JP2952683B2 - 窒化膜被覆基体および酸化膜被覆基体の製造方法 - Google Patents
窒化膜被覆基体および酸化膜被覆基体の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、酸化膜被覆基体および窒化膜被覆基体の
製造方法に関するものである。
製造方法に関するものである。
従来、基体上に酸化膜または窒化膜を形成する場合に
用いられる方法として、化学的蒸着方(CVD法)または
物理的蒸着法(PVD法)がある。
用いられる方法として、化学的蒸着方(CVD法)または
物理的蒸着法(PVD法)がある。
化学的蒸着法(CVD法)は、膜を形成すべき基体を反
応室に収容し、反応室内に原料ガスを導入し、この原料
ガスを高温に加熱した基体上で熱分解することにより、
基体上に所望の薄膜を形成する方法である。
応室に収容し、反応室内に原料ガスを導入し、この原料
ガスを高温に加熱した基体上で熱分解することにより、
基体上に所望の薄膜を形成する方法である。
また物理的蒸着法(PVD法)には、例えばターゲット
をイオン種でスパッタさせ、スパッタリング粒子を基体
上に堆積させることにより、所望の薄膜を形成するスパ
ッタリング法等がある。
をイオン種でスパッタさせ、スパッタリング粒子を基体
上に堆積させることにより、所望の薄膜を形成するスパ
ッタリング法等がある。
しかしながら、化学的蒸着法(CVD法)を用いて、基
体上に酸化膜または窒化膜を形成する場合、基体を数百
℃以上の高温に加熱する必要がある。その結果、例えば
ハイス鋼のように、比較的低温(500℃〜650℃)で軟化
してしまうものは、基体として用いることができないと
いう問題があった。
体上に酸化膜または窒化膜を形成する場合、基体を数百
℃以上の高温に加熱する必要がある。その結果、例えば
ハイス鋼のように、比較的低温(500℃〜650℃)で軟化
してしまうものは、基体として用いることができないと
いう問題があった。
また物理的蒸着法(PVD法)は、比較的低温で基体上
に、酸化膜または窒化膜を形成することができるが、基
体と酸化膜または基体と窒化膜との密着性に劣るという
問題があった。
に、酸化膜または窒化膜を形成することができるが、基
体と酸化膜または基体と窒化膜との密着性に劣るという
問題があった。
そこで、基体上に物質の蒸着と数十〜数百keVに加速
されたイオンの照射とを併用することにより薄膜を形成
するイオンミキシング法が提案されている。このイオン
ミキシング法は、比較的高い運動エネルギーをもつイオ
ンを照射するため、照射するイオンと蒸着原子との衝突
および反跳により、イオンと蒸着原子とが内部に侵入す
ることによって、新たなミキシング層が形成されるた
め、基体と薄膜との密着性を得ることができる。しか
し、基体と窒化膜(または酸化膜)との濡れ性が悪い場
合は、このミキシング層のみでは、十分な密着性を得る
ことができないという問題があった。
されたイオンの照射とを併用することにより薄膜を形成
するイオンミキシング法が提案されている。このイオン
ミキシング法は、比較的高い運動エネルギーをもつイオ
ンを照射するため、照射するイオンと蒸着原子との衝突
および反跳により、イオンと蒸着原子とが内部に侵入す
ることによって、新たなミキシング層が形成されるた
め、基体と薄膜との密着性を得ることができる。しか
し、基体と窒化膜(または酸化膜)との濡れ性が悪い場
合は、このミキシング層のみでは、十分な密着性を得る
ことができないという問題があった。
この発明の目的は、上記問題点に鑑み、基体と窒化膜
(または酸化膜)との密着性を向上させることのできる
窒化膜被覆基体および酸化膜被覆基体の製造方法を提供
することである。
(または酸化膜)との密着性を向上させることのできる
窒化膜被覆基体および酸化膜被覆基体の製造方法を提供
することである。
請求項(1)記載の窒化膜被覆基体および酸化膜被覆
基体の製造方法は、基体上に第I b族またはVIII族元素
を含む物質の真空蒸着と同時もしくは交互または蒸着後
に、ガスイオンまたは金属イオンを照射して、第I b族
または第VIII族元素を含む薄膜を中間層として形成し、
この薄膜上に、真空蒸着と同時もしくは交互または蒸着
後に、窒素または酸素を含ガスイオンを照射して、窒化
膜または酸化膜を形成することを特徴とする。
基体の製造方法は、基体上に第I b族またはVIII族元素
を含む物質の真空蒸着と同時もしくは交互または蒸着後
に、ガスイオンまたは金属イオンを照射して、第I b族
または第VIII族元素を含む薄膜を中間層として形成し、
この薄膜上に、真空蒸着と同時もしくは交互または蒸着
後に、窒素または酸素を含ガスイオンを照射して、窒化
膜または酸化膜を形成することを特徴とする。
請求項(2)記載の窒化膜被覆基体および酸化膜被覆
基体の製造方法は、請求項(1)記載の窒化膜被覆基体
および酸化膜被覆基体の製造方法において、第I b族ま
たは第VIII族元素を含む薄膜を形成する際に照射する前
記ガスイオンまたは金属イオンの照射量を1×1015個/c
m2以上〜1×1018個/cm2以下の範囲とし、かつ第I b族
または第VIII族元素を含む薄膜の膜圧を前記ガスイオン
または金属イオンの飛程程度以上とした。
基体の製造方法は、請求項(1)記載の窒化膜被覆基体
および酸化膜被覆基体の製造方法において、第I b族ま
たは第VIII族元素を含む薄膜を形成する際に照射する前
記ガスイオンまたは金属イオンの照射量を1×1015個/c
m2以上〜1×1018個/cm2以下の範囲とし、かつ第I b族
または第VIII族元素を含む薄膜の膜圧を前記ガスイオン
または金属イオンの飛程程度以上とした。
この発明の一実施例の窒化膜被覆基体および酸化膜被
覆基体の製造方法を一例を第1図および第2図に基づい
て説明する。
覆基体の製造方法を一例を第1図および第2図に基づい
て説明する。
第1図はこの発明の窒化膜被覆基体および酸化膜被覆
基体の製造方法の一例に用いられる薄膜形成装置を示す
概念図である。
基体の製造方法の一例に用いられる薄膜形成装置を示す
概念図である。
第1図に示すように、窒化膜または酸化膜を被覆すべ
き基体1は、基体ホルダ2に保持する。基体1と対向し
た位置には、イオン源3および蒸発源4,5を配置する。
また基体1の両側には、基体1の表面に蒸着させた蒸着
膜の膜厚を計測するための膜厚モニタ6および基体1の
表面に照射するイオンの電流を測定するためのイオン電
流モニタ7を配置する。
き基体1は、基体ホルダ2に保持する。基体1と対向し
た位置には、イオン源3および蒸発源4,5を配置する。
また基体1の両側には、基体1の表面に蒸着させた蒸着
膜の膜厚を計測するための膜厚モニタ6および基体1の
表面に照射するイオンの電流を測定するためのイオン電
流モニタ7を配置する。
なお基体1,基体ホルダ2,イオン源3,蒸発源4,蒸発源5,
膜厚モニタ6およびイオン電流モニタ7は図示しない真
空容器内に収める。
膜厚モニタ6およびイオン電流モニタ7は図示しない真
空容器内に収める。
またイオン源3はバケット型イオン源を用いたが、こ
れに限定されない。また、蒸発源4,5は電子ビーム蒸発
源を用いたが、これに限定されない。
れに限定されない。また、蒸発源4,5は電子ビーム蒸発
源を用いたが、これに限定されない。
第2図はこの発明の酸化膜被覆基体および窒化膜被覆
基体の製造方法の一例を適用した酸化膜被覆基体または
窒化膜被覆基体の被覆構造を示す概念図である。
基体の製造方法の一例を適用した酸化膜被覆基体または
窒化膜被覆基体の被覆構造を示す概念図である。
第2図に示すように、基体1畳には、第I b族または
第VIII族元素を含む薄膜(以下「中間層8」という。)
を形成し、この中間層8上には、窒化膜9(まは酸化
膜)を形成した。また基体1と中間層8との界面には、
基体1を構成する原子と中間層8を構成する原子とのミ
キシング層10を形成し、中間層8と窒化膜9(または酸
化膜)との界面には、中間層8を構成する原子と窒化膜
9を構成する原子(または酸化膜を構成する原子)との
ミキシング層11を形成した。
第VIII族元素を含む薄膜(以下「中間層8」という。)
を形成し、この中間層8上には、窒化膜9(まは酸化
膜)を形成した。また基体1と中間層8との界面には、
基体1を構成する原子と中間層8を構成する原子とのミ
キシング層10を形成し、中間層8と窒化膜9(または酸
化膜)との界面には、中間層8を構成する原子と窒化膜
9を構成する原子(または酸化膜を構成する原子)との
ミキシング層11を形成した。
第1図に示す薄膜形成装置を用いて、真空容器内(図
示せず)を1×10-5〔Torr〕〜1×10-7〔Torr〕に排気
した後、蒸発源4により、第I b族または第VIII族元素
を含む物質4′の蒸着と同時もしくは交互または蒸着後
に、イオン源3によりガスイオンまたは金属イオンを照
射することにより、中間層8を形成する。この際、照射
したイオン3′と中間層8を構成する原子とが、衝突お
よび反跳して、基体1の内部に深く進入することによ
り、基体1を構成する原子と、中間層8を形成する原子
とのミキシング層10が形成される。
示せず)を1×10-5〔Torr〕〜1×10-7〔Torr〕に排気
した後、蒸発源4により、第I b族または第VIII族元素
を含む物質4′の蒸着と同時もしくは交互または蒸着後
に、イオン源3によりガスイオンまたは金属イオンを照
射することにより、中間層8を形成する。この際、照射
したイオン3′と中間層8を構成する原子とが、衝突お
よび反跳して、基体1の内部に深く進入することによ
り、基体1を構成する原子と、中間層8を形成する原子
とのミキシング層10が形成される。
蒸発源4より蒸発させる第I b族または第VIII族元素
を含む物質4′は、例えばRBCuZn−D(黄銅ろう),BNi
−1,BAg−3等であり、ろう付け材としても使用されて
おり、基体1との濡れ性に優れている。またイオン源3
より照射するガスイオンは、例えばAr+,N+,O+等、金属
イオンは、例えばB+,Cr+,Si+等である。照射するガスイ
オンまたは金属イオンの加速エネルギーは特に限定され
ない。
を含む物質4′は、例えばRBCuZn−D(黄銅ろう),BNi
−1,BAg−3等であり、ろう付け材としても使用されて
おり、基体1との濡れ性に優れている。またイオン源3
より照射するガスイオンは、例えばAr+,N+,O+等、金属
イオンは、例えばB+,Cr+,Si+等である。照射するガスイ
オンまたは金属イオンの加速エネルギーは特に限定され
ない。
また中間層8の膜厚は、この中間層を形成する際に照
射するイオンの飛程程度以上とすることが好ましく、イ
オンの照射量は1×1015個/cm2以上〜1×1018個/cm2以
下の範囲とすることが好ましい。この条件を満たすこと
により、基体1と中間層8との界面に、より良好なミキ
シング層10を形成することができる。
射するイオンの飛程程度以上とすることが好ましく、イ
オンの照射量は1×1015個/cm2以上〜1×1018個/cm2以
下の範囲とすることが好ましい。この条件を満たすこと
により、基体1と中間層8との界面に、より良好なミキ
シング層10を形成することができる。
次にこの中間層8上に、蒸発源5による蒸発物質5′
の蒸着と同時もしくは交互または蒸着後に、イオン源3
によりガスイオンを照射し、窒化膜9(または酸化膜)
を形成する。この際、中間層8と窒化膜9(または酸化
膜)との界面には、各々を構成する原子のミキシング層
11が形成され、また中間層8を構成する第I b族または
第VIII族元素を含む物質が、窒化膜9(または酸化膜)
との濡れ性に優れているため、中間層8と窒化膜9(ま
たは酸化膜)との良好な密着性を得ることができる。
の蒸着と同時もしくは交互または蒸着後に、イオン源3
によりガスイオンを照射し、窒化膜9(または酸化膜)
を形成する。この際、中間層8と窒化膜9(または酸化
膜)との界面には、各々を構成する原子のミキシング層
11が形成され、また中間層8を構成する第I b族または
第VIII族元素を含む物質が、窒化膜9(または酸化膜)
との濡れ性に優れているため、中間層8と窒化膜9(ま
たは酸化膜)との良好な密着性を得ることができる。
蒸発源5による蒸発物質5′は、窒化膜9(または酸
化膜)を形成するために必要な物質で、例えばホウ素,
チタン素である。
化膜)を形成するために必要な物質で、例えばホウ素,
チタン素である。
またこの際、照射するガスイオン3′は、窒化膜9を
形成する場合には、窒素を含むイオンであり、また酸化
膜を形成する場合には、酸素を含むイオンである。この
窒素を含むイオンおよび酸素を含むイオンの加速エネル
ギーは、特に限定されない。
形成する場合には、窒素を含むイオンであり、また酸化
膜を形成する場合には、酸素を含むイオンである。この
窒素を含むイオンおよび酸素を含むイオンの加速エネル
ギーは、特に限定されない。
また窒化膜9(または酸化膜)は、反応性蒸着法とイ
オン照射とを併用して、形成しても良い。反応性蒸着法
とイオン照射とにより、中間層8上に窒化膜9を形成す
る場合に照射するイオンは、窒素イオンを含むイオンま
たは不活性ガスイオンであり、酸化膜を形成する場合に
照射するイオンは、酸素イオンを含むイオンまたは不活
性ガスイオンである。またこの際照射するイオンの加速
エネルギーは特に限定されない。
オン照射とを併用して、形成しても良い。反応性蒸着法
とイオン照射とにより、中間層8上に窒化膜9を形成す
る場合に照射するイオンは、窒素イオンを含むイオンま
たは不活性ガスイオンであり、酸化膜を形成する場合に
照射するイオンは、酸素イオンを含むイオンまたは不活
性ガスイオンである。またこの際照射するイオンの加速
エネルギーは特に限定されない。
請求項(1)記載の構成によれば、基体と窒化膜また
は酸化膜との間に、基体,窒化膜および酸化膜との濡れ
性に優れた第I b族または第VIII族元素を含む薄膜を形
成し、かつ第I b族または第VIII族元素を含む薄膜と、
窒化膜または酸化膜との形成時に照射するイオンによる
基体および各々の膜を構成する原子との衝突および反跳
により、基体と、第I b族または第VIII族元素を含む薄
膜との界面および第I b族または第VIII族元素を含む薄
膜と、窒化膜または酸化膜との界面に、ミキシング層を
形成することによって、基体と、窒化膜または酸化膜と
の良好な密着性を得ることができる。
は酸化膜との間に、基体,窒化膜および酸化膜との濡れ
性に優れた第I b族または第VIII族元素を含む薄膜を形
成し、かつ第I b族または第VIII族元素を含む薄膜と、
窒化膜または酸化膜との形成時に照射するイオンによる
基体および各々の膜を構成する原子との衝突および反跳
により、基体と、第I b族または第VIII族元素を含む薄
膜との界面および第I b族または第VIII族元素を含む薄
膜と、窒化膜または酸化膜との界面に、ミキシング層を
形成することによって、基体と、窒化膜または酸化膜と
の良好な密着性を得ることができる。
請求項(2)記載の構成によれば、請求項(1)記載
の窒化膜被覆基体および酸化膜被覆基体の製造方法にお
いて、第I b族または第VIII族元素を含む薄膜を形成す
る際に照射するガスイオンまたは金属イオンの照射量を
1×1015個/cm2以上〜1×1018個/cm2以下の範囲とし、
かつ第I b族または第VIII族元素を含む薄膜の膜厚をガ
スイオンまたは金属イオンの飛程程度以上とすることに
より、基体と、第I b族または第VIII族元素を含む薄膜
との界面に良好なミキシング層を形成することができ
る。
の窒化膜被覆基体および酸化膜被覆基体の製造方法にお
いて、第I b族または第VIII族元素を含む薄膜を形成す
る際に照射するガスイオンまたは金属イオンの照射量を
1×1015個/cm2以上〜1×1018個/cm2以下の範囲とし、
かつ第I b族または第VIII族元素を含む薄膜の膜厚をガ
スイオンまたは金属イオンの飛程程度以上とすることに
より、基体と、第I b族または第VIII族元素を含む薄膜
との界面に良好なミキシング層を形成することができ
る。
実施例1〜実施例4 第1図に示す薄膜形成装置を用いて、真空容器(図示
せず)を1×10-6〔Torr〕に排気した後、基体1上に、
蒸発源4によるBNi−1の真空蒸着と同時に、イオン源
3によりArイオンを照射することにより、中間層8を形
成した。この際のArイオンの加速エネルギーは10〔ke
V〕とした。そして、この中間層8上に、蒸発源5より
ホウ素(B)を蒸着すると同時に、イオン源3により窒
素(N)イオンを照射することにより、窒化ホウ素膜を
形成し、中間層8の形成時に照射するArイオンの照射量
を変化させ、実施例1および実施例2とした。
せず)を1×10-6〔Torr〕に排気した後、基体1上に、
蒸発源4によるBNi−1の真空蒸着と同時に、イオン源
3によりArイオンを照射することにより、中間層8を形
成した。この際のArイオンの加速エネルギーは10〔ke
V〕とした。そして、この中間層8上に、蒸発源5より
ホウ素(B)を蒸着すると同時に、イオン源3により窒
素(N)イオンを照射することにより、窒化ホウ素膜を
形成し、中間層8の形成時に照射するArイオンの照射量
を変化させ、実施例1および実施例2とした。
また実施例3および実施例4は、実施例1および実施
例2と同様にて、基体1上に中間層8を形成した後、こ
の中間層8上に、蒸発源5によりチタン(Ti)を蒸着す
ると同時に、イオン源3により窒素(N)イオンを照射
して、窒化チタン膜を形成した。
例2と同様にて、基体1上に中間層8を形成した後、こ
の中間層8上に、蒸発源5によりチタン(Ti)を蒸着す
ると同時に、イオン源3により窒素(N)イオンを照射
して、窒化チタン膜を形成した。
また基体1として、ハイス鋼(SKH10)を用いた。
比較例1〜比較例2 第1図に示す薄膜形成装置を用いて、実施例1〜実施
例4と同様の基体1上に、中間層8を形成せずに、蒸発
源5によりホウ素(B)を蒸着すると同時に、イオン源
3により窒素(N)イオンを照射することにより、窒化
ホウ素膜を形成して比較例1とし、また基体1上に、蒸
発源5によりチタン(Ti)を蒸着すると同時に、イオン
源3により窒素(N)イオンを照射することにより、窒
化チタン膜を形成して比較例2とした。
例4と同様の基体1上に、中間層8を形成せずに、蒸発
源5によりホウ素(B)を蒸着すると同時に、イオン源
3により窒素(N)イオンを照射することにより、窒化
ホウ素膜を形成して比較例1とし、また基体1上に、蒸
発源5によりチタン(Ti)を蒸着すると同時に、イオン
源3により窒素(N)イオンを照射することにより、窒
化チタン膜を形成して比較例2とした。
以下実施例1〜実施例4の中間層8の厚み,中間層8
の形成時に、照射するArイオンの照射量、窒化ホウ素膜
の形成時に中間層8上に照射する窒素(N)イオンの加
速エネルギー、窒化ホウ素膜および窒化チタン膜の組成
比(B/NおよびTi/N)、窒化ホウ素膜の膜厚、窒化チタ
ン膜の膜厚および比較例1〜比較例2の窒化ホウ素膜お
よび窒化チタン膜の形成時に、基体1上に照射する窒素
(N)イオンの加速エネルギー、窒化ホウ素膜の膜厚お
よび窒化チタン膜の膜厚を表1に示す。
の形成時に、照射するArイオンの照射量、窒化ホウ素膜
の形成時に中間層8上に照射する窒素(N)イオンの加
速エネルギー、窒化ホウ素膜および窒化チタン膜の組成
比(B/NおよびTi/N)、窒化ホウ素膜の膜厚、窒化チタ
ン膜の膜厚および比較例1〜比較例2の窒化ホウ素膜お
よび窒化チタン膜の形成時に、基体1上に照射する窒素
(N)イオンの加速エネルギー、窒化ホウ素膜の膜厚お
よび窒化チタン膜の膜厚を表1に示す。
このように形成した実施例1〜実施例4および比較例
1〜比較例2の密着強度の測定をゼバスチャン試験機
(各々の試料に接着剤によりスタッドを立て、このスタ
ッドを引っ張ることにより密着強度を測定する。)によ
り行った。
1〜比較例2の密着強度の測定をゼバスチャン試験機
(各々の試料に接着剤によりスタッドを立て、このスタ
ッドを引っ張ることにより密着強度を測定する。)によ
り行った。
以下に各実施例1〜4および各比較例1〜2の密着強
度の測定結果を表2に示す。
度の測定結果を表2に示す。
(表2)に示すように、基体1上に、直接、窒化膜
(窒化ホウ素膜および窒化チタン膜)を形成した比較例
1〜比較例2の密着強度は、3.5〔Kg/mm2〕以下である
のに対して、基体1上に、中間層8を形成し、この中間
層8上に窒化ホウ素膜および窒化チタン膜を形成した実
施例1〜実施例4の密着強度は、全て6.5〔Kg/mm2〕以
上の高い密着強度を得ていることがわかる。また実施例
1〜実施例4の窒化ホウ素膜および窒化チタン膜は剥離
することなく、密着強度の測定のため、表面に塗布した
接着剤内の剥離が生じるのみであった。
(窒化ホウ素膜および窒化チタン膜)を形成した比較例
1〜比較例2の密着強度は、3.5〔Kg/mm2〕以下である
のに対して、基体1上に、中間層8を形成し、この中間
層8上に窒化ホウ素膜および窒化チタン膜を形成した実
施例1〜実施例4の密着強度は、全て6.5〔Kg/mm2〕以
上の高い密着強度を得ていることがわかる。また実施例
1〜実施例4の窒化ホウ素膜および窒化チタン膜は剥離
することなく、密着強度の測定のため、表面に塗布した
接着剤内の剥離が生じるのみであった。
請求項(1)記載の窒化膜被覆基体および酸化膜被覆
基体の製造方法によれば、基体と、窒化膜または酸化膜
との間に、基体,窒化膜および酸化膜との濡れ性に優れ
た第I b族または第VIII族元素を含む薄膜を形成し、か
つ基体と第I b族または第VIII族元素を含む薄膜との界
面および第I b族または第VIII族元素を含む薄膜と窒化
膜または酸化膜との界面に、ミキシング層を形成するこ
とにより、基体と窒化膜または酸化膜との密着性を向上
させることができる。
基体の製造方法によれば、基体と、窒化膜または酸化膜
との間に、基体,窒化膜および酸化膜との濡れ性に優れ
た第I b族または第VIII族元素を含む薄膜を形成し、か
つ基体と第I b族または第VIII族元素を含む薄膜との界
面および第I b族または第VIII族元素を含む薄膜と窒化
膜または酸化膜との界面に、ミキシング層を形成するこ
とにより、基体と窒化膜または酸化膜との密着性を向上
させることができる。
請求項(2)記載の窒化膜被覆基体および酸化膜被覆
基体の製造方法によれば、請求項(1)記載の窒化膜被
覆基体または酸化膜被覆基体の製造方法において、第I
b族または第VIII族元素を含む薄膜を形成する際に、照
射するガスイオンまたは金属イオンの照射量を1×1015
個/cm2以上〜1×1018個/cm2以下の範囲とし、かつ第I
b族または第VIII族元素を含む薄膜の膜厚をガスイオン
または金属イオンの飛程程度以上とすることにより、基
体と第I b族または第VIII族元素を含む薄膜との界面に
良好なミキシング層を形成することができる。その結
果、基体と第I b族または第VIII族元素を含む薄膜との
密着性をより向上させることができる。
基体の製造方法によれば、請求項(1)記載の窒化膜被
覆基体または酸化膜被覆基体の製造方法において、第I
b族または第VIII族元素を含む薄膜を形成する際に、照
射するガスイオンまたは金属イオンの照射量を1×1015
個/cm2以上〜1×1018個/cm2以下の範囲とし、かつ第I
b族または第VIII族元素を含む薄膜の膜厚をガスイオン
または金属イオンの飛程程度以上とすることにより、基
体と第I b族または第VIII族元素を含む薄膜との界面に
良好なミキシング層を形成することができる。その結
果、基体と第I b族または第VIII族元素を含む薄膜との
密着性をより向上させることができる。
第1図はこの発明の窒化膜被覆基体および酸化膜被覆基
体の製造方法の一例に用いられる薄膜形成装置を示す概
念図、第2図はこの発明の酸化膜被覆基体および窒化膜
被覆基体の製造方法の一例を適用した酸化膜被覆基体ま
たは窒化膜被覆基体の被覆構造を示す概念図である。 1……基体、8……中間層(第I b族または第VIII族元
素を含む薄膜)、9……窒化膜(または酸化膜)
体の製造方法の一例に用いられる薄膜形成装置を示す概
念図、第2図はこの発明の酸化膜被覆基体および窒化膜
被覆基体の製造方法の一例を適用した酸化膜被覆基体ま
たは窒化膜被覆基体の被覆構造を示す概念図である。 1……基体、8……中間層(第I b族または第VIII族元
素を含む薄膜)、9……窒化膜(または酸化膜)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 14/00 - 14/58
Claims (2)
- 【請求項1】基体上に、第I b族またはVIII族元素を含
む物質の真空蒸着と同時もしくは交互または蒸着後に、
ガスイオンまたは金属イオンを照射して、第I b族また
は第VIII族元素を含む薄膜を中間層として形成し、この
薄膜上に、真空蒸着と同時もしくは交互または蒸着後
に、窒素または酸素を含むガスイオンを照射して、窒化
膜または酸化膜を形成することを特徴とする窒化膜被覆
基体および酸化膜被覆基体の製造方法。 - 【請求項2】前記第I b族または第VIII族元素を含む薄
膜を形成する際に照射する前記ガスイオンまたは金属イ
オンの照射量を1×1015個/cm2以上〜1×1018個/cm2以
下の範囲として、かつ前記第前記第I b族または第VIII
族元素を含む薄膜の膜圧を前記ガスイオンまたは金属イ
オンの飛程程度以上とした請求項(1)記載の窒化膜被
覆基体および酸化膜被覆基体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15116890A JP2952683B2 (ja) | 1990-06-08 | 1990-06-08 | 窒化膜被覆基体および酸化膜被覆基体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15116890A JP2952683B2 (ja) | 1990-06-08 | 1990-06-08 | 窒化膜被覆基体および酸化膜被覆基体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0445257A JPH0445257A (ja) | 1992-02-14 |
JP2952683B2 true JP2952683B2 (ja) | 1999-09-27 |
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ID=15512806
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15116890A Expired - Fee Related JP2952683B2 (ja) | 1990-06-08 | 1990-06-08 | 窒化膜被覆基体および酸化膜被覆基体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2952683B2 (ja) |
-
1990
- 1990-06-08 JP JP15116890A patent/JP2952683B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0445257A (ja) | 1992-02-14 |
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Legal Events
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |