JP2010129568A - 立体回路基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】窒化アルミニウム系基板に回路を形成するに際して、高密着性の絶縁膜を効率よく形成することができる方法を提供することを目的とする。
【解決手段】窒化アルミニウム系基板表面に絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜表面に導電性の下地膜を形成する工程と、形成しようとする導体回路の回路パターンの輪郭に沿って前記下地膜を電磁波照射により除去することにより、導体回路となる部分を導体回路が形成されない部分から絶縁する工程と、導体回路となる部分の下地膜に電解メッキ処理を施すことにより、厚膜化して導体回路を形成する工程と、を備え、絶縁膜を形成する際に、導体回路を形成する領域とその周辺領域以外の部分をマスキングした後、溶射法により導体回路を形成する領域とその周辺領域のみに絶縁膜を形成する。
【選択図】図1
【解決手段】窒化アルミニウム系基板表面に絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜表面に導電性の下地膜を形成する工程と、形成しようとする導体回路の回路パターンの輪郭に沿って前記下地膜を電磁波照射により除去することにより、導体回路となる部分を導体回路が形成されない部分から絶縁する工程と、導体回路となる部分の下地膜に電解メッキ処理を施すことにより、厚膜化して導体回路を形成する工程と、を備え、絶縁膜を形成する際に、導体回路を形成する領域とその周辺領域以外の部分をマスキングした後、溶射法により導体回路を形成する領域とその周辺領域のみに絶縁膜を形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は立体回路基板の製造方法に関し、特に、窒化アルミニウム系基板を用いて立体回路基板を製造する際に、信頼性の高い立体回路基板を簡便に製造し得る方法に関する。
立体回路基板として、耐熱性や放熱性などに優れた窒化アルミニウム基板の表面に導電性の下地膜を形成し、導体回路となる部分の輪郭線上に電磁波を照射して下地膜を除去することにより、導体回路となる部分を絶縁した後、導体回路となる部分の下地膜に電解メッキ処理を施して厚膜化することにより導体回路を形成する方法が知られている。このような方法においては、電磁波を照射したときに電磁波が窒化アルミニウム基板にまで達すると、窒化アルミニウムが熱分解されることにより導電性物質である金属アルミニウムが析出して、回路ショートを引き起こす原因になることがあった。
このような問題を解決する方法として、例えば下記特許文献1には、電磁波を照射する際に生じる金属アルミニウムの析出を抑制することを目的として、窒化アルミニウム基板の表面全域を酸化処理することにより絶縁性の酸化層を形成した後、導電性の下地膜を形成する方法が開示されている。上記方法によれば、窒化アルミニウム基板の表面に予め絶縁性の酸化層が形成されているために、該酸化層が電磁波を照射する際の電磁波透過の障壁となる。これにより、電磁波のパワーや処理時間、酸化層の厚さなどを調整することにより、電磁波が窒化アルミニウム基板にまで透過するのを阻止することができる。それにより、金属アルミニウムの析出による回路ショートを抑制できる。しかしながら、特許文献1に記載された、窒化アルミニウム基板の表面全域に比較的肉厚の酸化層を形成するような方法によれば、窒化アルミニウムと酸化層との熱収縮率等の不整合により内部応力が生じ、窒化アルミニウム基板と酸化層の境界部や酸化層の破壊によって密着性が低下し、あるいは基板の変形などによって寸法精度が低下するといった問題を生じるおそれがあった。
このような問題を解決する方法として、例えば、下記特許文献2には、導体回路となる部分とその近傍のみに酸化層を形成することにより、前述したような内部応力の発生を緩和する方法が開示されている。しかしながら、熱酸化処理などの方法で酸化層を形成する場合、所望厚みの酸化層を形成するのに長時間を要するために生産性が低かった。また、レーザーCVD法やエアロゾルデポジション法(AD法)などによって酸化層を形成する方法も考えられるが、これらの方法による成膜は大規模な設備を必要とする等、コスト面の負担が増大する等の問題があった。
特開2005−19645号公報
特開2008−53465号公報
本発明は上記問題を解決すべくなされたものであり、窒化アルミニウム系基板と導電性下地膜の間に形成される絶縁膜の形成において、窒化アルミニウム系基板に対する絶縁膜の密着性を高めると共に、絶縁膜の形成時に生じる応力を低減しつつ、比較的簡便な設備を用いて絶縁膜を効率よく形成することのできる方法を提供することを目的とする。
本発明に係る立体回路基板の製造方法は、窒化アルミニウム系基板表面に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜表面に導電性の下地膜を形成する工程と、形成しようとする導体回路の回路パターンの輪郭に沿って前記下地膜を電磁波照射により除去することにより、前記導体回路となる部分を前記導体回路が形成されない部分から絶縁する工程と、前記導体回路となる部分の下地膜に電解メッキ処理を施すことにより、厚膜化して導体回路を形成する工程と、を備え、前記絶縁膜を形成する際に、導体回路を形成する領域とその周辺領域以外の部分をマスキングした後、溶射法により導体回路を形成する領域とその周辺領域のみに絶縁膜を形成することを特徴とする。このような製造方法によれば、導電性下地膜を形成するに先立って窒化アルミニウム系基板表面に絶縁膜を形成する際に、絶縁膜形成領域を導体回路形成領域とその周辺領域部分の必要最小限の領域に抑えることができる。また、絶縁膜を形成するために溶射法を用いることにより、絶縁膜の形成に要する時間を大幅に短縮することができる。そして、その結果、窒化アルミニウム系基板に与えるダメージを最小限に抑えつつ、高密着性の絶縁膜を効率よく形成することができる。
上記製造方法においては、前記溶射法に用いられる材料としては、アルミナやシリカのような無機材料を用いることが回路基板の放熱性の点から好ましい。
また、電磁波照射により導電性の下地膜を除去する際には、電磁波のパワーや照射時間などを調整することによって、絶縁膜の一部が除去される深さまで行うことが好ましい。さらに、形成される該絶縁膜は2〜20μmの範囲の厚さであることが好ましい。これらの態様は、導体回路形成後に生じ得る回路ショートの発生を阻止しつつ、窒化アルミニウム基板の熱劣化などを抑えと共に低応力化を進めるうえで好ましい。
また、前記窒化アルミニウム系基板が30ppm以下(ゼロを含まず)のカルシウムを含有する場合には、基材としての白色度が向上し、窒化アルミニウム基板の反射率が向上する点から好ましい。
本発明の製造方法によれば、窒化アルミニウム系基板に回路を形成するに際して、高密着性の絶縁膜を効率よく形成することができる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る立体回路基板の製造方法の概要を示すフロー図である。立体回路基板の製造は、窒化アルミニウム粉体を所定の形状に成形してから焼結する窒化アルミニウム系基板の製造工程(A1)、窒化アルミニウム系基板表面の導体回路形成領域とその周辺領域部分以外の部分をマスキングし、残された部分、即ち導体回路形成領域とその周辺領域に溶射法で絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程(A2)、形成された絶縁膜の表面に導電性薄膜(導電性の下地膜)を形成するメタライズ工程(A3)、電磁波を照射することにより導体回路部とその周辺の非回路部を分離するパターニング工程(A4)、メッキにより導体回路部の厚膜化を行うメッキ処理工程(A5)、導体回路部以外(非回路部)の下地層(絶縁膜)およびメッキ膜をエッチングにより除去するエッチング工程(A6)、用途に応じて導体回路部に更にニッケルや金などのメッキを施す後メッキ工程(A7)、の各工程を順次実施することによって行われる。
図2(a)〜(f)は、上記各工程における立体回路基板の表面の状態を模式的に示す説明図である。
まず図2(a)は、窒化アルミニウム基板1の製造工程(A1)であり、窒化アルミニウム粉体を所定の立体形状に成形し、焼結する工程からなる。成形原料となる窒化アルミニウム粉体は、例えば還元窒化法、直接窒化法、気相合成法などによって製造されたものが用いられうる。また、窒化アルミニウム粉体には、必要に応じて、酸化イットリウム、カルシウム、酸化カルシウム等の焼結助剤を配合してもよい。なお、焼結助剤として、カルシウム(Ca)を30ppm以下(ゼロを含まず)の範囲で含有する場合には、後述するように窒化アルミニウム基板の反射率が向上する。
窒化アルミニウム粉体を立体形状に成形する方法としては、従来からセラミックス粉の成形法として知られた方法、具体的には、例えば圧縮成形法、押出成形法、射出成形法などが特に限定なく用いられうるが、立体形状物を生産性よく得る方法としては、射出成形法が特に好ましく用いられる。なお、成形法によっては、バインダーとしての樹脂成分を配合してもよい。
窒化アルミニウム粉を成形して得られる予備成形体は、通常、成形体内に含まれる有機物を除去するための脱脂工程に付される。脱脂条件は特に限定されないが、具体的には、例えば、室温から600℃程度まで徐々に昇温することによって行われる。そして、脱脂後は、成形品を焼結することによって緻密化された窒化アルミニウム基板1を得る。この焼結は、雰囲気を窒素ガスなどの不活性ガスで置換し、1800℃程度まで徐々に昇温することによって行われる。
次に、図2(b)に示すような絶縁膜形成工程(A2)について説明する。この工程では、導体回路形成領域とその周辺領域を残して予めマスキング3を施し、溶射法により導体回路形成領域とその周辺領域のみに絶縁膜2を形成する。
マスキング3は、導体回路形成領域とその周辺領域部分以外の部分をマスクすることにより、部分的に絶縁膜2を形成するために行われるものである。この処理によれば、窒化アルミニウム系基板1の表面の導体回路形成領域とその周辺領域部分のみに正確に絶縁膜2を形成することができる。マスキング3に用いられる材料としては、例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。
このようなマスキング3は、ラミネートや印刷等の手段により、導体回路形成領域とその周辺領域部分以外の部分のみに保護膜として形成される。なお、このマスキング3は、その後、絶縁膜形成直後等の、適宜の段階において、アルカリ液や有機溶剤を用いたエッチング等の方法により除去される。
マスキング3を行った後は、残された導体回路形成領域とその周辺領域に溶射法により絶縁膜2を形成する。溶射法としては、例えば爆発溶射法、プラズマ溶射法、粉末フレーム溶射法などを採用することができる。
溶射材料としては、アルミナやシリカなどの無機材料;エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂やフッ素樹脂などの熱可塑性樹脂の如き樹脂材料、が使用されうる。これらの中では、無機材料が、放熱性、耐熱性、機械的強度に優れ、また、低誘電損失で高周波絶縁性に優れた絶縁膜が得られ易い点から好ましい。
このようにマスキング法と溶射法を組み合わせることにより、必要最小限の領域に短時間で効率よく絶縁膜2を形成することができるために、低応力で高密着性の絶縁膜を効率よく形成することができる。
次に図2(c)に示すようなメタライズ工程(A3)について説明する。
メタライズ工程(A3)においては、上述した絶縁膜形成工程(A2)において導体回路形成領域とその周辺領域部分のみに形成された絶縁膜2の表面に、例えば銅などをターゲットとして、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティングなどの物理蒸着法や化学蒸着法、無電解メッキ法などによって導電性の下地膜4を形成する。銅以外の下地膜4の素材としては、例えばニッケル、アルミニウム、金、銀、チタン、モリブデン、クロム、錫、鉛などの金属、あるいは黄銅、Ni−Crなどの合金等が挙げられる。
次に図2(d)に示すようなパターニング工程(A4)について説明する。
パターニング工程(A4)は、導体回路形成領域と非導体領域の境界部に電磁波を照射して境界部の導電性下地膜4を揮発除去させることにより、導体回路部と非回路部とを絶縁させる工程である。なお、前記絶縁膜形成工程(A2)で形成される絶縁膜2の幅は、導体回路が形成される部分と電磁波によって除去される部分を併せた幅よりも広く形成されている。従って、導電性下地膜4を通過した電磁波は必ず絶縁膜2に衝突するので、窒化アルミニウム基板1の表面に電磁波が直接衝突することはない。使用する電磁波としては、THG−YAGレーザーやSHG−YAGレーザーのような導体膜に対して吸収率の高い波長域のものが好ましい。
次に図2(e)に示すようなメッキ処理工程(A5)について説明する。
メッキ処理工程(A5)は、導体回路部Xに給電することにより電解メッキして、回路部Xの下地膜4を厚膜化して導電メッキ層5を形成する工程である。このとき、非回路部Yには給電されないためにメッキが形成されないので、当該部分の導電性下地層4は薄肉のままである。
次に図2(f)に示すようなエッチング処理工程(A6)について説明する。
エッチング処理工程(A6)は、エッチングすることにより、非回路部のメッキ層5と導電性下地層4を除去することにより下地の絶縁層2を表出させる工程である。この工程により、回路パターンが形成された立体回路基板が完成する。
なお、立体回路基板の目的とする用途に応じて、導体回路部Xにニッケルメッキや金メッキをさらに行う後メッキ処理を行ってもよい。
このように本発明によれば、立体回路基板を製造する際における、絶縁膜形成工程において、マスキングと溶射法を組み合わせることにより、必要領域のみに短時間で確実に絶縁膜を形成することができる。そして、その結果として、窒化アルミニウム基板や絶縁膜に生じる応力を低減しつつ両者の密着性を高めることができる。その結果、基板に対する導体回路の密着性を高めることができ、高精度で信頼性の高い立体回路基板を得ることができる。しかも、溶射法はCVD法やAD法などに比べて簡単な設備で実施することができるので、経済的な負担も軽減される。
次に、本発明を実施する際の好ましい実施形態を、例を挙げて説明する。
(実施形態1)
(窒化アルミニウム基板の製造)
直接窒化法により製造した窒化アルミニウム原料粉体に、焼結助剤として酸化イットリウム5質量%、カルシウム200ppmを配合し、有機溶剤(エタノールとブタノールとの混合液)中でボールミル混合を6時間した後、有機溶剤を揮発させる。
(窒化アルミニウム基板の製造)
直接窒化法により製造した窒化アルミニウム原料粉体に、焼結助剤として酸化イットリウム5質量%、カルシウム200ppmを配合し、有機溶剤(エタノールとブタノールとの混合液)中でボールミル混合を6時間した後、有機溶剤を揮発させる。
そして、得られた混合粉にPVA系バインダーを配合し、射出成形により立体予備成形体を得た。そして立体予備成形体をPVA系バインダーを分解させるため大気中450℃で1時間保持して脱脂し、更に窒素雰囲気下に1800℃で3時間保持して焼結することにより、窒化アルミニウム基板を得る。
(絶縁膜の形成)
得られた窒化アルミニウム基板表面における、導体回路形成領域とその周辺領域以外の部分をエポキシ樹脂でマスキングした後、マスキングされなかった領域に、アルミナ粉を用いた爆発溶射法により絶縁膜を形成する。
得られた窒化アルミニウム基板表面における、導体回路形成領域とその周辺領域以外の部分をエポキシ樹脂でマスキングした後、マスキングされなかった領域に、アルミナ粉を用いた爆発溶射法により絶縁膜を形成する。
(導体回路の形成)
形成された絶縁膜の表面に、スパッタリング法により、導電性下地膜(Cu)を形成した。次に、形成しようとする導体回路部と非導体回路部との境界にTUG−YAGレーザーを照射することにより、導電性下地膜を除去した。このとき、導体回路部には、電解メッキにおける給電用の配線パターンを設けておく。そして、その後、導体回路部の導体抵抗を小さくするために、導体回路部にCuの電解メッキを施して導電メッキ膜を厚膜化する。次いで、非導体回路部に残された導電下地膜をエッチングすることにより除去した後、導体回路部のCuメッキ上に厚さ5〜50μmのニッケルメッキ及び金メッキを施して、立体回路基板を得る。
形成された絶縁膜の表面に、スパッタリング法により、導電性下地膜(Cu)を形成した。次に、形成しようとする導体回路部と非導体回路部との境界にTUG−YAGレーザーを照射することにより、導電性下地膜を除去した。このとき、導体回路部には、電解メッキにおける給電用の配線パターンを設けておく。そして、その後、導体回路部の導体抵抗を小さくするために、導体回路部にCuの電解メッキを施して導電メッキ膜を厚膜化する。次いで、非導体回路部に残された導電下地膜をエッチングすることにより除去した後、導体回路部のCuメッキ上に厚さ5〜50μmのニッケルメッキ及び金メッキを施して、立体回路基板を得る。
(実施形態2)
本実施形態では、電磁波による導電性下地膜の除去を、絶縁膜の一部が除去される深さまで行うことを特徴とする。
本実施形態では、電磁波による導電性下地膜の除去を、絶縁膜の一部が除去される深さまで行うことを特徴とする。
この実施形態を図3を参照して説明する。図3は、電磁波によって導電性下地膜4を除去する際の好ましい状況を示す模式断面図である。窒化アルミニウム系基板1における導体回路形成領域とその周辺領域以外の部分に形成された絶縁膜2の上に被覆された導電性下地膜4を電磁波Lにより除去してパターニングを行う際には、電磁波Lによって絶縁膜2の一部が除去される深さまで行われる様に、電磁波Lのパワーや照射時間などを制御することが好ましい。このようにして電磁波Lによる輪郭除去を行うことにより、導電性下地膜4の残留による回路ショートの発生を確実に防止できる。しかも、電磁波Lが窒化アルミニウム基板1にまで到達することがないので、窒化アルミニウム基板1内への(導電性)金属アルミニウムの析出による回路ショートの発生も未然に防止できる。
(実施形態3)
本実施形態は、窒化アルミニウム系基板1が30ppm(ゼロを含まず)以下のカルシウム(Ca)を含有することを特徴とする。
本実施形態は、窒化アルミニウム系基板1が30ppm(ゼロを含まず)以下のカルシウム(Ca)を含有することを特徴とする。
図4は、窒化アルミニウム系基板1の原料として用いる窒化アルミニウム粉体中に含まれるCa含有量が、窒化アルミニウム基板1の反射率に与える影響を調べた結果を示したグラフである。
即ち、焼結助剤として酸化イットリウム5質量%とカルシウム15ppmを配合した焼結原料と、同じく焼結助剤として酸化イットリウム5質量%とカルシウム200ppmを配合した焼結原料を使用し、焼結温度を1810℃〜1820℃とした以外は前記実施形態1と同様にして窒化アルミニウム基板を製造し、得られた基板の外観を観察した。その結果、前者(Ca添加量が15ppmのもの)は白色(アイボリー)であったのに対し、後者(Ca添加量が200ppmのもの)は灰色であった。
そこで、得られた窒化アルミニウム基板の反射率を測定してみたところ、図4に示すように、400nm〜800nmの可視光領域において、カルシウム添加量を15ppmとした窒化アルミニウム基板の反射率は、カルシウム添加量を200ppmとした窒化アルミニウム基板の反射率に比べて約7%〜20%高くなっていることが確認された。
この結果から、焼結原料となる窒化アルミニウム粉に焼結助剤として30ppm程度以下、より好ましくは15ppm程度以下のカルシウムを配合することにより、立体回路基板の反射率を高めることができる。
1 窒化アルミニウム基板
2 絶縁膜
3 マスキング
4 導電性下地膜
5 導電メッキ層
X 導体回路部
Y 非導体回路部
2 絶縁膜
3 マスキング
4 導電性下地膜
5 導電メッキ層
X 導体回路部
Y 非導体回路部
Claims (5)
- 窒化アルミニウム系基板表面に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜表面に導電性の下地膜を形成する工程と、形成しようとする導体回路の回路パターンの輪郭に沿って前記下地膜を電磁波照射により除去することにより、前記導体回路となる部分を前記導体回路が形成されない部分から絶縁する工程と、前記導体回路となる部分の下地膜に電解メッキ処理を施すことにより、厚膜化して導体回路を形成する工程と、を備え、
前記絶縁膜を形成する際に、導体回路を形成する領域とその周辺領域以外の部分をマスキングした後、溶射法により導体回路を形成する領域とその周辺領域のみに絶縁膜を形成することを特徴とする立体回路基板の製造方法。 - 前記溶射法に用いられる材料が無機材料である請求項1に記載の立体回路基板の製造方法。
- 前記下地膜の電磁波照射による除去を、前記絶縁膜の一部が除去される深さまで行う請求項1または2に記載の立体回路基板の製造方法。
- 前記絶縁膜の厚さが2〜20μmである請求項1〜3の何れか1項に記載の立体回路基板の製造方法。
- 前記窒化アルミニウム系基板が30ppm以下(ゼロを含まず)のカルシウムを含有する請求項1〜4の何れか1項に記載の立体回路基板の製造方法。
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JP2014533775A (ja) * | 2011-11-16 | 2014-12-15 | セラムテック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングCeramTec GmbH | セラミック基板に埋め込まれた金属構造体 |
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2008
- 2008-11-25 JP JP2008299182A patent/JP2010129568A/ja active Pending
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