JPH05209262A - 膜被覆物の製造方法 - Google Patents

膜被覆物の製造方法

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JPH05209262A
JPH05209262A JP3715192A JP3715192A JPH05209262A JP H05209262 A JPH05209262 A JP H05209262A JP 3715192 A JP3715192 A JP 3715192A JP 3715192 A JP3715192 A JP 3715192A JP H05209262 A JPH05209262 A JP H05209262A
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JP
Japan
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substrate
film
ions
oxide layer
oxide
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JP3715192A
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English (en)
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Satoru Nishiyama
哲 西山
Kiyoshi Ogata
潔 緒方
Naoto Kuratani
直人 鞍谷
Akinori Ebe
明憲 江部
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Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基体を高温に晒すことなくその表面に、当該
基体の濡れ性を改善する酸化層を形成することができ、
しかもその酸化層の厚みの制御が容易であり、それによ
って基体の表面に密着性の高い膜を形成することができ
る方法を提供する。 【構成】 冷媒12が流されるホルダ10に基体2を取
り付けて基体2を冷却しながら、イオン源14から酸素
元素を含有するイオン16を引き出してそれを基体2の
表面に照射する。その後、蒸発源20から所望の物質2
2を蒸発させてそれを基体2の表面に蒸着させて目的と
する膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、基体の表面に膜を形
成して膜被覆物を作る方法に関し、より具体的には、膜
の基体に対する密着性を向上させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、基体の表面に各種膜を形成し
て、基体の特性を改善したり、あるいは膜の持つ機能を
利用しようとする試みが盛んに行われている。
【0003】例えば、基体の表面に高硬度の膜を形成す
ることにより、基体の耐摩耗性を向上させたり、あるい
は基体の表面に各種保護膜を形成することにより、基体
の耐食性を改善する応用が急速に広まっている。
【0004】また、基体の表面に各種機能を持った膜を
形成して、例えば、絶縁基体の表面に金属膜より成る電
気回路を形成して回路基板として用いたり、あるいは基
体の表面にセンサ機能を有する膜を形成して薄膜素子と
して用いたりすることも各分野において広く利用されて
いる。
【0005】いずれの場合も、基体に対する膜の密着性
が十分でないと、使用中に膜が剥離して目的とする機能
が十分に発揮されなかったり、膜の長期安定性が得られ
ず膜の機能に経時変化が見られたりする。
【0006】このような例は、特に濡れ性の悪い基体と
膜とを組み合わせる際に顕著になり、例えば、超硬合金
等の金属基体の表面に窒化ホウ素(BN)や窒化アルミ
ニウム(AlN)等のセラミックスを形成する場合や、
BNやAlN等のセラミックス基体の表面に金属膜を形
成する場合等に顕著になる。
【0007】このような基体に対する膜の濡れ性を改善
するために、基体の表面を酸化物に変化させる試みが成
されている。例えば、BNやAlN基体等の非酸化物基
体の表面に金属膜を形成する際には、金属は窒化物のよ
うな非酸化物よりも酸化物の方が容易に形成されるた
め、一旦基体を酸素雰囲気中で加熱して基体の表面を酸
化させて酸化層を形成し、その上に銅等の金属より成る
目的とする膜を形成し、酸化層を膜と基体との間に介在
させることによって膜の密着性を向上させる方法が試み
られている。
【0008】また、樹脂基体のような酸化物(有機物)
の基体においても、その上に形成される膜の密着強度を
増すために、酸素元素を含むプラズマに基体を晒すこと
によって、基体表面の酸素元素の分布濃度が低下しない
ようにしながら表面をクリーニングした後、目的とする
膜を基体の表面に形成する方法が用いられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た基体の表面を酸化物に変化させる際に酸素雰囲気中で
基体を加熱する方法は、基体の熱による変形を伴った
り、耐熱温度によって使用可能な基体の種類が限定され
るという問題がある。
【0010】また、酸素元素を含むプラズマに基体を晒
すことによって、基体表面の酸素元素の分布濃度が低下
しないようにしながら基体表面をクリーニングした後、
目的とする膜を基体上に形成する方法は、基体表面の酸
化層の厚みを制御するのが困難であり、所望の厚みの酸
化層が得られないという問題がある。ちなみに、酸化層
が薄過ぎると、使用中に膜が剥離しやすくなり、逆に厚
過ぎると、酸化層は基体とは特性が異なるので、基体の
特性に悪影響を及ぼすという不都合が生じる。
【0011】そこでこの発明は、基体を高温に晒すこと
なくその表面に、当該基体の濡れ性を改善する酸化層を
形成することができ、しかもその酸化層の厚みの制御が
容易であり、それによって基体の表面に密着性の高い膜
を形成することができる膜被覆物の製造方法を提供する
ことを主たる目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の第1の製造方法は、基体の表面に膜を形
成して膜被覆物を作る際に、当該膜の形成前、形成と同
時または形成後に、基体を冷却しながらそれに向けて酸
素元素を含有するイオンを照射することを特徴とする。
【0013】また、この発明の第2の製造方法は、基体
の表面に膜を形成して膜被覆物を作る際に、まず基体を
冷却しながらその表面に、酸素元素を含有するガス雰囲
気中でイオンを照射し、しかる後にこの基体の表面に前
記膜を形成することを特徴とする。
【0014】
【作用】上記第1の製造方法によれば、酸素元素を含有
するイオン照射を併用することにより、基体の表面に酸
素元素が注入されて、基体の表面に基体構成元素の酸化
層が形成される。この酸化層の厚みは、照射するイオン
のエネルギーや照射量によって容易に調整することがで
きる。しかもこの方法では、基体を冷却しながらイオン
照射を行うので、基体を高温に晒すことなくその表面
に、基体の濡れ性を改善する酸化層を形成することがで
きる。
【0015】上記第2の製造方法によれば、イオンを照
射することによって基体の表面に格子欠陥が作られ、そ
の部分に雰囲気中の酸素元素が入り込み、主としてこの
ような作用によって基体の表面に酸化層が形成される。
この方法の場合も、酸化層の厚みは、照射するイオンの
エネルギーや照射量によって容易に調整することができ
る。また、基体を冷却しながらイオン照射を行うので、
基体を高温に晒すことなくその表面に、基体の濡れ性を
改善する酸化層を形成することができる。
【0016】
【実施例】図1は、この発明に係る膜被覆物の製造方法
を実施する装置の一例を示す概略図である。真空容器
(図示省略)内に、基体2を保持するホルダ10が設け
られており、それに向けてイオン源14および蒸発源2
0が配置されている。ホルダ10の近傍には、この例で
はイオン電流モニタ18が配置されている。
【0017】ホルダ10は、この例ではその内部に冷却
水等の冷媒12を循環させる構造をしており、それによ
って処理中の基体2を熱による変形・変質等が起こらな
いように冷却するようにしている。
【0018】イオン源14は、そこから所要のイオン1
6を加速して引き出すことができるものであれば、その
方式は問わない。例えば、多極磁場型のいわゆるバケッ
ト型イオン源が大面積大電流等の点で好ましいが、勿論
それ以外のイオン源でも良い。
【0019】蒸発源20は、この例では基体2上に最終
的に目的とする膜を形成するのに用いるものであり、目
的とする膜を構成する物質22を蒸発させることができ
るものであればその方式は問わない。また、このような
蒸発源20以外の成膜手段によって目的とする膜を形成
するようにしても良い。
【0020】このような装置を用いて膜被覆物を製造す
る方法の一例を説明すると、まず、所望の基体2をホル
ダ10に取り付け、真空容器内を所定の真空度(例えば
1×10-6Torr以下)に保持し、ホルダ10に冷媒
12を流して基体2を冷却しながら、イオン源14から
酸素元素を含有するイオン16を引出してそれを基体2
の表面に照射する。このようなイオン16は、例えば、
イオン源14に酸素ガスと他のガス(例えばアルゴン等
の不活性ガス)との混合ガスを適度な酸素分圧で導入し
てイオン化することによって得ることができる。
【0021】上記イオン16の照射によって、基体2の
表面に酸素元素が注入され、図2にも示すように、基体
2の表面に基体2の構成元素の酸化層(例えば基体2が
AlNの場合はAl23 等の層)2aが形成される。
【0022】上記方法においては、酸化層2aの厚み
は、イオン16のエネルギーや照射量によって容易に調
整することができる。従って、基体2の特性に影響を及
ばさないように酸化層2aの厚みを制御することができ
る。
【0023】しかも上記方法では、基体2の加熱を必要
とせず、逆に基体2を冷却しながらイオン照射を行うの
で、基体2を高温に晒すことなくその表面に酸化層2a
を形成することができる。従って、基体2の熱による変
形や、耐熱温度により基体2の種類が限定されるという
問題は生じない。
【0024】もっとも、基体2にイオン16の照射によ
る熱的な損傷が加えられないようにするため、イオン1
6のエネルギーは40KeV以下、かつイオン16の照
射量は1×1018個/cm2 以下に抑えるのが好まし
い。
【0025】上記のようにして基体2の表面に酸化層2
aを形成した後、その上に、この例では蒸発源20から
所望の物質22を蒸発させてそれを基体2の表面に(よ
り具体的にはその酸化層2aの表面に)蒸着させて目的
とする膜4(図2参照)を形成する。
【0026】上記のように基体2の表面に酸化層2aを
形成することによって、公知のように基体2の濡れ性が
改善され、その上に形成される目的とする膜4の密着性
が著しく向上する。また、酸化層2aからの酸素元素の
拡散等によって目的とする膜4の基体2側の界面に膜4
の構成元素の酸化物が形成され、膜4は酸素を介して化
学的に基体2と結び付くので、膜4の密着強度は一層向
上する。
【0027】なお、前述したようなイオン16の照射
は、上記例のように目的とする膜4の形成前でなく、形
成と同時に行っても良いし、形成後に行っても良い。こ
れらの場合も、イオン16のエネルギーを適当に選ぶこ
とにより、形成されつつある膜4、あるいは先に形成さ
れた膜4を通して、基体2の表面にイオン16を注入し
て上記例と同様に酸化層2aを形成することができる。
また、膜4の基体2側の界面に酸化物が形成されること
も上記例と同様である。
【0028】また、上記例のように目的とする膜4の形
成前、形成と同時または形成後に基体2に向けて酸素元
素を含有するイオン16を照射する代わりに、まず酸素
元素を含有するガス雰囲気中で基体2にイオン源14か
ら引き出した適当なイオンを照射し、その後に蒸発源2
0を用いること等によって目的とする膜4を形成しても
良い。この場合もイオンの照射は基体2を冷却しながら
行う。
【0029】このときに基体2に照射するイオンの種類
は、特定のものに限定されない。これは、このイオン照
射の目的が基体2の表面に格子欠陥を作るためであり、
この目的を達成することができるものであれば何でも良
い。代表的なものとしては、アルゴン、ヘリウム、ネオ
ン等の不活性ガスイオンが挙げられる。
【0030】この方法によれば、イオンを照射すること
によって基体2の表面に格子欠陥が作られ、その部分に
雰囲気中の酸素元素が入り込み、主としてこのような作
用によって基体2の表面に前述したような酸化層2aが
形成される。また、酸化層2aからの酸素元素の拡散等
によって、膜4の基体2側の界面に、前述した方法の場
合と同様に、膜4の構成元素の酸化物が形成される。
【0031】この方法の場合も、酸化層2aの厚みは、
照射するイオンのエネルギーや照射量によって容易に調
整することができる。また、基体2を高温に晒すことな
くその表面に酸化層2aを形成することができる。
【0032】また、基体2にイオン照射による熱的な損
傷が加えられないようにするため、イオンのエネルギー
は40KeV以下、かつ照射量を1×1018個/cm2
以下に抑えるのが好ましいのは前述した方法の場合と同
様である。
【0033】なお、基体2が酸化物の場合は、真空蒸着
のみによっても、膜4と基体2との界面に酸化物が形成
される場合もあるが、その酸化物の厚みは極めて薄いも
のであり、膜4の密着性の向上に寄与するほどの効果を
得ることが難しい。この場合にも、基体2上に膜4を形
成する前、同時または形成後に、酸素元素を含有するイ
オン16を照射することによって、あるいは酸素元素を
含有するガス雰囲気中で基体2にイオンを照射してから
膜4を形成することによって、膜4と基体2との界面
に、膜4の密着性の向上に寄与する厚みを持つ、膜構成
元素の酸化物を形成することができる。
【0034】次に、この発明に従ったより具体的な実施
例と、この発明の要件を満たさない比較例の幾つかにつ
いて説明する。
【0035】実施例1 5重量%の酸化イットリウム(Y23 )を焼結助剤と
して添加し、常圧焼結によって得られた窒化アルミニウ
ム(AlN)基板に対して、酸素イオンを5KeVの加
速エネルギーによって1×1016個/cm2 照射した。
この際用いた装置は図1に示したようなものであり、真
空容器内を1×10-6Torr以下の真空度に保持し、
イオン源14に2×10-5Torrの酸素ガスとアルゴ
ンガスとの混合ガス(酸素分圧10%)を導入してイオ
ン化させ、上記加速エネルギーで基板に照射した。イオ
ンの照射量は前述したイオン電流モニタ18によってモ
ニタした。
【0036】作ろうとする膜被覆物が回路基板のような
場合、基板表面の酸化は、目的とする膜から基板への熱
伝導を妨げないように、200Å以下の厚みに制御する
必要があり、そのためのシミュレーションの結果により
上記加速エネルギーと照射量が決定された。
【0037】その後、目的とする膜として銅を1μm真
空蒸着によって当該基板上に形成した。この銅の蒸着
は、図1の蒸発源20として電子ビーム加熱式の蒸発源
を用い、これに蒸発材料として銅ペレット(純度3N)
を入れて蒸発させることによって行った。
【0038】実施例2 実施例1と同じAlN基板に対して、銅を500Å基板
上に形成した後、酸素イオンを5KeVの加速エネルギ
ーによって1×1016個/cm2 照射した。その後、真
空蒸着によって銅を9500Å基板上に形成した。この
際に用いた装置は実施例1と同じものである(以下の実
施例および比較例についても同様)。
【0039】実施例3 実施例1と同じAlN基板に対して、酸素ガス(純度3
N)を基板に吹き付けながら(この際の真空度は2×1
-5Torr)、アルゴンイオンを5KeVの加速エネ
ルギーによって1×1016個/cm2 照射した。その
後、真空蒸着によって銅を1μm基板上に形成した。
【0040】実施例4 ポリエチレンテレフタレート(PET)基板に対して、
酸素イオンを2KeVの加速エネルギーによって1×1
15個/cm2 照射した。その後、真空蒸着によって銅
を1μm基板上に形成した。
【0041】比較例1 実施例1と同じ基板に対して、イオン照射を併用せず
に、銅を1μm真空蒸着させた。
【0042】比較例2 実施例4と同じ基板に対して、イオン照射を併用せず
に、銅を1μm真空蒸着させた。
【0043】評価 上記実施例1〜4と比較例1、2の試料に対して、膜の
密着強度を測定するために、膜の引っ張り強度を測定し
た。その結果を下に示す。
【0044】
【0045】このように、実施例1〜4のものは、比較
例1、2と比べていずれも密着強度に優れた膜が得られ
た。そして、この理由を分析するために、オージェ電子
分光法によって、2KeVの加速エネルギーでアルゴン
イオンを照射することによって膜をエッチングしながら
元素の深さ方向プロファイルを求めたところ、実施例1
〜4のものはいずれも、基板表面より100〜200Å
の深さまで酸素元素が分布していることが分かった。こ
れは100〜200Åの厚みで酸化層が形成されている
ことになる。また、膜と基板界面における銅の結合状態
をX線光電子分光法(XPS)によって分析したとこ
ろ、銅は上記界面で酸化物を形成していることが分かっ
た。
【0046】一方、比較例1のものは、基板表層部に酸
素元素の分布は確認されず、また膜と基板界面における
銅の酸化物の形成も確認されなかった。また、比較例2
のものは、膜と基板との界面において、銅の酸化物の形
成がX線光電子分光法によって確認されたものの、その
銅の酸化物の厚みは20〜50Åであり、実施例4のも
のと比べて極めて薄いものであった。先に、酸化物の基
体の場合では、真空蒸着のみで膜を基体上に形成して
も、一応は膜構成元素の酸化物が膜と基体との界面に形
成されるが、イオン照射を併用しないと、その酸化物の
厚みは密着性向上に寄与しない程度の薄いものしかでき
ない、と説明したが、実施例4と比較例2とはこのこと
を示している。即ち、実施例4および比較例2で用いた
PET基板には酸素が含まれており、比較例2のように
真空蒸着のみでも銅膜とこの基板との界面には銅の酸化
物が薄く形成されるが、その厚みは極めて薄く銅膜の密
着性向上には寄与しておらず、一方実施例4では、イオ
ン照射を併用してこの酸化物の厚みを増すことによっ
て、銅膜の密着性を比較例2よりも遙かに向上させる効
果が得られている。
【0047】以上のことから、基板表面に形成された酸
化層ならびに膜と基板界面における銅の酸化物の形成お
よびその厚みが、膜の密着強度向上に大きく寄与してい
ることが分かる。
【0048】また、上記オージェ電子分光法による測定
によって、実施例1〜4のものは、基板表面の酸化層
が、膜から基板へ熱伝導が妨げられないよう設計された
厚み(即ち200Å以下)どおりに形成されたことが分
かる。
【0049】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、基体を
冷却しながら前述したようなイオン照射を行うことによ
って、基体を高温に晒すことなくその表面に、当該基体
の濡れ性を改善する酸化層を形成することができる。し
かも、この酸化層の厚みは、照射するイオンのエネルギ
ーや照射量によって容易に調整することができる。
【0050】その結果、基体の熱による変形や耐熱温度
により基体の種類が限定されるという問題、更には酸化
層によって基体の特性に影響が出るという問題を排除し
つつ、基体の表面に密着強度の高い膜を形成することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る膜被覆物の製造方法を実施す
る装置の一例を示す概略図である。
【図2】 膜被覆物の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
2 基体 2a 酸化層 4 目的とする膜 10 ホルダ 12 冷媒 14 イオン源 16 イオン 20 蒸発源 22 膜構成物質
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江部 明憲 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地 日 新電機株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体の表面に膜を形成して膜被覆物を作
    る際に、当該膜の形成前、形成と同時または形成後に、
    基体を冷却しながらそれに向けて酸素元素を含有するイ
    オンを照射することを特徴とする膜被覆物の製造方法。
  2. 【請求項2】 基体の表面に膜を形成して膜被覆物を作
    る際に、まず基体を冷却しながらその表面に、酸素元素
    を含有するガス雰囲気中でイオンを照射し、しかる後に
    この基体の表面に前記膜を形成することを特徴とする膜
    被覆物の製造方法。
JP3715192A 1992-01-28 1992-01-28 膜被覆物の製造方法 Pending JPH05209262A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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