JP3264623B2 - シールド掘削機のカッタ板 - Google Patents

シールド掘削機のカッタ板

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JP3264623B2
JP3264623B2 JP19539096A JP19539096A JP3264623B2 JP 3264623 B2 JP3264623 B2 JP 3264623B2 JP 19539096 A JP19539096 A JP 19539096A JP 19539096 A JP19539096 A JP 19539096A JP 3264623 B2 JP3264623 B2 JP 3264623B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は掘進途上に存在する
シートパイルなどの土留壁や杭などの障害物を切除し得
るシールド掘削機のカッタ板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シールド掘削機によってトンネルを掘進
中に基礎杭などの障害物に達すると、カッタ板に突設し
ている掘削ビットでは障害物を切削、除去できないため
に、従来から一旦掘削作業を停止したのち、地上から立
坑を掘って障害物を撤去したり機内から切羽側に作業員
が出て人力により撤去することが行われいるが、前者の
方法では地上から立坑を掘削するために周辺の環境や交
通、さらには埋設管などに悪影響を及ぼすばかりでな
く、障害物が構造物の基礎杭である場合には立坑から基
礎杭に達する横坑の掘削を必要とし、長期間の工期を要
すると共に費用も嵩むことになる。一方、後者の方法で
は、切羽での安全な作業が可能となるように地盤凍結工
法やジエットグラウト工法などの地山安定のための補助
工法を必要とし、工費が高騰すると共に圧気併用の場合
には杭切断のための火気使用が極めて危険な作業とな
り、その上、切羽での作業環境が悪くて能率が低下する
という問題点がある。
【0003】このため、本願出願人等は特公平7ー11
9555号公報に記載しているように、地盤の掘削ビッ
トと共に杭等の障害物を切削可能なビットを設けたシー
ルド掘削機のカッタ板を開発した。このカッタ板は、カ
ッタ板本体の回転中心から半径方向に複数の固定アーム
部材を放射状に配設し、これらの固定アーム部材に複数
個のコアーカッタを、カッタ板本体の回転によるこれら
のコアーカッタの掘削移動軌跡がカッタ板本体の半径方
向に接触又は一部が重複するような配列状態でもって配
設すると共にこれらのコアーカッタをカッタ板前面から
出没自在に構成し、さらに、コアーカッタを設けた固定
アーム部材とは別な固定アーム部材にローラカッタを配
設してなるものである。
【0004】そして、シールド掘削機が障害物に達する
と、カッタ板の回転を停止させたのち、コアーカッタを
回転させながら突出させて障害物に該コアーカッタの断
面形状に等しい円環状の溝を掘削すると共に掘削後、カ
ッタ板をコアーカッタの直径に相当する角度だけ回動さ
せて再び該溝に接して次の円環状溝を掘削し、この作業
を各コアーカッタによって繰り返し行って障害物に複数
列の連続円環状溝を掘削したのち、溝で囲まれた部分を
カッタ板を回転させることにより、別な固定アーム部材
に配設したローラカッタで切削、除去し、この連続円環
状溝の掘削とローラカッタによる切削とを順次、繰り返
し行うことによって障害物を切削、除去している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、カッタ
板を回転させることなく、カッタ板本体の固定アーム部
材に設けたコアーカッタを回転させながら前進させるこ
とによって障害物に円環状の溝を掘削するものであるか
ら、各コアーカッタに回転駆動機構とカッタ全体を前後
方向に移動させる機構とを必要として装置全体が複雑化
するばかりでなくコアーカッタにより一連の円環状溝列
を掘削するにはその掘削毎にカッタ板をコアーカッタの
直径に等しい角度だけ回動させなければならず、その
上、コアーカッタは溝を掘削するだけで切削することが
できないために掘削後には上述したようにローラカッタ
による切削作業を必要として作業能率が低下するという
問題点がある。
【0006】さらに、ローラカッタによる切削作業時に
は、切削すべき障害物部分が全面的に露出した状態とな
っており、且つその露出部分をローラカッタによって一
様に切削していくものであるから、切削時の衝撃力が大
きいと障害物が振動して切削効率が低下したり切削不能
となる場合が生じる虞れがあった。本発明はこのような
問題点に鑑みてなされたもので、シートパイルなどの土
留壁や杭などの障害物を円滑かつ確実に切削、除去し得
るようにしたシールド掘削機のカッタ板の提供を目的と
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のシールド掘削機のカッタ板は、シールド掘削
機のスキンプレートの開口前端に回転自在に配設した傘
型カッタ板であって、カッタ板主体は、中心部から斜め
後方に傾斜した複数本の土砂掘削ビット付傾斜アームと
障害物切削ビット付傾斜アームとからなり、障害物切削
ビット付アームに装着した複数個の切削ビットは土砂掘
削ビット付傾斜アームに固着した掘削ビットに対して前
後方向に出没可能に構成され且つカッタ板主体の回転に
よるこれらの切削ビットの切削移動軌跡が少なくとも互
いに接する配列状態でもって配設されてあり、さらに、
中心部には前方に向かって山形状に突出した掘削ビット
付固定頭部を設けていると共にこの掘削ビット付固定頭
部に該固定頭部と同形状で且つこの固定頭部に対して前
後方向に進退自在な切削ビット付可動頭部を配設してな
る構造を有している。
【0008】また、請求項2に係る発明においては、シ
ールド掘削機のスキンプレートの開口前端に回転自在に
配設したカッタ板であって、カッタ板主体は、中心部に
センターシャフトを有すると共に外周部に外周リングを
有し且つセンターシャフトの前端部を外周リングから前
方に突出させてこの前端部と外周リング間をセンターシ
ャフトから外周リングに向かって斜め後方に傾斜した複
数本の土砂掘削ビット付傾斜アームと障害物切削ビット
付傾斜アームとによって一体に連結してなり、障害物切
削ビット付アームに装着した複数個の切削ビットは土砂
掘削ビット付傾斜アームに固着した掘削ビットに対して
前後方向に出没可能に構成され且つカッタ板主体の回転
によるこれらの切削ビットの切削移動軌跡が少なくとも
互いに接する配列状態でもって配設されてあり、さら
に、上記センターシャフトの前端に前方に向かって山形
状に突出した掘削ビット付固定頭部を一体に設けている
と共にこの掘削ビット付固定頭部に該固定頭部と同形状
で且つ固定頭部に対して前後方向に進退自在な切削ビッ
ト付可動頭部を配設した構造としている。
【0009】上記構造のカッタ板において、障害物切削
ビット付傾斜アームに装着している切削ビットは、請求
項3に記載したように、傾斜アームに長さ方向に所定間
隔毎にジャッキを装着し、このジャッキのロッド先端に
固着されてあり、ジャッキの作動によって土砂掘削ビッ
ト付傾斜アームに突設している掘削ビットに対して前後
方向に出没させるように構成している。
【0010】
【作用】シールド掘削機によって計画トンネル線上の地
盤を掘進していく場合には、障害物切削ビット付傾斜ア
ームと可動頭部とに装着している切削ビットを土砂掘削
ビット付傾斜アームと固定頭部とに突設している掘削ビ
ットからそれぞれ後方に没入させておき、この状態でカ
ッタ板を回転させながらシールド掘削機を推進させるこ
とにより掘削ビットで地盤の掘削を行う。その掘進途上
でシートパイルや杭などの障害物に突き当たると、切削
ビット付傾斜アームと可動頭部との切削ビットを掘削ビ
ットから前方に突出させてカッタ板を回転させながら切
削ビットによって障害物を切削、除去する。
【0011】即ち、障害物に達すると、まず、可動頭部
を固定頭部よりも前方に移動させて固定頭部の掘削ビッ
トから該可動頭部の切削ビットを突出させ、この状態で
カッタ板を回転させながらシールド掘削機を推進させる
と、可動頭部の先端に突設している掘削ビットが障害物
に突き当たり、この切削ビットによって障害物に小径穴
が穿設される。さらに可動頭部が前進すると、この可動
頭部の傾斜前端面に突設している切削ビットによって小
径穴が徐々に拡径方向に錐状に切り拡げられながら障害
物を切削していく。
【0012】こうして、可動頭部の切削ビットによって
障害物に可動頭部の外径に等しい大きさの穴を切削する
と、この可動頭部の切削ビットに引き続いて、該可動頭
部の最大径側の切削ビットの切削移動軌跡に接するよう
に配設されている切削ビっト付傾斜アームの最も内側に
設けた切削ビットによってさらにその切削穴が拡大され
ながら切削される。この切削ビットによる障害物に対す
る切削穴の切り拡げに引き続いて、カッタ板の回転によ
る該切削ビットの切削移動軌跡の外周に接する斜め後方
位置に設けている次の切削ビットがシールト掘削機の前
進に従って切削を開始し、障害物に穿設した上記切削穴
をさらに拡径方向に切り拡げていく。
【0013】このように、カッタ板の回転による掘削移
動軌跡が順次外径方向に接するように配設した複数本の
切削ビット付傾斜アームの切削ビットによって順次、障
害物を拡径しながら切削し、外周リングに達した傾斜ア
ームの傾斜後端に設けている切削ビットによって障害物
が切削されると、カッタ板が通過可能な大きさの切削穴
となる。なお、切削ビットによる障害物の切削深さに同
調してシールド掘削機を推進させる。
【0014】こうして、可動頭部の切削ビットと複数本
の傾斜アームの切削ビットによってカッタ板に対向する
障害物部分を切除しながらシールド掘削機が障害物を通
過すると、センターシャフトの前端に設けている切削ビ
ット付可動頭部を固定頭部の掘削ビットから没入させる
と共に切削ビット付傾斜アームに設けている切削ビット
を掘削ビット付傾斜アームに突設している掘削ビットか
ら後方に没入させる。
【0015】しかるのち、カッタ板を回転させながらシ
ールド掘削機を推進させて掘削ビット付傾斜アームの掘
削ビットにより地盤を掘削しながらトンネルを築造して
いくものである。なお、掘削土砂や障害物の切削片など
は、周方向に隣接する傾斜アーム間の空間部を通じて機
内に取り込み、トンネル内を通じて排出する。
【0016】
【発明の実施の形態】次に本発明の具体的な実施例を図
面について説明すると、図1において、1はシールド掘
削機で、そのスキンプレート1aの開口前端に該スキンプ
レート1aと略同径の円形カッタ板Aを配設してあり、該
カッタ板Aをその後方側に適宜間隔を存して張設したス
キンプレート1aと一体の隔壁1bに回転自在に支持させて
ある。
【0017】カッタ板Aは、中心部にセンターシャフト
2を配設していると共に外周側にスキンプレート1aと略
同径の外周リング3を設け且つセンターシャフト2の前
端部を外周リング3から前方に突出させてこの前端部と
外周リング3とをセンターシャフト2を中心として半径
方向に斜め後方に向かって放射状に配設した一定幅を有
する複数本の正面長方形状の傾斜アーム4、5によって
一体的に連結してなる横向き傘型形状のカッタ板主体
と、一方の傾斜アーム4の前面両側縁部に長さ方向に所
定間隔毎に突設した土砂掘削ビット6と、他方の傾斜ア
ーム5に上記一方の傾斜アーム4の土砂掘削ビット6に
対して前後方向に出没自在に装着された障害物切削ビッ
ト7と、上記センターシャフト2の前端に前方に向かっ
て山形状に突設した掘削ビット付固定頭部8と、この固
定頭部8と同形状で且つ固定頭部8に対して前後方向に
進退自在な切削ビット付可動頭部9とから構成されてい
る。
【0018】上記カッタ板Aにおいて、センターシャフ
ト2の前端部には該前端部を囲繞して短筒形状の取付部
材2aが一体に固着してあり、この取付部材2aの外周面に
上記土砂掘削ビット付傾斜アーム4と障害物切削ビット
付傾斜アーム5の内端面を固着すると共に取付部材2aか
らこれらの傾斜アーム4、5を一定の角度でもって斜め
後方に傾斜させてその外端面を上記外周リング3の内周
面に固着している。土砂掘削ビット付傾斜アーム4と障
害物切削ビット付傾斜アーム5とは、図2に示すよう
に、センターシャフト2を中心として円周方向に互いに
等角度間隔を存して放射状に配設され、隣接する傾斜ア
ーム4、5間には土砂取入開口部10を設けている。
【0019】土砂掘削ビット付傾斜アーム4の掘削ビッ
ト6は、この傾斜アーム4の長辺両縁部の前面に長さ方
向に所定間隔毎に突設している。一方、他方の傾斜アー
ム5に配設した障害物切削ビット7は、各傾斜アーム5
の長さ方向に所定間隔毎に装着したジャッキ11のロッド
先端に固着している。なお、これらのジャッキ11は傾斜
アーム5の傾斜前面に開口させた状態で傾斜アーム5に
固着している固定筒体12内に装着されている。切削ビッ
ト7の刃先は傾斜アーム5の長さ方向に傾斜アーム5と
略同一角度でもって傾斜してあり、この刃先がジャッキ
11の作動により固定筒体12の開口端から前方に向かって
突出するように構成している。
【0020】さらに、カッタ板Aの回転による各傾斜ア
ーム5に設けた切削ビット7、7・・・7の切削移動軌
跡は、少なくとも互いに接するように、傾斜アーム5に
切削ビット7を所定間隔毎に配設されているものであ
る。例えば、センターシャフト2に最も接近した位置に
配設された切削ビット7を有する傾斜アーム5と、この
傾斜アーム5に隣接する傾斜アーム5の最内端側に配設
された切削ビット7とにおいて、前者の傾斜アーム5の
切削ビット7によって切削されるリング状切削部の外周
部に、後者の傾斜アーム5の切削ビット7によって切削
されるリング状切削部の内周部が接触又は重複するよう
に配設され、以下、同様にして隣接する傾斜アーム5に
おける切削ビット7、7をこれらの切削ビット7によっ
て切削されるリング状切削部が順次、カッタ板Aの外径
方向に接触又は一部重複するように配設しているもので
ある。
【0021】そして、センターシャフト2に最も接近し
た位置に配設している切削ビット7による切削移動軌跡
の内周部が上記可動頭部9の傾斜前端面に突設している
最外端側の切削ビット13による切削移動軌跡の外周部と
接触又は重複し、外周リング3に最も接近した切削ビッ
ト7によって外周リング3と同径若しくはやゝ大径のリ
ング状切削を行うように構成している。なお、各傾斜ア
ーム5に設ける切削ビット7の数を多くして、隣接する
傾斜アーム5、5において互いに同心円上で完全に重複
するような切削を行うように構成しておいてもよい。
【0022】センターシャフト2の前端に設けた固定頭
部8は、前方に向かって山形状に突設した板部の後端面
を円板形状の台座8aの前面に固着していると共に該台座
8aの後端面を上記取付部材2aの前端面に固着してあり、
山形状の傾斜前端面には先端から外端に向かって小間隔
毎に土砂掘削ビット14を突設している。一方、可動頭部
9は固定頭部8と同一形状に形成されていると共に固定
頭部6に互いに正面十字形状に交差するように固定頭部
6の中央部に前後動自在に配設されてあり、その山形状
の傾斜前端面には先端から外端に向かって小間隔毎に上
記障害物切削ビット13を突設している。
【0023】この可動頭部9の後端部はセンターシャフ
ト2の中空内部における前端部に装着したジャッキ15の
ピストンロッドの先端に一体に連結してあり、このジャ
ッキ15の作動によってその切削ビット13を固定頭部8の
掘削ビット14に対して前後方向に出没させるように構成
している。センターシャフト2はシールド掘削機1の隔
壁1bの中心部に軸受部材16によって回転自在に挿通、支
持されている。
【0024】一方、カッタ板Aの上記各傾斜アーム4、
5の外周部には後方に向かって水平支持部材17を一体に
突設してあり、これらの水平支持部材17の後端面をリン
グ状端板18の前面に固着していると共にシールド掘削機
1のスキンプレート1aの前面外周部に大小径のリング体
19、20を固着し、これらのリング体19、20間に支持部材
17の後端部をリング状端板18と共にベアリング21、22を
介して回転自在に支持されている。
【0025】カッタ板Aの回転駆動機構は、シールド掘
削機1の隔壁1bの後面に駆動モータ23を装着し、この駆
動モータ23の回転軸に固着した小歯車24を上記リング状
端板18の後端面に固着している内歯車25に噛合させた構
造としている。なお、カッタ板Aの後面と隔壁1bとの対
向面間の空間部で形成されている土砂取込室26からの土
砂搬出手段としては、機内にスクリューコンベア(図示
せず)を設置し、該スクリューコンベアの下傾端の開口
部を土砂取込室26の下端部内に臨ませた構造としてい
る。
【0026】このように構成したシールド掘削機1は、
スキンプレート1aのテール部内で組立てたセグメント
(図示せず)に反力を支持させて推進ジャッキ(図示せ
ず)を作動させることにより前進すると共に、駆動モー
タ23の作動によってカッタ板Aを回転させることにより
該カッタ板Aのセンターシャフト2の固定頭部8と傾斜
アーム4とに突設した掘削ビット6、14で地盤を掘削し
ながらトンネルを築造していく。そして、掘削した土砂
は土砂取入開口部10から取込室26内に取り込まれてスク
リューコンベアにより機内に搬出され、トロ等によりト
ンネル内を通じて排出される。
【0027】上記のように地盤を掘削する際には、セン
ターシャフト2内に装着したジャッキ15を収縮させて可
動頭部9に突設している切削ビット13を固定頭部8に突
設している掘削ビット14から後方に没入させ、さらに、
切削ビット付傾斜アーム5に装着しているジャッキ11を
収縮させて切削ビット7を図1の実線で示すように、掘
削ビット付傾斜アーム4の掘削ビット6よりも後方に位
置させておく。
【0028】次に、上記のようにトンネルを掘削すると
共に掘削した壁面にセグメント覆工を施しながらシール
ド掘削機1が前進し、その掘進途上で地盤中に打設され
たシートパイルや杭などの障害物に突き当たると、可動
頭部駆動用ジャッキ15を伸長させて可動頭部9を前進さ
せ、その前端傾斜面に突設している切削ビット13を固定
頭部8に突設している掘削ビット14から前方に突設さ
せ、さらに、切削ビット付傾斜アーム5に装着している
ジャッキ11を収縮させて切削ビット7を図1の二点鎖線
で示すように、掘削ビット付傾斜アーム4の掘削ビット
6よりも前方に突出させてカッタ板Aの回転させながら
切削ビット7、13により障害物を切削、除去するもので
ある。
【0029】上記可動頭部の切削ビット13と傾斜アーム
4の切削ビット7による障害物の切削、除去方法を更に
詳しく説明すると、カッタ板Aを回転させながら可動頭
部駆動用ジャッキ15を伸長させて可動頭部9を前進させ
ると、その前端傾斜面に突設している切削ビット13が固
定頭部8に突設している掘削ビット14から前方に突設し
てまず、その先端に固着している先鋭な切削ビット13が
障害物に突き刺ささって小径の穴を穿設する。さらに、
カッタ板Aを回転させながらシールド掘削機1を前進さ
せていくと、この可動頭部9の傾斜前端面に内端から外
端に向かって順次突設している切削ビット13によって小
径穴が徐々に拡径方向に錐状に切り拡げられながら障害
物が切削される。
【0030】こうして、可動頭部9の切削ビット13によ
って障害物に可動頭部9の外径に等しい大きさの穴を切
削すると、この可動頭部9の最外端側の切削ビット13に
よる切削に引き続いて、円形カッタAの回転と共にシー
ルド掘削機1の推進に従ってこの切削ビット13の切削移
動軌跡に接するように配設されている切削ビっト付傾斜
アーム5の最も内端側に設けた切削ビット7によってさ
らにその切削穴を拡大しながら障害物が切削される。さ
らにシールド掘削機1が前進すると、この切削ビット7
による障害物に対する切削穴の切り拡げに引き続いて、
カッタ板Aの回転による該切削ビット7の切削移動軌跡
の外周に接する斜め後方位置に設けている次の切削ビッ
ト7が切削を開始し、障害物に穿設した上記切削穴をさ
らに拡径方向に切り拡げていく。
【0031】このように、カッタ板Aの回転による掘削
移動軌跡が順次外径方向に接するかあるいは一部重複す
るように配設した複数本の切削ビット付傾斜アーム5の
切削ビット7によって障害物を拡径しながら切削し、外
周リング3に達した傾斜アーム5の傾斜後端に設けてい
る切削ビット7によって障害物が切削されると、カッタ
板Aが通過可能な大きさの切削穴となる。なお、障害物
の切削片は掘削土砂と同様に上土砂取入開口部10から取
込室26内に取り込まれてスクリューコンベアにより後方
に排出される。
【0032】こうして、可動頭部9の切削ビット13と複
数本の傾斜アーム5の切削ビット7によってカッタ板A
に対向する障害物部分を切除しながらシールド掘削機1
が障害物を通過すると、ジャッキ15を収縮させてセンタ
ーシャフト2の前端に設けている可動頭部9の切削ビッ
ト13を固定頭部8の掘削ビット14に対して後方に没入さ
せると共に傾斜アーム5に装着している全てのジャッキ
11を収縮させて該傾斜アーム5の切削ビット7を掘削ビ
ット付傾斜アーム4に突設している掘削ビット6から後
方に没入させる。
【0033】しかるのち、通常通りにカッタ板Aを回転
させながらシールド掘削機1を推進させて掘削ビット付
傾斜アーム4の掘削ビット6により地盤を掘削しながら
トンネルを築造していくものである。なお、切除された
障害物の開口縁は、トンネルのセグメント覆工と一体化
させてトンネル部に支持させるものである。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明のシールド掘削機の
カッタ板によれば、トンネル掘削時においては、可動頭
部を固定頭部に対して後退させて可動頭部に突設した障
害物切削ビットを固定頭部に突設した土砂掘削ビットよ
りも後方に没入させておくと共に、土砂掘削ビット付傾
斜アームの掘削ビットよりも障害物切削ビット付傾斜ア
ームの切削ビットを後方に没入させておくことにより、
掘削ビットで地盤を掘削しながら通常通りトンネルを築
造することができるものであり、その上、固定頭部を中
心として傾斜アームを斜め後方に向けて放射状に突設し
ているので、地盤を錐状に穿孔しながら円滑に掘進する
ことができるものである。
【0035】また、掘進中にシートパイルや、H鋼或い
は杭などの障害物に突き当たって時には、可動頭部を固
定頭部から前方に移動させて該可動頭部に突設した障害
物切削ビットを固定頭部に突設した土砂掘削ビットから
突出させると共に、土砂掘削ビット付傾斜アームの掘削
ビットから障害物切削ビット付傾斜アームの切削ビット
を前方に突出させることによってこれらの切削ビットに
より障害物を切除することができるものである。
【0036】この際、可動頭部は前方に向かって山形状
に形成され、その前端傾斜面に切削ビットを突設してい
るので、まず、可動頭部の尖端部の切削ビットによって
障害物に小径の穴を穿設することができ、その状態から
可動頭部の前進によって前端傾斜面に突設している切削
ビットで該小径穴を錐状に切り拡げていくことができる
ものであり、さらに、可動頭部の切削ビットによる拡大
切削に引き続いて該可動頭部側からカッタ板本体の外周
リングに向かって斜め後方に傾斜させている傾斜アーム
の切削ビットによりさらに障害物の切削部を拡大させな
がら切削除去することができるものである。
【0037】このように、障害物を錐状に切り拡げてい
くものであるから、障害物に対する切削ビット接触部分
が少なくて小さな切削力でもって円滑且つ確実に切削、
除去していくことができると共にH鋼やシートパイルな
どの障害物を切削するときには、切削ビットによる障害
物の切削端面以外は障害物を地盤中に支持させておくこ
とができ、従って、切削される障害物部分をカッタ板と
共回りさせることなく地盤に強固に固定させた状態でカ
ッタ板と対向する部分のみを能率よく切削、除去するこ
とができ、トンネル施工工期の短縮を図ることができる
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明カッタ板を設けたシールド掘削機の一部
縦断簡略側面図、
【図2】カッタ板の正面図。
【符号の説明】
1 シールド掘削機 1a スキンプレート 2 センターシャフト 3 外周リング 4 土砂掘削ビット付傾斜アーム 5 障害物切削ビット付傾斜アーム 6 土砂掘削ビット 7 障害物切削ビット 8 固定頭部 9 可動頭部 13 切削ビット 14 掘削ビット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−105019(JP,A) 実開 昭62−185789(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 9/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シールド掘削機のスキンプレートの開口
    前端に回転自在に配設した傘型カッタ板であって、カッ
    タ板主体は、中心部から斜め後方に傾斜した複数本の土
    砂掘削ビット付傾斜アームと障害物切削ビット付傾斜ア
    ームとからなり、障害物切削ビット付アームに装着した
    複数個の切削ビットは土砂掘削ビット付傾斜アームに固
    着した掘削ビットに対して前後方向に出没可能に構成さ
    れ且つカッタ板主体の回転によるこれらの切削ビットの
    切削移動軌跡が少なくとも互いに接する配列状態でもっ
    て配設されてあり、さらに、中心部には前方に向かって
    山形状に突出した掘削ビット付固定頭部を設けていると
    共にこの掘削ビット付固定頭部に該固定頭部と同形状で
    且つこの固定頭部に対して前後方向に進退自在な切削ビ
    ット付可動頭部を配設してなることを特徴とするシール
    ド掘削機のカッタ板。
  2. 【請求項2】 シールド掘削機のスキンプレートの開口
    前端に回転自在に配設した傘型カッタ板であって、カッ
    タ板主体は、中心部にセンターシャフトを有すると共に
    外周部に外周リングを有し且つセンターシャフトの前端
    部を外周リングから前方に突出させてこの前端部と外周
    リング間をセンターシャフトから外周リングに向かって
    斜め後方に傾斜した複数本の土砂掘削ビット付傾斜アー
    ムと障害物切削ビット付傾斜アームとによって一体に連
    結してなり、障害物切削ビット付アームに装着した複数
    個の切削ビットは土砂掘削ビット付傾斜アームに固着し
    た掘削ビットに対して前後方向に出没可能に構成され且
    つカッタ板主体の回転によるこれらの切削ビットの切削
    移動軌跡が少なくとも互いに接する配列状態でもって配
    設されてあり、さらに、上記センターシャフトの前端に
    前方に向かって山形状に突出した掘削ビット付固定頭部
    を一体に設けていると共にこの掘削ビット付固定頭部に
    該固定頭部と同形状で且つ固定頭部に対して前後方向に
    進退自在な切削ビット付可動頭部を配設してなることを
    特徴とするシールド掘削機のカッタ板。
  3. 【請求項3】 障害物切削ビット付傾斜アームに長さ方
    向に所定間隔毎にジャッキを装着し、このジャッキのロ
    ッド先端に切削ビットを固着していることを特徴とする
    請求項1または請求項2記載のシールド掘削機のカッタ
    板。
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