JP3532142B2 - 地下鉄トンネルの施工方法 - Google Patents

地下鉄トンネルの施工方法

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JP3532142B2 JP2000162307A JP2000162307A JP3532142B2 JP 3532142 B2 JP3532142 B2 JP 3532142B2 JP 2000162307 A JP2000162307 A JP 2000162307A JP 2000162307 A JP2000162307 A JP 2000162307A JP 3532142 B2 JP3532142 B2 JP 3532142B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駅部およびシール
ド機掘進方向側に連続する前側路線部のみならず、シー
ルド機掘進方向の後方側に連続する後側路線部をも含め
て一括施工を可能とした親子シールド機による地下鉄ト
ンネルの施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、地下鉄などをシールド工法で
建設する場合、先ず駅部を開削工法によって築造した
後、駅部の一方側端部を発進基地としてシールド機を組
立て、次の駅部までの路線区間を前記シールド機によっ
て掘削することが一般的に行われていたが、近年は都市
の過密化によって開削工法を採用すること自体、困難な
状況になりつつある。また、開削工法の場合には、道路
面で大規模な覆工を必要とし道路交通上の制約が大き
く、また地下埋設物に与える影響を抑制しながらの工事
となるため、その完成までには多くの工程と時間を要
し、当然に工費も嵩むことになっていた。
【0003】このような問題に答えるものとして近年、
開発が進められているのが親子シールド機である。この
親子シールド機は、親シールド機の内部に1または複数
の子シールド機を収容した構造のシールド機で、駅部の
一方がわ端部位置に発進立坑を構築したならば、この発
進立坑内部で前記親子シールド機を組み立て、次いで親
子一体のまま駅部を掘削し、駅部の他方がわ端部位置ま
で掘進を終えたならば、親シールド機を原位置に残した
状態で子シールド機のみが発進し、前側路線部の掘削を
連続して行うようにしたものである(以下、第1従来例
という)。
【0004】また、近年では図22に示されるように、
中間立坑50から発進した円形シールド機51によって
路線部52を掘削した後、駅部の一方がわ端部位置に構
築した立坑53に到着したならば、この立坑53内で前
記円形シールド機51の両側に側部シールド機54,5
4を合体させてホーム部を含む幅広のトンネル掘削断面
形状とし、次いでこの立坑53を発進基地として駅部5
5を掘進し、しかる後駅部55の他方がわ端部位置に形
成した立坑56に到着したならば前記側部シールド機5
4,54を分離して再び円形断面のシールド機51と
し、引き続き路線部57の掘削を行うようにしたトンネ
ル施工方法も行われている(以下、第2従来例とい
う)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記第
1従来例の場合には、施工に必要な立坑数が少なくて済
むものの、1台の親子シールド機によって施工し得る区
間は駅部および掘進方向側に連続する路線部区間(以
下、1工区という。)に限られる。その結果、1工区当
たりの工費が嵩むなどの問題があった。
【0006】一方、前記第2従来例の場合には、駅部お
よびこれに連続する前側路線区間と後側路線区間とを一
括施工するため1親子シールド機当たりの施工延長を図
り得る点で効率的となる。しかし、駅部の両端側にそれ
ぞれ立坑を必要とし立坑の構築数が多くなるため、立坑
構築に掛かる費用が増大し、工費を安く出来ないととも
に、立坑構築のための用地確保などが問題となる。
【0007】そこで本発明の主たる課題は、立坑数を最
小限に止めながら、親子シールド機による施工区間の延
長を図り、シールド機の利用効率を高めるとともに、施
工の効率化を図り、かつ工費の低廉化を図り得る地下鉄
トンネルの施工方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本第1発明は、少なくとも2基以上の子シールド機を
収容した親子シールド機を用いて、駅部と、これに連続
する前側路線および後側路線とを一括施工するための地
下鉄トンネルの施工方法であって、駅部の一方がわ端部
位置に発進立坑を構築し、この発進立坑内で少なくとも
2基以上の子シールド機を収容する親子シールド機を組
み立て、該発進立坑から親子シールド機を発進させて駅
部の掘削を行い、前記親子シールド機が駅部の他方がわ
端部位置まで到達したならば、収容されている全子シー
ルド機の内の一部については、親シールド機内から前方
側に発進して前側路線部を掘削し、残る子シールド機に
ついては前記発進立坑位置まで移動した後、後方側に連
続する後側路線部を掘削することを特徴とするものであ
る。
【0009】また、具体的態様に係る第2発明は、2基
の子シールド機を収容した親子シールド機を用いて、駅
部と、これに連続する前側路線部および後側路線部とを
一括施工するための地下鉄トンネルの施工方法であっ
て、駅部の一方がわ端部位置に発進立坑を構築し、この
発進立坑内で2基の子シールド機を収容する親子シール
ド機を組み立て、該発進立坑から親子シールド機を発進
させて駅部の掘削を行い、前記親子シールド機が駅部の
他方がわ端部位置まで到達したならば、収容されている
子シールド機の一方については;親シールド機内から前
方側に発進して前側路線部の上下線の内、一方がわ路線
を掘削し、隣駅の駅部トンネル内または立坑内に到達し
たならば方向転換を行い、復路工程によって前記前側路
線部の他方がわ路線を掘削し、子シールド機の他方につ
いては;前記発進立坑位置まで移動した後、後方側に連
続する後側路線部の上下線の内、一方がわ路線を掘削
し、隣駅の駅部トンネル内または立坑内に到達したなら
ば方向転換を行い、復路工程によって前記後側路線部の
他方がわ路線を掘削することを特徴とするものである。
【0010】本発明においては、親シールド機内に収容
される子シールド機の一部を前側路線部の掘削に使用
し、残る子シールド機を後側路線部の掘削に使用するよ
うにする。その結果、1台の親子シールド機によって、
駅部およびシールド機掘進方向側に連続する前側路線部
のみならず、シールド機掘進方向の後方側に連続する後
側路線部をも含めて一括施工が可能となる。また、施工
に必要な立坑数は、隣駅の駅部掘削が既に完了している
場合には、折返し(方向転換)または子シールド機の撤
去にその駅部空間内を利用できるため、最小限のケース
では当該施工対象となる駅部の一方がわ端部にのみ立坑
を構築すれば足りるようになる。また、当然に1台の親
子シールド機による掘削延長が増大されるため、シール
ド機の有効利用が図れ、単位長さ当たりの施工費を安く
できるようになる。
【0011】他方、上記第2発明の場合には1台の子シ
ールド機によって路線部の上下線を掘削するために工期
が延長化することになるが、特に施工工期の短縮を図り
たいなどの要請がある場合には、親シールド機内に収容
される子シールド機を合計4基とし、これら4基の子シ
ールド機の内、2基については前記前側路線部の上下線
を並行しながら掘削し、残る2基については後側路線部
の上下線を並行しながら掘削させるようにすればよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳述する。 〔親子シールド機の構造〕まず最初に、本発明に係る地
下鉄トンネルの施工方法において使用される親子シール
ド機の構造について図1〜図6に基づいて詳述する。図
1は親子シールド機1の縦断面図であり、図2は正面
図、図3は図1のIII−III線矢視を左右分割で示した図
である。
【0013】親子シールド機1は、円筒状の親スキンプ
レート4の内部に、図2および図3で示される配置態様
で、すなわち親シールド機1の軸芯位置から左右方向に
夫々偏心させた位置に子シールド機2A、2Bを備えた
シールド機である。なお、本図では説明の簡略化のため
に送泥管および排泥管による土砂排出機構、アジテータ
等の細部構造は省略してある。
【0014】親スキンプレート4の内部には、前記子シ
ールド機2A、2Bを収納する円筒状空間を形成するた
めに子シールド機2A、2Bの子スキンプレート8の径
より若干大径の収容リング3、3がそれぞれ配置され、
この収容リング3,3内に前記子シールド機2A、2B
が収納されている。
【0015】これら子シールド機2A、2Bには、将来
の発進に備えて、予め機体中心位置に子ロータリージョ
イント21が設けられているとともに、環状の子カッタ
ー支持アーム22等が配されているが、後述するよう
に、親カッターヘッド12内に一体的に設けられている
子カッターヘッド13A、13Bとは分離した状態で前
記収容リング3、3内に夫々収容されている。
【0016】親シールド機のバルクヘッド5には、図4
の要部拡大図に示されるように、予め子シールド機2
A、2Bのための通過孔6、6が夫々形成され、親子シ
ールド機の一体時には、この通過孔6、6が封鎖プレー
ト7、7により塞がれている。また、前記親シールド1
の収容リング3、3と子シールド機2A、2Bの子スキ
ンプレート8、8との間の間隙部Aに対しては、リング
状のバルクヘッドシール9、9が配設され、封鎖プレー
ト7、7の取り外し時(発進時)において前記間隙部A
において水密性が確保されるようになっている。また、
図5に示されるように、子シールド機2A、2Bの下面
側においては、前記収容リング3、3の内面側にガイド
レール32、32…が固定され、これを台座として子シ
ールド機2A、2Bが収納リング3、3の中心位置に位
置決めされ、子シールド機2A、2Bが収容リング3、
3より抜け出る際の摺動を円滑なものとしている。
【0017】他方、前記親子シールド機1の前部には、
前記バルクヘッド5との間に土砂取り込み用のカッター
チャンバ16を有しながら、親シールド機1の軸心位置
に配置された親ロータリージョイント15によって回転
可能に支持されるとともに、ほぼ親スキンプレート4と
ほぼ同径の親カッターヘッド12が設けられている。こ
の親カッターヘッド12には、前記子シールド機2A、
2Aの配設位置に対応して、これら子シールド機2A、
2Bとほぼ同径の通孔12a、12bが形成されている
とともに、この通孔12a、12bに代わって子カッタ
ーヘッド13A、13Bが一体的に嵌設され、あたかも
前記親カッターヘッド12と子カッターヘッド13A、
13Bとで1枚のカッターヘッド11が構成されてい
る。前記親カッターヘッド12と子カッターヘッド13
A、13Bとは、図6に示されるように、少なくとも掘
削前面をほぼ同面とした状態で子カッターヘッド13
A、13B側に設けられたピンジャッキ20のピン20
aが親カッターヘッド12側に挿入係合することによ
り、分離可能に一体化されている。なお、前記ピンジャ
ッキ20は親カッターヘッド12側に設けることもでき
るし、あるいはピン形式によることなく溶接等により両
者を一体としておき、切断によって分離させることもで
きる。
【0018】一方、前記親カッターヘッド12の背面側
周囲には、リング状の親カッター支持アーム10が固定
され、この親カッター支持アーム10のカッターベアリ
ング10aは親スキンプレート4の内側近傍位置に円周
方向に沿って適宜の間隔で配置されたカッター駆動用モ
ータ14、14…のギアに対し噛合し、前記カッター駆
動用モータ14、14…の駆動により前記親カッターヘ
ッド12が前記親ロータリージョイント15を回転支軸
として回転駆動され、この親カッターヘッド12の回転
に伴って前記子カッターヘッド13A、13Bがその一
部として従動的に回転するようになっている。
【0019】なお、図2において、カッターヘッド11
の半径方向に形成された12c、12c…は土砂取り込
み用のスリット孔であり、図示されていないが、このス
リット孔12c、12cの隣接位置には多数のカッター
ビットが固定されている。
【0020】他方、親シールド機1の後方側には、サポ
ートフレーム17に支持されて円周方向に沿って適宜の
間隔で多数のシールドジャッキ18、18…が配置され
るとともに、ほぼ中心位置に親エレクター19が設けら
れている。この親エレクター19によってセグメントS
が外周に配設され、シールドジャッキ18、18…によ
る押出しによって親子シールド機1が推進する。
【0021】〔子シールド機2Aの発進手順〕上記親子
シールド機1から子シールド機2Aが発進するための準
備作業は概ね下記の手順により行う。
【0022】《第1ステップ》図7に示されるように、
カッターチャンバ16内に作業員が入る準備のために先
ずカッターヘッド11のスリット孔12c、12c…を
塞ぐ。また、子シールド機2Aに対する盛り代えのため
に、カッター駆動用モータ14、14…およびシールド
ジャッキ18、18…の取り外し作業を行うとともに、
不要となった親エレクター19の撤去作業を行う。な
お、子シールド機2Aに予めカッター駆動用モータ1
4、14…およびシールドジャッキ18、18…を取り
付けておけば、これらの盛替え工程は省略が可能であ
る。
【0023】《第2ステップ》図8に示されるように、
子シールド機2Aの後部側に子機テール25の取付けを
行うとともに、子機サポートフレーム27の取付けを行
い、この子機サポートフレーム27に対して子シールド
機2A用に作られた小サイズの子エレクター26を取付
け、さらに第1ステップにて取外したカッター駆動用モ
ータ14、14…およびシールドジャッキ18、18…
を取付ける。
【0024】《第3ステップ》図9に示されるように、
カッターチャンバ16内に作業員が入って、子カッター
ヘッド13A配設部位の裏面側にリング状のエントラン
スパッキン28を設置するとともに、子シールド機本体
2Aを前進させるために封鎖プレート7を撤去する。前
記エントランスパッキン28は、図10に示されるよう
に、リング体29の内周面側にシール材30、30…を
固設したもので、子シールド機2Aのスキンプレート8
が前記シール材30、30…に接触することにより水密
性が確保されるようになっている。また、子機テール2
5の後部に子シールド機本体2Aが前進する際の反力受
けとなるバックアンカー31を取付ける。
【0025】《第4ステップ》図11に示されるよう
に、子シールド機本体2Aの後方側に前記バックアンカ
ー31に連設して仮セグメントS1,…を順次並
べ、これら仮セグメントS1,…をシールドジャ
ッキ18、18の反力受けとして子シールド機2Aを前
進させる。そして、子シールド機2Aの子ロータリージ
ョイント21および子カッター支持アーム22、22の
先端が子カッターヘッド13Aの裏面に接触したなら
ば、前記子カッターヘッド13Aと前記子ロータリージ
ョイント21および子カッター支持アーム22、22と
を、溶接、ボルト等の図示しない連結手段により連結し
てカッターヘッドを備えた子シールド機2A’を完成さ
せる。その後は、ピンジャッキ20のピン20aの抜脱
操作により親カッターヘッド12との係合を解いて子カ
ッターヘッド13Aを親カッターヘッド12から分離
し、親シールド機1を原位置に残したままで子シールド
機2A’を発進させる。
【0026】〔地下鉄トンネルの施工〕上記親子シール
ド機1を用いて、駅部36と、これに連続する前側路線
部37および後側路線部38とを一括施工するための地
下鉄トンネルの施工方法について、図12〜図18(す
べて平面図で表示)に示す手順に従いながら詳述する。
【0027】《第1ステップ》図12に示されるよう
に、駅部36の一方がわ端部位置に、発進立坑35を構
築したならば、この発進立坑35内で子シールド機2
A、2Bを収容する親子シールド機1の組み立てを行
う。組み立てが完了したならば、図13に示されるよう
に、前記発進立坑35から親子シールド機1を発進させ
て駅部トンネル36Aの掘削を行う。また、この駅部ト
ンネル36Aの掘削に併行してまたは事前に、駅部36
の他方がわ端部位置に地上側からの工事によって地盤改
良体39を造成しておく。
【0028】《第2ステップ》前記親子シールド機1が
駅部36の他方がわ端部位置まで到達したならば、親エ
レクター19を撤去した後、図14に示されるように、
子シールド機2Aについては、発進準備のために、後部
側に子機テール25の取付けを行うとともに、子機サポ
ートフレーム27を取付け、さらに子エレクター26を
取り付ける。そして、バックアンカー31を設置した
後、子シールド機2Aを前進させ、子カッターヘッド1
3Aと前記子ロータリージョイント21および子カッタ
ー支持アーム22、22とを、溶接、ボルト等の図示し
ない連結手段により連結してカッターヘッドを備えた子
シールド機2A’を完成させる。
【0029】一方、子シールド機2Bについては、後側
路線部の掘削に使用するため、後部側に子機テール25
の取付けを行うとともに、子機サポートフレーム27を
取付け、さらに子エレクター26を取り付け、そしてバ
ックアンカー31を設置した後、子シールド機2Bを前
進させ、子カッターヘッド13Bと前記子ロータリージ
ョイント21および子カッター支持アーム22、22と
を、溶接、ボルト等の図示しない連結手段により連結し
てカッターヘッドを備えた子シールド機2B’を完成さ
せたならば、親シールド機の機内(後方側)に引き出
す。子シールド機2Bが引き抜かれたために、親カッタ
ーヘッド12に形成された開口部については、鋼板40
などを用いて仮の土留め処理を施しておく。引き抜いた
子シールド機2Bは、図15に示されるように、発進立
坑35まで移動し、この位置で180度の方向転換を行
うとともに、バックアンカー装置41を取付けて、後方
がわ路線部38側に向けた発進準備を完了する。なお、
子シールド機2Bの方向転換は親シールド機内、トンネ
ル坑内などの任意の位置で行ってよい。
【0030】《第3ステップ》次に、図16に示される
ように、親シールド機内に残された子シールド機2Aに
ついては、この状態から前側路線37側に向けて発進を
開始し、前側路線部37の上下線の内、一方がわ路線3
7Aを掘削し、他方の子シールド機2Bについては、後
側路線38の上下線の内、一方がわ路線38Aを掘削す
る。
【0031】《第4ステップ》その後、図17に示され
るように、前記子シールド機2Aが隣駅の駅部トンネル
内または隣駅に構築した立坑42まで到達したならば、
空間内に引き込んで180度方向転換を行うとともに、
横方向にスライドさせて前側路線部37の上下線の内、
他方がわ路線37Bの掘削開始準備を行う。一方、子シ
ールド機2Bについても同様に、隣駅の駅部トンネル内
または隣駅に構築した立坑43まで到達したならば、空
間内に引き込んで180度方向転換を行うとともに、横
方向にスライドさせて後側路線部38の上下線の内、他
方がわ路線部38Bの掘削開始準備を行う。
【0032】《第5ステップ》図18に示されるよう
に、子シールド機2Aは前記隣駅の駅部トンネル内また
は隣駅に構築した立坑42を発進地として掘削を開始
し、前側路線部37の上下線の内、他方がわ路線37B
の掘削を行い、その後、親シールド機位置まで到達した
ならば、仮土留め処理のために親カッターヘッド12の
開口に設けた鋼板40を取り外し、親シールド機内に子
シールド機2Aを到達させる。一方、子シールド機2B
は後側路線部38の上下線の内、他方がわ路線38Bの
掘削を行い、駅部トンネル内に到達させる。
【0033】以上、2基の子シールド機を収容する親子
シールド機による地下鉄トンネルの施工方法について詳
述したが、本発明は親シールド機内に収容される子シー
ルド機の台数については、2基以上であればよい。たと
えば、図19に示されるように、3基の子シールド機2
A〜2Cを備える親子シールド機1Aを用い、子シール
ド機2A、2Bの2基については親シールド機内から発
進させて前側路線部37の上下路線37A、37Bを並
行して掘削させ、残る子シールド機2Cは発進立坑位置
まで移動し、隣駅までの往路と復路とによって後側路線
部38の上下路線38A、38Bを掘削するようにして
もよい。また、図20に示されるように、4基の子シー
ルド機2A〜2Dを備える親子シールド機1Bを用い、
子シールド機2A、2Bの2基については親シールド機
内から発進させて前側路線部37の上下路線37A、3
7Bを並行して掘削させ、残る子シールド機2C、2D
は発進立坑位置まで移動し、後側路線部38の上下線3
8A、38Bを並行して掘削するようにしてもよい。
【0034】さらに、上記例では子シールド機およびこ
れを収容する親シールド機共に円形シールド機とした
が、子シールド機および親シールド機の断面形状は任意
である。たとえば、図21に示される、本出願人が先の
特願2000-63258号において開示した自由断面親子シール
ド機1Cであっても、発進および引込み自在の子シール
ド機2A、2Bを備える限り、本発明に係る地下鉄トン
ネルの施工方法に使用が可能である。
【0035】
【発明の効果】以上詳説のとおり本発明によれば、立坑
数を最小限に止めながら、親子シールド機による施工区
間の延長を図り、シールド機の利用効率を高めるととも
に、施工の効率化を図り、かつ工費の低廉化を図り得る
ようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る地下鉄トンネルの施工方法におい
て使用される親子シールド機1の縦断面図である。
【図2】その正面図である。
【図3】図1のIII−III線矢視図である。
【図4】図1のIV部拡大詳細図である。
【図5】子シールド機2A、2Bの下面側支持構造の要
部拡大図である。
【図6】図1のVI部拡大詳細図である。
【図7】子シールド機2Aの発進準備工程図(その1)
である。
【図8】子シールド機2Aの発進準備工程図(その2)
である。
【図9】子シールド機2Aの発進準備工程図(その3)
である。
【図10】図9の要部拡大詳細図である。
【図11】子シールド機2Aの発進準備工程図(その
4)である。
【図12】本地下鉄の施工方法を示す施工手順図(その
1)である。
【図13】本地下鉄の施工方法を示す施工手順図(その
2)である。
【図14】本地下鉄の施工方法を示す施工手順図(その
3)である。
【図15】本地下鉄の施工方法を示す施工手順図(その
4)である。
【図16】本地下鉄の施工方法を示す施工手順図(その
5)である。
【図17】本地下鉄の施工方法を示す施工手順図(その
6)である。
【図18】本地下鉄の施工方法を示す施工手順図(その
7)である。
【図19】本地下鉄トンネルの施工方法に使用可能な他
の親子シールド機例を示す正面図である。
【図20】本地下鉄トンネルの施工方法に使用可能な他
の親子シールド機例を示す正面図である。
【図21】本地下鉄トンネルの施工方法に使用可能な他
の親子シールド機例を示す正面図である。
【図22】第2従来例のトンネル施工方法の説明図であ
る。
【符号の説明】
1…親子シールド機、2A・2B…子シールド機、3…
収容リング、4…親スキンプレート、5…バルクヘッ
ド、6…通過孔、7…封鎖プレート、8…子スキンプレ
ート、9…バルクヘッドシール、10…親カッター支持
アーム、11…カッターヘッド、12…親カッターヘッ
ド、13A・13B…子カッターヘッド、14…カッタ
ー駆動用モータ、15…親ロータリージョイント、18
…シールドジャッキ、19…親エレクター、21…子ロ
ータリージョイント、22…子カッター支持アーム、2
6…子エレクター、28…エントランスパッキン、31
・41…バックアンカー、35…発進立坑、36…駅
部、36A…駅部トンネル、37…前側路線部、38…
後側路線部、39…地盤改良体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市野 道明 東京都中央区日本橋本町4丁目12番20号 佐藤工業株式会社内 (72)発明者 谷口 和之 東京都中央区日本橋本町4丁目12番20号 佐藤工業株式会社内 (72)発明者 廣田 正和 東京都中央区日本橋本町4丁目12番20号 佐藤工業株式会社内 (72)発明者 松井 淳一 東京都中央区日本橋本町4丁目12番20号 佐藤工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−176479(JP,A) 特開 平2−88883(JP,A) 特開 平9−32479(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 9/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも2基以上の子シールド機を収容
    した親子シールド機を用いて、駅部と、これに連続する
    前側路線および後側路線とを一括施工するための地下鉄
    トンネルの施工方法であって、 駅部の一方がわ端部位置に発進立坑を構築し、この発進
    立坑内で少なくとも2基以上の子シールド機を収容する
    親子シールド機を組み立て、該発進立坑から親子シール
    ド機を発進させて駅部の掘削を行い、前記親子シールド
    機が駅部の他方がわ端部位置まで到達したならば、収容
    されている全子シールド機の内の一部については、親シ
    ールド機内から前方側に発進して前側路線部を掘削し、
    残る子シールド機については前記発進立坑位置まで移動
    した後、後方側に連続する後側路線部を掘削することを
    特徴とする地下鉄トンネルの施工方法。
  2. 【請求項2】2基の子シールド機を収容した親子シール
    ド機を用いて、駅部と、これに連続する前側路線部およ
    び後側路線部とを一括施工するための地下鉄トンネルの
    施工方法であって、 駅部の一方がわ端部位置に発進立坑を構築し、この発進
    立坑内で2基の子シールド機を収容する親子シールド機
    を組み立て、該発進立坑から親子シールド機を発進させ
    て駅部の掘削を行い、前記親子シールド機が駅部の他方
    がわ端部位置まで到達したならば、 収容されている子シールド機の一方については;親シー
    ルド機内から前方側に発進して前側路線部の上下線の
    内、一方がわ路線を掘削し、隣駅の駅部トンネル内また
    は立坑内に到達したならば方向転換を行い、復路工程に
    よって前記前側路線部の他方がわ路線を掘削し、 子シールド機の他方については;前記発進立坑位置まで
    移動した後、後方側に連続する後側路線部の上下線の
    内、一方がわ路線を掘削し、隣駅の駅部トンネル内また
    は立坑内に到達したならば方向転換を行い、復路工程に
    よって前記後側路線部の他方がわ路線を掘削することを
    特徴とする地下鉄トンネルの施工方法。
  3. 【請求項3】親シールド機内に収容される子シールド機
    を合計4基とし、これら4基の子シールド機の内、2基
    については前記前側路線部の上下線を並行しながら掘削
    し、残る2基については後側路線部の上下線を並行しな
    がら掘削することを特徴とする請求項1記載の地下鉄ト
    ンネルの施工方法。
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