JP2001189275A - 半導体膜形成方法及び薄膜半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体膜形成方法及び薄膜半導体装置の製造方法

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JP2001189275A
JP2001189275A JP37134399A JP37134399A JP2001189275A JP 2001189275 A JP2001189275 A JP 2001189275A JP 37134399 A JP37134399 A JP 37134399A JP 37134399 A JP37134399 A JP 37134399A JP 2001189275 A JP2001189275 A JP 2001189275A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、基板上に高品質な半導体膜
を形成するための半導体膜形成方法を提供することにあ
る。 【解決手段】 本発明は、バイアス触媒CVD,高密度
バイアス触媒CVD,バイアス減圧CVD,バイアス常
圧CVDを利用して、基板に半導体膜を形成する半導体
膜形成方法である。真空容器1に原料ガスを供給し、真
空容器1中に配置された基板10と電極3aとの間にグ
ロー放電開始電圧以下の電界を印加して、基板10上
に、半導体膜と、絶縁膜と、を形成することを含む工程
と、この半導体膜および絶縁膜にレーザーを照射してア
ニールする工程と、このアニールする工程の後工程であ
って、水蒸気でアニールを行う工程と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体膜形成方法及
び薄膜半導体装置の製造方法に係り、特に高品質の薄膜
半導体装置を製造することが可能であるとともに、大型
の表示装置や固体撮像装置に適用可能な薄膜半導体装置
を製造することが可能な半導体膜形成方法および薄膜半
導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の液晶表示装置等に使用されてきた
絶縁ゲート型ポリシリコンTFTは、低耐熱性基板上
に、プラズマCVD法等でアモルファスシリコン膜を形
成し、エキシマレーザーアニール処理でポリシリコン膜
を形成したものが一般的である。そして、ポリシリコン
膜形成後に、プラズマCVD法等でゲート絶縁膜(酸化
シリコン膜等)を形成しているが、この中の欠陥(プラ
ズマダメージ)や不純物に起因する正電荷が、ゲート絶
縁膜と半導体との界面近傍に存在すると、フラットバン
ド電圧のシフト(移動)を来たす。これがn−ch M
ISトランジスタのディプリーション化、p−ch M
ISトランジスタのオン電圧の増大化を引き起こして、
しきい値電圧の増大化現象につながり、これらのトラン
ジスタを用いた回路は、集積回路化に問題があるという
不都合がある。
【0003】上記正電荷は、ゲート絶縁膜中,例えば酸
化シリコン膜中のシリコンのダングリングボンド(未結
合手)によって生じるものと考えられている。この正電
荷が生じるのを防ぐ為に、ゲート絶縁膜の成膜後に、大
気等の酸素雰囲気中、又は水素ガスを含む還元性ガス中
で熱処理を行い、欠陥の補償を行うポストアニール法が
開発されている。しかし、このポストアニール法は、一
般に400℃以上の高温加熱が必要であるという問題点
がある。また、ポストアニール法によると、絶縁膜質に
よっては、かえってフラットバンド電圧のシフトを増大
させる場合があるという不都合がある。
【0004】そこで、プラズマCVD法等でアモルファ
スシリコン膜を形成した後、エキシマレーザーアニール
処理を行ってポリシリコン膜を形成し、その後水蒸気中
でポリシリコン膜のアニール処理を行う方法が開発され
ている。この方法を用いた場合の効果として、絶縁膜及
び半導体の改質が図られると共に、TFTを形成した場
合の移動度が向上し、オーミックコンタクトが改善さ
れ、ホットエレクトロン劣化が抑制され、集積回路の高
速動作化が実現される等の効果が報告されている。
【0005】この方法では、アルミ電極形成後に水蒸気
アニール処理を行っている。この理由の一つは、アルミ
電極形成前に水蒸気アニール処理を行うと、オーミック
コンタクトが取れにくいためである。しかし、アルミ電
極形成後に水蒸気アニール処理を行うと、アルミ電極表
面に酸化アルミニウム及び水酸化アルミニウム膜が形成
されて、外部への電極取りだしが困難となる。つまり、
金線ボンディングや無電解Ni/Auメッキと半田バン
プとのオーミックコンタクトが不十分になりやすく、形
成されたTFTの品質及び信頼性に問題が生じる。
【0006】一方、ポリシリコン膜の移動度の改善とい
う観点からは、プラズマCVD,減圧CVD法等により
形成したアモルファス/ポリシリコン膜を、単に高温あ
るいはエキシマレーザーアニール(ELA)処理するこ
と(以下「ELAによるポリシリコンTFT製法」とす
る)により、ポリシリコン膜の移動度の改善が図られて
きた。その結果、この方法で作成したポリシリコンTF
Tの電子移動度は、80〜120cm/Vsec前後
となり、高精細化にも対応できるので、最近は駆動回路
一体型ポリシリコンTFTLCDが注目されている。
【0007】しかし、このELAによるポリシリコンT
FT製法では、80〜120cm/Vsec程度の電
子移動度を得るのが限界であった。また、エキシマレー
ザー出力が不安定であることや、生産性の低さ、装置が
大型化することにより装置が高価になること、歩留が低
く、品質の向上が望まれること等の問題がある。特に、
1m四方の大型ガラス基板になると、これらの問題が拡
大し、ますます半導体の性能,品質の低下およびコスト
の上昇が顕著となる。
【0008】一方、上記各方法では、プラズマCVD法
を用いていることから、プラズマ電界の不均一性、ゆら
ぎ、プラズマ誘起電荷等による基板上の電界不均一性が
生じ、これらの影響が基板に及び、トランジスタへのダ
メージ、ショート等(ゲート酸化膜などのチャージアッ
プ又は放電破壊、配線間の放電など)が発生することが
あるという問題点がある。この現象は、特に、プラズマ
のオン/オフ時に発生し易い傾向にある。また、プラズ
マからの発光による紫外線損傷の可能性がある点、大面
積でのプラズマ放電が難しく、定在波の発生もあり、均
一性が得にくい点、装置が複雑でかつ高価であり、メン
テナンスが繁雑である点なども問題となっている。
【0009】そこで、近年、熱CVDの一種の触媒CV
D法という優れた方法が開発され、実用化の検討が推進
されている。この触媒CVD法は、ガラス基板の様な絶
縁性基板上に、ポリシリコン膜、窒化シリコン膜を低温
で作製し得る方法である。触媒CVD法では、アニール
なしで、20〜50cm/Vsec程度のホール素子
の電子移動度を得ている。
【0010】しかし、上記触媒CVD法によると、次の
ような問題点がある。すなわち、上記触媒CVDで得て
いる20〜50cm/Vsec程度のホール素子の電
子移動度では、良質なTFTデバイスを得ることができ
ない。良質なTFTデバイスを作製するには、移動度の
向上が必要である。また、ガラス基板上にポリシリコン
膜の形成をすると、この成膜条件次第では初期のアモル
ファスシリコンの遷移層(5〜10nm)が形成されや
すいので、ボトムゲート型TFTとした場合は所望の移
動度を得にくいという問題がある。なお、一般に駆動回
路一体型ポリシリコンTFTLCDとしては、ボトムゲ
ート型TFTが歩留及び生産性の面で製造しやすいた
め、この所望の電子/正孔移動度を得にくいという問題
が、さらにネックとなる。また、この触媒CVD法は、
形成された膜の特性、品質及び信頼性等に課題が多いの
が現状である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
各方法における課題を解決するためになされたもので、
基板上に高品質な半導体膜を形成するための半導体膜形
成方法を提供することにある。本発明の他の目的は、高
品質で且つ大型の表示装置,固体撮像装置等にも適用可
能な薄膜半導体装置の製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、高品質な半導体膜の形成及
び薄膜半導体装置の製造を可能とするとともに、充分な
電子/正孔移動度を得ることが可能な半導体膜形成方法
及び薄膜半導体装置の製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、熱触媒体の劣化を防ぐこと
が可能な半導体膜形成方法及び薄膜半導体装置の製造方
法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題は、請求項1に
係る発明によれば、バイアス触媒CVDまたは高密度バ
イアス触媒CVDを利用して、基板に半導体膜を形成す
る半導体膜形成方法であって、真空容器に少なくとも原
料ガスを供給し、前記真空容器中に配置された前記基板
と電極との間にグロー放電開始電圧以下の電界を印加し
て、前記基板上に半導体膜を形成することを含む半導体
膜形成工程と、前記形成された半導体膜にレーザーを照
射し、前記形成された半導体膜をレーザーでアニールす
るレーザーアニール工程と、を備えることにより解決さ
れる。
【0013】上記のように、基板と電極との間にグロー
放電開始電圧以下の電界を印加しているので、反応種に
対し、触媒体の触媒作用とその熱エネルギーに加えて上
記電圧による加速電界を与えることとなり、指向性の運
動エネルギーが大きくなって反応種を基板上に効率良く
導くことができると共に、基板上での泳動及び生成過程
の膜中での拡散が十分となる。従って、従来の触媒CV
D法に比べて、触媒体で生成された反応種の運動エネル
ギーおよび指向性を電界で独立してコントロールできる
ため、生成膜の基板との密着性向上、生成膜密度の向
上、生成膜均一性又は平滑性の向上、ビアホールなどへ
の埋め込み性とステップカバレージの向上、生成膜のス
トレスコントロール等が可能となり、成膜速度向上、原
料ガスの利用効率向上等による生産性向上、高品質膜が
実現する。また、基板温度を低温化できることから、低
歪点ガラスおよび耐熱性樹脂基板の採用が可能となり、
コストダウンを図ることができる。
【0014】また、半導体膜をレーザーでアニール処理
するように構成しているので、半導体膜のみが瞬時に熱
せられ、基板への熱の影響が及びにくくなり、基板の変
形を起こすことなく、アモルファスシリコンまたは微結
晶シリコン半導体膜を結晶化でき、又含有しているキャ
リア不純物の活性化もでき、例えば移動度の大きい半導
体膜に変えることができる。しかも、この結晶化、活性
化は基板全体を高温にすることなく、低温で行うことが
できる。
【0015】このとき、前記半導体膜形成工程の前か
ら、前記真空容器に水素を含むキャリアガスを常時供給
し、該供給されたキャリアガスで発生した活性化水素イ
オンH で前記基板上をクリーニングするクリーニング
工程を備え、前記クリーニング工程と、前記半導体膜形
成工程とを行うと好適である。
【0016】このように、半導体膜層を基板上へ形成す
るときに、水素を含むキャリアガスを常時供給している
ので、キャリアガスで発生した活性化水素イオンH
が、基板表面をクリーニングし、基板上に高品質の半
導体膜を形成することができる。活性化水素イオンH
によるクリーニングは、電界印加によってさらに効果的
になる。また、キャリアガスとしての水素ガスを供給
し、また熱触媒体を加熱して触媒作用が可能な状態にし
ておき、複数の膜を連続成膜して、特定の膜、例えばシ
リコン膜とゲート絶縁膜を連続成膜した場合などは、少
なくともゲートチャンネル部を低ストレス,低コンタミ
とすることができる。さらに、水素を含むキャリアガス
が基板の成膜中に常時導入されているので、熱触媒体を
他のガスの影響から保護することになり熱触媒体の劣化
を防ぐことが可能となる。
【0017】また、半導体膜中の酸素,炭素,窒素のそ
れぞれの含有量は、少ないほどキャリア(電子/正孔)
の流れが良好になり、好ましい。例えば、ポリシリコン
膜等の半導体膜中の酸素,炭素,窒素のそれぞれの含有
量は、1×1019atoms/cm以下、好ましく
は5×1018atoms/cm以下であり、かつ水
素含有量は、0.01原子%/cm以上であると好適
であるが、本発明では、電界印加により、効率よく成膜
中に活性化水素イオンHにさらされて、半導体膜の酸
化やコンタミが低減されるため、上記数値を達成するこ
とが可能となる。
【0018】また、前記半導体膜形成工程の前から、前
記真空容器に水素を含むキャリアガスを供給し、該供給
されたキャリアガスで発生した活性化水素イオンH
前記基板上をクリーニングするクリーニング工程と、前
記キャリアガスの供給を、前記半導体膜形成工程の前,
途中,後の少なくとも一つで増減する工程と、前記半導
体膜形成工程と、を行うと好適である。
【0019】これにより、各種の成膜を行うとき、成膜
開始後所定時間経過した後に、キャリアガスの導入を低
減させることができるので、真空容器において原料ガス
の割合が高くなり、基板への半導体膜形成が高速で行わ
れ作業性を向上させることが可能となる。また、基板へ
半導体膜を形成するときに、水素を含むキャリアガスを
供給しているので、熱触媒体で発生した活性化水素イオ
ンHが基板表面をクリーニングし、基板上に高品質の
半導体膜を形成することができる。さらに、キャリアガ
スとしての水素ガスを供給し、また熱触媒体を加熱して
触媒作用が可能な状態にしておき、複数の膜を連続成膜
して、特定の膜、例えばシリコン膜とゲート絶縁膜を連
続成膜した場合などは、少なくともゲートチャンネル部
を低ストレス,低コンタミとすることができる。
【0020】また、各種の成膜を行うとき、半導体膜形
成工程の前,後でキャリアガスの導入を増加させること
ができるので、成膜前後に、熱触媒体により、活性化水
素イオンHを大量に発生させ、クリーニングによるコ
ンタミ低減、膜ストレス低減等を促進させることができ
る。このとき、電解を印加しているため、これらの効果
を効率よく得ることが可能となる。また、ポリシリコン
膜等の半導体膜の絶縁膜との界面における酸素,炭素,
窒素それぞれの含有量は、少ないほどキャリア(電子/
正孔)の流れが良好になり、好ましい。例えば、少なく
ともキャリアチャンネル領域のポリシリコン膜等の半導
体膜中の酸素,炭素,窒素それぞれの含有量は、1×1
19atoms/cm以下、好ましくは5×10
18atoms/cm以下で、水素の含有量は、0.
01原子%/cm以上であると好適であるが、本発明
では、半導体膜形成工程の前から、水素ガスを導入する
と共に、電界印加により活性化水素イオンHを効率よ
く作用させているため、この数値を達成することが可能
となる。
【0021】さらに、前記真空容器内の成膜室で前記半
導体膜形成工程を行い、前記真空容器内のレーザーアニ
ール室で前記レーザーアニール工程を行い、前記半導体
膜形成工程と前記レーザーアニール工程とを前記真空容
器内で連続して行ってもよい。このように構成すること
により、真空装置内から取り出すことなく半導体膜形成
工程およびレーザーアニール工程を連続して行うことが
でき、より簡易な工程で薄膜半導体装置等を製造するこ
とが可能となる。
【0022】また、前記成膜室で、前記レーザーでアニ
ールされた半導体膜上に絶縁膜を成膜し、前記半導体膜
形成工程と前記レーザーアニール工程と前記絶縁膜の成
膜とを前記真空容器内で連続して行うように構成しても
好適である。このように構成することにより、真空装置
内から取り出すことなく半導体膜形成工程およびレーザ
ーアニール工程および絶縁膜の成膜を連続して行うこと
ができ、より簡易な工程で薄膜半導体装置等を製造する
ことが可能となる。
【0023】また、上記課題は、請求項6に係る発明に
よれば、バイアス触媒CVDまたは高密度バイアス触媒
CVDを利用して、基板に半導体膜を形成する半導体膜
形成方法であって、前記真空容器に少なくとも原料ガス
を供給し、前記真空容器中に配置された前記基板と電極
との間にグロー放電開始電圧以下の電界を印加して、前
記基板上に、半導体膜と、絶縁膜と、を形成することを
含む半導体膜および絶縁膜形成工程と、前記形成された
半導体膜および絶縁膜にレーザーを照射し、前記形成さ
れた半導体膜および絶縁膜をレーザーでアニールするレ
ーザーアニール工程と、を備えたことにより解決され
る。
【0024】上記のように、基板と電極との間にグロー
放電開始電圧以下の電界を印加しているので、反応種に
対し、触媒体の触媒作用とその熱エネルギーに加えて上
記電圧による加速電界を与えるため、指向性の運動エネ
ルギーが大きくなって反応種を基板上に効率良く導くこ
とができると共に、基板上での泳動及び生成過程の膜中
での拡散が十分となる。従って、従来の触媒CVD法に
比べて、触媒体で生成された反応種の運動エネルギーお
よび指向性を電界で独立してコントロールできるため、
生成膜の基板との密着性向上、生成膜密度の向上、生成
膜均一性又は平滑性の向上、ビアホールなどへの埋め込
み性とステップカバレージの向上、生成膜のストレスコ
ントロール等が可能となり、成膜速度向上、原料ガスの
利用効率向上等による生産性向上、高品質膜が実現す
る。また、基板温度を低温化できることから、低歪点ガ
ラスおよび耐熱性樹脂基板の採用が可能となり、コスト
ダウンを図ることができる。
【0025】また、半導体膜をレーザーでアニール処理
するように構成しているので、半導体膜のみが瞬時に熱
せられ、基板への熱の影響が及びにくくなり、基板の変
形を起こすことなく、アモルファスシリコンまたは微結
晶シリコン半導体膜を結晶化でき、又含有しているキャ
リア不純物の活性化もでき、例えば移動度の大きい半導
体膜に変えることができる。しかも、この結晶化、活性
化は基板全体を高温にすることなく、低温で行うことが
できる。
【0026】このとき、前記真空容器とは異なるレーザ
ーアニール装置内で前記レーザーアニール工程を行うと
好適である。また、前記真空容器内の成膜室で半導体膜
および絶縁膜形成工程を行い、前記真空容器内のレーザ
ーアニール室で前記レーザーアニール工程を行い、前記
半導体膜および絶縁膜形成工程と前記レーザーアニール
工程とを前記真空容器内で連続して行うように構成して
もよい。
【0027】また、前記真空容器内の半導体膜成膜室で
半導体膜を形成し、前記真空容器内の絶縁膜成膜室で絶
縁膜を形成し、前記真空容器内のレーザーアニール室で
前記レーザーアニール工程を行い、前記半導体膜の形成
と前記絶縁膜の形成と前記レーザーアニール工程とを前
記真空容器内で連続して行うように構成すると好適であ
る。
【0028】前記半導体膜形成工程または前記半導体膜
および絶縁膜形成工程では、前記半導体膜として、該半
導体膜内の少なくともキャリアチャンネル領域における
酸素,炭素,窒素のそれぞれの濃度が1×1019at
oms/cm以下、水素濃度が0.01原子%/cm
以上である半導体膜を形成し、前記レーザーアニール
工程では、前記半導体膜をレーザーアニールして、該半
導体膜の少なくともキャリアチャンネル領域における酸
素,炭素,窒素のそれぞれの濃度が1×10 ato
ms/cm以下、水素濃度が0.01原子%/cm
以上の半導体膜とすると好適である。
【0029】前記バイアス触媒CVDまたは高密度バイ
アス触媒CVDを、バイアス減圧CVDまたはバイアス
常圧CVDとした場合における前記半導体膜形成工程ま
たは前記半導体膜および絶縁膜形成工程での前記半導体
膜として、該半導体膜内の少なくともキャリアチャンネ
ル領域における酸素,炭素,窒素のそれぞれの濃度が1
×1019atoms/cm以下、水素濃度が0.0
1原子%/cm以上である半導体膜を形成し、前記レ
ーザーアニール工程で、前記半導体膜をレーザーアニー
ルして、該半導体膜内の少なくともキャリアチャンネル
領域における酸素,炭素,窒素のそれぞれの濃度が1×
1019atoms/cm以下、水素濃度が0.01
原子%/cm以上の半導体膜とすると好適である。
【0030】このように、半導体膜内の少なくともキャ
リアチャンネル領域における酸素,炭素,窒素のそれぞ
れの濃度が1×1019atoms/cm以下として
いるので、キャリア(電子,正孔)の流れが良好にな
り、ゲート電圧/ドレイン電流特性にヒステリシスがな
く、高い周波数において良好なスイッチング特性を得る
ことができる。また、半導体膜内の少なくともキャリア
チャンネル領域における水素濃度を0.01原子%/c
以上としているので、キャリアチャンネル領域の導
電度を高めることができる。
【0031】また、上記課題は、請求項12に係る発明
によれば、バイアス触媒CVDまたは高密度バイアス触
媒CVDを利用して、基板に半導体膜を形成する半導体
膜形成方法であって、前記真空容器に少なくとも原料ガ
スを供給し、前記真空容器中に配置された前記基板と電
極との間にグロー放電開始電圧以下の電界を印加して、
前記基板上に、半導体膜と、絶縁膜と、を形成すること
を含む半導体膜および絶縁膜形成工程と、前記形成され
た半導体膜および絶縁膜を水蒸気でアニールする水蒸気
アニール工程と、を備えたことにより解決される。
【0032】上記のように、基板と電極との間にグロー
放電開始電圧以下の電界を印加しているので、反応種に
対し、触媒体の触媒作用とその熱エネルギーに加えて上
記電圧による加速電界を与えることとなり、指向性の運
動エネルギーが大きくなって反応種を基板上に効率良く
導くことができると共に、基板上での泳動及び生成過程
の膜中での拡散が十分となる。従って、従来の触媒CV
D法に比べて、触媒体で生成された反応種の運動エネル
ギーおよび指向性を電界で独立してコントロールできる
ため、生成膜の基板との密着性向上、生成膜密度の向
上、生成膜均一性又は平滑性の向上、ビアホールなどへ
の埋め込み性とステップカバレージの向上、生成膜のス
トレスコントロール等が可能となり、成膜速度向上、原
料ガスの利用効率向上等による生産性向上、高品質膜が
実現する。また、基板温度を低温化できることから、低
歪点ガラスおよび耐熱性樹脂基板の採用が可能となり、
コストダウンを図ることができる。
【0033】また、水蒸気アニール工程を行うため、4
00℃以下の低温の加熱処理で効果的に半導体および絶
縁膜の改質をはかることができる。また、絶縁膜の改
質,すなわち絶縁膜中の水およびOH基を低減すること
によって、ゲート絶縁膜または半導体膜の、ホットエレ
クトロン劣化を抑制する効果を得ることができる。
【0034】そして、絶縁膜中の水及びOH基の低減に
より、例えばゲート絶縁膜において、ホットエレクトロ
ン劣化を抑制する。さらに、ゲート絶縁膜中の欠陥や不
純物に起因する正電荷を中性化し、負に寄ったフラット
バンド電圧を0V側に近づけることができるので、n−
ch MISトランジスタにおけるディプリーション型
への移行を回避してエンハンスメント型とし、p−ch
MISトランジスタではしきい値電圧Vthの増大化
を回避して確実な動作を行わしめるので、CMOS等の
集積回路化を容易に行える。そして、同一半導体基板に
おける素子特性のばらつきを小さくできるので、回路の
集積化が容易である。さらに、半導体と絶縁膜の界面特
性の向上、すなわちしきい値電圧Vthを下げてオン電
流を増大させ、オフ電流を低下させる効果をもたらし、
集積回路の高速動作化が実現できる。また、キャリア移
動度の増大が期待できる。
【0035】このとき、前記真空容器とは異なる水蒸気
アニール装置内で前記水蒸気アニール工程を行うと好適
である。このように構成することにより、真空容器内が
水蒸気により劣化することを防止することができる。ま
た、酸素の存在により酸化劣化し易い熱触媒体を用いた
場合には、水蒸気により熱触媒体が酸化劣化することを
防止することができる。
【0036】また、前記真空容器内の成膜室で半導体膜
および絶縁膜形成工程を行い、前記真空容器内の水蒸気
アニール室で前記水蒸気アニール工程を行い、前記半導
体膜および絶縁膜形成工程と前記水蒸気アニール工程と
を前記真空容器内で連続して行うように構成してもよ
い。このように構成することにより、真空装置内から取
り出すことなく半導体膜および絶縁膜形成工程および水
蒸気アニール工程を連続して行うことができ、より簡易
な工程で、生産性よく薄膜半導体装置等を製造すること
が可能となる。
【0037】さらに、前記真空容器内の半導体膜成膜室
で半導体膜を形成し、前記真空容器内の絶縁膜成膜室で
絶縁膜を形成し、前記真空容器内の水蒸気アニール室で
前記水蒸気アニール工程を行い、前記半導体膜の形成と
前記絶縁膜の形成と前記水蒸気アニール工程とを前記真
空容器内で連続して行うように構成すると好適である。
【0038】前記半導体膜および絶縁膜形成工程では、
前記半導体膜として、該半導体膜内の少なくともキャリ
アチャンネル領域における酸素,炭素,窒素のそれぞれ
の濃度が1×1019atoms/cm以下、水素濃
度が0.01原子%/cm以上である半導体膜を形成
し、前記水蒸気アニール工程では、前記半導体膜を水蒸
気アニールして、該半導体膜内の少なくともキャリアチ
ャンネル領域における酸素,炭素,窒素のそれぞれの濃
度が1×1019atoms/cm以下、水素濃度が
0.01原子%/cm以上の半導体膜とすると好適で
ある。
【0039】前記バイアス触媒CVDまたは高密度バイ
アス触媒CVDを、バイアス減圧CVDまたはバイアス
常圧CVDとした場合における前記半導体膜形成工程ま
たは前記半導体膜および絶縁膜形成工程での前記半導体
膜として、該半導体膜内の少なくともキャリアチャンネ
ル領域における酸素,炭素,窒素のそれぞれの濃度が1
×1019atoms/cm以下、水素濃度が0.0
1原子%/cm以上である半導体膜を形成し、前記水
蒸気アニール工程で、前記半導体膜を水蒸気アニールし
て、該半導体膜内の少なくともキャリアチャンネル領域
における酸素,炭素,窒素のそれぞれの濃度が1×10
19atoms/cm以下、水素濃度が0.01原子
%/cm以上の半導体膜とすると好適である。
【0040】このように、半導体膜内の少なくともキャ
リアチャンネル領域における酸素,炭素,窒素のそれぞ
れの濃度を1×1019atoms/cm以下として
いるので、キャリア(電子,正孔)の流れが良好にな
り、ゲート電圧/ドレイン電流特性にヒステリシスがな
く、高い周波数において良好なスイッチング特性を得る
ことができる。また、半導体膜内の少なくともキャリア
チャンネル領域における水素濃度を0.01原子%/c
以上としているので、キャリアチャンネル領域の導
電度を高めることができる。
【0041】また、前記半導体膜が単結晶シリコンであ
る場合、少なくともシリコン膜形成領域に段差を形成
し、前記段差を含むシリコン膜形成領域に単結晶シリコ
ン膜をグラフォエピタキシャル成長させると好適であ
る。即ち、基板に段差を設け、段差を含む基板上に単結
晶シリコン膜をグラフォエピタキシャル成長させている
ので、高い電子/正孔移動度を有し、動作性に優れる単
結晶半導体膜を得ることができる。
【0042】前記半導体膜が単結晶シリコンである場
合、少なくともシリコン膜形成領域に単結晶半導体と格
子整合の良い物質層を形成し、該物質層を含むシリコン
膜形成領域に単結晶シリコン膜をヘテロエピタキシャル
成長させるように構成すると好適である。これにより、
高い電子/正孔移動度を有し、動作性に優れる単結晶シ
リコン膜を得ることができる。
【0043】このとき、前記単結晶シリコンと格子整合
の良い物質層は、サファイアまたはスピネル構造体また
はフッ化カルシウムを含む群より選ばれた、少なくとも
一種以上の物質よりなるように構成するとよい。
【0044】また、上記課題は、請求項21に係る発明
によれば、バイアス触媒CVDまたは高密度バイアス触
媒CVDを利用して、基板に半導体膜を形成する半導体
膜形成方法であって、前記真空容器に少なくとも原料ガ
スを供給し、前記真空容器中に配置された前記基板と電
極との間にグロー放電開始電圧以下の電界を印加して、
前記基板上に、半導体膜と、絶縁膜と、を形成すること
を含む半導体膜および絶縁膜形成工程と、前記形成され
た半導体膜および絶縁膜にレーザーを照射し、前記形成
された半導体膜および絶縁膜をレーザーでアニールする
レーザーアニール工程と、該レーザーアニール工程の後
工程であって、水蒸気でアニールを行う水蒸気アニール
工程と、を備えることにより解決される。
【0045】上記のように、基板と電極との間にグロー
放電開始電圧以下の電界を印加しているので、反応種に
対し、触媒体の触媒作用とその熱エネルギーに加えて上
記電圧による加速電界を与えることとなり、指向性の運
動エネルギーが大きくなって反応種を基板上に効率良く
導くことができると共に、基板上での泳動及び生成過程
の膜中での拡散が十分となる。従って、従来の触媒CV
D法に比べて、触媒体で生成された反応種の運動エネル
ギーおよび指向性を電界で独立してコントロールできる
ため、生成膜の基板との密着性向上、生成膜密度の向
上、生成膜均一性又は平滑性の向上、ビアホールなどへ
の埋め込み性とステップカバレージの向上、生成膜のス
トレスコントロール等が可能となり、成膜速度向上、原
料ガスの利用効率向上等による生産性向上、高品質膜が
実現する。また、基板温度を低温化できることから、低
歪点ガラスおよび耐熱性樹脂基板の採用が可能となり、
コストダウンを図ることができる。また、バイアス触媒
CVDを用いることにより、真空容器中に導入された原
料ガスを効率よく薄膜として形成することができる。
【0046】また、半導体膜形成後に前記レーザーアニ
ール工程及び前記水蒸気アニール工程を行なうと、例え
ば半導体膜として、アモルファスシリコン膜または微結
晶シリコン膜の場合などは、レーザーアニール工程で大
きな粒径のポリシリコン膜を形成し、大きい移動度のポ
リシリコン膜の形成が可能となる。このように、半導体
膜形成工程の後で前記レーザーアニール工程及び前記水
蒸気アニール工程を行なうため、低温の加熱処理で効果
的に半導体膜の改質をはかることができる。
【0047】このとき、前記半導体膜および絶縁膜形成
工程の前から、前記真空容器に水素を含むキャリアガス
を常時供給し、該供給されたキャリアガスで発生した活
性化水素イオンHで前記基板上をクリーニングするク
リーニング工程を備え、前記クリーニング工程と、前記
半導体膜および絶縁膜形成工程とを行うと好適である。
【0048】このように、半導体膜層を基板上へ形成す
るときに、水素を含むキャリアガスを常時供給している
ので、水素系キャリアガスから熱触媒体の熱分解および
触媒反応により発生した活性化水素イオンHが、グロ
ー放電開始電圧以下の電界印加により効率よく基板に集
められ、基板表面を効率よくクリーニングし、基板上に
高品質の半導体膜を形成することができる。また、キャ
リアガスとしての水素ガスを供給し、また熱触媒体を加
熱して触媒作用が可能な状態にしておき、複数の膜を連
続成膜して、特定の膜、例えばシリコン膜とゲート絶縁
膜を連続成膜した場合などは、ゲートチャンネル部を低
ストレス,低コンタミとすることができる。さらに、水
素を含むキャリアガスが基板の成膜中に常時導入されて
いるので、熱触媒体を他のガスの影響から保護すること
になり熱触媒体の劣化を防ぐことが可能となる。また、
酸素の存在により酸化劣化し易い熱触媒体、例えば、表
面に高融点金属(タングステン、トリア含有タングステ
ン、タンタル、モリブデン、シリコン等)が裸出した熱
触媒体を用いた場合には、残留酸素により熱触媒体が酸
化劣化することを低減することができる。
【0049】また、前記半導体膜および絶縁膜形成工程
の前から、前記真空容器に水素を含むキャリアガスを供
給し、該供給されたキャリアガスで発生した活性化水素
イオンHで前記基板上をクリーニングするクリーニン
グ工程と、前記キャリアガスの供給を、前記半導体膜お
よび絶縁膜形成工程の前,途中,後の少なくとも一つで
増減する工程と、前記半導体膜および絶縁膜形成工程
と、を行うように構成してもよい。
【0050】これにより、各種の成膜を行うとき、成膜
開始後所定時間経過した後に、キャリアガスの導入を低
減、または触媒体5の種類によっては停止させることが
できるので、真空容器において原料ガスの割合が高くな
り、基板への半導体膜形成が高速で行われ作業性を向上
させることが可能となる。また、基板へ半導体膜を形成
するときに、水素を含むキャリアガスを供給しているの
で、熱触媒体で発生した活性化水素イオンHが基板表
面をクリーニングし、基板上に高品質の半導体膜を形成
することができる。さらに、キャリアガスとしての水素
ガスを供給し、また熱触媒体を加熱して触媒作用が可能
な状態にしておき、複数の膜を連続成膜して、特定の
膜、例えばシリコン膜とゲート絶縁膜を連続成膜した場
合などは、ゲートチャンネル部を低ストレス,低コンタ
ミとすることができる。
【0051】また、各種の成膜を行うとき、半導体膜形
成工程の前,後でキャリアガスの導入を増加させること
ができるので、キャリアガスで発生した活性化水素イオ
ンH が基板表面をクリーニングし、基板上に高品質の
半導体膜を形成することができる。また、キャリアガス
としての水素ガスを供給し、また熱触媒体を加熱して触
媒作用が可能な状態にしておき、複数の膜を連続成膜し
て、特定の膜、例えばシリコン膜とゲート絶縁膜を連続
成膜した場合などは、ゲートチャンネル部を低ストレ
ス,低コンタミとすることができる。さらに、水素を含
むキャリアガスが基板の成膜中に常時導入されているの
で、熱触媒体を他のガスの影響から保護することになり
熱触媒体の劣化を防ぐことが可能となる。
【0052】また、バイアス触媒CVDで、ポリシリコ
ン膜を成膜する場合には、このポリシリコン膜中の酸
素,炭素,窒素それぞれの含有量は、少ないほどキャリ
ア(電子/正孔)の流れが良好になり、好ましい。例え
ば、少なくともキャリアチャンネル領域のポリシリコン
膜等の半導体膜中の酸素,炭素,窒素それぞれの含有量
は、1×1019atoms/cm以下、好ましくは
5×1018atoms/cm以下であると好適であ
り、さらに水素含有量は0.01原子%/cm以上で
あると好適であるが、本発明では、水素ガス導入によ
り、常に成膜中に、電界印加により効率よく活性化水素
イオンHにさらされて、半導体膜の酸化やコンタミが
低減されるため、上記数値を達成することが可能とな
る。さらに、レーザーアニール処理を行った後にも、こ
の数値が維持されると好適であるが、本発明では、水素
ガスを導入すると共に電界印加しているため、レーザー
アニール処理後にもこの数値を達成することが可能とな
る。
【0053】また、本発明では、水素ガス導入および電
界印加により、成膜中常に効率よく活性化水素イオンH
にさらされているため、エピタキシャル成長等により
単結晶シリコン膜を成膜する場合にも、上記数値を達成
することが可能となる。さらに、本発明では、水素ガス
導入および電界印加により、成膜中常に効率よく活性化
水素イオンHにさらされているため、アモルファスシ
リコン膜または微結晶シリコン膜を成膜し、これらの膜
をレーザーアニール処理して大粒径ポリシリコン膜を得
る場合にも、レーザーアニール処理後にもこの数値を達
成することが可能となる。上記数値は、特に、MIST
FTの場合、チャンネル領域となるポリシリコン膜のゲ
ート絶縁膜との界面において達成されることが望まれる
が、本発明によれば、特にポリシリコン膜のゲート絶縁
膜との界面の酸素含有量を上記数値とすることが可能と
なる。
【0054】さらに、前記真空容器とは異なるレーザー
アニール装置内で前記レーザーアニール工程を行い、前
記真空容器とは異なる水蒸気アニール装置内で前記水蒸
気アニール工程を行うように構成しても好適である。
【0055】前記真空容器内の成膜室で半導体膜および
絶縁膜形成工程を行い、前記真空容器内のレーザーアニ
ール室で前記レーザーアニール工程を行い、前記真空容
器内の水蒸気アニール室で前記水蒸気アニール工程を行
い、前記半導体膜および絶縁膜形成工程と前記レーザー
アニール工程と前記水蒸気アニール工程とを前記真空容
器内で連続して行うように構成してもよい。
【0056】また、前記真空容器内の半導体膜成膜室で
半導体膜を形成し、前記真空容器内の絶縁膜成膜室で絶
縁膜を形成し、前記真空容器内のレーザーアニール室で
前記レーザーアニール工程を行い、前記真空容器内の水
蒸気アニール室で前記水蒸気アニール工程を行い、前記
半導体膜の形成と前記絶縁膜の形成と前記レーザーアニ
ール工程と前記水蒸気アニール工程とを前記真空容器内
で連続して行うように構成すると好適である。
【0057】これらのように構成することにより、真空
装置内から取り出すことなく半導体膜の形成および絶縁
膜の形成およびレーザーアニール工程および水蒸気アニ
ール工程を連続して行うことができ、より簡易な工程で
薄膜半導体装置等を製造することが可能となる。
【0058】前記前記半導体膜および絶縁膜形成工程で
は、前記半導体膜として、該半導体膜内の少なくともキ
ャリアチャンネル領域における酸素,炭素,窒素のそれ
ぞれの濃度が1×1019atoms/cm以下、水
素濃度が0.01原子%/cm以上である半導体膜を
形成し、前記水蒸気アニール工程では、前記半導体膜を
水蒸気アニールして、該半導体膜内の少なくともキャリ
アチャンネル領域における酸素,炭素,窒素のそれぞれ
の濃度が1×1019atoms/cm以下、水素濃
度が0.01原子%/cm以上の半導体膜とし、前記
レーザーアニール工程では、前記半導体膜をレーザーア
ニールして、該半導体膜内の少なくともキャリアチャン
ネル領域における酸素,炭素,窒素のそれぞれの濃度が
1×10 19atoms/cm以下、水素濃度が0.
01原子%/cm以上の半導体膜とすると好適であ
る。
【0059】前記バイアス触媒CVDまたは高密度バイ
アス触媒CVDを、バイアス減圧CVDまたはバイアス
常圧CVDとした場合における前記半導体膜形成工程ま
たは前記半導体膜および絶縁膜形成工程での前記半導体
膜として、該半導体膜内の少なくともキャリアチャンネ
ル領域における酸素,炭素,窒素のそれぞれの濃度が1
×1019atoms/cm以下、水素濃度が0.0
1原子%/cm以上である半導体膜を形成し、前記水
蒸気アニール工程で、前記半導体膜を水蒸気アニールし
て、該半導体膜の少なくともキャリアチャンネル領域に
おける酸素,炭素,窒素のそれぞれの濃度が1×10
19atoms/cm以下、水素濃度が0.01原子
%/cm以上の半導体膜とし、前記レーザーアニール
工程で、前記半導体膜をレーザーアニールして、該半導
体膜内の少なくともキャリアチャンネル領域における酸
素,炭素,窒素のそれぞれの濃度が1×1019ato
ms/cm以下、水素濃度が0.01原子%/cm
以上の半導体膜とすると好適である。
【0060】このように、半導体膜内の少なくともキャ
リアチャンネル領域における酸素,炭素,窒素のそれぞ
れの濃度を1×1019atoms/cm以下として
いるので、キャリア(電子,正孔)の流れが良好にな
り、ゲート電圧/ドレイン電流特性にヒステリシスがな
く、高い周波数において良好なスイッチング特性を得る
ことができる。また、半導体膜内の少なくともキャリア
チャンネル領域における水素濃度を0.01原子%/c
以上としているので、キャリアチャンネル領域の導
電度を高めることができる。
【0061】上記のとき、前記バイアス触媒CVDまた
は高密度バイアス触媒CVDをバイアス減圧CVDまた
はバイアス常圧CVDとすると好適である。
【0062】また、上記課題は、請求項30に係る発明
によれば、バイアス触媒CVDまたは高密度バイアス触
媒CVDを利用してトップゲート型TFTを製造する製
造方法であって、真空容器に少なくとも原料ガスを供給
し、前記真空容器中に配置された前記基板と電極との間
にグロー放電開始電圧以下の電界を印加して、前記真空
容器中で、基板上に、保護膜と、半導体膜と、ゲート絶
縁膜と、を連続成膜して多結晶半導体膜とし、その後、
前記半導体膜をレーザーアニール処理し、次いで、ソー
ス/トップゲート/ドレイン電極を形成してなることに
より解決される。このように構成することにより、薄膜
半導体装置の性能を向上し、かつ製造を容易にすること
ができる。
【0063】さらに、上記課題は、請求項31に係る発
明によれば、バイアス触媒CVDまたは高密度バイアス
触媒CVDを利用してボトムゲート型TFTを製造する
製造方法であって、基板上にボトムゲート電極を形成
し、真空容器に少なくとも原料ガスを供給し、前記真空
容器中に配置された前記基板と電極との間にグロー放電
開始電圧以下の電界を印加して、前記真空容器中で、ボ
トムゲート電極上に保護膜と、ボトムゲート絶縁膜と、
半導体膜と、保護膜とを連続成膜し、その後で、前記半
導体膜をレーザーアニール処理して多結晶半導体膜と
し、次いで、ソース/ドレイン電極を形成してなること
により解決される。
【0064】また、上記課題は、請求項32に係る発明
によれば、バイアス触媒CVDまたは高密度バイアス触
媒CVDを利用してデュアルゲート型TFTを製造する
製造方法であって、基板上にボトムゲート電極を形成
し、真空容器に少なくとも原料ガスを供給し、前記真空
容器中に配置された前記基板と電極との間にグロー放電
開始電圧以下の電界を印加して、前記真空容器中で、ボ
トムゲート電極上に保護膜と、ボトムゲート絶縁膜と、
半導体膜と、トップゲート絶縁膜とを連続成膜し、その
後、前記半導体膜をレーザーアニール処理して多結晶半
導体膜とし、次いで、ソース/トップゲート/ドレイン
電極を形成してなることにより解決される。
【0065】上記のとき、前記真空容器とは異なるレー
ザーアニール装置内で前記レーザーアニール処理を行う
と好適である。また、前記真空容器内の成膜室で前記半
導体膜および前記絶縁膜を成膜し、前記真空容器内のレ
ーザーアニール室で前記レーザーアニール処理を行い、
前記半導体膜および絶縁膜の成膜と前記レーザーアニー
ル処理とを前記真空容器内で連続して行うように構成し
てもよい。
【0066】さらに、前記真空容器内の半導体膜成膜室
で前記半導体膜を成膜し、前記真空容器内の絶縁膜成膜
室で前記絶縁膜を形成し、前記真空容器内のレーザーア
ニール室で前記レーザーアニール処理を行い、前記半導
体膜の形成と前記絶縁膜の形成と前記レーザーアニール
処理とを前記真空容器内で連続して行うように構成する
と好適である。
【0067】また、上記課題は、請求項36に係る発明
によれば、バイアス触媒CVDまたは高密度バイアス触
媒CVDを利用してトップゲート型TFTを製造する製
造方法であって、真空容器に少なくとも原料ガスを供給
し、前記真空容器中に配置された前記基板と電極との間
にグロー放電開始電圧以下の電界を印加して、前記真空
容器中で、前記基板上に、保護膜と、半導体膜と、ゲー
ト絶縁膜と、を連続成膜し、その後、ソース/トップゲ
ート/ドレイン電極を形成し、次いで、低圧高温又は高
圧高温で、水蒸気アニール処理を行い、その後、前記ソ
ース/トップゲート/ドレイン電極のプラズマクリーニ
ング又はスパッタクリーニングを行うことにより解決さ
れる。
【0068】また、上記課題は、請求項37に係る発明
によれば、バイアス触媒CVDまたは高密度バイアス触
媒CVDを利用してボトムゲート型TFTを製造する製
造方法であって、基板上にボトムゲート電極を形成し、
真空容器に少なくとも原料ガスを供給し、前記真空容器
中に配置された前記基板と電極との間にグロー放電開始
電圧以下の電界を印加して、前記真空容器中で、ボトム
ゲート電極上に保護膜と、ボトムゲート絶縁膜と、半導
体膜と、保護膜とを連続成膜し、その後、ソース/ドレ
イン電極を形成し、次いで、低圧高温又は高圧高温で、
水蒸気アニール処理を行い、その後、前記ボトムゲート
電極および前記ソース/ドレイン電極のプラズマクリー
ニング又はスパッタクリーニングを行うことにより解決
される。
【0069】また、上記課題は、請求項38に係る発明
によれば、バイアス触媒CVDまたは高密度バイアス触
媒CVDを利用してデュアルゲート型TFTを製造する
製造方法であって、基板上にボトムゲート電極を形成
し、真空容器に少なくとも原料ガスを供給し、前記真空
容器中に配置された前記基板と電極との間にグロー放電
開始電圧以下の電界を印加して、前記真空容器中で、ボ
トムゲート電極上に保護膜と、ボトムゲート絶縁膜と、
半導体膜と、トップゲート絶縁膜とを連続成膜し、その
後、ソース/トップゲート/ドレイン電極を形成し、次
いで、低圧高温又は高圧高温で、水蒸気アニール処理を
行い、その後、前記ボトムゲート電極および前記ソース
/トップゲート/ドレイン電極のプラズマクリーニング
又はスパッタクリーニングを行うことにより解決され
る。
【0070】また、上記課題は、請求項39に係る発明
によれば、バイアス触媒CVDまたは高密度バイアス触
媒CVDを利用してトップゲート型TFTを製造する製
造方法であって、真空容器に少なくとも原料ガスを供給
し、前記真空容器中に配置された前記基板と電極との間
にグロー放電開始電圧以下の電界を印加して、前記真空
容器中で、基板上に、保護膜と、半導体膜と、ゲート絶
縁膜と、を連続成膜し、その後、前記半導体膜をレーザ
ーアニール処理して多結晶半導体膜とし、次いでソース
/トップゲート/ドレイン電極を形成し、次いで低圧高
温又は高圧高温で、水蒸気アニール処理を行い、その
後、前記ソース/トップゲート/ドレイン電極のプラズ
マクリーニング又はスパッタクリーニングを行うことに
より解決される。
【0071】また、上記課題は、請求項40に係る発明
によれば、バイアス触媒CVDまたは高密度バイアス触
媒CVDを利用してボトムゲート型TFTを製造する製
造方法であって、基板上にボトムゲート電極を形成し、
真空容器に少なくとも原料ガスを供給し、前記真空容器
中に配置された前記基板と電極との間にグロー放電開始
電圧以下の電界を印加して、前記真空容器中で、ボトム
ゲート電極上に保護膜と、ボトムゲート絶縁膜と、半導
体膜と、保護膜とを連続成膜し、その後で、前記半導体
膜をレーザーアニール処理して多結晶半導体膜とし、次
いでソース/ドレイン電極を形成し、次いで低圧高温又
は高圧高温で、水蒸気アニール処理を行い、その後、前
記ボトムゲート電極および前記ソース/ドレイン電極の
プラズマクリーニング又はスパッタクリーニングを行う
ことにより解決される。
【0072】また、上記課題は、請求項41に係る発明
によれば、バイアス触媒CVDまたは高密度バイアス触
媒CVDを利用してデュアルゲート型TFTを製造する
製造方法であって、基板上にボトムゲート電極を形成
し、真空容器に少なくとも原料ガスを供給し、前記真空
容器中に配置された前記基板と電極との間にグロー放電
開始電圧以下の電界を印加して、前記真空容器中で、ボ
トムゲート電極上に保護膜と、ボトムゲート絶縁膜と、
半導体膜と、トップゲート絶縁膜とを連続成膜し、その
後、前記半導体膜をレーザーアニール処理して多結晶半
導体膜とし、次いで、ソース/トップゲート/ドレイン
電極を形成し、次いで、低圧高温又は高圧高温で、水蒸
気アニール処理を行い、その後、前記ボトムゲート電極
と、前記ソース/トップゲート/ドレイン電極のプラズ
マクリーニング又はスパッタクリーニングを行うことに
より解決される。
【0073】上記のとき、前記バイアス触媒CVDまた
は高密度バイアス触媒CVDを、バイアス減圧CVDま
たはバイアス常圧CVDとすると好適である。
【0074】また、前記真空容器に水素を含むキャリア
ガスを常時供給し、該供給されたキャリアガスで発生し
た活性化水素イオンHで前記基板上をクリーニングす
るクリーニング工程を備え、前記膜の成膜と前記クリー
ニング工程とを繰り返し、或いは前記クリーニング工程
の後で前記膜の成膜を繰り返すように構成すると好適で
ある。
【0075】また、前記真空容器に水素を含むキャリア
ガスを供給し、該供給されたキャリアガスで発生した活
性化水素イオンHで前記基板上をクリーニングするク
リーニング工程と、前記キャリアガスの供給を、前記膜
を形成する前,途中,後の少なくとも一つで増減する工
程と、前記膜の形成と、を行うように構成すると好適で
ある。
【0076】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る半導体膜形成
方法及び薄膜半導体装置の製造方法について、好適な実
施の形態を図に基づいて説明する。なお、図10乃至図
16、図21において、アルゴンをAr、シリコンをS
i、水素ガスをH、酸素ガスをO、窒素ガスを
、アンモニアガスをNH、シランガスをSi
、ヘリウムガスをHe、ネオンガスをNe、窒化シ
リコンをSiN、酸化シリコンをSiOと表す。本発
明は、バイアス触媒CVDまたは高密度バイアス触媒C
VDを利用して、基板10に半導体膜を形成する半導体
膜形成方法である。
【0077】バイアス触媒CVDとは、電界を印加して
触媒CVDを行う方法である。バイアス触媒CVDで
は、触媒CVD法に基づいて、水素系キャリアガスとシ
ランガス等の原料ガスとからなる反応ガスを加熱された
タングステン等の触媒体に接触させ、これによって生成
したラジカルな堆積種又はその前駆体及び活性化水素イ
オンHにグロー放電開始電圧以下の電界を作用させて
指向性の運動エネルギーを与え、基板上に多結晶シリコ
ン等の所定の膜を気相成長させる。前記ラジカルな堆積
種又はその前駆体及び活性化水素イオンHは、基板と
対向電極との間にグロー放電開始電圧以下の直流電圧,
または直流電圧に交流電圧を重畳させた電圧等を印加す
ることにより、基板の側へ指向される。
【0078】触媒CVD(Catalytic CV
D,CAT−CVD)とは、例えば、特開昭63−40
314号公報などに開示されている方法である。触媒C
VD法は、熱触媒体による触媒反応または熱分解反応に
よって、高エネルギーをもつシリコン原子又は原子の集
団を形成し、絶縁基板上に堆積させるので、通常の熱C
VD法における堆積可能温度より著しく低い低温の領域
でシリコン膜を堆積させることができる。
【0079】また、高密度触媒CVDは、高密度プラズ
マCVDと触媒CVDを適宜組み合わせたものである。
この高密度プラズマCVDは、プラズマCVDのうち、
10−3Paレベルの低圧下で、マイクロ波により高密
度としたプラズマ中で原料ガスの活性化を行わせて行う
ものである。高密度プラズマCVD装置としては、基本
的に本明細書に記載の装置を用いることができるが、マ
イクロ波(2.45GHz程度)を用いるECR(El
ectron Cyclotron Resonac
e)、RF(13.56MHz)を用いるICP(In
ductively Coupled Plasm
a)、ヘリコン波プラズマ等を使用し、高密度のプラズ
マをチャンバ内で発生させる。このため、高真空が要求
されるので真空ポンプにターボ分子ポンプを使用し、基
板側から高いバイアス電圧を印加し、この冷却のために
静電チャックと冷却手段(例えばHe)を用いる。
【0080】本発明で用いる高密度バイアス触媒CVD
は、マイクロ波によりプラズマを高密度とするものであ
る。高密度バイアス触媒CVDを行う装置について簡単
に説明する。高密度バイアス触媒CVD装置は、真空容
器内に電極と基板が平行に配置され、この真空容器の側
壁,すなわち電極および基板に対し垂直である壁に、導
波管が設置される。この導波管は、上記側壁に対し垂直
に伸びており、この導波管には、マグネトロンが設けら
れる。高密度バイアス触媒CVDでは、この導波管でマ
イクロ波プラズマが発生するように構成されている。こ
のように構成しているため、サセプタと電極との間に電
界を印加してプラズマを発生させるために基板にプラズ
マの影響が及ぶRFプラズマCVD等とは異なり、高密
度バイアス触媒CVDでは、導波管で発生したプラズマ
が真空容器の壁に当たって弱まり、基板は、マイクロ波
プラズマによるダメージを受けにくくなる。また、導波
管を、真空容器の側壁の電極と基板の間の位置に設けた
場合には、電極と基板との間の熱触媒体によって、プラ
ズマが基板に到達することが低減され、基板は、マイク
ロ波プラズマによるダメージを受けにくくなる。真空容
器の側壁の電極の外側で、基板から遠い位置に設けた場
合には、熱触媒体と、電極とによって、プラズマが基板
に到達することが低減され、基板は、マイクロ波プラズ
マによるダメージを受けにくくなる。
【0081】本発明では、真空容器1に少なくとも原料
ガスを供給し、真空容器中1に配置された基板10と電
極3aとの間にグロー放電開始電圧以下の電界を印加し
て、前記基板上に半導体膜を形成することを含む半導体
膜形成工程と、この形成された半導体膜にレーザーを照
射し、形成された半導体膜をレーザーでアニールするレ
ーザーアニール工程と、を備える。半導体膜は、例えば
アモルファス半導体膜,微結晶半導体膜,多結晶半導体
膜である。このように、基板10と電極3aとの間にグ
ロー放電開始電圧以下の電界を印加しているので、反応
種に対し、触媒体5の触媒作用とその熱エネルギーに加
えて上記電圧による加速電界を与えることとなり、指向
性の運動エネルギーが大きくなって基板上に効率良く導
けると共に、基板上での泳動及び生成過程の膜中での拡
散が十分となる。従って、従来の触媒体CVD法に比べ
て、触媒体5で生成された反応種の運動エネルギーおよ
び指向性を電界で独立してコントロールできるため、生
成膜の基板10との密着性が向上し、生成膜密度が向上
し、生成膜の均一性,平滑性が向上する。また、ビアホ
ールなどへの埋め込み性およびステップカバレージが向
上し、生成膜のストレスコントロール等が可能となり、
高品質膜が実現する。また、基板温度を低温化できるこ
とから、低歪点ガラスおよび耐熱性樹脂基板の採用が可
能となり、コストダウンを図ることができる。
【0082】基板10と電極3aとの間には、グロー放
電開始電圧以下の直流電圧,または直流電圧に交流電圧
を重畳させた電圧を印加する。この交流電圧は、1MH
zより大きく1000MHz以下である周波数の高周波
電圧及び1MHz以下の低周波電圧のうち少なくとも一
方である。また、絶対値がグロー放電開始電圧以下であ
る高周波交流電圧のみ、又は絶対値がグロー放電開始電
圧以下である低周波交流電圧のみ、又は該低周波交流電
圧に前記高周波交流電圧を重畳させた電圧または直流電
圧に低周波交流電圧と高周波交流電圧を重畳させた電圧
を印加するように構成してもよい。なお、電圧は、成膜
中に全体の電圧または構成要素それぞれの電圧を可変し
てもよい。但し、それぞれの電圧の絶対値が、いずれも
グロー放電開始電圧以下の範囲内になるようにする。
【0083】また、成膜時又は成膜中に前記触媒体の触
媒作用で反応ガスからイオン等の反応種が発生し、これ
により基板がチャージアップして膜又はデバイスの性能
を劣化させることがある。これを防止するために、前記
反応種に帯電防止用の荷電粒子(電子ビーム又はプロト
ンなど、特に電子ビーム)を照射してイオンを中和する
ことが望ましい。即ち、前記サセプタの近傍に荷電粒子
照射手段が設置されているのがよい。
【0084】なお、本発明において、成膜直後のシリコ
ン系膜を下記のように定義する。アモルファスシリコン
膜は、水素含有のアモルファス構造のシリコン(a−S
i:H)の膜とする。微結晶シリコン膜とは、アモルフ
ァスシリコンを含有する微結晶シリコン{nc−Si
(nanocrystalline Siliconの
略)}が集合する膜とする。ポリシリコン膜とは、アモ
ルファスシリコンと微結晶シリコン(nc−Si)を含
有する比較的小さい粒径のポリシリコン{μc−Si
(microcrystalline Silicon
の略)}が集合する膜とする。単結晶シリコン膜とは、
亜粒界や転位を含有する単結晶も含む単結晶シリコン膜
とする。レーザー光の吸収が大きく溶融しやすいアモル
ファス構造シリコンと結晶成長のシード(種)のnc−
Siおよびμc−Siがうまく組み合わさって、エキシ
マレーザーアニール等のレーザーアニール処理により再
結晶化が促進され、大きな粒径のポリシリコン膜が形成
される点に、本発明の特徴がある。
【0085】レーザーアニール工程は、半導体膜形成工
程の後でなく、半導体膜と絶縁膜とを形成した後に行っ
てもよい。絶縁膜は、例えば酸化シリコン膜、窒化シリ
コン膜、酸窒化シリコン膜のいずれか1種以上、又はそ
の複合膜である。
【0086】このように、薄膜をレーザーでアニール処
理するように構成しているので、膜のみが瞬時に熱せら
れ、基板10への熱の影響が及びにくくなり、基板10
の変形を起こすことなく、アモルファスシリコンまたは
微結晶シリコン薄膜を結晶化でき、又キャリア不純物の
活性化もでき、例えば移動度の大きい薄膜に変えること
ができる。しかも、この結晶化、活性化は基板10全体
を高温にすることなく、低温で行うことができる。ま
た、薄膜半導体装置の性能を向上し、かつ製造を容易に
するものである。
【0087】このとき、レーザーアニール効果を高める
ために、基板10を200℃以上〜500℃未満に加熱
して、形成された膜を、ビーム形状が、ラインビームま
たはエリアビームであるエキシマレーザーまたはアルゴ
ンレーザー等のレーザーでアニールしてもよい。
【0088】また、アモルファスシリコンは、レーザー
光の光エネルギー吸収が高いため、ポリシリコン膜は、
シリコンイオン等を注入して結晶成長のシード(種)を
注入すると同時に、アモルファスシリコン化することに
より、大粒径ポリシリコン膜とすることがより容易とな
る。このシリコンイオン等の注入は、たとえば、必要に
応じて、20〜30keVで1〜2E15atoms/
cmのシリコンイオン(SiF)を注入した後に、
レーザーアニール処理を行うことにより行うことができ
る。このように構成すると、ポリシリコンはレーザーア
ニールで溶解しにくいので、レーザーアニールで溶解し
易いアモルファスシリコンとした後にレーザーアニール
処理すると、大きな粒径のポリシリコンが形成され、移
動度向上が可能となる。
【0089】熱触媒体5は、熱触媒体5の融点未満の温
度であって、800℃以上2000℃以下の温度に加熱
するとよい。このとき、基板10の温度を200℃以上
500℃以下の温度にするとよい。
【0090】このように、熱触媒体5を加熱することに
より、真空容器1内に導入された水素ガスから活性化水
素イオンHが発生するため、基板表面をクリーニング
することができる。例えば、酸化シリコン膜とポリシリ
コン膜が形成される際には、これらの薄膜の界面にアモ
ルファスシリコンの遷移層が形成されず、高品質な薄膜
層を形成することが可能となる。また、加熱した熱触媒
体5を用いることにより、原料ガスの大部分を薄膜とし
て形成することができ、効率よく原料ガスを利用して薄
膜を形成することができ、コストダウンが可能となる。
熱触媒体5は、タングステン、トリア含有タングステ
ン、白金、モリブデン、パラジュウム、金属蒸着セラミ
ックス、シリコン、アルミナ、炭化ケイ素よりなる群か
ら選ばれた少なくとも一種の材料よりなる。
【0091】また、前記基板10は、シリコン、ゲルマ
ニウム、シリコンゲルマニウム、シリコンカーバイト、
ガリウムひ素、ガリウムアルミニウムひ素、ガリウム
燐、インジュウム燐、セレン化亜鉛、硫化カドミウム、
石英ガラス、ほうけい酸ガラス、アルミノけい酸ガラ
ス、耐熱性樹脂を含む半導体または絶縁性の材料から選
ばれたものとするとよい。
【0092】本発明では、半導体膜形成工程の前から、
真空容器1に水素を含むキャリアガスを常時供給し、こ
の供給されたキャリアガスで発生した活性化水素イオン
で基板10上をクリーニングするクリーニング工程
を行う。そして、このクリーニング工程と、この半導体
膜形成工程とを行う。
【0093】このように、基板10へ薄膜を形成すると
きに、水素を含むキャリアガスを供給するので、供給さ
れたキャリアガスの一部は活性化水素イオンHとなっ
て、この活性化水素イオンHが基板表面をクリーニン
グし、基板10上に高品質の薄膜を形成することができ
る。そして、キャリアガスとしての水素ガスを供給し、
熱触媒体5を加熱して触媒作用が可能な状態にし、少な
くともシリコン膜とゲート絶縁膜を連続成膜すること
で、ゲートチャンネル部を低ストレス,低コンタミ,低
界面準位とし、特性を向上することが可能となる。ま
た、本発明に係る半導体膜形成方法を用いて薄膜半導体
装置を製造する場合には、薄膜半導体装置の性能を向上
し、かつ製造を容易にするものである。
【0094】ここで、「連続成膜」することについて述
べたが、本明細書中において、「連続成膜」には、次の
3通りがある。まず、成膜装置1内で、ゲート絶縁膜と
半導体膜とを、連続して成膜する場合であり、ここで述
べた意味である。次に、絶縁膜を、SiN−SiON−
SiO等の傾斜複合膜として成膜する場合である。さ
らに、異なる絶縁膜を連続して成膜する場合である。
【0095】また、半導体膜形成工程の前から、真空容
器1に水素を含むキャリアガスを供給し、この供給され
たキャリアガスで発生した活性化水素イオンHで基板
10上をクリーニングするクリーニング工程と、キャリ
アガスの供給を、前記半導体膜形成工程の前,途中,後
の少なくとも一つで増減する工程と、前記半導体膜形成
工程と、を行うこともできる。クリーニングされた基板
10には、真空容器1中に少なくとも原料ガスを導入す
ることにより薄膜が形成されるが、このとき、例えば、
図3の一点鎖線で示すように、前記キャリアガスの供給
を途中で低減することにより、真空容器1中での原料ガ
スの割合が高くなり、高速で薄膜形成を行うことが可能
となる。また、熱触媒体5として酸化劣化しない熱触媒
体5を使用した場合には、図13乃至図15の実線で示
すように、半導体膜形成工程の途中で真空容器1内への
キャリアガスの供給を停止することもできる。すなわ
ち、熱触媒体5が、酸素の存在下でも酸化劣化しない熱
触媒体である場合には、水素ガスの供給を止めても、残
留酸素により熱触媒体5が酸化劣化,断線等しない。酸
化劣化しない熱触媒体とは、例えば、高融点金属(タン
グステン、トリア含有タングステン、タンタル、モリブ
デン、シリコン等)をセラミックスコーティングまたは
炭化ケイ素コーティングしたもの又は表面を酸化又は窒
化させたシリコン等である。
【0096】さらに、各種の成膜を行うとき、例えば、
図3の点線で示すように、半導体膜形成工程の前,後で
キャリアガスの導入を増加させることにより、成膜前後
に、熱触媒体5により、活性化水素イオンHを大量に
発生させ、クリーニング、膜ストレス低減等を促進させ
ることができる。
【0097】本発明では、真空容器1内で半導体膜およ
び絶縁膜を形成し、真空容器1外のレーザーアニール装
置内でレーザーアニール工程を行う。このとき、半導体
膜および絶縁膜は、シングルチャンバ或いはマルチチャ
ンバからなる真空容器1のいずれによっても形成するこ
とができる。ただし、真空容器1内に、成膜室46と、
レーザーアニール室44とを設けるように構成しても良
い。真空容器1内の成膜室46で半導体膜形成工程を行
い、レーザーアニール室44でレーザーアニール工程を
行い、半導体膜形成工程とレーザーアニール工程とを前
記真空容器内で連続して行う。このとき、成膜室46と
は別に真空装置1内に絶縁膜成膜室47を設け、この絶
縁膜成膜室47内で絶縁膜を成膜してもよい。
【0098】また、半導体膜と絶縁膜を同じ成膜室43
内で形成することもできる。半導体膜を成膜する成膜室
43で、レーザーでアニールされた半導体膜上に絶縁膜
を成膜し、半導体膜形成工程とレーザーアニール工程と
絶縁膜の成膜とを真空容器1内で連続して行う。
【0099】本発明では、真空容器1に少なくとも原料
ガスを供給して基板10上に、半導体膜と、絶縁膜と、
を形成することを含む半導体膜および絶縁膜形成工程
と、形成された半導体膜および絶縁膜を水蒸気でアニー
ルする水蒸気アニール工程と、を備えるようにすること
もできる。
【0100】水蒸気アニール工程では、分圧が1×10
Pa以上飽和蒸気圧以下である水蒸気を含む雰囲気中
で、10秒以上20時間以下の時間、常温以上400℃
以下の温度に加熱することにより形成された膜を水蒸気
でアニールする。このとき、酸素、窒素、水素、又は一
酸化窒素又は二酸化炭素のいずれか1種類以上の気体を
含み、前記いずれか1種類以上の気体の分圧が、1×1
Pa以上1×10 Pa以下である雰囲気で水蒸気
アニールを行う。このように、水蒸気を含む低圧〜高圧
の雰囲気内におけるアニールを行うため、低温の加熱処
理で効果的に半導体膜と絶縁膜との界面特性および絶縁
膜の改質をはかることができる。
【0101】本発明では、真空容器1内で半導体膜を形
成し、真空容器1外の水蒸気アニール装置内で水蒸気ア
ニール工程を行う。ただし、真空容器1内に、成膜室4
3と、水蒸気アニール室45とを設けるように構成して
も良い。真空容器1内の成膜室43で半導体膜および絶
縁膜形成工程を行い、水蒸気アニール室45で水蒸気ア
ニール工程を行い、半導体膜および絶縁膜形成工程と水
蒸気アニール工程とを真空容器1内で連続して行う。
【0102】また、成膜室46とは別に真空装置1内に
絶縁膜成膜室47を設け、この絶縁膜成膜室47内で絶
縁膜を成膜してもよい。このとき、真空容器1内の半導
体膜成膜室46で半導体膜を形成し、真空容器1内の絶
縁膜成膜室47で絶縁膜を形成し、真空容器1内の水蒸
気アニール室45で水蒸気アニール工程を行い、半導体
膜の形成と絶縁膜の形成と水蒸気アニール工程とを真空
容器内で連続して行う。
【0103】本発明では、上記半導体膜として単結晶シ
リコンを形成することもできる。半導体膜が単結晶シリ
コンである場合、少なくともシリコン膜形成領域に段差
を形成し、この段差を含むシリコン膜形成領域に単結晶
シリコン膜をグラフォエピタキシャル成長させる。即
ち、基板に段差を設け、段差を含む基板上に単結晶シリ
コン膜をグラフォエピタキシャル成長させているので、
高い電子/正孔移動度を有し、動作性に優れる単結晶シ
リコン膜を得ることができる。本発明において単結晶に
は、亜粒界や転位を含有する単結晶も含む。また、単結
晶シリコンのみでなく、単結晶ガリウム・砒素,単結晶
シリコン・ゲルマニウム等の化合物半導体もエピタキシ
ャル成長させることができることは当然である。
【0104】また、半導体膜が単結晶シリコンである場
合、少なくともシリコン膜形成領域に単結晶シリコンと
格子整合の良い物質層を形成し、物質層を含むシリコン
膜形成領域に単結晶シリコン膜をヘテロエピタキシャル
成長させることもできる。即ち基板に単結晶シリコンと
格子整合の良い物質層を形成し、この物質層を含む基板
上に単結晶シリコン膜をヘテロエピタキシャル成長させ
ているので、高い電子/正孔移動度を有し、動作性に優
れる単結晶シリコン膜を得ることができる。この単結晶
シリコンと格子整合の良い物質層は、サファイアまたは
スピネル構造体またはフッ化カルシウムを含む群より選
ばれた少なくとも一種以上の物質とする。
【0105】また、本発明では、半導体膜および絶縁膜
形成工程と、レーザーアニール工程と、レーザーアニー
ル工程の後工程としての水蒸気アニール工程と、プラズ
マまたはスパッタリングによりクリーニングするクリー
ニング工程と、を備えるようにすることもできる。
【0106】本発明では、真空容器1内で半導体膜およ
び絶縁膜を形成し、真空容器1外のレーザーアニール装
置内でレーザーアニール工程を、真空容器1外の水蒸気
アニール装置内で水蒸気アニール工程を行う。ただし、
真空容器1内に、成膜室43と、レーザーアニール室4
4と、水蒸気アニール室45と、を設けるように構成し
ても良い。真空容器1内の成膜室43で半導体膜および
絶縁膜形成工程を行い、真空容器1内のレーザーアニー
ル室44でレーザーアニール工程を行い、真空容器1内
の水蒸気アニール室45で水蒸気アニール工程を行い、
半導体膜形成工程とレーザーアニール工程と水蒸気アニ
ール工程とを真空容器1内で連続して行う。
【0107】また、成膜室46とは別に真空装置1内に
絶縁膜成膜室47を設け、この絶縁膜成膜室47内で絶
縁膜を成膜することもできる。真空容器1内の半導体膜
成膜室46で半導体膜を形成し、真空容器1内のレーザ
ーアニール室44でレーザーアニール工程を行い、真空
容器1内の絶縁膜成膜室47で絶縁膜を形成し、真空容
器1内の水蒸気アニール室45で水蒸気アニール工程を
行い、半導体膜の形成とレーザーアニール工程と絶縁膜
の形成と水蒸気アニール工程とを真空容器1内で連続し
て行う。
【0108】本発明に係る半導体膜形成方法は、バイア
ス触媒CVDまたは高密度バイアス触媒CVDだけでな
く、バイアス減圧CVDまたはバイアス常圧CVDで行
うこともできる。バイアス減圧CVD、バイアス常圧C
VDとは、電界を印加して減圧CVD、常圧CVDを行
う方法である。常圧CVDとは、NPCVD(Norm
al Pressure CVD)とも呼ばれ、真空装
置を用いずに常圧で行うCVDである。高周波または赤
外線により基板を直接加熱する点に特徴があり、Col
d Wall形の容器を用いる。また、減圧CVDと
は、LPCVD(Low Pressure CVD)
とも呼ばれ、10〜10Pa程度に減圧して行うCV
D法である。基板を抵抗加熱により加熱する点に特徴が
あり、Hot Wall形の容器を用いる。常圧CV
D、減圧CVDは、基板を数百℃以上の高温に加熱して
薄膜を形成する点で、プラズマCVD、触媒CVD等と
異なる。
【0109】本発明では、半導体膜形成工程または半導
体膜および絶縁膜形成工程で形成された直後の半導体膜
が、該半導体膜内の少なくともキャリアチャンネル領域
における酸素,炭素,窒素のそれぞれの濃度が1×10
19atoms/cm以下、水素濃度が0.01原子
%/cm以上である半導体膜となるようにする。ま
た、レーザーアニール工程,水蒸気アニール工程でアニ
ールされた後の半導体膜も、少なくともキャリアチャン
ネル領域における酸素,炭素,窒素のそれぞれの濃度が
1×1019atoms/cm以下、水素濃度が0.
01原子%/cm 以上となるようにする。
【0110】また、本発明に係る薄膜半導体装置の製造
方法は、バイアス触媒CVDまたは高密度バイアス触媒
CVDを利用してトップゲート型TFTを製造する方法
である。真空容器1に少なくとも原料ガスを供給して、
真空容器1中で、基板10上に、保護膜と、半導体膜
と、ゲート絶縁膜と、を連続成膜する。その後、この半
導体膜をレーザーアニール処理し、次いで、ソース/ト
ップゲート/ドレイン電極を形成する。
【0111】また、本発明に係る薄膜半導体装置の製造
方法は、バイアス触媒CVDまたは高密度バイアス触媒
CVDを利用してボトムゲート型TFTを製造する方法
である。基板10上にボトムゲート電極を形成し、真空
容器1に少なくとも原料ガスを供給して、真空容器1中
で、ボトムゲート電極上に保護膜と、ボトムゲート絶縁
膜と、半導体膜と、保護膜とを連続成膜し、その後で、
前記半導体膜をレーザーアニール処理して多結晶半導体
膜とし、次いで、ソース/ドレイン電極を形成する。
【0112】また、本発明に係る薄膜半導体装置の製造
方法は、バイアス触媒CVDまたは高密度バイアス触媒
CVDを利用してデュアルゲート型TFTを製造する方
法である。基板10上にボトムゲート電極を形成し、真
空容器1に少なくとも原料ガスを供給して、真空容器1
中で、ボトムゲート電極上に保護膜と、ボトムゲート絶
縁膜と、半導体膜と、トップゲート絶縁膜とを連続成膜
し、その後、前記半導体膜をレーザーアニール処理して
多結晶半導体膜とし、次いで、ソース/トップゲート/
ドレイン電極を形成する。
【0113】このとき、水素ガスとモノシランガスとア
ンモニアガスとからなる原料ガスを前記真空容器内に供
給して窒化シリコン膜を形成することができる。また、
水素ガスとモノシランガスとヘリウム希釈の酸素ガスと
からなる原料ガスを前記真空容器内に供給して酸化シリ
コン膜を形成することができる。さらに、水素ガスと、
シランガスと、からなる原料ガスを前記真空容器内に供
給して、アモルファスシリコン膜または微結晶シリコン
膜またはポリシリコン膜を形成することができる。この
とき、前記モノシランガスに、リンまたは砒素またはア
ンチモンを混入してN型不純物キャリア濃度のアモルフ
ァスシリコン膜または微結晶シリコン膜またはポリシリ
コン膜を形成するとよい。また、前記モノシランガスま
たは前記シランガスに、ボロンを混入してP型不純物キ
ャリア濃度のアモルファスシリコン膜または微結晶シリ
コン膜またはポリシリコン膜を形成するとよい。
【0114】上記薄膜半導体装置の製造方法では、半導
体膜及び絶縁膜を形成した後にレーザーアニール処理し
ているが、その後で電極形成し、その後に水蒸気アニー
ル処理および電極のプラズマクリーニング及びスパッタ
クリーニングを行うようにすることもできる。また、レ
ーザーアニール処理を行わずに、電極形成後に水蒸気ア
ニール処理および電極のプラズマクリーニング及びスパ
ッタクリーニングを行うようにすることもできる。
【0115】本発明に係る薄膜形成方法及び薄膜半導体
装置の製造方法によれば、シリコン半導体装置、シリコ
ン半導体集積回路装置、シリコン−ゲルマニウム半導体
装置、シリコン−ゲルマニウム半導体集積回路装置、化
合物半導体装置、化合物半導体集積回路装置、炭化ケイ
素半導体装置、炭化ケイ素半導体集積回路装置、液晶表
示装置、有機/無機エレクトロルミネセンス表示装置、
フィールドエミッションディスプレイ装置、プラズマデ
ィスプレイパネル(PDP)装置、発光ポリマー表示装
置、発光ダイオード表示装置、CCDエリア/リニアセ
ンサ装置、MOSセンサ装置、高誘電率膜および強誘電
体メモリー装置、太陽電池等を製造することができる。
【0116】トップゲート型のみならず、ボトムゲート
及びデュアルゲート型TFTでも高い電子/正孔移動度
のポリシリコン膜または単結晶シリコン膜が得られる為
に、この高性能のポリシリコン膜半導体または単結晶シ
リコン膜半導体を使用した高速・高電流密度の半導体装
置、電気光学装置、更に高効率の太陽電池装置等の製造
が可能となる。本発明における他の詳細な事項、作用・
効果等は、次述する実施例においてより明確になるであ
ろう。
【0117】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を
限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変
することができるものである。図1は、本発明で用いる
薄膜形成装置Sの一実施例を示す概略図である。
【0118】<DCバイアス触媒CVD法とその装置>
本例では、触媒CVD法に基づいて、水素系キャリアガ
スとシランガス等の原料ガスとからなる反応ガスを加熱
されたタングステン等の触媒体に接触させ、これによっ
て生成したラジカルな堆積種又はその前駆体及びラジカ
ル水素イオンにグロー放電開始電圧以下の電界を作用さ
せて運動エネルギーを与え、基板上に多結晶シリコン等
の所定の膜を気相成長させるに際し、基板と対向電極と
の間にグロー放電開始電圧以下の直流電圧(パッシェン
の法則で決まる直流電圧、例えば、1kV以下の電圧)
を印加し、前記ラジカルな堆積種又はその前駆体及びラ
ジカル水素イオンを基板の側へ指向させる。以下、本例
のCVD法をDCバイアス触媒CVD法と称する。本例
のDCバイアス触媒CVD法は、図1〜図3に示す如き
成膜装置を用いて実施される。
【0119】この成膜装置(DCバイアス触媒CVD装
置)によれば、水素系キャリアガスと水素化ケイ素(例
えばモノシラン)等の原料ガス40(及び必要に応じて
やPHなどのドーピングガスも含む。)で構
成される反応ガスは、供給導管61からガスシャワーヘ
ッド3aの供給口43を通して成膜装置1へ導入され
る。成膜装置1の内部には、ガラス等の基板10を支持
するためのサセプタ2と、耐熱性の良い(望ましくは熱
触媒体5と同じか或いはそれ以上の融点を有する材質
の)ガスシャワーヘッド3aと、コイル状のタングステ
ン等の熱触媒体5と、更には開閉可能なシャッター67
とがそれぞれ配されている。なお、サセプタ2と成膜装
置1との間には磁気シール72が施されている。また、
成膜装置1は前工程を行なう前室73に後続され、ター
ボ分子ポンプ74等でバルブ75を介して排気される。
【0120】そして、基板10はサセプタ2内のヒータ
2b等の加熱手段で加熱され、また熱触媒体5は例えば
抵抗線として融点以下(特に800〜2000℃、タン
グステンの場合は約1600〜1700℃)に加熱され
て活性化される。熱触媒体5の両端子は直流又は交流の
触媒体電源68に接続され、この電源からの通電により
所定温度に加熱される。また、ガスシャワーヘッド3a
は加速電極として、導管61を介して可変の直流電源
(1kV以下、例えば500V)69の正極側に接続さ
れ、負極側のサセプタ2(従って、基板10)との間に
1kV以下の直流バイアス電圧が印加されるようになっ
ている。
【0121】このDCバイアス触媒CVD法を実施する
には、成膜装置1内の真空度を10 −4〜10−6Pa
とし、例えば水素系キャリアガス100〜200SCC
M(Standard cc per minute:
以下、同様)を供給して、触媒体5を所定温度に加熱し
て活性化した後に、水素化ケイ素(例えばモノシラン)
ガス1〜20SCCM(及び必要に応じてBや、
PH等のドーピングガスも適量含む。)からなる反応
ガス40を供給導管61からガスシャワーヘッド3aの
供給口43を通して導入して、ガス圧を10〜10−1
Pa、例えば1Paとする。ここで、水素系キャリアガ
スは、水素、水素+アルゴン、水素+ヘリウム、水素+
ネオン、水素+キセノン、水素+クリプトン等の、水素
に不活性ガスを適量混合させたガスであれば、いずれで
もよい(以下、同様)。尚、原料ガスの種類によって
は、必ずしも水素系キャリアガスは必要ではない。即
ち、水素系キャリアガスなしでシランのみの触媒反応で
ポリSiを成膜する方法(Hot Wire法と称され
ている。)が知られており、この方法にも本発明が適用
可能なためである。
【0122】反応ガス40の少なくとも一部は熱触媒体
5と接触して触媒的に分解し、触媒分解反応または熱分
解反応によって、高エネルギーをもつシリコン等のイオ
ン、ラジカル等の反応種の集団(即ち、堆積種又はその
前駆体及びラジカル水素イオン)を形成する。こうして
生成したイオン、ラジカル等の反応種70にグロー放電
開始電圧(約1kV)以下、例えば500Vの直流電源
69による直流電界を作用させて運動エネルギーを与
え、基板10の側へ指向させて、室温〜550℃(例え
ば200〜300℃)に保持された基板10上に多結晶
シリコン等の所定の膜を気相成長させる。
【0123】こうして、プラズマを発生することなく、
反応種に対し、熱触媒体5の触媒作用とその熱エネルギ
ーに直流電界による加速エネルギーを加えた指向性の運
動エネルギーを与えるので、反応ガスを効率良く反応種
に変えて、直流電界により基板10上に均一に熱CVD
法で堆積することができる。この堆積種56は基板10
上で泳動し、薄膜中で拡散するので、緻密でステップカ
バレージの良い平坦かつ均一な薄膜を形成できる。
【0124】従って、本実施の形態によるDCバイアス
触媒CVDは、従来の触媒CVDのコントロールファク
タである基板温度、触媒体温度、ガス圧(反応ガス流
量)、原料ガス種類等に比べ、独立した任意の直流電界
で薄膜生成をコントロールすることを追加するのが特長
である。このため、生成膜の基板との密着性をはじめ、
生成膜密度、生成膜均一性又は平滑性、ビアホールなど
への埋め込み性とステップカバレージを向上させ、基板
温度を一層低温化し、生成膜のストレスコントロール等
が可能となり、高品質膜(例えばバルクに近い物性のシ
リコン膜や金属膜)が得られる。しかも、熱触媒体5で
生成された反応種を直流電界で独立してコントロール
し、効率良く基板上に堆積できるので、反応ガスの利用
効率が高く、生成速度を早め、生産性向上と反応ガス削
減によるコストダウンを図れる。
【0125】また、基板温度を低温化しても堆積種の運
動エネルギーが大きいために、目的とする良質の膜が得
られることから、基板温度を上記のように更に低温化で
き、大型で安価な絶縁基板(ほうけい酸ガラス、アルミ
ノけい酸ガラス等のガラス基板、ポリイミド等の耐熱性
樹脂基板等)を使用でき、この点でもコストダウンが可
能となる。しかも、上記した反応種の加速のための電極
として、反応ガス供給用のガスシャワーヘッド3aを兼
用できるので、構造が簡略となる。
【0126】また、勿論のことであるが、プラズマの発
生がないので、プラズマによるダメージがなく、低スト
レスの生成膜が得られると共に、プラズマCVD法に比
べ、はるかにシンプルで安価な装置が実現する。
【0127】この場合、減圧下(例えば10−1〜1P
a)又は常圧下で操作を行なえるが、減圧タイプよりも
常圧タイプの方がよりシンプルで安価な装置が実現す
る。そして、常圧タイプでも上記の電界を加えるので、
密度、均一性、密着性のよい高品質膜が得られる。この
場合も、減圧タイプよりも常圧タイプの方がスループッ
トが大であり、生産性が高く、コストダウンが可能であ
る。
【0128】減圧タイプの場合は、直流電圧はガス圧
(反応ガス流量)や原料ガス種類等によって左右される
が、いずれにしても、グロー放電開始電圧以下の任意の
電圧に調整する必要がある。常圧タイプの場合は、放電
はしないが、原料ガス及び反応種の流れが膜厚及び膜質
に悪影響を及ぼさないように、基板上に排ガス流が接し
ないように排気を調整することが望ましい。なお、本例
では、図1に示すように、基板1をシャワーヘッド42
の上方に配したが、図4に示すように、基板10をシャ
ワーヘッド3aの下方に配してもよい。
【0129】また、本発明の特徴は、触媒CVD法によ
り薄膜を形成する際に、電界を印加する点にある。本発
明では、触媒CVD法により薄膜を形成する際に、グロ
ー放電開始電圧以下の直流電圧(即ち、パッシェンの法
則により決まるプラズマ発生電圧以下、例えば1kV以
下、数10V以上)を印加し、前記反応種を前記基板1
0の側へ指向させて、効率よく堆積させる。
【0130】前記電界として、グロー放電開始電圧以下
であって直流電圧(DC)に交流電圧を重畳させた電圧
(即ち、パッシェンの法則により決まるプラズマ発生電
圧以下、例えば1kV以下、数10V以上)を印加して
もよい。このようにすると、直流電圧に重畳させた交流
電圧により微妙な電界変化での指向性の運動エネルギー
を反応種に与えることができるため、上記した作用効果
に加えて、複雑な形状を有する基板10表面(凹凸段差
や高アスペクト比のビアホール等)にステップカバレー
ジが良く、均一で密着性及び密度の高い膜を形成でき
る。これと同様の作用効果は、前記電界を形成する電圧
(但し、その絶対値はグロー放電開始電圧以下であ
る。)として、高周波交流電圧のみ、又は低周波交流電
圧のみ、又は低周波交流電圧に高周波交流電圧を重畳さ
せた電圧を印加するときにも得られる。
【0131】上記の場合、前記交流電圧を高周波電圧
(RF)及び/又は低周波電圧(AC)としてよいが、
高周波電圧の周波数を1MHzより大きく1000MH
z以下である周波数、低周波電圧の周波数を1MHz以
下とするのがよい。
【0132】前記交流電圧を高周波電圧(RF)とする
RF/DCバイアス触媒CVD法について、説明する。 <RF/DCバイアス触媒CVD法とその装置>本例で
は、触媒CVD法に基づいて、水素系キャリアガスとシ
ランガス等の原料ガスから成る反応ガスを加熱されたタ
ングステン等の触媒体に接触させ、これによって生成し
たラジカルな堆積種又はその前駆体及びラジカル水素イ
オンにグロー放電開始電圧以下の電界を作用させて運動
エネルギーを与え、絶縁基板上に多結晶シリコン等の所
定の膜を気相成長させるに際し、基板と対向電極との間
にグロー放電開始電圧以下であって直流電圧に高周波電
圧を重畳させた電圧(パッシェンの法則で決まる電圧
で、例えば1kV以下の電圧)を印加し、前記ラジカル
な堆積種又はその前駆体及びラジカル水素イオンを基板
の側へ指向させると共に、微妙な電界変化での運動エネ
ルギーを与えるようにしてもよい。以下、このCVD法
を、RF/DCバイアス触媒CVD法と称する。
【0133】このRF/DCバイアス触媒CVD法は、
図5に示す如き成膜装置を用いて実施される。ガスシャ
ワーヘッド3aは加速電極として、導管61からロウパ
ス(高周波)フィルタ113を介して可変の直流電源
(1kV以下、例えば500V)69の正極側に接続さ
れ、また整合回路114を介して高周波電源115(1
00〜200Vp−p及び1〜100MHz、例えば1
50Vp−p、13.56MHz)に接続され、サセプ
タ2(従って、基板10)との間に1kV以下の高周波
電圧重畳の直流バイアス電圧が印加されるようになって
いる。その他のRF/DCバイアス触媒CVD法とその
装置の構成は、既に説明したDCバイアス触媒CVD法
とその装置の構成と同様である。
【0134】前記交流電圧を高周波電圧(RF)とする
AC/DCバイアス触媒CVD法について、説明する。 <AC/DCバイアス触媒CVD法とその装置>本例で
は、触媒CVD法に基づいて、水素系キャリアガスとシ
ランガス等の原料ガスから成る反応ガスを加熱されたタ
ングステン等の触媒体に接触させ、これによって生成し
たラジカルな堆積種又はその前駆体及びラジカル水素イ
オンにグロー放電開始電圧以下の電界を作用させて運動
エネルギーを与え、絶縁基板上に多結晶シリコン等の所
定の膜を気相成長させるに際し、基板と対向電極との間
にグロー放電開始電圧以下であって直流電圧に低周波電
圧を重畳させた電圧(パッシェンの法則で決まる電圧
で、例えば1kV以下の電圧)を印加し、前記ラジカル
な堆積種又はその前駆体及びラジカル水素イオンを基板
の側へ指向させると共に、電界変化での運動エネルギー
を与えるようにしてもよい。以下、このCVD法をAC
/DCバイアス触媒CVD法と称する。
【0135】このAC/DCバイアス触媒CVD法は、
図6に示す如き成膜装置を用いて実施される。シャワー
ヘッド3aは加速電極として、導管61を介して(上述
のロウパスフィルタ113は省略可)可変の直流電源
(1kV以下、例えば500V)69の正極側に接続さ
れ、また整合回路114を介して低周波電源125(1
00〜200VP−P及び1MHz以下、例えば150
P−P、26kHz)に接続され、サセプタ2(従っ
て、基板10)との間に1kV以下の低周波電圧重畳の
直流バイアス電圧が印加されるようになっている。
【0136】また、電界印加は、図7に示すように、加
速電極3aに電源の正極側を、サセプタ2(基板10)
に負極側(又はアース電位)を印加する方法(A)、又
は加速電極3aをアース電位とし、サセプタ2(基板1
0)に負極側を印加する方法(B)のいずれでもよい。
これは、装置構造、電源の種類、バイアス効果等に応じ
て決めればよい。
【0137】また、前記基板10又は前記サセプタ2と
前記反応ガス供給手段との間に前記熱触媒体と前記電界
印加用の電極とを設置してもよい。この電極は高耐熱性
材料、例えば熱触媒体と同じか、またはそれ以上の融点
をもつ材料で形成されるのが望ましい。
【0138】前記熱触媒体又は前記電界印加用の電極3
aはコイル状、ワイヤー状、メッシュ状又は多孔板状に
形成してよく、またガス流に沿って複数個又は復数枚配
設してよい。例えば、電極3aの形状を、図8(A)の
多孔板状、図8(B)のメッシュ状とすることができ
る。これによってガス流を効果的に形成しつつ、触媒体
とガスとの接触面積を増大させ、触媒反応を十分に生ぜ
しめることができる。ガス流に沿って複数個又は復数枚
配設する場合は、互いに同じ材質又は互いに異なる材質
の触媒体又は電極3aとしてもよい。又、複数個又は複
数枚配設した触媒体のそれぞれに互いに異なる電界、例
えばDCとAC/DC、DCとRF/DC、AC/DC
とRF/DCを印加して、独立してコントロールしても
よい。
【0139】また、成膜時又は成膜中に前記触媒体の触
媒作用で反応ガスからイオン等の反応種が発生し、これ
により基板がチャージアップして膜又はデバイスの性能
を劣化させることがある。これを防止するために、前記
反応種に帯電防止用の荷電粒子(電子ビーム又はプロト
ンなど、特に電子ビーム)を照射してイオンを中和する
ことが望ましい。即ち、サセプタ2の近傍に、荷電粒子
照射手段が設置されているのがよい。
【0140】例えば、RF/DCバイアス触媒CVD法
及びその装置において、図9に示すように、基板10又
はサセプタ2の近傍に荷電粒子又はイオン(例えばエレ
クトロン)シャワー100を配設するとよい。
【0141】本発明の特徴の一つは、バイアス触媒CV
D用の熱触媒体5を利用して成膜を行う他、チャンバ内
に水素系キャリアガスを導入して、界面欠陥低減のため
の表面処理を行う点にも存する。この点を、以下に詳説
する。上述したバイアス触媒CVD法において、導入す
るガスの種類を変えてやると、基板の表面を改質したり
クリーニングしたりする表面処理を行うことができる。
このように、基板表面を処理した後に成膜を行うと、界
面欠陥の極めて少ない良質な成膜を行うことが可能とな
る。
【0142】本例では、基板10の表面に改質及びクリ
ーニングを施すために、ガスシャワーヘッド3aからキ
ャリアガスとしての水素系ガスを導入する。水素系ガス
としては、水素ガス或いは水素ガスに不活性ガスである
アルゴン,ヘリウム,ネオンを含めたもの等があるが、
本実施態様では水素ガスのみを用いた例で説明する。水
素ガスは熱触媒体5との接触分解反応により活性化さ
れ、この活性化水素イオンHによって基板表面の自然
酸化膜や水分,汚れを除去するクリーニングが行える。
また、活性化水素イオンHにより、熱触媒体5の酸化
を防ぎ、熱触媒体5の劣化を防止することができる。こ
のとき、電界を印加することによって、活性化水素イオ
ンHによるクリーニング作用が効率的なものになる。
【0143】本発明の特徴の一つは、バイアス触媒CV
Dにより半導体膜,絶縁膜を形成する場合において、上
記キャリアガス及び原料ガスの導入時間及びタイミング
により、所望の品質及び速度で成膜を行うことができる
点にある。以下、図10乃至図15を参照して、図1の
装置におけるキャリアガス及び原料ガスの導入方法につ
いて説明する。なお、図10乃至図15では、一例とし
て、基板上に保護膜用の窒化シリコン膜及び酸化シリコ
ン膜、ポリシリコン膜、ゲート絶縁膜用の酸化シリコン
膜を形成する場合について説明する。
【0144】図10乃至図12に示すガス導入形態は、
前提として、キャリアガスとしての水素ガスを、成膜装
置1内に一定量連続して導入するものである。先ず、図
10に示すガス導入形態について説明する。図10で
は、各種の成膜を行う前に、その都度、基板10の表面
をクリーニングする場合が示されており、この場合のキ
ャリアガスとしての水素ガス及び原料ガスの導入形態が
示されている。
【0145】まず、不図示のゲートバルブを通して成膜
装置1内に基板10を搬入し、サセプタ2に載置する。
次いで、排気系1aを動作させて成膜装置1内を所定圧
力まで排気するとともに、サセプタ2に内蔵されたヒー
タ2aを動作させて基板10を所定温度まで加熱する。
【0146】そして、ガス導入系3を動作させて、まず
水素ガス150SCCMを成膜装置1内に導入する。導
入された水素ガスの一部は、熱触媒体5による接触分解
反応および触媒反応により活性化水素イオンHとな
り、電界印加により効率よく基板表面に到達して、基板
10の表面クリーニングを行う。
【0147】上記のように、成膜装置1内に水素ガスが
供給されている状態で、ガス導入系3を動作させ、第1
の原料ガス(アンモニア50SCCM及びモノシラン1
5SCCM)を成膜装置1内に導入する。グロー放電開
始電圧以下の直流電圧(即ち、パッシェンの法則により
決まるプラズマ発生電圧以下、例えば1kV以下、数1
0V以上)をサセプタ2とガスシャワーヘッド3aとの
間に印加する。これによって、熱触媒体5の熱分解反応
および触媒反応により第1の原料ガスから形成された高
エネルギーの反応種の集団が、前記基板10の側へ指向
される。前記反応種の集団が、基板10に到達し、第1
の薄膜として窒化シリコン膜の形成が基板表面に作成さ
れる。
【0148】その後、第1の原料ガスの導入を停止し
て、成膜装置1内から第1の原料ガスを排出する。本例
では、第1の原料ガスの排出後、所定時間経過した後
に、第2の原料ガスが導入される。このとき、水素ガス
は引き続き成膜装置1内に導入されている。したがっ
て、活性化水素イオンHにより、第1の膜が形成され
た基板表面の水や酸素等の分子付着が除去され、界面準
位を低減させることができる。
【0149】上記のように、活性化水素イオンHによ
り第1の膜が形成された基板表面がクリーニングされた
後で、第2の原料ガス(モノシラン15SCCM及びヘ
リウム希釈酸素1〜2SCCM)を導入する。グロー放
電開始電圧以下の直流電圧(例えば1kV以下、数10
V以上)をサセプタ2とガスシャワーヘッド3aとの間
に印加する。これによって、熱触媒体5の熱分解反応お
よび触媒反応により第2の原料ガスから形成された高エ
ネルギーの反応種の集団が、前記基板10の側へ指向さ
れる。前記反応種の集団が、基板10に到達し、酸化シ
リコン膜が基板10表面に作成される。
【0150】その後、第2の原料ガスの導入を停止し
て、処理容器1内から第2の原料ガスを排気する。第2
の原料ガスの排気後、常時導入されている水素ガスによ
る活性化水素イオンHにより酸化シリコン膜が形成さ
れた基板表面がクリーニングされた後で、第3の原料ガ
ス(モノシラン15SCCM)を導入する。グロー放電
開始電圧以下の直流電圧(例えば1kV以下、数10V
以上)をサセプタ2とガスシャワーヘッド3aとの間に
印加する。これによって、熱触媒体5の熱分解反応およ
び触媒反応により第3の原料ガスから形成された高エネ
ルギーの反応種の集団が、前記基板10の側へ指向され
る。前記反応種の集団が、基板10に到達し、ポリシリ
コン膜が基板10表面に作成される。
【0151】前記工程と同様に、その後第3の原料ガス
の導入を停止して、成膜装置1内から第3の原料ガスを
排出する。第3の原料ガスの排気後、引き続き導入され
ている水素ガスによる活性化水素イオンHにより半導
体膜が形成された基板表面がクリーニングされた後で、
第4の原料ガス(モノシラン15SCCM及びヘリウム
希釈酸素1〜2SCCM)を導入する。グロー放電開始
電圧以下の直流電圧(例えば1kV以下、数10V以
上)をサセプタ2とガスシャワーヘッド3aとの間に印
加する。これによって、熱触媒体5の熱分解反応および
触媒反応により第4の原料ガスから形成された高エネル
ギーの反応種の集団が、前記基板10の側へ指向され
る。前記反応種の集団が、基板10に到達し、酸化シリ
コン膜が基板表面に作成される。
【0152】このように、図10に示すガスの導入方法
によれば、各種の成膜後、所定時間において活性化水素
イオンHにより基板10の表面をクリーニングするの
で、基板上に高品質の半導体膜を形成することが可能と
なる。また、常に成膜装置1内に水素ガスを導入してい
るので、熱触媒体5の酸化劣化を防止することができ
る。
【0153】次に、図11に示すように、最初に基板表
面を所定時間クリーニングし、その後は各種の原料ガス
を連続して導入し、成膜を行う場合について説明する。
まず、不図示のゲートバルブを通して成膜装置1内に基
板10を搬入し、サセプタ2に載置する。次いで、排気
系1aを動作させて成膜装置1内を所定圧力まで排気す
るとともに、サセプタ2に内蔵されたヒータ2aを動作
させて基板10を所定温度まで加熱する。
【0154】そして、ガス導入系3を動作させて、まず
水素ガス150SCCMを成膜装置1内に導入する。導
入された水素ガスのうち一部は、熱触媒体5による接触
分解反応により活性化水素イオンHとなり、基板表面
に到達して、基板10の表面クリーニングを行う。
【0155】上記のように、成膜装置1内に水素ガスが
供給されている状態で、ガス導入系3を動作させ、第1
の原料ガス(アンモニア50SCCM及びモノシラン1
5SCCM)を成膜装置1内に導入する。グロー放電開
始電圧以下の直流電圧(例えば1kV以下、数10V以
上)をサセプタ2とガスシャワーヘッド3aとの間に印
加する。これによって、熱触媒体5の熱分解反応および
触媒反応により第1の原料ガスから形成された高エネル
ギーの反応種の集団が、前記基板10の側へ指向され
る。前記反応種の集団が、基板10に到達し、第1の窒
化シリコン膜が基板10の表面に作成される。
【0156】その後、第1の原料ガスの導入を停止し
て、成膜装置1内から第1の原料ガスを排出する。本例
では、第1の原料ガスの排出後、間を置かずに、第2の
原料ガス(モノシラン15SCCM及びヘリウム希釈酸
素1〜2SCCM)が導入される。酸化シリコン膜の形
成と、第2の原料ガスの排気後は、同様に、間を置かず
に第3の原料ガスが導入され、次いで第4の原料ガスが
導入される。このように連続で成膜するため、より速く
各成膜工程に移行し、成膜を行うことができる。なお、
このときも水素ガスは引き続き成膜装置1内に導入され
ている。このため熱触媒体の酸化による劣化を防止する
ことができる。
【0157】なお、上記ガス導入方法において、少なく
ともポリシリコン膜の成膜前に、活性化水素イオンH
による表面のクリーニングを行うことにより、確実に高
品質なポリシリコン膜を得ることが可能となり、好適で
ある。
【0158】さらに、図12に示すように、傾斜接合膜
を形成する場合の水素ガス及び原料ガスの導入形態につ
いて説明する。まず、不図示のゲートバルブを通して成
膜装置1内に基板10を搬入し、サセプタ2に載置す
る。次いで、排気系1aを動作させて成膜装置1内を所
定圧力まで排気するとともに、サセプタ2に内蔵された
ヒータ2aを動作させて基板10を所定温度まで加熱す
る。
【0159】そして、ガス導入系3を動作させて、ま
ず、水素ガスを成膜装置1内に導入する。導入された水
素ガスは、熱触媒体5による接触分解反応により活性化
水素イオンHとなり、基板表面に到達して、基板10
の表面クリーニングを行う。
【0160】上記のように、成膜装置1内に水素ガスが
供給されている状態で、ガス導入系3を動作させ、第1
の原料ガス(アンモニア50SCCM及びモノシラン1
5SCCM)を成膜装置1内に導入する。グロー放電開
始電圧以下の直流電圧(例えば1kV以下、数10V以
上)をサセプタ2とガスシャワーヘッド3aとの間に印
加する。これによって、熱触媒体5の熱分解反応および
触媒反応により第1の原料ガスから形成された高エネル
ギーの反応種の集団が、前記基板10の側へ指向され
る。前記反応種の集団が、基板10に到達し、第1の窒
化シリコン膜が基板表面に作成される。
【0161】その後、第1の原料ガスの導入を停止し
て、成膜装置1内から第1の原料ガスを排出する。本例
では、第1の原料ガスが完全に排出される前に、第2の
原料ガス(モノシラン15SCCM及びヘリウム希釈酸
素1〜2SCCM)が導入される。このように、第1の
原料ガスの導入量を徐々に減少させるとともに、第2の
原料ガスの導入量を徐々に増加させることにより、成膜
装置1内には、所定時間、第1の原料ガスと第2の原料
ガスが占有率を変えながら混在することになる。このよ
うにして、第1の薄膜と、第2の薄膜との境界が明確に
分割されていない、いわゆる傾斜接合の膜,例えば、窒
化シリコン−酸窒化シリコン−酸化シリコンの膜にする
ことができる。但し、MOSTFT特性が悪くなるの
で、ゲート絶縁膜の酸化シリコン膜とシリコン膜(ポリ
シリコン,単結晶シリコン,アモルファスシリコン,微
結晶シリコン等)は傾斜接合としない。なお、このとき
も水素ガスは、引き続き成膜装置1内に導入されてい
る。このため熱触媒体の酸化による劣化を防止すること
ができる。
【0162】上記のように、活性化水素イオンHを常
時発生させ、基板10の表面が常にクリーニングされる
ように構成されているので、酸化シリコン膜とポリシリ
コン膜の界面にアモルファスシリコンの遷移層が形成さ
れず、高品質な半導体膜層を形成することが可能とな
る。
【0163】また、必要に応じて、成膜する前に活性化
水素イオンHで基板10の表面を常時クリーニングし
て、表面改質処理するので、基板10の表面の水や酸素
等の分子付着が除去されて界面準位が低減し、それぞれ
の膜間のストレスが低く、高品質の薄膜(窒化シリコン
膜、酸化シリコン膜、ポリシリコン膜等)とすることが
可能となる。特に、ゲート絶縁膜とポリシリコン膜を連
続的に成膜する際に、活性化水素イオンHにさらす処
理を行なうと、水素アニール効果により、界面準位密度
の低い半導体−絶縁体接合構造の高品質半導体装置を製
造することが可能となる。
【0164】次に、図13乃至図15に示すガス導入形
態について説明する。図13乃至図15に示すガス導入
形態は、キャリアガスとしての水素ガスを、途中で停止
し、または低減させることにより、高速に被膜を形成す
るものである。先ず、図13に示すガス導入形態につい
て説明する。図13では、各種の成膜を行う前に、その
都度、基板10の表面をクリーニングする場合を示し、
この場合のキャリアガスとしての水素ガス及び原料ガス
の導入形態を示している。
【0165】まず、不図示のゲートバルブを通して成膜
装置1内に基板10を搬入し、サセプタ2に載置する。
次いで、排気系1aを動作させて成膜装置1内を所定圧
力まで下げるとともに、サセプタ2に内蔵されたヒータ
2aを動作させて、基板10を所定温度まで加熱する。
【0166】そして、ガス導入系3を動作させて、まず
水素ガス150SCCMを成膜装置1内に導入する。導
入された水素ガスは、一部が熱触媒体5による接触分解
反応により活性化水素イオンHとなり、基板表面に到
達して、基板10の表面クリーニングを行う。
【0167】上記のように、成膜装置1内に水素ガスが
供給されている状態で、ガス導入系3を動作させ、第1
の原料ガス(アンモニア50SCCM及びモノシラン1
5SCCM)を成膜装置1内に導入する。グロー放電開
始電圧以下の直流電圧(例えば1kV以下、数10V以
上)をサセプタ2とガスシャワーヘッド3aとの間に印
加する。これによって、熱触媒体5の熱分解反応および
触媒反応により第1の原料ガスから形成された高エネル
ギーの反応種の集団が、前記基板10の側へ指向され
る。前記反応種の集団が、基板10に到達し、第1の薄
膜として窒化シリコン膜の形成が基板表面において開始
される。
【0168】その後、マスフローコントローラーMを制
御して、水素ガスの供給を低減または停止させる。これ
により、成膜装置1内では第1の原料ガスの割合が高く
なるため、基板10上で窒化シリコン膜の形成速度が高
速となる。第1の薄膜の形成が終わったら、第1の原料
ガスの導入を停止して、成膜装置1内から第1の原料ガ
スを排出する。
【0169】成膜装置1から第1の原料ガスが排出され
たら、再びキャリアガスとしての水素ガス150SCC
Mを導入し、活性化水素イオンHにより、第1の薄膜
が形成された基板10の表面の水や酸素等の分子付着を
除去し、界面準位を低減させる。水素ガスのみを所定時
間導入した後に、第2の原料ガス(モノシラン15SC
CM及びヘリウム希釈酸素1〜2SCCM)を導入す
る。グロー放電開始電圧以下の直流電圧(例えば1kV
以下、数10V以上)をサセプタ2とガスシャワーヘッ
ド3aとの間に印加する。これによって、熱触媒体5の
熱分解反応および触媒反応により第2の原料ガスから形
成された高エネルギーの反応種の集団が、前記基板10
の側へ指向される。前記反応種の集団が、基板10に到
達し、酸化シリコン膜の形成が基板表面において開始さ
れる。
【0170】その後、マスフローコントローラーMを制
御して、水素ガスの供給を低減または停止させる。これ
により成膜装置1内では第2の原料ガスの割合が高くな
るため、基板10上で酸化シリコン膜の形成速度が高速
となる。酸化シリコン膜の形成が終わったら、第2の原
料ガスの導入を停止して、成膜装置1内から第2の原料
ガスを排出する。
【0171】成膜装置1から第2の原料ガスが排出され
たら、再びキャリアガスとしての水素ガス150SCC
Mを導入し、活性化水素イオンHにより、絶縁膜が形
成された基板10の表面の水や酸素等の分子付着を除去
し、界面準位を低減させる。水素ガスのみを所定時間導
入した後に、第3の原料ガス(モノシラン15SCC
M)を導入する。グロー放電開始電圧以下の直流電圧
(例えば1kV以下、数10V以上)をサセプタ2とガ
スシャワーヘッド3aとの間に印加する。これによっ
て、熱触媒体5の熱分解反応および触媒反応により第3
の原料ガスから形成された高エネルギーの反応種の集団
が、前記基板10の側へ指向される。前記反応種の集団
が、基板10に到達し、半導体膜としてのポリシリコン
膜の形成が基板表面において開始される。
【0172】その後、マスフローコントローラーMを制
御して、水素ガスの供給を低減または停止させる。これ
により成膜装置1内では第3の原料ガスの割合が高くな
るため、基板10上で半導体膜の形成速度が高速とな
る。半導体膜の形成が終わったら、第3の原料ガスの導
入を停止して、成膜装置1内から第3の原料ガスを排出
する。
【0173】成膜装置1から第3の原料ガスが排出され
たら、再びキャリアガスとしての水素ガス150SCC
Mを導入し、活性化水素イオンHにより、第3の薄膜
が形成された基板表面の水や酸素等の分子付着を除去
し、界面準位を低減させる。水素ガスのみを所定時間導
入した後に、第4の原料ガス(モノシラン15SCCM
及びヘリウム希釈酸素1〜2SCCM)を導入する。グ
ロー放電開始電圧以下の直流電圧(例えば1kV以下、
数10V以上)をサセプタ2とガスシャワーヘッド3a
との間に印加する。これによって、熱触媒体5の熱分解
反応および触媒反応により第4の原料ガスから形成され
た高エネルギーの反応種の集団が、前記基板10の側へ
指向される。前記反応種の集団が、基板10に到達し、
酸化シリコン膜の形成が基板10の表面において開始さ
れる。
【0174】その後、マスフローコントローラーMを制
御して、水素ガスの供給を低減または停止させる。これ
により成膜装置1内では第4の原料ガスの割合が高くな
るため、基板10上で酸化シリコン膜の形成速度が高速
となる。第4の薄膜の形成が終わったら、第4の原料ガ
スの導入を停止して、成膜装置1内から第4の原料ガス
を排出する。
【0175】このように、図13に示すガスの導入方法
によれば、各種の成膜後、所定時間において活性化水素
イオンHにより基板10の表面をクリーニングするの
で、基板10上に高品質の半導体膜および絶縁膜を形成
することが可能となる。また、各薄膜形成工程それぞれ
において、水素ガスの導入を低減または停止し原料ガス
濃度を高くしているので、基板10への薄膜形成を高速
で行うことができ、作業性を向上させることが可能とな
る。
【0176】次に、図14に示すように、最初に基板1
0の表面を所定時間クリーニングし、その後は各種の原
料ガスを連続して導入し、成膜を行う場合について説明
する。まず、不図示のゲートバルブを通して成膜装置1
内に基板10を搬入し、サセプタ2に載置する。次い
で、排気系1aを動作させて成膜装置1内を所定圧力ま
で下げるとともに、サセプタ2に内蔵されたヒータ2a
を動作させて基板10を所定温度まで加熱する。
【0177】そして、ガス導入系3を動作させて、まず
水素ガス150SCCMを成膜装置1内に導入する。導
入された水素ガスは、熱触媒体5による接触分解反応に
より活性化水素イオンHとなり、基板10の表面に到
達して、基板10の表面クリーニングを行う。
【0178】上記のように、成膜装置1内に水素ガスが
供給されている状態で、ガス導入系3を動作させ、第1
の原料ガス(アンモニア50SCCM及びモノシラン1
5SCCM)を成膜装置1内に導入する。グロー放電開
始電圧以下の直流電圧(例えば1kV以下、数10V以
上)をサセプタ2とガスシャワーヘッド3aとの間に印
加する。これによって、熱触媒体5の熱分解反応および
触媒反応により第1の原料ガスから形成された高エネル
ギーの反応種の集団が、前記基板10の側へ指向され
る。前記反応種の集団が、基板10に到達し、窒化シリ
コン膜の形成が基板表面において開始される。
【0179】その後、マスフローコントローラーMを制
御して、水素ガスの供給を低減または停止させる。これ
により成膜装置1内では第1の原料ガスの割合が高くな
るため、基板10上で窒化シリコン膜の形成速度が高速
となる。窒化シリコン膜の形成が終わったら、第1の原
料ガスの導入を停止して、成膜装置1内から第1の原料
ガスを排出する。
【0180】本例では、第1の原料ガスの排出後、間を
置かずに、水素ガス及び第2の原料ガス(モノシラン1
5SCCM及びヘリウム希釈酸素1〜2SCCM)が導
入される。同様に第2の原料ガスの排気後は、間を置か
ずに第3の原料ガス(モノシランガス15SCCM)が
導入され、次いで第4の原料ガス(モノシラン15SC
CM及びヘリウム希釈酸素1〜2SCCM)が導入され
る。このように連続で成膜するため、より速く各成膜工
程に移行し、成膜を行うことができる。
【0181】なお、上記ガス導入方法において、少なく
ともポリシリコン膜の成膜前に、活性化水素イオンH
による表面クリーニングを行うことにより、確実に高品
質なポリシリコン膜を得ることが可能となり、好適であ
る。
【0182】さらに、図15に示すように、傾斜接合膜
を形成する場合の水素ガス及び原料ガスの導入形態につ
いて説明する。まず、不図示のゲートバルブを通して成
膜装置1内に基板10を搬入し、サセプタ2に載置す
る。次いで、排気系1aを動作させて成膜装置1内を所
定圧力まで下げるとともに、サセプタ2に内蔵されたヒ
ータ2aを動作させて基板10を所定温度まで加熱す
る。
【0183】そして、ガス導入系3を動作させて、まず
水素ガス150SCCMを成膜装置1内に導入する。導
入された水素ガスは、熱触媒体5による接触分解反応に
より活性化水素イオンHとなり、基板10の表面に到
達して、基板10の表面クリーニングを行う。
【0184】上記のように、成膜装置1内に水素ガスが
供給されている状態で、ガス導入系3を動作させ、第1
の原料ガス(アンモニア50SCCM及びモノシラン1
5SCCM)を成膜装置1内に導入する。グロー放電開
始電圧以下の直流電圧(例えば1kV以下、数10V以
上)をサセプタ2とガスシャワーヘッド3aとの間に印
加する。これによって、熱触媒体5の熱分解反応および
触媒反応により第1の原料ガスから形成された高エネル
ギーの反応種の集団が、前記基板10の側へ指向され
る。前記反応種の集団が、基板10に到達し、第1の薄
膜として窒化シリコン膜の形成が基板10の表面におい
て開始される。
【0185】その後、マスフローコントローラーMを制
御して、水素ガスの供給を低減または停止させる。これ
により成膜装置1内では第1の原料ガスの割合が高くな
るため、基板10上で薄膜の形成速度が高速となる。窒
化シリコン膜の形成が終わったら、第1の原料ガスの導
入を停止して、成膜装置1内から第1の原料ガスを排出
する。
【0186】本例では、第1の原料ガスが完全に排出さ
れる前に、第2の原料ガス(モノシラン15SCCM及
びヘリウム希釈酸素1〜2SCCM)が導入され、電界
が印加される。このように、第1の原料ガスの導入量を
徐々に減少させるとともに、第2の原料ガスの導入量を
徐々に増加させることにより、成膜装置1内には、所定
時間、第1の原料ガスと第2の原料ガスが占有率を変え
ながら混在することになる。このようにして、窒化シリ
コン膜と、酸化シリコン膜との境界が明確に分割されて
いない、いわゆる傾斜接合の絶縁膜,例えば、窒化シリ
コン−酸窒化シリコン−酸化シリコンの膜にすることが
できる。次に、第3の原料ガス(モノシランガス15S
CCM)、第2の原料ガスと同じ第4の原料ガス(モノ
シラン15SCCM及びヘリウム希釈酸素1〜2SCC
M)を導入し、電界を印加して連続膜を成膜する。絶縁
膜を傾斜接合により積層することにより、膜間のストレ
スを低減させることができ、さらに、半導体膜を連続成
膜することにより、より高品質な半導体−絶縁体接合構
造の半導体装置を製造することが可能となる。
【0187】なお、上記ガス導入方法において、少なく
ともポリシリコン膜の成膜前に、活性化水素イオンH
による表面のクリーニングを行うことにより、確実に高
品質なポリシリコン膜を得ることが可能となり、好適で
ある。
【0188】上記のように、基板10に絶縁膜または半
導体膜を形成するときに、少なくとも成膜前に活性化水
素イオンHでクリーニングさせ、原料ガスを供給して
成膜を開始し、所定膜厚後に水素キャリアガスを低減、
またはカットして、絶縁膜または半導体膜を高速で成膜
するので、生産性が高く、コストダウンを実現すること
が可能となる。
【0189】また、成膜する前に活性化水素イオンH
で基板10の表面を常時クリーニングして、表面改質処
理するので、基板表面の水や酸素等の分子付着が除去さ
れて界面準位が低減し、それぞれの膜間のストレスが低
く、高品質の成膜(窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、
酸窒化シリコン膜、ポリシリコン膜等)とすることが可
能となる。特に、ゲート絶縁膜とポリシリコン膜を連続
的に成膜する際に、活性化水素イオンHにさらす処理
を行なうと、水素アニール効果により、界面準位密度の
低い半導体−絶縁体接合構造の高品質半導体装置を製造
することが可能となる。なお、水素キャリアガスをカッ
トした場合でもモノシランの触媒分解反応により高いエ
ネルギーのシリコン原子と同時に活性化水素イオンH
が発生しているので、熱触媒体5が酸化劣化することは
少ない。
【0190】図16に、上記ガス導入を可能にするため
の、ガス供給系3の構成を詳細に示す。ガス供給系3で
は、キャリアガスとしての水素ガス、及び各種の原料ガ
スの供給源から、手動バルブ3c及び自動バルブ3dを
開閉させることにより、状況に応じて、所定のガスを成
膜装置1内に導くように構成されている。
【0191】図16に示すガス供給系3では、複数種の
キャリアガス供給源を有しており、キャリアガスとし
て、各種の水素系ガスから所望のガスを選択できるよう
に構成されている。すなわち、選択されたキャリアガス
の手動バルブ3c或いは自動バルブ3dを開放し、マス
フローコントローラー(MFC)Mを介して成膜装置1
内へ導くものである。なお、本例では三方弁3eが配設
されており、選択されたガスを成膜装置1内へ導入する
か、真空排気されるか、が最終的に決定されるように構
成されている。不活性ガス,例えばヘリウム希釈酸素の
ガスは、別系の排気手段から排気されるものとする。
【0192】なお、上記成膜の速度を高める技術とし
て、成膜途中で原料ガスの濃度を高める等の技術を利用
した例を示したが、全体のガス圧を高める技術によっ
て、高速成膜することも可能である。
【0193】つまり、上記実施例では、1〜20Paの
範囲で、特に概略10Paのガス圧が選定されている。
そこで、成膜初期は緻密な成膜(特にポリシリコン成膜
時にはアモルファスシリコンの遷移層形成防止)のため
に低いガス圧(例えば1Pa前後)としておき、途中か
ら高いガス圧(10〜20Pa)に変更することによっ
て高速成膜することが可能となる。
【0194】このとき、各原料ガスの混合比率は一定に
してもよいし、又は任意に変更することができる。例え
ば、ポリシリコンの場合を例にすると、初期にはガス圧
を1Pa前後とし、モノシラン(1〜2SCCM)、水
素ガス(15〜20SCCM)としておき、途中からガ
ス圧10Pa以上とし、モノシラン(15〜20SCC
M)、水素ガス(50〜100SCCM)とする、とい
うような構成にすることで、高速成膜することが可能と
なる。
【0195】そして、本発明の最大の特徴の一つは、連
続成膜または高速成膜した半導体膜、例えばゲート絶縁
膜および半導体膜をレーザーアニール処理する点にあ
る。本例のレーザーアニール処理では、結晶化しようと
するアモルファスシリコン薄膜または微結晶シリコン薄
膜、ポリシリコン薄膜に短波長パルスレーザーを照射し
たとき、そのレーザー光がアモルファスシリコン薄膜ま
たは微結晶シリコン薄膜、ポリシリコン薄膜の極表面の
みで吸収され、その後熱伝導によって半導体膜の内部が
溶けて再結晶化し、或はアニールされて結晶粒が大きく
なることを利用するものである。
【0196】例えばアモルファスシリコン薄膜としてa
−Si:H膜を用いこれに波長308nmのXeClエ
キシマレーザー光を照射した場合、この波長に対する吸
収係数は10cm−1に達するので、極表面(100
Å程度)で吸収され熱に変換される。この熱は直ちに熱
伝導によって半導体膜内部に伝わる。この様に膜の表面
又は内部が瞬間的に高温になるためにa−Si:H膜は
結晶化され、大粒径ポリシリコン膜が形成され、その特
性は著しく変化する。例えば膜の移動度が著しく増大
し、また光伝導度が低減する。またイオン注入された膜
はその不純物が活性化される。
【0197】本例で用いる短波長パルスレーザー光とし
ては、そのレーザー波長が100〜400nm、実用範
囲は150〜350nm、パルス幅が100nsec以
下のもの、具体的には10〜50nsec就中20ns
ecのものを用いる。また、パルスのピーク強度は、1
W/cm以上〜10W/cm以下とし、フル
ーエンス(1回のパルスのエネルギー)は1J/cm
以下、好ましくは50〜500mJ/cm以下、具体
的には、200〜300mJ/cmとする。なお、本
例ではエキシマレーザーアニール処理(ELA)する
が、これに限定されるものではなく、アルゴンレーザー
アニール処理(ALA)してもよい。
【0198】また、本例では、レーザービーム形状とし
て、ラインビーム(例えば、275×0.3〜0.4m
)のものを用いる。なお、エリアビーム(例えば、
100×100mm)のレーザービーム形状のものを
使用してもよい。このように、バイアス触媒CVD法等
により、連続成膜または高速成膜したゲート絶縁膜およ
び半導体膜をレーザーアニール処理することにより、基
板10全体を高温にすることなく低温(室温)にてアモ
ルファスシリコン薄膜または微結晶シリコンまたはポリ
シリコン膜の大粒径ポリシリコン結晶化、キャリア不純
物の活性化等が行え性能の向上が図れる。また半導体装
置の製造が容易となる。
【0199】なお、レーザーアニール処理は、基板10
上にゲート絶縁膜および半導体膜をバイアス触媒CVD
等の成膜装置内で成膜した後、レーザーアニール装置に
基板10を導入して行う。レーザーアニール処理は、真
空、または窒素ガスまたはいわゆるフォーミングガス,
すなわち窒素ガスと水素ガスの混合ガスを導入したレー
ザーアニール装置中で行う。
【0200】バイアス触媒CVDにより成膜すると、ア
モルファスシリコン膜には、通常1〜3%の水素が含ま
れる。この程度の量の水素を含む膜は、脱水素化処理を
せずに、そのままレーザーアニール処理を行う。このよ
うに、バイアス触媒CVDにより成膜されたアモルファ
スシリコン膜には、水素を1〜3%程度しか含有されな
いため、このアモルファスシリコン膜とゲート絶縁膜用
の酸化シリコン膜が積層している膜に直接レーザーアニ
ール処理しても、水素の突沸が発生しない。したがっ
て、レーザーアニールによるポリシリコン結晶化をスム
ーズに行うことができ、しかも、ポリシリコン膜とゲー
ト絶縁膜の界面準位の改善を容易に行うことができるの
で、移動度向上などの特性向上を容易に図ることができ
る。なお、バイアス触媒CVDは、膜の結晶構造を、ア
モルファスシリコン〜アモルファス/微結晶シリコン〜
微結晶シリコン〜アモルファス/微結晶シリコン混在の
ポリシリコン等のいずれかにもコントロールすることが
可能であるという特長がある。従って、バイアス触媒C
VDにより成膜した場合、結晶成長のシード(種)を形
成しやすいので、エキシマレーザー処理によって、堆積
されたシリコンが大粒径化しやすいという特徴がある。
【0201】さらに、本発明の最大の特徴の一つは、基
板10上に絶縁膜,半導体膜および電極を形成した後
に、絶縁膜と半導体膜との界面または絶縁膜を水蒸気ア
ニール処理する点にもある。この水蒸気アニール処理
は、上記レーザーアニール処理を行った場合,行ってい
ない場合のどちらの場合でも、行うことができる。逆
に、上記レーザーアニールを行い、この水蒸気アニール
処理を行わないように構成しても良い。本発明では、バ
イアス触媒CVD装置等で基板10上に絶縁膜,半導体
膜を形成した後、ソース/トップゲート/ドレイン電極
を形成し、水蒸気アニールチャンバ31内に配置する。
この水蒸気アニールチャンバ31内を、常温〜400
℃、分圧1×10Pa以上1×10Pa以下の飽和
蒸気圧以下の水蒸気を含む雰囲気とし、10秒以上20
時間以下の加熱を行う。
【0202】以下、この水蒸気アニール処理を行う装置
および処理方法について、説明する。図17は、上述の
水蒸気アニール処理を行う装置の一例の構成図を示すも
ので、この場合、水蒸気アニールチャンバ31内に、基
板10が配置されるサセプタ32が配置される。このサ
セプタ32には、ヒーター32bが設けられ、サセプタ
32に保持した基板10を所定の温度に加熱することが
できるようになされている。
【0203】この水蒸気アニールチャンバ31には、排
気系31aが設けられ、これが排気手段(図示せず)に
バルブV1を介して連結される。また、この水蒸気アニ
ールチャンバ31にはその内部の圧力を観察する圧力計
34が設けられる。
【0204】一方、水蒸気アニールチャンバ31の外に
は、水の収容部35を有する恒温槽36が設けられ、収
容部35が、バルブV2およびV3が設けられた連結管
37によって連結される。また、キャリアガスが供給さ
れるキャリアガス供給管37が、バルブV4を介して上
述の連結管37のバルブV2およびV3との間に連結さ
れると共にバルブV5を介して恒温槽36内の水の収容
部に連結された構成とされる。なお、本例では、連結管
37からバルブV3を介して水蒸気アニールチャンバ3
1内に水蒸気を導入するように構成しているが、当然な
がら、マスフローコントローラーを設置し、このコント
ローラーを介してガス供給系33から水蒸気アニールチ
ャンバ31内へ導入するように構成することができる。
【0205】このようにして、予め高真空度に排気した
水蒸気アニールチャンバ31に、例えばバルブV4およ
びV5を閉じた状態で、バルブV2およびV3を開け、
恒温槽36によって設定された加熱温度下での飽和蒸気
圧によって設定される蒸気量を、バルブV3およびV5
の開閉調節によって圧力計34でモニターしながら、水
蒸気アニールチャンバ31に真空吸引によって所定量送
り込む。そして、この場合水蒸気アニールチャンバ31
には、図示しないが、この水蒸気アニールチャンバ31
全体を加熱する加熱手段を設けておくことによって、こ
の水蒸気アニールチャンバ31内に送り込まれた水蒸気
が結露することがないように、導入した水蒸気量に対す
る露点以上に水蒸気アニールチャンバ31全体を加熱し
ておくことが望まれる。
【0206】上記水蒸気アニール処理装置を用いて水蒸
気アニール処理を行う方法について説明する。基板10
上に半導体膜,ゲート絶縁膜,電極を形成する。その
後、基板10を、図17で示す水蒸気アニールチャンバ
31内のサセプタ32上に配置する。水蒸気アニールチ
ャンバ31内を高真空度に排気した後、バルブV2およ
びV3,V5を開け、6.5×10Paの水蒸気を導
入して基板温度200〜300℃で、30〜60分の加
熱処理すなわち水蒸気アニールを行い、ゲート絶縁膜の
改質,および半導体膜とゲート絶縁膜との界面の改質を
行う。
【0207】このように、水蒸気アニール処理を行うこ
とにより、低温条件下で効果的に、半導体膜とゲート絶
縁膜との界面の特性が向上し、絶縁膜中の欠陥が改善さ
れ、移動度が向上し、高速動作化が実現される。なお、
この水蒸気アニールの効果は、半導体膜自体に作用する
ものではない。
【0208】また、水蒸気アニールを行うための水蒸気
導入法は、上述した真空吸引に限られるものではなく、
各種ガスを予め充填した水蒸気アニールチャンバ31
に、水蒸気を導入することもできる。このように、水蒸
気以外のガスを混入させる場合、水蒸気アニールチャン
バ31内の熱伝導が向上し、温度分布のばらつきが小さ
くなるので、折角導入した水蒸気が局所的に温度が低い
部分に結露してアニール効果を低下させる不都合を回避
できる効果がある。
【0209】また、水蒸気の供給方法は、図17で示さ
れるように、収容部35の水中に各種キャリアガスをく
ぐらせて水分を含んだキャリアガスを水蒸気アニールチ
ャンバ31内に供給するバブリング方法を採ることもで
きる。水蒸気アニールは、水蒸気アニールチャンバ31
を封じた状態で行うこともできるし、キャリアガスの気
流中で行うこともできる。
【0210】さらに、この水蒸気中加熱処理のための水
蒸気アニールチャンバ31内への水蒸気の導入は、噴霧
器による導入方法とか、超音波振動を与え、これによっ
て発生させるパルスジェット水による噴霧態様を採るこ
とができる。この方法によるときは、水滴粒子が極めて
小さく容易に水蒸気アニールチャンバ31中でガス化で
きるという利点がある。
【0211】また、水蒸気と混合させるガスとして、酸
素、窒素、水素、一酸化窒素、一酸化二窒素等各種のガ
スを用いてもよい。特に、酸素を用いるときは、これ単
独のガス中の加熱処理でも誘電分散の大きい絶縁膜の改
質効果があるのでこれを混合のガスとして用いることに
より、より効果的に改質効果をあげることができる。
【0212】この場合、その分圧を1.3×10Pa
以上1.0×10Pa以下とするものである。1.3
×10Pa以上とするのは、酸素による絶縁膜の誘電
分散改善には、1.3×10Pa以上が必要であり、
また、これら窒素等を水蒸気と混合させるのは熱処理容
器内の低い温度分布をもっている部分に結露が生じるこ
とを防ぐ効果も生じるものであるが、1.0×10
a以下(水蒸気圧と同圧程度以下)ではその効果が小さ
くなることによる。1.0×10Pa以下とするの
は、これを超えると熱処理容器の耐圧を確保する上で装
置の複雑化を来し、大掛かりな装置を必要とし実用的で
はないことによる。また、水蒸気の分圧が1.3×10
Pa以下の領域では圧力を高くすることによりアニー
ルの短時間化を可能とするが、これを越えると、次第に
圧力を高めることの効果は小さくなる。
【0213】本発明の水蒸気アニール処理によって改質
される半導体は、シリコンに限られるものではなくゲル
マニウム,SiGe固溶体、あるいはSiGe系超格子
等の積層薄膜である場合、更に単結晶,非晶質(アモル
ファス),多結晶等を得る場合に適用して同様の効果を
得ることができる。また絶縁膜は上述のゲート絶縁膜に
限られるものではなく、層間絶縁膜、表面保護絶縁膜、
平坦化絶縁膜等を有する半導体層装置を得る場合に適用
することができる。そして、この絶縁膜は、酸化シリコ
ン膜に限られるものではなく、例えばその成膜時の基板
温度が600℃以下で形成される酸窒化シリコン膜,窒
化シリコン膜、あるいはこれらや上述の酸化シリコン膜
等の2種以上の積層構造による半導体装置を得る場合に
本発明を適用して同様の効果が得られる。更に、層間絶
縁膜等においてSOG(Silicon on gla
ss)等による絶縁膜を有する半導体装置を得る場合に
おいても適用することができる。すなわち、これら各絶
縁膜においても、膜中の欠陥、水分によっても素子の特
性の安定化が損なわれることがあるが、これら構造によ
る半導体装置を得る場合において、本発明製法を適用し
て特性の安定化がはかられた半導体装置を得ることがで
きる。
【0214】ソース,トップゲート,ドレインの各電極
を形成した後に上記水蒸気アニールを行い、基板10を
プラズマ装置内に搬入する。プラズマ装置内を10Pa
〜数百Paの圧力とし、基板10と対向電極との間に高
周波電圧(又は直流電圧)を印加してプラズマ放電を生
じさせ、これによって基板10表面,特に電極表面をク
リーニングすることができる。この場合のプラズマ発生
電圧は1kV以上、特に数kV〜数10kV、例えば1
0kVとする。また、導入するガスとしては、アルゴン
ガス,アルゴンと水素の混合ガス,アルゴンと窒素の混
合ガス,アルゴンと水素と窒素との混合ガスを用いる。
このとき、アルゴンに混合する水素,窒素,または水素
および窒素の量は、アルゴンの5〜10モル比%程度と
する。以下、プラズマによりソース,トップゲート,ド
レインの各電極表面の酸化膜及び水酸化膜を除去するク
リーニングを、「プラズマクリーニング」と称する。
【0215】なお、本例では、基板10をプラズマクリ
ーニングするように構成しているが、スパッタリングに
よりクリーニングするように構成しても良い。本発明に
おいて、スパッタクリーニングとは、電極形成後の基板
10について上記水蒸気アニールを行った後、スパッタ
リング装置内を所定のガス圧力とし、ガスを導入し、基
板10表面,特に電極表面をスパッタリングでクリーニ
ングすることをいう。本例では、上記所定の圧力を、
0.5〜1.0Paとする。導入するガスとしては、ア
ルゴンガス,アルゴンと水素の混合ガス,アルゴンと窒
素の混合ガス,アルゴンと水素と窒素との混合ガスを用
いる。このとき、アルゴンに混合する水素,窒素,また
は水素および窒素の量は、アルゴンの5〜10モル比%
程度とする。
【0216】これらのプラズマクリーニングまたはスパ
ッタクリーニングにより、電極形成後の水蒸気を含む雰
囲気内のアニール処理によって薄膜上に形成された酸化
膜又は水酸化膜を除去することができるので、形成され
た電極の外部取り出し(金線ボンディング、無電解Ni
/Auメッキ+半田バンプ等)の電気/機械的コンタク
トが改善され、特性、品質及び信頼性等が向上する。
【0217】なお、本例では、基板10上への半導体膜
成膜と、レーザーアニールと、水蒸気アニールと、電極
のプラズマクリーニングまたはスパッタクリーニングと
を、それぞれ異なる容器内で行うように構成している。
ただし、電極形成前に水蒸気アニールを行う場合には、
真空容器を図18乃至図20に示すような複数のチャン
バを有する容器として構成し、この容器内の異なる室
で、半導体膜成膜と、レーザーアニールと、水蒸気アニ
ールとを行うようにしてもよい。このように、電極形成
前に水蒸気アニールを行う場合には、電極は水蒸気によ
って腐食されないため、電極のプラズマクリーニングま
たはスパッタクリーニングを行う必要はない。
【0218】図18に示す真空容器1は、基板10を真
空容器1内に導入する出入り口としてのロード・ロック
室41と、セパレーション室42と、成膜室43と、レ
ーザーアニール室44と、水蒸気アニール室45と、を
備える。セパレーション室42は、真空容器1の中央に
位置し、ロード・ロック室41,レーザーアニール室4
4,水蒸気アニール室45のそれぞれと隣接して設けら
れ、基板10が各室に導入される際には、一旦このセパ
レーション室42を経由するように構成される。
【0219】図18に示す真空容器を用いて半導体膜を
成膜し、レーザーアニールを行った後絶縁膜を成膜する
場合の手順について説明する。まずセパレーション室4
2,成膜室43,レーザーアニール室44,水蒸気アニ
ール室45内を所定圧力になるまで排気し、各室の間の
扉を閉めておく。
【0220】ロード・ロック室41の図面下側の扉を開
き、基板10をロード・ロック室41内に導入する。そ
の後、この扉を閉め、ロード・ロック室41を所定圧力
になるまで排気する。ロード・ロック室41内が所定圧
力となったら、ロード・ロック室41とセパレーション
室42との間の扉を開け、基板10をセパレーション室
42に移送する。
【0221】その後、ロード・ロック室41とセパレー
ション室42との間の扉を閉め、セパレーション室42
と成膜室43との間の扉を開け、基板10を成膜室に移
送してセパレーション室42と成膜室43との間の扉を
閉める。成膜室43で、本発明のバイアス触媒CVD等
により、基板10上に半導体膜および絶縁膜,本例では
ポリシリコン膜,窒化シリコン膜,酸化シリコン膜を成
膜する。その後、セパレーション室42と成膜室43と
の間の扉と、セパレーション室42とレーザーアニール
室44との間の扉を開け、基板10をレーザーアニール
室44に移送する。
【0222】セパレーション室42とレーザーアニール
室44との間の扉を閉め、形成された膜をレーザーアニ
ール処理する。レーザーアニール処理が終了したら、再
びセパレーション室42と成膜室43との間の扉と、セ
パレーション室42とレーザーアニール室44との間の
扉を開け、基板10を成膜室43に移送する。
【0223】セパレーション室42と成膜室43との間
の扉を閉める。成膜室43で、バイアス触媒CVD等に
より、基板10上に絶縁膜,本例では酸化シリコン膜を
成膜する。成膜が終了したら、セパレーション室42と
成膜室43との間の扉と、セパレーション室42と水蒸
気アニール室45との間の扉を開け、基板10を水蒸気
アニール室45に移送する。
【0224】セパレーション室42と水蒸気アニール室
45との間の扉を閉め、形成された膜を水蒸気アニール
処理する。水蒸気アニール処理が終わったら、セパレー
ション室42と水蒸気アニール室45との間の扉と,セ
パレーション室42とロード・ロック室41との間の扉
とを開け、基板10をロード・ロック室41に移送す
る。セパレーション室42とロード・ロック室41との
間の扉を閉め、ロード・ロック室41内を大気圧に戻
す。
【0225】ロード・ロック室41内が大気圧に戻った
ら、ロード・ロック室41の図面下側の扉を開け、基板
10を真空容器外に取り出す。図18に示すマルチチャ
ンバからなる真空容器内で成膜,レーザーアニール処
理,水蒸気アニール処理をする場合は、成膜とレーザー
アニール処理,水蒸気アニール処理とを連続して行うこ
とができる点が特徴である。
【0226】図18に示す真空容器は、バイアス触媒C
VD,高密度バイアス触媒CVD,バイアス減圧CV
D,バイアス常圧CVDのいずれの方法により半導体膜
を成膜する場合でも用いることができる。これらの各C
VDにより、半導体膜および絶縁膜(窒化シリコン膜,
酸化シリコン膜,酸窒化シリコン膜,シリコン系膜)を
成膜する場合には、形成する薄膜の種類により、異なる
原料ガスを成膜室43内に供給する。
【0227】なお、水蒸気アニール工程を行わない場合
には、図19に示す真空容器を用いて、上記図18に示
す真空容器を用いた場合の半導体膜成膜,レーザーアニ
ール処理,絶縁膜成膜と同様に、各CVDによる工程を
行うことができる。図19に示す真空容器は、ロード・
ロック室41と、セパレーション室42と、成膜室43
と、レーザーアニール室44とを備え、水蒸気アニール
室45を備えない点を除き、図18に示す真空容器と同
様である。なお、図19に示す真空容器は、レーザーア
ニール室44の代わりに水蒸気アニール室45を設ける
ようにしてもよい。このように構成した真空容器は、レ
ーザーアニール処理を行わない場合に用いることができ
る。
【0228】また、図20に示す真空容器は、ロード・
ロック室41と、セパレーション室42と、半導体膜成
膜室46と、絶縁膜成膜室47と、レーザーアニール室
44とを備える。図20に示す真空容器を用いた場合に
は、半導体膜成膜を半導体膜成膜室46で行い、絶縁膜
成膜を絶縁膜成膜室47で行う。これらの点を除いて
は、上記図18に示す真空容器を用いた場合の半導体膜
成膜,レーザーアニール処理,絶縁膜成膜と同様の各C
VDによる工程により、半導体膜の成膜を行うことがで
きる。なお、図20に示す真空容器は、レーザーアニー
ル室44の代わりに水蒸気アニール室45を設けるよう
にしてもよい。また、レーザーアニール室44と水蒸気
アニール室45との両方を設けるようにしてもよい。
【0229】このようにして、基板10上に各種の薄膜
が形成される。なお、薄膜の形成は、図1に示す薄膜形
成装置Sに限らず、次述する各構成の装置により行われ
るものである。図21において、薄膜形成装置Sの他の
実施例について説明する。本例において、前記実施例と
同様部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0230】図21は、マルチチャンバを備えたCVD
薄膜形成装置Sの概略図である。本例のマルチチャンバ
からなる薄膜形成装置Sは、例えば、3つのチャンバ
(A,B,C)とカセットステーションCSと、ロボッ
トRとからなり、各薄膜の形成を、それぞれ別のチャン
バA,B,C内で行うように構成されている。そして、
各チャンバ(A,B,C)内で、サセプタ2と、ガス供
給側との間に、熱触媒体5が配設され、サセプタ2とガ
ス供給側との間に、電界を印加可能に構成されている。
【0231】図21に示されるマルチチャンバでは、バ
イアス触媒CVDにより、薄膜は次のようにして形成さ
れる。ここでは一例として、保護膜用の窒化シリコン膜
及び酸化シリコン膜、ポリシリコン膜、ゲート絶縁膜用
の酸化シリコン膜及び窒化シリコン膜を形成する例につ
いて説明する。先ず、各チャンバ(A,B,C)内にお
いて、キャリアガスとしての水素を供給し熱触媒体を所
定の温度(例えば1700〜1800℃)に加熱してス
タンバイしておき、例えば、チャンバAでは、原料ガス
としてモノシランにアンモニアを混合したものを導入
し、グロー放電開始電圧以下の直流電圧(例えば1kV
以下、数10V以上)を印加して、基板10上に所定膜
厚の窒化シリコン膜を形成する。次に基板10をBチャ
ンバに移し、原料ガスとしてモノシランにヘリウム希釈
酸素を混合したものを導入し、グロー放電開始電圧以下
の直流電圧(例えば1kV以下、数10V以上)を印加
して、基板10上に所定膜厚の酸化シリコン膜を形成す
る。次に基板10をCチャンバに移し、原料ガスとして
モノシランを導入し、グロー放電開始電圧以下の直流電
圧(例えば1kV以下、数10V以上)を印加して、基
板10上に所定膜厚のポリシリコン膜を形成する。さら
にまた基板10をBチャンバに移して、基板10上に所
定膜厚の酸化シリコン膜を形成し、必要に応じて基板1
0をAチャンバに移し所定膜厚の窒化シリコン膜を形成
する。
【0232】なお、図10乃至図12に示すガス導入形
態を採用し、キャリアガスとしての水素ガスを成膜装置
1内に一定量連続して導入する場合で、マルチチャンバ
を使用するときは、基板10を常に活性化水素イオンH
にさらしておくために、一方のチャンバから他方のチ
ャンバへ移動させる間に、基板10を仮に配設しておく
ための部屋を、別途設けた構成としても良い。
【0233】本例では、図1乃至図3または図21に示
すバイアス触媒CVD装置以外にも、下記に説明するよ
うなバイアス触媒CVD装置を用いることができる。な
お、各CVD装置は、ホットウォールLPCVD方式を
除けば、基本的に、基板はサセプタ或いはホットプレー
ト上に平置きにされ、反応ガスはそれらの表面に均等に
接触するように構成されている。
【0234】バイアス触媒CVD装置として、例えば、
装置内にサセプタ2を略水平に配置し、基板をサセプタ
の表面に搭載し、ガスを横方向から供給する横型のバイ
アス触媒CVD装置を用いることができる。ガス流に対
する各基板の接触機会を増やすために、ガスを供給する
側が低くなるようにサセプタに傾斜をつけることもでき
る。熱触媒体5は、基板の上面を覆うようにサセプタ上
に配設され、サセプタとガス供給側との間に電界印加可
能に構成される。
【0235】また、水平に配置した円板状のサセプタ
を、このサセプタの中心を軸として回転させ、ガスをサ
セプタの上方向からサセプタに垂直に供給する縦型(パ
ンケーキ型)のCVD装置を用いることもできる。熱触
媒体は、基板の上面に配設され、サセプタとガス供給側
との間に電界印加可能に構成される。
【0236】また、サセプタとしてのシリンダの外側ま
たは内側に基板(本例ではウエハ)をローディングした
シリンダ型(バレル型、ドラム型)のCVD装置を用い
ることもできる。シリンダは、基板を搭載する面が鉛直
であり、鉛直方向を軸として回転可能に構成されてい
る。基板は、鉛直になるように、このシリンダに搭載さ
れ、反応ガスは、シリンダの上方から供給される。バイ
アス触媒CVDを行う場合には、シリンダの上方位置、
すなわち反応ガスが導入される側の所定位置に、熱触媒
体が配設され、シリンダとガス供給側との間に電界印加
可能に構成される。
【0237】また、断面放射状のサセプタを用いた放射
型方式のバイアス触媒CVD装置を用いることもでき
る。このサセプタは、鉛直の板状体が、断面放射形状に
なるよう接合されたような形状からなり、放射形状の中
心を軸として回転可能に構成されている。基板は、この
鉛直の板状体に、鉛直になるように搭載され、反応ガス
は、サセプタの上方から供給される。サセプタの上方位
置、すなわち反応ガスが導入される側の所定位置に、熱
触媒体が配設され、サセプタとガス供給側との間に電界
印加可能に構成される。
【0238】また、炉の中に所定空間を於いてCVD装
置が配設されるホットウォール型バイアス触媒CVD装
置を用いることもできる。基板の保持は、治具によって
吊持したり、基板を並べて保持する多段カセット等のサ
セプタを用いたりするなど、各種の公知の手段によって
行う。反応ガスが導入される側の所定位置に、熱触媒体
が配設され、サセプタとガス供給側との間に電界印加可
能に構成される。
【0239】上述したバイアス触媒CVDの薄膜形成装
置によれば、多結晶シリコン、単結晶シリコン、アモル
ファスシリコン、微結晶シリコン等のシリコン薄膜、シ
リコンゲルマニウム、炭化ケイ素、化合物半導体(ガリ
ウムヒ素、ガリウムリン、ガリウムナイトライド等)の
半導体薄膜、酸化シリコン、不純物(リンシリケートガ
ラス(PSG)、ボロンシリケートガラス(BSG)、
ボロンリンシリケートガラス(BPSG)等)含有の酸
化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化モリ
ブデン、酸化チタン、酸化タンタル、酸化アルミニウ
ム、酸化インジウム等の絶縁体薄膜、高融点金属(タン
グステン、チタン、タンタル、モリブデン等)、導電性
窒化膜(窒化タングステン、窒化チタン、窒化タンタ
ル、窒化モリブデン等)、金属薄膜(金属シリサイド、
銅、アルミニウム等)、合金薄膜(アルミニウム−シリ
コン又はアルミニウム−シリコン−銅等)を成膜するこ
とができる。
【0240】そして、上記各種CVDの薄膜形成装置で
成膜される薄膜と原料ガス(反応ガス)との関係は次の
とおりである。なお、キャリアガスとしては、ヘリウム
ガス、水素ガス、アルゴンガス、水素ガスとヘリウムガ
スとの混合ガス、水素ガスとアルゴンガスとの混合ガス
等が好適に用いられる。
【0241】1.Siの成膜には、SiH、SiHC
、SiHCl、SiCl、SiHを用い
る。
【0242】2.SiOの成膜には、SiH、Si
HCl、SiHCl、SiCl 、SiBr
SiI、SiF、Si(OC、Si(O
、(C)Si(OC、C
11Si(OC、CSi(OC
、(CHSi(OC及び
、NO、NO、NO、CO+H、HOを
用いる。
【0243】3.BPSG、BSG,PSG、AsSG
の成膜には、上記2の原料ガス(SiH、SiHCl
、SiHCl、SiCl、SiBr、SiI
、SiF、Si(OC、Si(OC
、(C)Si(OC、C
11Si(OC、CSi(OC
、(CHSi(OC及びO
、NO、NO、NO、CO +H、HO)
に、PH、B、AsH、PO(OC
、B(OCH、B(OC等の
ガスを混合する。
【0244】4.SiNの成膜には、SiH、Si
、SiHCl、SiHCl、SiHCl、S
iCl、SiBr等にNH、N、Nを混
合した原料ガスを用いる。なおキャリアガスとしてはA
r、He等が好適である。
【0245】5.SiOの成膜には、上記2、4
と同じ原料ガスを用いる。すなわち、SiH、SiH
Cl、SiHCl、SiCl、SiBr、S
iI、SiF、Si(OC、Si(OC
、(C)Si(OC、C
11Si(OC、CSi(OC
、(CHSi(OC及びO
NO、NO、NO、CO+H、HOの各原料
ガス、SiH、SiH、SiHCl、SiHCl
、SiHCl、SiCl、SiBr等にN
、N、Nを混合した原料ガスを用いること
ができる。
【0246】6.Alの成膜には、AlCl、Al
(CH(TMA)、Al(C (TE
A)、Al(OCを用いることができる。な
お、還元ガスとしてHが好適である。
【0247】7.Al3−Xの成膜には、上記6の
原料ガス(AlCl、Al(CH(TMA)、
Al(C(TEA)、Al(OC
)に、CO+H、O、HOを加えた
原料ガスを用いることができる。
【0248】8.Inの成膜には、In(C
(TMI)、In(C(TEI)及
びO、HO、COを加えた原料ガスを用いること
ができる。
【0249】9.高融点金属の成膜には、例えばフッ化
物、塩化物、有機化合物で分類すると、フッ化物の成膜
にはMoF、WHの原料ガス、塩化物の成膜にはM
oCl 、WCl、TaCl、TiCl、ZrC
の原料ガス、有機化合物の成膜にはTa(OC
、(PtCl(CO)、W(CO)
Mo(CO)の原料ガスを用いることができる。
【0250】10.シリサイドの成膜には、上記9の原
料ガス{フッ化物の成膜にはMoF、WHの原料ガ
ス、塩化物の成膜にはMoCl、WCl、TaCl
、TiCl、ZrClの原料ガス、有機化合物の
成膜にはTa(OC、(PtCl(C
O)、W(CO)、Mo(CO)の原料ガス}に
SiH、SiH等のシラン系ガスを混入したものを
原料ガスとして用いる。
【0251】11.TiNの成膜には、TiCl+N
(+NH)の原料ガス、TiONの成膜には、Ti
Cl+N(+NH)にO、NOを加えた原料
ガスを用いることができる。
【0252】12.Cuの成膜には、ヘキサフルオロア
セチルアセトネイト銅Cu(HFA) 及びC(HF
A)+HO、キレート化合物の材料(Cu(DP
M)、Cu(AcAc)、Cu(FOD)、Cu
(PPM)、Cu(HFA)TMVS)等の原料ガス
を用いることができる。
【0253】13.Al−Si、Al−Si−Cuの成
膜には、上記6の原料ガス(AlCl 、Al(C
(TMA)、Al(C(TEA)、
Al(OC )に1の原料ガス(SiH、S
iHCl、SiHCl、SiCl、SiH
及び12の原料ガス(ヘキサフルオロアセチルアセトネ
ート銅Cu(HFA)及びC(HFA)+HO、
キレート化合物の材料(Cu(DPM)、Cu(Ac
Ac)、Cu(FOD)、Cu(PPM)、Cu
(HFA)TMVS)等)を加えたものを原料ガスとし
て用いることができる。以上のような原料ガスによっ
て、前記した各薄膜を成膜することが可能となる。
【0254】そして、上記の薄膜形成装置において、上
記した各原料ガスを適宜用いることによって、シリコン
半導体装置、シリコン半導体集積回路装置、シリコン−
ゲルマニウム半導体装置、シリコン−ゲルマニウム半導
体集積回路装置、化合物半導体装置、化合物半導体集積
回路装置、炭化ケイ素半導体装置、炭化ケイ素半導体集
積回路装置、液晶表示装置、有機/無機エレクトロルミ
ネセンス表示装置、プラズマディスプレイパネル(PD
P)装置、フィールドエミッションディスプレイ(FE
D)装置、発光ポリマー表示装置、発光ダイオード表示
装置、CCDセンサ装置、MOSセンサ装置、高誘電率
および強誘電体メモリー装置、太陽電池等を製造するこ
とが可能である。
【0255】次に、本発明により薄膜を形成し、さら
に、形成された薄膜層を使用して半導体膜層薄膜半導体
を形成する方法について、具体的な実施例に基づいて説
明する。それぞれの具体的実施例では、前述のようにキ
ャリアガス及び原料ガスの導入時間及びタイミングを変
化させることにより、所望の品質及び速度で成膜を行う
ものとする。
【0256】(具体的実施例1)具体的な実施例1とし
て、シングルチャンバからなる真空容器を用いたトップ
ゲート型ポリシリコンCMOSTFT製法の実施例を示
す。本例は、バイアス触媒CVD法により形成されたポ
リシリコン膜を、エキシマレーザーアニール処理および
/または水蒸気アニール処理するものである。
【0257】本例では、バイアス触媒CVDにより薄膜
を形成するように構成しているが、これに限定されるも
のでなく、高密度バイアス触媒CVD、バイアス減圧C
VD,バイアス常圧CVDも本例に適用可能である。
【0258】基板10の材質は、TFT形成過程での基
板温度により選択される。バイアス触媒CVD法を採用
した場合、ポリシリコン膜や絶縁膜形成過程における基
板温度は、200〜400℃程度の比較的低温に維持さ
れる。このため、TFT形成装置において基板温度がほ
うけい酸ガラスやアルミノけい酸ガラス等のガラス基板
を用いることができる場合は、ほうけい酸ガラス基板や
アルミノけい酸ガラス基板を使用できる。このときに、
コスト面から基板を大きめにすることが可能であり、例
えば、500×600mmの大きさで、0.5〜1.1
mm厚さとされる。尚、低温の場合は、耐熱性有機樹脂
基板を用いてもよい。また、セラミックス等の絶縁性基
板を用いることもできる。
【0259】なお、TFT形成過程において、基板温度
が600〜1000℃程度の比較的高温となる場合は、
石英ガラス、結晶化ガラス等の耐熱性ガラス基板を用い
る。耐熱性ガラス基板は、例えば、直径15〜30cm
の大きさで、700〜800μm厚さとされる。また、
一般的なシリコンウェハと同様のオリエンテーション・
フラット(オリフラ)が形成される。
【0260】次に、第1工程〜第13工程からなるトッ
プゲート型ポリシリコンCMOSTFTの作製工程につ
いて説明する。まず、第1工程で、シングルチャンバか
らなるバイアス触媒CVD装置である成膜装置1内に基
板10を設置し、排気系1aを動作させて成膜装置1内
を所定圧力になるまで排気するとともに、サセプタ2に
内蔵されたヒータ2aを動作させて基板10を所定温度
(200℃程度)まで加熱する。次いで、成膜装置1内
にキャリアガスとしての水素ガス50〜100SCCM
を供給する。なお、この水素ガスの代わりに、アルゴン
と水素,またはヘリウムと水素,またはネオンと水素と
の混合ガスであって水素を80〜90モル比%含むもの
を供給するように構成しても良い。水素ガスは、熱触媒
体5との接触により活性化されて、一部が活性化水素イ
オンHとなり、基板10の表面のクリーニングがなさ
れる。なお水素系キャリアガスと原料ガスの供給による
ガス圧力は0.1〜1.0Pa程度,本例では0.5P
aとする。従って、水素系キャリアガスと原料ガスの混
合比率を一定又は変更して、ガス圧力を低めにして緻密
な成膜、逆に高めにしてより高速な成膜としてもよい。
但し、このガス圧力範囲は成膜された膜質と装置性能に
より制約されることは言うまでもない。
【0261】次に、第2工程で保護膜用の窒化シリコン
膜11を形成する。水素ガス50〜100SCCMが供
給されている成膜装置1内に、モノシラン1〜20SC
CMにアンモニア5〜50SCCMを混合した原料ガス
を導入する。グロー放電開始電圧以下の直流電圧(例え
ば1kV以下、数10V以上)をサセプタ2とガスシャ
ワーヘッド3aとの間に印加する。成膜装置1内では、
導入されたガスが熱触媒体5を介して、基板10の一主
面に、保護膜用の窒化シリコン膜11を形成する。本例
では、窒化シリコン膜11が50〜200(nm)厚形
成される。このとき、成膜装置1内での原料ガスの割合
を高めるために、マスフローコントローラーMを制御し
て、水素ガスの供給を成膜の途中で低減させ、窒化シリ
コン膜11を高速で成膜しても良い。その後、成膜装置
1内へのアンモニアおよびシランの供給を停止する。
【0262】上記保護膜用の窒化シリコン膜11は、基
板10としてほうけい酸ガラス,アルミノけい酸ガラス
等を用いた場合、基板10からのNaイオンをストップ
するために形成されるものであり、基板10として合成
石英ガラスを使用した場合は不要である。
【0263】次に、第3工程では、保護膜用の酸化シリ
コン膜12を形成する。第2工程で、水素ガスを低減さ
せた場合は、成膜装置1内に、キャリアガスとしての水
素ガス50〜100SCCMを導入する。また、成膜装
置1内に連続して供給されているモノシランガス1〜2
0SCCMに、ヘリウム希釈酸素ガス1〜2SCCM
を、適当比率混合して導入する。グロー放電開始電圧以
下の直流電圧(例えば1kV以下、数10V以上)をサ
セプタ2とガスシャワーヘッド3aとの間に印加する。
成膜装置1内では、導入されたガスが熱触媒体5を介し
て、基板10上に保護膜用の酸化シリコン膜12を成膜
する。本例では、酸化シリコン膜12は、50〜100
(nm)厚形成される。このとき、成膜装置1内での原
料ガスの割合を高めるために、マスフローコントローラ
ーMを制御して、水素ガスの供給を成膜の途中で低減さ
せ、酸化シリコン膜12を高速で成膜しても良い。成膜
装置1内へのシランとヘリウム希釈酸素の供給を停止す
る。
【0264】さらに、第4工程では、ポリシリコン膜1
3を形成する。なお、ポリシリコン膜13の形成前に、
成膜装置1内にキャリアガスとしての水素ガスが供給さ
れており、成膜前に必ず活性化水素イオンHによる表
面クリーニングが行われるように構成されていれば、高
品質なポリシリコン膜を確実に得ることが可能となり、
好適である。
【0265】ポリシリコン膜13を形成するときには、
第3工程で、水素ガスを低減させた場合は、成膜装置1
内に、キャリアガスとしての水素ガス50〜100SC
CMを導入する。また、このとき成膜装置1内には、モ
ノシランガス1〜20SCCMが供給されている。グロ
ー放電開始電圧以下の直流電圧(例えば1kV以下、数
10V以上)をサセプタ2とガスシャワーヘッド3aと
の間に印加する。導入されたガスは、熱触媒体5を介し
て、基板10上にポリシリコン膜13を形成する。本例
のポリシリコン膜13は、40〜60(nm)厚に形成
される。
【0266】このとき、必要に応じて、原料ガスのシラ
ン系ガス(モノシラン(SiH)又はジシラン(Si
)又はトリシラン(Si)等)に、N型の
リン又はひ素又はアンチモン等を適量混入したり、又は
P型のボロンを適量混入することで、任意のN型又はP
型不純物キャリア濃度のポリシリコン膜を形成すること
ができる。N型化の場合は、例えば、フォスフィン(P
)、アルシン(AsH)、スチビン(SbH
が採用され、P型化の場合は、例えば、ジボラン(B
)が採用される。このとき、成膜装置1内での原料
ガスの割合を高めるために、マスフローコントローラー
Mを制御して、水素ガスの供給を成膜の途中で低減また
は停止させ、ポリシリコン膜13を高速で成膜しても良
い。
【0267】また、ポリシリコン膜13を形成した後、
シリコンイオンをドーピングまたはシリコンイオン注入
してポリシリコンをアモルファス化してもよい。このよ
うにすることにより、結晶成長のシード(種)が得ら
れ、グレインサイズの大きいポリシリコン膜を得ること
ができる。このように、一旦結晶化したポリシリコン膜
をアモルファス化することにより、レーザー光の熱エネ
ルギー吸収が大きくなって、レーザーアニール処理時に
アモルファスシリコン膜が融け易くなり、レーザーアニ
ール処理による結晶化が容易になる。
【0268】ポリシリコン膜13が形成されたら、原料
ガスをカットし、熱触媒体5および基板を問題ない温度
まで冷却して、キャリアガスの導入を停止する。この
後、充分に排気した後に、窒素ガスを導入して大気圧に
戻し、基板10をバイアス触媒CVD成膜装置から取り
出し、形成したポリシリコン膜13をエキシマレーザー
アニール処理する。エキシマレーザーアニール処理は、
バイアス触媒CVD成膜装置とは異なる不図示のレーザ
ーアニール装置中で行う。このレーザーアニール装置内
を真空とし、または窒素ガスまたはいわゆるフォーミン
グガス,すなわち窒素ガスと水素ガスとを混合したガス
を導入し、基板10の膜形成面側から短波長パルスレー
ザー光を照射することによって行う。
【0269】本例で用いる短波長パルスレーザ光として
は、そのレーザー波長が100〜400nm、実用範囲
は150〜350nm、パルス幅が10〜50nsec
就中20nsecのものを用いる。また、パルスのピー
ク強度は、10W/cm以上〜10W/cm
下とし、フルーエンス(1回のパルスのエネルギー)は
200〜300mJ/cm とする。
【0270】このような短波長パルスレーザ光としてX
eCl(308nm波長)を用いる。95%以上のオー
バーラップスキャニングで照射し、ポリシリコン膜を加
熱溶融するのが好ましい。また、レーザービーム形状が
ラインビーム(例えば、275×0.3〜0.4m
)であるものを用いる。なお、エキシマレーザーア
ニール処理時には、300〜400℃に基板10を加熱
してもよい。
【0271】なお、本例では、エキシマレーザー処理し
た後に、トップゲート絶縁膜用の酸化シリコン膜及び窒
化シリコン膜または酸窒化シリコン膜を連続成膜する
が、この順序を逆、すなわち、トップゲート絶縁膜用の
酸化シリコン膜及び窒化シリコン膜または酸窒化シリコ
ン膜を形成した後に、エキシマレーザー処理することも
可能である。この場合にも、エキシマレーザーアニール
処理は、表面側から短波長パルスレーザ光を照射するこ
とによって行う。
【0272】このように、トップゲート絶縁膜用の酸化
シリコン膜及び窒化シリコン膜を介してエキシマレーザ
ー処理でシリコン膜を溶融させる。酸化シリコン膜及び
窒化シリコン膜が厚い場合には、高エネルギー照射が必
要となってしまうため、これらの膜を、より薄い膜とし
て形成することが望まれる。バイアス触媒CVD法によ
って形成された酸化シリコン膜及び窒化シリコン膜は、
絶縁耐圧が大きく、薄い膜として形成しても充分な絶縁
性能を得ることができるという特徴がある。従って、本
例のように、酸化シリコン膜及び窒化シリコン膜を介し
てエキシマレーザー処理でシリコン膜を溶融させる場合
には、酸化シリコン膜及び窒化シリコン膜の形成には、
薄い膜の形成が可能なバイアス触媒CVD法が適してい
るということができる。
【0273】その後、レーザーアニール装置から基板1
0を取り出し、再び基板10をバイアス触媒CVD装置
内に設置する。第5工程として、ゲート絶縁膜用の酸化
シリコン膜14を成膜する。成膜装置1内に、キャリア
ガスとしての水素ガス50〜100SCCMを導入す
る。また、成膜装置1内に、モノシランガス1〜20S
CCMと、ヘリウム希釈酸素0.1〜2SCCMとを、
適当比率混合して導入する。グロー放電開始電圧以下の
直流電圧(例えば1kV以下、数10V以上)をサセプ
タ2とガスシャワーヘッド3aとの間に印加する。成膜
装置1内では、導入されたガスが熱触媒体5の熱分解お
よび触媒作用により、基板10上にゲート絶縁膜用の酸
化シリコン膜14を、所定膜厚に形成する。また、必要
に応じてヘリウム希釈酸素をカットしてアンモニアを適
当比率混合して、所定膜厚の窒化シリコン膜15を連続
形成しても良い。このとき、成膜装置1内での原料ガス
の割合を高めるために、マスフローコントローラーMを
制御して、水素ガスの供給を成膜の途中で低減させ、酸
化シリコン膜14及び窒化シリコン膜15を高速で成膜
しても良い。
【0274】なお、成膜後は、原料ガスをカットし、熱
触媒体を問題ない温度まで冷却して、キャリアガスの導
入を停止する。成膜後に、原料ガスをカットして水素系
キャリアガスのみを導入することにより、形成されたポ
リシリコン膜と酸化シリコン膜の界面および酸化シリコ
ン膜を、活性化水素イオンHでアニール処理して、界
面準位を低減し、絶縁膜を改質することができる。絶縁
性薄膜形成時には、それぞれの原料ガスを傾斜減少又は
傾斜増加させて、傾斜接合の膜を成膜してもよい。
【0275】なお本例では、シングルチャンバのバイア
ス触媒CVD装置を用いて薄膜を形成するように構成し
ているが、マルチチャンバのバイアス触媒CVD装置を
用いて薄膜を形成しても良い。その場合には、次のA〜
Cチャンバを備えたマルチチャンバ真空容器を用い、上
記第1〜第5工程を次の手順で行う。第1工程では、各
チャンバ内に水素系キャリアガスを供給して熱触媒体5
を所定温度に加熱しておく。その後、基板10をAチャ
ンバに移し、モノシランガスとアンモニアガスを適量比
率混合して導入し、電界を印加して窒化シリコン膜50
〜200(nm)厚を形成する。
【0276】窒化シリコン膜が形成されると、基板10
をBチャンバに移し、モノシランガスにヘリウム希釈の
酸素ガスを適量比率混合して導入し、電界を印加して酸
化シリコン膜50〜100(nm)厚を形成する。その
後基板10をCチャンバに移し、モノシランガスおよび
SnHを適量比率混合して導入し、電界を印加してポ
リシリコン膜40〜60(nm)厚を形成する。
【0277】ポリシリコン膜13が形成されたら、原料
ガスをカットし、熱触媒体5を問題ない温度まで冷却し
て、キャリアガスの導入を停止する。この後、基板10
を成膜装置1から取り出し、形成したポリシリコン膜を
エキシマレーザーアニール処理する。
【0278】その後、基板10を再びBチャンバに設置
し、モノシランガスにヘリウム希釈の酸素ガスを適量比
率混合して導入し、電界を印加して酸化シリコン膜50
〜100(nm)厚を形成する。必要に応じて基板10
をAチャンバに移し、モノシランガスにアンモニアガス
を適量比率混合して導入し、電解を印加して窒化シリコ
ン膜50〜100(nm)厚を形成する。成膜後は原料
ガスをカットし、熱触媒体5を問題ない温度まで冷却し
て水素系キャリアガスをカットする。
【0279】なお、本例のトップゲート型ポリシリコン
CMOSTFT製法では、上記の通り、水素ガスの供給
を成膜の途中で低減または停止させ、各薄膜を高速で成
膜することができるが、成膜途中に、水素系キャリアガ
スをストップしても、シラン系ガスの熱分解および触媒
反応により、多量の活性化水素イオンHが発生するの
で、熱触媒体5が劣化することはなく、高速成膜を行っ
た場合であっても、熱触媒体5は、充分な触媒機能が保
たれるものである。こうして、絶縁基板10上に40〜
60(nm)厚の大粒径ポリシリコン層を成膜する。
【0280】次いで、上記ポリシリコン層を少なくとも
チャンネル,ソース,ドレイン領域とするMOSTFT
の作製を行う。第6工程として、図23に示すように、
NチャンネルMOSTFT用のチャンネル領域の不純物
濃度を制御するために、PチャンネルMOSTFTを、
フォトレジストr1でマスクし、P型不純物イオン(例
えば、二フッ化ホウ素イオンBF )を、例えば、2
0〜30keVで2〜3×1012atoms/cm
のドーズ量でイオン注入し、ポリシリコン層の導電型を
P型化したシリコン層l1とする。
【0281】次いで、第7工程として、図24に示すよ
うに、PチャンネルMOSTFT用のチャンネル領域の
不純物濃度を制御するために、今度は、NチャンネルM
OSTFTをフォトレジストr2でマスクし、N型不純
物イオン(例えば、リンイオンP)を、例えば、40
〜50keVで2〜3×1012atoms/cm
ドーズ量でイオン注入し、ポリシリコン層のN型化した
シリコン層l2とする。
【0282】次いで、第8工程では、図25に示すよう
に、ゲート電極材料としての耐熱性の高いモリブデン/
タンタル合金膜16を、スパッタ法で、例えば、400
(nm)厚に堆積させる。
【0283】次いで、第9工程では、図26に示すよう
に、フォトレジストr3を所定パターンに形成し、これ
をマスクにして、モリブデン/タンタル合金膜16をゲ
ート電極17の形状にパターニングし、更に、フォトレ
ジストr3を除去する。
【0284】次いで、第10工程では、図27に示すよ
うに、PチャンネルMOSTFT及びゲート電極17を
フォトレジストr4でマスクし、N型不純物である、例
えば、Asイオンを、例えば、60〜70keVで1
×1015atoms/cm のドーズ量でイオン注入
し、フォトレジスト剥離後、N中約1000℃で20
秒〜30秒間のRTA(Rapid Thermal
Anneal)で活性化し、NチャンネルMOSTFT
のN型ソース領域S1及びドレイン領域D1をそれぞ
れ形成する。なお、このRTA処理は、PチャンネルM
OSTFTの活性化と一緒にしても良い。
【0285】次いで、第11工程では、図28に示すよ
うに、NチャンネルMOSTFT及びゲート電極17を
フォトレジストr5でマスクし、P型不純物である、例
えば、Bイオンを、例えば、20〜30keVで1×
1015atoms/cmのドーズ量でイオン注入
し、フォトレジスト剥離後、N中約1000℃で20
秒〜30秒間のRTA(Rapid Thermal
Anneal)で活性化し、PチャンネルMOSTFT
のP型ソース領域S2及びドレイン領域D2を、それ
ぞれ形成する。
【0286】次いで、第12工程では、図29に示すよ
うに、全面にバイアス触媒CVD法等によって、酸化シ
リコン膜19を、例えば50〜100(nm)厚、リン
シリケートガラス(PSG)膜20を、例えば200〜
300(nm)厚、窒化シリコン膜21を100〜20
0(nm)厚に成膜する。
【0287】次いで、第13工程では、図30に示すよ
うに、絶縁膜の所定位置にコンタクト窓開けを行い、各
ホールを含む全面にアルミニウムなどの電極材料を、ス
パッタ法等により、150℃で1μmの厚みに堆積す
る。その後、これをパターニングして、PチャンネルM
OSTFT及びNチャンネルMOSTFTの、それぞれ
のソース又はドレイン電極S又はDとゲートコンタクト
又は配線Gを形成する。その後、フォーミングガス(N
+H)中400℃で1時間シンター処理し、オーミ
ックコンタクトと表面準位を改善し、各MOSTFTを
完成する。
【0288】なお、上記第13工程で、ソース電極S又
はドレイン電極Dとゲート取り出し電極又は配線Gを形
成した後、次の第14工程の水蒸気アニール工程及び第
15工程のプラズマクリーニング工程(またはスパッタ
クリーニング工程)を行ってもよい。
【0289】本例では、第5工程の後のレーザーアニー
ル工程と、この水蒸気アニール工程およびプラズマクリ
ーニング工程(またはスパッタクリーニング工程)との
双方を備えるように構成しているが、レーザーアニール
工程を備えるが水蒸気アニール工程及びプラズマクリー
ニング工程(またはスパッタクリーニング工程)を備え
ないように構成しても良い。また、レーザーアニール工
程を備えずに、水蒸気アニール工程及びプラズマクリー
ニング工程(またはスパッタクリーニング工程)を備え
るように構成しても良い。また、レーザーアニール工程
と水蒸気アニール工程とを電極形成前に行う場合には、
電極が水蒸気によって腐食されないため、電極のプラズ
マクリーニングまたはスパッタクリーニング工程とを行
う必要はない。なお、レーザーアニール工程を、第4工
程(ポリシリコン膜形成工程)と第5工程(ゲート絶縁
膜(酸化シリコン膜)形成工程)との間に行わない場合
には、ポリシリコン膜13とゲート絶縁膜の酸化シリコ
ン膜14は、連続成膜する方が良い。
【0290】第14工程は、上述の通り水蒸気アニール
工程であり、薄膜層および電極の形成された基板10
を、上述した真空吸引による方法により、水蒸気アニー
ル処理する。水蒸気アニールチャンバ31内のサセプタ
32上に基板10を載置する。この水蒸気アニールチャ
ンバ31内で、2×10Pa〜3×10Paの高圧
水蒸気中,180℃〜200℃、30分〜60分間基板
10を加熱し、絶縁膜と半導体膜との界面または絶縁膜
の改質を行う。
【0291】次いで、第15工程で、上記実施例1で説
明した手順により、上記形成された膜の少なくとも電極
パッド部表面を、スパッタクリーニング又はプラズマク
リーニングする。その後、水蒸気アニール工程を行わな
い場合と同様に、フォーミングガス(N+H)中4
00℃で1時間シンター処理し、オーミックコンタクト
と表面準位を改善し、各MOSTFTを完成する。
【0292】(具体的実施例2)さらに、具体的な実施
例2として、ボトムゲート型ポリシリコンCMOSTF
T製法の実施例について説明する。本例は、ポリシリコ
ン膜をエキシマレーザーアニール処理および/または水
蒸気アニール処理するものである。本例では、バイアス
触媒CVDにより薄膜を形成するように構成している
が、これに限定されるものでなく、高密度バイアス触媒
CVD,バイアス減圧CVD,バイアス常圧CVDも本
例に適用可能である。基板10の材質,大きさは、上記
具体的実施例1と同様の基準により選択される。
【0293】上記ボトムゲート型ポリシリコンCMOS
TFTの作製工程について説明する。まず、基板10の
少なくともTFT領域に、モリブデン/タンタル合金の
スパッタ膜300〜400(nm)厚を形成する。そし
て汎用フォトリソグラフィ及びエッチング技術により、
20〜45度のテーパーエッチングを施し、ボトムゲー
ト電極を形成する。
【0294】次に、上記具体的実施例1の第1工程乃至
第4工程と同様の手順により、基板10上に、保護膜
用,ボトムゲート絶縁膜用の窒化シリコン膜,酸化シリ
コン膜と,ポリシリコン膜と,保護膜用、レーザー反射
低減用の酸化シリコン膜とを成膜する。このときに、少
なくともゲート絶縁膜の酸化シリコン膜とポリシリコン
膜とは連続成膜した方がよい。成膜後は、原料ガスをカ
ットし、熱触媒体5を問題ない温度まで冷却して、キャ
リアガスの導入を停止する。その後、基板10を成膜装
置1から取り出してレーザーアニール装置に導入し、ポ
リシリコン膜を、上記具体的実施例1と同様の手順によ
り、レーザーアニール処理する。但し、本例では、エキ
シマレーザーアニール処理を、形成された薄膜の表面側
から短波長パルスレーザ光を照射することによって行
う。
【0295】こうして、絶縁基板10上に40〜60
(nm)厚の大粒径ポリシリコン層を成膜する。次い
で、ポリシリコン層を少なくともチャンネル領域とする
MOSTFTの作製を行う。本例では、ボトムゲート電
極を最初に形成しているので、ポリシリコンおよび保護
膜の酸化シリコン膜形成後には、電極として、ソース,
ドレイン電極が形成される。
【0296】次に、上記具体的実施例の第6工程と同様
の手順により、PチャンネルMOSTFTをフォトレジ
ストでマスクし、P型不純物イオン(例えば、二フッ化
ホウ素イオンBF )をイオン注入し、ポリシリコン
層の導電型をP型化したシリコン層とする。次いで、上
記具体的実施例の第7工程と同様の手順により、Nチャ
ンネルMOSTFTをフォトレジストでマスクし、N型
不純物イオン(例えば、リンイオンP)を打ち込み、
ポリシリコン層の導電型をN型化したシリコン層とす
る。
【0297】その後、上記具体的実施例1の第10工程
および第11工程と同様の手順により、イオン注入、R
TAによる活性化を行い、NチャンネルMOSTFTの
型ソース領域及びドレイン領域、PチャンネルMO
STFTのP型ソース領域及びドレイン領域を、それ
ぞれ形成する。次いで、全面に、バイアス触媒CVD等
によって、保護用の酸化シリコン膜、リンシリケートガ
ラス(PSG)膜、窒化シリコン膜を成膜する。
【0298】次いで、絶縁膜の所定位置にコンタクト窓
開けを行い、各ホールを含む全面にアルミニウムなどの
電極材料を、スパッタ法等により、150℃で1μmの
厚みに堆積する。その後、これをパターニングして、P
チャンネルMOSTFT及びNチャンネルMOSTFT
の、それぞれのソース又はドレイン電極を形成する。そ
の後、フォーミングガス(N+H)中400℃で1
時間シンター処理し、オーミックコンタクトと表面準位
を改善し、各MOSTFTを完成する。
【0299】その後、前記具体的実施例1と同様な方法
で、水蒸気アニール処理およびプラズマクリーニング
(またはスパッタクリーニング)を行う。本例では、レ
ーザーアニール工程と、水蒸気アニール工程およびプラ
ズマクリーニング工程(またはスパッタクリーニング工
程)との双方を備えるように構成しているが、これら双
方のいずれかを備えるように構成しても良い。
【0300】また、本例では、水蒸気アニール工程をソ
ース電極およびドレイン電極形成後に行っているため、
水蒸気アニール工程を行った後にプラズマクリーニング
(またはスパッタクリーニング)を行うように構成して
いる。しかし、水蒸気アニール工程は、保護膜用、レー
ザー反射低減用の酸化シリコン膜を成膜した後すぐに行
ってもよい。特に、図18(b)に示すように、成膜室
43等の他に水蒸気アニール室45を備えるマルチチャ
ンバからなる真空容器を用いて成膜および水蒸気アニー
ルをする場合には、成膜と水蒸気アニール工程とを同じ
装置内で連続して行うことができる。このように、水蒸
気アニール工程をソース電極およびドレイン電極形成前
に行う場合には、これらの電極が水蒸気によって腐食さ
れないため、これらの電極のプラズマクリーニングまた
はスパッタクリーニング工程とを行う必要はない。
【0301】(具体的実施例3)具体的な実施例3とし
て、デュアルゲート型ポリシリコンCMOSTFT製法
の実施例について説明する。本例は、ポリシリコン膜を
エキシマレーザーアニール処理および/または水蒸気ア
ニール処理するものである。なお、本例では、バイアス
触媒CVDにより薄膜を形成するように構成している
が、これに限定されるものでなく、高密度バイアス触媒
CVD,バイアス減圧CVD,バイアス常圧CVDも本
例に適用可能である。基板10の材質,大きさは、上記
具体的実施例1と同様の基準により選択される。
【0302】次に、デュアルゲート型ポリシリコンCM
OSTFTの作製工程について説明する。まず、基板1
0の少なくともTFT領域に、モリブデン/タンタル合
金のスパッタ膜300〜400(nm)厚を形成する。
そして汎用フォトリソグラフィ及びエッチング技術によ
り、20〜45度のテーパーエッチングを施し、ボトム
ゲート電極を形成する。
【0303】次いで、上記具体的実施例1の第1工程乃
至第4工程と同様の手順により、基板10上に、保護膜
用,ボトムゲート絶縁膜用の窒化シリコン膜,酸化シリ
コン膜,ポリシリコン膜,トップゲート絶縁膜用の酸化
シリコン膜,必要に応じて窒化シリコン膜を成膜する。
少なくとも、ポリシリコン膜とトップゲート絶縁膜用の
酸化シリコン膜とは、連続成膜するものとする。その
後、基板10を成膜装置1から取り出してレーザーアニ
ール装置に導入し、ポリシリコン膜を、上記具体的実施
例1と同様の手順により、レーザーアニール処理する。
このようにして、例えば、40〜60(nm)厚の大粒
径のポリシリコン膜が成膜される。次いで、ポリシリコ
ン層を少なくともチャンネル領域とするMOSTFTの
作製を行う。
【0304】上記具体的実施例の第6工程と同様の手順
により、PチャンネルMOSTFTをフォトレジストで
マスクし、P型不純物イオン(例えば、二フッ化ホウ素
イオンBF )を打ち込み、ポリシリコン層の導電型
をP型化したシリコン層とする。次いで、上記具体的実
施例の第7工程と同様の手順により、NチャンネルMO
STFTをフォトレジストでマスクし、N型不純物イオ
ン(例えば、リンイオンP)を打ち込み、ポリシリコ
ン層の導電型をN型化したシリコン層とする。
【0305】次いで、上記具体的実施例1の第8工程お
よび第9工程と同様の手順により、スパッタ法で堆積さ
せたモリブデン/タンタル合金膜を、ゲート電極の形状
にパターニングし、トップゲート電極を形成する。
【0306】その後、上記具体的実施例1の第10工程
および第11工程と同様の手順により、イオン注入、R
TAによる活性化を行い、NチャンネルMOSTFTの
型ソース領域及びドレイン領域、PチャンネルMO
STFTのP型ソース領域及びドレイン領域を、それ
ぞれ形成する。次いで、全面に、バイアス触媒CVD等
によって、保護用の酸化シリコン膜,窒化シリコン膜を
成膜する。
【0307】次いで、絶縁膜の所定位置にコンタクト窓
開けを行い、各ホールを含む全面にアルミニウムなどの
電極材料を、スパッタ法等により、150℃で1μmの
厚みに堆積する。その後、これをパターニングして、P
チャンネルMOSTFT及びNチャンネルMOSTFT
の、それぞれのソース又はドレイン電極およびゲートコ
ンタクトまたは配線を形成する。その後、フォーミング
ガス(N+H)中400℃で1時間シンター処理
し、オーミックコンタクトと表面準位を改善し、各MO
STFTを完成する。
【0308】その後、前記具体的実施例1と同様な方法
で、水蒸気アニール処理およびプラズマクリーニング
(またはスパッタクリーニング)を行う。本例では、レ
ーザーアニール工程と、水蒸気アニール工程およびプラ
ズマクリーニング工程(またはスパッタクリーニング工
程)との双方を備えるように構成しているが、これら双
方のいずれかを備えるように構成しても良い。
【0309】また、本例では、水蒸気アニール工程をソ
ース電極およびドレイン電極、トップゲート電極形成後
に行っているため、水蒸気アニール工程を行った後にプ
ラズマクリーニング(またはスパッタクリーニング)を
行うように構成している。しかし、水蒸気アニール工程
は、トップゲート絶縁膜の酸化シリコン膜等を成膜した
後すぐに行ってもよい。特に、図18に示すように、成
膜室43等の他に水蒸気アニール室45を備えるマルチ
チャンバからなる真空容器を用いて成膜および水蒸気ア
ニールをする場合には、成膜と水蒸気アニール工程とを
同じ装置内で連続して行うことができる。このように、
水蒸気アニール工程を電極形成前に行う場合には、これ
らの電極が水蒸気によって腐食されないため、これらの
電極のプラズマクリーニングまたはスパッタクリーニン
グ工程を行う必要はない。
【0310】なお、本例では、上記シリコン薄膜のほ
か、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム等の多結晶半
導体または微結晶半導体或いはアモルファス半導体薄膜
等を形成することができる。
【0311】(具体的実施例4)具体的な実施例4とし
て、トップゲート型単結晶シリコンCMOSTFT製法
の実施例を示す。まず、基板10の少なくともTFT形
成領域に適当な形状,寸法の段差を形成し、バイアス触
媒CVD法により半導体膜とゲート絶縁膜を連続成膜さ
せて、段差をシードにグラフォエピタキシャル成長させ
る。このように、少なくとも、ポリシリコン膜とゲート
絶縁膜用の酸化シリコン膜とを成膜するときには、キャ
リアガスとしての水素ガスを供給し、また、熱触媒体5
を加熱して熱分解および触媒作用が可能な状態にしてお
き、連続成膜するものとする。基板10の材質および大
きさは、上記具体的実施例1と同様の基準により選択さ
れる。
【0312】次に、第1工程〜第12工程からなるトッ
プゲート型単結晶シリコンCMOSTFTの作製工程に
ついて説明する。まず、第1工程で、図31に示すよう
に、基板10の一主面に、フォトレジストr1を所定パ
ターンに形成し、これをマスクとして、例えば、四フッ
化炭素(CF)プラズマのFイオンを照射し、リア
クティブイオンエッチング(RIE)によって、基板1
0に段差10aを複数個形成する。
【0313】この場合、段差10aは、後述する単結晶
シリコンのグラフォエピタキシャル成長時のシードとな
るものであって、例えば、深さD0.05〜0.2μ
m、長さL5.0〜10.0μm、幅W2.0〜10.
0μmに形成される。
【0314】次いで、第2工程で、フォトレジストr1
の除去後に、上記具体的実施例1と同様の手順により、
保護膜用の窒化シリコン膜50〜100(nm)厚と保
護膜用の酸化シリコン膜50〜100(nm)厚を成膜
する。なお、基板10上に保護膜用の窒化シリコン膜、
酸化シリコン膜を積層し、この膜に、段差10aを複数
個形成するようにしてもよい。但し、基板からのNa
イオン等のコンタミネーションが防止できるように、段
差の底には窒化シリコン膜が存在することが望ましい。
【0315】次いで、第3工程で、図32に示すよう
に、バイアス触媒CVDにより、基板10上に単結晶シ
リコン膜を形成する。このとき、成膜装置1内に、キャ
リアガスとしての水素ガス50〜100SCCMを導入
する。また、原料ガスとしてのモノシラン1〜20SC
CMおよびSnH1〜20SCCMとを導入し、バイ
アス触媒CVD法によって、基板10上に単結晶シリコ
ン膜を形成する。このときに、段差10aをシードにグ
ラフォエピタキシャル成長させて、単結晶シリコン膜2
2を数μm〜0.005μm(例えば50〜100(n
m))厚に、エピタキシャル成長させる。
【0316】なお、必要に応じて、原料ガスのシラン系
ガス(モノシラン又はジシラン又はトリシラン等)に、
N型のリン又はひ素又はアンチモン等を適量混入した
り、又はP型のボロンを適量混入することで、任意のN
又はP型不純物キャリア濃度の単結晶シリコン膜を形成
することができる。N型化の場合は、例えば、フォスフ
ィン、アルシン、スチビンが採用され、P型化の場合
は、例えば、ジボランが採用される。
【0317】基板10上に堆積した単結晶シリコン膜2
2は、エピタキシャル成長したものであるが、これは、
グラフォエピタキシーと称される公知の現象によるもの
である。この単結晶シリコン膜の膜質および成膜速度
は、熱触媒体温度,基板温度,さらに熱触媒体の触媒作
用による活性化水素イオンHの段差表面のクリーニン
グ等により決定される。そして、上記段差10aの形状
を種々に変えることによって、成長層の結晶方位を制御
することができる。このとき、成膜装置1内での原料ガ
スの割合を高めるために、マスフローコントローラーM
を制御して、水素ガスの供給を成膜の途中で低減させ、
単結晶シリコン膜を高速で成膜するように構成してもよ
い。
【0318】単結晶シリコン膜22が形成されたら、図
33に示すように、第5工程として、上記具体的実施例
1の第5工程と同様の手順によりゲート絶縁膜用の酸化
シリコン膜23,または必要に応じて酸化シリコン膜2
3及び窒化シリコン膜を成膜する。
【0319】こうして、バイアス触媒CVD法とグラフ
ォエピタキシーによって、基板10上に単結晶シリコン
膜22を堆積させる。次いで、単結晶シリコン膜を少な
くともチャンネル領域とするMOSTFTの作製を行
う。
【0320】第6工程として、図34に示すように、N
チャンネルMOSTFT用のチャンネル領域の不純物濃
度を制御するために、PチャンネルMOSTFTをフォ
トレジストr2でマスクし、P型不純物イオン(例え
ば、二フッ化ホウ素イオンBF )を、例えば、20
〜30keVで5×1012atoms/cmのドー
ズ量でイオン注入し、単結晶シリコン膜の導電型をP型
化したシリコン層l1とする。
【0321】次いで、第7工程として、図35に示すよ
うに、PチャンネルMOSTFT用のチャンネル領域の
不純物濃度を制御するために、今度は、NチャンネルM
OSTFTをフォトレジストr3でマスクし、N型不純
物イオン(例えば、リンイオンP)を、例えば、40
〜50keVで5×1012atoms/cmのドー
ズ量でイオン注入し、単結晶シリコン膜のN型化したシ
リコン層l2とする。
【0322】次いで、第8工程では、図36に示すよう
に、ゲート電極材料としてのモリブデン/タンタル合金
膜24を、例えば、スパッタ法によって400(nm)
厚に堆積させる。
【0323】次いで、第9工程では、図37に示すよう
に、フォトレジストr4を所定パターンに形成し、これ
をマスクにして、モリブデン/タンタル合金膜24をゲ
ート電極25の形状にパターニングし、フォトレジスト
r4を除去する。
【0324】次いで、第10工程では、図38に示すよ
うに、PチャンネルMOSTFT及びゲート電極25を
フォトレジストr5でマスクし、N型不純物である、例
えば、Asイオンを、例えば、60〜70keVで1
×1015atoms/cm のドーズ量でイオン注入
しフォトレジスト除去後に、N中約1000℃で20
秒〜30秒間のRTA(Rapid Thermal
Anneal)で活性化し、NチャンネルMOSTFT
のN型ソース領域S1及びドレイン領域D1をそれぞ
れ形成する。
【0325】次いで、第11工程では、図39に示すよ
うに、NチャンネルMOSTFT及びゲート電極25を
フォトレジストr6でマスクし、P型不純物である、例
えば、Bイオンを、例えば、30keVで1×10
15atoms/cmのドーズ量でイオン注入しフォ
トレジスト除去後に、N中約1000℃で20秒〜3
0秒間のRTA(Rapid Thermal Ann
eal)で活性化し、PチャンネルMOSTFTのP
型ソース領域S2及びドレイン領域D2をそれぞれ形成
する。なお、このRTA処理はNチャンネルMOSTF
Tの活性化を一緒にしてもよい。
【0326】次いで、第12工程では、図40に示すよ
うに、全面にバイアス触媒CVD等によって、酸化シリ
コン膜27を、例えば50〜100(nm)厚、リンシ
リケートガラス(PSG)膜28を、例えば200〜3
00(nm)厚、窒化シリコン膜29を、例えば、15
0〜200(nm)厚に成膜する。
【0327】次いで、第13工程では、図41に示すよ
うに、絶縁膜の所定位置にコンタクト窓開けを行い、各
ホールを含む全面に、アルミニウムなどの電極材料をス
パッタ法等によって150℃で1μmの厚みに堆積し、
これをパターニングして、PチャンネルMOSTFT及
びNチャンネルMOSTFTの、それぞれのソース又は
ドレイン電極S又はDとゲート取出し電極又は配線Gを
形成する。
【0328】次いで、上記具体的実施例1の第14工程
及び第15工程と同様の手順により、水蒸気アニール工
程及びプラズマクリーニング工程(またはスパッタクリ
ーニング工程)を行う。その後、フォーミングガス(N
+H)中400℃で1時間シンター処理してオーミ
ックコンタクトと表面準位を改善し、各MOSTFTを
完成する。
【0329】本例では、基板の少なくとも半導体装置形
成領域に段差を形成し、この段差をシードに単結晶シリ
コン膜をグラフォエピタキシャル成長させているので、
高い電子/正孔移動度を有し、動作性に優れる単結晶シ
リコン膜を得ることができる。さらに、水蒸気アニール
処理により、絶縁膜が改質され、ゲート絶縁膜と単結晶
シリコン膜との界面準位が改善されるので、更に動作特
性に優れる半導体装置を得ることができる。なお、当然
であるが、単結晶シリコン膜を成膜する場合には、レー
ザーアニール処理は行わない。レーザーアニール処理を
行うと、単結晶シリコンがポリシリコン膜化し、特性悪
化するからである。
【0330】(具体的実施例5)具体的な実施例5とし
て、ボトムゲート型単結晶シリコンCMOSTFT製法
の実施例を示す。基板10の材質,大きさは、上記具体
的実施例1と同様の基準により選択される。
【0331】上記ボトムゲート型単結晶シリコンCMO
STFTの作製工程について説明する。まず、基板10
の少なくともTFT領域に、モリブデン/タンタル合金
のスパッタ膜300〜400(nm)厚を形成する。そ
して、汎用フォトリソグラフィ及びエッチング技術によ
り、20〜45度のテーパーエッチングを施し、ボトム
ゲート電極を形成する。
【0332】次いで、上記具体的実施例1の第1工程乃
至第3工程と同様の手順により、保護膜用,ボトムゲー
ト絶縁膜用の窒化シリコン膜50〜100(nm)厚お
よび酸化シリコン膜50〜100(nm)厚を形成す
る。なお、このとき、窒化シリコン膜および酸化シリコ
ン膜の代わりに、酸窒化シリコン膜を形成してもよい。
【0333】次いで、基板10の一主面に、フォトレジ
ストを所定パターンに形成し、これをマスクとして、例
えば、CFプラズマのFイオンを照射し、リアクテ
ィブイオンエッチング(RIE)によって、基板10の
TFT形成領域内に、段差を複数個形成する。この場
合、段差は、後述する単結晶シリコンのグラフォエピタ
キシャル成長時のシードとなるものであって、深さD
0.05〜0.2μm、長さL2〜10μm、幅W2〜
10μmであってよい。
【0334】フォトレジストの除去後に、上記具体的実
施例4と同様の手順により、基板10上の段差をシード
として単結晶シリコン膜数μm〜0.005μm(例え
ば50〜100(nm))厚を成膜する。
【0335】単結晶シリコン膜が形成されたら、上記具
体的実施例1の第5工程と同様の手順により保護膜用の
酸化シリコン膜を成膜する。こうして、バイアス触媒C
VD法とグラフォエピタキシーによって、基板10上の
段差をシードとして単結晶シリコン膜を堆積させる。次
いで、前記具体的実施例2と同様の方法で、単結晶シリ
コン膜を少なくともチャンネル領域とするMOSTFT
の作製を行う。
【0336】上記具体的実施例1の第14工程及び第1
5工程と同様の手順により、水蒸気アニール工程及びプ
ラズマクリーニング工程(またはスパッタクリーニング
工程)を行う。その後、フォーミングガス(N
)中400℃で1時間シンター処理してオーミック
コンタクトと表面準位を改善し、各MOSTFTを完成
する。
【0337】(具体的実施例6)具体的な実施例6とし
て、デュアルゲート型単結晶シリコンCMOSTFT製
法の実施例について説明する。基板10の材質,大きさ
は、上記具体的実施例1と同様の基準により選択され
る。
【0338】上記デュアルゲート型単結晶シリコンCM
OSTFTの作製工程について説明する。基板10の少
なくともTFT領域に、モリブデン/タンタル合金のス
パッタ膜を300〜400(nm)厚形成する。そし
て、汎用フォトリソグラフィ及びエッチング技術によ
り、20〜45度のテーパーエッチングを施し、ボトム
ゲート電極を形成する。
【0339】次いで、上記具体的実施例1の第1工程乃
至第3工程と同様の手順により、保護膜用,ボトムゲー
ト絶縁膜用の窒化シリコン膜50〜100(nm)厚お
よび酸化シリコン膜50〜100(nm)厚を形成す
る。なお、このとき、窒化シリコン膜および酸化シリコ
ン膜の代わりに、酸窒化シリコン膜を形成してもよい。
【0340】次いで、基板10の一主面に、フォトレジ
ストを所定パターンに形成し、これをマスクとして、例
えば、CFプラズマのFイオンを照射し、リアクテ
ィブイオンエッチング(RIE)によって、基板10の
TFT形成領域内に、段差を複数個形成する。この場
合、段差は、後述する単結晶シリコンのグラフォエピタ
キシャル成長時のシードとなるものであって、深さD
0.05〜0.2μm、長さL2〜10μm、幅W2〜
10μmであってよい。
【0341】次いで、上記具体的実施例4と同様の手順
により、基板10上の段差をシードとして単結晶シリコ
ン膜を数μm〜0.005μm(例えば50〜100
(nm))厚に、グラフォエピタキシャル成長させる。
こうして、バイアス触媒CVD法とグラフォエピタキシ
ーによって、基板10上の段差をシードとして単結晶シ
リコン膜を堆積させる。
【0342】次いで、上記具体的実施例3と同様な方法
で、単結晶シリコン膜を少なくともチャンネル領域とす
るMOSTFTの作製を行う。単結晶シリコン膜が形成
されたら、上記具体的実施例1の第5工程と同様の手順
により、トップゲート絶縁膜用の酸化シリコン膜、また
は必要に応じて酸化シリコン膜と窒化シリコン膜を成膜
する。なお、このとき、窒化シリコン膜および酸化シリ
コン膜の代わりに、酸窒化シリコン膜を形成してもよ
い。
【0343】次に、上記トップゲート絶縁膜用の酸化シ
リコン膜或いは窒化シリコン膜のソース、ドレイン領域
を窓あけして、モリブデン/タンタル合金のスパッタ膜
を全面に形成し、汎用フォトリソグラフィ及びエッチン
グ技術によりソース、ドレインおよびトップゲート電極
を形成する。
【0344】なお、本例では、トップゲート、ソース電
極およびドレイン電極形成後に、前記具体的実施例1と
同様な方法で、水蒸気アニール工程及びプラズマクリー
ニング工程(またはスパッタクリーニング工程)を行
う。その後、フォーミングガス(N+H)中400
℃で1時間シンター処理してオーミックコンタクトと表
面準位を改善し、各MOSTFTを完成する。
【0345】(具体的実施例7)具体的な実施例7とし
て、単結晶シリコン膜をヘテロエピタキシャル成長によ
り形成して得た、トップゲート型単結晶シリコンCMO
STFT製法の実施例を示す。まず、基板10の少なく
ともTFT形成領域に、バイアス触媒CVD法等により
キャリアガスとしての水素ガスを供給し、また熱触媒体
を加熱して熱分解および触媒作用が可能な状態にしてお
き、単結晶半導体(単結晶シリコン)と格子整合の良い
物質層(結晶性サファイア膜等)を形成し、前記格子整
合の良い物質をシードにヘテロエピタキシャル成長させ
る。基板10の材質および大きさは、上記具体的実施例
1と同様の基準により選択される。
【0346】上記、第1工程〜第13工程からなるトッ
プゲート型単結晶シリコンCMOSTFTの作製工程に
ついて、さらに詳細に説明する。まず、第1工程,第2
工程で、上記具体的実施例の第1工程,第2工程と同様
の手順により、保護膜用の窒化シリコン膜50〜200
(nm)厚を形成する。
【0347】次いで、第3工程で、単結晶半導体(単結
晶シリコン)と格子整合の良い物質層(結晶性サファイ
ア膜等)を形成する。すなわち、図42に示すように、
基板10の一主面に、バイアス触媒CVD法等により、
結晶性サファイア薄膜50を5〜200(nm)厚形成
する。結晶性サファイア薄膜50は、トリメチルアルミ
ニウムガスを酸化性ガス(酸素・水分)で酸化し、結晶
化させて作製する。
【0348】次いで、第4工程で、単結晶シリコン膜2
2を形成する。第2工程で、水素ガスを低減または停止
させた場合は、成膜装置1内に、キャリアガスとしての
水素ガス50〜100SCCMを導入する。また、原料
ガスとしてのモノシラン1〜20SCCMを導入し、バ
イアス触媒CVD法によって、基板10上に単結晶シリ
コン膜を成膜する。このときに、図43に示すように、
結晶性サファイア薄膜50上に、全面に単結晶シリコン
膜22を、0.005μm〜数μm(例えば、50〜1
00(nm))厚に、エピタキシャル成長させる。
【0349】このようにして、シリコンは、結晶性サフ
ァイア薄膜50をシード(種)としてヘテロエピタキシ
ャル成長し、例えば、50〜100(nm)厚程度の単
結晶シリコン膜22として析出する。この場合、サファ
イアは、単結晶シリコンと格子定数が殆ど同じであるの
で、シリコンは、結晶性サファイア薄膜50上にヘテロ
エピタキシャル成長する。
【0350】なお、必要に応じて、原料ガスのシラン系
ガス(モノシラン又はジシラン又はトリシラン等)に、
N型のリン又はひ素又はアンチモン等を適量混入した
り、又はP型のボロンを適量混入することで、任意のN
又はP型不純物キャリア濃度の単結晶シリコン膜を形成
することができる。N型化の場合は、例えば、フォスフ
ィン、アルシン、スチビンが採用され、P型化の場合
は、例えば、ジボランが採用される。
【0351】このとき、成膜装置1内での原料ガスの割
合を高めるために、マスフローコントローラーMを制御
して、水素ガスの供給を成膜の途中で低減させ、単結晶
シリコン膜を高速で成膜するように構成してもよい。
【0352】その後、図44に示すように、第5工程と
して、上記具体的実施例1の第5工程と同様の手順によ
り、ゲート絶縁膜用の酸化シリコン膜23を成膜する。
このとき、単結晶シリコン膜とゲート絶縁膜用酸化シリ
コン膜は連続成膜とする。また、これらの膜を形成した
後、必要に応じて窒化シリコン膜を形成してもよい。ま
た、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜を形成する代わり
に、酸窒化シリコン膜を形成してもよい。薄膜形成後
は、原料ガスをカットし、熱触媒体を問題ない温度まで
冷却して、キャリアガスの導入を停止する。
【0353】こうして、バイアス触媒CVD法とヘテロ
エピタキシーによって、基板10上に単結晶シリコン膜
22を堆積させる。次いで、単結晶シリコン膜をチャン
ネル領域とするMOSTFTの作製を行う。
【0354】第6工程として、図45に示すように、N
チャンネルMOSTFT用のチャンネル領域の不純物濃
度を制御するために、PチャンネルMOSTFTをフォ
トレジストr1でマスクし、P型不純物イオン(例え
ば、二フッ化ホウ素イオンBF )を、例えば、20
〜30keVで5×1012atoms/cmのドー
ズ量でイオン注入し、単結晶シリコン膜の導電型をP型
化したシリコン層l1とする。
【0355】次いで、第7工程として、図46に示すよ
うに、PチャンネルMOSTFT用のチャンネル領域の
不純物濃度を制御するために、今度は、NチャンネルM
OSTFTをフォトレジストr2でマスクし、N型不純
物イオン(例えば、リンイオンP)を、例えば、40
〜50keVで5×1012atoms/cmのドー
ズ量でイオン注入し、単結晶シリコン膜のN型化したシ
リコン層l2とする。
【0356】次いで、第8工程では、図47に示すよう
に、ゲート電極材料としてのモリブデン/タンタル合金
膜24を、例えば、スパッタ法によって厚さ400(n
m)厚に堆積させる。
【0357】次いで、第9工程では、図48に示すよう
に、フォトレジストr3を所定パターンに形成し、これ
をマスクにして、モリブデン/タンタル合金膜24をゲ
ート電極25の形状にパターニングし、フォトレジスト
r3の除去する。
【0358】次いで、第10工程では、図49に示すよ
うに、PチャンネルMOSTFT及びゲート電極25を
フォトレジストr4でマスクし、N型不純物である、例
えば、Asイオンを、例えば、60〜70keVで1
×1015atoms/cm のドーズ量でイオン注入
しフォトレジスト除去後に、N中約1000℃で20
秒〜30秒間のRTA(Rapid Thermal
Anneal)で活性化し、NチャンネルMOSTFT
のN型ソース領域S1及びドレイン領域D1をそれぞ
れ形成する。
【0359】次いで、第11工程では、図50に示すよ
うに、NチャンネルMOSTFT及びゲート電極25を
フォトレジストr5でマスクし、P型不純物である、例
えば、Bイオンを、例えば、20〜30keVで1×
1015atoms/cmのドーズ量でイオン注入し
フォトレジスト除去後に、N中約1000℃で20秒
〜30秒間のRTA(Rapid Thermal A
nneal)で活性化し、PチャンネルMOSTFTの
型ソース領域S2及びドレイン領域D2をそれぞれ
形成する。なお、このRTA処理はNチャンネルMOS
TFTの活性化を一緒にしてもよい。
【0360】次いで、第12工程では、図51に示すよ
うに、全面にバイアス触媒CVD等によって、酸化シリ
コン膜27を、例えば50〜100(nm)厚、リンシ
リケートガラス(PSG)膜28を、例えば200〜3
00(nm)厚、窒化シリコン膜29を、例えば、15
0〜200(nm)厚に成膜する。
【0361】次いで、第13工程では、図51に示すよ
うに、絶縁膜の所定位置にコンタクト窓開けを行い、各
ホールを含む全面に、アルミニウムなどの電極材料をス
パッタ法等によって150℃で1μmの厚みに堆積し、
これをパターニングして、図52に示すように、Pチャ
ンネルMOSTFT及びNチャンネルMOSTFTの、
それぞれのソース又はドレイン電極S又はDとゲート取
出し電極又は配線Gを形成する。
【0362】次いで、第14工程では、上記具体的実施
例1の第14工程及び第15工程と同様の手順により、
水蒸気アニール工程及びプラズマクリーニング工程(ま
たはスパッタクリーニング工程)を行う。その後、フォ
ーミングガス(N+H)中400℃で1時間シンタ
ー処理してオーミックコンタクトと表面準位を改善し、
各MOSTFTを完成する。
【0363】本例では、基板の少なくとも半導体装置形
成領域には単結晶半導体、例えば単結晶シリコンと格子
整合の良い物質層を形成し、この格子整合の良い物質を
シードに単結晶シリコン膜をヘテロエピタキシャル成長
させているので、高い電子/正孔移動度を有し、動作性
に優れる単結晶シリコン膜を得ることができる。
【0364】(具体的実施例8)具体的な実施例8とし
て、単結晶半導体膜をヘテロエピタキシャル成長により
形成して得た、ボトムゲート型単結晶シリコンCMOS
TFT製法の実施例を示す。基板10の材質および大き
さは、上記具体的実施例1と同様の基準により選択され
る。まず、基板10の少なくともTFT形成領域に、モ
リブデン/タンタル合金のスパッタ膜300〜400
(nm)厚を形成し、ボトムゲート電極を形成する。ボ
トムゲート電極には、汎用フォトリソグラフィ及びエッ
チング技術により、20〜45度のテーパーエッチング
を施す。次に、上記具体的実施例1の第1工程〜第3工
程と同様の手順により、保護膜用,ボトムゲート絶縁膜
用の窒化シリコン膜50〜100(nm)厚,酸化シリ
コン膜50〜100(nm)厚を形成する。この窒化シ
リコン膜,酸化シリコン膜の代わりに、酸窒化シリコン
膜50〜200(nm)厚としてもよい。
【0365】次いで、上記具体的実施例7と同様の手順
により、結晶性サファイア薄膜5〜200(nm)厚を
形成する。次いで、上記具体的実施例7と同様の手順に
より、単結晶シリコン膜0.005μm〜数μm(例え
ば、50〜100(nm))厚をヘテロエピタキシャル
成長させる。
【0366】このようにして、シリコンは、結晶性サフ
ァイア薄膜をシード(種)としてヘテロエピタキシャル
成長し、厚さ、例えば、50〜100(nm)厚程度の
単結晶シリコン膜として析出する。なお、この結晶性サ
ファイア膜は、シリコンのヘテロエピタキシャル成長の
シードであり、かつボトムゲート絶縁膜としての役割も
果たす。
【0367】その後、上記具体的実施例1の第5工程と
同様の手順により、保護膜用の酸化シリコン膜を成膜す
る。成膜後は、原料ガスをカットし、熱触媒体を問題な
い温度まで冷却して、キャリアガスの導入を停止する。
【0368】こうして、バイアス触媒CVD法とヘテロ
エピタキシーによって、基板10上に単結晶シリコン膜
を堆積させる。次いで、前記具体的実施例7と同様の方
法で、単結晶シリコン膜を少なくともチャンネル領域と
するMOSTFTの作製を行う。なお、本例では、ソー
ス電極およびドレイン電極形成後に、前記具体的実施例
1と同様の方法で、水蒸気アニール処理を行う。
【0369】(具体的実施例9)具体的な実施例9とし
て、単結晶シリコン膜をヘテロエピタキシャル成長によ
り形成して得た、デュアルゲート型単結晶シリコンCM
OSTFT製法の実施例について説明する。基板10の
材質および大きさは、上記具体的実施例1と同様の基準
により選択される。デュアルゲート型単結晶シリコンC
MOSTFTは、以下の工程で作製される。まず、基板
10の少なくともTFT領域に、モリブデン/タンタル
合金のスパッタ膜を300〜400(nm)厚形成す
る。そして、汎用フォトリソグラフィ及びエッチング技
術により、20〜45度のテーパーエッチングを施し、
ボトムゲート電極を形成する。
【0370】次いで、上記具体的実施例1の第1工程〜
第3工程と同様の手順により、保護膜用,ボトムゲート
絶縁膜用の窒化シリコン膜50〜100(nm)厚,酸
化シリコン膜50〜100(nm)厚を形成する。な
お、これらの窒化シリコン膜,酸化シリコン膜を形成す
る代わりに、酸窒化シリコン膜50〜200(nm)厚
を形成してもよい。
【0371】次いで、上記具体的実施例7と同様の手順
により、結晶性サファイア薄膜5〜200(nm)厚を
形成する。次いで、上記具体的実施例7と同様の手順に
より、単結晶シリコン膜0.005μm〜数μm(例え
ば、50〜100(nm))厚をヘテロエピタキシャル
成長させる。
【0372】このようにして、シリコンは、結晶性サフ
ァイア薄膜をシード(種)としてヘテロエピタキシャル
成長し、厚さ、例えば、50〜100(nm)厚程度の
単結晶シリコン膜として析出する。こうして、バイアス
触媒CVD法とヘテロエピタキシーによって、基板10
上に単結晶シリコン膜を堆積させる。その後、単結晶シ
リコン膜を少なくともチャンネル領域とするMOSTF
Tの作製を行う。
【0373】その後、上記具体的実施例1の第5工程と
同様の手順により、トップゲート絶縁膜用の酸化シリコ
ン膜50〜100(nm)厚を成膜する。また、必要に
応じて窒化シリコン膜50〜100(nm)厚を成膜す
る。なお、これらの酸化シリコン膜,窒化シリコン膜の
代わりに、酸窒化シリコン膜50〜200(nm)厚を
形成してもよい。また、成膜後は、原料ガスをカット
し、熱触媒体5を問題ない温度まで冷却して、キャリア
ガスの導入を停止する。なお、この結晶性サファイア薄
膜は、シリコンのヘテロエピタキシャル成長のシードで
あり、かつボトムゲート絶縁膜としての役割も果たす。
【0374】次に、上記トップゲート絶縁膜用の酸化シ
リコン膜のソース、ドレイン領域を窓明けして、モリブ
デン/タンタル合金のスパッタ膜を全面に形成して、汎
用フォトリソグラフィ及びエッチング技術によりソー
ス、ドレインおよびトップゲート電極を形成する。
【0375】なお、本例では、トップゲート電極,ソー
ス電極およびドレイン電極形成後に、前記具体的実施例
1と同様な方法で、水蒸気アニール処理,電極のプラズ
マクリーニングまたはスパッタクリーニングを行う。
【0376】
【発明の効果】本発明は、バイアス触媒CVDまたは高
密度バイアス触媒CVDを利用して、基板と電極との間
にグロー放電開始電圧以下の電界を印加して、前記基板
上に半導体膜を形成することを含む半導体膜形成工程を
行うことにより、下記に示す効果を奏する。すなわち、
バイアス触媒CVDまたは高密度バイアス触媒CVDを
利用して、基板と電極との間にグロー放電開始電圧以下
の電界を印加して、前記基板上に半導体膜を形成するこ
とにより、反応ガスを加熱された触媒体に接触させ、こ
れによって生成した反応種(高いエネルギーを持つラジ
カルな堆積種又はその前駆体及びラジカルイオン)にグ
ロー放電開始電圧以下のDC、又はAC/DC、又はR
F/DC等の電界を作用させて指向性の運動エネルギー
を与え、基板上に所定の膜を気相成長させているので、
次に示すような顕著な作用効果が得られる。
【0377】(1)熱触媒体によって生成した反応種
(高いエネルギーを持つラジカルな堆積種又はその前駆
体及びラジカルイオン)が、電界の作用により指向性の
運動エネルギーを受け、基板上に効率良く導かれると共
に、基板上での泳動及び生成過程の膜中での拡散が十分
となる。従って、従来の触媒体CVD法に比べて、上記
反応種の運動エネルギーを電界により独立してコントロ
ールできるため、生成膜の基板との密着性向上、生成膜
密度の向上、生成膜均一性又は平滑正の向上、ビアホー
ルなどへの埋め込み性とステップカバレージの向上を図
ることができる。さらに、基板温度の低温化、生成膜の
ストレスコントロール等が可能となり、高品質膜が実現
する。 (2)触媒体で生成された反応種(イオン、ラジカル
等)を電界で独立してコントロールし、効率良く基体上
に堆積できるので、反応ガスの利用効率が高く、生成速
度を早め、生産性向上と反応ガス削減によるコストダウ
ンを図ることができる。 (3)プラズマCVD法に比べ、はるかにシンプルで安
価な装置が実現する。 (4)常圧タイプでも上記の電界を加えるので、密度、
均一性、密着性のよい高品質膜が得られる。 (5)反応種の運動エネルギーが大きく、低温の基板に
よっても目的とする良質の膜が得られることから、基板
温度を低温化できるため、大型で安価な絶縁基板(ほう
けい酸ガラス、アルミノけい酸ガラス等のガラス基板、
ポリイミド等の耐熱性樹脂基板等)を使用でき、この点
でもコストダウンが可能となる。
【0378】また、本発明をバイアス触媒CVDにより
行う場合には、プラズマの発生がないので、プラズマに
よるダメージがなく、低ストレスの生成膜が得られる。
本発明を高密度バイアス触媒CVDにより行う場合に
は、プラズマの影響が基板におよびにくく、プラズマに
よるダメージが低減され、低ストレスの生成膜が得られ
る。
【0379】また、本発明では、半導体膜をレーザーで
アニール処理するように構成しているので、半導体膜の
極表面のみが瞬時に熱せられ、基板への熱の影響が及び
にくくなり、基板の変形を起こすことなく、アモルファ
スシリコンまたは微結晶シリコン薄膜を結晶化でき、又
不純物の活性化もでき、例えば移動度の大きい薄膜に変
えることができる。しかも、この結晶化、活性化は基板
全体を高温にすることなく、低温で行うことができる。
また、薄膜半導体装置の性能を向上し、かつ製造を容易
にするものである。
【0380】また、本発明によれば、水蒸気を含む低圧
高温または高圧高温雰囲気内におけるアニールを行うた
め、400℃以下の低温の加熱処理であっても効果的
に、半導体と絶縁膜との界面準位の改善と、絶縁膜の改
質をはかることができる。
【0381】また、絶縁膜の改質,すなわち絶縁膜中の
水およびOH基を低減することによって、ゲート絶縁膜
または半導体膜の、ホットエレクトロン劣化を抑制する
効果を得ることができる。
【0382】更に、ゲート絶縁膜中の欠陥や不純物に起
因する静電荷を中性化し、負に寄ったフラットバンド電
圧を0V側に近づけることができることから、nチャネ
ルMISトランジスタにおけるディプリーション型への
移行を回避してエンハンスメント型とし、pチャネルM
ISトランジスタにおいてはしきい値電圧Vthの増大化
を回避して確実な動作を行わしめることができるので、
両導電型チャネルのMISトランジスタによるCMOS
等の集積回路化を容易に行うことができる。
【0383】また、同一半導体基板における素子特性の
ばらつきを小さくすることができ、回路の集積化が容易
となる。また、半導体膜と絶縁膜の界面特性の向上、す
なわちスレッショホールド値を下げ、オン電流を増大さ
せ、オフ電流を低下させ、しきい値電圧Vthを低下させ
る効果を奏することができるものであり、集積回路の高
速動作化が実現できるものである。
【0384】また、電極形成後の水蒸気アニール処理後
に、少なくとも電極表面をスパッタクリーニング又はプ
ラズマクリーニングしてその酸化膜及び水酸化膜を除去
するので、外部取り出し(金線ボンディング、無電解N
i/Auメッキ+半田バンプ)の電気/機械的コンタク
トが改善され、特性、品質及び信頼性が向上する。
【0385】また、本発明によれば、コントロールファ
クターとしての電界の種類及び強さ、触媒体の種類及び
温度、基板加熱温度、気相成膜条件、原料ガスの種類、
添加するN又はP型不純物濃度等を変更することによ
り、広範囲のN又はP型不純物濃度の半導体膜が効率よ
く容易に得られるので、高移動度でVth調整が容易で、
低抵抗での高速動作が可能である。また、基板温度の更
なる低温化が実現し、安価で大型化が容易な低歪点ガラ
スや耐熱性樹脂基板等を採用でき、コストダウンが出来
る。
【0386】また、本発明では、バイアス触媒CVDま
たは高密度バイアス触媒CVDを用いて基板に薄膜を形
成するときに、活性化水素イオンHを常時発生させる
と共に電解を印加して、基板表面が常に効率よくクリー
ニングされるように構成されているので、ゲート絶縁膜
の酸化シリコン膜とポリシリコン膜の界面にアモルファ
スシリコンの遷移層が形成されず、高品質な薄膜層を形
成することが可能となる。また、成膜後、レーザーアニ
ール処理後、水蒸気アニール処理後における少なくとも
キャリアチャンネル領域,例えばゲート絶縁膜との界面
付近のポリシリコン膜中の酸素,炭素,窒素のそれぞれ
の濃度を、例えば1×1019atoms/cm
下、好ましくは5×1018atoms/cm以下に
低減でき、水素の濃度を0.01原子%/cm以上と
できるので、高移動度,高品質のポリシリコン膜を形成
することが可能となる。
【0387】また、成膜する前に活性化水素イオンH
で基板表面を常時クリーニングして、表面改質処理する
ので、基板表面の水や酸素等の分子付着が除去されて界
面準位が低減し、それぞれの膜間のストレスが低く、高
品質の成膜(窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、ポリシ
リコン膜等)とすることが可能となる。特にゲート絶縁
膜とシリコン膜を連続的に成膜する際に、活性化水素イ
オンHにさらす処理を有すると、水素アニール効果に
より、界面準位密度の低い半導体−絶縁体接合構造の高
品質半導体装置を製造することが可能となる。
【0388】このために、トップゲート型のみならず、
ボトムゲート型、デュアルゲート型TFTでも、高い電
子/正孔移動度のポリシリコン膜又は単結晶シリコン膜
が得られる。したがって、この高性能のポリシリコン膜
又は単結晶シリコン膜を使用した半導体装置、電気光学
装置等の製造が可能となる。
【0389】バイアス触媒CVD法等により連続成膜す
るときに、同一チャンバ内でそれぞれの成膜用原料ガス
を徐々に減少させたり、増加させたりすることにより傾
斜接合の膜にすることが可能であるので、それぞれの膜
間のストレスが低減し、高品質の絶縁体−半導体接合の
半導体装置等の製造が可能となる。
【0390】また、半導体膜と絶縁膜を真空容器中の異
なるチャンバ内で成膜する場合は、コンタミ防止とそれ
ぞれの膜間のストレス低減を図ることができ、高品質の
半導体装置等の製造が可能となる。
【0391】さらに、本発明では、真空容器内の異なる
室内で、半導体膜および絶縁膜形成とレーザーアニール
処理と水蒸気アニール処理とを行うことにより、連続的
に半導体膜および絶縁膜形成とレーザーアニール処理と
水蒸気アニール処理とを行うことが可能となる。さら
に、これにより、コンタミネーション防止と作業性向上
を図ることができ、高性能、高品質で安価な半導体装置
等の製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜形成方法に使用する装置の一例を
示す説明図である。
【図2】図1の装置を用いてバイアス触媒CVDを行う
場合の説明図である。
【図3】図1の装置を用いてバイアス触媒CVDを行う
場合の説明図である。
【図4】本発明で使用するDCバイアス触媒CVD装置
の要部の概略説明図である。
【図5】本発明で使用するRF/DCバイアス触媒CV
D装置の要部の概略説明図である。
【図6】本発明で使用するAC/DCバイアス触媒CV
D装置の要部の概略説明図である。
【図7】本発明のバイアス触媒CVDの電圧の印加方法
を種々示す概略図である。
【図8】本発明のバイアス触媒CVDで用いる加速電極
の概略図である。
【図9】本発明のバイアス触媒CVDで反応種に荷電粒
子を照射する場合に用いる装置の概略図である。
【図10】チャンバへのガス導入形態を示すグラフ図で
ある。
【図11】チャンバへのガス導入形態を示すグラフ図で
ある。
【図12】チャンバへのガス導入形態を示すグラフ図で
ある。
【図13】チャンバへのガス導入形態を示すグラフ図で
ある。
【図14】チャンバへのガス導入形態を示すグラフ図で
ある。
【図15】チャンバへのガス導入形態を示すグラフ図で
ある。
【図16】ガスの供給方法の一例を示す説明図である。
【図17】チャンバ内への水蒸気の供給方法の一例を示
す説明図である。
【図18】本発明の薄膜形成方法に使用する装置の他の
例を示す説明図である。
【図19】本発明の薄膜形成方法に使用する装置の他の
例を示す説明図である。
【図20】本発明の薄膜形成方法に使用する装置の他の
例を示す説明図である。
【図21】本発明の薄膜形成方法に使用する装置の他の
例を示す説明図である。
【図22】本発明の実施例における薄膜形成方法及び薄
膜半導体の製造方法のプロセスを示す説明図である。
【図23】本発明の実施例における薄膜形成方法及び薄
膜半導体の製造方法のプロセスを示す説明図である。
【図24】本発明の実施例における薄膜形成方法及び薄
膜半導体の製造方法のプロセスを示す説明図である。
【図25】本発明の実施例における薄膜形成方法及び薄
膜半導体の製造方法のプロセスを示す説明図である。
【図26】本発明の実施例における薄膜形成方法及び薄
膜半導体の製造方法のプロセスを示す説明図である。
【図27】本発明の実施例における薄膜形成方法及び薄
膜半導体の製造方法のプロセスを示す説明図である。
【図28】本発明の実施例における薄膜形成方法及び薄
膜半導体の製造方法のプロセスを示す説明図である。
【図29】本発明の実施例における薄膜形成方法及び薄
膜半導体の製造方法のプロセスを示す説明図である。
【図30】本発明の実施例における薄膜形成方法及び薄
膜半導体の製造方法のプロセスを示す説明図である。
【図31】本発明の実施例における薄膜形成方法及び薄
膜半導体の製造方法のプロセスを示す説明図である。
【図32】本発明の実施例における薄膜形成方法及び薄
膜半導体の製造方法のプロセスを示す説明図である。
【図33】本発明の実施例における薄膜形成方法及び薄
膜半導体の製造方法のプロセスを示す説明図である。
【図34】本発明の実施例における薄膜形成方法及び薄
膜半導体の製造方法のプロセスを示す説明図である。
【図35】本発明の実施例における薄膜形成方法及び薄
膜半導体の製造方法のプロセスを示す説明図である。
【図36】本発明の実施例における薄膜形成方法及び薄
膜半導体の製造方法のプロセスを示す説明図である。
【図37】本発明の実施例における薄膜形成方法及び薄
膜半導体の製造方法のプロセスを示す説明図である。
【図38】本発明の実施例における薄膜形成方法及び薄
膜半導体の製造方法のプロセスを示す説明図である。
【図39】本発明の実施例における薄膜形成方法及び薄
膜半導体の製造方法のプロセスを示す説明図である。
【図40】本発明の実施例における薄膜形成方法及び薄
膜半導体の製造方法のプロセスを示す説明図である。
【図41】本発明の実施例における薄膜形成方法及び薄
膜半導体の製造方法のプロセスを示す説明図である。
【図42】本発明の実施例における薄膜形成方法及び薄
膜半導体の製造方法のプロセスを示す説明図である。
【図43】本発明の実施例における薄膜形成方法及び薄
膜半導体の製造方法のプロセスを示す説明図である。
【図44】本発明の実施例における薄膜形成方法及び薄
膜半導体の製造方法のプロセスを示す説明図である。
【図45】本発明の実施例における薄膜形成方法及び薄
膜半導体の製造方法のプロセスを示す説明図である。
【図46】本発明の実施例における薄膜形成方法及び薄
膜半導体の製造方法のプロセスを示す説明図である。
【図47】本発明の実施例における薄膜形成方法及び薄
膜半導体の製造方法のプロセスを示す説明図である。
【図48】本発明の実施例における薄膜形成方法及び薄
膜半導体の製造方法のプロセスを示す説明図である。
【図49】本発明の実施例における薄膜形成方法及び薄
膜半導体の製造方法のプロセスを示す説明図である。
【図50】本発明の実施例における薄膜形成方法及び薄
膜半導体の製造方法のプロセスを示す説明図である。
【図51】本発明の薄膜形成方法に使用するスパッタリ
ング装置の一例を示す説明図である。
【図52】本発明の実施例における薄膜形成方法及び薄
膜半導体の製造方法のプロセスを示す説明図である。
【符号の説明】
1 成膜装置 A,B,C チャンバ 1a 排気系 2 サセプタ 2a 上面 2b ヒータ 2c ヒータ電源 3 ガス導入系 3a ガスシャワーヘッド 3b シャワーヘッドホルダー 3c 手動バルブ 3d 自動バルブ 3e 三方弁 5 熱触媒体 5a 加熱手段 5b 熱触媒体ホルダー 6 レール 8a 反応ガス供給ボックス 8b ベルト 10 基板 10a 段差 11,15,21,29 窒化シリコン膜 12,14,19,23,27 酸化シリコン膜 13,13n,13p ポリシリコン膜 16,24 モリブデン/タンタル合金膜 17,25 ゲート電極 20,28 リンシリケートガラス(PSG)膜 22 単結晶シリコン膜 30 直流電源 31 水蒸気アニールチャンバ 32 サセプタ 33 ガス供給系 34 圧力計 35 水の収容部 36 恒温槽 37 連結管 38 キャリアガス供給口 41 ロード・ロック室 42 セパレーション室 43 成膜室 44 レーザーアニール室 45 水蒸気アニール室 46 半導体膜成膜室 47 絶縁膜成膜室 50 サファイア薄膜 60 反応ガス 61 供給導管 67 シャッター 68 触媒体電源 69 DC電源 70 反応種 71 ヒーター線 72 磁気シール 73 前室 74 ターボ分子ポンプ室 75 バルブ 76 堆積種,生成膜 101 メッシュ電極 113 ロウパスフィルタ 114 整合回路 116 スイッチ 125 低周波電源
フロントページの続き Fターム(参考) 5F045 AA06 AA09 AB02 AB03 AB04 AB32 AB33 AC01 AC11 AC12 AE13 AE15 AE17 AE29 AF02 AF03 AF04 AF06 AF07 AF09 BB08 BB12 CA15 DA59 EB13 EE04 EE12 EE14 EF05 EH20 HA16 HA18 HA25 5F052 AA02 BA02 BA07 BB07 CA02 DA01 DB01 EA04 FA05 HA06 JA04 5F110 AA01 AA16 AA17 AA26 BB02 BB04 CC02 CC08 DD01 DD02 DD03 DD04 DD05 DD12 DD13 DD14 DD17 DD21 DD25 EE06 EE23 EE30 EE44 FF02 FF03 FF09 FF29 FF36 GG01 GG02 GG04 GG12 GG13 GG25 GG32 GG33 GG34 GG44 GG47 GG52 GG55 GG57 HJ01 HJ04 HJ13 HJ23 HL03 HL23 HL27 NN03 NN04 NN23 NN24 NN25 NN35 PP03 PP04 PP05 PP06 PP10 PP13 PP33 PP36 QQ09 QQ11

Claims (44)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バイアス触媒CVDまたは高密度バイア
    ス触媒CVDを利用して、基板に半導体膜を形成する半
    導体膜形成方法であって、 真空容器に少なくとも原料ガスを供給し、前記真空容器
    中に配置された前記基板と電極との間にグロー放電開始
    電圧以下の電界を印加して、前記基板上に半導体膜を形
    成することを含む半導体膜形成工程と、 前記形成された半導体膜にレーザーを照射し、前記形成
    された半導体膜をレーザーでアニールするレーザーアニ
    ール工程と、 を備えたことを特徴とする半導体膜形成方法。
  2. 【請求項2】 前記半導体膜形成工程の前から、前記真
    空容器に水素を含むキャリアガスを常時供給し、該供給
    されたキャリアガスで発生した活性化水素イオンH
    前記基板上をクリーニングするクリーニング工程を備
    え、 前記クリーニング工程と、前記半導体膜形成工程とを行
    うことを特徴とする請求項1記載の半導体膜形成方法。
  3. 【請求項3】 前記半導体膜形成工程の前から、前記真
    空容器に水素を含むキャリアガスを供給し、該供給され
    たキャリアガスで発生した活性化水素イオンHで前記
    基板上をクリーニングするクリーニング工程と、 前記キャリアガスの供給を、前記半導体膜形成工程の
    前,途中,後の少なくとも一つで増減する工程と、 前記半導体膜形成工程と、を行うことを特徴とする請求
    項1記載の半導体膜形成方法。
  4. 【請求項4】 前記真空容器内の成膜室で前記半導体膜
    形成工程を行い、 前記真空容器内のレーザーアニール室で前記レーザーア
    ニール工程を行い、前記半導体膜形成工程と前記レーザ
    ーアニール工程とを前記真空容器内で連続して行うこと
    を特徴とする請求項1記載の半導体膜形成方法。
  5. 【請求項5】 前記成膜室で、前記レーザーでアニール
    された半導体膜上に絶縁膜を成膜し、 前記半導体膜形成工程と前記レーザーアニール工程と前
    記絶縁膜の成膜とを前記真空容器内で連続して行うこと
    を特徴とする請求項1記載の半導体膜形成方法。
  6. 【請求項6】 バイアス触媒CVDまたは高密度バイア
    ス触媒CVDを利用して、基板に半導体膜を形成する半
    導体膜形成方法であって、 真空容器に少なくとも原料ガスを供給し、前記真空容器
    中に配置された前記基板と電極との間にグロー放電開始
    電圧以下の電界を印加して、前記基板上に、半導体膜
    と、絶縁膜と、を形成することを含む半導体膜および絶
    縁膜形成工程と、 前記形成された半導体膜および絶縁膜にレーザーを照射
    し、前記形成された半導体膜および絶縁膜をレーザーで
    アニールするレーザーアニール工程と、を備えたことを
    特徴とする半導体膜形成方法。
  7. 【請求項7】 前記真空容器とは異なるレーザーアニー
    ル装置内で前記レーザーアニール工程を行うことを特徴
    とする請求項1または6記載の半導体膜形成方法。
  8. 【請求項8】 前記真空容器内の成膜室で半導体膜およ
    び絶縁膜形成工程を行い、 前記真空容器内のレーザーアニール室で前記レーザーア
    ニール工程を行い、 前記半導体膜および絶縁膜形成工程と前記レーザーアニ
    ール工程とを前記真空容器内で連続して行うことを特徴
    とする請求項6記載の半導体膜形成方法。
  9. 【請求項9】 前記真空容器内の半導体膜成膜室で半導
    体膜を形成し、 前記真空容器内の絶縁膜成膜室で絶縁膜を形成し、 前記真空容器内のレーザーアニール室で前記レーザーア
    ニール工程を行い、 前記半導体膜の形成と前記絶縁膜の形成と前記レーザー
    アニール工程とを前記真空容器内で連続して行うことを
    特徴とする請求項6記載の半導体膜形成方法。
  10. 【請求項10】 前記半導体膜形成工程または前記半導
    体膜および絶縁膜形成工程では、前記半導体膜として、
    該半導体膜内の少なくともキャリアチャンネル領域にお
    ける酸素,炭素,窒素のそれぞれの濃度が1×1019
    atoms/cm以下、水素濃度が0.01原子%/
    cm以上である半導体膜を形成し、 前記レーザーアニール工程では、前記半導体膜をレーザ
    ーアニールして、該半導体膜の少なくともキャリアチャ
    ンネル領域における酸素,炭素,窒素のそれぞれの濃度
    が1×1019atoms/cm以下、水素濃度が
    0.01原子%/cm以上の半導体膜とすることを特
    徴とする請求項1または6記載の半導体膜形成方法。
  11. 【請求項11】 前記バイアス触媒CVDまたは高密度
    バイアス触媒CVDを、バイアス減圧CVDまたはバイ
    アス常圧CVDとした場合における前記半導体膜形成工
    程または前記半導体膜および絶縁膜形成工程での前記半
    導体膜として、該半導体膜内の少なくともキャリアチャ
    ンネル領域における酸素,炭素,窒素のそれぞれの濃度
    が1×1019atoms/cm以下、水素濃度が
    0.01原子%/cm以上である半導体膜を形成し、 前記レーザーアニール工程で、前記半導体膜をレーザー
    アニールして、該半導体膜内の少なくともキャリアチャ
    ンネル領域における酸素,炭素,窒素のそれぞれの濃度
    が1×1019atoms/cm以下、水素濃度が
    0.01原子%/cm以上の半導体膜とすることを特
    徴とする請求項1または6記載の半導体膜形成方法。
  12. 【請求項12】 バイアス触媒CVDまたは高密度バイ
    アス触媒CVDを利用して、基板に半導体膜を形成する
    半導体膜形成方法であって、 真空容器に少なくとも原料ガスを供給し、前記真空容器
    中に配置された前記基板と電極との間にグロー放電開始
    電圧以下の電界を印加して、前記基板上に、半導体膜
    と、絶縁膜と、を形成することを含む半導体膜および絶
    縁膜形成工程と、前記形成された半導体膜および絶縁膜
    を水蒸気でアニールする水蒸気アニール工程と、を備え
    たことを特徴とする半導体膜形成方法。
  13. 【請求項13】 前記真空容器とは異なる水蒸気アニー
    ル装置内で前記水蒸気アニール工程を行うことを特徴と
    する請求項12記載の半導体膜形成方法。
  14. 【請求項14】 前記真空容器内の成膜室で半導体膜お
    よび絶縁膜形成工程を行い、 前記真空容器内の水蒸気アニール室で前記水蒸気アニー
    ル工程を行い、 前記半導体膜および絶縁膜形成工程と前記水蒸気アニー
    ル工程とを前記真空容器内で連続して行うことを特徴と
    する請求項12記載の半導体膜形成方法。
  15. 【請求項15】 前記真空容器内の半導体膜成膜室で半
    導体膜を形成し、 前記真空容器内の絶縁膜成膜室で絶縁膜を形成し、 前記真空容器内の水蒸気アニール室で前記水蒸気アニー
    ル工程を行い、 前記半導体膜の形成と前記絶縁膜の形成と前記水蒸気ア
    ニール工程とを前記真空容器内で連続して行うことを特
    徴とする請求項12記載の半導体膜形成方法。
  16. 【請求項16】 前記半導体膜および絶縁膜形成工程で
    は、前記半導体膜として、該半導体膜内の少なくともキ
    ャリアチャンネル領域における酸素,炭素,窒素のそれ
    ぞれの濃度が1×1019atoms/cm以下、水
    素濃度が0.01原子%/cm以上である半導体膜を
    形成し、 前記水蒸気アニール工程では、前記半導体膜を水蒸気ア
    ニールして、該半導体膜内の少なくともキャリアチャン
    ネル領域における酸素,炭素,窒素のそれぞれの濃度が
    1×1019atoms/cm以下、水素濃度が0.
    01原子%/cm以上の半導体膜とすることを特徴と
    する請求項12記載の半導体膜形成方法。
  17. 【請求項17】 前記バイアス触媒CVDまたは高密度
    バイアス触媒CVDを、バイアス減圧CVDまたはバイ
    アス常圧CVDとした場合における前記半導体膜および
    絶縁膜形成工程での前記半導体膜として、該半導体膜内
    の少なくともキャリアチャンネル領域における酸素,炭
    素,窒素のそれぞれの濃度が1×10 19atoms/
    cm以下、水素濃度が0.01原子%/cm以上で
    ある半導体膜を形成し、 前記水蒸気アニール工程で、前記半導体膜を水蒸気アニ
    ールして、該半導体膜内の少なくともキャリアチャンネ
    ル領域における酸素,炭素,窒素のそれぞれの濃度が1
    ×1019atoms/cm以下、水素濃度が0.0
    1原子%/cm 以上の半導体膜とすることを特徴とす
    る請求項12記載の半導体膜形成方法。
  18. 【請求項18】 前記半導体膜が単結晶シリコンである
    場合、少なくともシリコン膜形成領域に段差を形成し、
    前記段差を含むシリコン膜形成領域に単結晶シリコン膜
    をグラフォエピタキシャル成長させることを特徴とする
    請求項12記載の半導体膜形成方法。
  19. 【請求項19】 前記半導体膜が単結晶シリコンである
    場合、少なくともシリコン膜形成領域に単結晶シリコン
    と格子整合の良い物質層を形成し、該物質層を含むシリ
    コン膜形成領域に単結晶シリコン膜をヘテロエピタキシ
    ャル成長させることを特徴とする請求項12記載の半導
    体膜形成方法。
  20. 【請求項20】 前記単結晶シリコンと格子整合の良い
    物質層は、サファイアまたはスピネル構造体またはフッ
    化カルシウムを含む群より選ばれた、少なくとも一種以
    上の物質よりなることを特徴とする請求項19記載の半
    導体膜形成方法。
  21. 【請求項21】 バイアス触媒CVDまたは高密度バイ
    アス触媒CVDを利用して、基板に半導体膜を形成する
    半導体膜形成方法であって、 真空容器に少なくとも原料ガスを供給し、前記真空容器
    中に配置された前記基板と電極との間にグロー放電開始
    電圧以下の電界を印加して、前記基板上に、半導体膜
    と、絶縁膜と、を形成することを含む半導体膜および絶
    縁膜形成工程と、 前記形成された半導体膜および絶縁膜にレーザーを照射
    し、前記形成された半導体膜および絶縁膜をレーザーで
    アニールするレーザーアニール工程と、 該レーザーアニール工程の後工程であって、水蒸気でア
    ニールを行う水蒸気アニール工程と、を備えたことを特
    徴とする半導体膜形成方法。
  22. 【請求項22】 前記半導体膜および絶縁膜形成工程の
    前から、前記真空容器に水素を含むキャリアガスを常時
    供給し、該供給されたキャリアガスで発生した活性化水
    素イオンHで前記基板上をクリーニングするクリーニ
    ング工程を備え、 前記クリーニング工程と、前記半導体膜および絶縁膜形
    成工程とを行うことを特徴とする請求項6,12,21
    いずれか記載の半導体膜形成方法。
  23. 【請求項23】 前記半導体膜および絶縁膜形成工程の
    前から、前記真空容器に水素を含むキャリアガスを供給
    し、該供給されたキャリアガスで発生した活性化水素イ
    オンHで前記基板上をクリーニングするクリーニング
    工程と、 前記キャリアガスの供給を、前記半導体膜および絶縁膜
    形成工程の前,途中,後の少なくとも一つで増減する工
    程と、 前記半導体膜および絶縁膜形成工程と、を行うことを特
    徴とする請求項6,12,21いずれか記載の半導体膜
    形成方法。
  24. 【請求項24】 前記真空容器とは異なるレーザーアニ
    ール装置内で前記レーザーアニール工程を行い、 前記真空容器とは異なる水蒸気アニール装置内で前記水
    蒸気アニール工程を行うことを特徴とする請求項21記
    載の半導体膜形成方法。
  25. 【請求項25】 前記真空容器内の成膜室で半導体膜お
    よび絶縁膜形成工程を行い、 前記真空容器内のレーザーアニール室で前記レーザーア
    ニール工程を行い、 前記真空容器内の水蒸気アニール室で前記水蒸気アニー
    ル工程を行い、 前記半導体膜および絶縁膜形成工程と前記レーザーアニ
    ール工程と前記水蒸気アニール工程とを前記真空容器内
    で連続して行うことを特徴とする請求項21記載の半導
    体膜形成方法。
  26. 【請求項26】 前記真空容器内の半導体膜成膜室で半
    導体膜を形成し、 前記真空容器内の絶縁膜成膜室で絶縁膜を形成し、 前記真空容器内のレーザーアニール室で前記レーザーア
    ニール工程を行い、 前記真空容器内の水蒸気アニール室で前記水蒸気アニー
    ル工程を行い、 前記半導体膜の形成と前記絶縁膜の形成と前記レーザー
    アニール工程と前記水蒸気アニール工程とを前記真空容
    器内で連続して行うことを特徴とする請求項21記載の
    半導体膜形成方法。
  27. 【請求項27】 前記半導体膜および絶縁膜形成工程で
    は、前記半導体膜として、該半導体膜内の少なくともキ
    ャリアチャンネル領域における酸素,炭素,窒素のそれ
    ぞれの濃度が1×1019atoms/cm以下、水
    素濃度が0.01原子%/cm以上である半導体膜を
    形成し、 前記水蒸気アニール工程では、前記半導体膜を水蒸気ア
    ニールして、該半導体膜内の少なくともキャリアチャン
    ネル領域における酸素,炭素,窒素のそれぞれの濃度が
    1×1019atoms/cm以下、水素濃度が0.
    01原子%/cm以上の半導体膜とし、 前記レーザーアニール工程では、前記半導体膜をレーザ
    ーアニールして、該半導体膜内の少なくともキャリアチ
    ャンネル領域における酸素,炭素,窒素のそれぞれの濃
    度が1×1019atoms/cm以下、水素濃度が
    0.01原子%/cm以上の半導体膜とすることを特
    徴とする請求項21記載の半導体膜形成方法。
  28. 【請求項28】 前記バイアス触媒CVDまたは高密度
    バイアス触媒CVDを、バイアス減圧CVDまたはバイ
    アス常圧CVDとした場合における前記半導体膜および
    絶縁膜形成工程での前記半導体膜として、該半導体膜内
    の少なくともキャリアチャンネル領域における酸素,炭
    素,窒素のそれぞれの濃度が1×10 19atoms/
    cm以下、水素濃度が0.01原子%/cm以上で
    ある半導体膜を形成し、 前記水蒸気アニール工程で、前記半導体膜を水蒸気アニ
    ールして、該半導体膜の少なくともキャリアチャンネル
    領域における酸素,炭素,窒素のそれぞれの濃度が1×
    1019atoms/cm以下、水素濃度が0.01
    原子%/cm以上の半導体膜とし、 前記レーザーアニール工程で、前記半導体膜をレーザー
    アニールして、該半導体膜内の少なくともキャリアチャ
    ンネル領域における酸素,炭素,窒素のそれぞれの濃度
    が1×1019atoms/cm以下、水素濃度が
    0.01原子%/cm以上の半導体膜とすることを特
    徴とする請求項21記載の半導体膜形成方法。
  29. 【請求項29】 前記バイアス触媒CVDまたは高密度
    バイアス触媒CVDを、バイアス減圧CVDまたはバイ
    アス常圧CVDとしたことを特徴とする請求項1,6,
    12,21いずれか記載の半導体膜形成方法。
  30. 【請求項30】 バイアス触媒CVDまたは高密度バイ
    アス触媒CVDを利用してトップゲート型TFTを製造
    する製造方法であって、 真空容器に少なくとも原料ガスを供給し、前記真空容器
    中に配置された前記基板と電極との間にグロー放電開始
    電圧以下の電界を印加して、前記真空容器中で、基板上
    に、保護膜と、半導体膜と、ゲート絶縁膜と、を連続成
    膜して多結晶半導体膜とし、 その後、前記半導体膜をレーザーアニール処理し、 次いで、ソース/トップゲート/ドレイン電極を形成し
    てなることを特徴とする薄膜半導体装置の製造方法。
  31. 【請求項31】 バイアス触媒CVDまたは高密度バイ
    アス触媒CVDを利用してボトムゲート型TFTを製造
    する製造方法であって、 基板上にボトムゲート電極を形成し、 真空容器に少なくとも原料ガスを供給し、前記真空容器
    中に配置された前記基板と電極との間にグロー放電開始
    電圧以下の電界を印加して、前記真空容器中で、ボトム
    ゲート電極上に保護膜と、ボトムゲート絶縁膜と、半導
    体膜と、保護膜とを連続成膜し、 その後で、前記半導体膜をレーザーアニール処理して多
    結晶半導体膜とし、 次いで、ソース/ドレイン電極を形成してなることを特
    徴とする薄膜半導体装置の製造方法。
  32. 【請求項32】 バイアス触媒CVDまたは高密度バイ
    アス触媒CVDを利用してデュアルゲート型TFTを製
    造する製造方法であって、 基板上にボトムゲート電極を形成し、 真空容器に少なくとも原料ガスを供給し、前記真空容器
    中に配置された前記基板と電極との間にグロー放電開始
    電圧以下の電界を印加して、前記真空容器中で、ボトム
    ゲート電極上に保護膜と、ボトムゲート絶縁膜と、半導
    体膜と、トップゲート絶縁膜とを連続成膜し、 その後、前記半導体膜をレーザーアニール処理して多結
    晶半導体膜とし、 次いで、ソース/トップゲート/ドレイン電極を形成し
    てなることを特徴とする薄膜半導体装置の製造方法。
  33. 【請求項33】 前記真空容器とは異なるレーザーアニ
    ール装置内で前記レーザーアニール処理を行うことを特
    徴とする請求項30,31,32いずれか記載の薄膜半
    導体装置の製造方法。
  34. 【請求項34】 前記真空容器内の成膜室で前記半導体
    膜および前記絶縁膜を成膜し、 前記真空容器内のレーザーアニール室で前記レーザーア
    ニール処理を行い、 前記半導体膜および絶縁膜の成膜と前記レーザーアニー
    ル処理とを前記真空容器内で連続して行うことを特徴と
    する請求項30,31,32いずれか記載の薄膜半導体
    装置の製造方法。
  35. 【請求項35】 前記真空容器内の半導体膜成膜室で前
    記半導体膜を成膜し、 前記真空容器内の絶縁膜成膜室で前記絶縁膜を形成し、 前記真空容器内のレーザーアニール室で前記レーザーア
    ニール処理を行い、 前記半導体膜の形成と前記絶縁膜の形成と前記レーザー
    アニール処理とを前記真空容器内で連続して行うことを
    特徴とする請求項30,31,32いずれか記載の薄膜
    半導体装置の製造方法。
  36. 【請求項36】 バイアス触媒CVDまたは高密度バイ
    アス触媒CVDを利用してトップゲート型TFTを製造
    する製造方法であって、 真空容器に少なくとも原料ガスを供給し、前記真空容器
    中に配置された前記基板と電極との間にグロー放電開始
    電圧以下の電界を印加して、前記真空容器中で、前記基
    板上に、保護膜と、半導体膜と、ゲート絶縁膜と、を連
    続成膜し、 その後、ソース/トップゲート/ドレイン電極を形成
    し、 次いで、低圧高温又は高圧高温で、水蒸気アニール処理
    を行い、 その後、前記ソース/トップゲート/ドレイン電極のプ
    ラズマクリーニング又はスパッタクリーニングを行うこ
    とを特徴とする薄膜半導体装置の製造方法。
  37. 【請求項37】 バイアス触媒CVDまたは高密度バイ
    アス触媒CVDを利用してボトムゲート型TFTを製造
    する製造方法であって、 基板上にボトムゲート電極を形成し、 真空容器に少なくとも原料ガスを供給し、前記真空容器
    中に配置された前記基板と電極との間にグロー放電開始
    電圧以下の電界を印加して、前記真空容器中で、ボトム
    ゲート電極上に保護膜と、ボトムゲート絶縁膜と、半導
    体膜と、保護膜とを連続成膜し、 その後、ソース/ドレイン電極を形成し、 次いで、低圧高温又は高圧高温で、水蒸気アニール処理
    を行い、 その後、前記ボトムゲート電極および前記ソース/ドレ
    イン電極のプラズマクリーニング又はスパッタクリーニ
    ングを行うことを特徴とする薄膜半導体装置の製造方
    法。
  38. 【請求項38】 バイアス触媒CVDまたは高密度バイ
    アス触媒CVDを利用してデュアルゲート型TFTを製
    造する製造方法であって、 基板上にボトムゲート電極を形成し、 真空容器に少なくとも原料ガスを供給し、前記真空容器
    中に配置された前記基板と電極との間にグロー放電開始
    電圧以下の電界を印加して、前記真空容器中で、ボトム
    ゲート電極上に保護膜と、ボトムゲート絶縁膜と、半導
    体膜と、トップゲート絶縁膜とを連続成膜し、 その後、ソース/トップゲート/ドレイン電極を形成
    し、 次いで、低圧高温又は高圧高温で、水蒸気アニール処理
    を行い、 その後、前記ボトムゲート電極および前記ソース/トッ
    プゲート/ドレイン電極のプラズマクリーニング又はス
    パッタクリーニングを行うことを特徴とする薄膜半導体
    装置の製造方法。
  39. 【請求項39】 バイアス触媒CVDまたは高密度バイ
    アス触媒CVDを利用してトップゲート型TFTを製造
    する製造方法であって、 真空容器に少なくとも原料ガスを供給し、前記真空容器
    中に配置された前記基板と電極との間にグロー放電開始
    電圧以下の電界を印加して、前記真空容器中で、基板上
    に、保護膜と、半導体膜と、ゲート絶縁膜と、を連続成
    膜し、 その後、前記半導体膜をレーザーアニール処理して多結
    晶半導体膜とし、 次いでソース/トップゲート/ドレイン電極を形成し、 次いで低圧高温又は高圧高温で、水蒸気アニール処理を
    行い、 その後、前記ソース/トップゲート/ドレイン電極のプ
    ラズマクリーニング又はスパッタクリーニングを行うこ
    とを特徴とする薄膜半導体装置の製造方法。
  40. 【請求項40】 バイアス触媒CVDまたは高密度バイ
    アス触媒CVDを利用してボトムゲート型TFTを製造
    する製造方法であって、 基板上にボトムゲート電極を形成し、 真空容器に少なくとも原料ガスを供給し、前記真空容器
    中に配置された前記基板と電極との間にグロー放電開始
    電圧以下の電界を印加して、前記真空容器中で、ボトム
    ゲート電極上に保護膜と、ボトムゲート絶縁膜と、半導
    体膜と、保護膜とを連続成膜し、 その後で、前記半導体膜をレーザーアニール処理して多
    結晶半導体膜とし、 次いでソース/ドレイン電極を形成し、 次いで低圧高温又は高圧高温で、水蒸気アニール処理を
    行い、 その後、前記ボトムゲート電極および前記ソース/ドレ
    イン電極のプラズマクリーニング又はスパッタクリーニ
    ングを行うことを特徴とする薄膜半導体装置の製造方
    法。
  41. 【請求項41】 バイアス触媒CVDまたは高密度バイ
    アス触媒CVDを利用してデュアルゲート型TFTを製
    造する製造方法であって、 基板上にボトムゲート電極を形成し、 真空容器に少なくとも原料ガスを供給し、前記真空容器
    中に配置された前記基板と電極との間にグロー放電開始
    電圧以下の電界を印加して、前記真空容器中で、ボトム
    ゲート電極上に保護膜と、ボトムゲート絶縁膜と、半導
    体膜と、トップゲート絶縁膜とを連続成膜し、 その後、前記半導体膜をレーザーアニール処理して多結
    晶半導体膜とし、 次いで、ソース/トップゲート/ドレイン電極を形成
    し、 次いで、低圧高温又は高圧高温で、水蒸気アニール処理
    を行い、 その後、前記ボトムゲート電極および前記ソース/トッ
    プゲート/ドレイン電極のプラズマクリーニング又はス
    パッタクリーニングを行うことを特徴とする薄膜半導体
    装置の製造方法。
  42. 【請求項42】 前記バイアス触媒CVDまたは高密度
    バイアス触媒CVDを、バイアス減圧CVDまたはバイ
    アス常圧CVDとしたことを特徴とする請求項30,3
    1,32,36,37,38,39,40,41いずれ
    か記載の薄膜半導体装置の製造方法。
  43. 【請求項43】 前記真空容器に水素を含むキャリアガ
    スを常時供給し、該供給されたキャリアガスで発生した
    活性化水素イオンHで前記基板上をクリーニングする
    クリーニング工程を備え、 前記膜の成膜と前記クリーニング工程とを繰り返し、或
    いは前記クリーニング工程の後で前記膜の成膜を繰り返
    すことを特徴とする請求項30,31,32,36,3
    7,38,39,40,41いずれか記載の薄膜半導体
    装置の製造方法。
  44. 【請求項44】 前記真空容器に水素を含むキャリアガ
    スを供給し、該供給されたキャリアガスで発生した活性
    化水素イオンHで前記基板上をクリーニングするクリ
    ーニング工程と、 前記キャリアガスの供給を、前記膜を形成する前,途
    中,後の少なくとも一つで増減する工程と、 前記膜の形成と、を行うことを特徴とする請求項30,
    31,32,36,37,38,39,40,41いず
    れか記載の薄膜半導体装置の製造方法。
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