JP3033892B2 - 地中接合型異径シールド掘進機及びその地中接合方法 - Google Patents

地中接合型異径シールド掘進機及びその地中接合方法

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JP3033892B2
JP3033892B2 JP9194955A JP19495597A JP3033892B2 JP 3033892 B2 JP3033892 B2 JP 3033892B2 JP 9194955 A JP9194955 A JP 9194955A JP 19495597 A JP19495597 A JP 19495597A JP 3033892 B2 JP3033892 B2 JP 3033892B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、地中接合型異径
シールド掘進機及びその地中接合方法に関し、特に大径
のシールド掘進機のカッターディスクを環状スリットを
境として内側カッターディスク部と外周側カッターディ
スク部とに分割して連結解除可能に連結し、地中接合
時、小径シールド掘進機においては可動カッタースポー
クを縮小させ、大径シールド掘進機においては内側と外
周側の両カッターディスク部の連結を解除し、小径のシ
ールド掘進機から貫入リングを押出し環状スリットから
貫入させて地中接合する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】 近年上下水道用トンネルや共同溝等を
シールド工法により掘進することが多く、その場合に工
事期間の制約もあり、1台のシールド掘進機により掘進
できる距離にも限界があるため、複数の立坑を設け立坑
と立坑の間を各シールド掘進機により分担して掘進する
ことも多い。例えば、下水道用トンネル、電気・電話線
用トンネル等では、トンネル径が一定とは限らず、トン
ネルの所々において小径トンネルと大径トンネルとを接
合したトンネルとして形成することも少なくない。
【0003】都市部の地下に形成するトンネルの場合、
地上地下ともに構造物が輻輳しているため立坑を形成で
きないことも多いことから、直径の異なる2台のシール
ド掘進機を離間地点から相接近方向へ掘進させ、最終的
に2台のシールド掘進機の前端同士を地中接合する技術
も提案され実用化されている(特開平4−55594号
公報、特開平8−165886号公報、特公平6−49
96号公報参照)。
【0004】前記特開平4−55594号公報の第2図
には同径の2台のシールド掘進機を貫入リングを介して
接合する地中接合型同径シールド掘進機が記載され、同
公報の第1図(イ)〜(ニ)には、大径と小径の2つの
シールド掘進機を貫入リングを介さずに接合する地中接
合型異径シールド掘進機が記載されている。この異径シ
ールド掘進機の小径シールド掘進機は、胴部材の前端部
分に形成され貫入リングと同様に大径シールド掘進機側
へ挿入されるフード部、伸縮自在のカッタースポーク部
を含むカッターディスク、カッターディスクを軸心方向
へ進退駆動する油圧シリンダ等を有する。
【0005】大径シールド掘進機は、内筒、外筒、両筒
間の受圧リング、伸縮自在のカッタースポーク部を含む
カッターディスク、カッターディスクを軸心方向へ進退
駆動する油圧シリンダ等を有する。地中接合する際、両
シールド掘進機を相対向状に接近させ、両カッターディ
スクにおける伸縮自在のカッタースポーク部を縮径させ
てカッターディスクを夫々チャンバー内へ後退させ、小
径シールド掘進機のフード部を前進させ受圧リングに押
圧させて両シールド掘進機を接合させる。
【0006】前記特開平8−165886号公報には、
貫入リングを適用しない形式の地中接合型異径シールド
掘進機が記載され、また、特公平6−4996号公報に
は、貫入リングを適用する形式の地中接合型同径シール
ド掘進機が記載されているものの、地中接合の際にカッ
ターディスクを小径化する技術については何ら記載され
ていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】 前記特開平4−55
594号公報の第1図(イ)〜(ニ)に記載の地中接合
型異径シールド掘進機では、両掘進機ともに、カッター
ディスクに伸縮自在のカッタースポーク部を設け、それ
らを縮径させて接合する構造であるから、カッターディ
スクの外周部を掘進機内部側から支持するように構成さ
れていない。そのため、カッターディスクの掘削性能を
高めにくく、カッターディスクの耐久性や信頼性に問題
が残り、伸縮自在のカッタースポーク部の伸縮量が大き
くなるためカッタースポーク部の信頼性を高めにくい。
【0008】崩壊性の高い土質の場合や泥水式シールド
の場合には、切羽の崩壊を防止する為にカッターディス
クの前面に面板を設ける必要があるが、伸縮自在のカッ
タースポーク部を縮径させてカッターディスクの径を小
さくする構造であるので、カッターディスクの前面に面
板を設けることが難しい。それ故、崩壊性の高い土質を
掘削する泥水式シールドとして適用できない。
【0009】しかも、地中接合の際、両シールド掘進機
のカッターディスクを掘進機内へ後退させる構造である
ので、切羽を安定させることが難しく、切羽の崩壊等に
よるトラブルが発生する虞があるし、カッターディスク
を進退駆動する機構も大型化複雑化し、製作コスト的に
も不利である。
【0010】本発明の目的は、カッターディスクの掘削
性能と耐久性と信頼性を高めること、面板を装備可能に
して切羽の崩壊を防止し且つ泥水シールドとして適用可
能にすること、可動のカッタースポーク部の伸縮量を小
さくすること、カッターディスクを進退させる機構を省
略すること、等を達成可能な地中接合型異径シールド掘
進機及びその地中接合方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】 請求項1の地中接合型
異径シールド掘進機は、第1シールド掘進機と、この第
1シールド掘進機よりも大径の第2シールド掘進機とを
備え、第1,第2シールド掘進機を相接近方向へ掘進さ
せて両者の前端同士を地中で接合するようにした地中接
合型異径シールド掘進機において、前記第1シールド掘
進機は、その胴部材の内側付近に軸方向へ移動可能に装
備された貫入リングと、この貫入リングを前方へ押し出
し駆動するリング押出し手段とを備え、第2シールド掘
進機は貫入リングを受け止める受圧リングを備え、前記
第2シールド掘進機のカッターディスクは、貫入リング
が挿入される環状スリットの内側に位置する内側カッタ
ーディスク部と、環状スリットの外側に位置する外周側
カッターディスク部とに分割され、前記第2シールド掘
進機に、内側カッターディスク部と外周側カッターディ
スク部とを回転力伝達可能且つ連結解除可能に連結する
とともに連結解除状態のとき環状スリット内から退く連
結機構と、内側カッターディスク部に連結された外周側
カッターディスク部を回転駆動する回転駆動手段を設け
たものである。
【0012】第1,第2シールド掘進機を相接近方向へ
掘進させるとき、第1シールド掘進機では一体のカッタ
ーディスクが回転駆動され、第2シールド掘進機では、
連結機構により内側カッターディスク部と外周側カッタ
ーディスク部とが連結された状態で、外周側カッターデ
ィスク部が回転駆動手段により回転駆動され、その回転
力が連結機構を介して内側カッターディスク部に伝達さ
れ、内側カッターディスク部が外周側カッターディスク
部と一体的に回転駆動され掘進が行われる。
【0013】第1,第2シールド掘進機が相接近したと
きに両者の前端同士を地中で接合する際、第2シールド
掘進機においては、連結機構による内側カッターディス
ク部と外周側カッターディスク部との連結を解除し、連
結機構を環状スリット内から退かせて貫入リングが貫通
可能な状態にし、第1シールド掘進機においては、リン
グ押出手段により貫入リングを第2シールド掘進機側へ
押出し、第2シールド掘進機のカッターディスクの環状
スリットから第2シールド掘進機内ヘ貫入させて受圧リ
ングに押圧させる。
【0014】請求項2の地中接合型異径シールド掘進機
は、請求項1の発明において、前記第2シールド掘進機
の前端側部分の内部にはチャンバーを仕切る隔壁が設け
られ、前記内側カッターディスク部は隔壁に回転自在に
支持されたことを特徴とするものである。内側カッター
ディスク部が隔壁に支持されているため、連結機構によ
る内側カッターディスク部と外周側カッターディスク部
との連結を解除すると、内側カッターディスク部と外周
側カッターディスク部との間に所定間隔の隙間が確保さ
れ、貫入リングが貫通可能な環状スリットが形成され
る。
【0015】請求項3の地中接合型異径シールド掘進機
は、請求項1又は2の発明において、前記内側カッター
ディスク部に、環状スリット内まで径方向へ伸縮可能な
可動カッタースポークを含むカッタースポーク伸縮機構
を設けたことを特徴とするものである。トンネル掘進時
にはカッタースポーク伸縮機構の可動カッタースポーク
を環状スリット内まで径方向へ伸長させた状態で掘進す
ることができ、環状スリットの前面側の切羽も掘削する
ことができる。地中接合の際には、可動カッタースポー
クを縮径させると、環状スリットが開口状態になるの
で、その環状スリットから貫入リングを貫入することが
できる。
【0016】請求項4の地中接合型異径シールド掘進機
は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記連
結機構は、可動カッタースポークの先端の係合部と、外
周側カッターディスク部に形成され前記係合部が係合可
能な係合穴とを含むことを特徴とするものである。可動
カッタースポークを環状スリット内まで径方向へ伸長さ
せると、前記係合部が係合穴に係合し内側カッターディ
スク部と外周側カッターディスク部が連結され、可動カ
ッタースポークを縮径させると、前記係合部の係合穴へ
の係合が解除され、内側カッターディスク部と外周側カ
ッターディスク部との連結が解除され、環状スリットが
開口状態になって、その環状スリットから貫入リングを
貫入することができる。
【0017】請求項5の地中接合型異径シールド掘進機
は、請求項1〜4の何れか1項の発明において、前記第
1シールド掘進機に、貫入リングよりも小径化するまで
径方向へ伸縮可能な可動カッタースポークを含むカッタ
ースポーク伸縮機構を設けたことを特徴とするものであ
る。トンネル掘進時には、第1シールド掘進機のカッタ
ースポーク伸縮機構の可動カッタースポークを伸長状態
にしてカッターディスクを第1シールド掘進機の胴部材
とほぼ同径にして掘進する。地中接合の際には、カッタ
ーディスクが貫入リングよりも小径となるまで可動カッ
タースポークを縮径させてから貫入リングを押し出すも
のとする。
【0018】請求項6の地中接合型異径シールド掘進機
の地中接合方法は、貫入リングを備えた第1シールド掘
進機と、カッターディスクに、貫入リングを貫通させる
環状スリットと、環状スリットの内外に位置する内側カ
ッターディスク部及び外周側カッターディスク部と、内
側カッターディスク部と外周側カッターディスク部とを
回転力伝達可能且つ連結解除可能に連結するとともに連
結解除状態のとき環状スリット内から退く連結機構を備
え且つ第1シールド掘進機よりも大径の第2シールド掘
進機とを相接近方向へ掘進させて両者の前端同士を地中
で接合する地中接合方法であって、第1,第2シールド
掘進機を両者のカッターディスクが接近対向する状態に
近づける第1工程と、第1シールド掘進機においては径
方向へ伸縮可能な可動カッタースポークを径方向へ縮小
させ、且つ第2シールド掘進機においては径方向へ伸縮
可能で掘進中には環状スリットへ進出していた可動カッ
タースポークを径方向へ縮小させるとともに前記連結機
構を解除する第2工程と、第1シールド掘進機に設けた
貫入リングを第2シールド掘進機のカッターディスクに
形成した環状スリットを貫いて第2シールド掘進機内へ
貫入させて、第2シールド掘進機内の受圧リングに押圧
する第3工程とを備えたものである。
【0019】このように、最初に、第1,第2シールド
掘進機を近づけて両者のカッターディスクを接近対向さ
せ、次に、第1シールド掘進機においては可動カッター
スポークを径方向へ縮小させ、第2シールド掘進機にお
いては可動カッタースポークを径方向へ縮小させるとと
もに前記連結機構を解除し、次に、第1シールド掘進機
の貫入リングを第2シールド掘進機のカッターディスク
の環状スリットを貫いて第2シールド掘進機内へ貫入さ
せ第2シールド掘進機内の受圧リングに押圧する。従っ
て、両掘進機における可動カッタースポークの構造を簡
単化し、第2シールド掘進機のカッターディスクの掘削
性能と耐久性と信頼性を高め、簡単に能率的に地中接合
することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。この地中接合型異径シール
ド掘進機は、第1シールド掘進機と、この第1シールド
掘進機よりも大径の第2シールド掘進機とで構成されて
いる。最初に、第1シールド掘進機1Aについて説明す
るが、第1シールド掘進機1Aについてはその掘進方向
を前方とし、その前方に向かって左右を左右として説明
する。
【0021】図1〜図3に示すように、第1シールド掘
進機1Aの円筒状の胴部材は、前胴2と、後胴3と、前
胴2と後胴3とを左右に屈曲可能に連結する中折れ部4
とを有し、中折れ部4は前胴2の後端部に部分球面的に
結合され且つ後胴3の前端部に固着された中折れ胴部材
4aを有する。前胴2の前部の内側付近には、円筒状の
貫入リング5が同心状に配設され、この貫入リング5の
内側付近には円筒状の内胴6が同心状に設けられ、この
内胴6の前端にはシール付きのリング材7が固着され、
前胴2の前端部の内面にはシール付きのリング材8が固
着され、両リング材7,8の間には貫入リング5が摺動
して通過可能な環状の摺動隙間が形成されている。後胴
3の後端部にはテールシール9が設けられている。
【0022】前胴2の途中部の内面にはリングウェブ材
10が固着され、内胴6の途中部の内側には隔壁11が
設けられ、内胴6の後端部がリングウェブ材10に固着
されている。第1シールド掘進機1Aの前端部にはカッ
ターディスク12が設けられ、隔壁11とカッターディ
スク12との間にチャンバー13が形成され、カッター
ディスク12は隔壁11に回転自在に支持されている。
カッターディスク12を支持する支持体14の前端部は
カッターディスク12に連結され、支持体14は隔壁1
1に回転自在に支持されている。尚、カッターディスク
12には攪拌ロッド18も設けられている。
【0023】カッターディスク12を回転駆動する為の
機構として、複数(例えば4つ)のカッター駆動油圧モ
ータ15が隔壁11に固定的に設けられ、それら油圧モ
ータ15の出力軸に固着のピニオン15aが支持体14
の外周部のリングギヤ16に歯合し、複数の油圧モータ
15により支持体14とカッターディスク12を正逆回
転駆動可能になっている。支持体14の後部にはカッタ
スポーク伸縮機構に油圧を供給する供給系のスイベルジ
ョンイト17が設けられている。チャンバー13内へ送
水する為の送水管20と、チャンバー13内の掘削土砂
を含む泥水を排出する排泥管21とが設けられ、送水管
20と排泥管21の前端部は隔壁11に貫通状に固定さ
れ、送水管20にはバルブ20aが装備され、排泥管2
1にはバルブ21aが装備されている。
【0024】後胴3の前端付近部分の内面にはリングウ
ェブ材22が固着され、このリングウェブ材22には周
方向等間隔おきとなるように複数のシールドジャッキ2
3が後方向きに水平に配設され、各シールドジャッキ2
3のピストンロッドの先端部にはその軸心から偏心した
凸球座を有する偏心金具24が連結され、各偏心金具2
4の凸球座は各スプレッダー25の凹球座に係合されて
ピン連結され、各スプレッダー25をトンネルTaの内
面を覆工するセグメント26に押圧させることで掘進の
反力をとり、複数のシールドジャッキ23により推進力
を発生させつつ掘進するように構成してある。
【0025】トンネルTaを左方または右方へ湾曲させ
る際に後胴3に対して前胴2を屈曲させる為の左右2対
の中折れジャッキ27(油圧シリンダからなる)が上部
と下部の左右両側部に設けられ、各中折れジャッキ27
において、ジャッキ本体は後胴3とリングウェブ材22
に固着のブラケットに立て向きのピンを介してピン結合
され、ピストンロッドの先端は前胴2とリングウェブ材
10に固着のブラケットに立て向きのピンを介してピン
結合されている。
【0026】前記貫入リング5を前方へ押出し駆動する
為の複数の(例えば6つの)押出しジャッキ30(油圧
シリンダからなり、リング押出し手段に相当する)が前
胴2の後端部分の内面付近に周方向ほぼ等間隔おきに水
平向きに配設され、各押出しジャッキ30は前胴2の内
面に前方向きに水平に固定され、各押出しジャッキ30
のピストンロッドの先端部には押金具31が設けられ、
各押金具31に対応する部分においてリングウェブ材1
0には、貫入リング5の後端から延びるロッド状の押し
具32を通過させる為の開口穴が形成されている。尚、
掘削したトンネルTaの内面にセグメント26を覆工す
るエレクタ33(エレクタフレーム33aとエレクタ本
体33bと回転駆動部33c)も設けられている。
【0027】次に、カッターディスク12について説明
する。図1、図2に示すように、カッターディスク12
は、十文字状に連結された4本のカッタースポーク34
と、2本の補助スポーク35と、前胴2と同径の外周リ
ング36と、カッターディスク12の前面の開放部を部
分的に塞ぐように配置された面板37,38と、カッタ
ースポーク34と面板37,38とに取付けられた多数
のカッタービット39a〜39f等を有する。各補助ス
ポーク35には油圧シリンダにより径方向へ進退可能な
コピーカッター41が設けられ、コピーカッター41を
拡径側へ駆動した状態では、コピーカッター41が外周
リング36の係合穴に係合して外周リング36の外側へ
所定長さ突出する。
【0028】各カッタースポーク34は、外周リング3
6の半径の約2/3の長さだけ中心部から外周側へ延び
る固定側カッタースポーク42と、この固定側カッター
スポーク42に装備され径方向へ伸縮可能な可動カッタ
ースポーク43を含むカッタースポーク伸縮機構44と
を有する。可動カッタースポーク43は、固定側カッタ
ースポーク42に摺動自在に装着されて拡径位置と縮径
位置とに亙って位置切換え自在であり、可動カッタース
ポーク43は油圧シリンダのシリンダ本体と一体的に形
成されてその油圧シリンダにより位置切換えされる。拡
径位置のとき可動カッタースポーク43の先端部が外周
リング36の係合穴に係合し、縮径位置のとき可動カッ
タースポーク43の先端が貫入リング5よりも小径化し
た状態になる。
【0029】可動カッタースポーク43の先端部分には
カッタービット39bがあり、可動カッタースポーク4
3の伸縮代の部分にはカッタービットがないので、その
部分に対応するように面板37にカッタービット39d
を設けてある。トンネルTaを掘進する際には2つのコ
ピーカッター41を縮径側に保持し、4つの可動カッタ
ースポーク43が拡径位置に保持されるため、外周リン
グ36が所定の位置に保持された状態で掘進がなされ
る。尚、トンネルTaを左方または右方へ湾曲状に掘進
する際には、コピーカッター41を拡径位置にして余掘
りがなされる。
【0030】次に、第2シールド掘進機1Bについて説
明するが、第2シールド掘進機1Bについてはその掘進
方向を前方とし、その前方に向かって左右を左右として
説明する。図4〜図6に示すように、第2シールド掘進
機1Bの円筒状の胴部材は、前胴46と、後胴47と、
前胴46と後胴47とを左右に屈曲可能に連結する中折
れ部48とを有し、中折れ部48は前胴46の後端部に
部分球面的に結合され且つ後胴47の先端部に固着され
た中折れ胴部材48aを有し、後胴47の後端部にはテ
ールシール49が設けられている。第2シールド掘進機
1Bの前端部にはカッターディスク50が設けられ、カ
ッターディスク50には第1シールド掘進機1Aの貫入
リング5を貫入させる為の環状スリット51が形成さ
れ、カッターディスク50は、環状スリット51の内側
に位置する内側カッターディスク部52と、環状スリッ
ト51の外側に位置する外周側カッターディスク部53
とに2分割されている。
【0031】外周側カッターディスク部53と一体の環
状フレーム54が、前胴46の前端部分の内面付近に同
心状に配設され、その環状フレーム54の内側には外周
部に環状支持部55を有する隔壁56が設けられ、隔壁
56とカッターディスク50の間にはチャンバー45が
形成され、環状フレーム54の内周面は2列のベアリン
グを介して環状支持部55に回転自在に支持され、環状
フレーム54の外周面は前胴46の内面近傍部に設けら
れたベアリング受け胴57に2列のベアリングを介して
回転自在に支持されている。
【0032】環状支持部55の内周部には、金属製また
は非金属(例えば、合成樹脂や合成ゴム)製の受圧リン
グ58が固定的に設けられている。この受圧リング58
は約70〜100mm位の径方向厚さを有するもので、
受圧リング58は第1,第2シールド掘進機1A,1B
を地中接合する際に貫入リング5を受け止めて封止する
為のものであり、受圧リング58の前端面は、外周側程
前方へいくように傾斜した緩傾斜部分コーン面に形成さ
れている。隔壁56の中心部には前方へ伸びる回転軸5
9が回転自在に支持され、回転軸59の先端部が内側カ
ッターディスク部52の中心部に連結され、回転軸59
の後部にはカッタスポーク伸縮機構85の油圧シリンダ
に油を供給する供給系のスイベルジョンイト60が設け
られている。隔壁56にはスイベルジョイント60を貫
通して伸びる軸を固定解除可能に固定するカッタディス
ク固定装置56aが設けられている。尚、カッタディス
ク固定装置56aは必須のものではなく省略可能であ
る。
【0033】前胴46の内面には隔壁56よりも後方に
位置するリングウェブ材63が固着されて、外周側カッ
ターディスク部53を回転駆動する為の機構として、複
数(例えば上下1対)のカッター駆動油圧モータ64が
リングウェブ材63に固定して設けられ、それら油圧モ
ータ64の出力軸に固着のピニオン64aが環状フレー
ム54に環状部材65で固定されたリングギヤ66に内
側から歯合し、複数の油圧モータ64により環状フレー
ム54と外周側カッターディスク部53を正逆回転駆動
可能になっている。尚、環状部材65の後端面はリング
ウェブ材63に固定された環状のベアリングメタルに摺
接している。
【0034】チャンバー45内へ送水する為の送水管7
0と、チャンバー45内の掘削土砂を含む泥水を排出す
る排泥管71とが設けられ、送水管70と排泥管71の
前端部は隔壁56に貫通状に固定され、送水管70には
バルブ70aが装備され、排泥管71にはバルブ71a
が装備されている。尚、図示していないが、カッターデ
ィスクの背面部には攪拌ロッドが設けられている。
【0035】後胴47の前端付近部分の内面にはリング
ウェブ材72が固着され、このリングウェブ材72には
周方向等間隔おきとなるように複数のシールドジャッキ
73が後方向きに水平に配設され、各シールドジャッキ
73のピストンロッドの先端部にはその軸心から偏心し
た凸球座を有する偏心金具74が連結され、各偏心金具
74の凸球座は各スプレッダー75の凹球座に係合され
てピン連結され、各スプレッダー75をトンネルTbの
内面を覆工するセグメント76に押圧させることで掘進
の反力をとり、複数のシールドジャッキ73により推進
力を発生させつつ掘進するようになっている。
【0036】トンネルTbを湾曲させる際に後胴47に
対して前胴46を屈曲させる為の複数の中折れジャッキ
77(油圧シリンダからなる)が上部と下部の左右両側
部に設けられ、各中折れジャッキ77におけるジャッキ
本体は後胴47とリングウェブ材72に固着のブラケッ
トに立て向きのピンを介してピン結合され、ピストンロ
ッドの先端は前胴46とリングウェブ材63に固着のブ
ラケットに立て向きのピンを介してピン結合されてい
る。尚、掘削したトンネルTbの内面にセグメント76
を覆工するエレクタ78(エレタクフレーム78aとエ
レクタ本体78bと回転駆動部78c)も設けられてい
る。
【0037】次に、カッターディスク50について説明
する。図4、図5に示すように、カッターディスク50
は、環状スリット51、内側カッターディスク部52、
外周側カッターディスク部53を有し、両カッターディ
スク部52,53は4組の連結機構90により回転力伝
達可能且つ連結解除可能に連結されている。内側カッタ
ーディスク部52は、十文字状に連結された4本のカッ
タースポーク80と、前面の開放部を部分的に塞ぐよう
に配置された複数の面板81と、多数のカッタービット
82a〜82d等を有する。
【0038】外周側カッターディスク部53は、4本の
カッタースポーク80の外側に対応する4つの外周カッ
タースポーク86と、前胴46と同径の外周リング87
と、外周カッタースポーク86同士間の開放部を塞ぐよ
うに配置された複数の面板88と、多数のカッタービッ
ト82eを有する。尚、図示していないが、外周側カッ
ターディスク部53には、内部の油圧シリンダにより径
方向へ進退駆動可能な1又は複数のコピーカッターが設
けられ、トンネルTbを左方または右方へ湾曲状に掘進
する際に、コピーカッターを拡径側へ駆動し、コピーカ
ッターが外周リング87の外側へ所定長さ突出した状態
で余掘りがなされる。
【0039】内側カッターディスク部52の各カッター
スポーク80は、回転軸59に連結された中心部から外
周側へ延びる固定側カッタースポーク83と、固定側カ
ッタースポーク83に装備され径方向へ伸縮可能な可動
カッタースポーク84を含むカッタースポーク伸縮機構
85とを有する。可動カッタースポーク84は、固定側
カッタースポーク83に摺動自在に装着されて拡径位置
と縮径位置とに亙って位置切換え自在であり、可動カッ
タースポーク84は油圧シリンダのシリンダ本体と一体
的に形成されてその油圧シリンダにより位置切換えされ
る。
【0040】各可動カッタースポーク84の先端には軸
状の係合部91が形成され、外周側カッターディスク部
53の各外周カッタースポーク86の内側端部には、係
合部91が係合可能な係合穴92が形成され、拡径位置
のとき可動カッタースポーク84が環状スリット51内
まで延びて、その係合部91が係合穴92に係合し、縮
径位置のとき係合部91が環状スリット51よりも小径
側に位置する。
【0041】前記各連結機構90は、内側カッターディ
スク部52の各可動カッタースポーク84と、その先端
の係合部91と、この係合部91が係脱可能で外周側カ
ッターディスク部53の外周カッタースポーク86の係
合穴92とを含み、4組の連結機構90により、内側カ
ッターディスク部52と外周側カッターディスク部53
とを回転力伝達可能且つ連結解除可能に連結するととも
に、連結解除状態のとき環状スリット51内から退くよ
うに構成してある。尚、各係合部91は先端側程小径化
するテーパ状に形成され、係合穴92の内周面も外側程
小径化するテーパ状に形成されている。
【0042】トンネルTbを掘進する際には、4つの可
動カッタースポーク84が拡径位置に保持されるが、可
動カッタースポーク84には、環状スリット51に対応
するカッタービット82bも設けてあるため、環状スリ
ット51に対応する切羽も確実に掘削される。第1、第
2シールド掘進機1A,1Bを地中接合する際には、4
つの可動カッタースポーク84が縮径位置に切換えら
れ、4組の連結機構90による内側カッターディスク部
52と外周側カッターディスク部53との連結が解除さ
れ、環状スリット51が全周に亙って開放されるので、
第1シールド掘進機1Aの貫入リング5を環状スリット
51に貫通させて第2シールド掘進機1B内へ貫入さ
せ、受圧リング58に押圧させることができる。
【0043】次に、第1シールド掘進機1Aと第2シー
ルド掘進機1Bとで相接近方向に掘進し、トンネルT
a,Tbの合流部において両シールド掘進機1A,1B
の前端同士を地中接合する地中接合方法について、図7
〜図12を参照して説明する。
【0044】図7に示すように、第1シールド掘進機1
Aのカッターディスク12と第2シールド掘進機1Bの
カッターディスク50とが同心的に接近して相対向する
状態まで掘進したときに、両シールド掘進機1A,1B
の掘進を停止する。尚、トンネル掘進中には、第1シー
ルド掘進機1Aの可動カッタースポーク43は拡径位
置、コピーカッター41は縮径位置にあり、第2シール
ド掘進機1Bの可動カッタースポーク84は拡径位置に
あり、連結機構90により内側カッターディスク部52
と外周側カッターディスク部53は連結されている。
【0045】次に図8に示すように、第1シールド掘進
機1Aにおいては、コピーカッター41を拡径位置に切
換えて外周リング36の係合穴に係合させることで外周
リング36の位置を保持する。次に図9に示すように、
第1シールド掘進機1Aにおいては、可動カッタースポ
ーク43を縮径位置に切換え、第2シールド掘進機1B
においては、カッタディスク固定装置56aで隔壁56
とスイベルジョイント60を貫通して伸びる軸を固定し
た後、可動カッタースポーク84を縮径位置に切換え
て、連結機構90による内側カッターディスク部52と
外周側カッターディスク53の連結を解除し、環状スリ
ット51を開放状態にする。
【0046】次に図10に示すように、第1シールド掘
進機1Aにおいては、各押出しジャッキ30に対応する
押し具32に短い所定長さの押しロッド32aを順々に
螺合連結しながら複数の押出しジャッキ30を同期作動
させることで貫入リング5をカッターディスク12側へ
移動させてコピーカッター41の位置まで前進移動させ
る。次に図11に示すように、コピーカッター41を縮
径位置に切換えるとともに、前記と同様に各押出しジャ
ッキ30に対応する押しロッド32aに押しロッド32
aを順次螺合にて連結しながら複数の押出しジャッキ3
0を同期作動させることで貫入リング5を順次前進移動
させていき、貫入リング5を第2シールド掘進機1Bの
カッターディスク50の環状スリット51を貫通して受
圧リング58まで前進移動させ、貫入リング5の前端を
受圧リング58に押圧させる。
【0047】こうして、第1シールド掘進機1Aの前部
の外側は、前胴2と貫入リング5とで封鎖され、第2シ
ールド掘進機1Bの前部の外側は、貫入リング5と前胴
46と環状フレーム54と受圧リング58等で封鎖さ
れ、両シールド掘進機1A,1B内へ土砂や地下水が流
入するのが防止される。次に図12に示すように、第2
シールド掘進機1Bの外周側カッターディスク部53に
予め設けてあるモルタル注入管68から貫入リング5の
外側へモルタル69を注入して地山を固め且つ封止状態
を一層強化する。
【0048】このようにして、第1,第2シールド掘進
機1A,1Bが地中接合され、前記のモルタル69の硬
化後に、第1シールド掘進機1Aの胴部材(前胴2、中
折れ胴部材4a、後胴3)と貫入リング5と第2シール
ド掘進機1Bの胴部材(前胴46、中折れ胴部材48
a、後胴47)と外周側カッターディスク部53と環状
フレーム54と受圧リング58等を地中に残した状態
で、両シールド掘進機1A,1Bの内部機器を解体撤去
すると、トンネルTa,Tbが貫通状態になる。その
後、トンネルTa,Tbの内面のうちのセグメント2
6,76で覆工してない部分についてはモルタル等で適
宜覆工するものとする。
【0049】以上説明した地中接合型異径シールド掘進
機(1A,1B)によれば、第2シールド掘進機1Bの
カッターディスク50に、貫入リング5を貫通させる為
の環状スリット51を形成し、カッターディスク50を
環状スリット51を境として内側カッターディスク部5
2と外周側カッターディスク部53とに分割し、連結機
構90で内側カッターディスク部52と外周側カッター
ディスク部53とを連結し、内側カッターディスク部5
2に連結された状態の外周側カッターディスク部53を
複数の油圧モータ64で駆動し、連結機構90を介して
内側カッターディスク部52をも駆動するように構成し
たので、第2シールド掘進機1Bの掘削性能を著しく高
めることができる。
【0050】しかも、第2シールド掘進機1Bにおいて
は、外周側カッターディスク部53の回転力を、連結機
構90を介して内側カッターディスク部52へ伝達でき
るため、内側カッターディスク部52を回転駆動する回
転駆動機構を別途設ける必要がなくなり、第2シールド
掘進機1Bの内部構造が非常に簡単化するとともに、製
作コスト的にも非常に有利になる。また、外周側カッタ
ーディスク部53を機内側から確実に支持し、内側カッ
ターディスク部52を隔壁56に支持するので、カッタ
ーディスク50の耐久性や信頼性を高めることができ
る。
【0051】第1シールド掘進機1Aのカッターディス
ク12に面板37,38を設け、第2シールド掘進機1
Bのカッターディスク50に面板81,88を設けるた
め、崩壊し易い土質の地山を切羽の崩壊を招くことなく
シールド掘進できるうえ、本実施形態の掘進機のように
泥水シールドを適用できる。但し、本発明の地中接合型
異径シールド掘進機は泥水シールド以外に、土圧シール
ドにも適用可能である。さらに、貫入リング5を介して
地中接合する構造にしたので、カッターディスク12,
50をシールド掘進機1A,1Bに対して相対的にトン
ネル軸心方向へ進退駆動する必要がなく、掘進機の構造
が簡単化し製作コスト的に有利である。
【0052】第1シールド掘進機1Aに、径方向へ伸縮
可能な可動カッタースポーク43を含むカッタースポー
ク伸縮機構44を設けたので、トンネル掘進時には、可
動カッタースポーク43を伸長状態にしてカッターディ
スク12を第1シールド掘進機1Aの胴部材とほぼ同径
にして掘進することができ、地中接合の際には、カッタ
ーディスク12の外径が貫入リング5よりも小径化する
まで可動カッタースポーク43を縮径させてから貫入リ
ング5を押し出すことができる。貫入リング5が胴部材
の内側付近にあるから、可動カッタースポーク43の伸
縮量は小さくてもよい。それ故、第1シールド掘進機1
Aのカッターディスク12の耐久性や信頼性を高めるこ
とができ、カッタースポーク伸縮機構44も小型化でき
る。
【0053】第2シールド掘進機1Bの内側カッターデ
ィスク部52に、環状スリット51内まで径方向へ伸縮
可能な可動カッタースポーク84を含むカッタースポー
ク伸縮機構85を設け、内側カッターディスク部52と
外周側カッターディスク部53とを連結する連結機構9
0を設けたので、地中接合の際には、可動カッタースポ
ーク84を縮径させると、連結機構85が解除して、環
状スリット51が開口状態になるので、その環状スリッ
ト51から貫入リング5を貫入することができる。環状
スリット51の幅だけ可動カッタースポーク84を伸縮
させればよいので、可動カッタースポーク84の伸縮量
は小さくてもよく、第2シールド掘進機1Bのカッター
ディスク50の耐久性や信頼性を高めることができ、カ
ッタースポーク伸縮機構85を小型化することができ
る。
【0054】前記説明した地中接合型異径シールド掘進
機の地中接合方法によれば、第1,第2シールド掘進機
1A,1Bを両者のカッターディスク12,50が接近
対向する状態に近づけ、第1シールド掘進機1Aの可動
カッタースポーク43を径方向へ縮径させ且つ第2シー
ルド掘進機1Bの可動カッタースポーク84を径方向へ
縮径させ、連結機構90による内側カッターディスク部
52と外周側カッターディスク部53の連結を解除し
て、環状スリット51を開放した後、第1シールド掘進
機1Aの貫入リング5を第2シールド掘進機1Bのカッ
ターディスク50の環状スリット51を貫いて第2シー
ルド掘進機1B内へ貫入させて、第2シールド掘進機1
B内の受圧リング58に押圧するので、両シールド掘進
機1A,1Bの可動カッタースポーク43,84を径方
向へ伸縮させる構造が小型簡単化し、第2シールド掘進
機1Bのカッターディスク50の掘削性能と耐久性と信
頼性を高め、簡単に能率的に地中接合できる。
【0055】前記実施形態を部分的に変更する例につい
て説明する。第2シールド掘進機1Bにおいて、内側カ
ッターディスク部52を回転駆動するカッター駆動油圧
モータを含む回転駆動機構を設けてもよい。また、カッ
タースポーク伸縮機構85は、内側カッターディスク部
52の固定側カッタースポーク83に装備せず、外周側
カッターディスク部53の外周カッタースポーク86に
装備してもよい。この場合、連結機構90において、可
動カッタースポークの係合部が係合する係合穴を、内側
カッターディスク部52の固定側カッタースポーク83
の外周側端部に形成する。
【0056】前記貫入リング5を前進駆動する押出し手
段は前記実施形態のものに限定されず、種々の押出し手
段を適用することができる。即ち、貫入リング5を前記
のものよりも小径化し、押出しジャッキ30をその軸心
が貫入リング5の板厚の中心に位置するように配置し、
各押出しジャッキ30の位置において貫入リング5から
後方へ十分に長い押出しロッドを延ばし、押出しジャッ
キ30として押出しロッドが挿通するセンターホール型
油圧シリンダを適用し、その押出しジャッキにより押出
しロッドを順々に前方へ移動駆動することで貫入リング
5を前進駆動するように構成することもできる。また、
前記の押出しロッドにラックを形成し、押出しジャッキ
に代えて油圧モータや電動モータによりラックピニオン
機構を介して貫入リング5を前進駆動するように構成し
てもよい。
【0057】尚、特許請求の範囲には記載していない
が、第2シールド掘進機1Bにおいては、外周側カッタ
ーディスク部53を回転駆動するように構成せずに、第
1シールド掘進機1Aのカッターディスク12を回転駆
動する機構と略同様の機構を設け、内側カッターディス
ク部52を回転駆動するように構成してもよい。
【0058】
【発明の効果】 請求項1の発明によれば、第2シール
ド掘進機のカッターディスクが、環状スリットの内側に
位置する内側カッターディスク部と環状スリットの外側
に位置する外周側カッターディスク部とを有し、連結機
構により内側カッターディスク部と外周側カッターディ
スク部とを連結し、回転駆動手段により外周側カッター
ディスク部を回転駆動し、その回転力を連結機構を介し
て内側カッターディスク部に伝達して、内側カッターデ
ィスク部も回転駆動するように構成したので、第2シー
ルド掘進機の掘削性能を高めることができ、外周側カッ
ターディスク部を掘進機の内部側から確実に支持できる
から、カッターディスクの耐久性や信頼性を高めること
ができる。
【0059】しかも、第2シールド掘進機においては、
連結機構を介して回転駆動手段による回転力を、外周側
カッターディスク部から内側カッターディスク部へ伝達
できるため、内側カッターディスク部を回転駆動する回
転駆動手段を別途設ける必要がなくなり、第2シールド
掘進機の内部構造が非常に簡単化するとともに、製作コ
スト的にも非常に有利になる。また、前記内側カッター
ディスク部と外周側カッターディスク部の前面には夫々
面板を設け易くなり、第1シールド掘進機のカッターデ
ィスクにも面板を設け易くなるため、崩壊しやすい土質
の地中にもトンネルを掘削でき、泥水シールド方式を適
用することもできる。しかも、第1、第2シールド掘進
機の前端同士を貫入リングを介して接合する構造である
ので、両掘進機ともカッターディスクを軸心方向へ進退
させる必要がなく、地中接合型異径シールド掘進機の構
造が簡単になり製作コスト的に有利である。
【0060】請求項2の発明によれば、請求項1と同様
の効果を奏するが、前記第2シールド掘進機の前端側部
分の内部にチャンバーを仕切る隔壁を設け、この隔壁に
内側カッターディスク部を隔壁に回転自在に支持したの
で、連結機構により内側カッターディスク部と外周側カ
ッターディスク部との連結を解除すると、内側カッター
ディスク部と外周側カッターディスク部との間の環状ス
リット51を、貫入リングが貫通可能な開口状態にする
ことができるとともに、貫入リングの貫入作業を容易に
することができる。
【0061】請求項3の発明によれば、請求項1又は2
と同様の効果を奏するが、前記内側カッターディスク部
に、環状スリット内まで径方向へ伸縮可能な可動カッタ
ースポークを含むカッタースポーク伸縮機構を設けたの
で、トンネル掘進時にはカッタースポーク伸縮機構の可
動カッタースポークを環状スリット内まで径方向へ伸長
させた状態で掘進することができ、環状スリットの前面
側の切羽を掘削することができる。地中接合の際には、
可動カッタースポークを縮径させると、環状スリットが
開口状態になるので、その環状スリットから貫入リング
を貫入することができる。環状スリットの幅だけ可動カ
ッタースポークを伸縮させればよいので、可動カッター
スポークの伸縮量は小さくてもよく、第2シールド掘進
機のカッターディスクの耐久性や信頼性を高めることが
でき、カッタースポーク伸縮機構を小型化することがで
きる。
【0062】請求項4の発明によれば、請求項1〜3の
何れか1項と同様の効果を奏するが、前記連結機構は、
可動カッタースポークの先端の係合部と、外周側カッタ
ーディスク部に形成され前記係合部が係合可能な係合穴
とを含むので、可動カッタースポークを伸縮させること
で、前記係合部が係合穴へ係脱し、内側カッターディス
ク部と外周側カッターディスク部とを簡単・確実に連結
解除可能に連結することができる。
【0063】請求項5の発明によれば、請求項1〜4の
何れか1項と同様の効果を奏するが、前記第1シールド
掘進機に、貫入リングよりも小径化するまで径方向へ伸
縮可能な可動カッタースポークを含むカッタースポーク
伸縮機構を設けたので、トンネル掘進時には、第1シー
ルド掘進機のカッタースポーク伸縮機構の可動カッター
スポークを伸長状態にしてカッターディスクを第1シー
ルド掘進機の胴部材とほぼ同径にして掘進することがで
き、地中接合の際には、カッターディスクの外径が貫入
リングよりも小径化するまで可動カッタースポークを縮
径させてから貫入リングを押し出すものとする。貫入リ
ングが胴部材の内側付近にあるから、可動カッタースポ
ークの伸縮量は小さくてもよい。それ故、第1シールド
掘進機のカッターディスクの耐久性や信頼性を高めるこ
とができ、カッタースポーク伸縮機構も小型化すること
ができる。
【0064】請求項6の発明によれば、第1,第2シー
ルド掘進機を両者のカッターディスクが接近対向する状
態に近づけ、第1シールド掘進機においては、可動カッ
タースポークを径方向へ縮小させ、且つ第2シールド掘
進機においては、掘進中には環状スリットへ進出してい
た可動カッタースポークを径方向へ縮小させるとともに
連結機構を解除し、第1シールド掘進機に設けた貫入リ
ングを第2シールド掘進機のカッターディスクに形成し
た環状スリットを貫いて第2シールド掘進機内へ貫入さ
せて、第2シールド掘進機内の受圧リングに押圧するの
で、両掘進機における可動カッタースポークを径方向へ
伸縮させる構造が小型簡単化し、第2シールド掘進機の
カッターディスクの掘削性能と耐久性と信頼性を高め、
簡単に能率的に地中接合できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る地中接合型異径シール
ド掘進機のうちの小さい径の第1シールド掘進機の縦断
側面図である。
【図2】図1のシールド掘進機のカッターディスクの正
面図である。
【図3】図1のシールド掘進機の断面図(左半部は図1
のIIIa−IIIa線断面、右半部は図1のIIIb−IIIb線端
面)である。
【図4】本発明の実施形態に係る地中接合型異径シール
ド掘進機のうちの大きい径の第2シールド掘進機の縦断
側面図である。
【図5】図4のシールド掘進機のカッターディスクの正
面図である。
【図6】図4のシールド掘進機の断面図(左半部は図1
のVIa −VIa 線断面、右半部は図1のVIb −VIb 線端
面)である。
【図7】地中接合型異径シールド掘進機の地中接合開始
状態を説明する作動説明図である。
【図8】地中接合の第2番目の状態を説明する作動説明
図である。
【図9】地中接合の第3番目の状態を説明する作動説明
図である。
【図10】地中接合の第4番目の状態を説明する作動説
明図である。
【図11】地中接合の第5番目の状態を説明する作動説
明図である。
【図12】地中接合の第6番目の状態を説明する作動説
明図である。
【符号の説明】
1A 第1シールド掘進機 1B 第2シールド掘進機 5 貫入リング 12 カッターディスク 11 隔壁 13 チャンバー 30 押出しジャッキ 32 押し具 32a 押しロッド 43 可動カッタースポーク 44 カッタースポーク伸縮機構 45 チャンバー 50 カッターディスク 51 環状スリット 52 内側カッターディスク部 53 外周側カッターディスク部 56 隔壁 58 受圧リング 64 カッター駆動油圧モータ 84 可動カッタースポーク 85 カッタースポーク伸縮機構 90 連結機構 91 係合部 92 係合穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−165886(JP,A) 特開 平4−55594(JP,A) 特開 平2−80786(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 9/06 301

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1シールド掘進機と、この第1シール
    ド掘進機よりも大径の第2シールド掘進機とを備え、第
    1,第2シールド掘進機を相接近方向へ掘進させて両者
    の前端同士を地中で接合するようにした地中接合型異径
    シールド掘進機において、 前記第1シールド掘進機は、その胴部材の内側付近に軸
    方向へ移動可能に装備された貫入リングと、この貫入リ
    ングを前方へ押し出し駆動するリング押出し手段とを備
    え、第2シールド掘進機は貫入リングを受け止める受圧
    リングを備え、 前記第2シールド掘進機のカッターディスクは、貫入リ
    ングが挿入される環状スリットの内側に位置する内側カ
    ッターディスク部と、環状スリットの外側に位置する外
    周側カッターディスク部とに分割され、 前記第2シールド掘進機に、内側カッターディスク部と
    外周側カッターディスク部とを回転力伝達可能且つ連結
    解除可能に連結するとともに連結解除状態のとき環状ス
    リット内から退く連結機構と、内側カッターディスク部
    に連結された外周側カッターディスク部を回転駆動する
    回転駆動手段を設けたことを特徴とする地中接合型異径
    シールド掘進機。
  2. 【請求項2】 前記第2シールド掘進機の前端側部分の
    内部にはチャンバーを仕切る隔壁が設けられ、前記内側
    カッターディスク部は隔壁に回転自在に支持されたこと
    を特徴とする請求項1に記載の地中接合型異径シールド
    掘進機。
  3. 【請求項3】 前記内側カッターディスク部に、環状ス
    リット内まで径方向へ伸縮可能な可動カッタースポーク
    を含むカッタースポーク伸縮機構を設けたことを特徴と
    する請求項1又は2に記載の地中接合型異径シールド掘
    進機。
  4. 【請求項4】 前記連結機構は、可動カッタースポーク
    の先端の係合部と、外周側カッターディスク部に形成さ
    れ前記係合部が係合可能な係合穴とを含むことを特徴と
    する請求項1〜3の何れか1項に記載の地中接合型異径
    シールド掘進機。
  5. 【請求項5】 前記第1シールド掘進機に、貫入リング
    よりも小径化するまで径方向へ伸縮可能な可動カッター
    スポークを含むカッタースポーク伸縮機構を設けたこと
    を特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の地中接
    合型異径シールド掘進機。
  6. 【請求項6】 貫入リングを備えた第1シールド掘進機
    と、カッターディスクに、貫入リングを貫通させる環状
    スリットと、環状スリットの内外に位置する内側カッタ
    ーディスク部及び外周側カッターディスク部と、内側カ
    ッターディスク部と外周側カッターディスク部とを回転
    力伝達可能且つ連結解除可能に連結するとともに連結解
    除状態のとき環状スリット内から退く連結機構を備え且
    つ第1シールド掘進機よりも大径の第2シールド掘進機
    とを相接近方向へ掘進させて両者の前端同士を地中で接
    合する地中接合方法であって、 第1,第2シールド掘進機を両者のカッターディスクが
    接近対向する状態に近づける第1工程と、 第1シールド掘進機においては径方向へ伸縮可能な可動
    カッタースポークを径方向へ縮小させ、且つ第2シール
    ド掘進機においては径方向へ伸縮可能で掘進中には環状
    スリットへ進出していた可動カッタースポークを径方向
    へ縮小させるとともに前記連結機構を解除する第2工程
    と、 第1シールド掘進機に設けた貫入リングを第2シールド
    掘進機のカッターディスクに形成した環状スリットを貫
    いて第2シールド掘進機内へ貫入させて、第2シールド
    掘進機内の受圧リングに押圧する第3工程と、 を備えたことを特徴とする地中接合型異径シールド掘進
    機の地中接合方法。
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