JP2840335B2 - 高機能性被膜の形成方法 - Google Patents

高機能性被膜の形成方法

Info

Publication number
JP2840335B2
JP2840335B2 JP28921689A JP28921689A JP2840335B2 JP 2840335 B2 JP2840335 B2 JP 2840335B2 JP 28921689 A JP28921689 A JP 28921689A JP 28921689 A JP28921689 A JP 28921689A JP 2840335 B2 JP2840335 B2 JP 2840335B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
base material
forming
coating
atoms
irradiating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP28921689A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03150360A (ja
Inventor
精一 木山
均 平野
通広 黒河
和男 池上
政夫 恩地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Denki Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Denki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Denki Co Ltd filed Critical Sanyo Denki Co Ltd
Priority to JP28921689A priority Critical patent/JP2840335B2/ja
Publication of JPH03150360A publication Critical patent/JPH03150360A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2840335B2 publication Critical patent/JP2840335B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は金属やその他の母材に、高強度、及び高熱伝
導性を有する被膜を密着して形成することを特徴とする
高機能性被膜の形成方法に関するものである。
(ロ)従来の技術 例えば特開昭64−64703号公報には焼結炭化物の支持
体にPVD法又はCVD法によって生成されたTiNの耐熱材料
の中間結合層を介して多結晶ダイヤモンド層を形成した
工具が開示されている。この技術の場合多結晶ダイヤモ
ンド層と焼結炭化物とによって耐摩耗性及び耐衝撃性に
優れた工具ができるもののダイヤモンド層と炭化物支持
体との間に介在する中間結合層はダイヤモンド層、支持
体何れの成分も含まないため剥離の点で信頼性に欠ける
という問題点があった。
(ハ)発明が解決しようとする課題 本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、母材と表面被
膜との密着性を向上せしめ、同時に高硬度、且つ高熱伝
導性を有する被膜を形成することである。
(ニ)課題を解決するための手段 本発明は、母材の表面に高機能性被膜を形成する高機
能性被膜の形成方法において、前記母材に対して、前記
母材を構成する少なくとも1つの原子と前記被膜を構成
する少なくとも1つの原子のうち何れか一方の原子のイ
オンを照射しながら、不活性ガスイオンを照射すると同
時に、前記母材を構成する少なくとも1つの原子と前記
被膜を構成する少なくとも1つの原子をそれぞれ蒸発さ
せることによって前記母材に前記母材を構成する少なく
とも1つの原子と前記被膜を構成する少なくとも1つの
原子からなる混合層を形成した後、該混合層上に前記被
膜を形成する高機能性被膜の形成方法であって、前記混
合層の組成比は前記母材に近い部分ほど該母材を構成す
る少なくとも1つの原子の比率が高く且つ前記被膜に近
いほど該被膜を構成する少なくとも1つの原子の比率が
高くなるように変化せしめられたことを特徴とする。
更に、本発明は、イオン源から不活性ガスイオンを母
材表面へ照射することによって該母材表面のクリーニン
グ処理を行う第1の工程と、該第1の工程で用いた不活
性ガスイオンのエネルギーより高いエネルギーの不活性
ガスイオンを前記イオン源から前記母材表面へ照射する
ことによって前記母材表面を荒くする第2の工程と、反
応性ガスイオンを前記母材表面へ照射しながら蒸発源か
らの蒸発原子を前記母材表面に向けて照射し、前記蒸発
原子と反応性ガスイオン原子との化合物からなる被膜を
前記母材に形成する第3の工程と、からなることを特徴
とする。
(ホ)作用 母材と被膜との間に形成された混合層は母材の成分と
被膜の成分との両方の成分を含有したものであり、この
混合層の存在により母材と被膜との密着性が向上する。
更に、母材表面を不活性ガスイオンによって予め粗く
しておけば母材と被膜間の密着性がより強固になる。
(ヘ)実施例 以下本発明高機能性被膜の形成方法を図面に沿って詳
細に説明する。
第1図は上記被膜を形成するための真空蒸着及びイオ
ン注入装置を示し、(1)は10-5〜10-7Torrに排気され
る真空チャンバ、(2)は該真空チャンバ(1)内に配
置され、図の矢印方向に10〜20rpmの速度で回転可能に
された基板ホルダ、(3)はSi(シリコン)母材、
(4)は電子ビームによってSi原子を蒸発させ前記母材
(3)に向けて放射する第1の蒸発源、(5)は同じく
電子ビームによってC(炭素)原子を蒸発させ前記母材
(3)に向けて放射する第2の蒸発源、(6)は前記母
材(3)へAr(アルゴン)イオンを照射する第1のイオ
ンガン、(7)は同じく前記母材(3)へCイオンとH
(水素)イオンとを照射する第2のイオンガンである。
次に上記装置を用いて第2図に示すようなSi母材
(3)の表面にSi(シリコンカーバイド)とCとの混合
層(34)を介してダイヤモンド被膜(35)を形成する方
法について説明する。
先ず、真空チャンバ(1)内を10-5〜10-7Torrに排気
し、第2イオンガン(7)にCH4(メタン)ガスを供給
し、炭素イオンを取り出して、これをアシストイオンガ
ンとして用いて駆動し、そして母材(3)の表面に照射
する。この時の炭素イオンの加速電圧は、数keV〜数十k
eV程度が望ましい。
一方、炭素イオンの照射と同時に第1イオンガス
(6)を駆動してArイオンを照射しながら、第1、及び
第2蒸発源(4)(5)を駆動し、Si原子、及びC原子
を蒸発させて前記母材(3)表面に放射する。この時の
Si、及びCの蒸発速度は500Å/min以下程度、又Arイオ
ンの加速電圧は1〜数keV程度が望ましい。
以上の工程により、母材(3)に到達したSi原子、C
原子、及びCイオンはArイオンの助けを借りて、SiCと
Cの混合層(34)となる。この時混合層(34)は母材
(3)の表面に近いところほどSi原子の比率が高くなる
ように、逆に母材(3)表面から遠く離れるほどC原子
の比率が高くなるように第2イオンガン(7)の電流密
度を0〜0.6mA/cm2の範囲で可変することによりC原子
の混入量を制御する。
このようにして母材表面(3)に、膜厚が1.5μm
で、且つSiとCとの組成比が第3図に示すような傾斜特
性を有する混合層(34)が約3分で形成される。尚、上
記混合層(34)を均一に形成するため前記基板ホルダ
(2)を第1図の矢印の方向に10〜20rpmで回転させる
と共に、Si原子、及びC原子の蒸発速度を制御すること
が望ましい。
次いで前記混合層(34)表面のダイヤモンド被膜(3
5)の形成方法について説明する。
同じチャンバ(1)内で前記第2イオンガン(7)よ
り、Hイオンを照射しながら、同時に前記第2蒸発源
(5)のみを駆動し、ここからC原子を蒸発させ放出さ
せる。この時のHイオンの電流密度、及び加速電圧は2m
A/cm2、200〜700eV程度が望ましい。又、この工程によ
って形成されるダイヤモンド被膜(35)の成膜速度は25
0Å/min.とし、膜厚は3μm程度が望ましい。
以上のように母材(3)構成原子と被膜(35)構成原
子とを含む混合層(34)を介して該母材(3)に被膜
(35)を形成することにより、母材(3)の耐久性を向
上させることができ、且つ容易に剥離しない構造とな
る。
第4図及び第5図は第1図〜第3図とは異なる実施例
を示し、SUSやNi等の金属母材(11)の表面浅くに、イ
オン注入により金属原子とN(窒素)イオンとの混合層
(12)を形成し、次いでTiN(窒化チタン)の被膜(1
3)を形成する方法を示したものである。
同図において、先ず前記第4図の真空チャンバ(14)
内を、10-5〜10-7Torrに排気し、高エネルギイオンガン
(15)を駆動して、10〜20keVの加速電圧を有するNイ
オンを母材(11)の表面浅く(0.5μm以下程度)に注
入して、母材(11)の表層を金属原子とNイオンとの混
合層(12)とする。
次いで低エネルギイオンガン(16)を駆動して、100
〜200eVの加速電圧を有するNイオンを前記混合層(1
2)に照射しながら、蒸発源(17)を駆動してTi(チタ
ン)原子を同じく混合層(12)表面に放射し、混合層
(12)の表面にTiN被膜(13)を形成する。この時のTi
原子の蒸発速度は、100〜500Å/min.が望ましい。又、
形成されるTiNの被膜(13)を均一なものとするため、
母材(11)を取付けた基板ホルダ(18)を10〜20rpmで
図の矢印方向に回転させるとよい。
以上のように金属母材(11)表面に該母材(11)と被
膜(13)との両方の成分原子を有する混合層(12)を介
して被膜(13)を形成することにより金属母材(11)を
耐摩耗性、耐食性、耐熱性に優れたものとすることがで
きる。
更に第6図は他の実施例を示し、Siやガラス等の鏡面
の母材(21)に対してc−BN(C型窒化ホウ素)膜を形
成するときの装置を示す。同図において、真空チャンバ
(22)を10-5〜10-7Torrに排気し、先ず第1イオンガン
(23)を駆動してArイオンを母材(21)表面に照射す
る。この時のArイオンの加速電圧は100〜300eV程度が望
ましい。この工程により、母材(21)の表面のクリーニ
ングが行われる。そしてこの後、前記Arイオンの加速電
圧を数keV程度に上昇させて前記母材(21)に再び照射
し、母材(21)の表面を粗くして、被膜を密着し易い様
に加工する。
次いで電子銃等の蒸発源(24)を駆動し、第2イオン
ガン(25)を駆動して100〜200eV程度の加速電圧を有す
るNイオンを前記母材(21)に照射しながらB(ホウ
素)原子を該母材(21)に放射する。この工程により、
50℃前後の低温でc−BNの被膜を母材(21)に密着させ
て形成することができ、しかもこの被膜の結晶性は高い
ものが得られる。
(ト)発明の効果 本発明は以上の説明の如く、母材に被膜を形成するに
際し、該母材と被膜との両方の成分原子を混合した混合
層を母材〜被膜間に介挿することによって、母材と被膜
との密着性を向上すると共に形成する被膜の種類を問わ
ずに形成できるので耐摩耗性、耐食性、耐熱性等の種々
の性質に優れた機能を有する母材を形成することが可能
となる。
又、混合層の構成原子の組成比に傾斜を付けたものに
あっては、各母材、被膜との密着性が同種の原子の結合
が増加することによって強くなる効果がある。
更に、被膜形成前に表面を粗くしたものにあっては被
膜の母材に対する密着性がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の被膜形成方法を行うための装置の1実
施例を示す平面略図、第2図は第1図の装置を用いて形
成された被膜付き母材の断面略図、第3図は第2図の混
合層を構成する成分原子の母材表面からの距離に対する
組成比の変化を示す図、第4図は第1図に相当する装置
の別の実施例を示す平面略図、第5図は第4図の装置を
用いた被膜形成の工程を示す図、第6図は第1図に相当
する更に別の実施例を示す平面略図である。 (1)(14)(22)……真空チャンバ、 (2)……基板ホルダ、 (3)(11)(21)……母材、 (4)(5)(17)(24)……蒸発源、 (6)(7)(15)(16)(23)(25)……イオンガ
ン、 (12)(34)……混合層、 (13)(35)……被膜
フロントページの続き (72)発明者 池上 和男 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 恩地 政夫 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−213369(JP,A) 特開 昭60−128262(JP,A) 特開 平1−162757(JP,A) 特開 昭63−20446(JP,A) 特開 昭62−91483(JP,A) 特開 昭63−169372(JP,A) 特開 昭53−75179(JP,A) 特開 昭60−221565(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 14/49,14/06,14/24 C23C 14/22,14/32,14/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】母材の表面に高機能性被膜を形成する高機
    能性被膜の形成方法において、前記母材に対して、前記
    母材を構成する少なくとも1つの原子と前記被膜を構成
    する少なくとも1つの原子のうち何れか一方の原子のイ
    オンを照射しながら、不活性ガスイオンを照射すると同
    時に、前記母材を構成する少なくとも1つの原子と前記
    被膜を構成する少なくとも1つの原子をそれぞれ蒸発さ
    せることによって前記母材に前記母材を構成する少なく
    とも1つの原子と前記被膜を構成する少なくとも1つの
    原子からなる混合層を形成した後、該混合層上に前記被
    膜を形成する高機能性被膜の形成方法であって、前記混
    合層の組成比は前記母材に近い部分ほど該母材を構成す
    る少なくとも1つの原子の比率が高く且つ前記被膜に近
    いほど該被膜を構成する少なくとも1つの原子の比率が
    高くなるように変化せしめられたことを特徴とする高機
    能性被膜の形成方法。
  2. 【請求項2】イオン源から不活性ガスイオンを母材表面
    へ照射することによって該母材表面のクリーニング処理
    を行う第1の工程と、該第1の工程で用いた不活性ガス
    イオンのエネルギーより高いエネルギーの不活性ガスイ
    オンを前記イオン源から前記母材表面へ照射することに
    よって前記母材表面を荒くする第2の工程と、反応性ガ
    スイオンを前記母材表面へ照射しながら蒸発源からの蒸
    発原子を前記母材表面に向けて照射し、前記蒸発原子と
    反応性ガスイオン原子との化合物からなる被膜を前記母
    材に形成する第3の工程と、からなることを特徴とする
    高機能性被膜の形成方法。
JP28921689A 1989-11-07 1989-11-07 高機能性被膜の形成方法 Expired - Fee Related JP2840335B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28921689A JP2840335B2 (ja) 1989-11-07 1989-11-07 高機能性被膜の形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28921689A JP2840335B2 (ja) 1989-11-07 1989-11-07 高機能性被膜の形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03150360A JPH03150360A (ja) 1991-06-26
JP2840335B2 true JP2840335B2 (ja) 1998-12-24

Family

ID=17740286

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28921689A Expired - Fee Related JP2840335B2 (ja) 1989-11-07 1989-11-07 高機能性被膜の形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2840335B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5526768A (en) * 1994-02-03 1996-06-18 Harris Corporation Method for providing a silicon and diamond substrate having a carbon to silicon transition layer and apparatus thereof

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03150360A (ja) 1991-06-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0352433B2 (ja)
JP2003522830A (ja) 向上させた接着力を備えたダイヤモンド様炭素膜
JPH04232249A (ja) ダイヤモンド状炭素被膜の付着法
JPH0588310B2 (ja)
JPH0351787B2 (ja)
JP2840335B2 (ja) 高機能性被膜の形成方法
JPH0259862B2 (ja)
JPH07109561A (ja) 窒化クロム膜被覆基体
JP2909248B2 (ja) 窒化硼素被覆部材
JP2744069B2 (ja) 薄膜の形成方法
JPH07268607A (ja) ダイヤモンドライクカーボン薄膜を有する物品およびその製造方法
JP2875892B2 (ja) 立方晶窒化ほう素膜の形成方法
JP2789651B2 (ja) 窒化ホウ素膜の形成方法
JPS62161952A (ja) 立方晶窒化硼素薄膜の形成方法
JPH08104976A (ja) ハードコーティング膜及びその製造方法並びにハードコーティング膜の蒸着装置
JP2657140B2 (ja) 高機能性薄膜の形成方法
JPH062938B2 (ja) 窒化硼素被覆層を有する複合材料
JPH0259863B2 (ja)
JP2562730B2 (ja) 高機能薄膜の形成方法
JP3787586B2 (ja) 非晶質窒化ホウ素薄膜被覆摺動部材および摺動部材の製造方法
JP2961790B2 (ja) 窒化ホウ素含有薄膜被覆基体の製造方法
JP2562724B2 (ja) 高機能性薄膜の形成方法
JP2952683B2 (ja) 窒化膜被覆基体および酸化膜被覆基体の製造方法
JP2600092B2 (ja) 金属系材料の表面改質方法
JP2002256414A (ja) 硬質炭素膜被覆材およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees