JP6675849B2 - ガラス板の製造方法およびガラス板の製造装置 - Google Patents

ガラス板の製造方法およびガラス板の製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6675849B2
JP6675849B2 JP2015194517A JP2015194517A JP6675849B2 JP 6675849 B2 JP6675849 B2 JP 6675849B2 JP 2015194517 A JP2015194517 A JP 2015194517A JP 2015194517 A JP2015194517 A JP 2015194517A JP 6675849 B2 JP6675849 B2 JP 6675849B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
molded body
sheet glass
furnace
heat insulating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015194517A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017065983A (ja
Inventor
公彦 中嶋
公彦 中嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Avanstrate Inc
Avanstrate Asia Pte Ltd
Original Assignee
Avanstrate Inc
Avanstrate Asia Pte Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Avanstrate Inc, Avanstrate Asia Pte Ltd filed Critical Avanstrate Inc
Priority to JP2015194517A priority Critical patent/JP6675849B2/ja
Publication of JP2017065983A publication Critical patent/JP2017065983A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6675849B2 publication Critical patent/JP6675849B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)

Description

本発明は、ガラス板の製造方法およびガラス板の製造装置に関する。
従来、ガラス板の製造方法の一つとして、ダウンドロー法が用いられている。ダウンドロー法では、成形体からオーバーフローした熔融ガラスが、分流して成形体の側面に沿って流下する。次に、熔融ガラスは、成形体の下端部で合流して、ガラス板に成形される。成形されたガラス板は、鉛直方向下方に搬送されながら冷却される。冷却工程において、ガラス板は、粘性域から粘弾性域を経て弾性域へと推移する。
ダウンドロー法を用いるガラス板の製造装置では、一般的に、成形体から離れたシートガラスが徐冷点近傍まで冷却される冷却ゾーン(下部空間)が、断熱部材によって成形体が配置される上部空間と区画される(例えば、特許文献1参照)。断熱部材は、上部空間から下部空間への熱移動を抑え、さらに、下部空間から上部空間へ上昇する気流を抑えることにより、下部空間の雰囲気温度が所望の温度プロファイルになるように制御するために配置される。ここで、所望の温度プロファイルとは、徐冷ゾーンにおける、ガラス板に歪みが発生しないような温度分布を意味する。従って、断熱部材は、ガラス板を徐冷することで歪みの少ないガラス板を成形するために重要である。
特開2008―88005号公報
断熱部材には、成形体から下降するシートガラスが通過するためのスリット状の隙間が設けられており、断熱部材はシートガラスと間隔を空けて配置される。この隙間を通過したシートガラスによって下部空間の空気が温められると、シートガラスの周囲に上昇気流が生じる。この上昇気流は断熱部材とシートガラスとの隙間を通過するときに流速が高まり、流速が高まった上昇気流が成形体の下端に当たるとガラスが冷却される。成形体の下端のガラスが冷却されると、シートガラスの板厚の変動(板厚偏差)の原因となるおそれがある。
そこで、本発明は、シートガラスが通過するスリット状の隙間を上昇する上昇気流によって、成形体の下端のガラスが冷却されることを抑制することを目的とする。
本発明の一態様は、ガラス板の製造方法であって、
炉壁で囲まれた成形炉室の、成形体が配置される上部空間において、前記成形体から熔融ガラスをオーバーフローさせてシートガラスを成形する工程と、
前記成形体よりも下部においてシートガラスの厚さ方向の両側に配置される遮断部材によって作られるスリット状の第1の隙間、および、前記遮断部材の下方に配置され、前記成形炉室を前記上部空間と前記上部空間に対して下方にある下部空間に間仕切りする断熱部材によって作られるスリット状の第2の隙間に前記シートガラスを通して下降させる工程と、
前記下部空間において、前記シートガラスを冷却する冷却工程と、を備え、
前記断熱部材は、前記上部空間を囲む炉壁の一部であり、
前記遮断部材は、前記成形炉の外部から前記成形炉室を囲む炉壁を貫通して、前記遮断部材の一部が前記上部空間内配置され、
前記成形体と前記遮断部材との距離が前記第1の隙間の最大幅よりも大きくなるように前記遮断部材を配置し、かつ、
前記成形体と前記断熱部材との距離が前記第2の隙間の最大幅よりも大きくなるように前記断熱部材を配置することを特徴とする。
前記冷却工程は、前記下部空間において、冷却ローラによって、前記シートガラスの幅方向の端部を厚さ方向に挟み、前記シートガラスを下方に搬送しながら幅方向の端部を冷却する工程を含み、
前記断熱材と前記成形体との距離が、前記断熱材と前記冷却ローラとの距離よりも大きくなるように前記断熱材を配置することが好ましい。
本発明の他の態様は、ガラス基板の製造装置であって、
炉壁で囲まれた成形炉室内に設けられ、熔融ガラスをオーバーフローさせてシートガラスを成形する成形体と、
前記成形炉室の外部から前記炉壁を貫通して一部が前記成形炉室内に設けられ、前記成形体よりも下部かつシートガラスの厚さ方向の両側に配置され、前記シートガラスが通過する第1の隙間を形成する遮断部材と、
前記成形炉室内において前記遮断部材の下方に配置され、前記成形炉室を前記成形体及び前記遮断部材の前記一部が配置される上部空間と、前記上部空間の下方にある下部空間とに間仕切りし、前記上部空間を囲む炉壁の一部となるとともに、前記シートガラスが通過する第2の隙間を形成する断熱部材と、
前記下部空間に設けられ、前記シートガラスを冷却する冷却装置と、を備え、
前記遮断部材は、前記成形体と前記遮断部材との距離が前記第1の隙間の最大幅よりも大きくなるように配置され、かつ、
前記断熱部材は、前記成形体と前記断熱部材との距離が前記第2の隙間の最大幅よりも大きくなるように配置されることを特徴とする。
上述の態様のガラス板の製造方法によれば、断熱部材と成形体との距離が断熱材により形成されるスリットの最大幅よりも大きく、かつ、成形体の上部に配置される遮断部材と成形体と距離が遮断部材により形成されるスリットの最大幅よりも大きいため、スリット状の隙間を通過する上昇気流が成形体の下端のガラスに当たる前に上部空間内で拡散し、上昇気流によって成形体の下端のガラスが冷却されることを抑制することができる
ガラス基板の製造方法を示すフロー図である。 ガラス基板の製造装置の概略図である。 成形装置200を示す概略図である。 図3のIV−IV矢視断面図である。 図4のV部の拡大図である。
以下、本発明のガラス基板の製造方法について説明する。
(ガラス基板の製造方法の全体概要)
図1は、本実施形態のガラス基板の製造方法の工程の一例を示す図である。ガラス基板の製造方法は、熔解工程(ST1)、清澄工程(ST2)、均質化工程(ST3)、供給工程(ST4)、成形工程(ST5)、徐冷工程(ST6)、および、切断工程(ST7)を主に有する。この他に、研削工程、研磨工程、洗浄工程、検査工程、梱包工程等を有してもよい。製造されたガラス基板は、必要に応じて梱包工程で積層され、納入先の業者に搬送される。
熔解工程(ST1)では、ガラス原料を加熱することにより熔融ガラスを作る。
清澄工程(ST2)では、熔融ガラスが昇温されることにより、熔融ガラス中に含まれる酸素、COあるいはSOを含んだ泡が発生する。この泡が熔融ガラス中に含まれる清澄剤(酸化スズ等)の還元反応により生じた酸素を吸収して成長し、熔融ガラスの液面に浮上して放出される。その後、清澄工程では、熔融ガラスの温度を低下させることにより、清澄剤の還元反応により得られた還元物質が酸化反応をする。これにより、熔融ガラスに残存する泡中の酸素等のガス成分が熔融ガラス中に再吸収されて、泡が消滅する。
均質化工程(ST3)では、スターラを用いて熔融ガラスを撹拌することにより、ガラス成分の均質化を行う。これにより、脈理等の原因であるガラスの組成ムラを低減することができる。均質化工程は、後述する撹拌槽において行われる。
供給工程(ST4)では、撹拌された熔融ガラスが成形装置に供給される。
成形工程(ST5)及び徐冷工程(ST6)は、成形装置で行われる。
成形工程(ST5)では、熔融ガラスをシートガラスに成形し、シートガラスの流れを作る。成形には、オーバーフローダウンドロー法が用いられる。
徐冷工程(ST6)では、成形されて流れるシートガラスが所望の厚さになり、内部歪が生じないように、さらに、反りが生じないように冷却される。
切断工程(ST7)では、徐冷後のシートガラスを所定の長さに切断することで、板状のガラス基板を得る。切断されたガラス基板はさらに、所定のサイズに切断され、目標サイズのガラス基板が作られる。
図2は、本実施形態における熔解工程(ST1)〜切断工程(ST7)を行うガラス基板の製造装置の概略図である。ガラス基板の製造装置は、図2に示すように、主に熔解装置100と、成形装置200と、切断装置300と、を有する。熔解装置100は、熔解槽101と、清澄管102と、撹拌槽103と、移送管104、105と、ガラス供給管106と、を有する。
図2に示す熔解槽101には、図示されないバーナー等の加熱手段が設けられている。熔解槽には清澄剤が添加されたガラス原料が投入され、熔解工程(ST1)が行われる。熔解槽101で熔融した熔融ガラスは、移送管104を介して清澄管102に供給される。
清澄管102では、熔融ガラスMGの温度を調整して、清澄剤の酸化還元反応を利用して熔融ガラスの清澄工程(ST2)が行われる。具体的には、清澄管102内の熔融ガラスが昇温されることにより、熔融ガラス中に含まれる酸素、COあるいはSOを含んだ泡が、清澄剤の還元反応により生じた酸素を吸収して成長し、熔融ガラスの液面に浮上して気相空間に放出される。その後、熔融ガラスの温度を低下させることにより、清澄剤の還元反応により得られた還元物質が酸化反応をする。これにより、熔融ガラスに残存する泡中の酸素等のガス成分が熔融ガラス中に再吸収されて、泡が消滅する。清澄後の熔融ガラスは、移送管105を介して撹拌槽103に供給される。
撹拌槽103では、撹拌子103aによって熔融ガラスが撹拌されて均質化工程(ST3)が行われる。撹拌槽103で均質化された熔融ガラスは、ガラス供給管106を介して成形装置200に供給される(供給工程ST4)。
成形装置200では、オーバーフローダウンドロー法により、熔融ガラスからシートガラスSGが成形され(成形工程ST5)、徐冷される(徐冷工程ST6)。
切断装置300では、シートガラスSGから切り出された板状のガラス基板が形成される(切断工程ST7)。
次に、成形装置200の詳細な構成について説明する。
(成形装置)
図3は成形装置200を示す概略図であり、図4は図3のIV−IV矢視断面図である。
成形装置200の炉壁203、204、仕切り板260および隔壁261〜264は、酸化被膜が形成されたSiC部材、耐火レンガ、耐火断熱レンガ、ファイバー系断熱材等の耐火物、及びステンレスなどの金属の組み合わせにより形成されている。図3、図4に示すように、成形装置200の内部空間は、仕切り板260によって、成形炉201と、成形炉201の下部の徐冷炉202とに区分けされている。成形炉201では成形工程(ST5)が行われ、徐冷炉202では徐冷工程(ST6)が行われる。
図4に示すように、成形炉201は、鉛直な炉壁203によって、水平方向外側の外部空間と区画されている。また、成形炉201は、1対の雰囲気仕切り部材220(断熱材)によって上部成形炉201Aと下部成形炉201Bとに区分けされている。
上部成形炉201Aには、成形体210が設けられている。上部成形炉201Aには、雰囲気及び成形体210、成形体210を流下する熔融ガラスMGを加熱するためのヒータ216が設けられている。
成形体210には、図2に示すガラス供給管106を通して熔解装置100から熔融ガラスが供給される。なお、ガラス供給管106は白金からなり、通電により加熱され、ガラス供給管106から成形体210に供給される熔融ガラスの温度・粘度を調整することができる。
成形体210は、耐火レンガ等によって構成された細長い構造体であり、図4に示すように、上端から下端に向かって幅が狭くなる鉛直断面楔形状を成している。成形体210の上部には、熔融ガラスMGを導く流路となる溝212が設けられている。溝212は、ガラス供給管106と接続され、ガラス供給管106を通して流れてくる熔融ガラスMGは、溝212を伝って流れる。溝212の深さは、熔融ガラスMGの流れの下流ほど浅くなっているため、溝212を流れる熔融ガラスMGは徐々に溝212から溢れ出し、成形体210の両側の側壁を伝わって流下し、成形体210の下方端部213で合流し、融合して鉛直下方に流下する。これにより、成形装置200内で成形体210から鉛直下方に向かうシートガラスSGが作られる。
なお、成形体210の下方端部213の直下におけるシートガラスSGの温度は、105.7〜107.5poiseの粘度に相当する温度であり、例えば1000〜1130℃である。
成形体210の長さ方向の両端部には、ガイド部材214、215が設けられている。ガイド部材214、215は、溝212から溢れ出す熔融ガラスが成形体210の両端の方向(図3の左右方向)に溢れ出すのを抑制する。ガイド部材214、215は、例えば白金族金属等からなる。
上部成形炉201A内には、上部成形炉201A内を加熱するヒータ216が設けられている。上部成形炉201A内の温度は、ヒータ216により、成形体210から流下される熔融ガラスが充分に低粘度に保たれる所定の温度範囲内に調整されている。
また、上部成形炉201A内には、ヒータ216よりも下方であって、かつ、雰囲気仕切り部材220よりも上方に、1対の遮断部材217が設けられている。1対の遮断部材217はシートガラスSGの厚さ方向の両側(図4の左側および右側)に設けられており、シートガラスSGの厚さ方向に、シートガラスSGが通過する間隔(第1の隙間)を空けて配置されている。第1の間隔は、シートガラスSGの厚さよりも充分に大きい。
遮断部材217はシートガラスSGの厚さ方向(図4の左右方向)に移動可能であり、遮断部材217をシートガラスSGの厚さ方向へ移動させることでヒータ216からの輻射熱が雰囲気仕切り部材220へ到達する量を調整することができる。遮断部材217は、雰囲気仕切り部材220の温度が上昇しすぎることを防ぐ役割を果たす。
1対の雰囲気仕切り部材220は、成形体210の下方端部213の下方近傍に設けられており、成形炉201の内部空間を上部成形炉201Aと下部成形炉201Bとに区分けする。1対の雰囲気仕切り部材220は、板状の断熱材であって、シートガラスSGの厚さ方向の両側(図4の左側および右側)に設けられており、シートガラスSGの厚さ方向に、シートガラスSGが通過する間隔(第2の隙間)を空けて配置されている。第2の間隔は、シートガラスSGの厚さよりも充分に大きい。雰囲気仕切り部材220は、成形装置200の内部空間を仕切ることにより、雰囲気仕切り部材220の上方の上部成形炉201Aと下方の下部成形炉201Bとの間の熱の移動を遮断する。
下部成形炉201Bには、1対の冷却ローラ230と、冷却装置240が設けられている。
冷却ローラ230および冷却装置240は、雰囲気仕切り部材220の下方に設けられている。
1対の冷却ローラ230は、図3、図4に示すように、シートガラスSGを厚さ方向の両側から挟持して下方に引っ張るように、シートガラスSGの厚さ方向の両側に設けられている。冷却ローラ230は、シートガラスSGの幅方向両端部を、約1014.5poise以上の粘度に相当する温度以下の温度に低下するように、冷却する。冷却ローラ230は中空であり、内部に冷却媒体(例えば空気等)が供給されることにより急冷されている。
冷却ローラ230はシートガラスSGの幅方向(図3の左右方向)に移動可能に設けられている。冷却ローラ230によるシートガラスSGの冷却位置を調整することで、シートガラスSGの幅を調整することができる。シートガラスSGの幅を調整することにより、成形体210から流下される熔融ガラスの幅(図3の左右方向の長さ)を調整することができる。
冷却装置240は、シートガラスSGの幅方向の中央部を、軟化点より高い温度から、徐冷点近傍まで冷却する。ここで、シートガラスSGの中央部とは、シートガラス成形後に切断される対象を除く領域であり、シートガラスSGの板厚が均一となるように製造される領域である。冷却装置240は、例えば上下方向に3段のユニットからなり、上段ユニットでシートガラスSGを軟化点近傍まで急冷し、中段ユニットおよび下段ユニットでシートガラスを緩やかに冷却することで、シートガラスSGを徐冷点近傍まで冷却する。冷却装置240は、シートガラスSGの幅方向の中央部を、約109.0poise以上の粘度に相当する温度以下の温度に低下するように、冷却する。
図4に示すように、徐冷炉202は、鉛直な炉壁204によって、水平方向外側の外部空間と区画されている。また、徐冷炉202は、水平に設けられた仕切り板260により下部成形炉201Bと仕切られている。徐冷炉202の内部空間は、鉛直方向に間隔を空けて水平に設けられた隔壁261によって複数の区画Ca〜Cfに区分けされている。なお、本実施形態においては、徐冷炉202内が6つの区画Ca〜Cfに区分けされている例について説明するが、区画の数は任意である。
徐冷炉202の区画Ca〜Cfには、それぞれ搬送部材250と、温度調整装置251と、圧力センサ270と、が設けられている。
下部成形炉201B及び徐冷炉202では、上記冷却ローラ230、冷却装置240および温度調整装置251により、シートガラスSGが、予め設計された温度プロファイルに対応した温度分布を持つように、冷却する。徐冷炉202で冷却されたシートガラスSGは、徐冷炉202の下部に設けられた切断装置300によって切断される。
粘性領域では、例えば、シートガラスSGの幅方向の端部の温度が中央領域の温度より低く、且つ、中央領域の温度が均一になるような温度プロファイル(第1プロファイル)に設計される。これにより、幅方向の収縮を抑えつつ、シートガラスSGの板厚を均一にすることができる。
粘弾性領域では、例えば、シートガラスSGの温度が中央部から端部に向かって幅方向に漸減するような温度プロファイル(第2プロファイル)に設計される。
ガラス歪点の近傍の温度領域では、シートガラスSGの幅方向の端部の温度と中央部の温度とが略均一になるような温度プロファイルに設計される。
上記の設計された温度プロファイルに従うようにシートガラスSGの温度を管理することにより、シートガラスSGの反り及び歪(残留応力)を低減することができる。なお、シートガラスSGの中央領域は、板厚を均一にする対象の部分を含む領域であり、シートガラスSGの端部は、製造後に切断される対象の部分を含む領域である。
成形炉201よりも上部の外部空間SAと、成形炉201の水平方向外側の外部空間SBとは、成形炉201の上端部の高さに水平に設けられた隔壁262により区分けされている。外部空間SA、SBには、それぞれ圧力センサ270、圧力制御装置280が設けられており、外部空間SA、SB内の圧力は所定の範囲内に調整されている。
徐冷炉202の水平方向外側の外部空間は、徐冷炉202の上端部の高さに水平に設けられた隔壁263により外部空間SBと区分けされているとともに、鉛直方向に間隔を空けて水平に設けられた隔壁264によって複数の外部区画Sa〜Sfに区分けされている。隔壁264の数は隔壁261の数と等しいことが好ましく、隔壁264を設ける鉛直方向の間隔は、隔壁261を設ける鉛直方向の間隔と等しいことが好ましい。すなわち、徐冷炉202内の複数の内部区画Ca〜Cfが、徐冷炉202の外部空間の複数の外部区画Sa〜Sfとそれぞれ同じ高さ位置となるように、隔壁261、264を設けることが好ましい。
外部区画Sa〜Sfには、それぞれ圧力センサ270、圧力制御装置280が設けられており、外部区画Sa〜Sf内の圧力はそれぞれ所定の範囲内に調整されている。
圧力制御装置280は、例えば外部空間SA、SB又は外部区画Sa〜Sf内へ外気を供給し、あるいは外部空間SA、SB又は外部区画Sa〜Sf内の気体を外部へ排出する送風機である。
図5は図4のV部の拡大図である。本実施形態において、1対の遮断部材217は成形体210から充分に離れた位置にある。成形体210と遮断部材217との最短距離をD1、第1の隙間の最大幅をD2とすると、D1>D2となるように遮断部材217が配置されている。
また、本実施形態において、1対の雰囲気仕切り部材220は成形体210から充分に離れた位置にある。成形体210と雰囲気仕切り部材220との最短距離をD3、第2の隙間の最大幅をD4とすると、D3>D4となるように雰囲気仕切り部材220が配置されている。
下部成形炉201BにおいてシートガラスSGの周囲の気体がシートガラスによって温められることで上昇気流が生じる。この上昇気流が雰囲気仕切り部材220とシートガラスSGとの隙間を通過して上部成形炉201Aに流れ込むと、成形体210の下端のガラスが上昇気流によって冷却されるおそれがある。
本実施形態においては、D1>D2となるように遮断部材217が配置されているため、遮断部材217とシートガラスSGの間を上昇する上昇気流は、成形体210と遮断部材217との間の上部成形炉201Aの雰囲気内で拡散する。また、上昇気流が遮断部材217の位置から成形体210の下方端部213の位置まで上昇する間に上部成形炉201Aの雰囲気によって上昇気流が加熱されるため、上昇気流によって成形体210の下方端部213のガラスが急速に冷却されることを抑制することができる。
また、本実施形態においては、D3>D4となるように雰囲気仕切り部材220が配置されているため、雰囲気仕切り部材220とシートガラスSGの間を上昇する上昇気流は、成形体210と雰囲気仕切り部材220との間の上部成形炉201Aの雰囲気内で拡散する。また、上昇気流が雰囲気仕切り部材220の位置から成形体210の下方端部213の位置まで上昇する間に上部成形炉201Aの雰囲気によって上昇気流が加熱されるため、上昇気流によって成形体210の下端のガラスが冷却されることを抑制することができる。
このように、本実施形態においては、上昇気流によって成形体210の下方端部213のガラスが冷却されることを抑制することができるため、上記の設計された温度プロファイルに従うようにシートガラスSGの温度を管理する際の上昇気流の影響を小さくすることができる。
また、雰囲気仕切り部材220と冷却ローラ230との最短距離をD5とするとき、D3>D5となるように、雰囲気仕切り部材220の高さ位置を調整することが好ましい。
以上説明したとおり、本実施形態によれば、成形体210から流下される熔融ガラスの幅又は張力を変動させることで、成形体210に付着した高粘性のガラスを除去することができる。このため、成形体210に付着した高粘性のガラスに起因してシートガラスSG上に表面凹凸が生成されることを抑制することができる。
以上、本発明のガラス基板の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
本実施形態のガラス基板の製造方法によって製造されるガラス基板には、歪点や徐冷点が高く良好な寸法安定性を有する無アルカリのボロアルミノシリケートガラスあるいはアルカリ微量含有ガラスが用いられる。
本実施形態が適用されるガラス基板は、例えば以下の組成を含む無アルカリガラスからなる。
SiO:56−65質量%
Al:15−19質量%
:8−13質量%
MgO:1−3質量%
CaO:4−7質量%
SrO:1−4質量%
BaO:0−2質量%
NaO:0−1質量%
O:0−1質量%
As:0−1質量%
Sb:0−1質量%
SnO:0−1質量%
Fe:0−1質量%
ZrO:0−1質量%
本実施形態で製造されるガラス基板は、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板を含むディスプレイ用ガラス基板に好適である。IGZO(インジウム、ガリウム、亜鉛、酸素)等の酸化物半導体を使用した酸化物半導体ディスプレイ用ガラス基板及びLTPS(低温度ポリシリコン)半導体を使用したLTPSディスプレイ用ガラス基板に好適である。また、本実施形態で製造されるガラス基板は、アルカリ金属酸化物の含有量が極めて少ないことが求められる液晶ディスプレイ用ガラス基板に好適である。また、有機ELディスプレイ用ガラス基板にも好適である。言い換えると、本実施形態のガラス基板の製造方法は、ディスプレイ用ガラス基板の製造に好適であり、特に、液晶ディスプレイ用ガラス基板の製造に好適である。
また、本実施形態で製造されるガラス基板は、カバーガラス、磁気ディスク用ガラス、太陽電池用ガラス基板などにも適用することが可能である。
100 熔解装置
101 熔解槽
102 清澄管
103 撹拌槽
103a 撹拌子
104 移送管
105 移送管
106 ガラス供給管
200 成形装置
201 成形炉
201A 上部成形炉
201B 下部成形炉
202 徐冷炉
203、204 炉壁
210 成形体
212 溝
213 下方端部
214、215 ガイド部材
216 ヒータ
217 遮断部材
220 雰囲気仕切り部材
230 冷却ローラ
240 冷却装置
250 搬送部材
251 温度調整装置
260 仕切り板
261−264 隔壁
270 圧力センサ
280 圧力制御装置
300 切断装置
Ca−Cf 内部区画
MG 熔融ガラス
SA、SB 外部空間
SG シートガラス
Sa−Sf 外部区画

Claims (3)

  1. 炉壁で囲まれた成形炉室の、成形体が配置される上部空間において、前記成形体から熔融ガラスをオーバーフローさせてシートガラスを成形する工程と、
    前記成形体よりも下部においてシートガラスの厚さ方向の両側に配置される遮断部材によって作られるスリット状の第1の隙間、および、前記遮断部材の下方に配置され、前記成形炉室を前記上部空間と前記上部空間に対して下方にある下部空間に間仕切りする断熱部材によって作られるスリット状の第2の隙間に前記シートガラスを通して下降させる工程と、
    前記下部空間において、前記シートガラスを冷却する冷却工程と、を備え、
    前記断熱部材は、前記上部空間を囲む炉壁の一部であり、
    前記遮断部材は、前記成形炉の外部から前記成形炉室を囲む炉壁を貫通して、前記遮断部材の一部が前記上部空間内配置され、
    前記成形体と前記遮断部材との距離が前記第1の隙間の最大幅よりも大きくなるように前記遮断部材を配置し、かつ、
    前記成形体と前記断熱部材との距離が前記第2の隙間の最大幅よりも大きくなるように前記断熱部材を配置することを特徴とするガラス基板の製造方法。
  2. 前記冷却工程は、前記下部空間において、冷却ローラによって、前記シートガラスの幅方向の端部を厚さ方向に挟み、前記シートガラスを下方に搬送しながら幅方向の端部を冷却する工程を含み、
    前記断熱部材と前記成形体との距離が、前記断熱部材と前記冷却ローラとの距離よりも大きくなるように前記断熱部材を配置することを特徴とする、請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
  3. 炉壁で囲まれた成形炉室内に設けられ、熔融ガラスをオーバーフローさせてシートガラスを成形する成形体と、
    前記成形炉室の外部から前記炉壁を貫通し、一部が前記成形炉室内に設けられ、前記成形体よりも下部かつシートガラスの厚さ方向の両側に配置され、前記シートガラスが通過する第1の隙間を形成する遮断部材と、
    前記成形炉室内において前記遮断部材の下方に配置され、前記成形炉室を前記成形体及び前記遮断部材の前記一部が配置される上部空間と、前記上部空間の下方にある下部空間とに間仕切りし、前記上部空間を囲む前記炉壁の一部となるとともに、前記シートガラスが通過する第2の隙間を形成する断熱部材と、
    前記下部空間に設けられ、前記シートガラスを冷却する冷却装置と、を備え、
    前記遮断部材は、前記成形体と前記遮断部材との距離が前記第1の隙間の最大幅よりも大きくなるように配置され、かつ、
    前記断熱部材は、前記成形体と前記断熱部材との距離が前記第2の隙間の最大幅よりも大きくなるように配置されることを特徴とするガラス基板の製造装置。
JP2015194517A 2015-09-30 2015-09-30 ガラス板の製造方法およびガラス板の製造装置 Active JP6675849B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015194517A JP6675849B2 (ja) 2015-09-30 2015-09-30 ガラス板の製造方法およびガラス板の製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015194517A JP6675849B2 (ja) 2015-09-30 2015-09-30 ガラス板の製造方法およびガラス板の製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017065983A JP2017065983A (ja) 2017-04-06
JP6675849B2 true JP6675849B2 (ja) 2020-04-08

Family

ID=58493997

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015194517A Active JP6675849B2 (ja) 2015-09-30 2015-09-30 ガラス板の製造方法およびガラス板の製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6675849B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107032583B (zh) * 2017-04-26 2019-11-08 东旭科技集团有限公司 调整散热板对中溢流砖砖尖的方法和玻璃基板生产设备
KR102136931B1 (ko) * 2017-09-29 2020-07-23 아반스트레이트 가부시키가이샤 유리 기판의 제조 방법 및 유리 기판 제조 장치
CN108996891B (zh) * 2018-07-24 2021-05-14 彩虹显示器件股份有限公司 一种溢流成型玻璃基的宽度控制系统
CN110746095B (zh) * 2019-09-29 2022-07-22 彩虹显示器件股份有限公司 一种精细化温度调整的基板玻璃生产成型设备

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3875748B2 (ja) * 1996-08-02 2007-01-31 Hoya株式会社 ガラス板の製造方法及び製造装置
WO2011007617A1 (ja) * 2009-07-13 2011-01-20 旭硝子株式会社 ガラス板の製造方法及び製造装置
JP5944578B2 (ja) * 2014-02-21 2016-07-05 AvanStrate株式会社 ガラス板の製造方法、及び、ガラス板の製造装置
JP2015160796A (ja) * 2014-02-28 2015-09-07 AvanStrate株式会社 ガラス板の製造方法、及び、ガラス板の製造装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017065983A (ja) 2017-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5944578B2 (ja) ガラス板の製造方法、及び、ガラス板の製造装置
WO2012132474A1 (ja) ガラス基板の製造方法
JP6144740B2 (ja) ディスプレイ用ガラス基板の製造方法
JP5840998B2 (ja) ガラス板の製造方法およびガラス板製造装置
JP6675849B2 (ja) ガラス板の製造方法およびガラス板の製造装置
TW201323357A (zh) 玻璃板之製造方法
JP2009173524A (ja) ガラス板の製造方法及び製造設備
JP2013126946A (ja) ガラス板の製造方法及びガラス板の製造装置
JP6675850B2 (ja) ガラス基板の製造方法およびガラス基板の製造装置
KR102569274B1 (ko) 유리판의 제조 방법
JP2017186227A (ja) ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置
TW201317186A (zh) 玻璃板之製造方法及玻璃板製造裝置
JP2013139342A (ja) ガラス板の製造方法
JP2017119617A (ja) ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置
JP6489783B2 (ja) ガラス基板の製造方法、および、ガラス基板の製造装置
JP6577215B2 (ja) ガラス基板の製造方法
JP6498933B2 (ja) ディスプレイ用ガラス基板の製造方法および製造装置
JP6629920B2 (ja) ガラス基板の製造方法、及びガラス基板製造装置
CN105461193A (zh) 显示器用玻璃基板的制造方法
JP2019094245A (ja) フロートガラス製造方法、およびフロートガラス
JP2016050147A (ja) ガラス板の製造方法、及び、ガラス板の製造装置
JP2015105204A (ja) ガラス基板の製造方法、及び熔融ガラス処理装置
JP6529805B2 (ja) ガラス板の製造方法、及び、ガラス板の製造装置
JP5668066B2 (ja) ガラス基板の製造方法
JP2014214062A (ja) ガラス板製造方法、および、ガラス板製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180914

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190614

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190625

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190913

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191015

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200310

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200311

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6675849

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250