JP2023152890A - 板ガラスの製造方法 - Google Patents

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勇二 小南
Yuji Kominami
雅之 板谷
Masayuki Itaya
妥夫 寺西
Yasuo Teranishi
伸敏 伊藤
Nobutoshi Ito
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Abstract

【課題】多品種の板ガラスの製造に適した板ガラスの製造方法を提供する。【解決手段】板ガラスの製造方法は、一定量の原料バッチを貯留ポット20で溶解することにより溶融ガラスG1を得る溶融工程と、貯留ポット20から供給される溶融ガラスG1を、一対の成形ローラ51で板状に成形する成形工程と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、板ガラスの製造方法に関する。
特許文献1には、フロート法による板ガラスの製造方法が記載されている。この板ガラスの製造方法は、溶融装置から成形装置に溶融ガラスを連続的に供給する。そして、板ガラスの製造方法は、成形装置で溶融ガラスを板状に成形する。
特開2017-145172号公報
上記のような板ガラスの製造方法は、単一製品の大量生産に向いているものの、多品種少量生産には不向きである。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
態様1の板ガラスの製造方法は、一定量の原料バッチを貯留ポットで溶解することにより溶融ガラスを得る溶融工程と、前記貯留ポットから供給される前記溶融ガラスを、一対の成形ローラで板状に成形する成形工程と、を備える。
本板ガラスの製造方法は、貯留ポットに貯留される溶融ガラスの組成を変更することにより、板ガラスの材質を容易に変更できる。つまり、本板ガラスの製造方法は、ガラス生地の切り替えに対応しやすい点で、多品種の板ガラスを効率よく製造できる。
態様2の板ガラスの製造方法は、態様1の板ガラスの製造方法において、前記一対の成形ローラで成形された板状ガラスの板厚及び前記板状ガラスの板幅の少なくとも一つを測定する工程を有する測定工程と、前記測定工程の測定結果に基づいて、前記一対の成形ローラの回転速度及び前記一対の成形ローラの間隔の少なくとも一つを調整する調整工程と、を備えることが好ましい。
一定量の原料バッチを溶解することにより得られる溶融ガラスを貯留する貯留ポットから供給される溶融ガラスを基に、板ガラスの製造を継続していると、貯留ポットに貯留される溶融ガラスの残量が次第に減少する。すると、貯留ポットにおける溶融ガラスの液面の高さが低くなることで、一対の成形ローラに対する単位時間あたりの溶融ガラスの供給量が次第に減少する場合がある。この点、本板ガラスの製造方法は、測定工程及び調整工程を実施するため、製造される板ガラスの形状を一定に維持することができる。言い換えれば、板ガラスの製造方法は、一対の成形ローラに供給される溶融ガラスの減少に伴い、製造される板ガラスの板厚及び板幅などの形状が変化することを抑制できる。
態様3の板ガラスの製造方法は、態様2の板ガラスの製造方法において、前記板状ガラスを一対の牽引ローラで鉛直下方に牽引する牽引工程を備え、前記調整工程は、前記一対の牽引ローラが前記板状ガラスを牽引する速度を調整することが好ましい。これにより、本板ガラスの製造方法は、板状ガラスの板厚及び板幅などの形状を調整できる。
態様4の板ガラスの製造方法は、態様2又は態様3の板ガラスの製造方法であって、前記調整工程は、前記貯留ポットから前記一対の成形ローラに供給される前記溶融ガラスの温度を調整することが好ましい。
貯留ポットから一対の成形ローラに対する単位時間あたりの溶融ガラスの供給量が低下すると、板状ガラスの板厚及び板幅などの形状が変化する場合がある。この点、本板ガラスの製造方法は、貯留ポットから一対の成形ローラに供給される溶融ガラスの温度を調整することで、溶融ガラスの粘度を変更できる。例えば、本板ガラスの製造方法は、単位時間あたりの溶融ガラスの供給量が低下する場合には、溶融ガラスの粘度を低くすることで、一対の成形ローラに対する単位時間あたりの溶融ガラスの供給量の低下を抑制できる。
態様5の板ガラスの製造方法は、態様2~態様4の何れかの板ガラスの製造方法において、前記板状ガラスを徐冷する徐冷工程を備え、前記測定工程は、前記徐冷工程で徐冷中の前記板状ガラスを測定することが好ましい。
これにより、本板ガラスの製造方法は、徐冷工程後に板状ガラスを測定する場合と比較して、板ガラスの板厚及び板幅などの形状の変化を速やかにフィードバックできる。
態様6の板ガラスの製造方法は、態様2~態様5の何れかの板ガラスの製造方法であって、前記測定工程は、前記貯留ポットに貯留される前記溶融ガラスの残量を測定する工程を有することが好ましい。これにより、本板ガラスの製造方法は、貯留ポットの溶融ガラスの残量の減少に起因して発生する板ガラスの板厚及び板幅などの形状の変化に迅速に対応できる。
本板ガラスの製造方法は、板ガラスの板厚及び板幅などの形状を安定できるのに加え、多品種少量生産に好適である。
図1は、板ガラスの製造装置の模式図である。 図2は、板ガラスの製造方法の工程図である。 図3は、板ガラスの製造方法の工程図である。 図4は、実施例の実験結果を示す表である。
以下、板ガラスの製造装置及び板ガラスの製造方法の一実施形態について説明する。
<板ガラスの製造装置>
図1に示すように、板ガラスの製造装置10(以下「製造装置10」ともいう。)は、貯留ポット20と、溶融炉30と、供給部40と、成形部50と、案内部60と、徐冷部70と、牽引部80と、切断部90と、測定部100と、を有する。
製造装置10が扱うガラスの材質としては、例えば、ホウケイ酸ガラス、アルミノシリケートガラス、無アルカリガラス、石英ガラス及び結晶化前のLAS系ガラスなどが挙げられる。なお、LAS系ガラスとは、LiO-Al-SiOを必須成分としたガラスである。また、以降の説明では、液状に溶融した状態のガラスを溶融ガラスG1といい、板状に成形されたガラスを板状ガラスG2といい、所定の大きさに切断されたガラスを板ガラスG3という。
<貯留ポット20>
貯留ポット20は、一定量のバッチの溶融ガラスG1を貯留する容器である。貯留ポット20の材質は、耐火物又は金属などの耐熱性に優れた材質であることが好ましい。貯留ポット20は、板ガラスG3の製造量に応じて必要な量の溶融ガラスG1を貯留する。貯留ポット20における溶融ガラスG1の残量は、板ガラスG3の製造が進むにつれて少なくなる。そして、あるバッチの板ガラスG3の製造が完了した場合には、次のバッチの板ガラスG3の製造を開始すべく、貯留ポット20に貯留される溶融ガラスG1の種類を変更することができる。こうした点で、本実施形態の製造装置10は、連続的に板ガラスG3を製造する装置ではなく、バッチ毎に板ガラスG3を製造する装置であるといえる。多品種少量生産の観点から、貯留ポット20の容量は、10L~300Lとすることが好ましい。
<溶融炉30>
溶融炉30は、貯留ポット20を収容している。溶融炉30は、貯留ポット20の内部に投入されたガラス原料を溶解させるべくガラス原料を加熱する。溶融炉30は、ガラス原料が溶解した後は、貯留ポット20に貯留される溶融ガラスG1の温度が低下しないように、溶融ガラスG1を加熱する。
<供給部40>
供給部40は、貯留ポット20よりも鉛直下方に配置されている。供給部40は、貯留ポット20から供給される溶融ガラスG1を成形部50に向けて供給する。供給部40は、底面視においてスリット状をなすノズル41と、成形部50に向けて供給する溶融ガラスG1を加熱する加熱部42と、を有する。
供給部40は、ノズル41から溶融ガラスG1を流下させることによって、成形部50に溶融ガラスG1を供給する。ノズル41は、後述する成形部50の一対の成形ローラ51の軸方向を長手方向としている。このため、ノズル41から一対の成形ローラ51に供給される溶融ガラスG1は、一対の成形ローラ51の軸方向に拡がりやすくなっている。加熱部42は、貯留ポット20から成形部50に供給される溶融ガラスG1の温度を調整する。言い換えれば、加熱部42は、貯留ポット20から成形部50に供給される溶融ガラスG1の粘度を調整する。成形部50に供給される溶融ガラスG1の粘度が低い場合には、溶融ガラスG1が一対の成形ローラ51の軸方向に拡がりやすくなる。一方、成形部50に供給される溶融ガラスG1の粘度が高い場合には、溶融ガラスG1が一対の成形ローラ51の軸方向に拡がりにくくなる。
<成形部50>
成形部50は、供給部40よりも鉛直下方に配置されている。成形部50は、一対の成形ローラ51と、一対の成形ローラ51を駆動する第1駆動部52と、一対の成形ローラ51の間隔を調整する調整機構53と、を有する。
一対の成形ローラ51は、供給部40から供給される溶融ガラスG1を圧延することにより、溶融ガラスG1を板状に成形する。第1駆動部52は、例えば、電気モータと、電気モータから一対の成形ローラ51に動力を伝達する伝達機構と、を含んで構成されている。成形部50において、一対の成形ローラ51の回転速度を高速にする場合には、板状ガラスG2の板厚が薄くなり、一対の成形ローラ51の回転速度を低速にする場合には、板状ガラスG2の板厚が厚くなる。また、一対の成形ローラ51の間隔を狭くする場合には、板状ガラスG2の板厚が薄くなり、一対の成形ローラ51の間隔を広くする場合には、板状ガラスG2の板厚が厚くなる。
<案内部60>
案内部60は、成形部50よりも鉛直下方に配置されている。案内部60は、板状ガラスG2の第1面に接する第1案内ローラ61と、板状ガラスG2の第2面に接する第2案内ローラ62と、を有する。第1案内ローラ61及び第2案内ローラ62は、対をなすように配置されている。第1案内ローラ61及び第2案内ローラ62は、複数配置されていてもよい。この場合、複数の第1案内ローラ61は、鉛直方向に並び、複数の第2案内ローラ62は、鉛直方向に並ぶことになる。第1案内ローラ61及び第2案内ローラ62は、板状ガラスG2を板厚方向に挟んでいる。本実施形態において、第1案内ローラ61及び第2案内ローラ62は、鉛直下方に進む板状ガラスG2に接することで従動回転する。なお、第1案内ローラ61及び第2案内ローラ62は、板状ガラスG2の幅方向における端部にだけ接するローラであることが好ましい。これによれば、ローラとの接触に起因する傷などが、板状ガラスG2の幅方向における中央部に発生しなくなる。
<徐冷部70>
徐冷部70は、成形部50よりも鉛直下方に配置されている。徐冷部70は、板状ガラスG2のひずみを除去する徐冷炉である。徐冷部70は、第1案内ローラ61及び第2案内ローラ62を収容している。徐冷部70の内部における温度は、鉛直下方に進むにつれて変化させてもよい。ここで、本実施形態の製造装置10は、板状ガラスG2の進む方向が鉛直方向から水平方向に変更されない。このため、徐冷部70の内部において、板状ガラスG2の第1面及び第2面が徐冷部70から受ける熱量は均等になりやすい。よって、板状ガラスG2に反りが発生しにくくなる。
<牽引部80>
牽引部80は、徐冷部70よりも鉛直下方に配置されている。牽引部80は、一対の牽引ローラ81と、一対の牽引ローラ81を駆動する第2駆動部82と、を有する。一対の牽引ローラ81は、間に挟んだ板状ガラスG2を牽引することにより、板状ガラスG2を鉛直下方に牽引する。第2駆動部82は、例えば、電気モータと、電気モータから一対の牽引ローラ81に動力を伝達する伝達機構と、を含んで構成されている。牽引部80において、一対の牽引ローラ81の回転速度を高速にする場合、言い換えれば、板状ガラスG2を牽引する速度を高速にする場合には、板状ガラスG2の板厚が薄くなるとともに板幅が狭くなる。一方、一対の牽引ローラ81の回転速度を低速にする場合、言い換えれば、板状ガラスG2を牽引する速度を低速にする場合には、板状ガラスG2の板厚が厚くなるとともに板幅が広くなる。なお、一対の牽引ローラ81は、板状ガラスG2の幅方向における端部にだけ接するローラであることが好ましい。
<測定部100>
測定部100は、徐冷部70の中に配置されている。測定部100は、一対の成形ローラ51の直下に配置されることが好ましい。測定部100は、板状ガラスG2の板厚及び板幅を測定可能なセンサである。測定部100は、例えば、レーザ変位計及びカメラなどである。測定部100をカメラとする場合には、カメラが撮影した画像に対して画像処理を施すことにより、板状ガラスG2の板厚及び板幅が算出される。
<切断部90>
切断部90は、牽引部80よりも鉛直下方に配置されている。切断部90は、板状ガラスG2を切断することにより、所望の大きさの板ガラスG3を生成する。切断部90は、例えば、板状ガラスG2にスクライブ線を形成した後に、板状ガラスG2に曲げ応力を作用させる。こうして、切断部90は、スクライブ線に沿って板状ガラスG2を切断すればよい。
<板ガラスの製造方法>
図2及び図3に示すように、本板ガラスの製造方法は、溶融工程S11と、成形工程S12と、徐冷工程S13と、牽引工程S14と、切断工程S15と、測定工程S21と、調整工程S22と、を備える。
溶融工程S11は、1200℃~1700℃の温度で、一定量の原料バッチを溶解することにより溶融ガラスG1を得る。ここで、原料バッチとは、所望のガラス組成を得るための原料ガラスの混合物である。例えば、原料バッチは、シリカ原料、ホウ酸原料及びアルミナ原料などを含む。成形工程S12は、供給部40を介して貯留ポット20から供給される溶融ガラスG1を一対の成形ローラ51で板状に成形する。徐冷工程S13は、徐冷部70において、板状ガラスG2を徐冷する。徐冷工程S13は、成形工程S12の後工程である。牽引工程S14は、板状ガラスG2を一対の牽引ローラ81で鉛直下方に牽引する。牽引工程S14は、徐冷工程S13の後工程である。切断工程S15は、板状ガラスG2を切断部90で切断することで板ガラスG3を生成する。切断工程S15は、牽引工程S14の後工程である。
測定工程S21は、測定部100により、一対の成形ローラ51で成形された板状ガラスG2の板厚及び板幅を測定する工程である。徐冷工程S13で徐冷中の板状ガラスG2に対して形状測定が実施される。言い換えれば、こうした板状ガラスG2の形状測定は、成形工程S12の直後に実施される。
調整工程S22は、板ガラスG3を製造する環境及び条件などの変化により、板状ガラスG2及び板ガラスG3に形状変化が生じることを抑制する。例えば、本実施形態の製造装置10のように、一定量の溶融ガラスG1を貯留する貯留ポット20から供給される溶融ガラスG1を基に、板ガラスG3の製造を継続していると、貯留ポット20に貯留される溶融ガラスG1の残量が次第に減少する。すると、貯留ポット20における溶融ガラスG1の液面FLの高さが低くなることで、一対の成形ローラ51に対する溶融ガラスG1の単位時間あたりの供給量が次第に減少する。その結果、板状ガラスG2の板厚が薄くなったり、板状ガラスG2の板幅が狭くなったりするおそれがある。これに限らず、製造装置10の設置環境における温度が変化したり、装置の構成部品の駆動状態が変化したりすることにより、板状ガラスG2の形状が変化する場合もある。そして、板状ガラスG2の形状が変化する場合には、板ガラスG3の形状も変化する。
そこで、本実施形態において、調整工程S22は、板ガラスG3の製造中に、測定工程S21の測定結果に基づき、板状ガラスG2の形状が変化する場合には、板ガラスG3の製造条件を調整する。詳しくは、板状ガラスG2の板厚が基準となる板厚(以下、「基準板厚」ともいう。)から変化したり、板状ガラスG2の板幅が基準となる板幅(以下、「基準板幅」ともいう。)から変化したりする場合には、調整工程S22が実施される。
ここで、基準板厚とは、所望の板厚の板ガラスG3を得るために、測定部100の測定位置における板状ガラスG2の板厚がどの程度となっている必要があるかを示す値である。言い換えれば、測定位置における板状ガラスG2の板厚が基準板厚であれば、所望の板厚の板ガラスG3を得ることができることを示す。同様に、基準板幅とは、所望の板幅の板ガラスG3を得るために、測定部100の測定位置における板状ガラスG2の板幅がどの程度となっている必要があるかを示す値である。言い換えれば、測定位置における板状ガラスG2の板幅が基準板幅であれば、所望の板幅の板ガラスG3を得ることができることを示す。
以下、調整工程S22の調整内容の具体例について説明する。調整工程S22は、板状ガラスG2の板厚が基準板厚よりも薄くなる場合には、成形工程S12における一対の成形ローラ51の間隔を広くする。一方、調整工程S22は、板状ガラスG2の板厚が基準板厚よりも厚くなる場合には、成形工程S12における一対の成形ローラ51の間隔を狭くする。同様に、調整工程S22は、板状ガラスG2の板幅が基準板幅よりも短くなる場合には、成形工程S12における一対の成形ローラ51の間隔を狭くする。一方、調整工程S22は、板状ガラスG2の板幅が基準板幅よりも長くなる場合には、成形工程S12における一対の成形ローラ51の間隔を広くする。
また、調整工程S22は、板状ガラスG2の板厚が基準板厚よりも薄くなる場合には、成形工程S12における一対の成形ローラ51の回転速度を遅くする。一方、調整工程S22は、板状ガラスG2の板厚が基準板厚よりも厚くなる場合には、成形工程S12における一対の成形ローラ51の回転速度を速くする。同様に、調整工程S22は、板状ガラスG2の板幅が基準板幅よりも短くなる場合には、成形工程S12における一対の成形ローラ51の回転速度を遅くする。一方、調整工程S22は、板状ガラスG2の板幅が基準板幅よりも長くなる場合には、成形工程S12における一対の成形ローラ51の回転速度を速くする。
また、調整工程S22は、板状ガラスG2の板厚が基準板厚よりも薄くなる場合には、牽引工程S14における一対の牽引ローラ81の回転速度を遅くする。一方、調整工程S22は、板状ガラスG2の板厚が基準板厚よりも厚くなる場合には、牽引工程S14における一対の牽引ローラ81の回転速度を速くする。同様に、調整工程S22は、板状ガラスG2の板幅が基準板幅よりも短くなる場合には、牽引工程S14における一対の牽引ローラ81の回転速度を遅くする。一方、調整工程S22は、板状ガラスG2の板幅が基準板幅よりも長くなる場合には、牽引工程S14における一対の牽引ローラ81の回転速度を速くする。
さらに、調整工程S22は、板状ガラスG2の板厚が基準板厚よりも薄くなる場合には、一対の成形ローラ51に供給される溶融ガラスG1の温度を低くすることで、当該溶融ガラスG1の粘度を高くする。一方、調整工程S22は、板状ガラスG2の板厚が基準板厚よりも厚くなる場合には、一対の成形ローラ51に供給される溶融ガラスG1の温度を高くすることで、当該溶融ガラスG1の粘度を低くする。調整工程S22は、板状ガラスG2の板幅が基準板幅よりも短くなる場合には、一対の成形ローラ51に供給される溶融ガラスG1の温度を高くすることで、当該溶融ガラスG1の粘度を低くする。一方、調整工程S22は、板状ガラスG2の板幅が基準板幅よりも長くなる場合には、一対の成形ローラ51に供給される溶融ガラスG1の温度を低くすることで、当該溶融ガラスG1の粘度を高くする。
調整工程S22は、板状ガラスG2の反り及び歪を調整する目的で、徐冷部70の内部の温度条件を調整してもよい。また、調整工程S22は、上述した複数の調整内容のうち、少なくとも1つを実施すればよい。
なお、測定工程S21及び調整工程S22は、人が実施することもできるし、製造装置10を制御する制御装置が実施することもできる。測定工程S21及び調整工程S22は、製造装置10が板ガラスG3の製造を継続している間、常時又は所定の間隔ごとに実施されることが好ましい。
<実験結果>
次に、図4を参照して、実施例の実験結果について説明する。実験は、以下のように行なった。まず、ホウケイ酸ガラスの原料バッチを貯留ポット20に入れ、1650℃で溶融を行った。この間、4時間おきに溶融ガラスG1の攪拌を行った。溶融開始から24時間経過後、溶融ガラスG1の液面FLが貯留ポット20の最大高さの70%であることを確認した。続いて、成形ローラ51、案内ローラ61,62、牽引ローラ81を稼働させることで板引きを行い、板ガラスG3を得た。この際、測定部100においてレーザ変位計を用いて板状ガラスG2の板厚と板幅を測定し、この結果をフィードバックする形で、種々の調整を実施した。つまり、調整工程S22を実施した。
ここで、成形ローラ51の回転速度の調整を第1調整方法とし、成形ローラ51の間隔調整を第2調整方法とし、成形ローラ51に供給される溶融ガラスG1の温度調整を第3調整方法とし、牽引ローラ81の回転速度の調整を第4調整方法とした。第1実施例は、第1調整方法から第4調整方法までを行った実施例である。第2実施例は、第1調整方法から第3調整方法までを行う一方で、第4調整方法を行わなかった実施例である。第3実施例は、第1調整方法、第3調整方法及び第4調整方法を行う一方で、第2調整方法を行わなかった実施例である。第4実施例は、第1調整方法、第2調整方法及び第4調整方法を行った一方で、第3調整方法を行わなかった実施例である。第5実施例は、第1調整方法及び第4調整方法を行った一方で、第2調整方法及び第3調整方法を行わなかった実施例である。これに対し、第6実施例は、全ての調整方法を行わなかった。
また、貯留ポット20の最大高さとは、貯留ポット20が最大まで溶融ガラスG1を貯留したときの液面FLの高さである。以降の説明では、貯留ポット20における溶融ガラスG1の液面FLが貯留ポット20の最大高さの60%となるときの液面FLの高さを「60%高さ」という。「40%高さ」及び「10%高さ」についても同様である。
ここで、貯留ポット20における溶融ガラスG1の液面FLの高さが10%高さであるときの板ガラスG3の板厚t10を、当該液面FLの高さが60%高さであるときの板ガラスG3の板厚t60で除した値を板厚比t10/t60とする。実施例1~実施例5では、板厚比t10/t60は0.958以上であった。つまり、このことから、貯留ポット20から一対の成形ローラ51に対する溶融ガラスG1の供給量が低下しても、板ガラスG3の板厚を一定に保つことができることが示された。
また、貯留ポット20における溶融ガラスG1の液面FLの高さが10%高さであるときの板ガラスG3の板幅w10を、当該液面FLの高さが60%高さであるときの板ガラスG3の板幅w60で除した値を板幅比w10/w60とする。実施例1~実施例5では、板幅比w10/w60は0.943以上であった。このことから、貯留ポット20から一対の成形ローラ51に対する溶融ガラスG1の供給量が低下しても、板ガラスG3の板幅を一定に保つことができることが示された。
一方、第6実施例では、板厚比t10/t60及び板幅比w1/w6は、ともに0.900未満であった。つまり、第6実施例では、ガラス生地の切り替えに対応しやすいことで、多品種の板ガラスG3を効率よく製造できる効果を有するものの、他の実施例と比較すると、貯留ポット20から一対の成形ローラ51に対する溶融ガラスG1の供給量の低下に伴い、板ガラスG3の板厚と板幅を一定に維持しにくくなることが示された。
<本実施形態の作用>
本板ガラスの製造方法は、溶融工程S11、成形工程S12、徐冷工程S13、牽引工程S14及び切断工程S15を実施することにより、板ガラスG3を製造する。製造装置10が板ガラスG3の製造を継続していると、板ガラスG3を製造する環境及び条件などの変化により、板ガラスG3の板厚及び板幅に変化が生じる場合がある。この点、本板ガラスの製造方法は、板状ガラスG2の板厚及び板幅を測定する測定工程S21及び板ガラスG3の製造条件を調整する調整工程S22を実施する。このため、本板ガラスの製造方法は、製造中の板ガラスG3の板厚及び板幅を一定に保つことができる。
<本実施形態の効果>
(1)本板ガラスの製造方法は、貯留ポット20に貯留される溶融ガラスG1の組成を変更することにより、板ガラスG3の材質を容易に変更できる。つまり、本板ガラスの製造方法は、ガラス生地の切り替えに対応しやすい点で、多品種の板ガラスG3を効率よく製造できる。
(2)本板ガラスの製造方法は、測定工程S21及び調整工程S22を実施するため、ガラスを製造する環境及び条件などの変化に伴い、板ガラスG3の板厚及び板幅に変化が生じることを抑制できる。詳しくは、本板ガラスの製造方法は、貯留ポット20に貯留される溶融ガラスG1の液面FLの低下及び製造装置10に対する外乱などによって、板ガラスG3の板厚及び板幅に変化が生じることを抑制できる。
(3)本板ガラスの製造方法は、板状ガラスG2を牽引する速度を調整することで、板ガラスG3の板厚及び板幅に変化が生じることを抑制できる。
(4)測定工程S21は、徐冷部70で徐冷中の板状ガラスG2を測定する。このため、本板ガラスの製造方法は、徐冷部70で徐冷し終わった板状ガラスG2を測定する場合と比較して、板ガラスG3の形状の変化を速やかにフィードバックできる。
(5)本板ガラスの製造方法は、一対の成形ローラ51に供給される溶融ガラスG1の温度を調整することで、板ガラスG3の板幅に変化が生じることを抑制できる。詳しくは、本板ガラスの製造方法は、貯留ポット20から一対の成形ローラ51に対する単位時間あたりの溶融ガラスG1の供給量が低下する場合には、溶融ガラスG1の粘度を低くする。こうして、本板ガラスの製造方法は、一対の成形ローラ51に対する単位時間あたりの溶融ガラスG1の供給量の低下を抑制できる。
(6)例えば、板状ガラスG2を水平方向に牽引する場合には、板状ガラスG2の進む方向を鉛直下方から水平方向に変更する必要があるため、板状ガラスG2に反り及び歪みが生じやすい。このため、この場合には、成形工程S12で成形された板状ガラスG2を徐冷する徐冷工程S13を長期間にわたって実施する必要が生じる。この点、本板ガラスの製造方法は、板状ガラスG2を鉛直下方のみに牽引するため、板状ガラスG2に反り及び歪みが生じにくい。したがって、本板ガラスの製造方法は、徐冷工程S13を長期間にわたって実施しなくてもよい点で、板ガラスG3を効率良く製造できる。
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・本板ガラスの製造方法において、測定工程S21は、貯留ポット20に貯留される溶融ガラスG1の残量を測定する工程を有してもよい。例えば、測定工程S21は、貯留ポット20における溶融ガラスG1の液面FLの高さを測定したり、貯留ポット20から流出する溶融ガラスG1の量を測定したりすればよい。この場合、本板ガラスの製造方法は、貯留ポット20の溶融ガラスG1の残量に基づいて、調整工程S22を実施することが好ましい。言い換えれば、貯留ポット20の溶融ガラスG1の残量を基に、フィードフォワード的に調整工程S22を実施することが好ましい。これによれば、本板ガラスの製造方法は、貯留ポット20の溶融ガラスG1の残量の変化が板ガラスG3の板厚及び板幅に影響を与え始める前に、調整工程S22を実施できる。
・測定工程S21は、徐冷工程S13の後に板状ガラスG2を測定してもよい。言い換えれば、測定部100は、徐冷部70と牽引部80との間に配置してもよい。また、測定部100は、牽引部80と切断部90との間に配置してもよい。
・成形部50が一対の成形ローラ51の温度を調整可能に構成されている場合には、調整工程S22は、測定工程S21の測定結果に基づいて、一対の成形ローラ51の温度を調整してもよい。
・調整工程S22は、測定工程S21の測定結果に基づいて、溶融炉30の温度を調整してもよい。すなわち、調整工程S22は、測定工程S21の測定結果に基づいて、貯留ポット20から供給部40に対して供給される溶融ガラスG1の温度を変更してもよい。
・測定部100は、板状ガラスG2の形状を測定するセンサとして、板状ガラスG2に発生する歪などを測定するセンサを備えてもよい。この場合、調整工程S22は、測定工程S21の測定結果に基づき、板状ガラスG2発生する歪が小さくなるように、各種の調整を実施してもよい。
・本板ガラスの製造方法は、少なくとも溶融工程S11と成形工程S12とを備えていればよい。この変更例は、上記実施形態の効果(1)を得ることができる。
10…板ガラスの製造装置
20…貯留ポット
30…溶融炉
40…供給部
50…成形部
51…成形ローラ
60…搬送部
70…徐冷部
80…牽引部
81…牽引ローラ
90…切断部
100…測定部
G1…溶融ガラス
G2…板状ガラス
G3…板ガラス

Claims (6)

  1. 一定量の原料バッチを貯留ポットで溶解することにより溶融ガラスを得る溶融工程と、
    前記貯留ポットから供給される前記溶融ガラスを、一対の成形ローラで板状に成形する成形工程と、を備える
    板ガラスの製造方法。
  2. 前記一対の成形ローラで成形された板状ガラスの板厚及び前記板状ガラスの板幅の少なくとも一つを測定する工程を有する測定工程と、
    前記測定工程の測定結果に基づいて、前記一対の成形ローラの回転速度及び前記一対の成形ローラの間隔の少なくとも一つを調整する調整工程と、を備える
    請求項1に記載の板ガラスの製造方法。
  3. 前記板状ガラスを一対の牽引ローラで鉛直下方に牽引する牽引工程を備え、
    前記調整工程は、前記一対の牽引ローラが前記板状ガラスを牽引する速度を調整する
    請求項2に記載の板ガラスの製造方法。
  4. 前記調整工程は、前記貯留ポットから前記一対の成形ローラに供給される前記溶融ガラスの温度を調整する
    請求項2又は請求項3に記載の板ガラスの製造方法。
  5. 前記板状ガラスを徐冷する徐冷工程を備え、
    前記測定工程は、前記徐冷工程で徐冷中の前記板状ガラスを測定する
    請求項2又は請求項3に記載の板ガラスの製造方法。
  6. 前記測定工程は、前記貯留ポットに貯留される前記溶融ガラスの残量を測定する工程を有する
    請求項2又は請求項3に記載の板ガラスの製造方法。
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