JP4309858B2 - ガラス塊製造装置、ガラス塊の製造方法、および光学素子の製造方法 - Google Patents

ガラス塊製造装置、ガラス塊の製造方法、および光学素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高品質な光学素子を製造するために用いられるガラス塊を製造する装置および方法、ならびに前記装置または方法により作製されたガラス塊から光学素子を製造する方法に関する。
デジタルカメラ、カメラ付携帯電話など多様な撮像機器の普及に伴い、これら機器に使用されるガラス製レンズの需要が高まっている。このような機器では、少ない枚数のレンズで、または小型のレンズで高画質の映像を撮影するための非球面レンズや小型のレンズが求められている。上記のようなレンズを高い生産性のもとに提供するため、ガラスの精密プレス成形法が採用されている。
精密プレス成形法では、プレス成形品と等量の高品質なガラスからなるプリフォームと呼ばれる予備成形体を作製し、このプリフォームを加熱してプレス成形型でプレスし、プレス成形型の成形面の形状を精密にガラスに転写する。この方法における生産性は、精密プレス成形工程の生産性に加え、プリフォームの製造工程の生産性に左右される。
一般に、プリフォームの作製法は、熔融ガラスを鋳型に流し込んでガラスブロックを成形して後、ガラスブロックを切断してガラス片とし、このガラス片を研削、研磨する冷間加工法と呼ばれる方法、熔融ガラスからプリフォーム1個分の熔融ガラス塊を分離し、ガラスが冷却する過程でプリフォームに成形する熱間成形法と呼ばれる方法がある(特許文献1参照)。熱間成形法は、熔融ガラスから直接プリフォームを作製するため、冷間加工法よりも高い生産性を有するものである。
特開2003−40632号公報
熱間成形法は上記のように優れた方法ではあるが、冷間加工法に比べて高い技術力を必要とする。例えば、超低分散のフツリン酸ガラスからなるプリフォームを成形する場合、成形中に高温のガラス表面においてガラス中のフッ素が雰囲気と反応して揮発し、プリフォーム表面に脈理が発生することがある。このようなプリフォームからレンズを成形するとレンズ表面に光学的に不均質な部分が生じて性能を低下させてしまう。また、アルカリ金属成分やB23成分を含むガラスで、熔融ガラスを流出する際の温度が高い場合、アルカリ金属成分やB23成分の揮発により成形したプリフォームに脈理が発生してしまう。このような脈理発生によるプリフォームの生産性低下の問題を解決するためは、各種ガラスに適した脈理低減対策が必要になる。
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、熱間成形法において脈理が低減されたガラス塊の製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
更に、本発明は、上記装置または方法を用いて脈理を低減したガラス塊をプリフォームとし、該プリフォームを精密プレス成形して高品質な光学素子を製造し得る光学素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する手段は、以下の通りである。
[1] 複数のゴブ成形型と、前記ゴブ成形型を移送する装置を備え、前記複数のゴブ成形型は、順次、熔融ガラスをゴブ成形型にキャストする領域(以下、「キャスト領域」という。)から、キャストした熔融ガラスをゴブ成形型上で保持しながら冷却しガラス塊に成形する領域(以下、「成形領域」という。)、ゴブ成形型から成形したガラス塊を取り出す領域(以下、「取り出し領域」という。)を経由して、前記キャスト領域へ循環、移送され、前記移送の間に、前記熔融ガラスのキャスト、ガラス塊への成形、およびガラス塊の取り出しの各工程を、各ゴブ成形型について順次繰り返し行ってガラス塊を量産するガラス塊製造装置において、
前記キャスト領域、成形領域または取り出し領域におけるゴブ成形型上のガラスが晒される雰囲気を、少なくとも1つの他の領域の雰囲気に対して独立に制御する雰囲気制御機構と、
上部が開口し、ゴブ成形型毎にゴブ成形型を収容した状態で前記成形型とともに移動する収容カバーと、
前記独立して雰囲気制御される領域において前記収容カバーの開口部分を覆って収容カバー内部の気密性を高める上部カバーと、
前記収容カバー内に雰囲気ガスを供給するガス供給器と
を備えることを特徴とするガラス塊製造装置。
[2] 前記独立に雰囲気制御される領域は、成形領域である[1]に記載のガラス塊製造装置。
[3] 前記独立に雰囲気制御される領域は、キャスト領域である[1]に記載のガラス塊製造装置。
[4] 前記独立に雰囲気制御される領域は、取り出し領域である[1]に記載のガラス塊製造装置。
[5] 複数のゴブ成形型と、前記ゴブ成形型を移送する装置を備え、前記複数のゴブ成形型は、順次、熔融ガラスをゴブ成形型にキャストする領域(以下、「キャスト領域」という。)から、キャストした熔融ガラスをゴブ成形型上で保持しながら冷却しガラス塊に成形する領域(以下、「成形領域」という。)、ゴブ成形型から成形したガラス塊を取り出す領域(以下、「取り出し領域」という。)を経由して、前記キャスト領域へ循環、移送され、前記移送の間に、前記熔融ガラスのキャスト、ガラス塊への成形、およびガラス塊の取り出しの各工程を、各ゴブ成形型について順次繰り返し行ってガラス塊を量産するガラス塊製造装置において、
前記成形領域を複数に区分し、該複数の区分の少なくとも一区分におけるゴブ成形型上のガラスが晒される雰囲気を、少なくとも1つの他の区分および/または少なくとも1つの他の領域の雰囲気に対して独立に制御する雰囲気制御機構と、
上部が開口し、ゴブ成形型毎にゴブ成形型を収容した状態で前記成形型とともに移動する収容カバーと、
前記独立して雰囲気制御される区分または領域において前記収容カバーの開口部分を覆って収容カバー内部の気密性を高める上部カバーと、
前記収容カバー内に雰囲気ガスを供給するガス供給器と、
を備えることを特徴とするガラス塊製造装置。
[6] 前記雰囲気制御機構は、ゴブ成形型上のガラスが晒される雰囲気を前記区分毎に独立して制御する[5]に記載のガラス塊の製造装置。
[] ゴブ成形型の移送により、各収容カバーの開口部分の高さが一定に維持されるように収容カバーの高さが設定され、
ゴブ成形型の移送とともに、前記上部カバーの下面を収容カバーがスライドして、前記独立して雰囲気制御される区分または領域における収容カバー内の気密性が維持されることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載のガラス塊製造装置。
[] 複数のゴブ成形型を、順次、熔融ガラスをゴブ成形型にキャストする領域(以下、「キャスト領域」という。)から、キャストした熔融ガラスをゴブ成形型上でガラス塊に成形する領域(以下、「成形領域」という。)、ゴブ成形型から成形したガラス塊を取り出す領域(以下、「取り出し領域」という。)を経由して、前記キャスト領域へ循環、移送し、前記移送の間に、前記熔融ガラスのキャスト、ガラス塊への成形、およびガラス塊の取り出しの各工程を、各ゴブ成形型について順次繰り返し行ってガラス塊を量産するガラス塊の製造方法において、
[1]〜[4]および[7]のいずれかに記載のガラス塊製造装置を用いて、前記キャスト領域、成形領域または取り出し領域におけるゴブ成形型上のガラスが晒される雰囲気を、少なくとも1つの他の領域の雰囲気に対して独立に制御することを特徴とするガラス塊の製造方法。
[] 複数のゴブ成形型を、順次、熔融ガラスをゴブ成形型にキャストする領域(以下、「キャスト領域」という。)から、キャストした熔融ガラスをゴブ成形型上でガラス塊に成形する領域(以下、「成形領域」という。)、ゴブ成形型から成形したガラス塊を取り出す領域(以下、「取り出し領域」という。)を経由して、前記キャスト領域へ循環、移送し、前記移送の間に、前記熔融ガラスのキャスト、ガラス塊への成形、およびガラス塊の取り出しの各工程を、各ゴブ成形型について順次繰り返し行ってガラス塊を量産するガラス塊の製造方法において、
[5]〜[7]のいずれかに記載のガラス塊製造装置を用いて、前記成形領域を複数に区分し、該複数の区分の少なくとも一区分におけるゴブ成形型上のガラスが晒される雰囲気を、少なくとも1つの他の区分および/または少なくとも1つの他の領域の雰囲気に対して独立に制御することを特徴とするガラス塊の製造方法。
[10] [1]〜[7]のいずれかに記載の装置を用いてガラス塊を作製し、または[8]もしくは[9]に記載の製造方法によりガラス塊を作製し、作製したガラス塊を加熱して精密プレス成形する光学素子の製造方法。
本発明によれば、熱間成形法を用いて脈理が低減されたガラス塊を製造することができる。更に、本発明によれば、前記脈理が低減されたガラス塊をプリフォームとして用い、高品質な光学素子を製造することができる。
以下、本発明について更に詳細に説明する。

[ガラス塊製造装置]
本発明の第一のガラス塊製造装置(以下、「装置1」ともいう)は、
複数のゴブ成形型と、前記ゴブ成形型を移送する装置を備え、前記複数のゴブ成形型は、順次、熔融ガラスをゴブ成形型にキャストする領域(キャスト領域)から、キャストした熔融ガラスをゴブ成形型上で保持しながら冷却しガラス塊に成形する領域(成形領域)、ゴブ成形型から成形したガラス塊を取り出す領域(取り出し領域)を経由して、前記キャスト領域へ循環、移送され、前記移送の間に、前記熔融ガラスのキャスト、ガラス塊への成形、およびガラス塊の取り出しの各工程を、各ゴブ成形型について順次繰り返し行ってガラス塊を量産するガラス塊製造装置において、
前記キャスト領域、成形領域または取り出し領域におけるゴブ成形型上のガラスが晒される雰囲気を、少なくとも1つの他の領域の雰囲気に対して独立に制御する雰囲気制御機構を備えることを特徴とするガラス塊製造装置
である。
本発明の第二のガラス塊製造装置(以下、「装置2」ともいう)は、
複数のゴブ成形型と、前記ゴブ成形型を移送する装置を備え、前記複数のゴブ成形型は、順次、熔融ガラスをゴブ成形型にキャストする領域(キャスト領域)から、キャストした熔融ガラスをゴブ成形型上で保持しながら冷却しガラス塊に成形する領域(成形領域)、ゴブ成形型から成形したガラス塊を取り出す領域(取り出し領域)を経由して、前記キャスト領域へ循環、移送され、前記移送の間に、前記熔融ガラスのキャスト、ガラス塊への成形、およびガラス塊の取り出しの各工程を、各ゴブ成形型について順次繰り返し行ってガラス塊を量産するガラス塊製造装置において、
前記成形領域を複数に区分し、該複数の区分の少なくとも一区分におけるゴブ成形型上のガラスが晒される雰囲気を、少なくとも1つの他の区分および/または少なくとも1つの他の領域の雰囲気に対して独立に制御する雰囲気制御機構を備えることを特徴とするガラス塊製造装置
である。なお、本発明において雰囲気の制御とは雰囲気ガスの種類、混合ガスを構成するガス毎の分圧、雰囲気の圧力を所望の状態にコントロールすることを意味する。
装置1および2はいずれも、複数のゴブ成形型と、前記ゴブ成形型を移送する装置を備え、前記複数のゴブ成形型は、順次、熔融ガラスをゴブ成形型にキャストする領域(キャスト領域)から、キャストした熔融ガラスをゴブ成形型上で保持しながら冷却しガラス塊に成形する領域(成形領域)、ゴブ成形型から成形したガラス塊を取り出す領域(取り出し領域)を経由して、前記キャスト領域へ循環、移送され、前記移送の間に、前記熔融ガラスのキャスト、ガラス塊への成形、およびガラス塊の取り出しの各工程を、各ゴブ成形型について順次繰り返し行ってガラス塊を量産するガラス塊製造装置である。このように熱間成形法によりガラス塊を製造する場合には、易揮発成分が揮発することにより、ガラス塊に表面脈理が発生するおそれがある。表面脈理を低減するためには、易揮発成分が揮発しにくい雰囲気中(例えば高圧、窒素雰囲気等)で成形を行うことが好ましい。しかし、例えばガラス塊の製造装置全体を雰囲気調整用のチャンバーで囲んで、該チャンバー内の圧力を高めると、ノズルからの熔融ガラス流の流出が妨げられ、熔融ガラスのキャストが困難となる。また、前述のように装置全体を雰囲気調整用のチャンバー内に収容して雰囲気制御すると、ガラス塊取り出し時にはチャンバーの雰囲気が大気に晒されることとなる。しかし、このように一旦チャンバー内の雰囲気制御が解除されるとチャンバー内の雰囲気を再度制御する操作が必要となって操作が煩雑となり、生産性が低下する。
そこで、装置1は、キャスト領域、成形領域または取り出し領域におけるゴブ成形型上のガラスが晒される雰囲気を、少なくとも1つの他の領域の雰囲気に対して独立に制御する雰囲気制御機構を備える。これにより、例えば成形領域を他の領域(キャスト領域、取り出し領域)から独立に、揮発を抑制し得る雰囲気に制御することができ、脈理の低減されたガラス塊を高い生産性で製造することができる。
装置1において、独立に雰囲気制御される領域は、成形領域、キャスト領域、および/または取り出し領域であることができる。特に、脈理低減のためには、成形領域を他の領域に対して独立に雰囲気制御することが好ましい。また、キャスト領域は、キャストに好適な雰囲気に制御することが好ましい。取り出し領域は、取り出しに好適な雰囲気に制御することができ、また、後述するように大気に開放することもできる。
また、装置2は、複数に区分された成形領域の少なくとも一区分におけるゴブ成形型上のガラスが晒される雰囲気を、少なくとも1つの他の区分および/または少なくとも1つの他の領域の雰囲気に対して独立に制御する雰囲気制御機構を備えている。これにより、成形領域においてガラスが晒される雰囲気を細分化された区分毎に独立して制御することができ、また、成形領域以外の領域(キャスト領域、取り出し領域)の雰囲気ガスの混入等により成形領域の雰囲気が変動することを回避することができる。特に、脈理低減のためには、装置2においてゴブ成形型上のガラスが晒される雰囲気を、前記区分毎に独立して制御することが好ましい。
このように、成形装置内の少なくとも1つの領域または区分を他の領域または区分に対して独立して雰囲気制御することにより、成形装置全体を雰囲気調整用のチャンバーで囲んで雰囲気制御する場合に比べ、ガス置換する容積が著しく小さいので、雰囲気ガス置換を短時間に達成できる。
また、キャスト領域と成形領域の雰囲気を共通にした場合、成形領域の雰囲気ガスの圧力を高めるとキャスト領域における雰囲気ガスの圧力も高くなってしまう。その結果、ノズルまたはパイプ内の熔融ガラスに加わる圧力が増加して熔融ガラスの流出量が設定値からずれてしまう。流出量が変化すると、流出するガラスが失透してしまったり、ガラス塊の質量がずれるなどの不具合が生じる場合がある。それに対し、本発明によれば、成形領域とは独立にキャスト領域の雰囲気ガス圧力をガラスの流出に適した範囲にすることができるので、ガラス塊の表面脈理を低減するために成形領域の雰囲気ガスの圧力を増加してもガラスの失透やガラス塊の質量精度が低下することを防止することができる。
また、成形領域の雰囲気を乾燥ガスや窒素ガスなどの大気以外のガスとしつつ、ガラス塊のゴブ成形型からの取り出しを大気中で行うことができ、作業性を損なうことなくガラス塊を製造することができる。
次に、装置1、装置2の具体的態様を、図面に基づき説明する。但し、本発明はこの態様に限定されるものではない。
図1(a)は、回転駆動機構を有する、ゴブ成形型を載置したターンテーブル(以下、テーブルという。)上に案内板および上部カバーがこの順に装着された成形装置の平面視図であり、図1(b)は、キャスト領域に停留するゴブ成形型とノズルの概観を示す側面図であり、図1(c)は、成形領域にあるセクションで停留するゴブ成形型とその周辺の概観を示す側面図である。図1に示す装置を水平展開した断面図を図3に示す。但し、図3では成形領域のセクションを一部図示せず省略している。図1に示す装置では、回転駆動機構により、テーブルがインデックス回転する。インデックス回転は、テーブル上のゴブ成形型の数と同数の停留位置(以下、セクションという。)にテーブル上のゴブ成形型を同時に移送して所定の時間停留させ、その後、次の停留位置に上記ゴブ成形型を同時に移送するという動作を順次行うようテーブルを一方向に回転させるものである。複数のセクションのうち一つをキャスト領域に割り当て、他の一つを取り出し領域に割り当てる。キャスト領域からテーブルの回転方向に向かって取り出し領域に至るまでのゴブ成形型の移送経路の少なくとも一部が成形領域に相当する。テーブルの回転方向に沿ってキャスト領域と取り出し領域の間のセクション数は、取り出し領域にガラス塊が至るまでに、ガラス塊がゴブ成形型から取り出す際の外力によって変形しない状態にまで冷却されるように設定することが好ましい。
図1に示す装置は、上記テーブル上に後述する案内板および上部カバーがこの順に装着されている。図2に、上部カバーを外した装置の概略図(案内板が露出した状態)に示す。案内板はテーブルのインデックス回転に付随して移動するのに対し、上部カバーは固定されておりテーブルがインデックス回転しても動かない。これにより、後述するように、ゴブ成形型の移送時にも収容カバー内の気密性を維持することができる。また、図2に示すように、収容カバー内に型ヒーターを配置し、ゴブ成形型の温度制御を行うこともできる。
キャスト領域のセクション上方には、清澄、均質化した熔融ガラスを蓄積する容器から熔融ガラスを流下するパイプとその下端部分に相当するノズルを配置し、図1(b)に示すように、熔融ガラスを流出するノズル流出口がキャスト領域に停留するゴブ成形型の凹部中心の鉛直上方に位置するように両者の位置を調整する。ゴブ成形型の凹部は熔融ガラスを受けるとともにガラスを安定して運び、ガラス塊に成形する成形部の役割を有する。
図1に示す態様では、流出パイプ側面は保温材に包まれており、その保温材の下部に石英ガラスからなる円筒状のカバーがノズルを収容するように配置されている(図1(b)参照)。石英ガラスカバーの外周にはヒーター(高周波コイル)が巻かれており、コイルに高周波電流を流してそれぞれ白金合金製のノズルとパイプ下部を高周波誘導加熱している。こうして、キャスト領域を、他の領域の雰囲気に対して独立に雰囲気制御することができる。
本態様では、ゴブ成形型毎に、図1(b)に示すようにゴブ成形型を収容した状態で前記成形型とともに移動する収容カバーを設ける。収容カバーは上部が開口しており、側面に雰囲気ガスの導入口を有する。収容カバーの下端はゴブ成形型を支持するとともにテーブルに固定されているゴブ成形型支持台の下部側面にO−リング等で密着固定されており、収容カバー上部開口を塞いだ状態で収容カバー内の気密性が保たれるようになっている。
本態様のガラス塊製造装置は、図1(b)に示すように案内板の上に上部カバーを備えている。上部カバーは、複数の開口が同一円周上に配置されたドーナツ円盤状の平板である。この平板の底面は水平に配置されて固定されている。上部カバーの開口には、ガス導入管を装着することができ、また、内部が観察可能な窓材を装着することもでき、例えば取り出し領域においてはいずれも装着せず開放することもできる。ここで、ゴブ成形型の移送により、各収容カバーの開口部分の高さが一定に維持されるように収容カバーの高さを設定すれば、ゴブ成形型とともに収容カバーを移送してもすべての収容カバーの上部開口部分は同一平面内を移動する。こうすれば、収容カバーが移動する際、収容カバーの開口部分が常に覆われるため、独立に雰囲気制御された領域または区分における収容カバー内を気密性の高い状態に保つことができる。このような構造により、成形領域をさらに細分化し、ガラスが晒される雰囲気を細分化されたセクション毎に独立して制御することができ、また、次のセクションに移動する際にガラスが晒される雰囲気に大気が混入することを防ぐこともできる。
上記態様では、収容カバーが移動する際、平板底面、すなわち上部カバーの下面において収容カバーの開口部分がスライドするため、上部カバー下面内を前記開口部が摺動することになる。この摺動を円滑にするとともにスライドによって収容カバー内の気密性が低下しないよう、上部カバー下面および/または収容カバーの摺動部分にシール材を取り付けることが望ましい。例えば、収容カバーと上部カバーをステンレス製とし、収容カバーの開口部分にアルミニウム製のシール材を取り付けることにより、摺動を円滑にするとともに、スライド時における収容カバー内の気密性低下を防止することができる。
上記スライドをより安定して行い高い気密性を保つため、ゴブ成形型の数に相当する開口を有し、各開口に収容カバー開口縁が取り付けられ、上面が平面となっている案内板(例えばドーナツ円板状)を備えることが好ましい。案内板は収容カバーとともに移動し、案内板の上面はすべての収容カバーの上部開口部分を含む平面と面接触を保った状態でインデックス回転することで高い気密性を保つことが可能となる。また案内板を上述したシール材とすることもできる。
図1(c)に示すように、成形領域では、前述の収容カバーが、ゴブ成形型の外側を囲んでおり、収容カバーの開口部分は収容カバー内部の気密性を高めるために上部カバーによって覆われている。前述のように、上部カバーはゴブ成形型を移送しても動かず、固定されている。収容カバー内、すなわち収容カバーと上部カバーで覆われた空間に雰囲気ガスを供給するために、上部カバーの成形型停留位置にガス導入管を設置することができる。
図1に示す態様では、図1(c)に示すように、停留するゴブ成形型凹部の鉛直上方にガス導入管を設置し、成形中のガラス近傍で雰囲気ガスの濃度が最も高くなるようにしている。また、雰囲気ガスをガラスに吹き付けることによりガラスの冷却を促進することができる。図1(c)に示す態様では、ガス導入管の内径が、雰囲気ガス供給口に向かうにつれて拡大するようにしている。後述するように成形中のガラスにはゴブ成形型凹部からガスを噴出して上向きの風圧を加え、凹部上に浮上または断続的に浮上させている。このような状態で雰囲気ガスをガラスに強く吹き付けると上記浮上状態が不安定になり、高品質なガラス塊を得る上から好ましくない。ガス導入管の内径を上記のように構成すれば、ガラスの浮上状態を不安定化することがなく好ましい。
図1に示した装置では、キャスト領域のセクションでは上部カバーがゴブ成形型上部を覆ってはいないが、上部カバーの平板の開口部に前述の石英ガラスからなる円筒状のカバー下端が取り付けられ、キャスト領域のセクションにおいて収容カバー内の気密性が高められている。また、図示されていないが、円筒状カバーには雰囲気ガスの導入口があり、カバー側からも雰囲気ガスが導入できる構造となっている。
図1に示した装置では、取り出し領域のセクションにおいて停留中のゴブ成形型上部は上部カバーで覆われていないため、ガラス塊の取り出しを円滑に行うことができるようになっている。取り出し領域において大気の流入を抑制するために、例えば、ガラス塊取り出しに連動してシャッターを設けることもできる。
テーブルの回転方向に沿って取り出し領域からキャスト領域の間の領域(以下、型戻し領域という。)においても上部カバーでゴブ成形型および収容カバー上部を覆うようにし、収容カバー内の気密性を高めるようにしてもよい。特に、キャスト領域において収容カバー内に雰囲気ガスが導入され、取り出し領域において収容カバー内の気密性が破られる場合、上記構造は有効である。この場合、図3に示すように、型戻し領域にもガス導入管付きの上部カバーを設けて収容カバー内の気密性を高め、キャスト領域で収容カバー内に導入する雰囲気ガスと同じガスを収容カバー内に大量導入することもできる。このようにすることでキャスト領域における収容カバー内の雰囲気ガス置換を短時間に達成できる。
熔融ガラスからガラスを冷却する過程でガラス塊を成形する方法では、一般に、ガラスを失透させないため熔融状態のガラスを急冷する。また、熔融ガラスはノズルから連続的に流出させなければならないという制約もある。従って、キャスト領域では空のゴブ成形型で次々と流出する熔融ガラスを受けないとガラス流出に対応したキャストができず、ゴブ成形型のキャスト領域への搬入、搬出を速やかに行うことが困難となる。本発明の装置によれば、このように速やかなゴブ成形型の搬入、搬出を行ってもキャスト領域と成形領域の雰囲気を独立して制御することができ、脈理の低減されたガラス塊を高い生産性で量産することができる。
雰囲気制御の自由度を大きくするには、テーブルの回転方向に沿ってキャスト領域から取り出し領域に至る各セクションにおいて、上部カバーや収容カバーにガス導入管を取り付けることが望ましい。また、キャスト領域と取り出し領域を除くすべてのセクションにおいて上部カバーを設け、各上部カバーにガス導入管を取付けることが望ましい。これらガス導入管には適宜、異種の雰囲気ガスを供給する雰囲気ガス供給器を設けてもよいし、同種の雰囲気ガスを供給してもよい。
なお、収容カバー内の気密性と供給時の雰囲気ガスの圧力や導入流量の関係により収容カバー内の圧力を高めることもできる。雰囲気圧力を高めることで、熔融ガラスからの成分揮発を抑制することが可能となり、結果として、ガラス表面で発生する脈理を抑制することが可能となる。
ガラス流出口や流出パイプは、例えば白金または白金合金から形成することができ、好ましくは1000℃前後に加熱されている。よって温度を保ち安定させるために、通常は耐火断熱材で包み保温される。耐火断熱材は、通常気孔率が高いバルク状やワタ状のものが使用される。従って、流出口周りを完全に気密容器化とすることは技術的に難しいため、キャスト領域内の内圧を大気圧より格段に高めることも技術的には難しい。そのため、キャスト領域と成形領域を一緒に気密容器内に入れて雰囲気を制御しようとすると、容器内の気密性を十分高めることは困難となる。それに対し、装置1によれば、成形領域における収容カバー内の気密性を十分高くすることや、収容カバー内の雰囲気の圧力を十分高めることが可能になる。
また、上部カバーにガス導入管を取り付ける場合は、前記ガス導入管を着脱自在にしておくことが望ましい。このような構造により雰囲気制御条件を変更したとき、別種の雰囲気ガス供給器からのガス導入管に切り替えることもできるし、上部カバーの開口に前記ガス導入管を取付ける代わりに窓材を取り付けて密閉し、窓材を取り付けたセクションでは収納カバー内の気密性を保ちつつ、内部の観察が可能な状態にしてもよいし、前記ガス導入管を取り付けずに収容カバー内を大気雰囲気にしてもよい。
雰囲気以外の成形条件、例えば、成形型の温度や熔融ガラスを浮上させるための浮上ガス流量等は、成形状態を目視しながら最適化することが好ましい。しかし、成形装置全体をチャンバー内に入れるような装置では、成形状態を真上から目視すること自体が困難になり、操作性が著しく悪くなってしまう。それに対し、装置1、2では、ガス導入管を外し、成形状態を真上から目視しながら雰囲気以外の成形条件を決定し、その後でガス導入管を装着し、雰囲気条件の最適化を行うことができる。
その他、ガラス塊製造装置が備え得る機能としては、ノズルから流出する熔融ガラスからガラス塊1個分に相当する質量の熔融ガラス塊を分離する機構が挙げられる。例えば、図1(b)に示すようにキャスト領域にゴブ成形型を停留させた後、ゴブ成形型を鉛直上方に上昇させノズル先端に所定の距離まで近づけて保持し、この状態でノズルから流出する熔融ガラス流の下端部をゴブ成形型凹部で受けて支持し、熔融ガラス流のノズル側と凹部側の間にくびれを形成する。そして所定のタイミングでゴブ成形型を鉛直下方に急降下することにより熔融ガラス流のくびれ部分でガラスの表面張力により分離がおき、上記凹部上に所定質量の熔融ガラス塊がキャストされる。この方法は降下切断法と呼ばれ、切断痕を残さずに熔融ガラス流を分離することができる方法である。急降下したゴブ成形型は上昇前の高さまで戻り、熔融ガラス塊を載せて次のセクション、さらにはそれ以降のセクションに水平方向に移送、循環使用される。但し、本発明で使用され得る熔融ガラスの分離法は降下切断法に限らず、キャスト領域に停留するゴブ成形型の凹部にノズルから熔融ガラス滴を滴下する方法でもよい。この場合、ゴブ成形型の上下動を行ってもよいし、行わなくてもよい。
熔融ガラス塊を成形型上で浮上させずに成形した場合、接触部分でガラスが局所的に急冷されて収縮してガラス塊にシワができてしまうおそれがある。また熔融ガラス塊が成形型と接触すると、ガラスの急冷によりカン割れと呼ばれる破損がおきてしまうこともある。このような不具合を防止するため、成形型上で熔融ガラス塊を浮上させてガラスを成形することが好ましい。浮上方法、ガス噴出口等の設計は、公知技術を採用することができる。例えば、前述のように、ゴブ成形型の凹部に凹部上のガラスに上向きの風圧を加えるためのガスを噴出するガス噴出口を設けることができる。なおガス噴出口を設ける代わりに、成形型の成形面を多孔質材料から形成し、成形面全体からガスを噴出させても良い。このガスは浮上ガスと呼ばれ、上記風圧を加えることでガラスを凹部上で浮上させることができる。浮上ガスは、雰囲気ガスと同種のガスとすることが望ましいが、目的に応じて変更することができる。また、雰囲気ガスの圧力を高める場合は、浮上ガスの圧力も高めてガラスの浮上が可能となる風圧を発生させるようにすることが好ましい。
取り出し領域におけるガラス塊のゴブ成形型からの取り出しは、ゴブ上面を吸引して取り出す方法等の一般的な方法を用いることができる。このようにして成形したガラス塊を徐冷してガラス塊を得ることができる。
本発明の装置は、装置全体を容器内に収容し雰囲気制御をする場合と違い、各領域または区分毎に適切な雰囲気制御をすることができる。また、収容カバーや上部カバーを取り外せば、全工程を大気中で行う通常の装置に簡単に戻すこともできる。さらに複数のゴブ成形型をテーブル上にセットして各成形型の高さなどを調整し、試運転を行って動作確認をした後、収容カバーや上部カバーを取り付けて雰囲気制御を開始すれば、ガラス塊製造前の準備作業を容易に行うこともできる。
[ガラス塊の製造方法]
次に本発明のガラス塊の製造方法について説明する。
本発明の第1のガラス塊の製造方法(以下、「製法1」ともいう。)は、
複数のゴブ成形型を、順次、熔融ガラスをゴブ成形型にキャストする領域(キャスト領域)から、キャストした熔融ガラスをゴブ成形型上でガラス塊に成形する領域(成形領域)、ゴブ成形型から成形したガラス塊を取り出す領域(取り出し領域)を経由して、前記キャスト領域へ循環、移送し、前記移送の間に、前記熔融ガラスのキャスト、ガラス塊への成形、およびガラス塊の取り出しの各工程を、各ゴブ成形型について順次繰り返し行ってガラス塊を量産するガラス塊の製造方法において、
前記キャスト領域、成形領域または取り出し領域におけるゴブ成形型上のガラスが晒される雰囲気を、少なくとも1つの他の領域の雰囲気に対して独立に制御することを特徴とするガラス塊の製造方法。である。
本発明の第2のガラス塊の製造方法(以下、「製法2」ともいう)は、
複数のゴブ成形型を、順次、熔融ガラスをゴブ成形型にキャストする領域(キャスト領域)から、キャストした熔融ガラスをゴブ成形型上でガラス塊に成形する領域(成形領域)、ゴブ成形型から成形したガラス塊を取り出す領域(取り出し領域)を経由して、前記キャスト領域へ循環、移送し、前記移送の間に、前記熔融ガラスのキャスト、ガラス塊への成形、およびガラス塊の取り出しの各工程を、各ゴブ成形型について順次繰り返し行ってガラス塊を量産するガラス塊の製造方法において、
前記成形領域を複数に区分し、該複数の区分の少なくとも一区分におけるゴブ成形型上のガラスが晒される雰囲気を、少なくとも1つの他の区分および/または少なくとも1つの他の領域の雰囲気に対して独立に制御することを特徴とするガラス塊の製造方法である。
そして、上記製法1は前述の装置1の使用例でもあり、製法2は前述の装置2の使用例でもある。
前述のように、易揮発性の物質を含むガラスからなるゴブを成形すると、高温のガラス表面から上記物質が揮発し、この物質の濃度が僅かに減少する。その結果、ガラス塊表面には表面脈理と呼ばれる光学的に不均質な部分ができてガラス塊の光学的な品質を低下させてしまう。易揮発性の物質として代表的なものはガラス成分として導入されるB23、Li2O、Na2O、K2Oなどのアルカリ金属酸化物、フッ素などである。特にフッ素の揮発は著しく、これまでフッ素含有ガラスからなる高品質なゴブを熔融ガラスから直接成形する大きな障害となっていた。
本出願人がこれまで独自に開発してきたガラス塊の脈理低減方法としては、乾燥雰囲気中で熔融ガラスを成形する方法、炭化水素を含む雰囲気中で熔融ガラスの流出を行い、ガラス塊1個分に相当する量の分離した熔融ガラス塊全表面を炭素膜で覆い、ガラス表面からの揮発を防止する方法がある。
また、易揮発性物質の雰囲気中における濃度を予め高めてガラス表面からの揮発を低減したり、雰囲気の圧力を高めて易揮発性物質の揮発を低減する方法などもある。
これらの方法を行うには、各工程における雰囲気を独立して制御することが望ましく、本発明の方法はこのような要求に応えるものである。
次に、雰囲気制御の具体例を説明する。
本発明において、成形領域または成形領域の少なくとも一区分の雰囲気をキャスト領域の雰囲気に対して独立に制御する例としては、以下の例が挙げられる;
(i)キャスト領域の雰囲気を窒素と炭化水素(例えばキシレン)の混合ガス雰囲気とし、成形領域を乾燥窒素ガスとしてフツリン酸塩ガラスからなるガラス塊を成形する方法;
(ii)キャスト領域の雰囲気を大気とし、成形領域の雰囲気の圧力を大気圧よりも高める方法。
成形領域または成形領域の少なくとも一区分の雰囲気を取り出し領域の雰囲気に対して独立に制御する例としては、以下の例が挙げられる;
(iii)取り出し領域における雰囲気を大気とし、成形領域の雰囲気を乾燥窒素ガスとする方法;
(iv)前記(iii)において乾燥窒素ガスの圧力を大気圧よりも高い圧力に制御する方法;
(v)取り出し領域における雰囲気を大気とし、成形領域の雰囲気に熔融ガラスを蓄積した容器内の雰囲気を導入する方法。
さらに、成形領域または成形領域の少なくとも一区分の雰囲気を、キャスト領域および取り出し領域の雰囲気に対して独立して制御する方法としては、上記各方法を組合せたものを例示できる。
さらに、成形領域の一区分におけるゴブ成形型上のガラスが晒される雰囲気を、成形領域の他の区分の雰囲気に対して独立に制御する例としては、以下の例が挙げられる;
(vi)熔融ガラス塊の量産を行う前に、成形領域中のキャスト領域直後の1つ(またはそれ以上)の区分において雰囲気制御を行わず、他の区分において易揮発成分の揮発を抑制するよう雰囲気制御を行う方法(これにより、雰囲気制御を行わない区分中の熔融ガラスの状態を雰囲気ガス供給器に取付けた窓材を介して目視で観察しながら、成形型の温度や熔融ガラス塊を浮上保持する浮上ガス流量を調整して成形条件を設定することができる)。
本発明の装置および方法に好適なガラスとしては、上記のようにフッ素含有ガラス、B23含有ガラス、アルカリ金属酸化物含有ガラスなどを例示できる。フッ素含有ガラスとしては例えばフツリン酸塩ガラスがあり、このガラスは超低分散ガラスとして光学素子材料として有用である。B23含有ガラスとしては、例えばLa23等の希土類酸化物を含有するガラスがあり、このガラスは高屈折率ガラスとして光学素子材料として有用である。アルカリ金属酸化物含有ガラスとしては、例えば燐酸塩ガラスなどがあり、高屈折率高分散ガラスあるいは低分散ガラスとして光学素子材料として有用である。
本発明の方法は、プレス成形用プリフォームの製法、特に精密プレス成形用プリフォームの製法として好適である。プレス成形用プリフォームでは比較的低温でプレス成形可能な性質、すなわち、低温軟化性が求められる。アルカリ金属酸化物は低温軟化性をガラスに付与するために導入される。特に精密プレス成形用途ではより低温で軟化する性質が求められるため、アルカリ金属酸化物、中でも非常に揮発しやすいLi2Oが導入されることが多い。
また精密プレス成形後に成形品のレンズ面などの光学機能面には機械加工を施さないので、プリフォーム表面の一部に脈理が存在すると、プレス成形品は不良品になってしまう。
このように、プレス成形用プリフォーム、特に精密プレス成形用プリフォームには全体にわたり高い品質が求められるため、本発明の製造方法を適用することが特に好ましい。
なお、ガラス塊を上記プリフォームとして用いる場合、ガラス塊の形状を球状、回転体状などにすることが望ましい。
球状のガラス塊を成形するには、前記した成形型の代わりに、例えば特許第2746567号明細書に記載のようなラッパ状のガス噴出口を有する成形型を用いれば良い。
先に説明したゴブ表面に炭素膜を形成した場合は、該酸化膜は、ガラス塊を大気中でアニールする際に酸化されて除去される。
その他の製法1、2の詳細については、先に装置1、2について説明した通りである。
[光学素子の製造方法]
次に本発明の光学素子の製造方法について説明する。
本発明の光学素子の製造方法は、本発明の装置を用いて作製したガラス塊または本発明の製造方法により作製したガラス塊を、加熱して精密プレス成形する光学素子の製造方法である。
精密プレス成形は、モールドオプティクス成形法とも呼ばれ、プレス成形によって光学機能面の形状を形成する方法であり、既に当該発明の属する技術分野においてはよく知られたものである。光学素子の光線を透過したり、屈折させたり、回折させたり、反射させたりする面を光学機能面と呼ぶ。例えばレンズを例にとると非球面レンズの非球面や球面レンズの球面などのレンズ面が光学機能面に相当する。精密プレス成形法は、プレス成形型の成形面を精密にガラスに転写することにより、プレス成形で光学機能面を形成する方法である。つまり光学機能面を仕上げるために研削や研磨などの機械加工を加える必要がない。
精密プレス成形法に使用するプレス成形型としては、公知のもの、例えば炭化珪素、超硬材料などの型材の成形面に離型膜を設けたものを用いることができる。中でも、炭化珪素製のプレス成形型を用いることが好ましい。離型膜としては、炭素含有膜、貴金属合金膜などを使用することができ、耐久性、コストの面などから、炭素含有膜を用いることが好ましい。
精密プレス成形法では、プレス成形型の成形面を良好な状態に保つため、成形時の雰囲気を非酸化性ガス雰囲気にすることが望ましい。非酸化性ガスとしては、窒素、窒素と水素の混合ガスなどを用いることが好ましい。
次に本発明の光学素子の製造方法に特に好適な精密プレス成形法について説明する。
(精密プレス成形法1)
この方法は、プレス成形型に前記プリフォームを導入し、前記成形型とプリフォームを一緒に加熱し、精密プレス成形するというものである(以下、精密プレス成形法1とういう)。
精密プレス成形法1において、プレス成形型と前記プリフォームの温度をともに、プリフォームを構成するガラスが106〜1012dPa・sの粘度を示す温度に加熱して精密プレス成形を行うことが好ましい。
また前記ガラスが1012dPa・s以上、より好ましくは1014dPa・s以上、さらに好ましくは1016dPa・s以上の粘度を示す温度にまで冷却してから精密プレス成形品をプレス成形型から取り出すことが望ましい。
上記の条件により、プレス成形型成形面の形状をガラスにより精密に転写することができるとともに、精密プレス成形品を変形することなく取り出すこともできる。
(精密プレス成形法2)
この方法は、前記プリフォームを加熱した後に、プレス成形型に導入し、精密プレス成形する、すなわち、プレス成形型とプリフォームを別々に予熱し、予熱したプリフォームをプレス成形型に導入して精密プレス成形するというものである(以下、精密プレス成形法2という)。
この方法によれば、前記プリフォームをプレス成形型に導入する前に予め加熱するので、サイクルタイムを短縮化しつつ、表面欠陥のない良好な面精度の光学素子を製造することができる。
なおプレス成形型の予熱温度をプリフォームの予熱温度よりも低く設定することが好ましい。このようにプレス成形型の予熱温度を低くすることにより、前記型の消耗を低減することができる。
また、この方法によれば、プリフォーム加熱をプレス成形型内で行う必要がないので、使用するプレス成形型の数を少なくすることもできる。
精密プレス成形法2において、前記プリフォームを構成するガラスが109dPa・s以下、より好ましくは109dPa・sの粘度を示す温度に予熱することが好ましい。
また、前記プリフォームを浮上しながら予熱することが好ましく、さらに前記プリフォームを構成するガラスが105.5〜109dPa・s、より好ましくは105.5dPa・s以上109dPa・s未満の粘度を示す温度に予熱することがさらに好ましい。
またプレス開始と同時またはプレスの途中からガラスの冷却を開始することが好ましい。
なおプレス成形型の温度は、前記プリフォームの予熱温度よりも低い温度に調温させるが、前記ガラスが109〜1012dPa・sの粘度を示す温度を目安にすればよい。
この方法において、プレス成形後、前記ガラスの粘度が1012dPa・s以上にまで冷却してから離型することが好ましい。
精密プレス成形された光学素子はプレス成形型より取り出され、必要に応じて徐冷される。また、レンズを成形した場合には、心取り加工を行ってもよい。
このようにして、本発明によれば、球面レンズ、非球面レンズ、マイクロレンズなどの各種のレンズ、回折格子、回折格子付のレンズ、レンズアレイ、プリズムなどの各種光学素子、用途としてはデジタルカメラやフィルム内蔵カメラの撮像光学系を構成するレンズ、カメラ付携帯電話搭載の撮像レンズ、CDやDVDをはじめとする光記録式媒体のデータ読取および/またはデータ書込み用に使用する光線を導光するためのレンズなどの各種光学素子を作製することができる。また、銅含有ガラス製のプリフォームを使用すれば、半導体撮像素子の色補正機能を有する光学素子を作製することもできる。
なお、これら光学素子には必要に応じて、反射防止膜、全反射膜、部分反射膜、分光特性を有する膜などの光学薄膜を設けることもできる。
本発明の方法によれば、脈理の影響を低減し、高品質なガラス製光学素子を高い生産性のもとに製造することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
屈折率(nd) 1.497、アッベ数(νd) 81.6でAlF3、CaF2、SrF2、BaOを主成分とするガラスのガラスカレットを白金ルツボ中に投入し、窒素雰囲気中800℃で熔解後、1000℃で脱泡清澄、撹拌均質化し弗リン酸塩系の熔融ガラスを得た。この熔融ガラスをルツボ底部に結合し温度制御された白金パイプを通じ660℃の白金合金製流出ノズルから0.78kg/時の流出速度で連続流出させた。一方、図1〜図3に示す成形装置を以下のように設定した。なお本実施例では、液体窒素を気化させて生成した水分量の少ない窒素ガスを使用した。
まず、キャスト領域(第1セクション)において、流出口周辺を包む石英ガラス容器内に係合する石英ガラス製の導入管付き二重管を挿入した。本二重管は流出ノズルを包んで保温する働きをし、かつ斜め下方中央側、つまりガラス流とその下の熔融ガラスに気体を吹き付けるために用いる。本二重管を使用し3〜5リットル/分の窒素を石英ガラス容器内に流した。一方、収容カバー下部に設けたガス導入口より4リットル/分の窒素ガスを常時流し、収容カバー内を窒素ガスで満たした。また成形領域の第2〜第3セクションでは上部カバーに装着する着脱自在なガス導入管を外した状態とした。その他の成形領域(第4〜9セクション)ではガス導入管を上部カバーに装着し、上部カバー側から5〜10リットル/分の窒素ガスを導入した。また取り出し領域(第10セクション)では上部カバーにガラスの取り出し口を開口させ、収容カバー上部を大気に解放した。また型戻し領域に相当する雰囲気置換領域(第11〜12セクション)では、取り出し領域で収容カバー内に混入した大気を希釈するため、ガス導入管から20リットル/分の窒素を収容カバー内に導入し雰囲気を置換した。
上記設定で流出口の真下に12個の成形型を順番に配給し、図1(b)に示すように成形型を上昇させて6.7秒間熔融ガラス流を成形型の凹部で受けた後、成形型を急降下させ熔融ガラス流を切断するとともに成形型凹部に425mm3の熔融ガラス塊を得た。同様の操作を繰り返し、12個の成形型で7.3秒毎に熔融ガラスを順番にキャストした。キャスト領域から成形領域に移送された成形型上の熔融ガラスを、第2、第3セクションの上部カバーの穴から目視で熔融ガラスの状態を観察した。型上の熔融ガラスの形状が歪であったり、型と融着している場合、そしてカン割れ等の問題が発生した場合は、ここで良好なガラス塊が得られるまで、成形型の温度や熔融ガラス塊を浮上保持する浮上ガス流量を調整することができる。熔融ガラス塊を、成形領域内を移動させながら上部からの冷却ガス(窒素)で冷却しプリフォームを成形した。取り出し領域に達した段階で、ガラス塊が200〜300℃程度まで冷却されるよう冷却ガス流量(第4〜9セクション)を調整した。取り出し領域では、上部カバーの穴からロボットの真空吸着ハンドによりプリフォームを取り出した。但し本プリフォームは、第2、第3セクションでの雰囲気が未調整なので表面脈理があったため、そのまま廃棄した。
こうして雰囲気ガス以外の成形条件を決定した後に、第2、第3セクションの上部カバーにガス導入管を装着し、第2、第3セクションの収容カバー内の雰囲気を調整した。なお本実施例では、第2セクションで30リットル/分、第3セクションで10リットル/分の窒素を導入した。本硝種では、表面脈理は熔融ガラスの温度が高い第2セクションで濃くなる傾向がある。そこで、第2セクションでは特に多量の窒素ガスを導入した。その結果として、第2セクションでは収容カバー内の内圧が高まるとともに、熔融ガラス表面の冷却が促進された。なお表面脈理はフッ素成分の揮発によるものであり、熔融ガラス表面の温度低下や成形雰囲気の圧力上昇によりフッ素成分の揮発が減少し、結果として表面脈理が抑制できた。本条件で得られたプリフォームをマッチングオイルに浸漬し表面脈理を観察した。その結果、冷却効果が得られにくいゴブの最外周部のみは薄い表面脈理が観察されたが、それ以外の部位では脈理が観察されなかった。本プリフォームを用いてレンズをプレス成形したところ、脈理部分はレンズ有効径の外側となり、品質に何ら問題のないレンズが得られた。
[実施例2]
流出口の石英ガラス容器内に流すガス種を以下のように変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、プリフォームを成形した。ガラス容器に入れたキシレンの液体を用意し、この容器の上部に2本の管を装着した。なお、1本は液面近傍まで管をのばし、もう一方は短い管とした。この短い管から窒素ガスを導入し、長い方の管を通してキシレン蒸気を含む窒素ガスを排出させた。このキシレン蒸気入りの窒素ガスを流出口の石英ガラス容器内に3リットル/分流しながら、その他は実施例1と同条件で425mm3のプリフォームを成形した。熔融ガラスにキシレン蒸気入りの窒素を吹きかけると、高温の熔融ガラス表面でキシレンが瞬間的に炭化し炭素膜が形成された。炭素膜形成により熔融ガラスからのフッ素成分の揮発を妨げることができた。その結果、表面脈理の発生が最小限度に抑制された。得られたプリフォームを大気中で熱処理して表面の炭素膜を燃焼し除去した。プリフォームの最外周部のみに実施例1より薄い脈理が観察されたが、実用上は何ら問題なかった。
[実施例3]
流出口の石英ガラス容器内に流すガス種を以下のように変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、プリフォームを成形した。熔融ガラスを蓄積した白金ルツボの上部に白金製パイプを挿入し、熔融ガラスの蒸気を吸引した。本ガラス蒸気を石英ガラス容器内に3リットル/分流しながら、その他は実施例1と同条件で425mm3のプリフォームを成形した。流出口を熔融ガラス蒸気で満たした状態では、キャストした熔融ガラスからのフッ素成分の揮発が抑制され、脈理を薄くすることができた。プリフォームの最外周部のみに実施例1より薄い脈理が観察されたが、実用上は何ら問題なかった。
[比較例1]
実施例1で使用した収容カバーと上部カバー、そして流出口周りの石英ガラス容器を全て取り外し、ガラス流出口と成形型を大気中に露出させた。本状態で実施例1と同じ熔融ガラスを流出ノズルから同条件で流出させ、成形型の凹部で6.7秒間熔融ガラス流を受けた後、成形型を急降下させ熔融ガラス流を切断するとともに成形型凹部に425mm3の熔融ガラス塊を得た。同様の操作を繰り返し、12個の成形型で7.3秒毎に熔融ガラスを順番にキャストした。なお成形型温度や浮上ガス流量は、実施例1と同条件とした。また熔融ガラスを冷却するため、第5セクションと第7セクションでは、熔融ガラス上部から10リットル/分の窒素ガスを吹きかけた。
本比較例で得られたプリフォームには、うろこ雲状の分厚い表面脈理が全面に観察された。本プリフォームを用いてレンズをプレス成形したところ、レンズ全面に脈理による光散乱が見られ、レンズとして使用不能であった。
本発明により、脈理の低減されたガラス塊および高品質な光学素子を提供することができる。
図1(a)は、回転駆動機構を有する、ゴブ成形型を載置したターンテーブル上に案内板および上部カバーがこの順に装着された成形装置の平面視図であり、図1(b)は、キャスト領域に停留するゴブ成形型とノズルの概観を示す側面図であり、図1(c)は、成形領域にあるセクションで停留するゴブ成形型とその周辺の概観を示す側面図である。 図1に示す装置の上部カバーを外した概略図である。 図1に示す装置を水平展開した断面図である。

Claims (10)

  1. 複数のゴブ成形型と、前記ゴブ成形型を移送する装置を備え、前記複数のゴブ成形型は、順次、熔融ガラスをゴブ成形型にキャストする領域(以下、「キャスト領域」という。)から、キャストした熔融ガラスをゴブ成形型上で保持しながら冷却しガラス塊に成形する領域(以下、「成形領域」という。)、ゴブ成形型から成形したガラス塊を取り出す領域(以下、「取り出し領域」という。)を経由して、前記キャスト領域へ循環、移送され、前記移送の間に、前記熔融ガラスのキャスト、ガラス塊への成形、およびガラス塊の取り出しの各工程を、各ゴブ成形型について順次繰り返し行ってガラス塊を量産するガラス塊製造装置において、
    前記キャスト領域、成形領域または取り出し領域におけるゴブ成形型上のガラスが晒される雰囲気を、少なくとも1つの他の領域の雰囲気に対して独立に制御する雰囲気制御機構と、
    上部が開口し、ゴブ成形型毎にゴブ成形型を収容した状態で前記成形型とともに移動する収容カバーと、
    前記独立して雰囲気制御される領域において前記収容カバーの開口部分を覆って収容カバー内部の気密性を高める上部カバーと、
    前記収容カバー内に雰囲気ガスを供給するガス供給器と
    を備えることを特徴とするガラス塊製造装置。
  2. 前記独立に雰囲気制御される領域は、成形領域である請求項1に記載のガラス塊製造装置。
  3. 前記独立に雰囲気制御される領域は、キャスト領域である請求項1に記載のガラス塊製造装置。
  4. 前記独立に雰囲気制御される領域は、取り出し領域である請求項1に記載のガラス塊製造装置。
  5. 複数のゴブ成形型と、前記ゴブ成形型を移送する装置を備え、前記複数のゴブ成形型は、順次、熔融ガラスをゴブ成形型にキャストする領域(以下、「キャスト領域」という。)から、キャストした熔融ガラスをゴブ成形型上で保持しながら冷却しガラス塊に成形する領域(以下、「成形領域」という。)、ゴブ成形型から成形したガラス塊を取り出す領域(以下、「取り出し領域」という。)を経由して、前記キャスト領域へ循環、移送され、前記移送の間に、前記熔融ガラスのキャスト、ガラス塊への成形、およびガラス塊の取り出しの各工程を、各ゴブ成形型について順次繰り返し行ってガラス塊を量産するガラス塊製造装置において、
    前記成形領域を複数に区分し、該複数の区分の少なくとも一区分におけるゴブ成形型上のガラスが晒される雰囲気を、少なくとも1つの他の区分および/または少なくとも1つの他の領域の雰囲気に対して独立に制御する雰囲気制御機構と、
    上部が開口し、ゴブ成形型毎にゴブ成形型を収容した状態で前記成形型とともに移動する収容カバーと、
    前記独立して雰囲気制御される区分または領域において前記収容カバーの開口部分を覆って収容カバー内部の気密性を高める上部カバーと、
    前記収容カバー内に雰囲気ガスを供給するガス供給器と、
    を備えることを特徴とするガラス塊製造装置。
  6. 前記雰囲気制御機構は、ゴブ成形型上のガラスが晒される雰囲気を前記区分毎に独立して制御する請求項5に記載のガラス塊の製造装置。
  7. ゴブ成形型の移送により、各収容カバーの開口部分の高さが一定に維持されるように収容カバーの高さが設定され、
    ゴブ成形型の移送とともに、前記上部カバーの下面を収容カバーがスライドして、前記独立して雰囲気制御される区分または領域における収容カバー内の気密性が維持されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のガラス塊製造装置。
  8. 複数のゴブ成形型を、順次、熔融ガラスをゴブ成形型にキャストする領域(以下、「キャスト領域」という。)から、キャストした熔融ガラスをゴブ成形型上でガラス塊に成形する領域(以下、「成形領域」という。)、ゴブ成形型から成形したガラス塊を取り出す領域(以下、「取り出し領域」という。)を経由して、前記キャスト領域へ循環、移送し、前記移送の間に、前記熔融ガラスのキャスト、ガラス塊への成形、およびガラス塊の取り出しの各工程を、各ゴブ成形型について順次繰り返し行ってガラス塊を量産するガラス塊の製造方法において、
    請求項1〜4および7のいずれか1項に記載のガラス塊製造装置を用いて、前記キャスト領域、成形領域または取り出し領域におけるゴブ成形型上のガラスが晒される雰囲気を、少なくとも1つの他の領域の雰囲気に対して独立に制御することを特徴とするガラス塊の製造方法。
  9. 複数のゴブ成形型を、順次、熔融ガラスをゴブ成形型にキャストする領域(以下、「キャスト領域」という。)から、キャストした熔融ガラスをゴブ成形型上でガラス塊に成形する領域(以下、「成形領域」という。)、ゴブ成形型から成形したガラス塊を取り出す領域(以下、「取り出し領域」という。)を経由して、前記キャスト領域へ循環、移送し、前記移送の間に、前記熔融ガラスのキャスト、ガラス塊への成形、およびガラス塊の取り出しの各工程を、各ゴブ成形型について順次繰り返し行ってガラス塊を量産するガラス塊の製造方法において、
    請求項5〜7のいずれか1項に記載のガラス塊製造装置を用いて、前記成形領域を複数に区分し、該複数の区分の少なくとも一区分におけるゴブ成形型上のガラスが晒される雰囲気を、少なくとも1つの他の区分および/または少なくとも1つの他の領域の雰囲気に対して独立に制御することを特徴とするガラス塊の製造方法。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置を用いてガラス塊を作製し、または請求項8もしくは9に記載の製造方法によりガラス塊を作製し、作製したガラス塊を加熱して精密プレス成形する光学素子の製造方法。
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