JP4495842B2 - ガラス成形品の製造方法及び製造装置、並びにガラス製品の製造方法 - Google Patents

ガラス成形品の製造方法及び製造装置、並びにガラス製品の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学レンズブランク等の成形に好適なガラス成形品の製造方法及び装置に関し、特に、溶融したガラス塊を型上に供給しプレスする、いわゆるダイレクトプレス方式の製造方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光学レンズその他のガラス最終製品の研削・研磨前の状態である、ガラス半製品(以下、レンズブランクスという)などのガラス成形品を成形する方法として、生産性に優れたダイレクトプレス方式が広く採用されている。ダイレクトプレス方式では、炉内でガラス原料を溶融し、その適量をシャーその他の切断装置によって切断して、下型上に供給する。下型上に供給された溶融ガラスは、その表面張力によって略おはじき形状のガラスゴブと呼ばれるガラス塊となる。下型上のガラスゴブはターンテーブルその他の搬送装置によって、上型の設置位置に移送され、ここで上型及び下型によってプレスされ、その空間形状に沿ったレンズブランクスが成形される。成形されたレンズブランクスは、後にその表面を研削・研磨され、眼鏡レンズ、カメラレンズ、光学ピックアップレンズ等の最終的なガラス製品となる。
【0003】
一方で、近年、前記研削の工程で発生する研削屑による環境への悪影響が指摘されている。そのため、前記レンズブランクスの製造の段階で、研削屑を少量にできる削り代の少ないレンズブランクスないしはガラス成形品の成形が強く望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のダイレクトプレス方式を用いたレンズブランクスの成形においては、ガラスの削り代を必要以上に少なくすることができないという問題がある。すなわち、ダイレクトプレス方式では、溶融ガラスをプレスした後に、ガラスの収縮によって、その表面にいわゆるヒケが分布する。溶融ガラスのプレスにおいては、溶融ガラスを下型に供給した後プレスされるまでの間、その外周部は外気によって冷却されていくので、内部に比して温度降下が著しい。外周部の温度が一定以下になるとガラスの流動性が低下してプレス成形に適さない粘度になるため、溶融ガラス内部の温度が十分に降下していなくても、すなわちガラス粘度が103ポアズ程度と低い状態で、プレスを行う必要が生じる。その結果、プレス後におけるガラス内部の熱収縮が大きくなると共に、外周部との温度差によって、表面にヒケが発生する。ヒケの発生は、型の成形面に対する再現性を悪くし、削り代を多く取る必要を生じさせる。特に、プレス後のガラス表面に発生したヒケが全体に均一に分布せずに、一部に集中する場合は、より多くの削り代を考慮しなければならない。
【0005】
前記ヒケの発生を抑えるものとして、従来、いくつかの提案がなされている(特開平第10−101347号公報、特開平第6−32624号公報、特開平第6−72725号公報、特開平第6−157051号公報、特開昭第63−162539号公報)。しかしながら、これらは、何れも前記ヒケの原因となる溶融ガラス内部と外周部との温度差を効果的に低減する技術を開示しない。
【0006】
また一方、ダイレクトプレスでは、溶融ガラスの下部は、予めガラス転移点Tg付近に保持された下型に供給されてからは下型温度に向かって冷却され続けるので、そこがプレス成形可能な粘度を超えてしまう前にプレス成形工程を行う必要があるという制約を持つ。
【0007】
従って、この制約の中で、ダイレクトプレス方式におけるガラス素子の成形における、溶融ガラス塊の持つ熱量を効果的に低減し、更に内部と外周部との温度差を小さくすることによってプレス後のガラス表面に発生するヒケを効果的に抑え、削り代の少ないガラス成形品を製造する方法及び装置を提供することが本発明の目的である。
【0008】
また、本発明の別の目的は、特にガラス表面の一部に集中するヒケの発生を抑えることができるガラス成形品の製造方法及びプレス成形装置、並びに研削、研磨量を低減したガラス製品の製造方法を提供することにある。
【0009】
更に、本発明の別の目的は、ダイレクトプレス方式による生産性を低下させることなく、前記ヒケの発生を低減することができるガラス成形品の製造方法及びプレス成形装置、並びに研削、研磨量を低減したガラス製品の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明は、上型及び下型を備えた型を使用してガラス塊をプレスし、ガラス成形品を得るガラス成形品の製造方法において、溶融したガラス塊を前記下型の成形面上に供給する工程と、前記下型の成形面上に供給されたガラス塊の上表面を冷却する工程と、前記ガラス塊の上表面を冷却する工程の後、前記ガラス塊からの放熱を抑制し、これによってガラス塊の内部と上部の温度を近づける工程と、前記ガラス塊からの放熱を抑制する工程の後、ガラス塊の粘度が103.5〜106.5ポアズの範囲にあるときに、前記上型及び下型の成形面によってガラス塊をプレスする工程とを備え、前記ガラス塊からの放熱を抑制する工程は、前記ガラス塊の内部より低温の遮熱部材と、前記ガラス塊の上部とを非接触で接近させる工程を含んで構成される。下型に供給された溶融ガラス塊の持つ熱量を、上表面に冷却部材を接触させる等の手段により冷却することで短時間の間に奪い、最適なプレス成形時の総熱量に近づけるとともに、その後のプレス成形までの時間で、ガラス塊からの放熱を抑制することでガラス塊の持つ総熱量を大きく低減させないまま、前記の上表面の冷却により更に大きくなったガラス塊の内部と上表面における温度を近づけ、ガラス塊全体をなるべく均一な比較的高い粘度にしてプレスすることで、ガラスをプレスした後のガラスの熱収縮量を小さくすることができると共に、ガラスの内部と外周部の熱収縮量の差を小さくすることができる。これによってガラス表面のヒケの発生が低減される。
【0011】
また、本発明は、ガラス塊をプレスして成形されたガラス成形品から最終的なガラス製品を製造するガラス製品の製造方法において、前記ガラス成形品の製造方法を用いて、前記ガラス成形品を成形する工程と、前記ガラス成形品の表面を研削及び研磨して前記最終的なガラス製品を成形する工程とを備えたことを特徴とするものである。
【0012】
本発明において、ガラス塊の上表面を冷却する工程においては、その冷却手段としてガラスに対し直接的に作用させるもの、例えば冷却部材を溶融ガラスに接触させるものであっても、間接的に作用させるもの、例えば冷却空気を吹き付けるものであっても良いが、ガラスプレス工程までの限られた時間(ガラス下部が予めガラス転移点Tg付近に保持された下型によりプレス成形できなくなる粘度まで冷却されるまでの時間)の中で、後の放熱抑制によるガラス塊の均熱化のための時間をより十分に取るためには、冷却効果の高い直接的に作用させる方法が望ましく、かつ短時間で冷却工程を終えるのが望ましい。冷却部材は接触させた時、溶融ガラスに品質欠陥が発生しない範囲でできるだけ低温に保持され、ガラスを汚染する心配が少なく、かつ熱容量が大きく、熱伝導率が高いことが望ましく、また溶融ガラスと接触するので、ある程度の耐熱性も必要である。具体的には金属材料の無垢材が望ましく、熱伝導率が高く、融点も1000℃以上の銅などが適しているが、熱伝導率はあまり高くないが安価で加工しやすい鉄でも機能的には全く問題ない。構造例としてはガラスの円周方向に温度差ができにくいよう円形の断面形状を持ち、中心部に垂直方向に穴を開け、一定の低温度を維持するため連続的に冷却(空冷又は水冷)を行うものが好ましい。
【0013】
この場合において、ガラス塊の上表面を冷却する工程は、前記ガラスの上表面に、熱を吸収する熱吸収部材を所定時間接触させる、より好ましくは熱吸収部材を所定の深さまで押し付ける工程、あるいは熱吸収部材を所定の接触面積で所定の深さまで押し付ける工程を含むことができる。熱吸収部材は、冷却条件の再現性を保つためガラスに対する接触の前に、前記ガラス温度より低い一定温度に維持することが好ましい。
【0014】
また、前記ガラス塊からの放熱を抑制する工程は、前記ガラス塊の内部より低温の遮熱部材と、前記ガラス塊の上部とを非接触で所定時間(好適には、3秒〜50秒)接近させる工程を備える好適な実施形態において、この工程は、少なくとも前記ガラス塊の上表面に面する表面の放射率が0.4以下である遮熱部材と、前記ガラス塊の上部とを非接触で接近させるものである。本工程の実施により、ガラスの内部と上表面の温度差は、100℃以下、好ましくは50℃以下、より好ましくは30℃以下にするのがよい。
【0015】
本発明の更に好ましい態様としては、前記複数の下型をターンテーブル上に設置し、前記ターンテーブルの回転によって複数の下型を順次前記各工程の実施位置に移送する。
【0016】
また、好ましくは、本発明により成形されるガラス成形品が光学レンズ用材料である。
【0017】
さらに本発明は、ガラス成形品の製造装置において、ガラス成形品を成形する成形面を有する上型及び下型を備えた型と、溶融したガラス塊を前記下型の成形面上に供給する供給手段と、前記下型の成形面上に供給されたガラス塊の上表面を冷却する冷却手段と、前記冷却手段により冷却されたガラス塊からの放熱を抑制し、これによってガラス塊の内部と上部の温度を近づける放熱抑制手段であって、前記ガラス塊の内部より低温の遮熱部材と、前記遮熱部材と前記ガラス塊の上部とを非接触で接近させる手段とを備えた放熱抑制手段と、前記上型及び下型の成形面を近接させて、前記ガラスをプレスする型駆動手段とを備えることを特徴とするものである。
【0018】
ここで、前記放熱抑制手段により、その内部と上表面の温度が近づけられたガラス塊の粘度が103.5〜106.5ポアズの範囲にあるときに、前記型駆動手段を動作させて、ガラス塊のプレスを行う。
【0019】
また、前記遮熱部材は、好ましくは少なくとも前記ガラス塊の上表面に面する表面の放射率が0.4以下であること、より好ましくは、断熱材に、少なくとも前記ガラス塊の上表面に面する表面の放射率が0.4以下である層を被覆したものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のー実施形態を図面に沿って説明する。以下に示す実施形態では、16個の下型を円周上に配置したターンテーブルをその搬送手段として備えたプレス成形装置によって、光学レンズブランクを成形するプレス成形方法に沿って本発明を説明する。なお、ガラスの温度を説明するに際し、以下では、下型の成形面に接触するガラス塊の領域及びその近傍を、ガラスの下部と言い、下型の成形面に接触しない、すなわち外気に晒された領域及びその近傍を、ガラスの上部と言う。さらに、ガラスの上部であって、上型の成形面によってプレスされる部分を上表面と言う。
【0021】
図1は、ターンテーブルを中心に、本発明に係るガラス成形品の製造方法における各工程の実施位置を示した図である。図で明らかなように、ターンテーブル10の円周上には、16個の下型11が配置されている。図示しない駆動装置によって、ターンテーブル10はステップ回転され、順次下型を各工程の実施位置A〜Pに搬送する。すなわち、ターンテーブル10は、それが停止された状態から16分の1回転駆動され、各下型11を次の工程の実施位置へ移動して停止される。各工程の実施時間を考慮した所定時間の間、下型11は実施位置で停止され、該所定時間が経過した後に次の工程位置へ移動される。一つの実施例において、ターンテーブル10が停止されてから次に停止されるまでの時間、すなわち1ピッチに要する時間は、2〜6秒である。
【0022】
本実施形態に係るガラス成形品の製造方法は、溶融ガラスを供給する工程(以下、ガラス供給工程という)、プレス前のガラスの上表面を冷却する工程(以下、上表面冷却工程という)、ガラス塊からの放熱を抑制してガラス塊の内部と上表面の温度を近づける工程(以下、放熱抑制工程という)、ガラスをプレスする工程(以下、ガラスプレス工程という)及びガラスを型から取り出す工程(以下、ガラス取出し工程という)の各工程によって構成される。図2〜図5に示す(A)〜(H)には、前記各工程においてガラスを成形する様子が概略的に示されている。前記各図の下には、それぞれの工程の実施位置を示す記号A〜P及び工程の名称が示されており、これは図1に示されたものと対応している。
【0023】
前記ガラス供給工程は、図1における位置Aにおいて実施される。位置Aの上方には、ガラスの溶融炉及び該溶融炉から流下される溶融ガラスを切断するシャーが設置される。目的の光学レンズに適したガラス原料を溶融炉内に供給し、炉内で加熱して1000〜1100℃程度の溶融ガラスを得る。実施例では、ガラス転移点Tgが615℃、軟化点Tsが650℃であるSiO2-TiO2系のガラスを使用した。図2(A)及び(B)に示すように、白金製パイプ12から前記溶融ガラスを、前記位置Aにある下型11上に向けて流下させる。流下速度を考慮して、所定時間間隔で溶融ガラスをシャー13により切断し、適当量の溶融ガラスを下型の成形面11a上に供給する。成形面11a上の溶融ガラスは表面張力で丸みを帯び、ガラスゴブと呼ばれるおはじき状のガラス塊になる。
【0024】
また、位置Aにおいて下型の温度が、所定温度に維持されるよう、これをターンテーブルの略全域で加熱し続ける。ガラス供給時における下型の温度制御は、ガラスゴブの下部側の温度が低いために早い段階で硬化し、その流動性が失われるのを防止し、また、ガラスゴブの下部側の温度が高いために溶融したガラスが下型に融着するのを防止するという目的から重要である。後に説明するが、下型の成形面上に溶融ガラスを供給すると、ガラスの下部側と下型の成形面との間における熱交換によって、ガラス下部側の温度が急激に冷却される。前記2つの相反する問題を回避するために、下型の成形面に供給したガラスゴブの下部側の温度を、ガラスの転移点Tgよりも僅かに低い程度、すなわちガラスの転移点Tg〜Tg−50℃、好ましくはTg〜Tg−30℃、より好ましくはTg〜Tg−10℃に維持する。実施例では、下型の温度がガラス転移点Tg−10℃程度となるよう加熱し、溶融ガラス供給後の下型の温度と、溶融ガラスの下部側の温度とが転移点Tgよりも僅かに低い程度で均衡するようにした。
【0025】
次に、図1に示される工程において、位置Aでガラスゴブを供給された下型11は、ターンテーブル10の1つのステップで、上表面冷却工程の実施位置Bへ搬送される。位置Bには、上表面冷却工程を実施するために、冷却用プレス装置が設置されている。冷却用プレス装置は、図3(C)で示すように、ガラスゴブに対する平滑な接触面14aを備える金属材からなる熱吸収部材14を、図示しない昇降装置によって上下動させるものである。ターンテーブルが回転され、ガラスゴブを搭載した下型が位置Bに来ると、昇降装置が駆動され、熱吸収部材14が下降される。熱吸収部材14の下降によって、その接触面14aは、ガラスゴブの上表面を押し付けて変形させ、これによってガラスゴブの上部と熱吸収部材の接触面14aの面接触が達成される。ガラスゴブへ接触する前の熱吸収部材14及びその接触面14aはガラスゴブ温度より低い一定温度を保持するよう冷却されており、所定時間両者の接触を維持することによってガラスゴブの熱、特にその上部側の熱は、熱吸収部材14側へ移動する。その結果ガラスゴブ、特にその上部側の温度は急下降する。実施例では、前記熱吸収部材として、鉄(熱伝導度:73〜30W/m・K)を用いたが、銅(熱伝導度:166〜180W/m・K)その他の金属材を用いても良い。熱伝導度の比較的低い部材を用いた場合や接触前の熱吸収部材の保持温度が高いほど、その冷却効果は小さくなる。上表面冷却工程実施後のガラスの温度状態を最適化するために、熱吸収部材として使用する金属の材料、保持温度、ガラスとプレス部材との接触面積、ガラスに対する接触時間及びプレスのストロークを適宜選択する。
【0026】
なお、熱吸収部材14をガラスゴブへ一定圧力をもって接触させた場合、その副次的な効果として、ガラスゴブの下型と接触する面に生じるシワが低減される。このシワは、通常コブラインと呼ばれるものであるが、このコブラインはガラスゴブ下面の表面欠陥となり、削り代を増大させる原因となるものである。
【0027】
なお、前記上表面冷却工程において、後述するプレス工程で用いる上型の成形面と類似する形状の成形面を持った熱吸収部材を用いることにより、溶融ガラスの予備プレスを兼ねることもできる。予備プレスを、後の本プレス工程に先立って実施することによって、本プレス時における成形型に対するガラスの再現性が一層良好となる。熱吸収部材は、上表面冷却工程の前に前記ガラスゴブの平均温度よりも低い一定温度に維持しておくことが望ましい。
【0028】
前記上表面冷却工程を経たガラスゴブは、次に放熱抑制工程に搬送される。本実施形態において放熱抑制工程は、図1における位置C、D及びEの3セクションにおいて、連続的に実施される。放熱抑制工程は、先の上表面冷却工程で一旦表面冷却されたガラスゴブを、その表面からの放熱を抑えることで、表面−内部の熱交換により均熱化する工程である。放熱抑制工程を実施するために、位置C、D及びEには、胴型真上に近接してほとんど隙間なく遮熱部材15が設置されている。遮熱部材15は、図1に示すようにテーブル回転時もその機能を果たすよう、ターンテーブルの軌道に沿って、上表面冷却工程位置の終りからガラスプレス位置の直前までほとんど隙間無く設置されるのが望ましい。
【0029】
遮熱部材の少なくともガラスゴブの上表面に面することになる表面は、ガラスゴブからの熱放射を吸収しにくいよう、放射率が低い材料で構成されることが望ましく、放射率が0.4以下の面であることが好ましく、放射率が0.1以下の面であることが更に好ましい。
【0030】
また、遮熱部材の少なくともガラスゴブの上表面に面することになる表面は、金属からなる面であることが好ましく、金属の研磨面であることがより好ましい。一般的に金属の研磨面は放射率が非常に小さい(0.1前後)が、酸化すると大幅に放射率が上がるので、溶融ガラスに長時間近接する当該用途の場合、ある程度高温でも表面光沢(低い放射率)を保つ金属材料とすることがより好ましい。例えば白金、ニッケル等のような金属材料が適している。
【0031】
またセラミックスも耐熱性には優れているが、放射率は金属の研磨面に比べるとかなり大きい(アルミナの場合540℃での放射率は約0.7)。実際の適用においては白金は高価なので、比較的高温での酸化に強いニッケル板を用いた。
【0032】
また遮熱部材は熱容量が大きいとガラスとの温度差により冷却能力が大きくなるので、ガラスゴブの上表面に面する表面を放射率が0.4以下の材料で構成し、内部は熱容量ができるだけ小さく、熱伝導率の小さな材料で構成して、複合構造とするのが性能上望ましいと考えられる。図3(D)には、この実施形態に従った遮熱部材15が断面図により示されている。図において、遮熱部材15は、熱容量の小さい断熱部材15aの表面を、放射率が0.4以下の材料15bで被覆して構成される。このような複合構造をとることによって、遮熱効果と断熱効果を得ることができる。実際の適用においては、厚み0.5mmの金属(ニッケル)の薄板で、断熱性に優れた厚み20mmのセラミックファイバー製ボードを被覆した。
【0033】
ここで、遮熱部材は、これがその接近によりガラスゴブを加熱することのないよう、ガラスゴブ内部の温度よりも低温にしておく必要がある。遮熱部材の温度のより好ましい温度範囲は、ガラス転移点Tg〜ガラスゴブの平均温度である。
【0034】
前記上表面冷却工程及び放熱抑制工程は、続くガラスプレス工程においてガラスゴブをプレスする際及びプレス後の、ガラスゴブの温度状態、すなわちその粘度を最適化し、より均一化するために行うものである。すなわち、ガラスゴブがまずプレス前に前記上表面冷却工程を経ることによって、ガラスゴブの熱量を必要なだけ急速に奪う。その際その内部温度と外周部の温度との差は一旦大きくなるが、次の放熱抑制工程で表面からの放熱を低減し、その間、ガラスゴブの内部と外周部(特にガラスゴブ上部)との熱交換によって、両者の温度差を徐々に小さくし、全体を均一な粘度(温度)に近づけていくことになる。
【0035】
なお、ターンテーブルを用いた前記実施形態においては、前記上表面冷却工程の実施時間は、ターンテーブルの停止時間によって規定される。すなわち、上表面冷却工程においては熱吸収部材14を下降し、ガラスゴブを冷却し、更に上方に待避させる動作を、一定のステップ回転を繰り返すターンテーブルの停止時間内に行う必要がある。一つの実施例では、熱吸収部材14による冷却時間を、1〜3秒とした。また、前記放熱抑制工程の実施時間は、下型11が位置B(上表面冷却工程)からの移動を開始してから位置F(ガラスプレス工程)への移動を完了するまでの時間によって規定される。好適な実施形態において、放熱抑制工程の実施時間は、3〜50秒の範囲で設定され、実施例ではこの時間を15〜20秒とした。
【0036】
前記上表面冷却工程及び放熱抑制工程によって温度制御されたガラスゴブは、次に位置Fに移送され、図4(E)に示すように、ここでプレスされる(ガラスプレス工程の実施)。位置Fに移送されたガラスゴブに対し、図示しない昇降装置によって上型16をプレスする。
【0037】
本発明において、前記ガラスプレス工程を実施するタイミングが重要である。前記上表面冷却工程及び放熱抑制工程によって温度制御されたガラスゴブの内部における粘度が、103.5〜106.5ポアズの範囲(好ましくは、104〜106ポアズ未満の範囲、より好ましくは104.5〜105.5ポアズの範囲)にあるときに、前記ガラスプレス工程を実施する。実施例では、105ポアズのときにプレスを実施した。また、プレス時のガラス外周部の温度は、ガラス転移点Tg〜Tg+50℃が好ましい。実施例ではTg+10℃であった。これは、従来のダイレクトプレス方式において用いられるプレスの際の粘度102〜103ポアズに比して極めて高いものである。高い粘度においてプレスを行う理由は、プレス後のガラスの熱収縮量を抑え、ガラス表面のヒケを減少させるためである。ターンテーブルによるガラスゴブの移動速度を基準に考えた場合、ガラスプレス工程の実施位置を変える(例えば、位置G又はHとする)ことによって、適正なプレスタイミングを設定することが可能である。前記ガラスプレス工程では、高い粘度のガラスゴブをキャビティ内で完全に圧延するために、一般的なダイレクトプレス方式におけるプレス圧の約6倍のプレス圧を用いる。プレス圧は2.942〜7.845MPa、好ましくは、4.903〜6.865MPaでプレスする。実施例においては、このプレス圧を6.472MPaとした。
【0038】
ここで重要な点は、如何にして前記の条件でガラスプレス工程を安定して実施するかということである。ガラス下部は後述のように、下型の成形面上に溶融ガラスが供給された後は一方的に冷却されることは避けられない。そのため、ガラスプレス工程を実施するタイミングは、ガラスゴブの下部の温度条件の制約により決めざるを得ず、その時間を超えるとガラス下部の粘度がプレス成形に適した範囲よりも大きくなり、そのような状態になってからプレスすると成形品質に問題が出る。そこで、その制約時間の中でガラス上部をプレス成形に最も適した条件(ガラスの粘度)にし、かつガラスゴブの内部と外周部の温度が近づいた時点でガラスプレス工程を実施しなければならない。
【0039】
ガラスゴブの内部と外周部の温度を近づけるために、上表面の冷却工程の後、上表面側を加熱するという方法も考えられるが、本発明による放熱抑制工程はこれとは明らかに区別されるものである。すなわち、前記の制約時間内にガラス上部を均一に目的の粘度近くにするには、下型に供給された溶融ガラスが供給時に有する熱量を供給後に減らす必要がある(ガラス下部の温度は下型成形面に接することにより急速に低下するが、ガラス内部の温度は、ガラス供給時のガラスの持つ熱量が大きいとなかなかプレスに適した粘度まで低下しない)。このような供給時のガラスの持つ熱量に関する制約内で外部より再加熱をしてしまうと、前記冷却工程からガラスプレス工程までの限られた時間内でのガラス熱量の制御が困難になってしまう。例えば、再加熱によるガラスゴブの均熱化は、加熱が過剰になるとガラスゴブの上部の粘度が下がり過ぎ、ガラスプレス工程で、型を構成する部材間にあるクリアランス、すなわち上型と下型のクリアランスや上型と胴型のクリアランスからガラスがはみ出し、形状品質欠陥の原因になったり、型を傷つける原因となり、型寿命を著しく縮め、製造コストを押し上げる原因ともなる。
【0040】
さらに、均熱化のためのガラスゴブの再加熱では、ガラス上部を再加熱するヒーターの出力調整の基準を定めるのが難しい、一度冷却したガラスゴブの上部を再加熱するため余分なエネルギーを要するなどの問題もある。
【0041】
また、再加熱ヒーターは、短時間の作用時間で効果を上げるためと、多種のガラスを軟化させるだけの能力が必要なため、実用においては1000℃以上の加熱能力が必要となる。そのため安価なニクロムヒーターでは熱的に耐えられず、適用できるヒーター材料が限られるため非常に高価になり製造コストを押し上げる要因になる。また、高価なヒーターを使用したとしても、長期にわたる使用における断線等のトラブルは避けられず、生産の稼働率を下げる原因になってしまう。
【0042】
そのため、本形態では冷却工程からガラスプレス工程までガラスゴブの上部を再加熱せず、上表面を遮熱部材により非接触状態で覆うことにより、ガラスゴブからの放熱を抑制し、これによってガラスゴブ内部と外周部の温度を近づけている。そのため、溶融ガラスが下型に供給された初期に持ち込んだ熱量の一部を、プレス成形前の均熱時に有効利用でき、ガラスの熱量の制御は上表面冷却で奪う熱量の管理のみになるので制御しやすくなる。また、ガラスの上部を過度に低粘度化する心配が無く(特にガラス内部より上表面を低粘度にすることは無い)、プレス成形によるガラスの「はみ出し」等の品質欠陥発生を低減することができる。さらに、再加熱のためのエネルギーやヒーターが不要になり、ヒーター断線による生産稼働率低下を防止することができる。
【0043】
前記のように、本形態では冷却工程からガラスプレス工程までガラスゴブの上部を再加熱しないので、ガラスゴブの上表面を冷却する工程では、前記下型の成形面上に供給されたガラスゴブの持っている総熱量を、ガラスゴブ全体が均一にプレス成形に適した粘度になったと仮定した時に持つ総熱量近くまで、短時間に減少させることになる。なお、放熱抑制工程においてはその工程における作用にも拘わらず、ガラスゴブからは一定の熱量が奪われるので、上表面冷却工程の冷却条件(例えば、熱吸収部材をガラスゴブの上表面に接触させる時間、ガラスゴブに接触させる際の熱吸収部材の温度)は、その際に失われる熱量を考慮してプレス時の適正な粘度条件が得られるように決められる。
【0044】
上述したように、溶融ガラスの供給からプレス成形まで時間は、ガラスゴブの下部がプレス可能な粘度範囲を超えないとの制約を受けるため、上表面冷却工程、ガラスゴブの内部と上表面を近づける工程(放熱抑制工程)、ガラスプレス工程を連続して行うことが好ましい。そうすることにより、遮熱部材を前記冷却工程後できるだけ早期にガラスゴブの上表面側に近接して、プレス工程直前まで設置させることができ、ガラス下部が適正な粘度範囲を超える前に、ガラスゴブをより均熱化することができる。
【0045】
放熱抑制工程において、下型への放熱を除くガラスゴブからの放熱を低減すたためには、ガラスゴブの露出面積を極力減らすことが望ましい。そのため、少なくとも前記工程中、ガラスゴブは下型キャビティ内、又は下型と胴型で構成されるキャビティ内に収容し、遮熱部材でガラスゴブの上表面を覆うことが望ましい。上表面冷却工程において、ガラスゴブ上部の冷却のため、熱吸収部材で下型成形面上のガラスゴブを押圧することによって、ガラスゴブを下型キャビティ内又は下型と胴型で構成されるキャビティ内に収容するようにしてもよいし、放熱抑制工程中、胴型に対して下型を相対的に下げ、胴型上端よりもガラスゴブの上表面が低くなるようにし、ガラスゴブが前記下型と胴型により構成されるキャビティ内に収容するようにしてもよい。これらの場合も、遮熱部材はガラスゴブに触れない範囲で、胴型上端に近接させることが放熱量低減の上から好ましい。
【0046】
また上述のように、放熱抑制工程においてガラスゴブを下型、又は下型と胴型により構成されるキャビティ内に収容することによって、遮熱部材下をガラスゴブを載置した下型を移送してもガラスゴブと遮熱部材が接触することがない。そのため、上表面冷却工程の実施位置からプレス工程の実施位置へ下型を移送する間に放熱抑制工程を行うことができ、制約された時間内に効率よくガラスゴブの均熱化を行うことができる。
【0047】
なお、放熱抑制工程の継続時間は、ガラスゴブ下部が下型との熱交換によりガラス転移点Tg近傍に冷却されて、プレス成形時に問題が生じない時間までが限界であり、下型の温度やガラスゴブの熱容量により、3〜50秒の範囲で設定することが好ましい。
【0048】
次に、図1の位置Fにおいてプレスされたガラスは、位置G〜位置Mまで搬送され、位置Mにおいて取り出される。位置G〜位置M間を搬送される間に、ガラスは徐々に雰囲気温度によって自然冷却されていき、その体積が僅かに収縮する。ダイレクトプレス方式において、このガラスゴブのプレス後の熱収縮の過程において、ヒケの問題が発生する。本発明においては、ガラスプレス前のガラスゴブの適正な温度制御によって、ガラス内部の温度と外周部の温度の差が近づく方向に制御される。その結果、プレス時及びそれ以降におけるガラス内部と外周部の温度差が小さいものとなり、上記ヒケの発生が低減される。なお、位置G〜位置Mの各位置で、下型11は、胴型17に対し徐々に迫り上げられ、図5(G)で示すように、位置Lではガラスの外周面が胴型17よりも上方に位置している。そして、図5(H)で示すように、図示しないピックアップ装置によって、ガラスは真空吸着され、上記ガラスの内部の温度が、その転移点に対し±50℃、好ましくは±30℃、より好ましくは±10℃の範囲にあるときに、型より取り出される。
【0049】
以上により本発明に係るガラス成形品の製造方法によって、光学レンズブランクがガラスのはみ出しなしに成形される。成形された中間製品である光学レンズブランクは、後にその表面を研削・研磨され光学レンズとなる。本発明の方法を用いて成形されたレンズブランクスは、表面のヒケが少なく、そのため削り代を小さくすることができる。本実施例で得られた光学レンズブランクを評価した結果は、下記の通りであったので、従来方式に比べ削り代を50%削減できた。
(1)片面取代 0.3〜0.35mm
(2)中心肉厚公差 0.1mm
(3)外径寸法公差 0.1mm
(4)偏肉(片肉) 150μm以下
(5)曲率半径精度 80μm
(6)プレス品下面のブツ 200μm以下
【0050】
ここで、片面取代はプレス品の上面若しくは下面のみを研削するときの研削代、中心肉厚公差とは中心肉厚の設定値と実測値との差、偏肉とは同一円周上における最大肉厚と最小肉厚の差、曲率半径精度とは曲率半径の設定値と実測値との差、プレス品下面のブツとは、離型性を良好にするために下型に付着される六方晶BN(窒化ボロン)等からなる粉末耐熱性固体潤滑剤粉末等の異物である。
【0051】
本実施例においては複数の下型をターンテーブル上に設置したが、ターンテーブルでなく、例えばベルトコンベアのような直線的なものであっても、前記複数の下型を順次各工程に移送できる搬送手段であればよく、前記複数の下型を一連の工程において、繰り返し使用できるシステムであればよい。
【0052】
次に、前記各工程における、溶融ガラスの温度状態について説明する。図6はガラスゴブが下型上に供給されてから、レンズブランクスとして取り出されるまでのガラスの内部及び外周部の温度状態の概念図を示している。図では、本発明に係るガラス成形方法におけるガラスの上部、中心部及び下部の温度変化の状態を実線で示すと共に、上表面冷却工程及び放熱抑制工程を有していない従来のダイレクトプレス方式におけるガラスの上部、中心部及び下部の温度変化の状態を破線で示している。
【0053】
本発明におけるガラスの温度変化の説明に先立って、従来の方法におけるガラスの温度変化について概略説明する。ガラス供給工程において、溶融ガラスが下型の成形面上に供給されると、ガラス転移点Tg−10℃程度に維持された下型と溶融ガラスの下部との間の熱交換により、ガラスの下部の温度は急激に下降し、ガラス転移点Tgよりも低い温度で均衡する。一方、供給されたガラスの上部及び内部の温度は、ガラス周辺の雰囲気温度によって冷却され、徐々に下降していく。このとき、ガラスの内部の温度変化に比べて、ガラスの上部における温度変化の割合は大きくなる。この結果、ガラスのプレス工程が開始されるまでに、ガラス内部の温度とガラス上部の温度との差が徐々に大きくなっていく。ガラスのプレス工程において、ガラス転移点Tg−100℃程度に維持された上型が、ガラスゴブの上部及び内部の温度を冷却する。このとき、ガラスの上部は、上型に直接接触し、その温度は急激に冷却されてガラスの転移点Tg以下となる。一方で、ガラスの内部の温度は、肉厚が厚ければ厚いほど下がりにくい。この結果、ガラスプレス後のガラスの内部と、ガラスの上部及び下部との温度差が大きいものとなり、また、プレス時のガラスの粘度が低いことからプレス後の熱収縮が大きいものとなり、ガラス表面にヒケが発生する。
【0054】
次に、グラフ上の実線に沿って、本発明におけるガラスの温度変化について説明する。ガラス供給工程において、溶融ガラスが下型の成形面上に供給されると、下型と溶融ガラスの下部との間の熱交換により、ガラスの下部の温度は急激に下降し、ガラス転移点Tgよりも低い温度(Tg〜Tg−50℃)で均衡する。一方、供給されたガラスの上部及び内部の温度は、ガラス周辺の雰囲気温度によって冷却され、徐々に下降していく。このとき、ガラスの内部の温度変化に比べて、ガラスの上部における温度変化の割合は大きくなる。ここまでのガラスの各部における温度変化は、前記従来の場合と同じである。
【0055】
本発明において、上表面冷却工程が実施されると、ガラスゴブ全体の熱量は急速に奪われる。特に、冷却部材と直接接触するガラスゴブの上部の温度降下は、その内部の温度降下に比べて急激なものとなり、温度差は溶融ガラスが供給された当初より大きくなる。次に、放熱抑制工程によって、ガラスゴブの上部からの放熱が抑えられると、ガラス内部と上部(表面)との間で行われる熱交換により上部の温度は再上昇し、内部温度は下降しその温度差は徐々に小さくなる。なお、ガラス下部の温度は、熱容量の大きな下型温度に大きく支配されるので、放熱抑制工程では若干下降速度は遅くなるものの、溶融ガラス供給後ガラス温度は、予めガラス転移点Tg近くに保持された下型温度に向かって一方的に下がり続ける。ガラス下部の温度がTg近くまで冷却されてしまうとプレス成形は不可能になるので、溶融ガラスが下型に供給されてからプレス成形できる限界は、ガラス下部の温度降下状態(粘度)によることになる。
【0056】
ガラスのプレス工程で、従来同様、上型がガラスゴブの上部及び内部の温度を冷却する。このとき、ガラスの上部は、Tg−50〜Tg−150℃に維持された上型に直接接触し、その温度は急激に冷却されてガラスの転移点Tg以下となる。ガラスの内部の温度は、プレス時におけるその温度が、従来の場合に比して低いので、プレス後のガラス上部との温度差は、比較的小さいものとなる。この結果、ガラス表面のヒケが抑えられると共に、ヒケの不均一な分布が回避される。なお、前記上表面冷却工程及び放熱抑制工程を経たガラスゴブ内部の粘度は、これらの工程を経ない場合に比べて短い時間で、場所による差が小さく好適な粘度、すなわち103.5〜106.5ポアズに達する。その結果、レンズブランクスの生産性が向上する。図1における位置G〜位置Lにおける自然冷却の工程を経て、ガラスの上部、中心部及び下部の温度がガラス転移点Tgに接近したところで、型から取り出す。理想的には、ガラスの各部の温度が、ガラスの転移点Tgに対し±10℃の範囲にあるときに、型から取り出す。
【0057】
以上、本発明のー実施形態を図面に沿って説明した。しかしながら本発明は前記実施形態に示した事項に限定されず、特許請求の範囲の記載に基づいてその変更、改良等が可能であることは明らかである。
【0058】
本発明に係るガラス製品のプレス成形方法は、実施形態で示したような光学レンズブランクの製造に限らず、広くガラス製品一般に適用可能なものであるが、ガラスの中央及び周辺部において肉厚の異なる光学レンズや、比較的肉厚の厚いガラス製品に適用して好適なるものである。
【0059】
【発明の効果】
以上の如く本発明によれば、いわゆるダイレクトプレス方式のプレス成形方法において、レンズブランクス表面に分布するヒケを低減し、またヒケが一部に集中することを防止することができる。その結果、研削工程で除去される削り代を少なくすることができ、研削屑の少ないレンズブランクスを提供することができる。
【0060】
また、本発明によって、従来より短い時間で、ガラスの粘度を場所による差が小さく、プレスする際の好適な粘度にすることができるようになり、これによってレンズブランクスの生産性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプレス成形方法における各工程の実施位置をターンテーブルを中心に示した図である。
【図2】本発明における各工程においてガラスを成形する様子を示す概略図である。
【図3】本発明における各工程においてガラスを成形する様子を示す概略図である。
【図4】本発明における各工程においてガラスを成形する様子を示す概略図である。
【図5】本発明における各工程においてガラスを成形する様子を示す概略図である。
【図6】ガラスゴブが下型上に供給されてからレンズブランクスとして取出されるまでのガラスの内部及び外周部の温度状態の概念図である。
【符号の説明】
10 ターンテーブル
11 下型
11a 成形面
12 白金製パイプ
13 シャー
14 熱吸収部材
14a 接触面
15 遮熱部材
16 上型
17 胴型
A〜P 各工程の実施位置

Claims (7)

  1. 上型及び下型を備えた型を使用してガラス塊をプレスし、ガラス成形品を得るガラス成形品の製造方法において、
    溶融したガラス塊を前記下型の成形面上に供給する工程と、
    前記下型の成形面上に供給されたガラス塊の上表面を冷却する工程と、
    前記ガラス塊の上表面を冷却する工程の後、前記ガラス塊からの放熱を抑制し、これによってガラス塊の内部と上部の温度を近づける工程と、
    前記ガラス塊からの放熱を抑制する工程の後、ガラス塊の粘度が103.5〜106.5ポアズの範囲にあるときに、前記上型及び下型の成形面によってガラス塊をプレスする工程と、
    を備え、
    前記ガラス塊からの放熱を抑制する工程は、前記ガラス塊の内部より低温の遮熱部材と、前記ガラス塊の上部とを非接触で接近させる工程を含むことを特徴とするガラス成形品の製造方法。
  2. 前記遮熱部材と前記ガラス塊の上部とを非接触で接近させる工程は、少なくとも前記ガラス塊の上表面に面する表面の放射率が0.4以下である遮熱部材と、前記ガラス塊の上部とを非接触で接近させるものである請求項に記載のガラス成形品の製造方法。
  3. 前記遮熱部材と前記ガラス塊の上部とを非接触で接近させる工程は、前記遮熱部材と前記ガラス塊の上部とを、3秒〜50秒間非接触で接近させることを特徴とする請求項又はに記載のガラス成形品の製造方法。
  4. ガラス塊をプレスして成形されたガラス成形品から最終的なガラス製品を製造するガラス製品の製造方法において、
    請求項1〜のいずれかに記載のガラス成形品の製造方法を用いて、前記ガラス成形品を成形する工程と、
    前記ガラス成形品の表面を研削及び研磨して前記最終的なガラス製品を成形する工程と、
    を備えたことを特徴とするガラス製品の製造方法。
  5. ガラス成形品の製造装置において、
    ガラス成形品を成形する成形面を有する上型及び下型を備えた型と、
    溶融したガラス塊を前記下型の成形面上に供給する供給手段と、
    前記下型の成形面上に供給されたガラス塊の上表面を冷却する冷却手段と、
    前記冷却手段により冷却されたガラス塊からの放熱を抑制し、これによってガラス塊の内部と上部の温度を近づける放熱抑制手段であって、前記ガラス塊の内部より低温の遮熱部材と、前記遮熱部材と前記ガラス塊の上部とを非接触で接近させる手段とを備えた放熱抑制手段と、
    前記上型及び下型の成形面を近接させて、前記ガラスをプレスする型駆動手段とを備え、
    前記放熱抑制手段により、その内部と上表面の温度が近づけられたガラス塊の粘度が103.5〜106.5ポアズの範囲にあるときに、前記型駆動手段を動作させて、ガラス塊のプレスを行うことを特徴とするガラス成形品の製造装置。
  6. 前記遮熱部材は、少なくとも前記ガラス塊の上表面に面する
    表面の放射率が0.4以下であることを特徴とする請求項に記載のガラス成形品の製造装置。
  7. 前記遮熱部材は、断熱材に、少なくとも前記ガラス塊の上表面に面する表面の放射率が0.4以下である層を被覆したものであることを特徴とする請求項に記載のガラス成形品の製造装置。
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