JPH062938B2 - 窒化硼素被覆層を有する複合材料 - Google Patents

窒化硼素被覆層を有する複合材料

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JPH062938B2
JPH062938B2 JP475887A JP475887A JPH062938B2 JP H062938 B2 JPH062938 B2 JP H062938B2 JP 475887 A JP475887 A JP 475887A JP 475887 A JP475887 A JP 475887A JP H062938 B2 JPH062938 B2 JP H062938B2
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film
cbn
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boron nitride
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孜 池田
洋 平井
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Kobe Steel Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、耐摩耗性や耐熱性に優れた窒化硼素被覆層を
有する複合材料に関し、殊に半導体分野における絶縁性
材料や切削工具用材料として有用な複合材料に関するも
のである。
[従来の技術] 立方晶窒化硼素(Cubic Borcn Nitride,以下CBNと
いう)は、電気絶縁性及び熱伝導性が優れているところ
から、ICのヒートシンクやパッシベーション膜として
有用であり、また極めて高質で耐摩耗性及び耐熱性が優
れるところから、金属やセラミックス製工作機械の基材
表面に対するコーティング材としての利用価値も高く、
殊に難削材切削工具鋼基材や高速切削工具鋼基材の各表
面コーティング材として注目を集めている。
その為CBN薄膜の形成方法についても種々研究が進め
られ、最近ではイオン注入法,イオンビーム法,イオン
プレーティング法等が提案されている。
[発明が解決しようとする問題点] しかるにこれらの方法はいずれも加速されたイオンのボ
ンバード効果によって立方晶相(即ちCBN膜)を実現
するものである為、CBN膜の内部応力が大きく金属や
セラミックス等からなる基材との密着性が概して不十分
であり、剥離を起こし易い。特に厚膜を形成した場合は
クラックが入り易く、数1000Å以上のCBN膜の製造は
困難であった。
そこで基材との密着性を改善する目的で、まず遠因とな
っている内部応力を除去する為に成膜後の材料に熱処理
を施したり、或は成膜条件を600℃以上の高温として
CBN膜の基材界面に熱拡散相を形成し密着性の向上を
図るといった方法も考えられている。しかしこれらの方
法はいずれもCBN膜と共に基材をも高温に加熱するも
のである為基材としての使用材料に制限を受けるという
問題がある。
本発明はこうした事情に着目してなされたものであっ
て、400℃以下の低温で製造することができ、しかも
CBN膜と基材との密着性が良好な複合材料を提供する
ことを目的とするものである。
[問題点を解決するための手段] しかして本発明の複合材料は、基材の表面に窒化硼素被
膜層を形成してなる複合材料において、該窒化硼素被覆
層は、基材表面に接する下地層としてB/N(原子比)
が1.5〜9であるBに富んだ非晶質窒化硼素膜層を有
し、且つ最外層に立方晶窒化硼素膜層を有する点に要旨
を有するものである。
[作用] CBN膜は上記の様な欠点を有しているが、非晶質BN
(以下aBNという)膜は各種素材との密着性に優れた
物質である。しかしながらaBN(即ちB/Nが1以下
のaBN)は軟質であり、耐摩耗性は前記切削工具用コ
ーティング材としての要求特性を満足するものではな
い。
しかるに本発明者等はこのaBNについて研究し、B/
N比を1以上に大きくしたときは素材との密着性が低下
することなく高硬度化(Hv:3000kg/mm2以上)し、し
かもCBNに対して良好な密着性を示すことを知見し
た。本発明は、この様な高硬度化されたaBNをCBN
の下地材として使用するという方針の下に更に研究を重
ねた結果完成されたものである。
即ち本発明複合材料は、基材表面に接する下地層として
B/Nが1.5〜9のBに富んだaBN膜層を有し、且つ
最外層としてCBN膜層を有するものであり、該aBN
膜層はaBN膜層本来の特性より素材に対して優れた密
着性を示すと共に最外層を構成するCBN膜層とも十分
に密着し、且つその優れた高硬度性によってCBN膜層
を堅固に支持する機能を発揮する。即ちaBN膜下地層
がCBN膜形成時に生じる内部応力を緩和する機能を発
揮し密着性の良いCBN膜層を形成することができる。
又下地層が高硬度である為膜強度が低下することもな
い。該aBN膜層のB/Nが1.5未満の場合には、密着
性に関しては問題はないが硬度が低くなり、CBN膜層
を十分に支持することができない。即ち本発明に係る複
合材料はCBN膜層の優れた耐摩耗性を利用して過酷な
条件下に使用されることが多いが、そうした場合にCB
N膜層がいくら耐摩耗性等に優れた特性を示しても下地
層が軟弱であるとCBN膜層の機能の発揮が結果的に不
十分なものとなり、剥離や欠落が発生する。一方該aB
N膜層B/Nが9を超えると密着性殊に最外層であるC
BN膜層との密着性に問題が発生し、剥離等が生じる。
尚本発明の複合材料は、前記aBN膜からなる下地層と
CBN膜からなる最外層が濃度的に不連続な状態で直接
々触するものであってもよいが、該aBN膜下地層につ
いては基材と接する側をB/Nの高い組成として外面側
へいくほどB/Nが低下する様な、濃度勾配を有する下
地層とし、且つ該aBN膜下地層の最外層がCBN膜と
同等のB/Nを有する様に構成しておけば、aBN膜下
地層とCBN膜最外層の密着性が一層良くなって膜強度
をより高めることができる。
[実施例] 第1図は本発明方法を実施するためのイオンブレーティ
ング装置を示す断面説明図であって、1は真空容器、2
は金属蒸発源、3は基板、5は電極、7は熱電子放出源
を夫々示す。
真空容器1には、雰囲気ガス導入パイプ9及び真空ポン
プ(図示せず)に接続された排気口13を設けると共
に、その内部には基板3と金属蒸発源2を上下方向に対
向配置してなり、且つ基板3と金属蒸発源2の中間高さ
位置には熱電子放出源7と電極5を左右方向に対向させ
て設けている。基板3は図では平板状に示されている
が、例えば工具表面に絶縁性被膜を成形しようとする場
合には当該工具がこれに相当し、これに対してRF整合
回路10を介したRF電源11と自己バイアス制御回路
12が並列的に接続されると共に、基板3の裏面側近傍
には基板3を所定の温度まで加熱する為のヒーター4が
設置されている。熱電子放出源7は電極5との間に放電
状態を形成する為の熱電子供給源であり、交流電源8が
接続され、又電極5は熱電子放出源と対向する面をMo
板で形成すると共にその内部に水冷構造を施した板状体
であり、これに直流電源6が接続され、正電位が印加さ
れている。金属蒸発源2はるつぼ2a内に蒸発用金属で
あるBを収納すると共に電子ビーム銃15を併設し、電
子ビームの照射により金属蒸気を発生させる。尚電極5
等より下方で金属蒸発源2より上方にしシャッター14
が開閉自在に設置されて金属の蒸発を制御している。
かかる構成のイオンプレーティング装置を用いて基板3
上にまず下地材であるBリッチaBN膜を形成するに当
たっては、シャッター14を開放した真空容器1内を9
×10-6Torr以下に排気した後、ガス導入ノズル9から
2ガスを導入して5×10-3Torrの雰囲気を形成し、
電子ビームをるつぼ2a内のBに照射してBを蒸発させ
る。尚膜中のB/N比の調整は、予めN2分圧一定の条
件下で電子ビーム出力を変化させてBの蒸発量を変え、
これによって膜組成がどのように変化するかを求めてお
き、その結果に基づいて電子ビーム出力を制御して行な
われる。そして交流電源8を入れて熱電子放出源7より
熱電子を放出させると共に、直流電源6を入れて電極5
に40〜50Vの正電圧を印加することにより電極5に
流れる電流を(2A〜3A)に調整しつつアーク放電を
開始する。又ヒータ4をもちいて基板3を400℃に加
熱し、基板3に2W/cm2の高周波電力を投入し成膜し
た。所定の膜厚まで成膜した後、Bに投入する電子ビー
ム出力を徐々に低下させることによってBリッチ組成か
ら化学量論組成(B/N比〜1)となるまで連続的な濃
度勾配をもったaBN層を形成した。引きつづきN2
Ar混合ガスに切替え、電極5に流れるアーク電流値を
約9Aに調整することによって最表面層であるCBNの
成膜を行なった。なおCBNの成膜にはH2ガスを混合
することも有効であった。
第2図は、得られた膜のオージェ分光分析による膜深さ
方向の組成分析結果を示す。基材側第1層目のaBN膜
の平均組成は、B0.820.150.03であり最表面層のC
BNは、B0.560.410.03であった。各々の膜中のカ
ーボンは成膜中に混入した不純成分である。又この膜の
赤外吸収スペクトルは第3図のに示す。このスペクト
ルは別途各層毎に成膜したBリッチaBN膜(第3図
)とCBN膜(第3図)の合成したパターンを示す
ことが明らかである。
BリッチaBN膜を下地コーティングしない場合即ち第
2図の(I),(II)がない場合には成膜直後又は成膜後
24時間以内に徐々に剥離が観察されたが本発明方法に
よるCBN膜では膜応力が減少した結果良好な密着性を
示した(第1表)。
[発明の効果] 本発明は以上の様に構成されており、以下要約する効果
を得ることができる。
(1)本発明の複合材料は、基材とCBN膜最外層の間に
BリッチaBN膜下地層を介在させた構造を採ってお
り、CBN膜は下地層を介して基材に強固に密着し優れ
た耐剥離性を示す。
(2)特にCBN膜の形成を例えばイオンボンバード効果
の大きいイオンプレーティング法によって行なう場合
は、CBN膜を下地層上に形成することができるのでC
BN膜内に過大な応力が残留せず、耐剥離性の優れた複
合材料が得られる。
(3)上記の如く内部応力の低いCBN膜層を持った複合
材料であるので内部応力除去の為の熱処理や高温イオン
プレーティングが不必要であり、耐熱性の低い基材を採
用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明複合材料を製造する為のイオンプレーテ
ィング装置を示す模式図、第2図は得られた膜のオージ
ェ分光分析による成分組成を示すグラフ、第3図は得ら
れた膜の赤外分光分析結果を示すグラフである。 1…真空容器 2…金属蒸発源 3…基板 4…ヒータ 5…電極 6…直流電源 7…熱電子放出源 8…交流電源 9…ガス導入パイプ 10…RF制御回路 11…RF電源 12…自己バイアス制御回路 13…排気口 14…シャッタ 15…電子銃 16…膜厚計

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材の表面に窒化硼素被覆層を形成してな
    る複合材料において、該窒化硼素被覆層は、基材表面に
    接する下地層としてB/N(原子比)が1.5〜9である
    Bに富んだ非晶質窒化硼素層を有し、且つ最外層に立方
    晶窒化硼素を有することを特徴とする窒化硼素被覆層を
    有する複合材料。
JP475887A 1987-01-12 1987-01-12 窒化硼素被覆層を有する複合材料 Expired - Lifetime JPH062938B2 (ja)

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