まず、図10を参照しながら、本実施形態における画像読取装置について説明する。
本実施形態における画像読取装置は、原稿画像を読み取り、画像ファイルを作成する第1、第2の画像読取装置(A、B)が連結して構成されており、第1の画像読取装置(A)は、第2の画像読取装置(B)において作成される画像ファイルB'の送信要求を第2の画像読取装置(B)に行う。そして、第1の画像読取装置(A)は、原稿画像を読み取り、画像ファイルAを作成する。次に、第2の画像読取装置(B)は、第1の画像読取装置(A)から送信要求を受け付けた際に、原稿画像を読み取り、画像ファイルBを作成し、該作成した画像ファイルBの複製ファイルB'を第1の画像読取装置(A)に送信する。そして、第1の画像読取装置(A)は、第2の画像読取装置(B)への送信要求により第2の画像読取装置(B)で作成された複製ファイルB'を受信し、該受信した複製ファイルB'と、第1の画像読取装置(A)で作成した画像ファイルAと、を結合し、結合ファイルAB'を作成する。これにより、複数の画像読取装置(A、B)で読み取った画像ファイルA、Bを結合することになるため、大量の原稿を読み取る際にかかる時間を短縮することが可能となる。なお、第1の画像読取装置(A)は、結合ファイルAB'を印刷することが可能である。以下、添付図面を参照しながら、本実施形態における画像読取装置について説明する。なお、以下の説明では、画像読取装置に印刷機能を搭載した画像形成装置として説明することにする。
(第1の実施形態)
まず、図1を参照しながら、本実施形態における画像形成装置の概略構成について説明する。
本実施形態における画像形成装置は、ADF(自動原稿送り装置)(1)と、原稿台(2)と、給紙ローラ(3)と、給送ベルト(4)と、配送ローラ(5)と、コンタクトガラス(6)と、原稿セット検知部(7)と、第1トレイ(8)と、第2トレイ(9)と、第3トレイ(10)と、第1給紙ユニット(11)と、第2給紙ユニット(12)と、第3給紙ユニット(13)と、縦搬送ユニット(14)と、感光体(15)と、搬送ベルト(16)と、定着ユニット(17)と、排紙ユニット(18)と、現像ユニット(27)と、露光ランプ(51)、第1ミラー(52)、レンズ(53)、CCDイメージセンサ(54)、第2ミラー(55)、第3ミラー(56)から構成される読み取りユニット(50)と、レーザ出力ユニット(58)、結像レンズ(59)、ミラー(60)から構成される書き込みユニット(57)と、切り替え板(101)、通常排紙ローラ(102)、搬送ローラ(103、105)、通常排紙トレイ(104)、ステープラ(106)、排紙ローラ(107)、ステープル台(108)、ジョガー(109)、ステープル完了排紙トレイ(110)から構成されるフィニシャ(100)と、両面給紙ユニット(111)と、分岐爪(112)と、を有して構成されている。
次に、図2を参照しながら、図1に示す画像形成装置に搭載されている操作部について説明する。
画像形成装置に搭載される操作部(30)上には、液晶タッチパネル(31)と、テンキー(32)と、クリア/ストップキー(33)と、スタートキー(34)と、予熱キー(35)と、リセットキー(36)と、コピー機能を実行するためのコピーキー(37)、プリンタ機能を実行するためのプリンタキー(38)と、初期設定キー(39)と、を有して構成される。
液晶タッチパネル(31)は、後述するモード設定のためのキーや画像形成装置の状態を示すメッセージなどが表示されるものである。液晶タッチパネル(31)は、ユーザが液晶タッチパネル(31)上に表示されたキーを押下することで、選択された機能を示すキーが黒く反転することになる。また、機能の詳細を指定しなければならない場合(例えば、変倍であれば変倍値等)は、液晶タッチパネル(31)上に表示されるキーに触れることで、詳細機能の設定画面が表示されることになる。なお、液晶タッチパネル(31)にドット表示機能を使用することで、最適な表示をグラフィカルに行うことが可能となる。
初期設定キー(39)は、画像形成装置の初期状態を任意にカスタマイズすることが可能となるキーである。この初期設定キー(39)により、画像形成装置に収納されている用紙サイズを任意に設定したり、コピー機能のリセットキー(36)を押下したときの状態を任意に設定したりすることが可能となる。また、初期設定キー(39)は、液晶タッチパネル(31)上に表示されている各種機能に対する詳細設定を行うことも可能である。
次に、図3を参照しながら、図2に示す液晶タッチパネル(31)上の表示画面例について説明する。
図2に示す操作部(30)上のコピーキー(37)、または、プリンタキー(38)が押下されることで、図3に示す画面が液晶タッチパネル(31)上に表示されることになる。
液晶タッチパネル(31)上には、図3に示すように、「コピーできます」、「お待ちください」等のメッセージを表示するメッセージエリアと、「原稿0」、「セット1」、「コピー1」等のセットした枚数を表示するコピー枚数表示部と、転写紙を自動的に選択する「自動用紙選択」と、コピーを一部ずつページ順にそろえる処理を指定する「ソート」と、コピーをページ毎に仕分けする処理を指定するための「スタック」と、ソート処理されたものを一部ずつ綴じる処理を指定するための「ステープル」と、倍率を等倍にセットする「等倍」と、「用紙指定倍数」、「変倍」、「A3→A4」、「A4→A3」、「B4→B5」、「A5→A4」、「93%」、「100%」、「少し小さめ」等の拡大/縮小倍率をセットする変倍機能と、「片面→両面」、「両面→両面」等の両面モードを設定する両面機能と、とじ代モード等を設定する「編集」と、表紙/合紙モードを設定する「表紙/合紙」と、ネットワークを介して多量のプリント動作を複数の画像形成装置に振り分けてプリントアウトする「連結コピー」等が表示されることになる。また、給紙トレイ数に対応した給紙トレイ状態を示し、手動で給紙段を設定するためのキーが給紙段分表示されている。
次に、図4を参照しながら、図1に示す画像形成装置の制御系について説明する。
画像形成装置の制御系は、図4に示すように、画像形成装置全体を制御するメインコントローラ(20)を中心に各分散制御装置が配置されており、メインコントローラ(20)は、システムバスを介して、IPU(画像処理ユニット)(49)と、ADF(1)と、操作部(30)と、接続されている。
なお、操作部(30)は、オペレータに対する表示やオペレータからの機能設定を行うものである。また、IPU(49)は、スキャナの制御、原稿画像をIPU(49)の画像メモリに書き込む制御、その画像メモリからの作像処理を行うものである。
また、メインコントローラ(20)は、メインモータ(25)と、中間クラッチ(21)と、第1給紙クラッチ(22)と、第2給紙クラッチ(23)と、第3給紙クラッチ(24)と、接続されている。また、ADF(1)は、搬送モータ(26)や、原稿セット検知部(7)が接続されており、操作部(30)には、液晶ディスプレイ(31)や、各種入力キー(32〜39)が接続されている。
次に、図1を参照しながら、本実施形態の画像形成装置における処理動作について説明する。
ADF(1)の具備する原稿台(2)上に原稿の画像面を上にして置かれた原稿束は、図2に示す操作部(30)上のスタートキー(34)が押下されることで、原稿束の一番下の原稿が、給送ローラ(3)と、給送ベルト(4)と、によりコンタクトガラス(6)上の所定の位置に給送されることになる。なお、本実施形態における画像形成装置は、一枚の原稿の給送完了により原稿枚数をカウントアップするカウント機能を有している。
次に、コンタクトガラス(6)上の所定の位置に給送された原稿は、読み取りユニット(50)により読み取られ、読み取りが終了した原稿は、給送ベルト(4)、及び、排送ローラ(5)を介して排出されることになる。さらに、原稿台(2)に次の原稿があることを、原稿セット検知部(7)が検知した場合には、上述した処理動作と同様に、コンタクトガラス(6)上に原稿が給送されることになる。なお、給送ローラ(3)、給送ベルト(4)、排送ローラ(5)は、図4に示す搬送モータ(26)により駆動されることになる。
第1トレイ(8)、第2トレイ(9)、第3トレイ(10)に積載された転写紙は、各々第1給紙装置(11)、第2給紙装置(12)、第3給紙装置(13)により給紙され、縦搬送ユニット(14)により感光体(15)に当接する位置まで搬送される。
読み取りユニット(50)にて読み取られた原稿の画像データは、書き込みユニット(57)からのレーザにより感光体(15)上に書き込まれ、感光体(15)上に静電潜像が形成される。そして、現像ユニット(27)を通過することで感光体(15)上にトナー像が形成される。
縦搬送ユニット(14)により搬送された転写紙は、感光体(15)の回転速度と等速で搬送ベルト(16)により搬送され、感光体(15)上に形成されたトナー像が転写紙上に転写され、定着ユニット(17)に搬送される。
定着ユニット(17)は、転写紙上に転写された画像を定着し、排紙ユニット(18)は、後処理装置となるフィニシャ(100)に転写紙を排出する。
フィニシャ(100)は、通常排紙トレイ(102)側と、ステープル台(108)側と、に導くための装置であり、切り替え板(101)を上に切り替えることで、転写紙を搬送ローラ(103)を経由して通常排紙トレイ(104)側に排紙することになる。また、切り替え板(101)を下方向に切り替えることで、転写紙を搬送ローラ(105)、排紙ローラ(107)を経由して、ステープル台(108)に搬送することになる。
ステープル台(108)に積載された転写紙は、一枚排紙される毎に紙揃え用のジョガー(109)により、紙端面が揃えられ、一部のコピー完了と共にステープラ(106)により綴じられることになる。ステープラ(106)で綴じられた転写紙群は自重により、ステープル完了排紙トレイ(110)に収納されることになる。
通常の排紙トレイ(104)は、前後に移動可能な排紙トレイであり、原稿毎、あるいは、画像メモリによりソーティングされたコピー部毎に、前後に移動し、簡易的に排出されてくるコピー紙を仕分けることになる。
転写紙の両面に画像を形成する場合には、各給紙トレイ(8〜10)から給紙されて転写紙の片面に画像が形成された転写紙を排紙トレイ(104)側には導かず、経路切り替えの為の分岐爪(112)を上側にセットし、両面給紙ユニット(111)に、転写紙を一旦ストックすることになる。そして、両面給紙ユニット(111)に一旦ストックした転写紙に対し、感光体(15)に形成されたトナー画像を再び転写するために、両面給紙ユニット(111)にストックした転写紙を再給紙し、経路切り替えの為の分岐爪(112)を下側にセットし、両面に画像が転写された転写紙を排紙トレイ(104)に導くことになる。
このように、転写紙の両面に画像を形成する場合には、両面給紙ユニット(111)が使用されることになる。
なお、感光体(15)と、搬送ベルト(16)と、定着ユニット(17)と、排紙ユニット(18)と、現像ユニット(27)とは、図4に示すメインモータ(25)により駆動されることになる。また、各給紙装置(11〜13)は、図4に示すメインモータ(25)の駆動が各々給紙クラッチ(22〜24)により伝達駆動されることになる。また、縦搬送ユニット(14)は、図4に示すメインモータ(25)の駆動が中間クラッチ(21)により伝達駆動されることになる。
次に、図1を参照しながら、本実施形態の画像形成装置における原稿読み取り処理から原稿画像の書き込み処理までの動作について説明する。
読み取りユニット(50)は、原稿を載置するコンタクトガラス(6)と、光学走査系と、で構成されており、光学走査系には、露光ランプ(51)、第1ミラー(52)、レンズ(53)、CCDイメージセンサ(54)等々で構成されている。露光ランプ(51)及び第1ミラー(52)は、図示しない第1キャリッジ上に固定され、第2ミラー(55)及び第3ミラー(56)は、図示しない第2キャリッジ上に固定されている。
なお、原稿像を読み取る際には、光路長が変わらないように、第1キャリッジと、第2キャリッジと、が2対1の相対速度で機械的に走査されることになる。この光学走査系は、図示しないスキャナ駆動モータにより駆動される。また、原稿画像はCCDイメージセンサ(54)により読み取られ、電気信号に変換されることになる。
また、レンズ(53)及びCCDイメージセンサ(54)を、図1の左右方向に移動させることで、画像倍率が変化することになる。即ち、指定された倍率に対応してレンズ(53)及びCCDイメージセンサ(54)が図1の左右方向に移動し、レンズ(53)及びCCDイメージセンサ(54)の位置が設定されることになる。
書き込みユニット(57)は、レーザ出力ユニット(58)、結像レンズ(59)、ミラー(60)で構成され、レーザ出力ユニット(58)の内部には、図示しないレーザ光源であるレーザダイオード、及び、モータにより高速で定速回転する回転多面鏡(ポリゴンミラー)が搭載されている。
レーザ出力ユニット(58)により照射されるレーザ光は、回転多面鏡で偏光され、結像レンズ(59)を通り、ミラー(60)で折り返され、感光体(15)面上に集光結像することになる。偏光されたレーザ光は、感光体(15)が回転する方向(時計方向)と直交する方向(主走査方向)に露光走査され、図4に示すIPU(49)内のセレクタ(64)(図5参照)より出力された画像信号のライン単位の記録を行うことになる。感光体(15)の回転速度と記録密度に対応した所定の周期とで主走査を繰り返すことにより、感光体(15)上に静電潜像が形成されることになる。
このように、画像を感光体(15)に書き込む際には、書き込みユニット(57)から出力されるレーザ光を、画像作像系の感光体(15)に照射することになる。なお、図示しないが、感光体(15)の一端近傍のレーザビームが照射される位置には、主走査同期信号を発生するビームセンサが配置されている。この主走査同期信号を基に、主走査方向の画像記録開始タイミングの制御、及び、画像信号の入出力を行うための制御信号の生成を行うことになる。
次に、図5を参照しながら、図4に示すIPU(49)の処理動作について説明する。なお、図5は、IPU(49)内の内部構成を示す図である。
IPU(49)は、図1に示す露光ランプ(51)から照射された光の反射光を、CCDイメージセンサ(54)が受光し、CCDイメージセンサ(54)にて光電変換する。A/Dコンバータ(61)は、光電変換したアナログ画像データをデジタル画像データに変換する。シェーディング補正部(62)は、A/Dコンバータ(61)で変換したデジタル画像データに対し、シェーディング補正を行う。画像処理部(63)は、シェーディング補正を行った画像データに対しMTF補正、γ補正等を施す。変倍処理部(72)は、画像データに対し変倍処理を行い、変倍率に合わせて画像データを拡大縮小し、セレクタ(64)に出力する。セレクタ(64)は、書き込みγ補正部(71)、または、画像メモリコントローラ(65)に出力先を切り替えて画像データを出力する。書き込みγ補正部(71)は、画像データにγ補正を行い、書き込みユニット(57)に出力する。
なお、画像メモリコントローラ(65)と、セレクタ(64)と、の間は、双方向に画像信号を入出力可能な構成となっており、IPU(49)は、読み取りユニット(50)から入力される画像データ以外にも、I/Oポート(67)を介して外部から供給される画像データ(例えば、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置から入力した画像データ)も処理することが可能となるように、複数の画像データの入出力を選択できる機能を有している。
また、図5に示すように、IPU(49)は、画像メモリコントローラ(65)の設定や、図1に示す読み取りユニット(50)、書き込みユニット(57)の制御を行うCPU(68)と、CPU(68)により制御されるプログラムやデータを格納するROM(69)、RAM(70)を有して構成される。なお、CPU(68)は、画像メモリコントローラ(65)を介して、画像メモリ(66)のデータの書き込み処理や、読み出し処理を行うことになる。
画像メモリコントローラ(65)に送られた画像データは、画像メモリコントローラ(65)内にある画像圧縮装置で圧縮され、画像メモリ(66)に送られることになる。
画像メモリコントローラ(65)内の画像圧縮装置で画像データを圧縮する理由は、最大画像サイズ分の256階調の画像データを、そのまま画像メモリ(66)に書き込むことも可能であるが、1枚の原稿画像データで画像メモリ(66)の容量を多く使用することになるため、画像データの圧縮処理を行うことで、限られた画像メモリ(66)の容量を有効に利用できることが可能となるためである。また、一度に多くの画像データを画像メモリ(66)に記憶することが可能となるため、ソート機能として、画像メモリ(66)に貯えられた画像データをページ順に出力することが可能となるためである。なお、この場合は、画像メモリ(66)に貯えられた画像データを出力した際に、画像メモリコントローラ(65)内の伸長装置で画像データを順次伸長しながら出力することになる。このような機能は一般に「電子ソート」と称される。
また、画像メモリ(66)に記憶された画像データは、CPU(68)からアクセス可能な構成となっている。このため画像メモリ(66)に記憶された画像データを加工することが可能となり、例えば、画像データの間引き処理、画像データの切り出し処理等を行うことが可能となる。なお、画像メモリ(66)に記憶された画像データは、画像メモリコントローラ(65)内のレジスタにデータを書き込むことで加工され、その加工された画像データは、再度、画像メモリ(66)に記憶される。
なお、画像メモリ(66)は、各処理を行う画像データの大きさにより複数のエリアに分割し、画像データの入出力を同時に実行可能な構成となっている。また、各分割したエリアに画像データの入力、出力をそれぞれ並列に実行可能とするために、画像メモリコントローラ(65)とのインタフェースには、リード用とライト用との二組のアドレス・データ線が用いられている。これにより、エリア1に画像データを入力(ライト)する間に、エリア2により画像を出力(リード)するという動作が可能となる。
なお、画像メモリ(66)には、多くの画像データを収納するため、図5に示すように、ハードディスク(HDD)(75)を設けることも可能である。HDD(75)を設けることで、外部電源が不用で永久的に画像を保持できることになる。複数の定型の原稿(フォーマット原稿)をスキャナで読み込んで保持する際は、HDD(75)を用いるのが一般的である。
なお、画像データの書き込み処理、読み出し処理は、画像形成装置本体の作像処理や、スキャナからの画像の書き込み処理に対する処理速度の差を吸収する為に、画像メモリ(66)に画像データを一旦記憶してから、画像データの書き込み処理、読み出し処理をすることになる。また、HDD(75)からの画像データを書き込みユニット(57)に送信する際は、画像メモリ(66)に画像データを一旦記憶してから書き込みユニット(57)に送信することになる。
なお、CPU(68)が、画像データの入力、出力を決めることでCPU(68)と接続された画像メモリコントローラ(65)における画像データの流れを切り替えることになる。また、画像データを記憶する装置となる画像メモリ(66)、HDD(75)、書き込みユニット(57)に送る画像データの入出力は全て画像メモリコントローラ(65)により画像パスが決定されることになる。
次に、図6を参照しながら、図5に示すセレクタ(64)における1ページ分の画像信号の信号処理について説明する。
図6に示すフレームゲート信号(/FGATE)は、1ページ分の画像データの副走査方向に対する有効期間を示す。また、主走査同期信号(/LSYNC)は、1ライン毎の主走査同期信号を示す。この主走査同期信号が立ち上がった後の所定クロックで、画像信号が有効となる。主走査方向の画像信号が有効であることを示す信号が、ラインゲート信号(/LGATE)である。これらの信号は、画素同期信号(VCLK)に同期しており、画素同期信号(VCLK)の1周期に対し1画素8ビット(256階調)のデータが送られてくる。IPU(49)は、画像入力、画像出力、のそれぞれに対して別個の/FGATE、/LSYNC、/LGATE、VCLK、の発生機能を有し、様々な画像入出力の組み合わせを行うことが可能である。なお、本実施形態では、転写紙への書込密度は、400dpiである。また、最大画素数は、主走査4800画素、副走査6800画素である。また、本実施形態では、画像データは255に近いほど白画像となる。
なお、本実施形態における画像形成装置は、印刷作業を分担するために他のデジタル複写機と画像データファイルやコマンドの送受信を行うことになる。このため、本実施形態における画像形成装置は、画像データの送受信用に、IEEE1394の連結インタフェースを用いており、コマンドの送受信用に、シリアル通信ラインを用いている。本実施形態における画像形成装置は、図4に示すメインコントローラ(20)が連結I/F(48)を介して画像データファイルやコマンドの送受信を行っている。
次に、図7を参照しながら、本実施形態の画像形成装置内のソフトウェア制御モジュール構成と、本実施形態の画像形成装置における画像転送、印刷制御について説明する。なお、図7は、ソフトウェアのモジュール構成を示した図である。
本実施形態のフトウェアのモジュール構成は、図7に示すように、アプリケーション層(701)と、コントロールサービス層(702)と、ハンドラ層(703)と、を有して構成される。
<アプリケーション層(701)>
アプリケーション層(701)は、画像形成装置に搭載された各機能を実行するための層であり、操作パネルマネージャ(7011)と、コピーアプリ(7012)と、他の複数のアプリ(例えば、ファックスアプリ、スキャナアプリ、子機共通アプリ等)(7013)と、を有して構成される。そして、アプリケーション層(701)は、操作パネルマネージャ(7011)と、各アプリ(7012、7013)と、を用いてジョブ情報を設定することになる。
<コントロールサービス層(702)>
コントロールサービス層(702)は、アプリケーション層(701)からの情報を解析し、ハンドラ層(703)を動作する。
<ハンドラ層(703)>
ハンドラ層(703)は、ハンドラ(リソース)マネージャ(7031)と、読み取りユニットを制御するスキャナハンドラ(7032)と、画像メモリへの画像データの入出力を制御する画像メモリハンドラ(7033)と、書き込みユニットと用紙搬送、後処理周辺機を制御するプロッタハンドラ(7034)と、を有し、ハンドラ(リソース)マネージャ(7031)が、これらのソフトウェアモジュール(7032、7033、7034)を連携させて、原稿画像の読取処理から、その原稿画像の蓄積処理、画像形成処理、を行うことになる。
次に、図7に示すソフトウェアのモジュール構成における処理動作について説明する。
アプリケーション層(701)で設定されたジョブ情報は、図2に示す操作部(30)上のスタートキー(34)の押下等をトリガとし、コントロールサービス層(702)に受け渡される。コントロールサービス(7021)は、アプリケーション層(701)から受け渡されたジョブ情報を解釈し、ハンドラ層(703)を動作させるためのプロセス情報をハンドラ層(703)のハンドラ(リソース)マネージャ(7031)に送信する。
ハンドラ(リソース)マネージャ(7031)は、コントロールサービス層(702)から受信したプロセス情報に従って、個々のハンドラ(7032、7033、7034)を動作させることになる。
なお、本実施形態における画像形成装置は、他の画像形成装置と連結するための連結I/Fドライバ(7022)を有しており、コントロールサービス(7021)は、連結I/Fドライバ(7022)を介して他の画像形成装置と連結し、画像データファイルやコマンド情報の受け渡しを行うことになる。
次に、図7、図8を参照しながら、図1に示す画像形成装置を連結した2台の画像形成装置間での連結印刷制御について説明する。なお、図7、図8に示すように、2台の画像形成装置は、有線ケーブルを介して接続されている。なお、読取原稿の読み取り条件や印刷条件を設定し、読取原稿の印刷作業を分担する側を親機(A)とし、読取原稿の印刷作業を分担される側を子機(B)とする。
一般的に単体コピージョブの場合には、原稿の読取処理と、その読み取った原稿画像データの蓄積処理、及び、その蓄積画像データの印刷処理という手順で行うことになる。これに対し、連結コピージョブは、単体コピージョブの手順に加えて以下の制御が加わることになる。
親機側(A)で連結コピージョブが発生した場合には、親機(A)のコントロールサービス(7021A)内でジョブ情報を解釈し、親機(A)の画像読取部で読み取った原稿画像データを自機(A)の画像メモリに蓄積するプロセスと、その画像メモリに蓄積した原稿画像データを子機側(B)の画像メモリに転送するプロセスと、に分けて実行することになる。
子機側(B)のコントロールサービス(7021B)は、必要分の原稿画像データの転送処理が完了したと判断すると、親機側(A)のコントロールサービス(7021A)から受信した情報に従い、予め親機側(A)から転送された原稿画像データを参照する印刷プロセスを実行し、ハンドラ(リソース)マネージャ(7031B)に対し印刷要求を行うことになる。
子機側(B)のコントロールサービス(7021B)は、親機(A)に対し、子機(B)で処理した印刷ジョブを親機側(A)に逐次通知することになる。親機側(A)のコントロールサービス(7021A)は、子機側(B)から通知された情報に従い、親機側(A)の印刷ジョブと、子機側(B)の印刷ジョブと、の経過を監視し、印刷処理を行うことになる。
なお、連結コピージョブのスタック時は、親機側(A)は、最初の原稿からコピー面を下にして排紙することになる(裏面排紙)。また、子機側(B)は、最後の原稿からコピー面を上にして排紙することになる(表面排紙)。その結果、親機側(A)、子機側(B)の印刷物を合わせると、装置単体で印刷した場合と同じ印刷物が得られることになる。また、連結コピージョブのソート時は、親機側(A)、子機側(B)それぞれで部毎に原稿の印刷処理が行われる。
次に、図9、図10を参照しながら、2台の画像形成装置間での連結印刷制御処理について説明する。なお、以下の印刷制御処理は、2台の画像形成装置で1000ページの両面原稿をソートモードで10部、連結印刷を開始する場合について説明する。
親機(A)の操作部上の連結コピーキーが押下されると、図9に示す連結モード設定画面が操作部のタッチパネル上に表示されることになる。ユーザは、図9に示す連結モード設定画面上で親機(A)、子機(B)の動作を設定することになる。
なお、図9は、連結モード設定画面であり、原稿の読み取り処理を行う装置を設定するための「読み取り」と、原稿データの印刷処理を行う装置を設定するための「印刷」と、原稿データの蓄積処理を行う装置を設定するための「蓄積」と、の3つの処理を行う装置を設定するための画面である。
通常の連結モードでは、親機(A)で原稿を読み取り、親機(A)と子機(B)とで原稿データの印刷処理を行うことになるため、親機(A)の読取処理と印刷処理、子機(B)の印刷処理を、図9に示す設定画面上でSETすることになる。このため、図9に示す設定画面上では、「親機」の「読み取り」と「印刷」とが「SET」に設定されることになり、「子機」の「印刷」が「SET」に設定されることになる。
なお、本実施形態は、原稿枚数が多いため、ユーザは、子機(B)でも原稿を読み取ることになる。この場合、図9に示す設定画面上で、子機(B)の読取処理もSETすることになる。このため、図9に示す設定画面上では、「子機」の「読み取り」が「SET」に設定されることになる。なお、読取原稿は、ページ順を変えたくないので親機(A)で読み取った分の原稿の後に、子機(B)で読み取った分の原稿を追加するように「親機(A)」の「読み取り」が「SET[1]」に設定され、「子機(B)」の「読み取り」が「SET[2]」に設定されることになる。
なお、ユーザは、図9に示す設定画面上で、「決定」キーを押下し、連結設定を決定した後に、親機(A)の画像読取部に原稿を500枚セットし、連結印刷を開始することになる。これにより、親機(A)は、図9に示す設定画面上の子機に対して、図9に示す設定画面上の情報が送信されることになる。
親機(A)は、連結印刷を開始すると、画像読取部で読み取った原稿の原稿データをファイルAとして親機(A)内の具備するメモリに記憶する。これにより、親機(A)の具備する画像メモリには、ファイルAが蓄積されることになる。
また、ユーザは、子機(B)のところに行き、残りの原稿500枚を画像読取部にセットし、原稿の読み取りを開始することになる。この場合、子機(B)は、画像読取部で読み取った原稿の原稿画像データをファイルBとして親機(B)内の画像メモリに記憶する。これにより、子機(B)の具備する画像メモリには、ファイルBが蓄積されることになる。
親機(A)は、原稿500枚の読み取りが完了し、ファイルAの作成が完了すると、ファイルAの複製ファイルA'を作成し、図10に示すように、子機(B)に対して複製ファイルA'を転送することになる。
また、子機(B)は、原稿の読み取りが完了し、ファイルBの作成が完了すると、ファイルBの複製ファイルB'を作成し、図10に示すように、親機(A)に対して複製ファイルB'を転送することになる。
親機(A)は、子機(B)から複製ファイルB'が転送され、図9に示す設定画面上で「読み取り」を「SET」に設定した全ての装置から複製ファイルが転送されてきたと判断した場合には、親機(A)自身で作成したファイルAと、子機(B)から転送されてきた複製ファイルB'と、をマージ(結合)し、結合ファイルAB'を作成する。
また、子機(B)は、親機(A)から複製ファイルA'が転送され、図9に示す設定画面上で「読み取り」を「SET」に設定した全ての装置からの複製ファイルが転送されてきたと判断した場合には、親機(A)から転送されてきた複製ファイルA'と、子機(B)自身で作成したファイルBと、をマージし、結合ファイルA'Bを作成する。その結果、親機(A)と、子機(B)との両装置は、全原稿分の画像データファイル(ファイルA、ファイルB)を取得することになる。
結合ファイルAB'を作成した装置は、自装置が、図9に示す設定画面上の「印刷」が「SET」に設定された装置であると判断した場合には、結合ファイルAB'の印刷処理を開始し、印刷が完了した後は、自装置が、図9に示す設定画面上の「蓄積」が「SET」に設定された装置であると判断した場合には、結合ファイルAB'を自装置内の画像メモリ内に蓄積することになる。また、「蓄積」が「RESET」に設定された装置であると判断した場合には、結合ファイルAB'を削除することになる。
例えば、図9に示す画面上の設定では、親機(A)は、結合ファイルAB'の印刷処理を実行し、印刷完了後は、親機(A)内の画像メモリに結合ファイルA'Bを蓄積することになる。また、子機(B)は、結合ファイルA'Bの印刷処理を実行し、印刷完了後は、結合ファイルA'Bを削除することになる。
なお、上記制御処理においてソートモードの場合には、親機(A)は、原稿の読取処理と同時に親機(A)で読み取って得た原稿データの印刷処理を開始し、子機(B)は、親機(A)から複製ファイルA'を受信した後で、その複製ファイルA'の印刷処理を開始することになる。
また、スタックモードの場合には、親機(A)は、原稿の読取処理と同時に親機(A)で読み取った最初の原稿から順番に印刷処理を開始し、子機(B)は原稿の読取処理が完了した後に、子機(B)で読み取った最後の原稿から順番に印刷処理を開始することになる。
<本実施形態における連結印刷処理>
次に、図11を参照しながら、本実施形態の画像形成装置における連結印刷処理について説明する。なお、図11は、連結印刷時の処理動作を示すフローチャートであり、図4に示すメインコントローラ(20)が制御することになる。
まず、図11に示す連結印刷処理を実行するには、親機(A)の操作部上に表示される図9に示す連結モード設定画面上で、「決定」キーを押下し、連結設定を決定し、連結印刷モードを実行することになる。これにより、親機(A)から子機(B)に対し、図9に示す設定画面上の情報が送信されることになる。これにより、各装置は、図11に示す連結印刷モードのコマンドを実行することになる。
まず、メインコントローラ(20)は、連結印刷モードのコマンドが設定されたか否かを判断する(ステップS1)。メインコントローラ(20)は、連結印刷モードのコマンドが設定されたと判断した場合は(ステップS1/Yes)、メインコントローラ(20)は、自装置に該当する読取マージ順が設定されているか否かを判断する(ステップS3)。例えば、図9に示す連結モード設定画面では、親機となる画像形成装置には、読取マージ順が1番目となる「SET1」が設定されており、子機となる画像形成装置には、読取マージ順が2番目となる「SET2」が設定されている。このため、メインコントローラ(20)は、連結印刷モードのコマンドが設定されたと判断した場合は(ステップS1/Yes)、自装置が、親機となる画像形成装置の場合には、読取マージ順が1番目となる1が、読み取り[i]=1として設定され、自装置が、子機となる画像形成装置の場合には、読取マージ順が2番目となる2が、読み取り[i]=2として設定されることになる。
なお、メインコントローラ(20)は、連結印刷モードのコマンドが設定されていないと判断した場合は(ステップS1/No)、メインコントローラ(20)は、自装置が親機なら通常の印刷処理を実行することになり、子機なら何も実行しないことになる(ステップS2)。
次に、メインコントローラ(20)は、自装置に該当する読取マージ順が設定されていると判断した場合は(ステップS3/Yes)、その自装置に設定されている読取マージ順を、読み取り[i]として設定し、読取マージ順[i]の原稿の読み取りを開始し、その読み取った読取マージ順[i]のファイル[i]を作成することになる(ステップS4)。
次に、メインコントローラ(20)は、原稿読み取りが完了した読取ファイル[i]が1か否かを判断し(ステップS5)、その読取ファイル[i]が1であると判断した場合は(ステップS5/Yes)、最初の読取ファイルの原稿読み取りが完了したと判断し、図9に示す連結モード設定画面上で自装置での印刷処理が設定されているか否かを判断する(ステップS6)。
メインコントローラ(20)は、自装置での印刷処理が設定されていると判断した場合は(ステップS6/Yes)、読取マージ順に連結印刷を開始し(ステップS7)、連結先の他の画像形成装置から受信する読取ファイルをマージ順に連続して印刷処理を実行することになる。次に、メインコントローラ(20)は、全ての読取ファイルをマージ順に印刷し、結合ファイルの印刷処理を完了した場合には(ステップS8)、図9に示す設定画面上で自装置での結合ファイルの蓄積が設定されているか否かを判断する(ステップS9)。
メインコントローラ(20)は、自装置での結合ファイルの蓄積が設定されていると判断した場合は(ステップS9/Yes)、メインコントローラ(20)は、結合ファイルを自装置の画像メモリ内に蓄積し、本実施形態における連結印刷処理を終了することになる。
また、メインコントローラ(20)は、自装置での結合ファイルの蓄積が設定されていないと判断した場合は(ステップS9/No)、メインコントローラ(20)は、結合ファイルを自装置の画像メモリ内から消去し、結合ファイルを削除し(ステップS10)、本実施形態における連結印刷処理を終了することになる。
次に、メインコントローラ(20)は、読取ファイル[i]が1でないと判断した場合は(ステップS5/Yes)、その読み取りが完了した読取ファイル(i)を連結先の他の画像形成装置に転送する(ステップS11)。次に、メインコントローラ(20)は、スタックモード、且つ、読取ファイル(i)が最後のマージ順のファイル(以下、最終ファイルとする)であるか否かを判断することになる(ステップS12)。
メインコントローラ(20)は、スタックモード、且つ、最終ファイルであると判断した場合は(ステップS12/Yes)、ステップS6に移行し、上述したステップS6〜ステップS10と同様の処理を行うことになる。
また、メインコントローラ(20)は、スタックモード、且つ、最終ファイルでないと判断した場合は(ステップS12/No)、メインコントローラ(20)は、連結先の他の画像形成装置から読取ファイルが転送され、全ての読取ファイルが揃ったと判断した時点で、その全ての読取ファイルをマージし、結合ファイルを作成することになる(ステップS13)。そして、ステップS6に移行し、上述したステップS6〜ステップS10までの処理を行うことになる。
また、ステップS3において、自装置に該当する読み取りマージ順が設定されていないと判断した場合は(ステップS3/No)、メインコントローラ(20)は、連結先の他の画像形成装置から読取ファイルが転送され、全ての読取ファイルが揃ったと判断した時点で、その全ての読取ファイルをマージし、結合ファイルを作成することになる(ステップS13)。そして、ステップS6に移行し、上述したステップS6〜ステップS10までの処理を行うことになる。
このように、本実施形態における画像形成装置は、親機の画像読取部と、連結先の子機の画像読取部と、を用いて大量の原稿束を読み取り、各装置で読取原稿の画像ファイルを作成する。そして、各装置で作成した画像ファイルを連結された画像形成装置間で転送し、各画像形成装置において作成した画像ファイルを全て収集し、結合ファイルを作成することになる。これにより、親機、子機の双方向で原稿の読み取り処理を行うことになるため、大量の原稿を読み取る際の時間を削減することが可能となる。
また、原稿の頁順が重要な原稿束を、親機、子機の双方向で分割して読み取る際には、親機、子機で作成した画像ファイルの結合する順番を指定することで、その指定された結合の順番で画像ファイルが結合されるため、1台の画像形成装置で読み取った時と同様な画像ファイルを作成することが可能となる。
また、結合ファイルを格納する画像形成装置を指定することで、指定された画像形成装置のみに結合ファイルが蓄積されることになるため、装置内の記憶領域の無駄を無くすことが可能となる。
なお、ソート印刷が設定され、自装置で作成した画像ファイルを先に印刷すると指定された場合には、自装置において原稿を読み取り、画像ファイルを作成すると共に、該作成した画像ファイルの印刷を行うことで、連結印刷効率を向上させることが可能となる。
また、スタック印刷が設定され、自装置で作成した画像ファイルを最初に印刷すると指定された場合には、自装置において原稿を読み取り、画像ファイルを作成すると共に、該作成した画像ファイルの印刷を、自装置で読み取った原稿の読み取り順に行うことになる。また、スタック印刷が設定され、自装置で作成した画像ファイルを最後に印刷すると指定された場合には、自装置において原稿を読み取り、画像ファイルを作成し、自装置での画像ファイルの作成が完了した際に、該作成した画像ファイルの印刷を、自装置で読み取った原稿の読み取り順とは逆の順で行うことになる。これにより、連結印刷効率を向上させることが可能となる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態における画像形成装置は、親機(A)と、子機(B)と、の画像読取部において読み取る原稿については何ら考慮していなかったが、第2の実施形態においては、画像読取部において読み取る原稿の原稿サイズが混在していても原稿の読み取り処理を行う原稿サイズ混在モードに設定されていない状態で、親機(A)と、子機(B)と、の両機器において読み取る原稿サイズや原稿の読取方向が異なる場合には、原稿の読み取り処理を停止させることを特徴とするものである。
このように、第2の実施形態における画像形成装置は、親機(A)で読み取りを行っている原稿と、子機(B)で読み取りを行っている原稿と、の原稿サイズや読取方向が異なる場合には、子機(B)での原稿の読み取り処理を停止した上で、その旨を外部に通知することで、使用者が原稿を間違えて機器にセットした場合でも、ミスコピーを未然に防止することが可能となる。以下、図12を参照しながら、第2の実施形態における画像形成装置について詳細に説明する。なお、図12に示す連結印刷時の処理動作は、図4に示すメインコントローラ(20)が制御することになる。
まず、メインコントローラ(20)は、連結印刷モードのコマンドが設定されているか否かを判定し(ステップS21)、連結印刷モードのコマンドが設定されていないと判定した場合は(ステップS21/No)、メインコントローラ(20)は、何も実行しないことになる。また、メインコントローラ(20)は、連結印刷モードのコマンドが設定されていると判定した場合は(ステップS21/Yes)、メインコントローラ(20)は、子機(B)において原稿の「読み取り」がセットされているか否かを判定し(ステップS23)、子機(B)において原稿の「読み取り」がセットされていないと判定した場合は(ステップS23/No)、メインコントローラ(20)は、子機(B)においては原稿の読み取りを行わずに印刷処理のみを行うことになるため、親機(A)から取得した画像ファイルを基に、連結印刷処理を開始することになる(ステップS31)。
また、メインコントローラ(20)は、子機(B)において原稿の「読み取り」がセットされていると判定した場合は(ステップS23/Yes)、メインコントローラ(20)は、原稿の読み取り処理を開始することになる(ステップS24)。次に、メインコントローラ(20)は、原稿サイズ混在モードに設定されているか否かを判定し(ステップS25)、原稿サイズ混在モードに設定されている場合には(ステップS25/Yes)、メインコントローラ(20)は、原稿の読み取り処理を継続し(ステップS30)、連結印刷処理を開始することになる(ステップS31)。
また、メインコントローラ(20)は、原稿サイズ混在モードに設定されていないと判定した場合は(ステップS25/No)、親機(A)において読み取られている原稿と、子機(B)において読み取られている原稿と、が同じ原稿サイズか否かを判定し(ステップS26)、同じ原稿サイズでないと判定した場合は(ステップS26/No)、メインコントローラ(20)は、原稿の読み取り処理を停止し、同じ原稿サイズでない旨のエラー表示を表示部上に表示することになる(ステップS27)。
また、メインコントローラ(20)は、同じ原稿サイズであると判定した場合は(ステップS26/Yes)、メインコントローラ(20)は、親機(A)において読み取られている原稿と、子機(B)において読み取られている原稿と、が同じ読取方向であるか否かを判定し(ステップS28)、同じ読取方向であると判定した場合は(ステップS28/Yes)、メインコントローラ(20)は、原稿の読み取り処理を継続し(ステップS30)、連結印刷処理を開始することになる(ステップS31)。
また、メインコントローラ(20)は、同じ読取方向ではないと判定した場合は(ステップS28/No)、メインコントローラ(20)は、親機(A)において読み取られている原稿と、子機(B)において読み取られている原稿と、が同じ読取方向となるように制御する回転モードが設定されているか否かを判定し(ステップS29)、回転モードが設定されており、回転許可になっている場合には(ステップS29/Yes)、メインコントローラ(20)は、原稿の読み取り処理を継続し(ステップS30)、連結印刷処理を開始することになる(ステップS31)。
また、メインコントローラ(20)は、回転モードが設定されておらず、回転許可になっていない場合には(ステップS29/No)、原稿の読み取り処理を停止し、表示部上にエラー表示を行うことになる(ステップS27)。
このように、第2の実施形態における画像形成装置における連結印刷制御は、異なる原稿サイズが混在していても原稿の読み取り処理を行う原稿サイズ混在モードが画像形成装置に設定されていない状態において、親機(A)において読み取りを行っている原稿と、子機(B)において読み取りを行っている原稿と、の原稿サイズや読取方向が異なる場合には、子機(B)での原稿の読み取りを停止した上で、親機(A)及び子機(B)の表示部上に、親機(A)と子機(B)との原稿が異なる旨を表示することで、使用者が原稿を間違えて機器にセットした場合でも、ミスコピーを未然に防止することが可能となる。
次に、図7、図8を参照しながら、第2の実施形態における連結印刷制御について説明する。なお、図7、図8に示すように、2台の画像形成装置は、有線ケーブルを介して接続されている。なお、読取原稿の読み取り条件や印刷条件を設定し、読取原稿の印刷作業を分担する側を親機(A)とし、読取原稿の印刷作業を分担される側を子機(B)とする。この親機(A)と、子機(B)と、の両機の画像読取部において、原稿サイズが混載していない複数ページのA4縦原稿の読み取りを行い、ソートモードで10部、連結印刷を開始することにする。
この場合、使用者は両機器(A、B)において原稿の読み取りを行い、該読み取りを行った原稿の連結印刷を行うように設定した後に、親機(A)の原稿読取部に約半分のA4縦原稿をセットし、連結印刷を開始する。その後、子機(B)に移動し、子機(B)に残りの原稿をセットする。この時、使用者のミスにより、読み取りを行いたい原稿(A4縦原稿)とは異なる原稿(A3縦原稿)を子機(B)にセットしたと仮定する。すると、子機(B)は、原稿を1枚読み取った時点で、親機(A)において読み取られているA4縦原稿とは原稿サイズが異なると判断し、尚かつ、原稿サイズ混在モードも設定されていない状態なので、子機(B)は、原稿の読み取りを停止し、親子(A)と、子機(B)と、の具備する表示部上に、親機(A)で読み取っている原稿と、子機(B)で読み取っている原稿と、が異なる旨を表示することになる。
親機(A)または子機(B)の具備する表示部上の表示により、親機(A)で読み取っている原稿と、子機(B)で読み取っている原稿と、が異なることに気がついた使用者は、子機(B)にセットした原稿を正しくセットすることになる。すると、子機(B)は、親機(A)で読み取っている原稿と、子機(B)で読み取っている原稿と、が同じであるか否かを判断し、同じであると判断した場合には、子機(B)での原稿の読み取りを再開することになる。これにより、子機(B)は、何事も無かったかのように、原稿の読み取りを開始し、第1の実施形態と同様に、親機(A)と、子機(B)と、のそれぞれにおいてファイルを作成し、該作成したファイルを互いに転送し、連結印刷を行うことになる。従って、使用者が誤って原稿をセットした場合でも、正しく原稿をセットし直すことで、原稿の読み取りを再開できるので、最初からやり直す手間を省くことが可能となる。なお、親機(A)で読み取っている原稿と、子機(B)で読み取っている原稿と、が異なると子機(B)が判断したミス原稿1枚分の画像データは破棄され印刷されないことになる。
なお、使用者が子機(B)に原稿を正しくセットする際に、原稿の読取方向を間違え、A4横原稿として子機(B)にセットした場合には、子機(B)は、親機(A)において読み取られている原稿と、子機(B)において読み取られている原稿と、が同じ読取方向でないと判断することになり、子機(B)において回転モードが設定されている場合には、子機(B)において読み取ったA4横原稿を自動的に90度回転し、A4縦原稿のファイルを作成し、自動的にマージを行って結合ファイルを作成し、連結印刷を行うことになる。これにより、セットした原稿のサイズは合っているが原稿の読取方向が異なる場合には、読取原稿を90度回転させて、原稿の読取方向を同一にし、画像ファイルを作成することで、使用者が原稿の読み取り方向を間違えた場合でも自動的に読取方向を修正し、連結印刷を行うことが可能となる。
また、子機(B)において回転モードが設定されていない場合には、両機器(A、B)において読み取る原稿サイズが異なる場合の処理と同様に、原稿の読み取りを停止し、親機(A)と、子機(B)と、の表示部上に、親機(A)で読み取っている原稿と、子機(B)で読み取っている原稿と、が異なる旨を表示することになる。このように、回転モードを実行するか否かを設定することで、セットした原稿のサイズは合っているが原稿の読取方向が異なる場合には、読取原稿を90度回転させて画像ファイルを作成するか、使用者に手動で原稿の読取方向をセットし直させるかを設定することが可能となる。
なお、上述する実施形態は本発明の好適な実施形態の一例であり、本発明の実施形態は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態で実施することは可能である。
例えば、上述した実施形態の画像形成装置は、図7、図8に示すように、有線ケーブルを介して接続することとしたが、これに限定されるものではなく、少なくとも2つの画像形成装置が連結された連結画像形成装置において、電気通信回線を通じて、連結印刷モードのコマンドや複製ファイルの送受信が可能となれば、あらゆる通信形態を適用することは可能である。
また、上述した実施形態の画像形成装置における制御動作は、画像形成装置に組み込まれたコンピュータプログラムにより実行することも可能であり、例えば、このプログラムを、光記録媒体、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、または、半導体等の記録媒体に記録し、該記録した記録媒体から画像形成装置に読み込むことで、本実施形態の画像形成装置における制御動作を実施することは可能である。また、電気通信回線を介して接続されている外部の接続装置から画像形成装置にダウンロードすることでも本実施形態の画像形成装置における制御動作を実施することは可能である。