JPH05213695A - ダイヤモンド薄膜の堆積方法 - Google Patents

ダイヤモンド薄膜の堆積方法

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JPH05213695A
JPH05213695A JP1741292A JP1741292A JPH05213695A JP H05213695 A JPH05213695 A JP H05213695A JP 1741292 A JP1741292 A JP 1741292A JP 1741292 A JP1741292 A JP 1741292A JP H05213695 A JPH05213695 A JP H05213695A
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substrate material
diamond
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carbon atoms
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Masahiro Deguchi
正洋 出口
Makoto Kitahata
真 北畠
Takashi Hirao
孝 平尾
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 結晶性の良好なダイヤモンド薄膜を容易に堆
積する方法を提供する。 【構成】 真空槽内の基板素材101に、少なくとも炭
素原子を含む粒子102を加速して照射し、基板素材1
01の表面に基板素材101と炭素原子の結合によって
形成された改質層103を形成する。次いでメタンガス
などのダイヤモンド形成用原料ガスの供給下でプラズマ
CVD法などにより基板素材上にダイヤモンド薄膜10
4を堆積する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子工業における半導体
や絶縁体及びコーティング膜形成などに用いられるダイ
ヤモンド薄膜の堆積方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、基板素材上に堆積されるダイヤモ
ンド薄膜は、電子工業における半導体や絶縁体及びコー
ティング膜などに用いられ、工業的にも注目されてい
る。
【0003】ダイヤモンド薄膜を堆積する場合、一般的
に結晶性の良い良質な薄膜を堆積するには、単に成長法
のみを検討するのではなく、堆積膜と基板素材との間の
格子不整合の影響などを考慮する必要から、膜を成長さ
せる基板素材及びその表面処理方法などをうまく選択し
なければならない。
【0004】現在、ダイヤモンド薄膜の堆積方法として
は、単結晶ダイヤモンドを基板素材として用いたホモ・
エピタキシャル成長法とダイヤモンド以外の材料例え
ば、シリコンなどを基板素材として用いたヘテロ・エピ
タキシャル成長法が行なわれている。
【0005】前者は格子不整合などの影響がないため、
結晶性の良い膜が得られている。これに対し、後者はダ
イヤモンド薄膜の広い分野での利用や他の電子デバイス
とのハイブリッド化などの点で有利であるため盛んに研
究されているが、一般的にダイヤモンド砥石で基板素材
表面を荒すなどの基板素材の前処理を必要としている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述した単結晶ダイヤ
モンド基板を用いたホモ・エピタキシャル成長法による
ダイヤモンド薄膜の堆積方法は、結晶性が良く、また欠
陥の少ないダイヤモンド薄膜を堆積することが可能であ
る。しかし単結晶ダイヤモンド基板は非常に高価である
という問題点や大面積のものを得ることが出来ないとい
う問題点がある。
【0007】また、ヘテロ・エピタキシャル技術によっ
てダイヤモンド薄膜を堆積する場合、核の発生密度の増
加や格子不整合の緩和を行なうために様々な試みが行な
われているが、ホモ・エピタキシィに比べ、膜全体の結
晶性が良くないという問題点がある。
【0008】以上のように良質のダイヤモンド薄膜を堆
積するための方法として行なわれてきたものは一長一短
であり、特にヘテロ・エピタキシィにおいて結晶性・配
向性の制御に大きな成果を上げた手法は今まで得られて
いない。
【0009】本発明は基板素材の表層を改質し、核の発
生密度の増加や格子不整合の緩和を図ることによって、
結晶性に優れ且つ容易な方法でより改善された結晶性の
ダイヤモンド薄膜の堆積方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のダイヤモンド薄膜の堆積方法は、基板素
材に、少なくとも炭素原子を含む粒子を加速して照射し
た後、前記基板素材上にダイヤモンドの形成を行なうこ
とからなる。
【0011】また、第2の発明のダイヤモンド薄膜の堆
積方法は、基板素材に、少なくとも炭素原子を含む粒子
を加速して照射しながら、同時に基板素材に光を照射し
た後、前記基板素材上にダイヤモンド形成を行なうこと
からなる。
【0012】また、第3の発明のダイヤモンド薄膜の堆
積方法は、一層あるいは多層の薄膜が積層された基板素
材に、少なくとも炭素原子を含む粒子を加速して照射
し、さらに前記薄膜を除去した後、前記基板素材上にダ
イヤモンドの形成を行なうことからなる。
【0013】前記第1から第3のダイヤモンド薄膜の堆
積方法の発明の構成においては、炭素原子を含む粒子
が、イオン状態の粒子であることが好ましい。また、前
記第1から第3のダイヤモンド薄膜の堆積方法の発明の
構成においては、基板素材が、単結晶シリコンであるこ
とが好ましい。
【0014】そして、前記第1から第3のダイヤモンド
薄膜の堆積方法の発明の構成においては、ダイヤモンド
の形成方法が、プラズマCVD法によるダイヤモンドの
形成方法であることが好ましい。
【0015】さらに、前記第3のダイヤモンド薄膜の堆
積方法の発明の構成においては、基板素材上に積層され
た一層あるいは多層の薄膜が、SiO2 からなる薄膜で
あることが好ましい。
【0016】
【作用】一般的に、堆積される膜と基板素材の格子定数
に差がある場合、格子欠陥の少ない良質な膜を堆積する
ことは非常に困難である。それ故に、従来ダイヤモンド
薄膜のヘテロエピタキシャル成長における堆積用基板素
材として広く用いられているもの、例えば単結晶シリコ
ンなどの上にダイヤモンド膜を堆積した場合、格子定数
の不整合性が大きいため良質な膜を得ることができな
い。その点において、本発明のように基板素材に、少な
くとも炭素原子を含む粒子を加速して照射することによ
って、基板素材表層及び内部に炭化物層が形成され、そ
の層がダイヤモンド薄膜と基板素材との格子不整合を緩
和する緩衝層として働くので、結晶性のよいダイヤモン
ド薄膜が堆積可能となる。
【0017】また、第2の発明の如く、基板素材に、少
なくとも炭素原子を含む粒子を加速して照射しながら、
同時に基板素材に光を照射することによって、粒子照射
の際に基板素材に生じた格子欠陥などの損傷を回復する
ことが可能となる。それ故に、その上に堆積されたダイ
ヤモンドはより良質なものが得られる。
【0018】第3の発明の如く、一層あるいは多層の薄
膜が積層された基板素材に、少なくとも炭素原子を含む
粒子を加速して照射することによって、粒子照射時に生
じる損傷の多くが基板素材上の薄膜中に存在するように
出来る。それ故に粒子照射後、薄膜領域を除去すること
によって、炭素原子が注入され、かつ損傷を多く受けて
ない基板素材を提供することが出来る。それ故に、その
上に堆積されたダイヤモンドはより良質なものが得られ
る。
【0019】第4のダイヤモンド薄膜の堆積方法におい
ては、炭素原子を含む粒子としてイオン状態の粒子を用
いているので、粒子のエネルギーなどの制御が容易に出
来る。それ故に、進入粒子の分布などを良好な条件に制
御しやすく、基板素材の改質をより良好な状態に制御す
ることができる。
【0020】また、第5のダイヤモンド薄膜の堆積方法
においては、基板素材として単結晶シリコンを用いてい
るので、堆積されたダイヤモンド薄膜の広い分野での利
用や他の電子デバイスとのハイブリッド化などの点で有
利となる。すなわち、半導体産業分野において用いられ
る素材の多くはシリコンであり、またシリコンウェハー
などは良質なものを安価に入手できる。従って、広い分
野での利用が可能となる。
【0021】第6のダイヤモンド薄膜の堆積方法におい
ては、ダイヤモンドの形成方法としてプラズマCVD法
を用いているので、粒子を照射された基板素材上に容易
に良質のダイヤモンド薄膜を堆積することが可能であ
る。
【0022】そして、第7のダイヤモンド薄膜の堆積方
法においては、基板素材上にあらかじめ積層された薄膜
がSiO2 からなる薄膜であるので、SiO2 からなる
薄膜は基板上に容易にかつ制御性良く形成しやすい利点
がある。
【0023】
【実施例】以下、本発明の理解を容易にするため、実施
例を用いてより詳細に本発明を説明する。
【0024】図1は基板素材に、少なくとも炭素原子を
含む粒子を加速して照射した後、前記基板素材上にダイ
ヤモンドの形成を行なうことからなるダイヤモンド薄膜
の堆積方法の工程を示す模式図である。その手順につい
て以下に説明する。
【0025】まず、基板素材101を真空排気した真空
槽内(図示せず)に設置する。この状態を示しているの
が図1中の(a)の状態である。この場合真空度は一般
に不純物原子の混入や加速粒子の散乱などを考慮すると
できるだけ高い方が望ましく、例えば、通常、粒子照射
時の圧力で10-4Torr以下程度である。
【0026】また、基板素材としては、例えば、単結晶
シリコン、SiC、a−Si(アモルファスシリコン)
等のほか、TaやFe等の金属やSiN等の窒化物など
が挙げられる。
【0027】この基板素材101に炭素原子を含む粒子
102を加速して、照射する。この状態を示しているの
が図1の(b)である。その際、基板素材101を例え
ば400〜1000℃程度に加熱しておくと、粒子照射
の効果が向上する場合もある。照射する炭素原子を含む
粒子102は、一般的には炭素原子を構成原子として有
するガス、例えばメタンなどの炭化水素ガスや一酸化炭
素ガスなどを放電分解することによって得ている。この
粒子中に水素イオン等、希ガス(例えば、He、Ar
等)あるいは基板素材の構成原子の粒子等(例えばシリ
コン基板の場合であればSi+ イオン等)が含まれてい
てもよい。
【0028】また、これらの粒子の加速エネルギーは特
に特定するものではないが、0.5〜50KeV 程度の範
囲である。中でも、1〜10KeV がよく用いられる。粒
子102の照射量は加速エネルギーにも依存はするが、
ドーズ量として1×1015〜1×1018個/cm2 程度
である。粒子の照射を行うには、特に限定するものでは
ないが、代表的な例として、マイクロ波イオン源、カウ
フマン型イオン源、高周波型イオン源等が挙げられる。
【0029】この様にして粒子102が照射された基板
素材101の表層には、改質層103が形成される。こ
の状態を示したものが図1中の(c)である。この層の
状態は主に、基板素材101と炭素原子の結合によって
構成されると考えられる。続いて、プラズマCVD法
(化学気相成長法)などの方法により、ダイヤモンド薄
膜104が堆積される(この状態を示したものが図1中
の(d)である。)が、改質層103の状態によっては
ダイヤモンド形成前に、改質された基板素材のアニール
処理を行なうこともある。基板素材のアニール処理は、
例えば真空中あるいはアルゴンガス雰囲気中において赤
外線ランプ等を用い600〜1200℃で5〜30分な
どの条件下で行うことができる。
【0030】以上のような工程によって堆積されたダイ
ヤモンド薄膜104は、従来の方法で得られたダイヤモ
ンドよりも良質なものが得られる。尚、プラズマCVD
法(化学気相成長法)による、ダイヤモンド薄膜の堆積
は、特に限定するものではなく、公知の適宜の条件で行
うことができ、例えば、一般的な方法としては、原料ガ
スにマイクロ波や直流電圧を印加することによってガス
をプラズマ化し、基板上にダイヤモンド薄膜を堆積する
などの方法である。また、プラズマ化される原料ガスと
しては例えば炭化水素ガス(メタン等)や一酸化炭素ガ
ス、アルコール(例えばメチルアルコール等)を水素ガ
スで0.5〜10%程度に希釈されたものなどが例示さ
れる。具体的な堆積条件としては温度400〜950
℃、圧力10-2〜100Torr等、プラズマ化の方法
やプラズマの状態によって異なってくる。
【0031】図2は、基板素材に、少なくとも炭素原子
を含む粒子を加速して照射しながら、同時に光を照射し
た後に、ダイヤモンドの形成を行なうことからなるダイ
ヤモンド薄膜の堆積方法の工程を示す模式図である。
【0032】その手順や条件などは図1で説明したもの
と基本的には同様であるが、炭素原子を含む粒子102
を照射する過程で同時に光201を照射する。この状態
を示しているのが図2中の(b)である。その他同一な
ものに関しては同一の符号を付したので、説明を省略す
る。
【0033】この場合に用いる光としては、例えば、C
2 レーザ、Arレーザあるいはエキシマレーザーなど
のレーザ光に加えて、水銀ランプ光やナトリウムランプ
光などが例示される。これらの光は、各光源の基板素材
101に対する作用域が異なるため、粒子の注入エネル
ギーなどの諸条件を考慮して適宜選定すればよい。
【0034】また、基板素材の大きさが光の径よりも大
きい場合は、基板素材を移動させるあるいは光をスキャ
ンするなどの方法をとることも可能である。この光の効
果によって、粒子照射の際に生じる格子欠陥などの損傷
は直ちに回復することが可能となる。
【0035】図3は、基板素材上に、一層あるいは多層
の薄膜をあらかじめ積層した基板素材を用いて、少なく
とも炭素原子を含む粒子を加速して照射し、さらに前記
一層あるいは多層の薄膜を除去した後に、基板素材上に
ダイヤモンドの形成を行なうことからなるダイヤモンド
薄膜の堆積方法の工程を示す模式図である。
【0036】その手順や条件は図1で説明したものと基
本的には同様であるが、基板素材の上にさらに一層ある
いは多層の薄膜301が形成された基板素材101上に
炭素を含む粒子を照射する。この薄膜301は、特に限
定されるものではなく、形成の容易さや制御性などの点
でSiO2 膜やSiN膜、SiC膜などを用いることが
有利であり、特に、基板素材の酸化物、例えば基板素材
がシリコンの場合、酸化シリコン膜を用いることが容易
であるので多く用いられる。本発明の場合、照射する粒
子のエネルギーは基板素材上の薄膜301を通して基板
素材101にまで粒子が到達できる程度に調節される。
そのため、粒子照射によって形成される改質層は図3に
示したように、薄膜301及び基板素材101表層部に
わたるように形成される。図3中には、改質された薄膜
として302、基板素材の改質部分として103の符号
を付した。この状態を示しているのが図3の(c)であ
る。これらの改質層内に存在する損傷について着目して
みると、粒子照射によって生じる損傷の度合は、加速さ
れた粒子が基板素材に進入する平均の深さ、すなわち平
均飛程よりも表面側の領域で大きい。その故に、薄膜3
01の膜厚を粒子の平均飛程程度にすると、損傷の多く
は薄膜301中に存在するようになるので、この薄膜3
01層をエッチングなどの方法で除去することによっ
て、効果的に損傷の影響をなくし、かつ効率良く基板素
材の表層を改質することができる。この状態を示したも
のが図3の(d)である。 次いで図3の(e)に示す
ようにダイヤモンド薄膜104が形成される。
【0037】実施例1 基板素材101として、単結晶シリコンを使用し前記第
1の発明として説明した方法によって、ダイヤモンド薄
膜を堆積した結果について述べる。
【0038】図4は炭素原子を含む粒子を加速して、照
射するための装置の一例の概略図である。その構成を以
下に説明する。まず、炭素原子を含む粒子を得るための
原料ガスとして、メタンガス401を用いている。メタ
ンガスはガス導入管402をへて、ガスを放電分解する
放電室403に導かれ、高周波電源404より発生され
た周波数13.56MHzの高周波によってプラズマ化される。
その外側には、プラズマ405を安定に発生させるため
の電磁石406が設置されている。このプラズマ中には
炭素原子を含むイオンが多数存在しており、これらのイ
オンはプラズマを挟むように配置された2つの電極40
7、408に接続された直流電圧源409によって、基
板素材101に向かって加速され、照射される。
【0039】本装置を用いた粒子照射の主な実験パラメ
ータは、加速電圧:5.0KV、放電電力:20W、槽
内圧力:6.3×10-4Torr、印加磁場:30 gau
ssで行なった。また、炭素のドーズ量は1×1016
/cm2 とした。
【0040】この結果、シリコン基板表層400オング
ストローム程度の領域に炭素原子が導入され、Si−C
結合が形成されていることが確認された。このような処
理を施されたシリコン基板を用いて、図5に示されるよ
うなマイクロ波プラズマCVD装置によってダイヤモン
ド薄膜の形成を行なった結果、従来よりも結晶性の良い
良質なダイヤモンド薄膜が得られることが確認された。
ここで図5中、501は前記処理を施された基板素材、
502は真空槽、503は真空ポンプ、504はマイク
ロ波発振器、505は導波管、506は基板台、507
はダイヤモンド形成用の原料ガス導入口である。
【0041】なお、ダイヤモンド薄膜の堆積条件は原料
ガスとして水素で10%に希釈された一酸化炭素ガスを用
い、反応圧力:30Torr、パワー:300W、基板
温度:800℃で行なった。
【0042】また、他のダイヤモンド堆積方法、例えば
熱フィラメント法によって得られたダイヤモンド薄膜に
ついても、同様の効果が得られることを本発明者らは確
認した。
【0043】実施例2 実施例1と同様の条件であるが、粒子照射の際に光を照
射する方法によって、ダイヤモンド薄膜を堆積した結果
について述べる。
【0044】装置及び実験パラメータは実施例1と同一
である。粒子照射の際に同時に光を照射した光源として
は、エキシマレーザを用いた。レーザのパワーとしては
400mJ/cm2 を用いた。その結果、実施例1と同
様に得られるダイヤモンド薄膜の結晶性向上により効果
があることが確認された。
【0045】実施例3 続いて、基板素材101として、単結晶シリコンを使用
し前述した第3の発明として説明した方法によって、ダ
イヤモンド薄膜を堆積した結果について述べる。
【0046】基板上の薄膜としてはSiO2 膜を用い
た。また、粒子照射の装置としては、一般にシリコンな
どのドーピングの際に用いられるイオン注入装置を用い
た。この装置のイオン源より得られたC+ イオンに40
KeVのエネルギーを与えて、SiO2 膜が形成されて
いるシリコン基板に5×1017個/cm2 だけ照射し
た。また、この場合のC+ イオンの平均飛程としては約
1000オングストロームなので、SiO2 膜の膜厚は
1000オングストロームとした。
【0047】イオン照射後、フッ硝酸溶液によって、上
部のSiO2 膜をエッチングし、シリコン基板のみを残
した。この結果、シリコン基板表層領域に炭素原子が導
入され、Si−C結合が形成されていることが確認され
た。このような処理を施されたシリコン基板を用いて、
先の実施例と同様にダイヤモンド薄膜を堆積した結果、
その結晶性の向上が確認された。
【0048】実施例4 前述した各種の実施例に示したような手法を他の基板や
薄膜、例えばSiC基板やa−Si薄膜を用いて行なっ
た結果、同様の効果が得られたことを確認した。
【0049】
【発明の効果】基板素材に、少なくとも炭素原子を含む
粒子を加速して照射する本発明方法によれば、結晶性の
よいダイヤモンド薄膜を容易に堆積することができる。
【0050】従って、ダイヤモンド薄膜のヘテロエピタ
キシャル成長を可能にすると共に、結晶性の良いダイヤ
モンド薄膜を用いた様々なデバイスの応用が可能とな
る。また、第2の発明に示された素材に、少なくとも炭
素原子を含む粒子を加速して照射しながら、同時に基板
素材に光を照射する方法によれば、粒子照射の際に基板
素材に生じた損傷を回復することが可能となり、それ故
に、その上に堆積されたダイヤモンドはより良質なもの
が得られる。
【0051】また、第3の発明の如く、一層あるいは多
層の薄膜が積層されてなる基板素材上に、少なくとも炭
素原子を含む粒子を加速して照射することによって、粒
子照射時に生じる損傷の多くが基板素材上の薄膜中に存
在するように出来る。それ故に粒子照射後、薄膜領域を
除去することによって、炭素原子が注入され、かつ損傷
を多く受けてない基板素材を提供することが出来る。従
ってその上に堆積されたダイヤモンドはより良質なもの
が得られる。
【0052】第4のダイヤモンド薄膜の堆積方法の発明
においては、炭素原子を含む粒子としてイオン状態の粒
子を用いているので、粒子のエネルギーなどの制御が容
易に出来る。
【0053】また、第5のダイヤモンド薄膜の堆積方法
の発明においては、基板素材として単結晶シリコンを用
いているので、堆積されたダイヤモンド薄膜の広い分野
での利用や他の電子デバイスとのハイブリッド化などの
点で有利となる。
【0054】第6のダイヤモンド薄膜の堆積方法の発明
においては、ダイヤモンドの形成方法としてプラズマC
VD法を用いているので、粒子を照射された基板素材上
に容易に良質のダイヤモンド薄膜を堆積することが可能
である。
【0055】そして、第7のダイヤモンド薄膜の堆積方
法の発明においては、基板素材上の薄膜がSiO2 膜で
あるので、この薄膜を容易にかつ制御性良く形成するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のダイヤモンド薄膜の堆積方
法の工程を示す模式図。
【図2】本発明の別の一実施例のダイヤモンド薄膜の堆
積方法の工程を示す模式図。
【図3】本発明の更に別の一実施例のダイヤモンド薄膜
の堆積方法の工程を示す模式図。
【図4】本発明の一実施例で用いた炭素原子を含む粒子
を加速して、照射するための装置の概略図。
【図5】本発明の一実施例で用いたダイヤモンド薄膜堆
積装置の概略図。
【符号の説明】
101 基板素材 102 炭素原子を含む粒子 103 改質層 104 ダイヤモンド薄膜 201 光 301 薄膜 302 改質された薄膜 401 メタンボンベ 402 ガス導入口 403 放電室 404 高周波電源 405 プラズマ 406 電磁石 407 第1の電極 408 第2の電極 409 直流電源 501 基板素材 502 真空槽 503 真空ポンプ 504 マイクロ波発振器 505 導波管 506 基板台 507 原料ガス導入口

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板素材に、少なくとも炭素原子を含む
    粒子を加速して照射した後、前記基板素材上にダイヤモ
    ンドの形成を行なうことからなるダイヤモンド薄膜の堆
    積方法。
  2. 【請求項2】 基板素材に、少なくとも炭素原子を含む
    粒子を加速して照射しながら、同時に基板素材に光を照
    射した後、前記基板素材上にダイヤモンド形成を行なう
    ことからなるダイヤモンド薄膜の堆積方法。
  3. 【請求項3】 一層あるいは多層の薄膜が積層された基
    板素材に、少なくとも炭素原子を含む粒子を加速して照
    射し、さらに前記薄膜を除去した後、前記基板素材上に
    ダイヤモンドの形成を行なうことからなるダイヤモンド
    薄膜の堆積方法。
  4. 【請求項4】 炭素原子を含む粒子が、イオン状態の粒
    子である請求項1〜3のいずれかに記載のダイヤモンド
    薄膜の堆積方法。
  5. 【請求項5】 基板素材が、単結晶シリコンである請求
    項1〜3のいずれかに記載のダイヤモンド薄膜の堆積方
    法。
  6. 【請求項6】 ダイヤモンドの形成方法が、プラズマC
    VD法によるダイヤモンドの形成方法である請求項1〜
    3のいずれかに記載のダイヤモンド薄膜の堆積方法。
  7. 【請求項7】 基板素材上に積層された一層あるいは多
    層の薄膜が、SiO 2 からなる薄膜である請求項3に記
    載のダイヤモンド薄膜の堆積方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH08109475A (ja) * 1994-10-12 1996-04-30 Matsufumi Takatani ダイヤモンド被覆の形成方法
JP2006096640A (ja) * 2004-09-30 2006-04-13 Kobe Steel Ltd 単結晶ダイヤモンド合成用基板及び単結晶ダイヤモンド膜の製造方法
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JP2017226573A (ja) * 2016-06-22 2017-12-28 株式会社Sumco 積層基板の製造方法および積層基板
JP2019186306A (ja) * 2018-04-04 2019-10-24 東京エレクトロン株式会社 ボロン系膜の成膜方法および成膜装置

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