JP2000133506A - 抵抗体付き配線基板の製造方法 - Google Patents

抵抗体付き配線基板の製造方法

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JP2000133506A
JP2000133506A JP10304334A JP30433498A JP2000133506A JP 2000133506 A JP2000133506 A JP 2000133506A JP 10304334 A JP10304334 A JP 10304334A JP 30433498 A JP30433498 A JP 30433498A JP 2000133506 A JP2000133506 A JP 2000133506A
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thin film
layer
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wiring
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Tomoki Inoue
友喜 井上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】薄膜抵抗体をトリミングする際、絶縁基体表面
にアルミニウムが析出し隣接する薄膜配線層間に電気的
な短絡等が発生する。 【解決手段】窒化アルミニウム質焼結体から成る基体1
表面に酸化物膜4を形成し、次に前記酸化物膜4上に薄
膜形成技術によって薄膜配線層2と薄膜抵抗体3とを被
着させ、最後に前記薄膜抵抗体3にレーザー光線を照射
し、薄膜抵抗体3の電気抵抗値が所定の値となるように
トリミングすることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は配線基板に関し、よ
り詳細には混成集積回路装置や半導体素子を収容する半
導体素子収納用パッケージ等に使用される配線基板に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、半導体素子等の能動部品
や容量素子、抵抗体等の受動部品を多数搭載し、所定の
電子回路を構成するようになした混成集積回路装置は、
通常、酸化アルミニウム質焼結体から成る絶縁基体の内
部及び表面にタングステン、モリブデン等の高融点金属
材料から成る配線層を形成した構造の配線基板を準備
し、該配線基板の絶縁基体上面に半導体素子や容量素
子、抵抗体等を搭載取着するとともに該半導体素子等の
電極を前記配線層に電気的に接続することによって形成
されている。
【0003】かかる従来の混成集積回路装置等に使用さ
れる配線基板は一般に、セラミックスの積層技術及びス
クリーン印刷等の厚膜形成技術を採用することによって
製作されており、具体的には以下の方法によって製作さ
れている。
【0004】即ち、 (1)まず、酸化アルミニウム(A12 3 )、酸化珪
素(SiO2 )、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カ
ルシウム(CaO)等から成るセラミックス原料粉末に
有機溶剤、溶媒を添加混合して泥漿物を作り、次にこれ
を従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法
等によりシート状に成形して複数枚のセラミックグリー
ンシート(セラミック生シート)を得る。そして各セラ
ミックグリーンシートに打ち抜き加工法及び孔あけ加工
法を施し所定位置に貫通孔を形成するとともに所定形状
に加工する。
【0005】(2)次に、前記セラミックグリーンシー
トの表面及び貫通孔内に、タングステンやモリブデン粉
末に有機溶剤、溶媒を添加混合して得た金属ペーストを
スクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布する。
【0006】(3)そして最後に前記金属ペーストを印
刷塗布した各セラミックグリーンシートを上下に積層す
るとともに還元雰囲気中、約1600℃の温度で焼成
し、セラミックグリーンシートと金属ペーストとを焼結
一体化することによって絶縁基体の内部及び表面に所定
パターンの配線層を形成した配線基板が完成する。
【0007】しかしながら、この従来の配線基板におい
ては、配線層が全て金属ペーストをスクリーン印刷する
ことによって形成されており、スクリーン印刷による配
線層の形成は微細化が困難で、配線層を高密度に形成す
ることができないという欠点を有していた。
【0008】またこの従来の配線基板においては、配線
層の形成されている絶縁基体が酸化アルミニウム質焼結
体から成り、該酸化アルミニウム質焼結体はその熱伝導
率我約20W/m・kと低く熱を伝え難いため、配線基
板上面に搭載される半導体素子や容量素子、抵抗体等が
作動時に多量の熱を発生した場合、その熱は酸化アルミ
ニウム質焼結体から成る絶縁基体の半導体素子や容量素
子、抵抗体等が搭載されている搭載領域に蓄積されて高
温となり、その結果、配線基板上に搭載される半導体素
子や容量素子、抵抗体等が特性に熱劣化を招来し、混成
集積回路装置等を常に正常、かつ安定に作動させること
ができないという欠点も有していた。
【0009】更に従来の配線基板においては、絶縁基体
に配線層のみが形成されており、混成集積回路装置等を
形成するには半導体素子や容量素子、抵抗体等を別途準
備し、これを絶縁基体上に搭載するとともに配線層に個
別に接続しなければならず混成集積回路装置等を形成す
るのに数多くの部品が必要となるとともに搭載接続に多
大の工程と手間を要し、製品としての混成集積回路装置
等を高価なものとなしてしまう欠点も有していた。
【0010】そこで上記欠点を解消するために配線層を
従来のスクリーン印刷法等の厚膜形成技術に変えて微細
化が可能な薄膜形成技術を用いて形成し、また前記配線
層が形成される絶縁基体を熱伝導率が50W/m・k以
上で、熱を伝え易い窒化アルミニウム質焼結体で形成
し、更に抵抗体を絶縁基体上に配線層の形成と同時に一
体的に形成しておくことが考えられる。
【0011】かかる絶縁基体を窒化アルミニウム質焼結
体で、配線層及び抵抗体を薄膜形成技術で同時に、かつ
一体的に形成した配線基板は、窒化アルミニウム質焼結
体から成る絶縁基体の表面に、例えば、窒化タンタルや
ニッケルークロム、ニッケルークロムーシリコン、タン
グステンーシリコン、モリブデンーシリコン、タングス
テン、モリブデン、チタン、クロム等から成る接着層
と、ニッケルークロムや白金、パラジウム、ニッケル、
コバルト等から成るバリア層と、金や銀、銅等から成る
主導体層とをイオンプレーティング法やスパッタリング
法、蒸着法等の薄膜形成技術を採用することによって被
着させるとともにこれらの層をフォトリソグラフィー技
術を採用し、所定パターンに加工することによって薄膜
配線層となし、同時に前記薄膜配線層の接着層が有する
抵抗率を利用し、接着層のみの領域を前記薄膜配線層に
接続された状態で形成し、これを薄膜抵抗体となすこと
によって形成される。
【0012】なお、前記窒化タンタルやニッケルークロ
ム、ニッケルークロムーシリコン、タングステンーシリ
コン、モリブデンーシリコン、タングステン、モリブデ
ン、チタン、クロム等から成る接着層は薄膜配線層を絶
縁基体に強固に接着させる作用をなし、またニッケルー
クロムや白金、パラジウム、ニッケル、コバルト等から
成るバリア層は接着層と主導体層とを強固に接合させる
とともに接着層と主導体層との間に相互拡散が生じるの
を防止する作用をなし、更に金や銀、銅等から成る主導
体層は電気信号を伝搬させるための伝搬路として作用す
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この配
線基板においては、絶縁基体の表面に被着形成されてい
る薄膜抵抗体にレーザー光線を照射し、薄膜抵抗体の電
気抵抗値が所定の値となるようにトリミングした場合、
絶縁基体を構成する窒化アルミニウム質焼結体の表面に
レーザー光線の照射によってアルミニウムが析出し、該
析出したアルミニウムによって隣接する薄膜配線層間が
電気的に短絡したり、薄膜抵抗体の電気抵抗値を所定の
値に正確に調整することができないという欠点を誘発し
た。
【0014】本発明は上記欠点に鑑み案出されたもの
で、その目的は配線層を高密度に形成し、所定の電気抵
抗値の抵抗体を配線層に接続させた状態で一体的に形成
し、かつ搭載される半導体素子や容量素子等が作動時に
発する熱を効率良く吸収することができる抵抗体付き配
線基板の製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の抵抗体付き配線
基板の製造方法は、窒化アルミニウム質焼結体から成る
絶縁基体表面に酸化物膜を形成し、次に前記酸化物膜上
に薄膜形成技術によって薄膜配線層と薄膜抵抗体とを被
着させ、最後に前記薄膜抵抗体にレーザー光線を照射
し、薄膜抵抗体の電気抵抗値が所定の値となるようにト
リミングすることを特徴とするものである。
【0016】本発明の抵抗体付き配線基板の製造方法に
よれば、薄膜配線層が形成される絶縁基体を熱伝導率が
50W/m・k以上と高く、熱を伝え易い窒化アルミニ
ウム質焼結体で形成することから配線基板上に半導体素
子や容量素子、抵抗体等を搭載して混成集積回路装置等
となした後、配線基板の上面に搭載される半導体素子や
容量素子、抵抗体等が作動時に多量の熱を発生したとし
ても、その熱は窒化アルミニウム質焼結体から成る絶縁
基体全体に効率良く吸収されるとともに該絶縁基体全体
を介して大気中に放散され、その結果、配線基板上に搭
載される半導体素子や容量素子、抵抗体等が高温となる
ことはなく、特性に熱劣化を招来することが有効に防止
されて混成集積回路装置等を常に正常、かつ安定に作動
させることが可能となる。
【0017】また本発明の抵抗体付き配線基板の製造方
法によれば、絶縁基体上の薄膜配線層を薄膜形成技術に
より形成することから薄膜配線層の微細化が可能とな
り、薄膜配線層を極めて高密度に形成することができ
る。
【0018】更に本発明の抵抗体付き配線基板の製造方
法によれば、絶縁基体上に薄膜抵抗体が薄膜配線層と一
体的に形成されることから混成集積回路装置等を形成す
る際には配線基板上に別途搭載される半導体素子等の部
品の数が少なくなり、これによって混成集積回路装置等
を形成するのに工程が簡素で手間がかからなくなり、製
品としての混成集積回路装置等を安価なものとなすこと
ができる。
【0019】また更に本発明の抵抗体付き配線基板の製
造方法によれば、絶縁基体と薄膜抵抗体との間に酸化物
膜を介在させたことから薄膜抵抗体にレーザー光線を照
射して所定の電気抵抗値となるようにトリミングする
際、絶縁基体を構成する窒化アルミニウム質焼結体の表
面にアルミニウムが析出することはなく、これによって
薄膜抵抗体を所定の電気抵抗値に正確にトリミングする
ことが可能となるとともに隣接する薄膜配線層間に電気
的な短絡を招来することもなく、極めて信頼性の高い配
線基板を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明を添付図面に基づき
詳細に説明する。図1は、本発明の製造方法よって製作
された配線基板の一実施例を示し、1は絶縁基体、2は
薄膜配線層、3は薄膜抵抗体である。
【0021】前記絶縁基体1は窒化アルミニウム質焼結
体から成り、その上面に酸化物膜4を介して薄膜配線層
2と薄膜抵抗体3が形成されている。
【0022】前記薄膜配線層2は電気信号を伝達する際
の伝達路として作用し、例えば、窒化タンタルやニッケ
ルークロム、ニッケルークロムーシリコン、タングステ
ンーシリコン、モリブデンーシリコン、タングステン、
モリブデン、チタン、クロム等から成る接着層2aと、
ニッケルークロムや白金、パラジウム、ニッケル、コバ
ルト等から成るバリア層2bと、金や銀、銅等から成る
主導体層2cの3層構造を有している。
【0023】前記薄膜配線層2にはまた薄膜抵抗体3が
電気的に接続された状態で形成されており、該薄膜抵抗
体2は前記薄膜配線層2の接着層2aのみを使用し、該
接着層2aが有する抵抗率を利用して抵抗体となしたも
のである。
【0024】前記薄膜抵抗体3は薄膜配線層2を形成す
る際、該薄膜配線層2を構成するバリア層2bと主導体
層2cの一部を除去することによって薄膜配線層2に電
気的導通をもって一体的に形成される。
【0025】かくしてこの配線基板によれば、絶縁基体
1の上面に半導体素子や容量素子等を搭載するとともに
該半導体素子等の電極を所定の薄膜配線層2にボンディ
ングワイヤやロウ材、導電性接着材等の電気的接続手段
を介し接続することによって混成集積回路装置等とな
る。
【0026】次に上述の配線基板の製造方法を図2
(a)乃至(c)に基づき説明する。まず図2(a)に
示す如く、窒化アルミニウム質焼結体から成る絶縁基体
1を準備する。
【0027】前記窒化アルミニウム質焼結体から成る絶
縁基体1は、主原料としての窒化アルミニウムに焼結助
剤としてのイットリアやカルシア及び適当な有機溶剤、
溶媒を添加混合して泥漿状となすとともにこれを従来周
知のドクターブレード法やカレンダーロール法を採用す
ることによってグリーンシート(生シート)を形成し、
しかる後、前記グリーンシートに適当な打ち抜き加工を
施すとともに複数枚積層し、高温(約1800℃)で焼
成することによって製作される。
【0028】次に図2(b)に示すように、絶縁基体1
の上面に酸化物膜4を被着形成する。この酸化物膜4は
酸化アルミニウムや酸化珪素等から成り、酸化アルミニ
ウムから成る場合には、例えば、窒化アルミニウム質焼
結体から成る絶縁基体1を大気中、950℃の温度で1
0時間保持し、絶縁基体1の表面を酸化して酸化アルミ
ニウムを形成することによって絶縁基体1の表面に被着
され、また酸化珪素からなる場合には窒化アルミニウム
質焼結体から成る絶縁基体1の表面に酸化珪素をCVD
法により被着させることによって絶縁基体1の上面に形
成される。
【0029】前記酸化物膜4は後述する薄膜抵抗体3の
電気抵抗値をレーザー光線の照射によって所定の値にト
リミングする際、窒化アルミニウム質焼結体から成る絶
縁基体1の上面にアルミニウムが析出するのを防止する
作用をなす。
【0030】なお、前記酸化物膜4はその厚みが0.1
μm未満であると薄膜抵抗体3の電気抵抗値をレーザー
光線の照射によって所定の値にトリミングする際、窒化
アルミニウム質焼結体から成る絶縁基体1の上面にアル
ミニウムが析出される危険性があり、また2μmを超え
ると絶縁基体1を構成する窒化アルミニウム質焼結体と
酸化物膜4を構成する酸化アルミニウムや酸化珪素との
熱膨張係数が相違することに起因して酸化物膜4にクラ
ックや割れが発生してしまう危険性がある。従って、前
記酸化物膜4はその厚みを0.1μm乃至2μmの範囲
としておくことが好ましい。
【0031】次に図2(c)に示すように、絶縁基体1
の上面に形成した酸化物膜4上に薄膜配線層2と薄膜抵
抗体3とを同時に形成する。
【0032】前記薄膜配線層2は、例えば、接着層2a
と、バリア層2bと、主導体層2cの3層構造を有して
いる。
【0033】前記配線2の接着層2aは、例えば、窒化
タンタルやニッケルークロム、ニッケルークロムーシリ
コン、タングステンーシリコン、モリブデンーシリコ
ン、タングステン、モリブデン、チタン、クロム等から
成り、蒸着法やイオンプレーティング法、スパッタリン
グ法等の薄膜形成技術を採用することにより絶縁基体1
上に被着される。
【0034】前記接着層2aは絶縁基体1と薄膜配線層
2との接合強度を上げる作用をなし、その厚みは0.0
1μm未満であると薄膜配線層2を絶縁基体1に強固に
接合させるのが困難となる傾向にあり、また10μmを
超えると接着層2aを薄膜形成技術により形成する際に
大きな応力が発生するとともにこれが内部に内在し、該
内在応力によって絶縁基体1と接着層2aとの接合強度
が低下してしまう傾向にある。
【0035】従って、前記窒化タンタル等から成る接着
層2aはその厚みを0.01μm乃至10μmの範囲と
することが好ましく、好適には0.05μm乃至1μm
の範囲とするのがよい。
【0036】また前記接着層2aの上面にはバリア層2
bが被着されており、該バリア層2bは接着層2aと主
導体層2cと接合性、濡れ性が良く、接着層2aと主導
体層2cとを強固に接合させるとともに接着層2aと主
導体層2cとの相互拡散を防止する作用をなす。
【0037】前記バリア層2bは、例えば、ニッケルー
クロムや白金、パラジウム、ニッケル、コバルト等から
成り、蒸着法やイオンプレーティング法、スパッタリン
グ法等の薄膜形成技術により接着層2aの上面に被着さ
れる。
【0038】前記バリア層2bはその厚みが0.05μ
m未満であると接着層2aと主導体層2cとの相互拡散
を有効に防止することができなくなるとともに接着層2
aと主導体層2cとを強固に接合させるのが困難となる
傾向にあり、また10μmを超えるとバリア層2bを薄
膜形成技術により被着させる際に発生する応力によって
接着層2aとバリア層2bとの接合強度が低下してしま
う傾向にある。従って、前記ニッケルークロム等から成
るバリア層2bはその厚みを0.05μm乃至10μm
の範囲とすることが好ましく、好適には0.1μm乃至
3μmの範囲がよい。
【0039】更に前記バリア層2bの上面には、例え
ば、金や銀、銅等から成る主導体層2cが被着されてお
り、該主導体層2cは主として電気信号を通す通路とし
て作用し、主導体層2cを形成する金等は導電率が極め
て高いことから薄膜配線層2の導通抵抗は極めて小さな
値となり、これによって薄膜配線層2の電気信号の伝搬
速度を極めて速いものとなすことができる。
【0040】前記金等から成る主導体層2cは蒸着法や
イオンプレーティング法、スパッタリング法等の薄膜形
成技術により被着されており、その厚みは0.1μm未
満であると薄膜配線層2の導通抵抗が高くなって配線基
板としては不向きとなる傾向にある。従って、前記金等
から成る主導体層2cはその厚みを0.1μm以上とす
ることが好ましく、コストの点も考慮すると0.1μm
乃至10μmの範囲が好適である。
【0041】前記絶縁基体1の上面に形成された接着層
2aとバリア層2bと主導体層2cの3層構造を有する
薄膜配線層2は絶縁基体1上に接着層2a、バリア層2
b、主導体層2cを薄膜形成技術を採用することにより
順次、被着させ、しかる後、フォトリソグラフィー技術
を採用し所定パターンに加工することによって薄膜配線
層2となる。
【0042】前記絶縁基体1の上面に形成された接着層
2aとバリア層2bと主導体層2cの3層構造を有する
薄膜配線層2は接着層2a、バリア層2b、主導体層2
cの各々が薄膜形成技術を採用することによって形成さ
れていることから薄膜配線層2を極めて微細に形成する
ことが可能となり、これによって絶縁基体1上に薄膜配
線層2を高密度に形成することができる。
【0043】また前記薄膜配線層2はその一部にバリア
層2bと主導体層2cを除去し、接着層2aのみとなし
た領域Aがあり、該領域Aにおける接着層2aはそれを
構成する窒化タンタルやニッケルークロム、ニッケルー
クロムーシリコン、タングステンーシリコン、モリブデ
ンーシリコン、タングステン、モリブデン、チタン、ク
ロム等の有する高い抵抗率を利用して薄膜抵抗体3を形
成している。
【0044】前記薄膜抵抗体3は絶縁基体1上に所定パ
ターンの薄膜配線層2を形成した後、該薄膜配線層2の
一部のバリア層2bと主導体層2cの一部をエッチング
加工等により除去することによって形成される。
【0045】次に前記薄膜抵抗体3はその一部にレーザ
ー光線を照射し、薄膜抵抗体3の一部を溶断することに
よって電気抵抗値が所定の値となるようにトリミングさ
れ、これによって製品としての図1に示す配線基板が完
成する。
【0046】前記薄膜抵抗体3にレーザー光線を照射
し、薄膜抵抗体3の電気抵抗値が所定の値となるように
トリミングした場合、窒化アルミニウム質焼結体から成
る絶縁基体1と薄膜抵抗体3との間には酸化物膜4が配
されているため絶縁基体1の表面にアルミニウムが析出
することはなく、これによって薄膜抵抗体3を所定の電
気抵抗値に正確にトリミングすることが可能となるとと
もに隣接する薄膜配線層2間に電気的な短絡を招来する
こともなく、極めて信頼性の高い配線基板を得ることが
できる。
【0047】前記薄膜抵抗体3のトリミングとしては、
例えば、薄膜抵抗体3にYAG等のレーザー光線を照射
し、薄膜抵抗体3の一部を溶断することによって行われ
る。
【0048】なお、本発明は上述の実施例に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば
種々の変更は可能であり、例えば、上述の実施例では薄
膜配線層2を窒化タンタルやニッケルークロム、ニッケ
ルークロムーシリコン、タングステンーシリコン、モリ
ブデンーシリコン、タングステン、モリブデン、チタ
ン、クロム等から成る接着層と、ニッケルークロムや白
金、パラジウム、ニッケル、コバルト等から成るバリア
層と、金や銀、銅等から成る主導体層の3層構造とした
が、これに限定されるものではなく、各層を別個の材質
で形成しても、また接着層と主導体層の2層構造として
もよい。
【0049】また上述の実施例では薄膜抵抗体層3を薄
膜配線層2のバリア層2bと主導体層2cの一部を除去
することによって形成したが、バリア層2bの抵抗率が
高い場合には、主導体層2cのみを除去することによっ
て薄膜抵抗体3を形成してもよい。
【0050】更に上述の実施例では絶縁基体1の上面の
みに薄膜配線層2と薄膜抵抗体3を形成したが、これを
絶縁基体1の下面側のみに設けても、上下の両主面に設
けてもよい。
【0051】
【発明の効果】本発明の抵抗体付き配線基板の製造方法
によれば、配線層が形成される絶縁基体を熱伝導率が5
0W/m・k以上と高く、熱を伝え易い窒化アルミニウ
ム質焼結体で形成することから配線基板上に半導体素子
や容量素子、抵抗体等を搭載して混成集積回路装置等と
なした後、配線基板の上面に搭載される半導体素子や容
量素子、抵抗体等が作動時に多量の熱を発生したとして
も、その熱は窒化アルミニウム質焼結体から成る絶縁基
体全体に効率良く吸収されるとともに該絶縁基体全体を
介して大気中に放散され、その結果、配線基板上に搭載
される半導体素子や容量素子、抵抗体等が高温となるこ
とはなく、特性に熱劣化を招来することが有効に防止さ
れて混成集積回路装置等を常に正常、かつ安定に作動さ
せることが可能となる。
【0052】また本発明の抵抗体付き配線基板の製造方
法によれば、絶縁基体上の配線層を薄膜形成技術により
形成することから配線層の微細化が可能となり、配線層
を極めて高密度に形成することができる。
【0053】更に本発明の抵抗体付き配線基板の製造方
法によれば、絶縁基体上に抵抗体が配線層と一体的に形
成されることから混成集積回路装置等を形成する際には
配線基板上に別途搭載される半導体素子等の部品の数が
少なくなり、これによって混成集積回路装置等を形成す
るのに工程が簡素で手間がかからなくなり、製品として
の混成集積回路装置等を安価なものとなすことができ
る。
【0054】また更に本発明の抵抗体付き配線基板の製
造方法によれば、絶縁基体と抵抗体との間に酸化物膜を
介在させたことから抵抗体にレーザー光線を照射して所
定の電気抵抗値となるようにトリミングする際、絶縁基
体を構成する窒化アルミニウム質焼結体の表面にアルミ
ニウムが析出することはなく、これによって抵抗体を所
定の電気抵抗値に正確にトリミングすることが可能とな
るとともに隣接する配線層間に電気的な短絡を招来する
こともなく、極めて信頼性の高い配線基板を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法によって製作された配線基板
の一実施例を示す断面図である。
【図2】(a)乃至(c)は本発明の製造方法を説明す
るための各工程毎の断面図である。
【符号の説明】
1・・・絶縁基体 2・・・薄膜配線層 2a・・接着層 2b・・バリア層 2c・・主導体層 3・・・薄膜抵抗体 4・・・酸化物膜

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化アルミニウム質焼結体から成る絶縁基
    体表面に酸化物膜を形成し、次に前記酸化物膜上に薄膜
    形成技術によって薄膜配線層と薄膜抵抗体とを被着さ
    せ、最後に前記薄膜抵抗体にレーザー光線を照射し、薄
    膜抵抗体の電気抵抗値が所定の値となるようにトリミン
    グすることを特徴とする抵抗体付き配線基板の製造方
    法。
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