に後退させることを目的とする。
本発明は、地中を掘削してトンネルを構築するトンネル掘削機であって、トンネルの軸方向に沿って延在する筒状の胴体と、胴体の前方において回転駆動される掘削部と、胴体の後方に配置され、軸方向に直交する方向に拡縮可能なグリッパ部と、胴体を支持するとともに、グリッパ部を軸方向に沿って移動可能に支持する支持体と、一端がグリッパ部に接続され他端が支持体に接続される推進ジャッキと、を備え、胴体は、掘削部側に設けられる前方筒部と、グリッパ部側に設けられる後方筒部と、を有し、後方筒部の外周縁は、軸方向に直交する面での断面視において、前方筒部の外周縁よりもトンネルの径方向内側に位置する。
本発明によれば、トンネル掘削機を容易に後退させることができる。
本発明の実施形態に係るトンネル掘削機の構成を上方から見た上面図である。 本発明の実施形態に係るトンネル掘削機によるトンネルの構築方法について説明するための図である。 図1のA部を拡大して示した拡大図である。 図1のB-B線に沿う断面を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るトンネル掘削機の後退工程について説明するための図である。 トンネル掘削機の第1変形例を示す図であり、図3に相当する断面を示す断面図である。 トンネル掘削機の第2変形例を示す図であり、図4に相当する断面を示す断面図である。 トンネル掘削機の第3変形例を示す図であり、図3に相当する断面を示す断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係るトンネル掘削機について説明する。
トンネル掘削機100は、地中(地山)を掘進して掘削坑101を形成し、掘削坑101の内壁に吹付コンクリートや型鋼といった支保工材を順次設けることによって、トンネルTを構築するものである。図1は、トンネル掘削機100の概略構成を上方から見た上面図であり、部分的に断面によって示している。なお、以下では、トンネル掘削機100が進む方向である切羽側を「前方」とし、その反対の方向である坑口側を「後方」とし、切羽に向かって右側を「右方」、左側を「左方」とし、鉛直方向上側を「上方」、鉛直方向下側を「下方」として説明する。
図1に示すように、トンネル掘削機100は、掘削坑101の壁面から得た反力によって掘進するTBM(Tunnel Boring Machine)であって、トンネルTの軸方向に沿って延在する筒状の胴体10と、胴体10の前方において回転駆動される掘削部20と、胴体10の後方に配置されトンネルTの軸方向に直交する方向に拡縮可能なグリッパ部40と、胴体10を支持するとともにグリッパ部40をトンネルTの軸方向に沿って移動可能に支持する支持体30と、一端がグリッパ部40に接続され他端が支持体30に接続される推進ジャッキ50と、を備えた、いわゆるオープン型TBMである。
支持体30は、トンネルTの軸方向に沿って前後方向に延びるメインビーム31と、メインビーム31の前方において径方向外側に向かって設けられた支持ブラケット32と、を有する。メインビーム31と支持ブラケット32は壁面から得る反力を掘削部20に伝達可能に接続されている。
支持ブラケット32は、胴体10を支持するとともに、ベアリング22を介して掘削部20を回転自在に支持している。また、支持ブラケット32は、掘削部20を回転駆動させる複数の電動モータ24を支持している。
掘削部20は、回転軸C1を中心として電動モータ24によって回転駆動されることにより、地山を掘削する円盤状のカッタヘッドである。掘削部20の切羽に対向する面には、図示しない複数のディスクカッタが所定の間隔で分散配置され、外周縁には、切羽下方に溜まった掘削土砂を掻き集めて内部へと取り込む図示しない複数のスクレーパ及び取込口が設けられる。なお、掘削部20の回転中心である回転軸C1は、胴体10の中心軸とほぼ一致している。
掘削部20を通じて内部に取り込まれた掘削土砂は、トンネル掘削機100の内部前方に設けられたホッパ33によって受け取られた後、図示しない排土コンベアによって、後方へと搬出される。
グリッパ部40は、掘削坑101の壁面から推進反力を得るための機構であり、メインビーム31に沿って摺動可能なキャリア部41と、キャリア部41に設けられたグリッパジャッキ42と、グリッパジャッキ42の伸長に応じて掘削坑101の側壁面に押し付けられるグリッパシュー43と、を有する。グリッパジャッキ42及びグリッパシュー43は、キャリア部41の左右両側に配置されており、キャリア部41を中心として、トンネルTの軸方向に直交する方向に沿って拡張及び縮小可能な構成となっている。
推進ジャッキ50は、シリンダ部51とロッド部52とを有する油圧ジャッキであり、メインビーム31を挟んで左右両側に対称的に配置される。各推進ジャッキ50のロッド部52は、グリッパ部40のブラケットに自在継手を介して固定され、シリンダ部51は、支持ブラケット32とグリッパ部40との間においてメインビーム31のブラケットに自在継手を介して固定される。
このようにグリッパ部40とメインビーム31とを連結するように配置された推進ジャッキ50が伸縮することにより、グリッパ部40に対する胴体10及び掘削部20の相対位置が変化する。換言すれば、グリッパ部40が掘削坑101に対して固定されていれば、推進ジャッキ50を伸縮させることによって、胴体10及び掘削部20を支持体30とともにトンネルTの軸方向に沿って前後方向に移動させることが可能である。
また、メインビーム31の後方には、メインビーム31を鉛直方向において支持可能なリヤサポート部60が設けられる。
リヤサポート部60は、メインビーム31に固定された本体部61と、本体部61に設けられ鉛直方向に沿って伸縮するジャッキ62と、ジャッキ62が伸長することにより掘削坑101の底面に押し付けられるシュー63と、を有する。
また、推進ジャッキ50と支持ブラケット32との間には、支保工材としてH形鋼やT形鋼といった型鋼80を掘削坑101の内壁面に沿って組み付けるエレクタ部70が設けられる。エレクタ部70は、円弧状に形成された型鋼80を所定の位置へと設置する多関節ロボット71と、多関節ロボット71を掘削坑101の内周面に沿って周方向に移動可能に支持する環状のレール72と、を有する。レール72は、図示しないブラケットを介してメインビーム31に固定される。
また、トンネル掘削機100内には、軟弱地盤などの不良地山に遭遇した際に、地山の補強や掘削を行う補助作業機として、図示しない削孔機やバケット掘削機が収容されている。これらの補助作業機を切羽へ向けて移動させるために、掘削部20には、補助作業機が通過可能な図示しない開閉ゲートが設けられている。
また、トンネル掘削機100の後方には、トンネル掘削機100の掘進に追従して移動する図示しない複数の後続台車が連結される。後続台車には、トンネル掘削機100の作動を制御する制御装置や油圧供給装置、電力供給装置、排土装置、支保工材運搬装置が搭載されている。
次に、上記構成のトンネル掘削機100によって行われるトンネルTの構築方法について、図1及び図2を参照して説明する。
まず、図1に示されるように、推進ジャッキ50が収縮した状態において、グリッパ部40のグリッパジャッキ42を伸長させて、グリッパシュー43をトンネルTの軸方向に直交する方向へと張り出す。また、これに併せてリヤサポート部60のジャッキ62を収縮させる。
グリッパシュー43が所定の荷重で掘削坑101の側壁面に押し付けられ、グリッパ部40が掘削坑101に対して固定された状態となると、電動モータ24によって掘削部20を回転駆動させるとともに、推進ジャッキ50を徐々に伸長させる。
このように掘削部20を推進させるための推進反力がグリッパ部40から得られる状態において、推進ジャッキ50を所定の長さまで伸長させることによって、掘削部20により地山が所定の長さに渡って掘削される(掘進工程)。
図2に示されるように、推進ジャッキ50が所定の長さまで伸長すると、掘削部20の回転を停止し、掘進によって胴体10の後方に露出した掘削坑101の壁面にエレクタ部70によって型鋼80(支保工材)が取り付けられる(支保工程)。
型鋼80の取り付けが完了すると、グリッパ部40のグリッパジャッキ42を収縮し、グリッパシュー43を掘削坑101の側壁面から離す。このように掘削坑101の側壁面からグリッパシュー43が離れることによって、グリッパ部40は、メインビーム31に沿って移動可能な状態となる。
これに併せて、グリッパ部40をメインビーム31に沿って円滑に移動させるために、リヤサポート部60のジャッキ62を伸長させ、メインビーム31の端部が掘削坑101の底面に支持された状態とする。
このような状態において推進ジャッキ50を収縮させると、グリッパ部40は掘削部20側へと引き寄せられ、再び図1に示されるような状態となる(グリッパ盛替え工程)。
そして、グリッパ盛替え工程が完了すると、再びグリッパ部40のグリッパジャッキ42を伸長させることによって、上述の掘進工程が開始される。このように掘進工程、支保工程及びグリッパ盛替え工程を順に繰り返すことによってトンネルTが構築される。
このようにトンネル掘削機100によってトンネルTを構築する際に、軟弱地盤などの不良地山に遭遇した場合、地山の改良等の作業を行うために、切羽からトンネル掘削機100を一旦後退させて、掘削部20の前方に作業用のスペースを確保し、例えば上述の補助作業機によって、地山の補強や掘削を行う必要がある。
ここで、トンネル掘削機100の胴体10が単なる筒状体であった場合、トンネル掘削機100を後退させようとしても、上述の支保工程において掘削坑101の壁面に取り付けられた型鋼80と胴体10とが干渉してしまう。このような干渉を避けるために、トンネル掘削機100を後退させる前と後退した後に再度前進させる際に、胴体10の形態を切り替える構成とすると、作業工程が増え、不良地山を突破するのに要する時間が長くなり、結果として、トンネルTを施工する期間が長引いてしまう。
このような課題を解決するために、本実施形態では、トンネル掘削機100の胴体10の形状を、型鋼80(支保工材)との干渉を回避可能な形状としている。
具体的には、トンネル掘削機100の胴体10は、図3及び図4に示すように、掘削部20側に設けられる前方筒部11と、グリッパ部40側に設けられる後方筒部13と、を有し、後方筒部13の外周縁14は、トンネルTの軸方向に直交する面での断面視において、前方筒部11の外周縁12よりもトンネルTの径方向内側に位置している。つまり、前方筒部11の外周縁12と後方筒部13の外周縁14との間には、所定の大きさの段差Hが設けられている。図3は、図1のA部を拡大して示した拡大図であり、図4は、図1のB-B線に沿う断面を示す断面図である。なお、図4では、胴体10の鉛直方向上方を上側にして示している。また、図3及び図4では、胴体10以外の部分を省略して示している。
前方筒部11の外周縁12と後方筒部13の外周縁14とは、前方筒部11の外周縁12と後方筒部13の外周縁14との間に所定の大きさの段差Hを生じさせる段部15を介して接続されている。つまり、前方筒部11と後方筒部13とは、一体的な構造となっている。
なお、段部15は、図3に示されるように、傾斜しているものに限定されず、前方筒部11の外周縁12及び後方筒部13の外周縁14に対して直交していてもよい。また、胴体10は、前方筒部11の部分のみが支持ブラケット32により支持されていてもよいし、前方筒部11及び後方筒部13の両方が支持ブラケット32により支持されていてもよい。
段差Hの大きさは、後方筒部13の外周縁14と掘削坑101の内壁面との間の隙間Gとほぼ同じ大きさであり、トンネルTの径方向における型鋼80等(吹付コンクリート層や型鋼80を含む支保工材)の厚さtよりも大きく設定される。
このように胴体10の後方側に、型鋼80の厚さtよりも大きい段差Hを所定の長さLにわたって設けておくことによって、図5に示されるように、掘削部20の前方に作業用のスペースSを確保するために、切羽からトンネル掘削機100を後退させる場合であっても、型鋼80と胴体10とが干渉してしまうことが防止され、トンネル掘削機100を容易に後退させることが可能となる。
図5には、図2に示すように掘進工程及び支保工程が完了した状態からトンネル掘削機100を後退させた状態、すなわち、後退工程が完了した状態が示されている。後退工程は、支保工程が完了した後、トンネル掘削機100の前方に軟弱地盤などの不良地山があると判定ないし予測された場合に行われる。
具体的には、後退工程では、型鋼80の取り付けが完了した後、グリッパ部40のグリッパジャッキ42を収縮させることなく、伸長させたままとし、グリッパ部40が掘削坑101に対して固定された状態に維持される。
このような状態において推進ジャッキ50を収縮させると、掘削部20及び胴体10はグリッパ部40側へと引き寄せられ、図5に示すように、掘削部20と切羽との間に作業用のスペースSが形成される。
そして、胴体10がグリッパ部40に引き寄せられる際、掘削坑101の内壁面に取り付けられた型鋼80は、段差H内に入り込み、後方筒部13と型鋼80とは、トンネルTの軸方向に直交する方向から見て互いに重なり合った状態となる。これにより後退工程において、胴体10と型鋼80とが干渉することは回避される。
後退工程中に、型鋼80が段部15や前方筒部11に突き当たることを避けるために、段差Hが設けられる長さLは、1回の掘進工程でトンネル掘削機100が掘進する距離、すなわち、1回の後退工程でトンネル掘削機100が後退可能な距離よりも長く設定される。なお、1回の掘進工程でトンネル掘削機100が掘進する距離は、推進ジャッキ50のストローク量にほぼ等しいことから、例えば、段差Hが設けられる長さLを推進ジャッキ50のストローク量よりも長くするなど、推進ジャッキ50のストローク量に基づいて、段差Hが設けられる長さLを設定するようにしてもよい。
上述の後退工程は、支保工程が完了する前、すなわち、後方筒部13の後方に露出した掘削坑101の壁面に型鋼80が設置される前に行われてもよく、この場合は、1つ前の支保工程において設置されていた型鋼80が段差H内に入り込むまでトンネル掘削機100を後退させることが可能である。換言すれば、最大で2回の掘進工程でトンネル掘削機100が掘進した距離だけトンネル掘削機100を後退させることが可能である。
また、後方筒部13の外周縁14と掘削坑101の内壁面との間に隙間Gがあると、掘削坑101の壁面から崩落した土砂が隙間Gへと流れ込み、トンネル掘削機100を後退させにくくなるおそれがある。このため、後方筒部13には、図3及び図4に示すように、後方筒部13の内外を連通する複数の開口部16と、開口部16を閉塞可能な閉塞部17と、が設けられる。
このように後方筒部13に開口部16を設けておくことで、隙間Gに流れ込んだ土砂を容易に取り除くことが可能である。なお、開口部16の数や設けられる位置は、図3及び図4に示される例に限定されず、作業性等を考慮し、任意の場所に設けることが可能である。
上述した実施形態によれば、次の作用効果を奏する。
本実施形態では、グリッパ部40側に設けられる後方筒部13の外周縁14を、掘削部20側に設けられる前方筒部11の外周縁12よりもトンネルTの径方向内側に位置させることによって、前方筒部11の外周縁12と後方筒部13の外周縁14との間に、所定の大きさの段差Hが形成される。
このような段差Hを胴体10の後方側に設けておくことによって、トンネル掘削機100を後退させる際に、掘削坑101の内壁面に取り付けられた型鋼80が胴体10の段差H内に入り込み、後方筒部13と型鋼80とが、トンネルTの軸方向に直交する方向から見て互いに重なり合った状態となる。これにより、胴体10と型鋼80とが干渉してしまうことなく、トンネル掘削機100を容易に後退させることができる。
また、トンネル掘削機100を後退させる際に、胴体10の形態を変更するといった特別な作業工程が不要になることから、不良地山を突破するのに要する時間が短くなり、結果として、トンネルTを施工する期間を短縮させることができる。
また、本実施形態では、前方筒部11と後方筒部13とは一体的に形成されている。このように複雑な機構や構造を有することなく、前方筒部11と後方筒部13とを単に一体的に形成することによって、トンネル掘削機100の製造コストを低減させることができる。
次に、本実施形態の変形例について説明する。なお、以下のような変形例も本発明の範囲内であり、変形例に示す構成と上述の実施形態で説明した構成を組み合わせたり、以下の異なる変形例で説明する構成同士を組み合わせたりすることも可能である。
上記実施形態では、前方筒部11の厚さと後方筒部13の厚さとは、ほぼ同じ厚さとなっている。これに代えて、胴体10は、図6に示す第1変形例のように、前方筒部11に比べて後方筒部13を薄肉とすることによって、段差Hを形成するようにしてもよい。図6は、第1変形例を示す図であり、図3に相当する断面を示す断面図である。
この第1変形例では、前方筒部11及び後方筒部13の内径が同じ大きさとなっている一方で、後方筒部13の外径が、段部15が設けられる分だけ前方筒部11の外径よりも小さくなっている。つまり、後方筒部13の外周縁14は、トンネルTの軸方向に直交する面での断面視において、前方筒部11の外周縁12よりもトンネルTの径方向内側に位置している。
したがって、この第1変形例においても上記実施形態と同様に、トンネル掘削機100を後退させる際に、型鋼80が胴体10の段差H内に入り込み、後方筒部13と型鋼80とが、トンネルTの軸方向に直交する方向から見て互いに重なり合った状態とすることが可能である。なお、軽量化の観点からは、上記実施形態のように、前方筒部11の厚さと後方筒部13の厚さとを、ほぼ同じ厚さとすることが好ましい。
また、上記実施形態では、胴体10は単一の筒状部材で構成されている。これに代えて、胴体10は、図7に示す第2変形例のように、周方向において分割された複数の部材で構成されていてもよい。図7は、第2変形例を示す図であり、図4に相当する断面を示す断面図である。
この第2変形例では、胴体10が周方向において4つに分割されており、具体的には、前方筒部11a、後方筒部13a及び段部15aを有する上方胴体10aと、前方筒部11b、後方筒部13b及び段部15bを有する下方胴体10bと、前方筒部11c、後方筒部13c及び段部15cを有する右方胴体10cと、前方筒部11d、後方筒部13d及び段部15dを有する左方胴体10dと、で構成される。
そして、この第2変形例においても各後方筒部13a~13dの外周縁は、トンネルTの軸方向に直交する面での断面視において、各前方筒部11a~11dの外周縁よりもトンネルTの径方向内側に位置している。したがって、上記実施形態と同様に、トンネル掘削機100を後退させる際に、型鋼80が各胴体10a~10dの段差H内に入り込み、各後方筒部13a~13dと型鋼80とが、トンネルTの軸方向に直交する方向から見て互いに重なり合った状態とすることが可能である。
なお、胴体10全体を周方向において分割することに代えて、後方筒部13のみ、または、後方筒部13及び段部15だけを周方向において分割するようにしてもよい。この場合、後方筒部13のうち、上方に位置する後方筒部13aが設けられる範囲は、少なくとも掘削坑101の頂部を覆うことが可能な範囲であればよく、例えば、頂部の左右90度(頂部を含めて180度)の範囲であってもよいし、頂部の左右120度(頂部を含めて240度)の範囲であってもよい。一方で、下方に位置する後方筒部13bは設けられていなくてもよい。
また、上記実施形態では、前方筒部11及び後方筒部13が一体的に形成されている。これに代えて、前方筒部11及び後方筒部13は、図8に示す第3変形例のように、別々の部材によって形成されていてもよい。図8は、第3変形例を示す図であり、図3に相当する断面を示す断面図である。
この第3変形例では、前方筒部11と後方筒部13とは、連結部材18を介して連結されている。具体的には、第1ピン部18aを介して前方筒部11と連結部材18とが回動可能に連結され、第2ピン部18bを介して後方筒部13と連結部材18とが回動可能に連結されている。なお、後方筒部13は、周方向において分割された複数の部材で構成されている。
このため、図示しないアクチュエータ(位置可変機構)によって、後方筒部13の外周縁14の位置を、図8において実線で示されるように、前方筒部11の外周縁12との間に所定の大きさの段差Hが形成される位置から、図8において破線で示されるように、トンネルTの径方向外側向かって、前方筒部11の外周縁12の位置を超えない範囲で変更することが可能である。
このように後方筒部13の外周縁14の径方向における位置を、前方筒部11の外周縁12の位置に近付けることが可能な構成としておくことによって、特に掘進工程では、後方筒部13の外周縁14と掘削坑101の内壁面との間の隙間Gが小さい状態とすることで、隙間Gへの土砂の流れ込みを抑制することが可能である。
第3変形例において、後方筒部13は、周方向において分割されているが、後方筒部13のうち、上方に位置する後方筒部13が設けられる範囲は、少なくとも掘削坑101の頂部を覆うことが可能な範囲であればよく、例えば、頂部の左右90度(頂部を含めて180度)の範囲であってもよいし、頂部の左右120度(頂部を含めて240度)の範囲であってもよい。一方で、下方に位置する後方筒部13は設けられていなくてもよい。
一方、後退工程では、後方筒部13の外周縁14と掘削坑101の内壁面との間の隙間Gを大きく、すなわち、段差Hを大きくしておくことによって、型鋼80を胴体10の段差H内に入り込ませることが可能である。なお、第3変形例では、連結部材18が、前方筒部11の外周縁12と後方筒部13の外周縁14との間に所定の大きさの段差Hを生じさせる段部として機能する。
また、上記実施形態では、型鋼80が、掘削坑101の内壁面に設けられる支保工材として用いられている。支保工程において掘削坑101に設けられる支保工材としては、型鋼80に代えて、または、型鋼80に加えて、吹付コンクリートが用いられてもよいし、型鋼80に代えて、トンネルTの軸方向において連結されるコンクリート製のセグメントリングといった覆工材が用いられてもよい。例えば、吹付コンクリートは、図示しない吹付機によって、エレクタ部70により型鋼80が組付けられる前に、後方筒部13の後方に露出した掘削坑101の壁面へと吹き付けられる。
なお、段差Hの大きさは、支保工材が吹付コンクリートのみである場合には、吹付コンクリートの吹付厚さよりも大きく設定され、支保工材が鋼製部材である場合には、鋼製部材の径方向厚さよりも大きく設定される。
また、上記実施形態では、段差Hが胴体10の全周にわたって設けられている。これに代えて、段差Hは、型鋼80(支保工材)が設けられる箇所に対応した部分のみに設けられていてもよい。例えば、型鋼80が掘削坑101の上方側半分にのみ設けられる場合は、胴体10の上方側半分のみに段差Hを形成し、その他の部分には段差Hを設けないようにしてもよい。
換言すれば、後方筒部13の外周縁14は、トンネルTの軸方向に直交する面での断面視において、少なくとも型鋼80(支保工材)が設けられている範囲において、前方筒部11の外周縁12よりもトンネルTの径方向内側に位置していればよい。このように段差Hが設けられる範囲を型鋼80が設けられている範囲に限定することによって、後退工程において型鋼80を胴体10の段差H内に入り込ませることができるとともに、型鋼80が設けられていない掘削坑101の壁面からの土砂の崩落を抑制することができる。
また、上記実施形態では、胴体10の断面形状は円形状である。これに代えて、胴体10の断面形状は、楕円状や角丸矩形状であってもよい。
また、上記実施形態では、トンネル掘削機100は、推進ジャッキ50の後方側にのみグリッパ部40が設けられた構成となっているが、推進ジャッキ50の前方側にもグリッパ部が設けられた構成であってもよい。このように推進ジャッキ50の前方側にもグリッパ部を設けておくことによって、後方側のグリッパ部40の位置を変更するグリッパ盛替え工程を円滑に行うことが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
100・・・トンネル掘削機
10・・・胴体
11・・・前方筒部
12・・・前方筒部の外周縁
13・・・後方筒部
14・・・後方筒部の外周縁
15・・・段部
16・・・開口部
17・・・閉塞部
18・・・連結部材(段部)
20・・・掘削部
30・・・支持体
40・・・グリッパ部
50・・・推進ジャッキ
70・・・エレクタ部
80・・・型鋼(支保工材)
101・・・掘削坑
T・・・トンネル
H・・・段差

Claims (8)

  1. 地中を掘削してトンネルを構築するトンネル掘削機であって、
    前記トンネルの軸方向に沿って延在する筒状の胴体と、
    前記胴体の前方において回転駆動される掘削部と、
    前記胴体の後方に配置され、前記軸方向に直交する方向に拡縮可能なグリッパ部と、
    前記胴体を支持するとともに、前記グリッパ部を前記軸方向に沿って移動可能に支持する支持体と、
    一端が前記グリッパ部に接続され他端が前記支持体に接続される推進ジャッキと、を備え、
    前記胴体は、前記掘削部側に設けられる前方筒部と、前記グリッパ部側に設けられる後方筒部と、を有し、
    前記後方筒部の外周縁は、前記軸方向に直交する面での断面視において、前記前方筒部の外周縁よりも前記トンネルの径方向内側に位置する、
    トンネル掘削機。
  2. 前記前方筒部の外周縁と前記後方筒部の外周縁とは、前記前方筒部の外周縁と前記後方筒部の外周縁との間に所定の大きさの段差を生じさせる段部を介して接続される、
    請求項1に記載のトンネル掘削機。
  3. 前記後方筒部は、周方向において分割された複数の部材で構成される、
    請求項1または2に記載のトンネル掘削機。
  4. 前記前方筒部及び前記後方筒部は一体的に形成される、
    請求項1から3の何れか1つに記載のトンネル掘削機。
  5. 前記後方筒部の外周縁の位置を、前記トンネルの径方向外側向かって、前記前方筒部の外周縁の位置を超えない範囲で変更可能な位置可変機構をさらに備える、
    請求項1から3の何れか1つに記載のトンネル掘削機。
  6. 前記後方筒部には、前記後方筒部の内外を連通する開口部と、前記開口部を閉塞可能な閉塞部と、が設けられる、
    請求項1から5の何れか1つに記載のトンネル掘削機。
  7. 請求項1から6の何れか1つに記載のトンネル掘削機を用いてトンネルを掘削するトンネル掘削方法であって、
    前記推進ジャッキを伸長し、前記グリッパ部から反力を得て前記掘削部により地中を掘削する掘進工程と、
    前記後方筒部の後方に露出した掘削坑の壁面に支保工材を設ける支保工程と、
    前記推進ジャッキを収縮し、前記軸方向に直交する方向から見て前記後方筒部と前記支保工材とが重なり合った状態とすることによって、前記トンネル掘削機を後退させる後退工程と、を含む、
    トンネル掘削方法。
  8. 前記後方筒部の外周縁は、前記軸方向に直交する面での断面視において、少なくとも前記支保工材が設けられている範囲において、前記前方筒部の外周縁よりも前記トンネルの径方向内側に位置している、
    請求項7に記載のトンネル掘削方法。
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