JP5966769B2 - ガラス板の製造方法及びガラス板の製造装置 - Google Patents

ガラス板の製造方法及びガラス板の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス板の製造方法及びガラス板の製造装置に関する。
近年、液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイの普及が急速に進みつつある。フラットパネルディスプレイには、一般的に、支持基板として、ガラス板が用いられている。このガラス板の表面上には、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)などの電気回路パターンが形成される。このため、ガラス板は、薄膜形成工程や、薄膜のパターニング工程などの電気回路パターンの形成工程において高温雰囲気に曝される。ガラス板が高温雰囲気に曝されると、ガラスの構造緩和が進行するため、ガラス板の体積が収縮(以下、このガラスの収縮のことを「熱収縮」という。)することとなる。電気回路パターンの形成工程においてガラス板に熱収縮が生じると、ガラス板上に形成される電気回路パターンの形状寸法が、設計値からずれてしまい、所望の電気的性能を有するフラットパネルディスプレイが得難くなってしまう。
このため、フラットパネルディスプレイ用のガラス板など、電気回路パターンなどの薄膜パターンが表面に形成されるガラス板には、熱収縮率が小さいことが望まれている。特に、低温ポリシリコン膜を有するTFTを備える高精細なディスプレイ用のガラス板には、低温ポリシリコン膜を形成する際に、例えば450℃〜600℃という非常に高い温度雰囲気に曝されるため、熱収縮が生じやすいこと、電気回路パターンが高精細であるため、小さな熱収縮が生じた場合でも、所望する電気的性能が得難くなる傾向にあることから、熱収縮率が小さいことが強く望まれている。
熱収縮率が小さなガラス板を製造し得る方法として、特許文献1には、ダウンドロー法を用いて成形したガラスリボンを、徐冷点から徐冷点よりも50℃低い温度までの平均冷却速度が所定の速度以下となるように冷却した後に切断してガラス板を得る方法が記載されている。
特開2011-20864号公報
特許文献1にも記載されているように、一般的に、熱収縮率の小さなガラス板を得るためには、ガラスリボンの冷却速度を低くする必要がある。このため、徐冷炉は長い方が好ましいと考えられている。ダウンドロー法を用いた場合においても同様に、徐冷炉を長くする方が好ましいと考えられている。
しかしながら、本発明者らが鋭意研究した結果、徐冷炉を長くしすぎると、得られるガラス板の反り量が大きくなったり、厚みむらが大きくなったりすることがあることが見出された。
本発明の主な目的は、ダウンドロー法によりガラス板を製造する方法であって、反り量及び厚みむらが小さなガラス板を製造し得る方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究の結果、徐冷炉が長すぎる場合に、得られるガラス板の反り量が大きくなったり、厚みむらが大きくなったりするのは、徐冷炉において煙突効果が生じるためであることが見出された。すなわち、徐冷炉の長さが徐冷炉の横断面積に対して長すぎる場合は、煙突効果が生じ、徐冷炉の下側開口から上方に向かって外気が流入する。この流入する外気の温度は、徐冷炉内の雰囲気温度よりも低い。このため、徐冷炉内に外気が流入することによって、徐冷炉内の雰囲気に温度ばらつきが大きくなる。また、外気の流入により、徐冷炉内に気流が生じる。これらの要因によってガラス板の反り量や厚みむらが大きくなるものと考えられる。本発明者らは、これらの知見に基づいてさらに鋭意研究した結果、本発明を成すに至った。
すなわち、本発明に係るガラス板の製造方法では、ダウンドロー法により溶融ガラスをガラスリボンに成形する成形工程を行う。ガラスリボンを徐冷炉を通過させることによって徐冷する徐冷工程を行う。徐冷工程の後に、ガラスリボンを切断してガラス板を得る切断工程を行う。徐冷炉の流路面積をS(m)、徐冷炉の高さをh(m)としたときに、5m≦h<15m、S・h1/2が5.8m5/2以下である。
本発明に係るガラス板の製造方法において、S・h1/2が1.5m5/2以上であることが好ましい。
本発明に係るガラス板の製造方法において、Sが0.4m〜1.5mであることが好ましい。
本発明に係るガラス板の製造方法において、ガラスリボンの徐冷点が700℃〜800℃であることが好ましい。
なお、本発明において、「徐冷点」とは、ガラスが1013dPa・sの粘度を示す温度であり、ASTM C336−71に規定の方法により測定した温度である。
本発明に係るガラス板の製造方法において、徐冷炉内の平均温度が600℃〜800℃であることが好ましい。
本発明に係るガラス板の製造方法において、ガラスリボンの徐冷点をTa(℃)とし、ガラスリボンの徐冷炉を通過する速度をR(m/分)としたときに、200・R・10^(−0.00018361Ta+0.23414Ta−75.29)≦hが満たされることが好ましい。
本発明に係るガラス板の製造方法において、ガラスリボンの徐冷点をTa(℃)とし、ガラスリボンの徐冷点よりも100℃高い温度からガラスリボンの徐冷点よりも100℃低い温度までの間の温度範囲におけるガラスリボンの平均冷却速度をR(℃/分)としたときに、log10≦0.00018361Ta−0.23414Ta+75.29が満たされることが好ましい。
なお、「平均冷却速度」とは、所定の温度領域をガラスリボンの幅方向中央部分が通過するのに要する時間を算出し、上記所定の温度領域内の温度差を通過に要した時間で除算して求めた速度である。
本発明に係るガラス板の製造方法において、徐冷工程において、ガラスリボンの徐冷点+100℃より高い温度域におけるガラスリボンの平均冷却速度と、ガラスリボンの徐冷点−100℃よりも低い温度域におけるガラスリボンの平均冷却速度とのそれぞれが、ガラスリボンの徐冷点+100℃からガラスリボンの徐冷点−100℃までの間の温度範囲におけるガラスリボンの平均冷却速度よりも高くなるようにガラスリボンを冷却することが好ましい。
本発明に係るガラス板の製造方法において、成形工程において、ガラスリボンをオーバーフローダウンドロー法により成形することが好ましい。
本発明に係るガラス板の製造方法において、Sが0.4m〜1.0mであり、S・h1/2が3.4m5/2以下であることが好ましい。
本発明に係るガラス板の製造装置は、ダウンドロー法により溶融ガラスをガラスリボンに成形するガラスリボン成形部と、ガラスリボンを徐冷するための徐冷炉と、徐冷炉から送出されたガラスリボンを切断してガラス板を得る切断機構とを備える。徐冷炉の流路面積をS(m)、徐冷炉の高さをh(m)としたときに、5m≦h<15m、S・h1/2が5.8m5/2以下である。
本発明によれば、ダウンドロー法によりガラス板を製造する方法であって、反り量及び厚みむらが小さなガラス板を製造し得る方法を提供することができる。
ガラス製造装置の一部分を表す模式的構成図である。 熱収縮率の測定方法を説明するための模式図である。
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、下記の実施形態は、単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
また、実施形態等において参照する各図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照することとする。また、実施形態等において参照する図面は、模式的に記載されたものである。図面に描画された物体の寸法の比率などは、現実の物体の寸法の比率などとは異なる場合がある。図面相互間においても、物体の寸法比率等が異なる場合がある。具体的な物体の寸法比率等は、以下の説明を参酌して判断されるべきである。
図1は、本実施形態におけるガラス製造装置の一部分を表す模式的構成図である。図1に示すガラス製造装置1は、オーバーフローダウンドロー法によってガラス板を製造するための装置である。
ガラス製造装置1は、ガラスリボン成形部としての成形炉10を備えている。この成形炉10は、ダウンドロー法、より詳細には、オーバーフローダウンドロー法によりガラスリボンを成形するためのものである。成形炉10の内部には、横断面が略楔状の成形体(forming body)11が配置されている。この成形体11には、図示しないガラス溶融炉において溶融された溶融ガラス12が供給される。供給された溶融ガラス12は、成形体11の両側からあふれ出し、成形体11の下端部の下方において合流する。その結果、ガラスリボン13が成形される。なお、成形体11の下方には、ローラー対14が配置されている。ガラスリボン13がこのローラー対14で把持され、冷却されることによって、ガラスリボン13の幅方向への収縮が抑制される。
本実施形態において使用するガラス材料は特に限定されないが、ガラスリボン13の徐冷点(Ta)は、700℃以上であることが好ましい。徐冷点(Ta)は、ガラス板25の熱収縮率と相関し、具体的には、徐冷点(Ta)が高いほど、ガラス板25の熱収縮率が小さくなる。従って、ガラスリボン13の徐冷点(Ta)を700℃以上とすることにより、熱収縮率がより小さなガラス板25を製造することができる。熱収縮率がさらに小さなガラス板25を得る観点からは、ガラスリボン13の徐冷点(Ta)は、730℃以上であることがより好ましく、750℃以上であることがより好ましく、770℃以上であることがさらに好ましい。ガラスリボン13の徐冷点の上限は、1000℃であることが好ましく、900℃であることがより好ましい。ガラスリボン13の歪点は、650℃以上であることが好ましく、680℃以上であることがより好ましく、700℃以上であることがより好ましく、720℃以上であることがさらに好ましい。
また、溶融ガラス12の液相温度における粘度(液相粘度)が104.5dPa・s以上であることが好ましく、105.0dPa・s以上であることがより好ましく、105.5dPa・s以上であることがさらに好ましく、106.0dPa・s以上であることがなお好ましい。この場合、オーバーフローダウンドロー法によるガラスリボン13の成形に適した温度にまで溶融ガラス12の温度を低下させた場合でも、溶融ガラス12が失透しない。すなわち、溶融ガラス12がオーバーフローダウンドロー法に適した粘度となるまで溶融ガラス12の温度を下げることができる。従って、オーバーフローダウンドロー法によりガラスリボン13を好適に成形することができる。
液相温度が低く、液相粘度が高く、かつ歪点が高いガラスリボン13を得ることができる溶融ガラス12としては、例えば、質量百分率で、SiO:50〜70%、Al:10〜25%、B:3〜15%、MgO:0〜10%、CaO:0〜15%、SrO:0〜15%、BaO:0〜10%及びNaO:0〜5%を含有する溶融ガラスが挙げられる。また、このような溶融ガラスを用いることにより、例えば、フラットパネルディスプレイ用のガラス板に要求される特性、例えば、耐薬品性、比ヤング率、化学的耐久性などの特性に優れたガラス板25を製造することができる。
なお、液相粘度は、以下の手順で求めることができる。まず、ガラスを粉砕し、標準篩30メッシュ(50μm)を通過し、50メッシュ(300μm)を通過しないガラス粉末を用意する。そのガラス粉末を白金ボードに入れ、所定の温度で24時間保持し、その後、結晶の有無を目視により確認する。これを複数の温度について行い、結晶が析出する最も高い温度(液相温度)を求める。また、白金球引き上げ法により、各温度における溶融ガラスの粘度を測定し、粘度曲線を作成する。この粘度曲線と液相温度とから、液相温度における溶融ガラスの粘度(液相粘度)を算出する。
本実施形態において、ガラスの溶融工程は特に限定されない。例えば、所望の比率で混合されたガラス原料、またはガラスカレットを、例えばPt製の坩堝や耐火物製の溶融炉などに投入し、例えば1500℃〜1650℃程度の所定の温度にまで加熱した後に、清澄、攪拌、均質化等を行うことにより、溶融ガラス12を得ることができる。
本実施形態において、成形工程において成形されるガラスリボン13の幅は、500mm以上であることが好ましく、700mm以上であることがさらに好ましく、900mm以上であることがさらになお好ましく、1000mm以上であることがさらに好ましく、1500mm以上であることがなお好ましく、2000mm以上であることが特に好ましい。このようにガラスリボン13の幅が大きい場合に、オーバーフローダウンドロー法の効果がより顕著に現れる。具体的には、ガラスリボン13の幅が大きくなるほど、ガラス板25の表面の研磨が困難になるが、本実施形態のガラス板の製造方法によりガラス板25を製造した場合は、ガラス板25の表面を研磨する必要がないため、ガラス板25を容易かつ安価に製造することができる。また、ガラスリボン13の幅が大きくなるほど、ガラス板25に反りや歪みが生じやすいが、本実施形態のガラス板の製造方法によりガラス板25を製造した場合は、幅の大きなガラス板25であっても、反りや歪みの発生を効果的に抑制することができる。
また、ガラスリボン13の厚みに関しても、特に制約はなく、ガラス板25の用途などに応じて適宜設定することができる。例えば、モバイル用のディスプレイに用いられるガラス板25を製造する場合は、ガラス板25の厚みが0.1〜0.5mm程度となるようにガラスリボン13の厚みを設定することができる。また、モニタやテレビなどのフラットパネルディスプレイ用のガラス板25を製造する場合には、ガラス板25の厚みが0.3〜1.1mm程度となるようにガラスリボン13の厚みを設定することができる。
成形されたガラスリボン13は、成形炉10の下方に配置されている徐冷炉20に導かれる。ガラスリボン13を、この徐冷炉20を通過させることによって、ガラスリボン13を所定の温度にまでゆっくりと冷却する徐冷(アニール)工程が行われる。
徐冷炉20には、複数のヒーター21が配置されている。これら複数のヒーター21によって徐冷炉20内の温度が制御されている。具体的には、上流側に配置されているヒーター21ほど高い温度に設定されており、下流側に配置されているヒーター21ほど低い温度に設定されている。そして、上流側から下流側に向かって、ヒーター21の設定温度を徐々に低くしていくことにより、徐冷炉20内に温度勾配が形成され、後述する所望のガラスリボン13の冷却条件が実現されている。
また、徐冷炉20には、複数の引張ローラー対22が設けられており、ガラスリボン13は、これら複数の引張ローラー対22によって把持されている。これにより、ガラスリボン13が安定して下方へ導かれる。
徐冷炉20の下方には、冷却室23が配置されている。この冷却室23は、ヒーター21を有さず、温度が制御されていない部屋である。すなわち、ガラスリボン13が通過する空間のうち、ヒーターが設けられており、温度制御されている部分が徐冷炉20であり、その徐冷炉20の下流側に設けられており、ヒーターによる温度制御が行われていない部分が冷却室23である。
徐冷炉20において徐冷されたガラスリボン13は、この冷却室23において、室温近くまで、自然冷却によって冷却される。なお、冷却室23の長さ(高さ)は、特に限定されないが、冷却室23の長さ(高さ)は、例えば、2〜10m程度に設定することができる。
冷却室23の下方には、切断室24が配置されている。この切断室24には、切断機構26が配されている。この切断機構26によりガラスリボン13が所定寸法に切断されることにより、ガラス板25が完成する。なお、切断機構26は、例えば、スクライブ装置、折り割り装置等により構成することができる。
(徐冷工程)
次に、徐冷工程の詳細について説明する。
ガラス製造装置1においては、
徐冷炉20の流路面積(徐冷炉20の横断面における徐冷炉20内の空間の面積)をS(m)、
徐冷炉20の高さをh(m)、
としたときに、
5m≦h<15m、
S・h1/2≦5.8m5/2
が満たされる。
ここで、煙突効果が生じたときの給気速度は、徐冷炉20の流路面積S及び徐冷炉20の高さhの1/2乗(h1/2)のそれぞれに比例する。このため、S・h1/2を5.8m5/2以下と小さくすることにより、徐冷炉20への給気速度を低くすることができる。従って、煙突効果が生じにくく、反り量が小さく、厚みむらが小さいガラス板25を製造することができる。
反り量がより小さく、厚みむらがより小さなガラス板25を得る観点からは、S・h1/2≦5.6m5/2であることがより好ましく、S・h1/2≦5.4m5/2、S・h1/2≦4.5m5/2、S・h1/2≦3.4m5/2、S・h1/2≦3.2m5/2、特にS・h1/2≦3.15m5/2であることがなお好ましい。徐冷炉20の高さhは、14m以下であることが好ましく、13m以下であることがより好ましく、12m以下であることがさらに好ましい。Sは0.4m〜1.5mであることが好ましく、0.5m〜1.2m、0.5m〜1.0m、特に0.5m〜0.9mであることがより好ましい。徐冷炉20内の平均温度Tが600℃〜800℃であることが好ましく、650℃〜750℃であることがより好ましい。徐冷炉20の外気の温度Tが10℃〜60℃であることが好ましく、20℃〜50℃であることがより好ましい。(T−T)/Tが0.90〜0.99であることが好ましく、0.92〜0.98であることがより好ましい。
但し、S・h1/2が小さすぎると、徐冷炉20の高さhが低くなりすぎ、ガラス板25の熱収縮率が大きくなりすぎる場合がある。従って、S・h1/2≧1.5m5/2であることがより好ましく、S・h1/2≧2m5/2であることがさらに好ましい。
例えば、徐冷炉20において、ガラスリボン13を、ガラスリボン13の徐冷点+100℃から、ガラスリボン13の徐冷点−100℃まで冷却すると仮定する。すると、ガラスリボン13の当該温度域における冷却速度R(℃/分)は、
={(Ta+100)−(Ta−100)}/(h/R
=(200・R)/h
となる。ここで、Rは、ガラスリボン13の徐冷炉20を通過する速度(=板引き速度)(m/分)である。
ここで、特許文献1にも記載のように、熱収縮率が30ppm以下のガラスを得るためには、
log10≦0.00018361Ta−0.23414Ta+75.29
とすることが好ましい。従って、上記2つの式から、熱収縮率が30ppm以下のガラスを得るためには、
log10{(200・R)/h)}≦0.00018361Ta−0.23414Ta+75.29
が満たされることが好ましいことが分かる。従って、熱収縮率が30ppm以下のガラスを得るためには、
h≧200・R・10^(−0.00018361Ta+0.23414Ta−75.29)
すなわち、X=0.00018361Ta−0.23414Ta+75.29とすると、
h≧200・R・10−X
が満たされることが好ましいことが分かる。
以上の結果から、反り量及び厚みむらが小さく、かつ、熱収縮率が30ppm以下と低いガラス板25を得る観点からは、
5m≦h<15m、
S・h1/2≦5.8m5/2、かつ
h≧200・R・10^(−0.00018361Ta+0.23414Ta−75.29)
が満たされることが好ましい。
そして、
log10≦0.00018361Ta−0.23414Ta+75.29
が満たされるように、ガラスリボン13の冷却を行うことが好ましい。
反り量及び厚みむらが小さく、かつ、熱収縮率が20ppm以下と低いガラス板25を得る観点からは、
5m≦h<15m、
S・h1/2≦5.8m5/2、かつ
h≧200・R・10^(−0.00011821Ta+0.14847Ta−47.03)
が満たされることが好ましい。
そして、
log10≦0.00011821Ta−0.14847Ta+47.03
が満たされるように、ガラスリボン13の冷却を行うことが好ましい。
反り量及び厚みむらが小さく、かつ、熱収縮率が10ppm以下と低いガラス板25を得る観点からは、
5m≦h<15m、
S・h1/2≦5.8m5/2、かつ
h≧200・R・10^(−0.000054326Ta+0.064985Ta−19.56)
が満たされることが好ましい。
そして、
log10≦0.000054326Ta−0.064985Ta+19.56
が満たされるように、ガラスリボン13の冷却を行うことが好ましい。
上記のような高さhと徐冷点Taとの関係を成立させるためには、徐冷工程において、ガラスリボンの徐冷点+100℃より高い温度域におけるガラスリボンの平均冷却速度と、ガラスリボンの徐冷点−100℃よりも低い温度域におけるガラスリボンの平均冷却速度とのそれぞれが、ガラスリボンの徐冷点+100℃からガラスリボンの徐冷点−100℃までの間の温度範囲におけるガラスリボンの平均冷却速度よりも高くなるようにガラスリボンを冷却することが好ましい。ガラスリボンの徐冷点+100℃より高い温度域におけるガラスリボンの平均冷却速度と、ガラスリボンの徐冷点−100℃よりも低い温度域におけるガラスリボンの平均冷却速度とのそれぞれは、ガラスリボンの徐冷点+100℃からガラスリボンの徐冷点−100℃までの間の温度範囲におけるガラスリボンの平均冷却速度の1.1倍〜20倍であることが好ましく、1.5倍〜15倍であることがより好ましい。
なお、ガラスリボン13の徐冷炉20を通過する速度(板引き速度)Rは、1m/分以上であることが好ましく、2m/分以上であることがより好ましく、3m/分以上であることがより好ましく、4m/分以上であることがさらに好ましく、4.5m/分以上であることがなお好ましい。このように、ガラスリボン13の徐冷炉20を通過する速度Rを高くすることにより、徐冷炉20内の温度変化を抑制することができるため、より高品位のガラス板25を得ることができる。
本実施形態のガラス板の製造方法は、電気回路パターンなどが表面に形成されるガラス板など、熱収縮率が小さいことが求められるガラス板一般の製造に好適に用いることができる。具体的には、本実施形態のガラス板の製造方法は、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ用のガラス板、電荷結合素子(CCD:Charge Coupled Device)や相補型金属酸化膜半導体(CMOS:Complementary Metal−Oxide Semiconductor device)などの撮像素子用のガラス板などに好適に用いることができる。なかでも、本実施形態のガラス板の製造方法は、高精細な電気回路パターンが形成され、かつガラス板の面積が大きな、フラットパネルディスプレイ用ガラス板の製造に好適であり、さらには、低温ポリシリコン膜を有する薄膜トランジスタが表面に形成されているガラス板を備えるフラットパネルディスプレイのガラス板の製造に特に好適である。
なお、上記実施形態では、オーバーフローダウンドロー法によりガラス板を製造する例について説明したが、本発明においては、例えば、スロットダウンドロー法などのオーバーフローダウンドロー法以外のダウンドロー法を用いてもよい。
(実施例1〜12及び比較例1,2)
図1に示すガラス製造装置1の成形体11に溶融ガラスを供給し、ローラー対14,22を用いてガラスリボンを成形した。ガラスリボンの幅は、1500mmとし、厚みは、0.5mmとした。
そして、表1〜5に示す高さの徐冷炉にて徐冷し、冷却室23にて自然冷却した後、切断し、ガラス板を作製した。その後、ガラス板の熱収縮率、ガラス板の反り量、及びガラス板の厚み偏差を測定した。測定結果を表1〜5に示す。
なお、ガラス板の熱収縮率は、得られたガラス板の熱収縮率(Ta)を測定した。まず、図2(a)に示すように、ガラス基板25の所定の部位に、直線状のマークM1,M2を間隔をおいて2カ所記入した後に、図2(b)に示すように、ガラス基板25を、マークM1,M2と垂直な方向に分断することにより、ガラス板片25aと、ガラス板片25bとを得た。そして、ガラス板片25aのみを、常温から5℃/分の速度で500℃まで昇温し、500℃で1時間保持した後、5℃/分の速度で常温まで冷却した。その後、図2(c)に示すように、熱処理を施したガラス板片25aと、熱処理を施していないガラス板片25bとを並べて接着テープで固定した状態で、ガラス板片25aのマークM1,M2と、ガラス板片25bのマークM1,M2とのずれ量を測定し、下記式(9)に基づいて熱収縮率を算出した。
(熱収縮率(ppm))=(Δl(μm)+Δl(μm))/l(m) ……(9)
但し、
:ガラス基板25におけるマークM1とマークM2との間の距離、
:ガラス板片25aのマークM1とガラス板片25bのマークM1との間の距離、
:ガラス板片25aのマークM2とガラス板片25bのマークM2との間の距離、
である。
ガラス板の反り値は、ガラス板の中央部から切り出した550mm×650mmの大きさの試料を東芝社製ガラス板反り測定機により測定した。
ガラス板の厚み偏差は、東芝エンジニアリング製自動板厚測定機で測定した。
徐冷炉の出口における風速は、アイ電子技研製ハンディタイプ風速計を用いて測定した。
Figure 0005966769
Figure 0005966769
Figure 0005966769
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表1〜5に示す結果から、徐冷炉の横断面積が0.4m〜1.0mである場合に、5m≦h<15mかつS・h1/2≦3.4m5/2とすることにより反り量及び厚み偏差を小さくできることが分かる。
1…ガラス製造装置
10…成形炉
11…成形体
12…溶融ガラス
13…ガラスリボン
14…ローラー対
20…徐冷炉
21…ヒーター
22…引張ローラー対
23…冷却室
24…切断室
25…ガラス板
25a、25b…ガラス板片

Claims (10)

  1. ダウンドロー法により溶融ガラスをガラスリボンに成形する成形工程と、
    前記ガラスリボンを徐冷炉を通過させることによって徐冷する徐冷工程と、
    前記徐冷工程の後に、前記ガラスリボンを切断してガラス板を得る切断工程と、
    を備え、
    前記徐冷炉の流路面積をS(m)、前記徐冷炉の高さをh(m)としたときに、5m≦h<15m、S・h1/21.5m 5/2 以上5.8m5/2以下である、ガラス板の製造方法。
  2. Sが0.4m〜1.5mである、請求項1に記載のガラス板の製造方法。
  3. 前記ガラスリボンの徐冷点が700℃〜800℃である、請求項1または2に記載のガラス板の製造方法。
  4. 前記徐冷炉内の平均温度が600℃〜800℃である、請求項1〜のいずれか一項に記載のガラス板の製造方法。
  5. 前記ガラスリボンの徐冷点をTa(℃)とし、前記ガラスリボンの前記徐冷炉を通過する速度をR(m/分)としたときに、200・R・10^(−0.00018361Ta+0.23414Ta−75.29)≦hが満たされる、請求項1〜のいずれか一項に記載のガラス板の製造方法。
  6. 前記ガラスリボンの徐冷点をTa(℃)とし、前記ガラスリボンの徐冷点よりも100℃高い温度から前記ガラスリボンの徐冷点よりも100℃低い温度までの間の温度範囲における前記ガラスリボンの平均冷却速度をR(℃/分)としたときに、log10≦0.00018361Ta−0.23414Ta+75.29が満たされる、請求項1〜のいずれか一項に記載のガラス板の製造方法。
  7. 前記徐冷工程において、前記ガラスリボンの徐冷点+100℃より高い温度域における前記ガラスリボンの平均冷却速度と、前記ガラスリボンの徐冷点−100℃よりも低い温度域における前記ガラスリボンの平均冷却速度とのそれぞれが、前記ガラスリボンの徐冷点+100℃から前記ガラスリボンの徐冷点−100℃までの間の温度範囲における前記ガラスリボンの平均冷却速度よりも高くなるように前記ガラスリボンを冷却する、請求項1〜のいずれか一項に記載のガラス板の製造方法。
  8. 前記成形工程において、前記ガラスリボンをオーバーフローダウンドロー法により成形する、請求項1〜のいずれか一項に記載のガラス板の製造方法。
  9. Sが0.4m〜1.0mであり、S・h1/2が3.4m5/2以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載のガラス板の製造方法。
  10. ダウンドロー法により溶融ガラスをガラスリボンに成形するガラスリボン成形部と、
    前記ガラスリボンを徐冷するための徐冷炉と、
    前記徐冷炉から送出されたガラスリボンを切断してガラス板を得る切断機構と、
    を備え、
    前記徐冷炉の流路面積をS(m)、徐冷炉の高さをh(m)としたときに、5m≦h<15m、S・h1/21.5m 5/2 以上5.8m5/2以下である、ガラス板の製造装置。
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