JP3945995B2 - ガラス塊の製造方法及びガラス塊成形装置、ガラス成形品の製造方法、並びに光学素子の製造方法 - Google Patents

ガラス塊の製造方法及びガラス塊成形装置、ガラス成形品の製造方法、並びに光学素子の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融ガラスからプレス成形用素材に好適なガラス塊を製造する方法および装置、並びにこのガラス塊をプレス成形用素材として用い、この素材を加熱、プレス成形してガラス成形品を製造する方法、前記ガラス成形品に研磨、研削加工を施して光学素子を作製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラス素材を加熱して、プレス成形によって所定形状にし、直接、レンズなどの高精度なガラス成形品を作製する方法、及び、成形品に研削、研磨加工を施してレンズなどのガラス製光学素子を作製する方法は、光学素子などの高精度なガラス製品を高再現性かつ高生産性のもとに量産できる技術として広く利用されている。このようなプレス成形法は、プレス成形後の研削、研磨加工が必要かどうかにより、プレス成形装置、成形条件などが大きく異なる。しかし、各プレス成形に適したガラス素材を作製してから、その素材を再加熱してプレスするという点では共通している。
【0003】
溶融ガラスを所定量だけ取り、これを塑性変形させてガラス塊に成形して上記ガラス素材とする方法は、溶解したガラスを一旦冷却することなしにガラス素材を作製でき、そのため生産性に優れている。その一例が特開平8−81228号公報に開示されている装置を用いたガラス塊の成形方法である。この装置は連続流出する溶融ガラスを複数の受け型で順次受け取り、溶融ガラスが変形可能な温度範囲にあるうちに受け型上でガラス塊に成形するためのものである。この装置は、複数の受け型をターンテーブル上に備え、このターンテーブルを間欠回転させて、溶融ガラスからガラス塊を次々と成形していく。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記ガラス塊の成形方法は、生産性の優れたガラス塊の製造方法ではあるが、次のような技術背景及び問題点を有していた。
(1)溶融ガラスは流出ノズルから連続して排出されるので、受け型の入れ替えに時間をかけると受け型への溶融ガラスの供給(以下、キャストという)がうまく行かない。したがって、ターンテーブルの1回の間欠回転に要する時間(以下、移送時間という)が制限される。
(2)ターンテーブルの間欠回転時にキャストされたガラスに加速度が加わる。この加速度によってガラスに力が加わり、ガラスが変形する。変形量が少ないときは、ターンテーブルの停止時にガラスは塊状に復元する。しかし、変形量が大きいと復元時に折れ込みが発生する。この折れ込みは成形されたガラス塊、さらにプレス成形用のガラス素材に残留し、プレス成形品における欠陥部となってしまう。上記ガラスの変形はガラスに加わる加速度が大きく、ガラスの重量が大きいほど大きくなる傾向がある。
(3)上記ガラス塊の成形方法では、受け型を使い回しするので、キャストが行われる位置からガラス塊が取り出される(以下、テイクアウトという)位置までの回転角度に上限がある。また上記移送時間も制限されているので、ターンテーブルの一周に要する間欠駆動回数(セクション数という)を決めると、キャストからテイクアウトまでにかけられる時間も決まってしまう。しかし、この時間が短か過ぎると、ガラス塊が充分冷却していない状態、すなわち塑性変形しうる状態でテイクアウトが行われることになる。そうすると、テイクアウトやテイクアウト後の搬送過程でガラス塊が変形したり、ガラス塊どうしがくっつくなどして、不良品ができてしまう。
【0005】
このように、連続流出する溶融ガラスを複数の受け型で順次受け取り、溶融ガラスが変形可能な温度範囲にあるうちに受け型上でガラス塊に成形する方法は、上記のような技術背景及び問題点を有していた。そのため、比較的小さいガラス塊をゆっくりとしたスピードで生産する場合には問題は生じないが、比較的大型のガラス塊を生産する場合や比較的小さいガラス塊であっても速いスピード(より高い生産性)で生産する場合、良品を製造することが難しかった。
【0006】
そこで本発明は、比較的大型のガラス塊を生産する場合や比較的小さいガラス塊であって速いスピード(より高い生産性)で生産する場合であっても、溶融ガラスから、外観不良のないガラス塊、即ち、良品を生産性よく作製できる方法及びガラス塊成形装置を提供することを目的とする。
さらに本発明は、上記ガラス塊をプレス成形用の素材として用いて、例えばレンズのような光学素子等のプレス成形品、あるいは研削、研磨加工を施して光学素子となるプレス成形品を作製するガラス成形品の製造方法を提供することを目的とする。
さらに、上記方法で得られたガラス成形品に研削、研磨を施して光学素子を作製する方法を提供することを目的とする。
【0007】
以下、上記課題を解決するための本発明は以下のとおりである。
[ ] 溶融ガラス塊を、間欠周回動をするガラス塊成形部において成形、冷却してガラス塊とする、溶融ガラス塊からガラス塊を製造する方法であって、
前記ガラス塊成形部の 1 回の間欠周回動時間が0.1秒以上、0.25秒以下であり、かつ
前記ガラス塊成形部の 1 回の間欠周回動距離が0.8〜4 cm であることを特徴とするガラス塊の製造方法。
[ ] ガラス塊成形部を間欠周回動させて溶融ガラスキャスト位置へ搬送して溶融ガラスを供給し、次いで前記ガラス塊成形部において溶融ガラス塊を成形、冷却してガラス塊とする、溶融ガラス塊からガラス塊を製造する方法であって、
複数のガラス塊成形部が円周上に等間隔に設けられ、前記複数のガラス塊成形部を上記円周上に沿って間欠周回動させ得る装置であって、上面に溶融ガラスを受けてガラス塊を成形するガラス塊成形部を複数箇所備えたガラス塊成形型を、ガラス塊成形部が前記円周上に等間隔になるように配列した装置を用い、かつ、
前記間欠周回動を、同一成形型上の複数のガラス塊成形部のうちの1つのガラス塊成形部への溶融ガラスの供給の終了後、同一成形型上の他のガラス塊成形部を溶融ガラス供給位置に搬送するように行う、前記方法。
[ ] 前記ガラス塊成形型は、上下運動機構を有する [ ] に記載の方法。
[ ] 前記周回動の半径が20〜40cmであり、前記ガラス塊成形部の数は36〜144である [ ] [ ] のいずれかに記載の方法。
[ ] 流出ノズルより溶融ガラスを連続して排出し、前記溶融ガラスから得られる所定量の溶融ガラス塊をガラス塊成形部に供給することを特徴とする [ ] [ ] のいずれかに記載の方法。
[ ] 粘度が30〜2ポアズの範囲にある溶融ガラスを流出ノズルより排出することを特徴とする [ ] に記載の方法。
[ ] 前記ガラス塊が精密プレス成形用素材であることを特徴とする [ ] [ ] のいずれかに記載の方法。
[ ][ ] [ ] のいずれかに記載の方法に使用するためのガラス塊成形装置であって、
回転軸の周りに間欠回転動するターンテーブル及び前記ターンテーブル上に設けられたガラス塊成形型を有し、
前記ガラス塊成形型は、その上面に溶融ガラスを受けてガラス塊を成形するガラス塊成形部を複数箇所有し、かつ、
前記ガラス塊成形型は、前記ガラス塊成形部がターンテーブルの回転軸を中心とする円周上に等間隔に配列されるように、ターンテーブル上に設けられることを特徴とする、前記ガラス塊成形装置。
[ ] 前記円周の半径が20〜40cmであり、かつ前記ガラス塊成形部の数が36〜144である [ ] に記載のガラス塊成形装置。
[ 10 ][ ] [ ] のいずれかに記載の方法により製造されたガラス塊をバレル研磨加工することを特徴とするプレス成形用素材の製造方法。
[ 11 ][ 10 ] に記載の方法により製造されたプレス成形用素材を加熱し、プレス成形してガラス成形品を得ることを特徴とするガラス成形品の製造方法。
[ 12 ][ 11 ] に記載の方法により製造されたガラス成形品に研削、研磨加工を施して光学素子を得ることを特徴とする光学素子の製造方法。
[ 13 ][ ] に記載の方法により製造された精密プレス成形用素材を加熱軟化し、精密プレス成形することを特徴とする光学素子の製造方法。
【0008】
上記本発明において、さらに以下の態様が好ましい。
(1)上記[ ] または [ ]の製造方法において、前記溶融ガラス塊が、連続して流出する溶融ガラス流出口の下方に順次移送されるガラス塊成形部により流下する溶融ガラスを受けることで形成され、前記1回の間欠周回動時間当たり1つの溶融ガラス塊が形成される方法。
(2)上記[ ]の製造方法において、複数のガラス塊成形部が円周上に等間隔に設けられ、前記複数のガラス塊成形部を上記円周上に沿って間欠周回動させ得る装置を用いる方法。
(3)上記[ ] [ ]の製造方法を組み合わせることもそれぞれ可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態について説明する。
本発明は、溶融ガラス塊からガラス塊を製造する方法である。より具体的には、溶融ガラス塊を、間欠周回動をするガラス塊成形部において成形し、冷却してガラス塊とする方法である。そして、本発明の製造方法の第1の態様では、上記ガラス塊成形部の1回の間欠周回動時間が0.1秒以上、0.25秒以下であり、かつガラス塊成形部の1回の間欠周回動距離が0.8〜7cmであることを特徴とする。
【0010】
ガラス塊の製造方法においては、上述のように、溶融ガラスは流出ノズルから連続して排出され、受け型で、所定量の溶融ガラス塊にキャストする。受け型は間欠周回動するが、溶融ガラス塊を供給された受け型を次の受け型に入れ替えるのに時間をかけ過ぎると、溶融ガラスが流出ノズルから受け型以外の場所(受け型と受け型の間)に落下してしまう。溶融ガラスの流動性はガラスの種類や温度により異なり、ある程度の調整は可能であるが、実用上は、溶融ガラスの粘度は30〜2ポアズの範囲である。この範囲の粘度の溶融ガラスを上述のようなキャスト不良を起こすことなく連続的(断続的)受け型にキャストさせるには、ガラス塊成形部(受け型)の1回の間欠回転に要する時間(移送時間)は、0.25秒以下とする。また、ガラス塊成形部(受け型)の1回の間欠回転に要する時間(移送時間)は、短ければ短い程、キャスト不良は生じにくいが、上述のように間欠回転時にキャストされたガラスに加速度が加わる。そのため、移送時間が短すぎると、ガラスに加わる加速度が大きくなり、ガラスの変形量が大きくなって停止時に復元しきれず折れ込みが発生してしまう。そこで、ガラス塊成形部(受け型)の1回の間欠周回動時間は0.1秒以上とする。ガラス塊成形部(受け型)の1回の間欠周回動時間は、好ましくは0.15〜0.2秒である。
【0011】
さらに、ガラス塊成形部の1回の間欠周回動距離は0.8〜7cmの範囲である。間欠周回動距離は、短ければそれだけ間欠回転時にキャストされたガラスに加わる加速度は小さくなる。しかるに、1回の間欠周回動距離は、ガラス塊の大きさを下回ることはできない。このような観点から、ガラス塊成形部の1回の間欠周回動距離は0.8cmである。また、間欠周回動距離は、長くなるとそれだけ間欠回転時にキャストされたガラスに加わる加速度は大きくなる。また、ガラス塊の大きさが大きいほど変形も大きくなる。流出する溶融ガラスから連続してガラス塊を製造する方法において製造されるガラス塊の大きさの上限は15cm程度であるから、この程度の大きさのガラス塊であっても、復元不能なほど変形しないという観点から、ガラス塊成形部の1回の間欠周回動距離は7cmである。ガラス塊成形部の1回の間欠周回動距離は、好ましくは1〜4cmの範囲である。
【0012】
さらに、本発明の製造方法の第2の態様は、ガラス塊成形部の周回動の半径が20〜40cmであり、前記ガラス塊成形部の数を36〜144とすることを特徴とする。
上記半径が小さいとガラス塊成形部等の機械的な寸法の制限により、ガラス塊成形部同士を近づけるにも限界がある。したがって、上記半径は20cm以上とすることが望ましい。一方、上記半径を大きくし過ぎると、ターンテーブルが撓んでしまったり、重量が大きくなり過ぎたり、ガラス塊成形型が取付けられているターンテーブルの慣性モーメントが大きくなり、ターンテーブルの駆動系の負荷が大きくなり、ターンテーブルを高速に間欠回転させることが難しくなる。また上記半径の増加に伴いガラス塊成形型の数を増やすことになるが、ガラス塊成形型の数が多くなり過ぎるとメンテナンス時の型交換に要する時間が増大し、作業性が低下したり、成形型の総重量が大きくなり過ぎて、上記ターンテーブルの駆動系負荷の増大ということにもなる。したがって、上記半径は40cm以下とすることが望ましい。上記半径のより好ましい範囲は、20cm以上、30cm以下である。
【0013】
さらにガラス塊成形部が配列される円周の半径を上記範囲にした上で、この円周上に等間隔で配置されるガラス塊成形部の数を36〜144とする。このガラス塊成形部の数が小さいと移送距離が大きくなり、ガラスに加わる加速度が大きくなってしまう。一方、この数が大き過ぎると上記範囲の半径をもつ円周上にガラス塊成形部を配列しきれなくなってしまう。上記ガラス塊成形部の数を偶数とすることが好ましく、4の倍数とすることがより好ましい。
【0014】
さらに、本発明の製造方法の第3の態様は、複数のガラス塊成形部が円周上に等間隔に設けられ、前記複数のガラス塊成形部を上記円周上に沿って間欠周回動させ得る装置であって、上面に溶融ガラスを受けてガラス塊を成形するガラス塊成形部を複数箇所備えたガラス塊成形型を、ガラス塊成形部が前記円周上に等間隔になるように配列した装置を用いることを特徴とする。この装置については、以下に詳細に説明する。
【0015】
また本発明のガラス塊成形装置は、回転軸の周りに間欠回転動するターンテーブル及び前記ターンテーブル上に設けられたガラス塊成形型を有する、連続して流出する溶融ガラスからガラス塊を成形するためのものである。そして、前記ガラス塊成形型は、その上面に溶融ガラスを受けてガラス塊を成形するガラス塊成形部を複数箇所有し、かつ、前記ガラス塊成形型は、前記ガラス塊成形部がターンテーブルの回転軸を中心とする円周上に等間隔に配列されるように、ターンテーブル上に設けられることを特徴とする。さらに、この装置においては、上記本発明の製造方法の第2の態様と同様の理由から、前記円周の半径が20〜40cmであり、かつ前記ガラス塊成形部の数が36〜144であることが好ましい。
【0016】
以下に上記装置及びこの装置を用いたガラス塊の製造方法についてさらに説明する。
図1は、ガラス塊成形装置100の側面図であり、図中に符号104は溶融ガラスを連続して供給する溶融ガラス供給部であり、104aはガラス塊を流出する流出ノズルである。溶融ガラス供給部の上部は、攪拌槽、清澄槽、ガラス溶解槽へつながっており、溶解、清澄、均質化された溶融ガラスが連続して溶融ガラス供給部104へと送られてくるようになっている。流出ノズル104aを含む溶融ガラス供給部104は流下する溶融ガラスの温度が一定になるように温度制御されている。102は溶融ガラスを受け取り、ガラス塊に成形するガラス塊成形部が設けられたガラス塊成形型であり、106はガラス塊成形型を保持する保持部である。本装置は複数個のガラス塊成形型102を備えており、これらガラス塊成形型102は軽量かつ高強度のアルミニウム合金製のターンテーブル116に配置されている。ターンテーブル116は、後述するように間欠回転駆動されるが、この駆動は118のダイレクトドライブモータによって行われる。ガラス塊成形型102は、ガラス塊の成形に適した温度になるよう、加熱炉112によって調温されている。またガラス塊成形型102によって成形中のガラス塊も、加熱炉112によって取り出しまでの間に徐々に冷却される。108は、前述のターンテーブル116、ダイレクトドライブモータ118などからなるガラス塊成形型の移送部を示している。
【0017】
次に、この装置によってガラス塊がどのように成形されるかについて説明する。まず、溶融ガラスから所定重量のガラス塊を成形するには、清澄、均質化された溶融ガラスを連続して一定の速度で溶融ガラスの流出パイプから流下させる。流下する溶融ガラスをガラス塊成形部を備えた複数個のガラス塊成形型102によって次々と受けて、例えばおはじき状のガラス塊に成形する。複数のガラス塊成形型102は、溶融ガラスの受け取り(以下、キャストという)、ガラス塊の成形、ガラス塊成形型102からのガラス塊の取り出し(以下、テイクアウトいとう)を順次行い、テイクアウト後は再びキャスト工程へと戻され、循環して使用される。このようなガラス塊成形型102の移送は、ターンテーブル116上にガラス塊成形型102のガラス塊成形部がターンテーブルの回転軸を中心とした同一円周上に等間隔に配列するようにして、ターンテーブルを間欠回転させることによって行われる。
【0018】
図2は、図1に示した成形装置100を平面視したものである。Aがキャスト位置、Bがテイクアウト位置である。テイクアウトは、Bの位置にきたガラス塊がテイクアウト手段114より吹き出すガスによって、扇形のガラス塊回収部120へと吹き飛ばされることによって行われる。図2に示されているように、36個のガラス塊成形型102はターンテーブル116の回転中心の周りに等間隔に配列されているが、各ガラス塊成形型102に設けられた複数のガラス塊成形部もターンテーブル116の回転中心の周りに等間隔に配列している。例えば、各成形型上面に2箇所のガラス塊成形部が設けられている場合、この装置100は72のセクションから構成され、各セクションは5°間隔に配列されることになる。キャストやテイクアウトは、ガラス塊成形部がAやBの位置に停留している間に行われる。
【0019】
溶融ガラスは所定の一定したスピードで連続流下するので、流下する溶融ガラス流の先端部を切断あるいは分離する時間間隔(以下、カッティングタイムという)を所定の値に設定することによって、所定重量のガラス塊を多量に高い生産性のもとに生産することができる。上記カッティングタイムは、ガラス塊成形部がキャスト位置へ到着し、キャストを行い、キャスト後にキャスト位置から搬出され、次のガラス塊成形部が上記キャスト位置に到着するまでの時間に相当する。これに応じて、ガラス塊成形部は1セクション分移動する。なお、以下の説明では、単位時間あたりの溶融ガラスの流下量を表すのに、1日あたりに流出パイプから流下する溶融ガラスの重量、すなわち引上量を用いる。一定の引上量に対して、カッティングタイムはガラス塊の重量だけでなく、単位時間あたりのガラス塊の生産個数を決定する。以下、1分あたりのガラス塊の生産個数をDPMという単位で表すことにする。
【0020】
上述のように、キャストからテイクアウトまでの間、ターンテーブルの間欠回転によって、ガラス成形部上のガラスは加速減速時の加速度を受ける。本形態では、セクション数を多くすることによって、1セクション間の移動は、回転運動よりもむしろ直線運動として近似することができる。ガラス塊成形部は、図3に基づいて後述するように、例えば複数のガス噴出口が設けられた凹面状の窪みによって構成されている。そしてキャストされたガラスは、ガス噴出口より噴出するガスの風圧によって浮上した状態でガラス塊に成形される。このような成形中にガラス塊に加速度が加わると、ガラス塊成形部の中心位置からガラスが大きく偏ってしまうか、伸びるなどガラスが変形する。ガラスの重量が大きいほど、このような加速度によってガラスに大きな力が加わるので、上記変形量が大きくなる。そして、ターンテーブルが間欠的に停止する際にこのような加速度がなくなるので、塑性変形可能なガラスはマーブル状などのガラス塊の形状に戻ろうとする。この時、大きく変形したガラスに折れ込みが発生してしまう。また、ガラスがガラス塊成形部に強い力によって押さえつけられることにより、ガラスが変形したり、接触部分が急激に冷やされることでカンワレと呼ばれる微小クラックが生じるなど、外観不良になってしまう。したがって、ターンテーブルの間欠回転による加速度を、生産性を維持しつつ減少させる必要がある。
【0021】
前述のように引上量とガラス塊重量が決められていれば、カッティングタイムを変えることはできない。したがって、加速度を低減するにはガラス塊成形部が1セクション分、移動する距離(以下、移送距離というが、移送距離は制御上設定された移送時間でガラス塊成形部が移送される距離に相当する)を短くとる必要がある。したがって、なるべく多くのガラス塊成形部を円周上に等間隔に配列することによって、ガラス塊成形部の間隔、すなわち移送距離を短縮することで、加速度を低減することができる。
【0022】
本発明の製造方法の第1の態様では、上述のように、この点を考慮して、ガラス塊成形部の1回の間欠周回動時間を0.1秒以上、0.25秒以下とし、かつガラス塊成形部の1回の間欠周回動距離を0.8〜7cmとした。さらに、本発明の製造方法の第2の態様では、上述のように、周回動の半径を20〜40cmとし、ガラス塊成形部の数を36〜144とした。
【0023】
上記のようにターンテーブル上のガラス塊成形部の数、すなわちセクション数を増やすことによって、テイクアウトまでにガラス塊を充分冷却することができる。カッティングタイムを変えないで、キャストからテイクアウトまでの時間を冷却に充分な長さにするには、キャスト位置からテイクアウト位置までのセクション数を増やせばよい。ターンテーブル上のセクション数を増やせば、キャスト位置からテイクアウト位置までのセクション数も増加するので、ガラス塊を充分冷却してからテイクアウトすることができる。ターンテーブル上のセクション数を増やした上で、キャスト位置とテイクアウト位置をテイクアウト時におけるガラス塊が塑性変形しない温度まで冷却することが好ましい。具体的にはテイクアウト時のガラス塊の温度をガラス転移温度以下とすることが好ましい。ガラス塊の温度が高いとテイクアウトされたガラス塊同士が融着したり、テイクアウト時に加わる力などによってガラス塊が変形してしまう。上記のように、ガラス塊を充分冷却した後にテイクアウトすれば、このような問題を回避することができる。
【0024】
ところで、キャスト位置では溶融ガラス流の先端部を分離する際、降下切断法と呼ばれる方法を用いる。この方法はガラス塊成形部を流出パイプの先端に近づけて溶融ガラス流の先端部を受け、その後、溶融ガラス流の流下スピードよりも充分速くガラス塊成形部を降下させて、ガラスの分離を行うものである。このような方法では、ガラス塊成形部をキャスト位置において上下運動させることになる。そこで、そのための機構が必要になり、ターンテーブル上にはガラス塊成形部を備えたガラス塊成形型だけでなく、ガラス塊成形型を支持する機構も載置しなければならない。そのため、ガラス塊成形型1個が占める大きさはガラス塊成形部の大きさに比べて大きく、ガラス塊成形部を狭い間隔で円周上に配列する妨げとなる。そこで、本発明の第3の製造方法で使用する装置及び本発明のガラス塊成形装置では、ガラス塊成形型の上面に複数のガラス塊成形部を設け、ターンテーブル上にこのような成形型を複数、ガラス塊成形部が円周上の等間隔に配列するように配置する。ガラス塊成形型上面のガラス塊成形部が設けられる範囲は、同種のガラス塊成形型をターンテーブル上に回転軸を中心とした円周上に等間隔に配列し、ガラス塊成形部が前記円周上に配列するような領域とすることが好ましい。また、ガラス塊成形型1個に設けられるガラス塊成形部の数は2または3とすることが好ましく、2箇所とすることが特に好ましい。このようなガラス塊成形型によれば、ガラス塊成形部の間隔を狭めることが可能となり、間欠回転時のガラスに加わる加速度を低減することができる。
【0025】
図3はガラス塊成形型102の断面を示したものである。型はカーボン製またはステンレス製とすることが、高速で駆動できるよう高強度を保ちつつ軽量化が図られることから好ましい。ガラス塊成形型の上面には、凹状のガラス塊成形部102−1が2つ設けられており、その各々の成形面には複数のガス吐出口102−1−1が設けられている。ガス吐出口からは空気あるいは窒素などのガスが吐出され、ガラス塊成形部上のガラスに風圧が加えられる。この風圧によって溶融ガラス塊は浮上成形されて、ガラス塊となる。先に説明したように、降下切断法によって溶融ガラス流先端部の分離を行う場合は、キャスト位置にガラス塊成形部が来たときにガラス塊成形型を上昇させて流出パイプにガラス塊成形部を近づけ、溶融ガラス流先端部をガラス塊成形部によって受けた後、ガラス塊成形型を降下させて所定重量のガラスをガラス塊成形部に受け取る。キャストはガラス塊成形部がキャスト位置に停留している間に行われる。なお、ガラス塊成形型上昇時の上記ガス吐出口より吐出されるガスによって溶融ガラスが流出パイプに濡れ上がらないよう、ガラス塊成形部が流出ノズルに接近している状態ではガス吐出量を減少させることが好ましい。ガラス塊成形型の2つのガラス塊成形部のうちの1つにキャストが終わるとターンテーブルが間欠回転して、もう一つのガラス塊成形部がキャスト位置に来るようにガラス塊成形型が移送される。このガラス塊成形部にも同様にしてキャストが行われると、このガラス塊成形型はキャスト位置から完全に搬出され、次のガラス塊成形型のガラス塊成形部がキャスト位置に移送される。尚、ガラス塊成形型上昇時のガス噴出量の切り替えは、ガラス塊成形型毎に行っても良いし、ガラス塊成形部毎に行っても良い。但し、ガラス塊成形型毎に行う場合は、その型の一方のガラス塊成形部にはキャストされたガラスが入った状態で他のガラス塊成形部にキャストが行われる。従って、ガス噴出量の減少は、一方のガラス塊成形部にある既にキャストされたガラスに不良が生じないように調整する。
【0026】
ガラス塊成形中にガラスが受ける加速度を低減する上記方法は、ガラス塊を高生産性のもとに製造する状況で特に有効である。そのため、引上量を80kg/日以上、200kg/日以下の範囲とし、カッティングタイムを0.1秒以上、0.25秒以下とすることが好ましく、0.15〜0.2秒とすることがより好ましい。なお、上記引上量を1分あたりの溶融ガラスの流下スピードに換算すると、55g/分〜139g/分となる。この引上量を溶融ガラスの流出速度にすると、4.5cm/秒〜10.5cm/秒の範囲になる。
流出ノズルより流下する溶融ガラスの粘度は、溶融ガラス供給部の温度を制御することによって30〜2ポアズの範囲にすることが好ましく、20〜2ポアズの範囲にすることがさらに好ましい。
【0027】
ガラス塊成形部が配列されている円周の半径、ガラス塊成形部の数(セクション数)、カッティングタイムを上記の範囲にすることによって、ガラス塊成形時にガラスが受ける最大加速度を3.14〜9.4m/秒(ただし、重力加速度分を除く)といった好ましい範囲内に抑えることができる。
本発明の製造方法は、0.3gの比較的軽量なガラス塊から30g程度の比較的大きな重量のガラス塊を生産するのに適している。特にガラス塊成形中にガラスが受ける加速度を低減することによって、2.0〜30gの範囲の比較的重量の大きなガラス塊を折れ込みなどの欠陥ができないように良好に成形することができる。さらに重量の大きなガラス塊は冷却しにくく、キャストからテイクアウトまでの時間を充分にとれなかった従来の方式では、テイクアウト以降においてガラス塊が変形したり、融着することがあったが、セクション数を増やすことによって0.3〜0.8gと比較的重量が小さく、DPMが180〜150程度の効率で生産する場合でも、キャストからテイクアウトまで充分な冷却時間をとることができる。
【0028】
上記本発明の第1〜3のいずれかの態様の製造方法により製造されたガラス塊は、バレル研磨加工することによりプレス成形用素材とすることができる。具体的には、溶融ガラスから成形されたガラス塊はアニールされた後、バレル研磨されて表面を粗面化されて、プレス成形用素材となる。バレル研磨加工は、常法で行うことができる。また、溶融ガラスからプレス成形用素材を作製するまでの一連の工程は、大気中で行うことができる。
【0029】
さらに、上記の方法により製造されたプレス成形用素材は、加熱され、プレス成形してガラス成形品とすることができる。この際、プレス成形用素材は、必要に応じて表面に窒化ホウ素などの粉末状離型剤が塗布される。プレス成形用素材は、プレス成形可能な粘度、例えば104〜106ポアズになるまで再加熱され、プレス成形型によって加圧成形され、プレス成形品となる。この時、プレス成形型の温度は600〜750℃に調温しておくことが好ましい。プレス成形の条件やプレス成形型は、常法及び公知の物を用いることができる。
【0030】
さらに上記の方法により製造されたガラス成形品に研削、研磨加工を施するこで、光学素子を得ることができる。即ち、プレス成形品の表面に研削、研磨加工が施されて凸レンズ、凹レンズ、メニスカスレンズなどの各種レンズやプリズムなどの各種光学素子のような最終製品に仕上げられる。このような、最終製品の形状に近似したプレス成形品を作製し、研削、研磨加工による仕上げを行って最終製品を得るためのプレス成形方法は、再加熱、プレス成形の一連の工程を大気中で行うことができる。
【0031】
上記本発明の第1〜3のいずれかの態様の製造方法により製造されたガラス塊はバレル研磨せずに精密プレス成形用素材として使用することもできる。精密プレス成形では、ガラス塊の再加熱、プレス成形型によるプレス成形は窒素雰囲気などの非酸化性雰囲気中で行うことか好ましい。またプレス成形時のガラスの粘度は108ポアズ程度で行うことが好ましい。精密プレス成形ではプレス成形型の成形面の形状を精密にガラスに転写して、プレス成形後にガラスに研削、研磨加工を施さなくても光学素子などの高い形状精度を備えたガラス成形品が得られる。
【0032】
本発明の製造方法及び装置の実施において使用されるガラスは、流出ノズルより安定して流出し、キャスト、成形時に失透することがない安定したガラスであればよい。また降下切断法を適用する場合は、降下切断によってガラスが糸を引くことなく、良好な分離ができるものであればよい。このような条件を満たすものとして、SiO2−TiO2系光学ガラス、B23−ZnO−La23系光学ガラスなど各種光学ガラスを例示することができる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに説明する。
(実施例1〜5、比較例1〜5)
23−ZnO−La23系光学ガラスおよびSiO2−TiO2系光学ガラスの2種類の溶融ガラスを用意した。そして大気中において、これら溶融ガラスを白金合金製の流出ノズルから連続流下させて、その溶融ガラスを順次、カーボン製のガラス塊成形型の上面に設けられたガラス塊成形部で受けて、これを浮上成形し、ガラス塊を成形した。溶融ガラスの流出時の粘度は、B23−ZnO−La23系光学ガラスが10ポアズおよびSiO2−TiO2系光学ガラスが5ポアズであった。なお、実施例1、2で使用した成形装置は図1に図示された上記のガラス塊成形装置である。
【0034】
実施例1はB23−ZnO−La23系光学ガラスが得られる溶融ガラスからガラス塊を成形したものであり、実施例2はSiO2−TiO2系光学ガラスが得られる溶融ガラスからガラス塊を成形したものである。実施例1および2では、上面に2つのガラス塊成形部を備えた36個のガラス塊成形型を使用し、ガラス塊成形部の総数すなわちセクション数を72とした(ガラス塊成形部の1回の間欠周回動距離は2.2cmである)。実施例1では36DPMの生産スピードで、実施例2では173DPMの生産スピードでいずれも折れ込み、脈理などの欠陥のないガラス塊を生産することができた。
【0035】
これに対して、実施例1と同じ生産スピードでB23−ZnO−La23系光学ガラスが得られる溶融ガラスからガラス塊を従来の方法で成形したものが比較例1である。比較例1では1個につきガラス塊成形部を1つ備えたガラス塊成形型を36個使用し、36セクションでターンテーブルが1回転するようにした(ガラス塊成形部の1回の間欠周回動距離は4.4cmである)。なお、ターンテーブルの回転中心と各ガラス塊成形部の中心の距離は、実施例1、比較例1とも25cmにしてある。このような条件でガラス塊成形を行ったところ、折れ込み、脈理などの欠陥がガラス塊に発生してしまい、歩留まりが低下してしまった。
【0036】
次に比較例2としてSiO2−TiO2系光学ガラスが得られる溶融ガラスからガラス塊を従来の方法で成形したものが比較例2である。比較例2では1個につきガラス塊成形部を1つ備えたガラス塊成形型を36個使用し、36セクションでターンテーブルが1回転するようにした(ガラス塊成形部の1回の間欠周回動距離は4.4cmである)。なお、ターンテーブルの回転中心と各ガラス塊成形部の中心の距離は、実施例2、比較例2とも25cmにしてある。このような条件でガラス塊成形を行ったところ、比較例2ではテイクアウト時のガラス塊が充分冷却されていないため、テイクアウト後、ガラス塊同士の貼付が発生してしまった。
【0037】
同様に、実施例3〜5について表1に示す条件で成形を行ったところ、良好にガラス塊を製造することができたが、比較例3〜5に示す条件で成形を行ったところ、良好なガラス塊の製造はできなかった。(実施例5及び比較例5におけるガラス塊成形部の1回の間欠周回動距離はそれぞれ2.2及び4.4cmである。)
このように従来の方法によって、折れ込み、脈理などの欠陥が発生したり、ガラス塊同士の貼付がおきるような成形でも、本実施例によれば重量0.4〜2.5gのおはじき状の良好なガラス塊成形を行うことができた。
【0038】
【表1】
Figure 0003945995
【0039】
(実施例6)
実施例1〜5で得られたガラス塊を大気中においてさらにアニールした後、室温まで冷却した。そしてこのガラス塊にバレル研磨を施して、表面を一様に粗面化し、プレス成形用素材とした。このプレス成形用素材に窒化硼素の粉末状離型剤を一様に塗布した後、大気中において、ガラスの粘度が104〜106ポアズの範囲なる温度まで加熱して、超硬合金製の金型を用いてプレス成形し、目的とする最終製品であるメニスカスレンズの形状に近似するレンズブランクを得た。そして、このレンズブランクに研削、研磨加工を施してメニスカスレンズに仕上げた。
なお、金型成形面の形状を適宜選択して、他の形状のレンズ、あるいはプリズムなどのレンズ以外の光学部品のブランクをプレス成形することができる。そしてこれらのブランクに研削、研磨加工を施し最終製品を得ることができる。
なお、最終製品である光学素子には必要に応じて光学薄膜を成膜することもできる。
【0040】
(実施例7)
次に、屈伏点が600℃以下の光学ガラスが得られる溶融ガラスを準備し、実施例1のガラス塊成形装置を用いて、ガラス塊を成形した。得られたガラス塊をアニールし、室温まで冷却した。なお、ここまでの工程は大気中で行われる。次に、このガラス塊を窒素雰囲気中においてガラスの粘度が108ポアズ程度になる温度まで加熱し、加熱軟化したガラスをプレス成形型を用いて窒素雰囲気中で精密プレス成形し、プレス成形型の成形面をガラスに精密に転写した。このような方法により非球面レンズを得た。このような精密プレス成形では、プレス成形後に研削、研磨加工を施さずに非球面レンズなどの光学素子を得ることができる。
なお、得られた光学素子には必要に応じて光学薄膜を成膜することもできる。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、溶融ガラスから外観不良のないガラス塊を生産性よく作製するためのガラス塊の製造方法およびガラス塊成形装置を提供できる。
さらに上記ガラス塊をプレス成形用の素材として用いて、例えばレンズのような光学部品等のプレス成形品を作製するガラス成形品の製造方法、並びにこのガラス成形品に研削、研磨加工を施して最終製品である光学部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のガラス塊成形装置の側面図。
【図2】 本発明のガラス塊成形装置の概略平面図。
【図3】 本発明のガラス塊成形装置で用いるガラス塊成形型の断面図。

Claims (13)

  1. 溶融ガラス塊を、間欠周回動をするガラス塊成形部において成形、冷却してガラス塊とする、溶融ガラス塊からガラス塊を製造する方法であって、
    前記ガラス塊成形部の1回の間欠周回動時間が0.1秒以上、0.25秒以下であり、かつ
    前記ガラス塊成形部の1回の間欠周回動距離が0.8〜cmであることを特徴とするガラス塊の製造方法。
  2. ガラス塊成形部を間欠周回動させて溶融ガラスキャスト位置へ搬送して溶融ガラスを供給し、次いで前記ガラス塊成形部において溶融ガラス塊を成形、冷却してガラス塊とする、溶融ガラス塊からガラス塊を製造する方法であって、
    複数のガラス塊成形部が円周上に等間隔に設けられ、前記複数のガラス塊成形部を上記円周上に沿って間欠周回動させ得る装置であって、上面に溶融ガラスを受けてガラス塊を成形するガラス塊成形部を複数箇所備えたガラス塊成形型を、ガラス塊成形部が前記円周上に等間隔になるように配列した装置を用い、かつ、
    前記間欠周回動を、同一成形型上の複数のガラス塊成形部のうちの1つのガラス塊成形部への溶融ガラスの供給の終了後、同一成形型上の他のガラス塊成形部を溶融ガラス供給位置に搬送するように行う、前記方法。
  3. 前記ガラス塊成形型は、上下運動機構を有する請求項2に記載の方法。
  4. 前記周回動の半径が20〜40cmであり、前記ガラス塊成形部の数は36〜144である請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 流出ノズルより溶融ガラスを連続して排出し、前記溶融ガラスから得られる所定量の溶融ガラス塊をガラス塊成形部に供給することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  6. 粘度が30〜2ポアズの範囲にある溶融ガラスを流出ノズルより排出することを特徴とする請求項に記載の方法。
  7. 前記ガラス塊が精密プレス成形用素材であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法に使用するためのガラス塊成形装置であって、
    回転軸の周りに間欠回転動するターンテーブル及び前記ターンテーブル上に設けられたガラス塊成形型を有
    前記ガラス塊成形型は、その上面に溶融ガラスを受けてガラス塊を成形するガラス塊成形部を複数箇所有し、かつ、
    前記ガラス塊成形型は、前記ガラス塊成形部がターンテーブルの回転軸を中心とする円周上に等間隔に配列されるように、ターンテーブル上に設けられることを特徴とする、前記ガラス塊成形装置。
  9. 前記円周の半径が20〜40cmであり、かつ前記ガラス塊成形部の数が36〜144である請求項に記載のガラス塊成形装置。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の方法により製造されたガラス塊をバレル研磨加工することを特徴とするプレス成形用素材の製造方法。
  11. 請求項10に記載の方法により製造されたプレス成形用素材を加熱し、プレス成形してガラス成形品を得ることを特徴とするガラス成形品の製造方法。
  12. 請求項11に記載の方法により製造されたガラス成形品に研削、研磨加工を施して光学素子を得ることを特徴とする光学素子の製造方法。
  13. 請求項に記載の方法により製造された精密プレス成形用素材を加熱軟化し、精密プレス成形することを特徴とする光学素子の製造方法。
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