JP4497135B2 - 3次元立体回路基板の製造方法、および3次元立体回路基板 - Google Patents

3次元立体回路基板の製造方法、および3次元立体回路基板 Download PDF

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Description

本発明は、3次元立体回路基板の製造方法、および3次元立体回路基板に関するものである。
従来、窒化アルミニウム基板に導電回路を形成して3次元立体回路基板を製造する方法として、まず、窒化アルミニウム基板の表面に導電性薄膜を形成し、その導電性薄膜における回路部と非回路部の少なくとも境界を含む領域に高エネルギービームを照射して導電性薄膜を除去して回路パターンを形成し、回路部の導電性薄膜にめっき処理を施した後、非回路部の導電性薄膜を除去する方法があった。
しかし、高エネルギービーム(例えばレーザビーム)を照射した際に、高エネルギービームが窒化アルミニウム基板にまで到達すると、窒化アルミニウムが分解されて、導電物質である金属アルミが析出してしまう。そこで、高エネルギービーム照射時の金属アルミの析出を防ぐために、窒化アルミニウム基板の表面を酸化処理して酸化層を形成した後に、導電性薄膜を形成する方法が提案された。すなわち、高エネルギービームは、介在する酸化層を通過しなければ、基板材の窒化アルミニウム基板まで到達することがなく、高エネルギービームの酸化層通過を、高エネルギービームのパワーや処理時間、および酸化層の厚さの調整により阻止している。(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−19645号公報
しかし、上記特許文献1のように窒化アルミニウム基板に酸化層を形成した場合、酸化層が薄ければ、高エネルギービームの照射時に酸化層がアブレーションを起こして、高エネルギービームが窒化アルミニウム基板に到達し、金属アルミが析出してしまう。
そこで、金属アルミの析出を防止するために酸化層を厚くすると、酸化層の応力が大きくなって回路密着力が低下し、酸化層と窒化アルミニウム界面、あるいは酸化層の破壊によって、ピール強度が低下していた。
また、酸化の進行は酸素の拡散速度が律速であるため、酸化層の成長に伴い、酸化速度が急速に低下する。したがって、高エネルギービームの照射に対応するために十分な酸化層の厚みに達するまでの時間が増大し、3次元立体回路基板の製造に要する処理時間が大幅に増大していた。
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、酸化層を形成する窒化アルミニウム基板において、高エネルギービームの照射による加工部分に信頼性の高い絶縁性を実現するとともに、酸化層のピール強度の向上と、処理時間の低減とを実現する3次元立体回路基板の製造方法、および3次元立体回路基板を提供することにある。
請求項1の発明は、窒化アルミニウム基板の表面に導電性薄膜を形成し、その導電性薄膜における回路部と非回路部の少なくとも境界を含む領域に高エネルギービームを照射し導電性薄膜を除去して回路パターンを形成し、回路部の導電性薄膜にめっき処理を施した後、非回路部の導電性薄膜を除去する3次元立体回路基板の製造方法において、前記導電性薄膜を形成する工程の前に、窒化アルミニウム基板の表面を酸化処理して酸化層を形成し、次に前記酸化層より成膜が早く、且つ前記回路パターンを形成するときに照射される高エネルギービームが前記窒化アルミニウム基板に与える衝撃を緩和する衝撃緩衝層を前記酸化層の表面に形成する工程を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、成膜に時間のかからない衝撃緩衝層によって高エネルギービームの衝撃を主に緩和しており、成膜に時間のかかる酸化層を薄膜に形成して、酸化層の応力に起因するピール強度の低下を抑制できる。また、成膜に時間のかかる酸化層形成工程の処理時間を短縮できるので、3次元立体回路基板の製造に要する処理時間も短縮される。また、酸化層によって高エネルギービーム照射後において高い絶縁性を維持することができる。すなわち、酸化層を形成する窒化アルミニウム基板において、高エネルギービームの照射による加工部分に信頼性の高い絶縁性を実現するとともに、酸化層のピール強度の向上と、処理時間の低減とを実現することができる。
請求項2の発明は、請求項1において、前記衝撃緩衝層の材料を金属とすることを特徴とする。
この発明によれば、スパッタリング、蒸着、イオンプレーティングなどの物理蒸着法、またはプラズマCVDなどの化学蒸着法によって、衝撃緩衝層を簡易に成膜できる。
請求項3の発明は、請求項2において、前記金属は、導電性薄膜を形成する銅との間で選択的にエッチングが可能であり、前記高エネルギービームを照射し導電性薄膜を除去して回路パターンを形成した後、前記金属のエッチング処理を施して、導電性薄膜の除去部に露出する前記金属を除去することを特徴とする。
この発明によれば、導電性薄膜の回路部と非回路部との間の絶縁を確保することができる。
請求項4の発明は、請求項2において、前記高エネルギービームを照射し導電性薄膜を除去して回路パターンを形成した後、ドライエッチング処理を施して、導電性薄膜の除去部に露出する前記金属を除去することを特徴とする。
この発明によれば、導電性薄膜の回路部と非回路部との間の絶縁を確保することができる。
請求項5の発明は、請求項1において、前記衝撃緩衝層の材料を樹脂とすることを特徴とする。
この発明によれば、高エネルギービームを照射し導電性薄膜を除去して回路パターンを形成した後、除去部に衝撃緩衝層が残っても、導電性薄膜の回路部と非回路部との間の絶縁を確保することができる。また、ディップ、スプレー等の簡易な方法で衝撃緩衝層を成膜できる。
請求項6の発明は、請求項5において、前記高エネルギービームを照射し導電性薄膜を除去して回路パターンを形成した後、高エネルギービームの照射時に導電性薄膜の除去部に発生した前記樹脂の炭化物をアッシング処理によって除去することを特徴とする。
この発明によれば、製造過程において発生する樹脂の炭化物を除去することができる。
請求項7の発明は、請求項1において、前記衝撃緩衝層の材料を無機物とすることを特徴とする。
この発明によれば、高エネルギービームを照射し導電性薄膜を除去して回路パターンを形成した後、除去部に衝撃緩衝層が残っても、導電性薄膜の回路部と非回路部との間の絶縁を確保することができる。また、優れた放熱性を有する。
請求項8の発明は、請求項1において、前記高エネルギービームを照射する領域にのみ前記衝撃緩衝層を形成することを特徴とする。
この発明によれば、不要な領域には衝撃緩衝層を形成しないので、処理時間が短縮される。
請求項9の発明は、請求項8において、前記衝撃緩衝層を形成していない領域において、コリメートスパッタリング法によって回路を形成することを特徴とする。
この発明によれば、テーパ状の部分や段差のある部分であってもスパッタ膜を形成して回路を形成することができる。
請求項10の発明は、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の3次元立体回路基板の製造方法を用いて形成されたことを特徴とする。
この発明によれば、成膜に時間のかからない衝撃緩衝層によって高エネルギービームの衝撃を主に緩和しており、成膜に時間のかかる酸化層を薄膜に形成して、酸化層の応力に起因するピール強度の低下を抑制できる。また、成膜に時間のかかる酸化層形成工程の処理時間を短縮できるので、3次元立体回路基板の製造に要する処理時間も短縮される。また、酸化層によって高エネルギービーム照射後において高い絶縁性を維持することができる。すなわち、酸化層を形成する窒化アルミニウム基板において、高エネルギービームの照射による加工部分に信頼性の高い絶縁性を実現するとともに、酸化層のピール強度の向上と、処理時間の低減とを実現することができる。
以上説明したように、本発明では、酸化層を形成する窒化アルミニウム基板において、高エネルギービームの照射による加工部分に信頼性の高い絶縁性を実現するとともに、酸化層のピール強度の向上と、処理時間の低減とを実現することができるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
以下、本実施形態に係る3次元立体回路基板の製造方法及び該製造方法を用いて製造された3次元立体回路基板について、図面を参照して説明する。図1は3次元立体回路基板の製造方法の概要を示すフローである。3次元立体回路基板Aは、窒化アルミニウム粉体材料を成形して焼結する窒化アルミニウム基板1の準備工程(S1)、窒化アルミニウム基板1を加熱してその表面を酸化処理して酸化層2(薄膜絶縁層)を形成する酸化層形成工程(S2)、酸化層2の上に金属からなる衝撃緩衝層3aを形成する衝撃緩衝層形成工程(S3)、衝撃緩衝層3aの上にスパッタリング、蒸着、イオンプレーティングなどの物理蒸着法による導電性薄膜4の成膜を行うメタライズ処理工程(S4)、高エネルギービーム(本実施形態ではレーザビーム)による回路部/非回路部の分離を行うレーザ処理工程(S5)、回路部のめっきによる厚膜化を行ってめっき層5を形成するめっき処理工程(S6)、非回路部のエッチング処理工程(S7)の各工程を順次実施することで製造される。
図2(a)〜(d)、図3(a)〜(c)は、上記各工程における3次元立体回路基板Aの表面処理の様子を示している。まず、図2(a)は窒化アルミニウム基板1の準備工程(S1)であり、窒化アルミニウム基板1が粉末成形、焼結により形成される。窒化アルミニウム基板材の形成に用いる原料である窒化アルミニウム粉は、還元窒化法、直接窒化法,気相合成法などの方法を用いて製造される。本発明において基板材原料の製造方法は特に限定されない。また、窒化アルミニウムは難焼結材料であるため、イットリア(Y)やカルシア(CaO)などを焼結助剤として原料に添加してもよい。
そして、窒化アルミニウム粉を3次元形状に成形する方法は、通常セラミックスの成形で用いられる圧縮成形、押出成形、射出成形、テープ成形などの方法を適用することができる。特に三次元形状を得るためには、射出成形が好適に用いられる。また、成形方法によっては、原料に流動性や可塑性を付与するために、有機溶剤や樹脂などの有機物を添加することもできる。
上述により原材料を成形後、必要に応じて、成形品に含まれる有機物を除去するために脱脂が行われる。この脱脂工程では、室温から600℃程度まで徐々に温度を上げていき、成形品に含まれる有機物を溶出させる。脱脂時の雰囲気は、大気下でも窒素などの不活性ガス下でもよい。
その後、成形品を焼結することで緻密化された焼結体として3次元形状の窒化アルミニウム基板1が得られる。この焼結工程は、雰囲気を窒素などの不活性ガスに置換し、1800℃程度まで徐々に温度を上げて行われる。大気中などで焼結を行うと、窒化アルミニウムの粒界にアルミナが析出してしまう。そのため、焼結速度が低下するばかりではなく、窒化アルミニウム以外の成分が混入し、焼結体の熱伝導率も低下する。そこで、窒化アルミニウムの焼結は、窒素などの不活性雰囲気下で行う必要がある。
次に、図2(b)は酸化層形成工程(S2)であり、上記工程(S1)で得られた窒化アルミニウム基板1は、レーザ処理工程(S5)での高エネルギービーム照射後において高い絶縁性を維持するため、窒化アルミニウム基板1の表面を酸化処理して酸化層2が形成される。酸化層2を形成する酸化処理の方法として、例えば大気中での加熱処理が行われる。この方法では、窒化アルミニウム基板材は、室温から1000℃まで毎時100℃程度で昇温させた後、1000℃で数時間〜数十時間保持され、その表面に薄膜絶縁層をなす酸化層2が形成される。
また、大気中ではなく加圧した水蒸気中で処理を行うことによって、大気中の場合と比較してより低温かつ短時間で酸化処理を行うこともできる。また、酸化層2の形成は、加熱による酸化処理に限定されず、他の成膜方法、例えば、化学蒸着法(CVD法)や、スパッタリング法で行ってもよい。そして、これらの方法を比較すると、膜厚管理が最も容易であるのは、大気中での加熱処理である。
次に、図2(c)は衝撃緩衝層形成工程(S3)であり、酸化層2の上に、スパッタリング、蒸着、イオンプレーティングなどの物理蒸着法(PVD法)、またはプラズマCVDなどの化学蒸着法(CVD法)によって、簡易に金属の衝撃緩衝層3aが形成される。衝撃緩衝層3aに形成される金属には、上記各形成法において酸化層2より成膜が早い金属が用いられ、その厚さは、1〜10μm(望ましくは、2〜5μm)に形成されており、レーザ処理工程(S5)での高エネルギービーム照射時に、高エネルギービームの衝撃を緩衝して、高エネルギービームを窒化アルミニウム基板1に到達させない機能を有する。
次に、図2(d)はメタライズ処理工程(S4)であり、例えば銅をターゲットとするスパッタリングによって、導電性薄膜4が形成される。上述の窒化アルミニウム基板1に形成された衝撃緩衝層3aの上に形成する導電性薄膜4は、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティングなどの物理蒸着法により形成される。しかし、物理蒸着法に限定されることなく化学蒸着法などの他の方法で行ってもよい。導電性薄膜4は、銅以外に、ニッケル、金、アルミニウム、チタン、モリブデン、クロム、タングステン、スズ、鉛などの単体金属、又は黄銅、NiCrなどの合金を用いてもよい。
次に、図3(a)はレーザ処理工程(S5)であり、導電性薄膜4における回路部4aと非回路部4bとの境界部分に高エネルギービーム、例えば電磁波ビームであるレーザビームが照射され、その部分の導電性薄膜4が蒸発除去されて、その除去部4cによって回路部4aと非回路部4bとが分離され、所定の回路パターンが形成される。
次に図3(b)はめっき処理工程(S6)であり、回路部4aに給電されて電流が流れ、回路部4aの部分が例えば電解銅めっきにより厚膜化されて、めっき層5が形成される。このとき、非回路部4bには電流が流れず、非回路部4bの部分はめっきされないので、その膜厚はもとのままの薄膜の状態にある。
次に図3(c)はエッチング処理工程(S7)であり、回路パターン形成面全体をエッチングすることにより、下地の酸化層2が現れるように、非回路部4bおよび衝撃緩衝層3aが除去されて、回路パターンが形成された3次元回路基板Aが完成する。この後、この3次元回路基板Aの使用用途に応じて、厚膜化した回路部のニッケルめっき処理および金めっき処理などが行われて電子部品、例えば発光ダイオードなどの実装等が行われる。
このように、上記3次元立体回路基板の製造方法は、導電性薄膜4を形成するメタライズ処理工程(S4)の前に、窒化アルミニウム基板1の表面を酸化処理して酸化層2の薄膜を形成する工程(S2)と、酸化層2の上に金属の衝撃緩衝層3aを形成する衝撃緩衝層形成工程(S3)とを備えている。したがって、図4に示すように、導電性薄膜4と窒化アルミニウム基板1との間に衝撃緩衝層3aおよび酸化層2が存在するため、高エネルギービームが照射された導電性薄膜4の部位において、その介在する衝撃緩衝層3aおよび酸化層2を通過しなければ、高エネルギービームが基板材の窒化アルミニウムまで到達することがない。本実施形態では、成膜に時間のかからない衝撃緩衝層3aによって高エネルギービームの衝撃を主に緩和しており、成膜に時間のかかる酸化層2を薄膜に形成して、酸化層2の応力に起因するピール強度の低下を抑制できる。また、成膜に時間のかかる酸化層形成工程(S2)の処理時間を短縮できるので、3次元立体回路基板Aの製造に要する処理時間も短縮される。
そして、高エネルギービームが窒化アルミニウム基板1にまで到達することは、高エネルギービームのパワーや処理時間、及び衝撃緩衝層3aの厚さの調整によって阻止でき、本実施形態では図4に示すように、除去部4cにおいて高エネルギービームが衝撃緩衝層3aを通過して酸化層2の表面の一部深さまで達するように調整されている。このように、酸化層2の一部が除去される探さまで高エネルギービームの照射を行うことで、高エネルギービームの照射部位に導電性薄膜4および衝撃緩衝層3aが残留して電気短絡が発生することを防止でき、また、酸化層2の下の窒化アルミニウム基板1までは除去深さが達していないので、高エネルギービーム照射による窒化アルミニウムの分解と金属アルミの析出を防止できる。
(実施形態2)
実施形態1のレーザ処理工程(S5)で、導電性薄膜4における回路部4aと非回路部4bとの境界部分に高エネルギービームを照射し、除去部4cの導電性薄膜4および衝撃緩衝層3aを蒸発除去させて所定の回路パターンを形成するが、この際に除去部4cの衝撃緩衝層3aが十分に除去されないと、除去部4cに金属の衝撃緩衝層3aが残った状態になる(図5参照)。すると、回路部4aと非回路部4bとが除去部4cに残った金属の衝撃緩衝層3aを介して短絡した状態になり、次のめっき処理工程(S6)で、回路部4aのみに給電して電解めっき処理を施そうとすると非回路部4bにも給電されてしまい、回路部4aと非回路部4bの両方にめっき層が形成されてしまう。すなわち、回路部4aのみにめっき層5を形成することができなくなる。
そこで本実施形態では、実施形態1の衝撃緩衝層3aを形成する金属を、導電性薄膜4を形成している銅との間で選択的にエッチングが可能な金属材料とし、図6に示すように、レーザ処理工程(S5)の後に衝撃緩衝層3aの金属を除去するエッチング処理工程(S10)を設けて、除去部4cに露出している衝撃緩衝層3aを除去することで、回路部4aと非回路部4bとの間が絶縁され、次のめっき処理工程(S6)で回路部4aのみにめっき層5を形成することを可能にしている。
また、導電性薄膜4を銅以外で形成している場合も、上記同様に除去部4cに露出している衝撃緩衝層3aのみを除去することができる。
なお、他の工程および構造は実施形態1と同様であり、説明は省略する。
(実施形態3)
実施形態1のレーザ処理工程(S5)で、導電性薄膜4における回路部4aと非回路部4bとの境界部分に高エネルギービームを照射し、除去部4cの導電性薄膜4および衝撃緩衝層3aを蒸発除去させて所定の回路パターンを形成するが、この際に除去部4cの衝撃緩衝層3aが十分に除去されないと、除去部4cに金属の衝撃緩衝層3aが残った状態になる(図5参照)。すると、回路部4aと非回路部4bとが除去部4cに残った金属の衝撃緩衝層3aを介して短絡した状態になり、次のめっき処理工程(S6)で、回路部4aのみに給電して電解めっき処理を施そうとすると非回路部4bにも給電されてしまい、回路部4aと非回路部4bの両方にめっき層が形成されてしまう。すなわち、回路部4aのみにめっき層5を形成することができなくなる。
そこで本実施形態では、図7に示すように、レーザ処理工程(S5)の後に衝撃緩衝層3aの金属を除去するドライエッチング処理工程(S20)を設けて、除去部4cに露出している衝撃緩衝層3aを除去することで、回路部4aと非回路部4bとの間が絶縁され、次のめっき処理工程(S6)で回路部4aのみにめっき層5を形成することを可能にしている。
なお、他の工程および構造は実施形態1と同様であり、説明は省略する。
(実施形態4)
実施形態1において衝撃緩衝層形成工程(S3)では金属の衝撃緩衝層3aを形成したが、本実施形態では、図8に示すように樹脂を材料とする衝撃緩衝層3bを形成する。したがって、本実施形態の衝撃緩衝層形成工程(S3)では、ディップ、スプレー等の簡易な方法で樹脂の衝撃緩衝層3bを成膜できる。さらには、レーザ処理工程(S5)で除去部4cに衝撃緩衝層3bが残っても、衝撃緩衝層3bが樹脂なので、回路部4aと非回路部4bとの間が絶縁され、次のめっき処理工程(S6)で回路部4aのみにめっき層5を形成することを可能にしている。
また、レーザ処理工程(S5)において高エネルギービームを照射すると、図9に示すように樹脂の衝撃緩衝層3bが炭化した炭化物10が除去部4cに発生する。そこで図10に示すように、レーザ処理工程(S5)の後に、炭化物10を酸素プラズマなどで灰化し除去するアッシング処理工程(S30)を設けて、除去部4cに発生した炭化物10を除去している。
また、エッチング処理工程(S7)では、非回路部4bのみ、あるいは樹脂の衝撃緩衝層3bと非回路部4bの両方を除去する。
なお、他の工程および構造は実施形態1と同様であり、説明は省略する。
(実施形態5)
実施形態1において衝撃緩衝層形成工程(S3)では金属の衝撃緩衝層3aを形成したが、本実施形態では、図11に示すようにガラス、セラミック等の無機物を材料とする衝撃緩衝層3cを形成する。したがって、レーザ処理工程(S5)で除去部4cに衝撃緩衝層3cが残っても、衝撃緩衝層3cが無機物なので、回路部4aと非回路部4bとの間が絶縁され、次のめっき処理工程(S6)で回路部4aのみにめっき層5を形成することを可能にしている。さらに、無機物の熱伝導は樹脂に比べて優れているので、放熱回路として最適なものとなる。
また、エッチング処理工程(S7)では、非回路部4bのみ、あるいは無機物の衝撃緩衝層3cと非回路部4bの両方を除去する。
なお、他の工程および構造は実施形態1と同様であり、説明は省略する。
(実施形態6)
本実施形態の3次元立体回路基板Aは、図12(a)〜(c)に示すように、複数の3次元立体回路基板Aを1枚の窒化アルミニウム基板1に形成するシート単位で製造される。まず、6個の3次元立体回路基板Aを形成可能な1枚の窒化アルミニウム基板1を準備する。窒化アルミニウム基板1は、枠部1a内に3次元立体回路基板Aを形成する6個の回路基板部1bを配置し、各回路基板部1bは連結部1cを介して枠部1aに接続している(図12(a))。
そして、上記酸化層形成工程(S2)で酸化層2を窒化アルミニウム基板1上に形成した後に、上記衝撃緩衝層形成工程(S3)を行うのであるが、この際、上記レーザ処理工程(S5)で高エネルギービームを照射する回路基板部1b上の領域にのみ衝撃緩衝層3(3a,3b,3cのうちいずれか)を形成する(図12(b))。なお図12(b)では、窒化アルミニウム基板1の側面の成膜を一部省略している。
次に、上記メタライズ処理工程(S4)において、回路基板部1bの衝撃緩衝層3上の導電性薄膜4と、枠部1aおよび連結部1c上のめっき給電回路40を、不要部分をマスキングしてスパッタ成膜するマスクスパッタリング法で形成する。このめっき給電回路40は、窒化アルミニウム基板1の枠部1aおよび連結部1cに形成されて、各回路基板部1b上に形成した導電性薄膜4の回路部4aに接続している(図12(c))。なお図12(c)では、窒化アルミニウム基板1の側面の成膜を一部省略している。
そして、上記レーザ処理工程(S5)で、導電性薄膜4における回路部4aと非回路部4bとの境界部分に高エネルギービームを照射して、所定の回路パターンを形成した後、上記めっき処理工程(S6)ではめっき給電回路40を介して給電されて回路部4aにめっき処理が行われる。そして、上記エッチング処理工程(S7)の後、各3次元立体回路基板A毎に切断、分割される。
このように本実施形態では、全ての回路をレーザ処理工程(S5)で形成するのではなく、微細な加工が必要な部分のみに衝撃緩衝層3を形成してレーザ処理を施し、微細な加工の必要がないめっき給電回路40等は、衝撃緩衝層3なしでマスクスパッタリング法を用いて形成している。したがって、不要な領域には衝撃緩衝層3を形成せず、さらに全ての回路をレーザ処理で形成しないので、処理時間が短縮される。
また、微細な加工の必要がないめっき給電回路40等の回路を立体回路で形成しなければならない場合は、コリメートスパッタリング法を用いる。コリメートスパッタリング法とは、図13に示すように、任意の方向に飛翔するスパッタ原子Sからコリメート電極等のコリメートマスク(コリメータ)Zを介して一定方向に飛翔するスパッタ原子Sのみを通過させることで、窒化アルミニウム基板1上にスパッタ膜Mを形成する方法で、テーパ状の部分や段差のある部分であってもスパッタ膜Mを形成することが可能となる。
実施形態1の3次元立体回路基板の製造方法の概要を示すフロー図である。 (a)〜(d)同上の各工程における表面処理の様子を示す斜視図である。 (a)〜(c)同上の各工程における表面処理の様子を示す斜視図である。 同上のレーザ処理工程の様子を示す断面図である。 実施形態2のレーザ処理工程の様子を示す断面図である。 同上の3次元立体回路基板の製造方法の概要を示すフロー図である。 実施形態3の3次元立体回路基板の製造方法の概要を示すフロー図である。 実施形態4のレーザ処理工程の様子を示す断面図である。 同上のアッシング処理を施す前の様子を示す断面図である。 同上の3次元立体回路基板の製造方法の概要を示すフロー図である。 実施形態5のレーザ処理工程の様子を示す断面図である。 (a)〜(c)実施形態6の3次元立体回路基板の製造方法の概要を示す斜視図である。 同上のコリメートスパッタリング法を示す図である。
符号の説明
A 3次元立体回路基板
1 窒化アルミニウム基板
2 酸化層
3a 衝撃緩衝層
4 導電性薄膜
4a 回路部
4b 非回路部
4c 除去部
5 めっき層

Claims (10)

  1. 窒化アルミニウム基板の表面に導電性薄膜を形成し、その導電性薄膜における回路部と非回路部の少なくとも境界を含む領域に高エネルギービームを照射し導電性薄膜を除去して回路パターンを形成し、回路部の導電性薄膜にめっき処理を施した後、非回路部の導電性薄膜を除去する3次元立体回路基板の製造方法において、
    前記導電性薄膜を形成する工程の前に、窒化アルミニウム基板の表面を酸化処理して酸化層を形成し、次に前記酸化層より成膜が早く、且つ前記回路パターンを形成するときに照射される高エネルギービームが前記窒化アルミニウム基板に与える衝撃を緩和する衝撃緩衝層を前記酸化層の表面に形成する工程を備えた
    ことを特徴とする3次元立体回路基板の製造方法。
  2. 前記衝撃緩衝層の材料を金属とすることを特徴とする請求項1記載の3次元立体回路基板の製造方法。
  3. 前記金属は、導電性薄膜を形成する銅との間で選択的にエッチングが可能であり、前記高エネルギービームを照射し導電性薄膜を除去して回路パターンを形成した後、前記金属のエッチング処理を施して、導電性薄膜の除去部に露出する前記金属を除去することを特徴とする請求項2記載の3次元立体回路基板の製造方法。
  4. 前記高エネルギービームを照射し導電性薄膜を除去して回路パターンを形成した後、ドライエッチング処理を施して、導電性薄膜の除去部に露出する前記金属を除去することを特徴とする請求項2記載の3次元立体回路基板の製造方法。
  5. 前記衝撃緩衝層の材料を樹脂とすることを特徴とする請求項1記載の3次元立体回路基板の製造方法。
  6. 前記高エネルギービームを照射し導電性薄膜を除去して回路パターンを形成した後、高エネルギービームの照射時に導電性薄膜の除去部に発生した前記樹脂の炭化物をアッシング処理によって除去することを特徴とする請求項5記載の3次元立体回路基板の製造方法。
  7. 前記衝撃緩衝層の材料を無機物とすることを特徴とする請求項1記載の3次元立体回路基板の製造方法。
  8. 前記高エネルギービームを照射する領域にのみ前記衝撃緩衝層を形成することを特徴とする請求項1記載の3次元立体回路基板の製造方法。
  9. 前記衝撃緩衝層を形成していない領域において、コリメートスパッタリング法によって回路を形成することを特徴とする請求項8記載の3次元立体回路基板の製造方法。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の3次元立体回路基板の製造方法を用いて形成されたことを特徴とする3次元立体回路基板。
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