JP3491984B2 - ガラス塊の成形装置 - Google Patents
ガラス塊の成形装置Info
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Description
素子等のリヒートプレス成形に必要なガラス塊(プレフ
ォーム)を得る際に、溶融ガラス流から所要重量のガラ
ス塊を、切断刃等を用いずに(切断痕を残さずに)分離
するガラス塊の成形装置に関するものである。
ス塊(プレフォーム)を得るためには、ガラス流出口か
ら導出されるガラス流を、一対の切断刃を用いて切断す
る方法が一般的に用いられている。
ラに用いられる非球面レンズ等の光学素子は、成形素材
となるガラス塊を高温の成形型に入れ、プレス成形して
得ているが、ここでは、この成形素材としてのガラス塊
のプレス成形前の表面状態がそのまま、成形された光学
素子の表面となるために、光学機能面となる面に切断痕
などの欠陥がないことが重要である。また、成形型の面
形状を正確に転写させると同時に、成形型の接合面の隙
間に余分なガラスが回り込んで、バリを発生させないよ
うにするためには、重量精度が良好であることが要求さ
れる。
ラス塊を得るのに用いられる受け型及びこれに関連する
機構を含む成形装置は、機能的には、単に切断されたガ
ラス塊を受け型で受け止めるだけで良いから、受け型の
動作は、連続的にガラス塊を受けるための、順送りの水
平方向の動きだけでよく、装置も比較的簡単なもので良
いが、一般的に行われている切断刃を用いて得られたガ
ラス塊には切断痕が残っているので、このガラス塊をプ
レス成形して光学素子のような精密ガラス成形品を得る
には、プレス成形の前か後に、この切断痕を除去するた
めの研削研磨工程が必要とされ、余分な時間とコストと
が増すという問題があった。
痕のないガラス塊を得る方法として、特公昭51−24
525号公報や特開平2−34525号公報に所載の成
形には、溶融ガラス流の下に受け型を配置し、この受け
型を徐々に下降させながらガラス流を受け取り、所望容
量のガラスが受け型に入った後、受け型を急速に下降さ
せて、ガラス流をくびれさせ、そのくびれを、ガラスの
自重と表面張力により成長させて切断する方法が採用さ
れている。
れによって切断したガラス塊は、前述のようなプレス成
形の素材としては、切断痕が無く、表面状態から見れば
最適なものといえる。しかし、前述のように、光学素子
成形の目的に用いるガラス塊には、厳しい重量精度が要
求され、基本重量に対し最低でも±1%以下、望ましく
は、限りなく零に近い許容範囲に納まるような、精密な
重量精度の管理が要求される。しかし、前述の公報の記
載の内容には、このような重量管理に対する技術的な開
示や、それらを達成するための技術の開示がなされてい
ない。
流を切断し、連続的に安定した重量のガラス塊を得るた
めには、一定の流出量で流出するガラス流を得ることは
勿論、正確なタイミングで受け型を流出口の下方で上昇
させ、ガラス流を受け、同様に正確なタイミングで、受
け型を下降させ、ガラス流のくびれによって、ガラス塊
を分離、切断することができるガラス塊の成形装置が必
要となる。
時、個々の受け型の上昇、下降のタイミング、特に、下
降タイミングで決定される成形タクトのばらつきは、そ
のまま、ガラス塊の重量ばらつきに反映され、例えば、
5秒タクトで、前記重量精度の範囲のガラス塊を得よう
とすると、タクトの許容誤差は±0.05秒以下とな
り、更に、これも限りなく零に近いことが要求される。
ラス塊の成形は、一つの重量や形状に対応すれば良いの
では無く、その時々に要求される光学素子の大きさ、形
状によって、予め、これにガラス塊の重量や形状が対応
しなければならず、そのためには、受け型の上昇や下降
のタイミング、及び、昇降速度を任意に変更できる必要
があり、それでいて、そのような、様々な変更に対して
も、成形タクトのばらつきが極力生じないような、制御
が可能な構造のガラス塊の成形装置が必要となる。
ばらつきを抑えるのに、複数個の受け型を、共通する一
つの上下駆動機構で、同時に上下させるのは、上下動の
ための装置が大きくなり過ぎ、ガラス流の切断のための
迅速な動作が難しく、さらにこの構成では、一つの受け
型で、固化したガラス塊を取り出す時に、他の受け型が
切断のための動作を行っているから、昇降などのタイミ
ングが非常に取りにくいなどの問題がある。
駆動機構を設けた場合には、装置そのものが複雑にな
り、さらに、上下駆動機構の相互間のばらつきを、必要
な許容値内に調整することに非常に手間、暇がかかり、
前述のような精度を維持するには多大の労力を必要と
し、実現性に乏しいという問題がある。
には、受け型の上下動作に、決められた動作以外の衝撃
やふらつき等があってはならず、特に、下降する時の動
きが重要となる。また、複数の受け型についても、上記
の動きは、全て同じように、確実に制御された動作でな
ければならない。このように受け型の動作に厳しい制限
があるため、上下駆動機構をガラス流出口の下で停止す
る受け型の下方に置き、ガラス塊の切断成形時に下から
単純に成形型を押し上げるような方法では、上昇や下降
の開始時や停止時に、衝撃やふらつきを生じやすく、切
断成形のための下降時の急速な速度変化に追従するのが
難しく、個々の受け型間の動作のばらつきも大きくなる
という問題が生じる。
るための、受け型の上昇・下降のタイミングや速度の条
件変更が容易に行え、更に、一定の条件下においては、
個々の受け型の上昇・下降のタイミングや速度のずれに
起因するタクトの変動を極力少なくし、どのような条件
下でも、重量変動が±1%以下、更には、限りなく零と
なり得るように構成し、連続的に安定した重量のガラス
塊を得ることができるガラス塊の成形装置を提供しよう
とするものである。
複数の受け型を有し、それらがガラス流出口の下方の所
定位置に間欠的に順次搬送され、その位置で前記受け型
が上下方向の運動をすることにより、流出口から流出す
るガラスを受け取り、ガラス塊を形成するようにしたガ
ラス塊の成形装置において、前記受け型を保持する保持
部材と、前記保持部材を上下移動可能に保持すると共に
間欠動作して、前記保持部材と共に前記受け型をガラス
流出口の下方に順次搬送する搬送手段と、前記搬送手段
を間欠動作する間欠動作機構と、前記ガラス流出口の下
方の所定位置で前記保持部材に上下動作を与えるための
上下駆動機構とを具備している。
送手段は、周囲に所定ピッチで前記保持部材を上下方向
に案内する複数のガイドを備えたターンテーブルで構成
され、前記間欠動作機構は、前記テーブルを所要角度づ
つ間欠回動するインデックス・ユニットで構成されてい
る。また、搬送手段によって前記ガラス流出口の下方の
所定位置に受け型を搬送する過程で、その所定位置ま
で、あるいは、所定位置から間欠移動する前記保持部材
を上下方向に案内する上下案内機構を具備する。
記保持部材に設けたコロを、前記ガラス流出口の下方の
所定位置において、前記間欠動作で搬送される方向に導
入、導出し、その導入状態で上下方向に係合するガイド
部材を備え、受け型に受けたガラス塊の所要重量に対応
して、前記ガイド部材の上下動作およびその速度を制御
されるように駆動される構成になっているとよい。ま
た、前記上下案内機構は、前記保持部材のコロを、間欠
動作による搬送の過程で、前記ガラス流出口の下方の所
定位置において、前記ガイド部材に導入、あるいは、前
記ガイド部材から導出するように、上下方向を規制しな
がら案内するガイド部材を、前記搬送方向に向けて配設
しているとよい。また、搬送手段は必ずしもターンテー
ブルではなく、リンクなどを用いた搬送手段でも良い。
ム)成形のための受け型は、搬送手段で間欠動作される
が、溶融ガラスの流出口の下方では、これに対応する単
一の上下駆動機構で制御されるので、装置全体としての
構造を簡素化できる。また、前記上下駆動機構は、個々
の受け型に共用されるので、その上昇、下降のタイミン
グ、特に、下降タイミングで決定される成形タクトのば
らつきがなく、容易に、タクトの許容誤差を±0.05
秒以下にすることができ、即ち、ガラス塊の重量ばらつ
きがなく、高い重量精度の範囲でガラス塊が得られるこ
とになる。また、前記上下駆動機構は、独立して制御さ
れるので、その時々に要求される光学素子の大きさ、形
状によって、予め、これに対応するガラス塊の重量や形
状を得るための、受け型の上昇や下降のタイミング、及
び、昇降速度を任意に変更できる。
て、間欠動作による搬送の過程で、上下駆動機構の上下
方向から案内するガイド部材に導入、導出する構成にす
ると、受け型の間欠動作時の、保持部材と上下駆動機構
の係合離脱の際に衝撃が発生することがなく、上昇・下
降の時には、保持部材と上下駆動機構とは、実質上、ほ
とんどバックラッシの無い状態でリンクさせることが可
能となり、上下駆動機構の動きを忠実に受け型へ伝える
ことができる。
け型を搬送する過程で、前記保持部材を上下方向に案内
する上下案内機構を具備することにより、ガラス塊の形
成の際に必要な、切断、プレス、冷却、取り出しなどの
各工程に応じた高さに、前記受け型を位置することがで
き、また、上下駆動機構への保持部材の受け渡し、ある
いは、そこからの受け継ぎなどをスムースに実現でき
る。
具体的に説明する。図1には、本発明のガラス塊の成形
装置の一例が示されており、この成形装置は、複数の受
け型M(図1(b)に#1〜#12で示す)を有し、そ
れらを溶融槽のガラス流出口1の下方の所定位置に間欠
的に順次搬送し、その位置で、前記受け型Mが上下方向
の運動をすることにより、流出口1から流出するガラス
を受け取り、ガラス塊を形成するようにしたものである
(図1(a)参照)。
型Mに対応して、これを保持する保持部材であり、保持
部材2は、ターンテーブルなどの搬送手段3によって、
上下移動可能に保持されており、また、インデックスユ
ニットなどの間欠動作機構4によって搬送手段3が間欠
的に回転駆動される時、所定ピッチで円軌跡上を間欠動
作して、前記受け型Mをガラス流出口1の下方に順次、
移動させるようになっている。特に、この実施例では、
搬送手段3は、その円筒体31の周辺部に所定ピッチ
で、垂直にガイドレール32が設けてあり、これに沿っ
て上下動作するように、保持部材2が、その摺動部21
を摺動自在に嵌合させている。
Mを保持するための型ユニット5を装備したもので、そ
の底板51を、ステー23を介して、架台22の上に固
定している。型ユニット5は、断熱ブロック52、54
上にヒーターブロック55を載せており、そのヒーター
ブロック55の頂部に形成した凹溝に受け型Mをセット
し、キャップ56をかぶせた状態で、保持している。こ
の保持の手段として、底板51には、左右一対の型抑え
用ステー57が取り付けてあり、それらの先端のフック
部がキャップ56を介して受け型Mの縁を抑えて型ユニ
ット5全体を固定している。
には、DDモータが用いられており、受け型Mを全部使
用して、順次、12ヘッドで運転したり、一つ措きに受
け型Mを用いて、6ヘッドで運転したり、更には、3ヘ
ッドで運転したりして、ガラス塊(プレフォーム)から
得られる成型品が必要とする条件を満足するような、切
断成形、冷却などの行程時間に応じて、自由に受け型M
の使用ヘッド数を切り替えられるように制御され、ま
た、インデックス時の加減速度時間や加減速曲線も、成
形中の軟化ガラスに悪影響を与えないように、配慮した
自由な設定がなされる。
われているゼネバーギアなどを用いてもよいが、高温軟
化状態のガラスを搬送し、または、成形タクトなどの成
形条件を任意に変化させる必要があるものには、この実
施例で用いたインデックスユニットなどの、フィードバ
ック制御のできる駆動系や、サーボモーターなどを用い
るのが好ましい。
は、前述のヒーターブロック55を加熱し、あるいは、
これを介して、もしくは、直接に受け型Mを冷却するた
めの、電力線や圧搾エアーなどのためのデストリビュー
タが組み込まれていて、これにより、受け型Mが、搬送
手段3の搬送過程の各位置で、任意の温度に制御される
ようになっている。なお、ここで、ヒーターブロック5
5には、ヒーターと冷却用のエアー配管と温度検出用の
熱電対とが(何れも図示せず)が取り付けられていて、
更に、これらのための配管配線が、前述の間欠動作機構
4のデストリビューターを介して、適当な温度制御器
(図示せず)に繋がれており、受け型Mの温度をコント
ロールできるようになっている。
口1の下方の所定位置で、保持部材2に上下動作を与え
るための、間欠動作機構4とは独立した、上下駆動機構
6が装備されている。上下駆動機構6には、保持部材2
の下端から下方に伸びるアーム24に設けた、左右一対
のロール型カムフォローとして構成されたコロ25を、
ガラス流出口1の下方の所定位置において、前述の間欠
動作機構4による間欠動作で搬送される方向に導入、導
出し、その導入状態で上下方向に係合するカム溝を内部
に形成するほぼチャンネル型のガイド部材61が備えら
れており、そして、受け型Mに受けたガラス塊の所要重
量に対応して、ガイド部材61の上下動作およびその速
度を制御されるように、適当な制御系で駆動される。ま
た、上下駆動機構には、ガイド部材61を上下に駆動す
るため、モーターユニット62と、このモーターユニッ
ト62の動作で垂直軸方向にガイド部材61を上下する
駆動シャフト63とが設けられている。
62にはサーボモーターを使用し、成形するガラス塊の
重量や形状により必要とされる受け型Mの動きに自由に
対応できるようにしてある。また、このサーボモーター
の駆動源としては、いろいろと考えられるが、ここで
は、ガラス塊の重量や形状の変更に対応したり、常に、
安定的に同じ動作を繰り返す必要があることから、駆動
源としては、フィードバックのかかるサーボ系や、電気
的なパルスにより制御できるステッピングモーターなど
が、より好ましいものである。
ば、重量が1.6gfであるガラス塊の成形が、10秒
タクトで連続的になされる。なお、ここで成形されるガ
ラス塊の材料には、比重が3.05であり、温度が12
00℃の時に101.6 dPa・s、1000℃の時に1
02.2 dPa・s、890℃の時に102.9 dPa・
s、610℃の時に107.6 dPa・s、498℃の時
に1013dPa・sの粘度となる粘性特性を持ったB2
O3 −SiO2 −BaO系のガラスが用いられる。
ず)に投入し、溶解、脱泡清澄、均質後、流出口1より
溶融ガラスを1.36mm/秒の速度で流出させる。こ
の状態のもとで、間欠動作機構4により、図1(b)に
示すような矢印方向に搬送手段3を動かし、図2(a)
の状態を経て、図2(b)に示すように、その温度が4
50℃に保たれている受け型Mを、流出口1の直下の所
定位置(図1(b)に示す#1の位置)に持って行く
(図4の工程1)。この場合、ガイド部材61のガイド
溝の上下方向の寸法を、予め、コロ25の外径よりも、
例えば、0.05mm程度大きく設定して置くと共に、
更にコロ25が導入、導出される出入口の部分に、上下
に広がる若干のテーパーを付けておく。これによって、
コロ25をガイド部材61に対して導入、導出する際の
動作をスムースに行うことができる。実際に、導入後
の、上下動作機構6による受け型Mの上下動の際にも、
上下方向に関する保持部材2の動作に、コロ25とガイ
ド部材61とのの遊びによる悪影響を、全く観察するこ
とができなかった。
受け型Mを平均100mm/秒の速度で上昇させ(図4
の工程2)、図2(c)に示すような、受け型Mのガラ
ス受け面の最下部(中央部)と流出口端部1aとの距離
が11.5mmとなる状態にする。そして、この位置で
7.5秒間、静止状態を保ち(図4の工程3)、次に、
受け型Mを平均8.0mm/秒の速度で、4mmだけ下
降させて(図4の工程4)、ガラス流とガラス塊の間に
くびれを発生させる。そして、このくびれが、ガラスの
表面張力とガラス塊の自重により切断するまで、この位
置を保った状態にして置く(図4の工程5)。ガラスが
くびれによって切断された後、直ちに、受け型Mを平均
92mm/秒の速度で下降させ(図4の工程6)、軟化
状態のガラス塊Gを得た(図2(d)参照)。その後、
間欠動作機構4を作動させて、順次、#2、#3の受け
型Mを流出口1の下方の所定位置に水平に移動させる。
4による搬送手段3の送りの過程で、ヒーターブロック
55への通電をやめ、これに圧搾エアーを当てることに
より、受け型Mを間接的に冷やし、ガラス塊Gが、およ
そ350℃になる迄、冷却し、図1(b)の#11の受
け型Mのある箇所でガラス塊Gを取り出す。そして、ガ
ラス塊の取り出し後に、再びヒーターブロック55へ通
電を開始し、受け型Mが#1の位置に来る前に、およそ
450℃の温度になるように加熱処理を行うのである。
この間、#1の位置に来た受け型Mに対しては、前述の
切断、成形動作を次々と行い、ガラス塊Gの成形を連続
的に行うことができる。
成形過程で、詳細に分析検討した所、各受け型Mの動作
には、切断成形に悪影響を及ぼすような有害な衝撃など
の発生は皆無であり、また、各受け型M間の動作のばら
つきは、全て0.01秒以内に納まり、従って、成形タ
クトのばらつきも全て±0.01秒の範囲に納まり、得
られたガラス塊Gの重量は、1.6gf±0.01gf
の範囲に納まっていることが明らかになった。また、受
け型Mの動作や成形タクトに起因する重量ばらつきは、
±0.002gf以下となり、非常に良好な結果が得ら
れた。
降の経過線は、模式化され、直線的に描かれているが、
実際の実施に当たっては、これらは、受け型Mやガラス
塊に衝撃を与えないように工夫された所望の加減速を持
った線図として描かれることは勿論で、そこで用いられ
る加減速の曲線も必要に応じて設定されるものであり、
本発明において、特に限定されるものではない。
が、互いに共通レベルの支軸でアーム24の下端に保持
されているが、このような構成だけに限定される必要は
なく、例えば、左右のコロ25の支軸を上下にずらして
アームに配置し、それぞれのコロ25をガイド部材61
の内部カム溝の天井面、底面に各別に当たるようにし、
コロとガイド部材内部のカム溝との接触面の幅を、前記
カム溝の幅より若干狭く設定することで、嵌合した時
に、コロ相互に上下の予圧を与えられるようにして、バ
ックラッシをゼロとしたり、2つのコロの間にガイド部
材を挟み込むように構成し、上下方向への運動を規制し
たり、あるいは、この実施例において、上下駆動機構6
側にカムフロアーを取り付け、保持部材側にカム部材を
取り付けたりすることも、本発明の態様に含まれる。 (実施例2)次に、図1、3を参照して、前述の実施例
とは別の実施例を説明する。通常、このような、くびれ
によるガラス塊の切断成形の際には、流出口下で、むや
みに受け型Mの上下ストロークの動作回数を多くする
と、振動などの発生による動作の不安定要素が増えた
り、成形タクトが長くなり、生産性が低下したり、最悪
の場合は、ガラス塊の切断後に、次のガラス塊のため
に、流出口から続けて流出してくるガラスを、次の受け
型Mで受けられなくなるなどの問題が生じる。このた
め、流出口下での成形装置と流出口との距離はできる限
り短い方が望ましい。しかしながら、この種の成形装置
は、ガラス溶融炉の下に置かれて使われるため、成形装
置上部に十分な占有空間が無く、ガラス塊の冷却や受け
型Mのメンテナンスに支障がある。そこで、この実施例
は、それらの問題を解決し、成形タクトをより迅速に達
成するため、実施例1のシステムに、搬送手段3によっ
てガラス流出口1の下方の所定位置に受け型Mを搬送す
る過程で、その所定位置まで、あるいは、所定位置から
間欠移動する保持部材2を上下方向に案内する上下案内
機構7を装備している。
ロ25を、間欠動作による搬送の過程で、ガラス流出口
1の下方の所定位置において、ガイド部材61に導入、
あるいは、ガイド部材61から導出するように、上下方
向を規制しながら案内するガイド部材71、72を、前
記搬送方向に向けて配設している構成である。特に、こ
の実施例では、図1(a)で示す#3から#9の受け型
Mが対応する位置で、それぞれのセクションの上部に、
ガラス塊冷却用の清浄エアーを噴出できる冷却ダクト
(図示せず)が設けられている。
から#10から#4にかけて展開した状態で、見たもの
である。この図において、ガイド部材71は、#11か
ら#12の間で、間欠動作機構4の駆動に連れて、搬送
手段3が保持部材2を円軌跡上を回転方向に移動する
際、保持部材2を50mm上に持ち上げられるような構
造になっており、#10に近い入口側は、コロ25を導
入しやすくして、衝撃を発生しないようにテーパー状を
なしており、上下運動を伝達するためのガイド部材61
との接続部分である出口側は、インデックス運動での通
過時に衝撃を発生しないよう、ストレートにガイド溝を
連通する精密加工、組立がなされている。
がストレート状に、出口側がテーパー状に形成され、#
2から#3の間で、保持部材2がスムースに下降できる
ようなな形状に加工されて、取り付けられている。な
お、ここでは、コロ25とガイド部材61、71、72
との嵌合時のクリアランスが、実施例1と同じように、
0.05mmに設定している。また、この実施例では、
#1の位置における上下駆動機構6の上下ストロークは
10mmに設定した。
用の重量が0.5gfであるガラス塊を、4秒の成形タ
クトで連続的に成形する工程を、より具体的に説明す
る。なお、ここで成形されるガラス塊の材料には、実施
例1で用いたものと同じ硝材を用いる。
て溶融、清澄し、流出口1よりガラスを0.71mm/
秒の速度で流出させた。この状態のもとで、間欠動作機
構4を動かし、温度が500℃に保たれている受け型M
を流出口1の下端1aの直下である#1の位置に持って
行く。次に、モーターユニット62を駆動させ、受け型
Mを平均50mm/秒の速度で上昇させ、受け型Mのガ
ラス受け面の最下部(中央部)と流出口1の下端1aと
の距離が6.0mmとなる状態にした。更に、この位置
で3.0秒間、静止状態を保ち、次に、受け型Mを平均
5.0mm/秒の速度で、2.5mmだけ下降させて、
ガラス流とガラス塊の間にくびれを発生させ、くびれが
ガラスの表面張力とガラス塊の自重により自然に切断す
るまで、0.3秒間、この位置を保った状態にしておい
た。
50mm/秒の速度で下降させ、軟化状態のガラス塊4
4を得た。その後、間欠動作機構4を作動させ、搬送手
段3を間欠回動し、順次、受け型Mを、図1(b)の#
2、#3の位置に移動させながら、ヒーターブロック5
5への通電をやめ、ヒーターブロック55にエアーを当
てることにより、受け型Mを間接的に冷やすと共に、冷
却ダクトからガラス塊Gに冷却エアーを当て、これをお
よそ400℃になる迄、冷却し、#10の位置で取り出
した。その後、ヒーターブロック55へ通電を再開し、
受け型Mが再び#1の位置に来る前に、およそ500℃
の温度になるように加熱した。
型Mに対しては、前述の切断成形の動作を次々と行い、
ガラス塊44の成形を連続的に行った。この連続成形時
の各工程の動作を詳細に分析検討した所、各受け型Mの
動作には、切断成形に悪影響を及ぼすような有害な衝撃
などの発生が皆無であり、また、各受け型M間の動作の
ばらつきは全て0.01秒以内に納まり、成形タクトの
ばらつきも全て±0.01秒の範囲に納まっており、そ
の結果、得られたガラス塊の重量は、0.5gf±0.
03gfの範囲に納まり、受け型Mの動作や成形タクト
に起因する重量ばらつきは±0.002gf以下とな
り、非常に良好な結果が得られた。
部材61との構成も、これだけに限定されるものでは無
く、実施例1で述べたような応用範囲まで適用できるこ
とは勿論である。
け型Mを有し、それらがガラス流出口の下方の所定位置
に間欠的に順次搬送され、その位置で前記受け型が上下
方向の運動をすることにより、流出口から流出するガラ
スを受け取り、ガラス塊を形成するようにしたガラス塊
の成形装置において、前記受け型を保持する保持部材
と、前記保持部材を上下移動可能に保持すると共に間欠
動作して、前記保持部材と共に前記受け型をガラス流出
口の下方に順次搬送する搬送手段と、前記搬送手段を間
欠動作する間欠動作機構と、前記ガラス流出口の下方の
所定位置で前記保持部材に上下方向から規制を加え、上
下動作を与えるための上下駆動機構とを具備しているの
で、所望のガラス塊を得るための、受け型の上昇・下降
のタイミングや速度の条件変更が容易に行え、更に、一
定の条件下においては、個々の受け型の上昇・下降のタ
イミングや速度のずれに起因するタクトの変動を極力少
なくし、どのような条件下でも、重量変動が±1%以
下、更には、限りなく零となり得るように構成し、連続
的に安定した重量のガラス塊を得ることができる。
による搬送の過程で、上下駆動機構のガイド部材に導
入、導出する構成にすると、受け型の間欠動作時の、保
持部材と上下駆動機構の係合離脱の際に衝撃が発生する
ことがなく、上昇・下降の時には、保持部材と上下駆動
機構とは、実質上、ほとんどバックラッシの無い状態で
リンクさせることが可能となり、上下駆動機構の動きを
忠実に受け型へ伝えることができる。
け型を搬送する過程で、前記保持部材を上下方向に案内
する上下案内機構を具備することにより、ガラス塊の形
成の際に必要な、切断、プレス、冷却、取り出しなどの
各工程に応じた高さに、前記受け型を位置することがで
き、また、上下駆動機構への保持部材の受け渡し、ある
いは、そこからの受け継ぎなどをスムースに実現でき
る。
(a)、(b)で示す概略縦断面図及び平面図である。
での受け型Mの動き示す動作説明図である。
明するための側面展開図である。
作を示すタイムチャート図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 複数の受け型を有し、それらがガラス流
出口の下方の所定位置に間欠的に順次搬送され、その位
置で前記受け型が上下方向の運動をすることにより、流
出口から流出するガラスを受け取り、ガラス塊を形成す
るようにしたガラス塊の成形装置において、 前記受け型を保持する保持部材と、前記保持部材を上下
移動可能に保持すると共に間欠動作して、前記保持部材
と共に前記受け型をガラス流出口の下方に順次搬送する
搬送手段と、前記搬送手段を間欠動作する間欠動作機構
と、前記ガラス流出口の下方の所定位置で前記保持部材
に上下動作を与えるための上下駆動機構とを具備してい
ることを特徴とするガラス塊の成形装置。 - 【請求項2】 前記搬送手段は、周囲に所定ピッチで前
記保持部材を上下方向に案内する複数のガイドを備えた
ターンテーブルで構成され、前記間欠動作機構は、前記
テーブルを所要角度づつ間欠回動するインデックス・ユ
ニットで構成されていることを特徴とする請求項1に記
載のガラス塊の成形装置。 - 【請求項3】 搬送手段によって前記ガラス流出口の下
方の所定位置に受け型を搬送する過程で、その所定位置
まで、あるいは、所定位置から間欠移動する前記保持部
材を上下方向に案内する上下案内機構を具備することを
特徴とする請求項1に記載のガラス塊の成形装置。 - 【請求項4】 前記上下駆動機構は、前記保持部材に設
けたコロを、前記ガラス流出口の下方の所定位置におい
て、前記間欠動作で搬送される方向に導入、導出し、そ
の導入状態で上下方向に係合するガイド部材を備え、受
け型に受けたガラス塊の所要重量に対応して、前記ガイ
ド部材の上下動作およびその速度を制御されるように駆
動される構成になっていることを特徴とする請求項1〜
3に記載のガラス塊の成形装置。 - 【請求項5】 前記上下案内機構は、前記保持部材のコ
ロを、間欠動作による搬送の過程で、前記ガラス流出口
の下方の所定位置において、前記ガイド部材に導入、あ
るいは、前記ガイド部材から導出するように、上下方向
を規制しながら案内するガイド部材を、前記搬送方向に
向けて配設している構成であることを特徴とする請求項
4に記載のガラス塊の成形装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21741094A JP3491984B2 (ja) | 1994-09-12 | 1994-09-12 | ガラス塊の成形装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21741094A JP3491984B2 (ja) | 1994-09-12 | 1994-09-12 | ガラス塊の成形装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0881228A JPH0881228A (ja) | 1996-03-26 |
JP3491984B2 true JP3491984B2 (ja) | 2004-02-03 |
Family
ID=16703770
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21741094A Expired - Fee Related JP3491984B2 (ja) | 1994-09-12 | 1994-09-12 | ガラス塊の成形装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3491984B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3929237B2 (ja) * | 2000-09-21 | 2007-06-13 | Hoya株式会社 | ガラス塊の製造方法及び製造装置、ガラス成形品の製造方法、並びに光学素子の製造方法 |
JP3945995B2 (ja) * | 2001-05-01 | 2007-07-18 | Hoya株式会社 | ガラス塊の製造方法及びガラス塊成形装置、ガラス成形品の製造方法、並びに光学素子の製造方法 |
JP4629701B2 (ja) * | 2007-05-29 | 2011-02-09 | Hoya株式会社 | ガラス塊の製造装置及びその制御方法、並びにガラス塊、ガラス成形品及び光学素子の製造方法 |
-
1994
- 1994-09-12 JP JP21741094A patent/JP3491984B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH0881228A (ja) | 1996-03-26 |
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