JP4171348B2 - 画像形成システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の画像形成装置が接続され、1つのジョブを複数のジョブに分割し複数の画像形成装置で分担して画像形成する連結ジョブ機能を有する画像形成システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
複数台のデジタル複写機を機能的に連結して印刷出力する技術が、例えば、特許文献1他で知られている。親機側で連結モードを選択し、読み取った画像を連結されている子機とで分担し、印刷動作を並行して行わせることによってパフォーマンスの向上を得ている。例えば、1枚の原稿を100枚コピーする際、連結状態にある画像形成装置が2台ある場合は1台あたり50枚ずつ印刷動作を行うことにより印刷時間を短縮することができる。
【特許文献1】
特開平11−202698号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一方従来より1台の画像形成装置から一度に複数の画像形成装置に画像形成要求する仕組みは考えられていたが、1台の親機が同時に処理できる画像データやコマンドの転送処理は有限であり、十分なパフォーマンスが期待できない場合がある。またこの転送処理の影響で印刷処理のパフォーマンスが十分発揮できなくなるといった問題がある。
本発明はこの問題を解消するものであり、子機側が受け付けたジョブをさらに分割して別の画像形成装置に処理させることによって、親機となる装置の印刷パフォーマンスを維持しつつ、多数の子機による並行印刷を実現し、さらに印刷時間を短縮することを目的とするものである。
具体的に請求項1では、親機となる画像形成装置の印刷パフォーマンスを落とすことなく、複数の画像形成装置に順次画像転送・印刷処理を並行動作させ、複数台連結時の全体処理パフォーマンスを向上させることを目的としている。
請求項2では、複数の画像形成装置にジョブを分割・分配していく際、同一の連結ジョブを処理している装置への処理要求を停止し、無駄な分配処理を行わないことを目的とする。
請求項3では、複数の画像形成装置にジョブを再分配していく際、他の連結ジョブを処理している装置への処理要求を停止し、連結ネットワーク内で重複した連結ジョブの分配処理を行わないことを目的とする。
請求項4では、1台からジョブを分割・分配する台数に一定の上限を設けることにより、ネットワークのパフォーマンスを越えて分配処理が行われることを抑止し、連結ネットワーク内での適切な連結画像形成を可能にすることを目的とする。
請求項5では、分割していく階層に一定の上限を設けることにより、ネットワークのパフォーマンスを越えて分配処理が行われることを抑止し、連結ネットワーク内での適切な連結画像形成を可能にすることを目的とする。
請求項6では、連結ネットワーク内で連結可能な画像形成装置数が不足する場合にも、正常に連結画像形成を可能にすることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、親機となる画像形成装置から、該親機とネットワークを介して接続された複数の画像形成装置のうち1以上の第1の子機となる画像形成装置に画像データを転送し、前記親機と前記第1の子機とで前記画像データの印刷を分担して行うことが可能な画像形成システムにおいて、前記親機は、原稿を画像データとして読み取る読取手段と、前記読取手段で読み取った画像データを画像形成するジョブを、親機である自機で画像形成するジョブと前記第1の子機で画像形成するジョブとに分割する第1のジョブ分割手段と、前記第1のジョブ分割手段で分割されたジョブに、当該画像形成システム内でユニークな連結ジョブIDを採番する採番手段と、前記第1のジョブ分割手段で分割されたジョブのうち、前記第1の子機で画像形成するジョブを前記第1の子機に送信する第1の送信手段と、前記読取手段で読み取った画像データを前記第1の子機に転送する第1の転送手段と、前記第1のジョブ分割手段で分割されたジョブのうち、前記自機で画像形成するジョブを実行して前記読み取った画像データの印刷を行う第1の印刷手段とを備え、前記第1の子機は、前記複数の画像形成装置のうち、前記採番手段で採番された連結ジョブIDと同じ連結ジョブIDの連結ジョブを実行中でない1以上の画像形成装置を第2の子機とすることを決定する決定手段と、前記親機の前記第 1 の送信手段から送信されたジョブを、第1の子機である自機で画像形成するジョブと前記第2の子機で画像形成するジョブとに分割する第2のジョブ分割手段と、前記第2のジョブ分割手段で分割されたジョブのうち、前記第2の子機で画像形成するジョブを前記第2の子機に送信する第2の送信手段と、前記親機の前記第1の転送手段から転送された画像データを前記第2の子機に転送する第2の転送手段と、前記第2のジョブ分割手段で分割されたジョブのうち、前記自機で画像形成するジョブを実行して前記読み取った画像データの印刷を行う第2の印刷手段とを備えることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成システムにおいて、前記決定手段は、前記採番手段で採番された連結ジョブIDと異なる連結ジョブIDの連結ジョブを実行中でない1以上の画像形成装置を第2の子機とすることを決定することを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施形態を図を用いて説明する。
図1は本発明の画像形成システムに適用される画像形成装置の全体構成図である。その構成を動作と併せて説明する。自動原稿送り装置(以後ADF)1にある、原稿台2に原稿の画像面を上にして置かれた原稿束は、後述する図2に示す操作部30上のスタートキー34が押下されると、一番上の原稿から給送ローラ3、給送ベルト4によってコンタクトガラス6上の所定の位置に給送される。
読み取りユニット50によってコンタクトガラス6上の原稿の画像データを読み取り後、読み取りが終了した原稿は、給送ベルト4及び排送ローラ5によって排出される。さらに、原稿セット検知部7にて原稿台2に次の原稿が有ることを検知した場合、その原稿は前原稿と同様にコンタクトガラス6上に給送される。給送ローラ3、給送ベルト4、排送ローラ5はモータによって駆動される。
第1トレイ8、第2トレイ9、第3トレイ10に積載された転写紙は、各々第1給紙装置11、第2給紙装置12、第3給紙装置13によって給紙され、縦搬送ユニット14によって感光体15に当接する位置まで搬送される。読み取りユニット50にて読み込まれた画像データは、書き込みユニット57からのレーザーによって感光体15に書き込まれ、静電潜像が形成される。
この静電潜像が現像ユニット27を通過することによってトナー像が形成される。そして、転写紙は感光体15の回転と等速で搬送ベルト16によって搬送され、感光体15上のトナー像が転写される。その後、定着ユニット17にて画像を転写紙に定着させ、転写紙は排紙ユニット18によって後処理装置のフィニシャ100に排出される。
後処理装置のフィニシャ100は、通常排紙ローラ102方向と、ステープル処理部方向へに導くことができる。切り替え板101を上に切り替えることにより、搬送ローラ103を経由して通常排紙トレイ104側に転写紙を排紙することができる。また、切り替え板101を下方向に切り替えることで、搬送ローラ105、107を経由して、ステープル台108に転写紙を搬送することができる。
ステープル台108に積載された転写紙は、一枚排紙されるごとに紙揃え用のジョガー109によって、紙端面が揃えられ、一部のコピー完了と共にステープラ106によって綴じられる。ステープラ106で綴じられた転写紙群は自重によって、ステープル完了排紙トレイ110に収納される。
通常排紙トレイ104は前後に移動可能な排紙トレイであり、原稿毎あるいは、画像メモリによってソーティングされたコピー部毎に前後に移動し、簡易的に排出されてくるコピー紙を仕分けるものである。
【0006】
転写紙の両面に画像を作像する場合は、各給紙トレイ8〜10から給紙され作像された転写紙を排紙トレイ104側に導かないで、経路切り替えのための分岐爪112を上側にセットすることで、一旦両面給紙ユニット111にストックする。
その後、両面給紙ユニット111にストックされた転写紙は、再び感光体15に作像されたトナー画像を転写するために、両面給紙ユニット111から再給紙され、経路切り替えのための分岐爪112を下側にセットし、排紙トレイ104に導く。この様に転写紙の両面に画像を作成する場合に両面給紙ユニット111は使用される。
感光体15、搬送ベルト16、定着ユニット17、排紙ユニット18、現像ユニット27は後述する図4に示すメインモータ25によって駆動され、各給紙装置11〜13は、各々給紙クラッチ22〜24を介してメインモータ25の駆動力が伝達される。縦搬送ユニット14は中間クラッチ21を介してメインモータ25の駆動力が伝達される。
図2は操作部のレイアウト図である。操作部30には、液晶タッチパネル31、テンキー32、クリア/ストップキー33、プリントキー34、予熱キー35、リセットキー36、初期設定キー37、コピーキー38、プリンタキー39があり、液晶タッチパネル31には、後述するモード設定のためのキーや画像形成装置の状態を示すメッセージなどが表示される。
【0007】
図3は操作部の液晶タッチパネルの表示例を示す図である。オペレータが液晶タッチパネル31に表示されたキーにタッチすることで、選択された機能を示すキーが黒く反転する。また、機能の詳細を指定しなければならない場合(例えば変倍であれは変倍値等)は、キーにタッチすることで、詳細機能の設定画面が表示される。このように、液晶タッチパネル31は、ドット表示器を使用しているため、その時の最適な表示をグラフィカルに行うことが可能である。
図3において左上は、「コピーできます」、「お待ちください」等のメッセージを表示するメッセージエリア、その右は、セットした枚数を表示するコピー枚数表示部、転写紙を自動的に選択する自動用紙選択キー、コピーを一部ずつページ順にそろえる処理を指定するソートキー、コピーをページ毎に仕分けする処理を指定するスタックキー、ソート処理されたものを一部ずつ綴じる処理を指定するステープルキー、倍率を等倍にセットする等倍キー、拡大/縮小倍率をセットする変倍キー、両面モードを設定する両面キー、とじ代モード等を設定する編集キー、表紙/合紙モードを設定する表紙/合紙キー、デジタル複写機のネットワークを介して多量のプリント動作を複数に分けてプリントアウトする連結モードキーである。また、給紙トレイ数に対応した給紙トレイ状態を示し、手動で給紙段を設定するためのキーが給紙段分表示されている。
【0008】
再び図1に戻り、画像の読み取りから画像を記録面上に潜像形成するまでの動作を説明する。潜像とは感光体面上に画像を光情報に変換して照射することにより生じる電位分布である。
読み取りユニット50は、原稿を載置するコンタクトガラス6と光学走査系で構成されており、光学走査系は、露光ランプ51、第1ミラー52、レンズ53、CCDイメージセンサ54等で構成されている。露光ランプ51及び第1ミラー52は図示しない第1キャリッジ上に固定され、第2ミラー55及び第3ミラー56は図示しない第2キャリッジ上に固定されている。
【0009】
原稿像を読み取るときには、光路長が変わらないように、第1キャリッジ、第2キャリッジが2対1の相対速度で機械的に走査される。この光学走査系は、図示しないスキャナ駆動モータにて駆動される。原稿画像は、CCDイメージセンサ54によって読み取られ、電気信号に変換されて処理される。レンズ53及びCCDイメージセンサ54を図1において左右方向に移動させることにより、画像倍率が変わる。すなわち、指定された倍率に対応してレンズ53及びCCDイメージセンサ54の左右方向位置が設定される。
書き込みユニット57はレーザ出力ユニット58、結像レンズ59、ミラー60で構成され、レーザ出力ユニット58の内部には、レーザ光源であるレーザダイオード及びモータによって高速で定速回転する回転多面鏡(ポリゴンミラー)が備わっている。
レーザ出力ユニット58より照射されるレーザ光は、定速回転するポリゴンミラーで偏光され、結像レンズ59を通り、ミラー60で折り返され、感光体面上に集光結像する。
偏光されたレーザ光は感光体15が回転する方向と直行する方向(主走査方向)に露光走査され、後述する図5に示す画像処理部のセレクタ64より出力された画像信号のライン単位の記録を行う。感光体15の回転速度と記録密度に対応した所定の周期で主走査を繰り返すことによって、感光体面上に画像(静電潜像)が形成される。
上述のように、書き込みユニット57から出力されるレーザ光が、画像作像系の感光体15に照射される。図示しないが感光体15の一端近傍のレーザビームを照射される位置に、主走査同期信号を発生するビームセンサが配置されている。この主走査同期信号を基に主走査方向の画像記録開始タイミングの制御、及び後述する画像信号の入出力を行うための制御信号の生成を行う。
【0010】
図4は画像形成装置の全体制御系のブロック図である。メインコントローラ20に対して、ADF1、操作部30、IPU(画像処理部)49が接続されている。同様にメインコントローラ20には、中間クラッチ21、第1〜第3給紙クラッチ22〜24、メインモータ25が接続されている。ADF1には搬送モータ26が接続されている。
図5は画像処理部(画像読みとり部と画像書き込み部 )のブロック図である。露光ランプ51から照射された光は原稿面を照射する。原稿面からの反射光を、CCDイメージセンサ54にて結像レンズ(図示せず)を介して結像、受光して光電変換し、A/Dコンバータ61にてデジタル信号に変換する。デジタル信号に変換された画像信号は、シェーディング補正部62でシェーディング補正がなされた後、画像処理部63にてMTF補正、γ補正等がなされる。
セレクタ64では、画像信号の送り先を、書き込みγ補正部71またはメモリコントローラ65のいずれかに切り替える。書き込みγ補正部71を経由した画像信号は書き込みユニット57に送られる。メモリコントローラ65とセレクタ64間は、双方向に画像信号を入出力可能な構成となっている。
図5には特に明示していないが、画像処理部(IPU)49は、読み取り部50から入力される画像データ以外にも外部から供給される画像データ(例えばパーソナルコンピュータ等のデータ処理装置から出力されるデータ)も処理できるよう、複数のデータの入出力の選択を行う機能を有している。
メモリコントローラ65等への設定や、読み取り部50、書き込み部57の制御を行うCPU68、及びそのプログラムやデータを格納するROM69、RAM70を備えている。さらにCPU68は、メモリコントローラ65を介して、画像メモリ66のデータの書き込み、読み出しが行える。また画像メモリ66の内容を退避させたり、保存するためのHDD71を備えている。
【0011】
図6は画像処理部のタイミング図である。図6を用いて、セレクタ64における1ページ分の画像信号について説明する。/FGATEは、1ページの画像データの副走査方向の有効期間を表している。/LSYNCは、1ライン毎の主走査同期信号であり、この信号が立ち上がった後の所定クロックで、画像信号が有効となる。主走査方向の画像信号が有効であることを示す信号が、/LGATEである。
これらの信号は、画素クロックVCLKに同期しており、VCLKの1周期に対し1画素のデータが送られてくる。画像処理部(IPU)49は、画像入力、出力それぞれに対して別個の/FGATE、/LSYNC、/LGATE、VCLKの発生機構を有しており、様々な画像入出力の組み合わせが実現可能になる。
また、作業分担するために他のデジタル複写機と画像データやコマンドの送受信を行う必要があるが、この実施形態では画像データと制御コマンドの送受信用にIEEE1394I/Fを使用している。図5のメモりコントローラ65が連結インターフェースドライバ48を介してそれを実現している。この連結インターフェースドライバ48の規格では、最大63台迄の画像形成装置を連結対象とするネットワークを構成することができる。
【0012】
次に本画像形成装置内のソフトウェア制御モジュール構成と、画像転送、印刷制御について説明する。図7はソフトウェアのモジュール構成を示す図である。アプリケーション層で設定されたジョブ情報は、プリントキー34などをトリガーにコントロールサービス層に受け渡される。
コントロールサービス層は、アプリからのジョブ情報を解釈し、ハンドラ層を動作させるためのプロセス情報をハンドラマネージャに要求する。ハンドラマネージャは、プロセス情報に従って個々のハンドラを動作させる。
ハンドラには、読み取りユニット50を制御するスキャナハンドラ、画像メモリ66への画像データの入出力を制御する画像メモリハンドラ、書き込みユニット57と用紙搬送、後処理周辺機を制御するプロッタハンドラが有り、これらのソフトウェアモジュールが連携して、読み取りから画像メモリ66への蓄積と画像形成の処理が行われる。
さらに本画像形成装置の制御ソフトウェア内には、他の画像形成装置と画像データや制御コマンドを授受(連結)するための連結I/Fドライバモジュールを備えている。
単体コピージョブでは、画像の読み取りと蓄積、蓄積画像の印刷という手順で行われるが、連結コピージョブでは、前記手順に加え以下の制御が加わる。親機A側で発生した連結コピージョブは、親機Aのコントロールサービス内でジョブ情報が解釈された後、読み取りユニット50で読み取った画像を画像メモリ66に蓄積するプロセスと、その画像を子機Bの画像メモリ66に転送するプロセスに分けてそれぞれ実行される。
必要な画像の転送が完了すると、子機Bのコントロールサービスは、親機Aのコントロールサービスから受け取った情報に従って、予め転送されている画像データを参照する印刷プロセスを生成し、子機Bのハンドラマネージャに印刷を要求する。
そして子機Bのコントロールサービスは、親機Aに対して自機で処理した印刷ジョブを親機に逐次通知する。この情報に従って親機Aのコントロールサービスは、自機の印刷ジョブと子機B側の印刷ジョブの経過を監視し、必要分の印刷を行う。
【0013】
図8は複数の画像形成装置を連結I/Fにて物理的に接続した画像形成システムの概略図である。図9は連結ネットワークの形態を示す図である。論理的には、図9において○で示される1台の画像形成装置に対して1台〜複数台の画像形成装置が (1)、(2)、(3)のような連結ネットワークとして接続される。
○の内部の数字は、親子関係を示すための連結ジョブIDであり、先頭のジョブID(xやyやz)をユニークなIDに採番することにより、1つ1つの画像形成装置が処理する連結ジョブを連結ネットワーク内で重複しないようにすることができる。このジョブIDの採番に関する詳細な制御フローは連結コピー処理の説明中にて行う。
【0014】
本発明の特徴である連結コピー分配処理について図10から図12を用いて説明する。連結コピー処理は図10に示す通り、連結親ジョブIDの採番(S10−1)、後述する分割カウンタと階層カウンタのクリア(S10−2)、連結ジョブの分割印刷処理(S10−3)の順にて行われる。
まず連結親ジョブIDの採番フローを図11にて示す。連結コピーモードにてプリントキー34が押下されると、その画像形成装置(親機)にて任意のジョブIDが仮採番される(S11−1)。このジョブIDが連結ネットワーク内の他の連結ジョブと重複していないか全ての画像形成装置に問い合わせし、全ての画像形成装置から重複していない応答(OK応答)を受け取ると(S11−2)、そのジョブIDを連結親ジョブIDとして確定する(S11−3)。
連結親ジョブIDの採番が完了すると、分割カウンタと階層カウンタのクリアが行われる(S10−2)。分配カウンタは、1台の画像形成装置から印刷処理をいくつ分配するか制御するためのカウンタであり、予め不揮発メモリに設定保持されている分配数設定と比較して制御が行われる。
階層カウンタは、連結ジョブを何世代にわたって分割を繰り返すか制御するためのカウンタであり、予め不揮発メモリに設定保持されている階層数設定と比較して制御が行われる。
【0015】
いずれのカウンタも、上限に達するか全てのネットワーク内の画像形成装置を使用し尽くす迄、分配処理がくり返し行われる。この詳細な制御を図12にて説明する。
連結処理の分配は、連結ネットワーク全体の任意の1台に対して連結可否問い合わせ(連結ジョブを実行していないかどうか?)を行う(S12M−1)。この問い合わせを受け取った画像形成装置は、連結ジョブを処理中でなければ、要求元の画像形成装置に対してOK通知を、連結ジョブ処理中であれば、NG通知を応答する(S12S−1〜3)。
ここでOK通知を行った時点で、親機と子機の関係が確定する(S12M−2、3)。そして親機では、分割カウンタをインクリメントし(S12M−4)、設定値未満の場合はさらに別の画像形成装置への問い合わせを継続する(S12M−5−y)。但し既に連結ネットワーク内全ての画像形成装置への問い合わせをしてしまった場合は、分割・印刷処理を終了する。(S12M−3−E)。
そして親機は、子機となった画像形成装置(分配数分)に対して、画像転送と印刷要求及び自機における印刷を実行する(S12M−6)。子機は、ジョブの要求受付と階層カウンタの値を受け取り、これをインクリメントする(S12S−5)。子機の階層カウンタが設定値未満であれば、自機が親機となる形でさらに連結ジョブ分割・印刷処理を再帰的に実行する(S12S−7、8)。
もし階層カウンタが設定以上であれば、自機分の印刷のみを行う(S12S−9)。いずれかの処理(S12S−8もしくは S12S−9)が完了すると、親機に対して終了通知を発行する(S12S−10)。分配した子機全てから印刷終了通知を受け取った親機は、連結ジョブの分割・印刷処理を終了する(S12M−8)。再帰的に実行された連結ジョブの分割・印刷処理が全て完了すると、連結コピー処理が完了する。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1によれば、親機となる画像形成装置の印刷パフォーマンスを落とすことなく、複数の画像形成装置に順次画像転送・印刷処理を並行動作させ、複数台連結時の全体処理パフォーマンスを向上させることが可能となる上、複数の画像形成装置にジョブを分割・分配していく際、同一の連結ジョブを処理している画像形成装置への処理要求を停止し、無駄な分配処理を行わないようにできる。
請求項2では、複数の画像形成装置にジョブを再分配していく際、他の連結ジョブを処理している装置への処理要求を停止し、連結ネットワーク内で重複した連結ジョブの分配処理を行わないようにできる。
このとき、さらに1台から分割・分配する連結台数に一定の上限を設けるようにしてもよく、これにより、ネットワークのパフォーマンスを越えて連結処理が行われることを抑止し、連結ネットワーク内での適切な連結画像形成を可能にすることができ、同じくさらに、分割していく階層に一定の上限を設けるようにしてもよく、これにより、ネットワークのパフォーマンスを越えて連結処理が行われることを抑止し、連結ネットワーク内での適切な連結画像形成を可能にすることもでき、さらに、連結ネットワーク内で連結可能な画像形成装置が不足する場合にも、正常な連結画像形成を可能にすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成システムに適用される画像形成装置の全体構成図である。
【図2】操作部のレイアウト図である。
【図3】操作部の液晶タッチパネルの表示例を示す図である。
【図4】画像形成装置の全体制御系のブロック図である。
【図5】画像処理部のブロック図である。
【図6】画像処理部のタイミング図である。
【図7】画像形成装置のソフトウェアのモジュール構成を示す図である。
【図8】複数の画像形成装置を連結I/Fにて物理的に接続した画像形成システムの概略図である。
【図9】連結ネットワークの形態を示す図である。
【図10】連結コピー処理のフロー図である。
【図11】連結コピー親ジョブID採番処理のフロー図である。
【図12】親機と子機の間の連結ジョブ分割処理のフロー図である。
【符号の説明】
A 親機
B 子機
Claims (2)
- 親機となる画像形成装置から、該親機とネットワークを介して接続された複数の画像形成装置のうち1以上の第1の子機となる画像形成装置に画像データを転送し、前記親機と前記第1の子機とで前記画像データの印刷を分担して行うことが可能な画像形成システムにおいて、
前記親機は、
原稿を画像データとして読み取る読取手段と、
前記読取手段で読み取った画像データを画像形成するジョブを、親機である自機で画像形成するジョブと前記第1の子機で画像形成するジョブとに分割する第1のジョブ分割手段と、
前記第1のジョブ分割手段で分割されたジョブに、当該画像形成システム内でユニークな連結ジョブIDを採番する採番手段と、
前記第1のジョブ分割手段で分割されたジョブのうち、前記第1の子機で画像形成するジョブを前記第1の子機に送信する第1の送信手段と、
前記読取手段で読み取った画像データを前記第1の子機に転送する第1の転送手段と、
前記第1のジョブ分割手段で分割されたジョブのうち、前記自機で画像形成するジョブを実行して前記読み取った画像データの印刷を行う第1の印刷手段と
を備え、
前記第1の子機は、
前記複数の画像形成装置のうち、前記採番手段で採番された連結ジョブIDと同じ連結ジョブIDの連結ジョブを実行中でない1以上の画像形成装置を第2の子機とすることを決定する決定手段と、
前記親機の前記第 1 の送信手段から送信されたジョブを、第1の子機である自機で画像形成するジョブと前記第2の子機で画像形成するジョブとに分割する第2のジョブ分割手段と、
前記第2のジョブ分割手段で分割されたジョブのうち、前記第2の子機で画像形成するジョブを前記第2の子機に送信する第2の送信手段と、
前記親機の前記第1の転送手段から転送された画像データを前記第2の子機に転送する第2の転送手段と、
前記第2のジョブ分割手段で分割されたジョブのうち、前記自機で画像形成するジョブを実行して前記読み取った画像データの印刷を行う第2の印刷手段と
を備えることを特徴とする画像形成システム。 - 請求項1記載の画像形成システムにおいて、
前記決定手段は、前記採番手段で採番された連結ジョブIDと異なる連結ジョブIDの連結ジョブを実行中でない1以上の画像形成装置を第2の子機とすることを決定すること
を特徴とする画像形成システム。
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