JP3733796B2 - シールド装置及びシールド工法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、既設の管路を解体しながらその後方に新設管路を敷設するのに有効なシールド装置及びシールド工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば老朽化した既設管路を撤去して新設管路を敷設する方法として、既設管路の外側をシールド装置の前部で包囲し、この既設管路を解体撤去しながら、シールド装置の後部において既設管路より径を拡大若しくは同径の新設管路を新たに構築する、いわゆる拡大シールド工法が知られている(例えば、特開平6−288177号公報を参照)。
【0003】
ところで、このような従来の拡大シールド工法のように既設管路をその同径以上の新設管路に構築し直すだけでなく、必要最小断面を確保した管路を新設すればよい場合がある。むしろ、既設管路を小径の管路に新設し直すことによって、地下空間の有効領域を拡大し、他の管路の配設を容易にすることができるといったメリットがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のシールド工法にあっては、前述した拡大シールド工法によって既設管路を解体撤去しながらこれと同径以上の新設管路を設置することしかできないため、既設管路より小径の管路を新設する場合には、既設管路を解体撤去し、撤去後の空間を埋め戻した後、新たにシールド工法によって管路を新設する必要がある。この場合、既設管路撤去後の断面全体を埋め戻す必要があるため、埋戻し量が多く、埋戻し材の管理が煩雑であるとともに、埋戻し作業に長時間がかかるほか、埋戻し後に別途シールド装置を発進させなければならないこともあって工期が長期化するといった課題があった。
【0005】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、既設管路を解体撤去しながら、これより小径の新設管路を同時に敷設することにより、既設管路撤去後の埋戻し量が少なく、かつ、工期を短縮することができるシールド装置及びシールド工法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る発明は、新設管路を挿通させるための開口部が設けられる後胴部と、該後胴部の前端部に推進手段を介して連結され、後胴部に対して相対的に推進可能な中胴部と、該中胴部の前端部に屈曲手段を介して連結され、中胴部に対して相対的に屈曲可能であるとともに、中胴部と一体に推進可能であり、かつ既設管路の周囲を包囲する前胴部と、該前胴部の先端部に回転可能に設けられ、前記既設管路の外周地山を掘削する掘削手段と、該前胴部の内周側に設けられる前記既設管路を解体撤去するための解体手段と、前記中胴部及び前記後胴部の内周側に設けられる新設管路を組み立てるための組立手段と、前記後胴部に設けられて前記新設管路の周囲に固化材を含んだ充填材を供給するための充填材供給手段とを備え、前記中胴部及び前胴部の推進時の反力を、前記後胴部を介して前記新設管路の周囲に充填された固化材を含んだ充填材からとるように構成したことを特徴とする。
本発明によるシールド装置によれば、掘削手段を回転させながら、推進手段によって中胴部及び前胴部を推進させることにより既設管路の外周地山が掘削される。この場合、既設管路の配設形状に応じて、屈曲手段により前胴部を中胴部に対して相対的に屈曲させることにより、既設管路の配設形状に影響されることなく、既設管路の外周地山を掘削することができる。そして、解体手段により既設管路を解体撤去し、既設管路を撤去した後に形成される空間内に組立手段により新設管路を組み立てることにより、新設管路が敷設され、新設管路の周囲には充填材供給手段により固化材を含んだ充填材が充填される。推進手段により中胴部及び前胴部を推進させる際の反力は、後胴部を介して新設管路の周囲に充填された固化材を含んだ充填材からとることができる。
【0007】
また、本発明の請求項2に係る発明は、請求項1に記載のシールド装置であって、前記後胴部には、新設管路の内形を規定するための型枠が設けられていることを特徴とする。
本発明によるシールド装置によれば、型枠を利用して、場所打ちライニング工法により新設管路を造成することができる。
【0008】
また、本発明の請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載のシールド装置であって、前記前胴部の内周側には、前記既設管路の外周面に接離可能なシール部材を有する前方シール手段と、前記既設管路の後端面及び内周面に接離可能なシール部材と、前記前胴部の内周面に接触するシール部材とを有する後方シール手段とが設けられていることを特徴とする。
本発明によるシールド装置によれば、前方シール手段のシール部材を既設管路の外周面に接触させ、また、後方シール手段のシール部材を既設管路の後端面及び内周面に接触さ、及びシール部材を前胴部の内周面に接触せることにより、前胴部と既設管路との間がシールされることになる。
【0009】
さらに、本発明の請求項4に係る発明は、請求項1から3の何れかに記載のシールド装置であって、前記後胴部には、後胴部周囲の地山に接離可能な少なくとも一つのローリング防止用グリッパが設けられていることを特徴とする。
本発明によるシールド装置によれば、少なくとも一つのローリング防止用グリッパを後胴部周囲の地山に接触させることにより、掘削手段により既設管路の外周地山を掘削する際に、シールド装置全体が地山からの反力によってローリングするのを防止できる。
さらに、本発明の請求項5に係る発明は、請求項1に記載のシールド装置を用い、既設管路を解体撤去するととともに、既設管路を撤去した後の空間内に新設管路を敷設するシールド工法であって、前記掘削手段を回転させながら、前記推進手段により前記中胴部及び前胴部を推進させて、前記既設管路の外周地山を掘削し、前記解体手段により既設管路を解体撤去する工程と、既設管路を解体撤去した後に形成される空間内に前記組立手段により新設管路を敷設し、新設管路の周囲に前記充填材供給手段により固化材を含んだ充填材を充填する工程とを、それらの順に又は並行して行い、この際に、前記中胴部及び前胴部の推進時の反力を、前記後胴部を介して前記新設管路の周囲に充填された固化材を含んだ充填材からとるように構成したことを特徴とする。
本発明によるシールド工法によれば、掘削手段を回転させながら、推進手段により中胴部及び前胴部を推進させることにより、既設管路の外周地山が掘削され、解体手段により既設管路が解体撤去される。そして、既設管路を撤去した後に形成された空間内に、組立手段により新設管路が組み立てられて敷設され、新設管路の周囲に充填材供給手段により固化材を含んだ充填材が充填される。推進手段により中胴部及び前胴部を推進させる際の反力は、後胴部を介して新設管路の周囲に充填された固化材を含んだ充填材からとることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
図1及び図2には、本発明によるシールド装置の一実施の形態が示されていて、このシールド装置1は、多数のセグメントをリング状に組立ててなる既設管路3の後端を包囲し、既設管路3の後端縁よりさらに後方に延びて配置される中空筒状の前胴部5と、前胴部5の後方に位置する中空筒状の中胴部7と、中胴部7の後方に位置する新設管路9を挿通させる開口部11を有するリング状のブロック体である後胴部13とを備えている。
前胴部5、中胴部7及び後胴部13は、外径がほぼ同じで同心状に配置され、それぞれの外周面が周囲地山と接している。
前胴部5及び中胴部7は、内径が既設管路3より大径に形成され、それらの内側に既設管路3を解体撤去し又は必要に応じて新設管路9を搬入するための作業空間15が形成されている。
なお、前胴部5、中胴部7及び後胴部13のそれぞれの間は図示しないシール手段により後述する相対移動時にあっても相互に液密となるように連結されている。
【0011】
後胴部13の前端部には、周方向に適宜間隔で配置されて軸方向に伸縮する複数(この実施形態では12個)の推進手段である推進用ジャッキ17の後端が連結され、この推進用ジャッキ17のラムの前端は中胴部7の内側に突出するリング状のジャッキ受台19に連結されている。
中胴部7のジャッキ受台19には、周方向に適宜間隔で配設された屈曲手段である複数(この実施形態では12個)の中折れジャッキ21の後端が連結され、この中折れジャッキ21の前端は前胴部5の内側に突出するリング状のジャッキ受台23に連結されている。
前胴部5のジャッキ受台23は前胴部5の後端部に設けられ、既設管路3の内径よりも小さい内径に形成されている。
【0012】
前胴部5は、外周部を構成するアウタウォール5aと内周部を構成するインナウォール5bとからなり、前部の外径が段状に縮径された前胴主部5Aと、前胴主部5Aの縮径部分の外周を覆って前方に延び、さらに内側に折れ曲がるようにしてその前面が既設管路3の外周地山に対向する旋回部5Bとを備えている。
旋回部5Bは、前胴主部5Aの縮径部分との間に適宜のシール手段25を介して配置され、前胴主部5Aに対して相対的に回転可能に構成され、既設管路3のまわりを旋回可能となっている。前胴部5の前端部には、既設管路3の外周地山を掘削するための掘削手段であるカッタ27が既設管路3を包囲するように環状に設けられている。
【0013】
前胴主部5Aの後部内側にはカッタ旋回用油圧モータ29が固定され、カッタ旋回用モータ29の回転軸には第1の自在継手31、連繋ロッド33、第2の自在継手35、ピニオン37が順に連動連結されている。ピニオン37の外周の一部は前胴主部5Aの縮径部分から突出し、この突出部分に旋回部5Bの後部内側に形成された内歯歯車39が係合している。したがって、推進用ジャッキ17を伸張駆動するとともにカッタ旋回用モータ29を駆動することにより、前胴部5が中胴部7とともに後胴部13に対して前方に推進移動しつつ、第1の自在継手31、連繋ロッド33、第2の自在継手35、ピニオン37を介して旋回部5Bが既設管路3の外周を旋回し、旋回部5Bの前端部に設けられたカッタ27が既設管路3の外周地山を掘削することになる。
【0014】
前胴部5のアウタウォール5aとインナウォール5bとの間には周方向に適宜の本数で送泥管41及び排泥管43が配設され、送泥管41及び排泥管43は前胴主部5Aの前端面に開口している。送泥管41及び排泥管43は、既設管路3内にその軸方向に延長して設けられた中空状パイプ45内にその一部が配管される図示しない送泥配管及び排泥配管に前胴部5の後部にて送泥継管47及び排泥継管49を介して連結されることにより、地上から前胴部5の前端部に泥水が送泥され、また掘削後の泥水を地上に排泥するようになっており、前述したカッタ27による推進掘削をいわゆる泥水式のものとしている。
【0015】
前胴部5のジャッキ受台23には、周方向に適宜間隔を有して軸方向に伸縮する複数(この実施形態では6個)のスライドジャッキ51がそのラムを前方に向けて伸縮するように固定されている。スライドジャッキ51のラム先端には、断面L形状の止水リング55が連結され、この止水リング55の先端部の既設管路3の後端縁及び内周面に対向する部分には、それぞれシール部材であるエアバッグ53が設けられている。
止水リング55の外周部は前胴主部5Aの内周面に摺接している。止水リング55の外周部の摺接部分には、Oリング等のシール部材(図示せず)が複数段(この実施形態では3段)に設けられている。
スライドジャッキ51を伸縮させて、止水リング55を既設管路3に当接、離間させることにより、既設管路3の内外をシールしたり、シール状態を解除したりすることができる。
止水リング55の先端部のシール部材であるエアバッグ53と、外周部のOリング等のシール部材とによって後方シール手段52が構成される。
【0016】
前胴主部5Aの前端部内周側には、シール部材であるワイヤーシール及びエアバッグ57aを有する前方シール手段57が設けられ、このエアバッグ57aを膨潤させて既設管路3の外周面に接触させることにより、前胴部5と既設管路3との間がシールされ、エアバッグ57aのエアを抜くことにより、既設管路3とのシール状態が解除される。後方シール手段及び前方シール手段を、後述する施工手順に従って択一的に既設管路3に圧接させることにより、既設管路3の内外がシールされて止水される。
【0017】
中空状のパイプ45の前部には、径方向に延びて既設管路3の内周面と対向する前後一対の組立体59が固着され、この組立体59には、その外周部から径方向に伸縮自在なアーム61が設けられるとともに、アーム61の外周端には既設管路3内周面に押接可能な係止手段である複数のグリッパ63が設けられている。アーム61は、図示しない駆動手段により伸縮し、アーム61の外周端のグリッパ63を既設管路3の内周面に係止又は係止を解除させる。
【0018】
中空状パイプ45の後端部には、径方向に延びるフランジ65が固着され、このフランジ65の後端には、軸方向に伸縮する推進手段である複数(この実施形態では6個)の盛替え用ジャッキ67の前端が連結され、盛替え用ジャッキ67の後端は後胴部13の前端に連結されている。
なお、盛替え用ジャッキ67、フランジ65、中空状パイプ45、組立体59のアーム61、及びグリッパ63により後胴部推進手段60が構成される。
【0019】
後胴部13は、新設管路9を軸方向に通過せしめる開口部11がその中心に形成されている。後胴部13の開口部11内周には新設管路9の外周面に接することで新設管路9の内外を止水して後方地山からの土砂または充填材がシールド装置1内部に浸入することを阻止するためのシール手段69が介在されている。この実施形態では、新設管路9の径が既設管路3の径より小径となっているが、既設管路3とほぼ同径であってもよい。新設管路9は、所定長の管路ピースを地上から既設管路3を通して搬入してその前方に順に継ぎ足すこともできるし、既設管路3を通さずに後方から前方に向けて押し込みながら後方に継ぎ足すこともできる。新設管路9としては、既設管路3と同様に多数のセグメントをリング状に組み立てたものであってもよいし、コンクリート管、塩ビ管等であってもよい。また、後述する実施形態に示されるように、場所打ちライニング工法によって構築されるトンネルであってもよい。
【0020】
後胴部13の後端面は、開口部11の周囲が鉛直面71となっているとともに、外側が後方に向けて縮径するテーパ面73となっている。後胴部13内には複数の充填材供給手段75が設けられ、充填材供給手段75は鉛直面71及びテーパ面73に開口した注入孔71a,73aから新設管路9の外周に充填材を注入充填する。充填材としては、砂または砂に気泡や固化材を適宜配合したものを採用することができる。また、この実施形態では、後胴部13から新設管路9の外周に向けて軸方向に進退可能な崩壊探査ジャッキ77が設けられている。崩壊探査ジャッキ77は、従来、切羽崩壊状況チェックに使われていたものを、この実施形態では充填材の充填状況チェックに用いている。
【0021】
また、後胴部13の外周部には、周囲地山に向けて出没可能な複数(この実施形態では4個)のローリング防止用グリッパ79が設けられている。ローリング防止用グリッパ79を突出させることにより、カッタ27を具備した旋回部5Bが前胴主部5Aに対して旋回する際、装置1全体がその反力によってローリングすることを防止することができる。
【0022】
なお、81は、既設管路3を解体撤去するためのエレクタ等の解体手段である。
【0023】
以上の構成を有するシールド装置1により本発明によるシールド工法を実施するには、まず、図1に示す掘進準備工程において、後胴部推進手段60のアーム61を伸張させて、グリッパ63を既設管路3の内周面に押接させ、ローリング防止用グリッパ79を突出させて地山に押接させ、スライドジャッキ51を伸張させて、止水リング55の先端部を既設管路3の後端縁及び内周面に当接させ、後方シール手段52のエアバッグ53を膨潤させて、既設管路3の後端縁及び内周面に押接させる。なお、前方シール手段57のエアバッグ57aは縮めておき、既設管路3の外周面から離間させておく。
【0024】
次に、図3に示す掘進工程において、送泥管41及び排泥管43により泥水を循環させ、旋回用モータ29を駆動させて旋回部5Bを回転させながら、推進用ジャッキ17を駆動させてカッタ27により既設管路3の外周地山を掘削し、後胴部13に対して中胴部7及び前胴部5を相対的に推進させる。この場合、既設管路3の配設形状に応じて中折れジャッキ21を作動させ、中胴部7に対して前胴部5を屈曲させることにより、既設管路3の配設形状に影響されることなく、既設管路3に沿って外周地山を掘削することができる。また、中胴部7及び前胴部5を推進させる際に、エアバッグ57aは縮んだ状態となっているので、エアバッグ57aが既設管路3の外周部に充填されて固化している裏込材と接触するのを避けることができ、エアバッグ57aの破損を防止できる。
なお、中胴部7及び前胴部5を推進させるための反力は、後胴部13の周囲に充填された固化材を含んだ充填材からとっている。
【0025】
次に、図4に示す新設管路9の組立工程において、シールド装置1の作業空間15において、新設管路9を組み立て、敷設する。この場合、作業空間15は広く開口した状態となっているので、作業性を高めることができる。なお、図4では、二つのピースを新たに接続した状態を示している。
そして、前方シール手段57のエアバッグ57aを膨潤させ、ローリング防止用グリッパ79を縮退させる。
【0026】
次に、図5に示す後胴部13の推進工程において、まず、後胴部推進手段60のアーム61を縮退させて、グリッパ63を既設管路3の内周面から離間させ、後胴部13を介して周囲地山から反力をとりながら盛替え用ジャッキ67を伸張させ、フランジ65、中空状パイプ45、組立体59を前方へ移動させ、アーム61を伸張させてグリッパ63を既設管路3の内周面に押接させ、係止させる。
そして、グリッパ63を介して既設管路3から反力を取りながら、盛替え用ジャッキ67を縮退させることにより、中胴部7及び前胴部5に向けて後胴部13を引き戻し、後胴部13を前方に推進させる。
この場合、後胴部13の推進移動と同時に、充填材供給手段75により後胴部13後方の新設管路9と地山との間に、図5にハッチングで示すように、充填材を供給する。
【0027】
次に、図6に示す既設管路3の解体準備工程において、止水リング55の先端部のエアバッグ53を縮めるとともに、スライドジャッキ51を縮退させることにより、止水リング55を既設管路3から離間させて後方に移動させ、既設管路3の後端部を解体可能な状態とする。
【0028】
次に、図7に示す既設管路3の解体工程において、既設管路3の後端部を解体手段であるエレクタ81を用いて解体する。解体した既設管路3を構成するセグメントは、図示しない台車によって坑外へ搬出する。
そして、その後に、図1の掘進準備工程に戻り、図1、図3〜図7の各工程を順に繰り返すことにより、既設管路3の外周地山を掘削しつつ、既設管路3を解体して既設管路3より小径の新設管路9をその後方に順次敷設していくことができる。
【0029】
以上の実施形態によれば、既設管路3を解体撤去しながら撤去後の空間に管路9を新設することができ、しかも、既設管路3の解体後に充填される充填材は新設管路9の断面分が不要であるので、既設管路3を撤去した後に新たにシールド工法によって管路を新設する場合に比べて、充填量が少なく、充填材の管理も容易であるとともに、工期も短縮化することができる。また、既設管路3の後方に敷設される新設管路9は、種々の目的に用いることができるが、埋め戻してもよい。
【0031】
図8は、他の実施形態を示している。この実施形態では、後胴部13の開口部11に新設管路9の内形を規定する新設管路用型枠85が設けられている。新設管路用型枠85は、その前端部外周にリング状の突起85aを一体的に有し、このリング状突起85aが後胴部13の開口部11の内周部から内側に突出する前後一対の係止用リング87a、87bの間に挟まれるように配置されることで後胴部13の推進と連動して前進移動する。また、型枠85の後端はマンホール89によって閉塞されている。この実施形態においては、充填材供給手段75から供給される充填材として固化材を含んだものを用い、推進用ジャッキ17及び盛替え用ジャッキ67の反力を後胴部13の後方にして新設管路用型枠85の外周に充填される固化材を含んだ充填材から得ている。すなわち、この実施形態は、場所打ちライニングシールド工法によって新設管路9を造成するものである。この実施形態において、周囲地盤の性状によっては、既設管路3に反力をとる必要はない。
【0032】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明のシールド装置及びシールド工法によれば、既設管路を解体撤去しながら、撤去後の空間に新設管路を敷設することができる。この場合、既設管路の解体後に充填される充填材は、新設管路の断面分不要であるので、既設管路を撤去した後に新たにシールド工法によって新設管路を敷設する場合に比べて、充填材の量を少なくすることができ、工期を短縮することができる。
【0033】
また、掘進手段と掘削手段との協働により、既設管路の外周地山を掘削しつつ、前胴部の内側で解体手段により既設管路を撤去し、既設管路を撤去した後の空間に組立手段により新設管路を組み立て、敷設することができる。この場合、新設管路は、既設管路を通じて順次前方に継ぎ足すこともできるし、新設管路の後端側から前方へ向けて押し込むこともできる。
さらに、中胴部及び前胴部を推進させる際の反力を、新設管路の周囲に充填した固化材を含んだ充填材からとっているので、反力をとるための工程を新たに設ける必要はなく、作業工数を削減することができ、工期を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるシールド装置及びシールド工法の一実施の形態を示した縦断面図であって、掘進準備状態を示した縦断面図である。
【図2】 (a)は図1のA−A線断面図、(b)は図1のB−B線断面図、(c)は図1のC−C線断面図、(d)は図1のD−D線断面図である。
【図3】 掘進工程を示した縦断面図である。
【図4】 新設管路の組立工程を示した縦断面図である。
【図5】 後胴部推進工程を示した縦断面図である。
【図6】 既設管路の解体準備工程を示した縦断面図である。
【図7】 既設管路の解体工程を示した縦断面図である。
【図8】 本発明によるシールド装置及びシールド工法の他の実施の形態を示した縦断面図である。
【符号の説明】
1 シールド装置
3 既設管路
5 前胴部
5a アウタウォール
5b インナウォール
5A 前胴主部
5B 旋回部
7 中胴部
9 新設管路
11 開口部
13 後胴部
15 作業空間
17 推進手段(推進用ジャッキ)
19、23 ジャッキ受台
21 屈曲手段(中折れジャッキ)
25 シール手段
27 掘削手段(カッタ)
29 カッタ旋回用油圧モータ
31 第1の自在継手
33 連繋ロッド
35 第2の自在継手
37 ピニオン
39 内歯歯車
41 送泥管
43 排泥管
45 中空状パイプ
47 送泥継管
49 排泥継管
51 スライドジャッキ
52 後方シール手段
53 シール部材(エアバッグ)
55 止水リング
57 前方シール手段
57a シール部材(ワイヤーシール及びエアバッグ)
59 組立体
60 後胴部推進手段
61 アーム
63 グリッパ
65 フランジ
67 盛替え用ジャッキ
69 シール手段
71 鉛直面
71a、73a 注入孔
73 テーパ面
75 充填材供給手段
77 崩壊探査ジャッキ
79 ローリング防止用グリッパ
81 解体手段(エレクタ)
Claims (5)
- 新設管路を挿通させるための開口部が設けられる後胴部と、該後胴部の前端部に推進手段を介して連結され、後胴部に対して相対的に推進可能な中胴部と、該中胴部の前端部に屈曲手段を介して連結され、中胴部に対して相対的に屈曲可能であるとともに、中胴部と一体に推進可能であり、かつ既設管路の周囲を包囲する前胴部と、
該前胴部の先端部に回転可能に設けられ、前記既設管路の外周地山を掘削する掘削手段と、
該前胴部の内周側に設けられる前記既設管路を解体撤去するための解体手段と、
前記中胴部及び前記後胴部の内周側に設けられる新設管路を組み立てるための組立手段と、
前記後胴部に設けられて前記新設管路の周囲に固化材を含んだ充填材を供給するための充填材供給手段とを備え、
前記中胴部及び前胴部の推進時の反力を、前記後胴部を介して前記新設管路の周囲に充填された固化材を含んだ充填材からとるように構成したことを特徴とするシールド装置。 - 前記後胴部には、新設管路の内形を規定するための型枠が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシールド装置。
- 前記前胴部の内周側には、前記既設管路の外周面に接離可能なシール部材を有する前方シール手段と、前記既設管路の後端面及び内周面に接離可能なシール部材と、前記前胴部の内周面に接触するシール部材とを有する後方シール手段とが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシールド装置。
- 前記後胴部には、後胴部周囲の地山に接離可能な少なくとも一つのローリング防止用グリッパが設けられていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のシールド装置。
- 請求項1に記載のシールド装置を用い、既設管路を解体撤去するととともに、既設管路を撤去した後の空間内に新設管路を敷設するシールド工法であって、
前記掘削手段を回転させながら、前記推進手段により前記中胴部及び前胴部を推進させて、前記既設管路の外周地山を掘削し、前記解体手段により既設管路を解体撤去する工程と、
既設管路を解体撤去した後に形成される空間内に前記組立手段により新設管路を敷設し、新設管路の周囲に前記充填材供給手段により固化材を含んだ充填材を充填する工程とを、
それらの順に又は並行して行い、この際に、前記中胴部及び前胴部の推進時の反力を、前記後胴部を介して前記新設管路の周囲に充填された固化材を含んだ充填材からとるように構成したことを特徴とするシールド工法。
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