JP2013139342A - ガラス板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で、反り又は歪を低減することができる温度分布を精度よく形成することができるガラス板の製造方法を提供する。
【解決手段】ダウンドロー法により、熔融ガラスを成形体から溢れ出させてシートガラスを成形し、前記シートガラスを流下方向に引き伸ばしながら冷却することによりガラス板を製造する方法であって、前記シートガラスに対向するように前記シートガラスの幅方向に沿って設けられた複数の冷却抑制部材のそれぞれに接続され、前記複数の冷却抑制部材を前記シートガラスとの対向方向に沿って移動可能に支持する複数の支持部材を配置し、前記複数の支持部材を個別に用いて前記シートガラスに対する前記冷却抑制部材の距離を設定することにより、反り又は歪を低減するための温度分布を前記シートガラスの幅方向に形成する。
【選択図】図6

Description

本発明は、ダウンドロー法によるガラス板の製造方法に関する。
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ(以下、「FPD」という。)に用いるガラス基板には、厚さが例えば0.5〜0.7mmと薄いガラス板が用いられている。このFPD用ガラス基板は、例えば第1世代では300×400mmのサイズであるが、第10世代では2850×3050mmのサイズになっている。
このような大きなサイズのFPD用ガラス基板を製造するには、オーバーフローダウンドロー法が最もよく使用される。オーバーフローダウンドロー法は、成形炉において熔融ガラスを成形体の上部から溢れさせることにより成形体の下方においてシートガラス(板状ガラス)を成形する工程と、シートガラスを徐冷炉において徐冷する工程とを含む。徐冷炉は、対になったローラ間にシートガラスを引き込むことにより所望の厚さに引き伸ばした後、シートガラスを徐冷する。この後、シートガラスは、所定の寸法に切断されてガラス板とされて他のガラス板上に積層されて保管される。あるいはガラス板は次工程に搬送される。ダウンドロー法については、例えば、下記特許文献1に記載されている。
オーバーフローダウンドロー法を用いたガラス板の製造方法としては、ガラス板の幅方向の歪が発生するのを抑制することができるものが知られている(特許文献2)。
この製造方法は、ダウンドロー法によって、熔解ガラスをシート状に成形し、得られたシートガラスを徐冷することによりガラス板を製造する方法であって、前記シートガラスの幅方向における、周辺部と表面部との温度差によって発生するシートガラスの歪を低減する歪低減処理を、徐冷の際、行っている。歪低減処理では、ガラスの歪点近傍において、シートガラスの温度が幅方向に均等化されるようにシートガラスの温度が制御されている。
特開平10−291826号公報 特許第3586142号公報
ところで、FPD用ガラス基板に用いられるガラス板では、肉厚偏差が小さく、高い平坦性を有し、歪が小さいガラス板が望まれている。つまり、肉厚偏差、ガラスの反り、又は歪が小さくなるようにガラス板を冷却することが好ましい。
ガラス板の肉厚偏差、反り又は歪を低減するためには、以下のように冷却することが好ましい。
1.肉厚偏差を低減するための冷却
先ず、セルからオーバーフローされたシートガラスの幅方向両端部を急冷することが好ましい。セル側壁両面を流下してきたガラスは、セル下端を離れた直後から、自らの表面張力によってその表面積を縮小しようとするが、幅方向両端部のガラス粘度をできるだけ速やかに上昇させることにより、その作用が妨げられ、幅を広く保つことができる。また、ガラスの幅方向中央部は、温度分布を均一にすることにより、肉厚偏差が少ないガラス基板を作製することができる。この肉厚偏差を低減するための冷却は、シートガラスの中央部が軟化点以上であるときに行われることが好ましい。
2.反り又は歪を低減するための冷却
その後、シートガラスは、反り又は歪が生じないように冷却される。反りを生じないように冷却するためには、セルからオーバーフローされた平坦なシートガラスの中央部に常に引っ張り応力が働くように冷却し、その平坦度を維持することが好ましい。また、歪を生じないように冷却するためには、歪点近傍で温度が均一になるように冷却することが好ましい。したがって、先ず、シートガラスの温度がシートガラスの幅方向中央部から幅方向両端部に向かって低下するような温度分布をシートガラスに付与する。この温度分布は、シートガラスの肉厚偏差に影響を及ぼさない温度領域(例えば、軟化点より低い温度領域)まで冷却された後、速やかに付与されることが好ましい。そして、シートガラスを冷却するに従ってこの温度分布の勾配を小さくしていき、歪点近傍で温度が均一になるように、シートガラスを冷却する。つまり、シートガラスの幅方向中央部の冷却量(体積収縮量)が最も大きく、幅方向両端部にいくに従って冷却量が小さくなるように冷却されるので、常にシートガラスの幅方向中央部に引っ張り応力が働くことになる。また、歪点近傍でシートガラスの温度が不均一な温度分布の場合、常温になった際に残留応力となるので、歪点近傍で温度が均一になるように、シートガラスを冷却することにより、歪を低減することができる。
なお、シートガラスの幅方向中央部から幅方向両端部に向かって低下するような温度分布は、滑らかな勾配となるように形成されることが好ましい。さらに、この温度分布を精度良く再現できることが好ましい。
ここで、特許文献2には、シートガラスの幅方向に沿って配置された複数のヒータを用いて所望の温度分布を形成することが記載されているが、各ヒータを制御するための電力を消費することから、結果としてガラス板の製造コストが嵩むおそれがある。
そこで、本発明は、簡単な構成で、反り又は歪を低減することができる温度分布を精度よく形成することができるガラス板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、ダウンドロー法により、熔融ガラスを成形体から溢れ出させてシートガラスを成形し、前記シートガラスを流下方向に引き伸ばしながら冷却することによりガラス板を製造する方法である。
当該製造方法は、
前記シートガラスに対向するように前記シートガラスの幅方向に沿って設けられた複数の冷却抑制部材のそれぞれに接続され、前記複数の冷却抑制部材を前記シートガラスとの対向方向に沿って移動可能に支持する複数の支持部材を配置し、
前記複数の支持部材を個別に用いて前記シートガラスに対する前記冷却抑制部材の距離を設定することにより、反り又は歪を低減するための温度分布を前記シートガラスの幅方向に形成する。
上記ガラス板の製造方法において、前記シートガラスの幅方向の温度が軟化点より低い温度領域にあるときに、前記複数の支持部材を個別に用いて前記シートガラスに対する前記冷却抑制部材の距離を設定することにより、前記温度分布を前記シートガラスの幅方向に形成する、ことが好ましい。
上記ガラス板の製造方法において、前記複数の支持部材は、前記複数の冷却抑制部材から前記対向方向に沿って前記シートガラスから離れる方向に延びるとともに、前記対向方向に沿って移動することにより前記複数の冷却抑制部材を移動させるように形成され、
前記シートガラスに対する前記複数の冷却抑制部材のそれぞれの距離は、前記複数の支持部材の所定位置からの移動距離に基づいて設定される、ことが好ましい。
上記ガラス板の製造方法において、前記温度分布は、前記シートガラスの温度が、前記シートガラスの幅方向中央部から幅方向両端部に向かって低くなるように形成される、ことが好ましい。
上記態様のガラス板の製造方法によれば、簡単な構成で、反り又は歪を低減することができる温度分布を精度よく形成することができる。したがって、ガラス板の反り又は歪を低減することができるので、反り又は歪の値が良好なガラス板を容易に製造することができる。
本実施形態であるガラス板の製造方法のフローを示す図である。 本実施形態の熔解工程〜切断工程を行う装置を模式的に示す図である。 本実施形態におけるガラス板の成形装置の概略の側面図である。 本実施形態におけるガラス板の成形装置の一部概略の正面図である。 シートガラスの幅方向中央部に対応する冷却ユニットの側面断面図である。 冷却量調整ユニットの概略の斜視図である。 複数の温度プロファイルを説明する図である。 図4に示した成形装置の変形例を示す図である。
以下、本発明のガラス板の製造方法について説明する。図1は、本実施形態であるガラス板の製造方法のフローを示す図である。
(ガラス板の製造方法の全体概要)
ガラス板の製造方法は、熔解工程(ST1)と、清澄工程(ST2)と、均質化工程(ST3)と、供給工程(ST4)と、成形工程(ST5)と、徐冷工程(ST6)と、切断工程(ST7)とを主に有する。また、ガラス板の製造方法は、研削工程、研磨工程、洗浄工程、検査工程、梱包工程等の他の工程を有する。梱包工程で積層された複数のガラス板は、納入先の業者に搬送される。
図2は、熔解工程(ST1)〜切断工程(ST7)を行う装置を模式的に示す図である。当該装置は、図2に示すように、熔解装置100と、成形装置200と、切断装置300とを主に有する。熔解装置100は、熔解槽101と、清澄槽102と、攪拌槽103と、第1配管104と、第2配管105と、第3配管106とを有する。成形装置200については後述する。
熔解工程(ST1)では、熔解槽101内に供給されたガラス原料を、図示されない火焔及び電気ヒータで加熱して熔解することで熔融ガラスMGを得る。
清澄工程(ST2)は、清澄槽102において行われ、熔解槽101から第1配管104を通って供給された清澄槽102内の熔融ガラスMGを加熱することにより、熔融ガラスMG中に含まれる酸素やSOの気泡が、清澄剤の酸化還元反応により成長し液面に浮上して放出される、あるいは、気泡中のガス成分が熔融ガラスMG中に吸収されて、気泡が消滅する。
均質化工程(ST3)では、清澄槽102から第2配管105を通って供給された攪拌槽103内の熔融ガラスMGを、スターラ103aを用いて攪拌することにより、ガラス成分の均質化を行う。
供給工程(ST4)では、熔融ガラスMGが、攪拌槽103から第3配管106を通って成形装置200に供給される。
成形装置200では、成形工程(ST5)及び徐冷工程(ST6)が行われる。
成形工程(ST5)では、熔融ガラスMGをシートガラスSG(図3参照)に成形し、シートガラスSGの流れを作る。本実施形態では、後述する成形体210を用いたオーバーフローダウンドロー法を用いている。この場合、シートガラスSGの流れ方向(図中Z方向)は、鉛直下方となる。徐冷工程(ST6)では、成形されて流れるシートガラスSGが所望の厚さになり、平面歪が生じないように、さらに、熱収縮率が大きくならないように、冷却される。
切断工程(ST7)では、切断装置300において、成形装置200から供給されたシートガラスSGが所定の長さに切断されることで、板状のガラス板Gを得る。
この後、ガラス板Gの端面の研削・研磨が行われた後、ガラス板Gの洗浄が行われ、さらに、気泡や脈理等の異常欠陥の有無が検査された後、検査合格品のガラス板Gが最終製品として梱包される。
本実施形態において製造されるガラス板Gは、例えば、液晶ディスプレイ用ガラス基板、有機ELディスプレイ用ガラス基板、カバーガラスに好適に用いられる。また、このガラス板は、その他、携帯端末機器などのディスプレイや筐体用のカバーガラス、タッチパネル板、太陽電池のガラス基板やカバーガラスとしても用いることができる。特に、ポリシリコンTFTを用いた液晶ディスプレイ用ガラス基板に好適である。
また、ガラス板Gの厚さは、例えば0.1mm〜1.5mmである。好ましくは0.1〜1.2mm、より好ましくは0.3〜1.0mm、さらにより好ましくは0.3〜0.8mm、特に好ましくは0.3〜0.5mmである。
さらに、ガラス板Gの幅方向の長さは、例えば500mm〜3500mmであり、1000mm〜3500mmであることが好ましく、2000mm〜3500mmであることがより好ましい。一方、ガラス板Gの縦方向の長さも、例えば500mm〜3500mmであり、1000mm〜3500mmであることが好ましく、2000mm〜3500mmであることがより好ましい。
(ガラス板)
ガラス板Gに用いるガラスは、例えば、ボロシリケートガラス、アルミノシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、ソーダライムガラス、アルカリシリケートガラス、アルカリアルミノシリケートガラス、アルカリアルミノゲルマネイトガラスなどを適用することができる。なお、本発明に適用できるガラスは上記に限定されるものではない。
ガラス板Gのガラス組成は例えば以下のものを挙げることができる。
以下示す組成の含有率表示は、質量%である。
SiO:50〜70%、
:5〜18%、
Al:0〜25%、
MgO:0〜10%、
CaO:0〜20%、
SrO:0〜20%、
BaO:0〜10%、
RO:5〜20%(ただし、RはMg、Ca、Sr及びBaの合量)、
を含有する無アルカリガラスであることが好ましい。
また、以下のものも挙げることができる。
SiO:50〜70%、
:1〜10%、
Al:0〜25%、
MgO:0〜10%、
CaO:0〜20%、
SrO:0〜20%、
BaO:0〜10%、
RO:5〜30%(ただし、RはMg、Ca、Sr及びBaの合量)、
を含有する無アルカリガラスであることが好ましい。
なお、本実施形態では無アルカリガラスとしたが、ガラス板Gはアルカリ金属を微量含んでいてもよい。アルカリ金属を含有させる場合、R’Oの合計が0.20%を超え2.0%以下(ただし、R’はLi、Na及びKから選ばれる少なくとも1種であり、ガラス板Gが含有するものである)含むことが好ましい。また、ガラスの熔解を容易にするために、比抵抗を低下させるという観点から、ガラス中の酸化鉄の含有量が0.01〜0.2%であることがさらに好ましい。
(成形装置の説明)
図3及び図4は、ガラス板の成形装置200の構成を主に示す図であり、図3は成形装置200の概略の側面図を示し、図4は成形装置200の一部概略の正面図を示す。成形装置200は、成形工程(ST5)を行う成形炉201と、徐冷工程(ST6)とを行う徐冷炉202とを含む。
成形炉201及び徐冷炉202は、耐火レンガ、耐火断熱レンガ、あるいはファイバー系断熱材等の耐火物で構成された炉壁に囲まれて構成されている。成形炉201は、徐冷炉202に対して鉛直上方に設けられている。成形炉201及び徐冷炉202の炉壁で囲まれた炉内部空間には、成形体210と、雰囲気仕切り部材220と、冷却ローラ230と、冷却ユニット240と、搬送ローラ250a〜250dとが設けられている。
成形体210は、図2に示すように、第3配管106を通して熔解装置100から流れてくる熔融ガラスMGを、シートガラスSGに成形する。これにより、成形装置200内で、鉛直下方のシートガラスSGの流れが作られる。成形体210は、耐火レンガ等によって構成された細長い構造体であり、図3に示すように断面が楔形状を成している。成形体210の上部には、熔融ガラスMGを導く流路となる溝212が設けられている。溝212は、成形体210に設けられた供給口211(図4に示す)において第3配管106と接続され、第3配管106を通して流れてくる熔融ガラスMGは、溝212を伝って流れる。溝212の深さは、熔融ガラスMGの流れの下流ほど浅くなっており、溝212から熔融ガラスMGが鉛直下方に向かって溢れ出るようになっている。
溝212から溢れ出た熔融ガラスMGは、成形体210の両側の側壁を伝わって流下する。側壁を流れた熔融ガラスMGは、成形体210の下方端部213(図3に示す)で合流し、1つのシートガラスSGが成形される。なお、成形体210の下方端部213の直下におけるシートガラスSGの温度は、約105.7〜107.5poiseの粘度に相当する温度(例えば1000℃〜1130℃程度)である。
成形体210の下方端部213の下方近傍には、雰囲気仕切り部材220が設けられている。雰囲気仕切り部材220は、一対の板状の断熱部材であって、シートガラスSGを厚さ方向(図中X方向)の両側から挟むように、シートガラスSGの厚さ方向の両側に設けられている。シートガラスSGと雰囲気仕切り部材220との間には、雰囲気仕切り部材220がシートガラスSGに接触しない程度に隙間が設けられている。雰囲気仕切り部材220は、成形炉201の内部空間を仕切ることにより、雰囲気仕切り部材220の上方の炉内部空間と下方の炉内部空間との間の熱の移動を遮断する。
雰囲気仕切り部材220の下方には冷却ローラ230が設けられている。冷却ローラ230は、図3に示すように、シートガラスSGを厚さ方向の両側から挟むように、シートガラスSGの厚さ方向の両側に設けられている。また、冷却ローラ230は、図4に示すように、シートガラスSGの幅方向(図中Y方向)両端を起点として幅方向内側に例えば50mm程度の範囲内においてシートガラスSG表面に接触して、シートガラスSGを冷却する。
なお、冷却ローラ230は、シートガラスSGの幅方向両端部の温度が約109・0poise以上の粘度に相当する温度(例えば900℃以下)に低下するまで、冷却することが好ましい。
また、雰囲気仕切り部材220の下方には冷却ユニット240が設けられている。冷却ユニット240は、図3に示すように、徐冷炉202の天板202aの上方においてシートガラスSGを厚さ方向の両側から挟むように、シートガラスSGの厚さ方向の両側に設けられている。冷却ユニット240は、シートガラスの流れ方向の同位置におけるシートガラスSGの幅方向の最高温度が徐冷点より高い温度領域にあるときに、シートガラスSGを冷却する。ここで、徐冷点とは、約1013poiseの粘度に相当するガラスの温度(例えば700℃〜730℃)をいう。
冷却ローラ230及び冷却ユニット240は、シートガラスSGの流れ方向に沿って予め設定された複数の温度プロファイルに基づいて、シートガラスSGを冷却する。これにより、後述するように、歪及び反りが低減されたシートガラスSGを形成することができる。ここで、温度プロファイルとは、シートガラスSGの流れ方向の同位置においてシートガラスSGの幅方向に亘る、シートガラスSGの温度分布をいう。
以下、冷却ユニット240の構成について、図5及び図6を参照して説明する。図5はシートガラスSGの幅方向中央部に対応する冷却ユニットの側面断面図、図6は冷却量調整部の概略の斜視図である。
冷却ユニット240は、中央部冷却ユニット241と、複数の冷却量調整ユニット242と、複数の断熱部材243と、一対の端部冷却ユニット244とを有している。
中央部冷却ユニット241は、図3及び図4に示すように、雰囲気仕切り部材220の直下において、シートガラスSGの幅方向中央部と対向するように設けられており、シートガラスSGの幅方向中央部の温度が少なくとも軟化点になるまでの温度領域において、シートガラスSGの幅方向中央部を冷却する。ここで、軟化点とは、約107.6poiseの粘度に相当するガラスの温度(例えば930℃〜980℃)をいう。なお、中央部冷却ユニット241の冷却処理は、例えば、CPU、RAM、ROM及びハードディスク等から構成された所定の制御装置(図示省略)によって制御されてもよい。この場合、シートガラスSGの幅方向中央部の温度が均一になるようにシートガラスSGが冷却されると好ましい。シートガラスSGの幅方向中央部の温度が均一に設定されることにより、シートガラスSGの板厚の分布を均一にすることができる。すなわち、ガラス板Gの板厚のばらつきを低減することができる。
中央部冷却ユニット241は、筐体241aと、冷却機構241bとを有している。
筐体241aは、上方から筐体241aをみたとき、後方に開いたコの字形状を有しており、例えば純ニッケル等のように熱伝導が良好な金属部材や、セラミック材等から構成されている。また、筐体241aの上下の開口面は、断熱性に優れた板材241a´(例えばセラミックファイバー等)で塞がれている。ここで、後方とは、シートガラスSGの厚さ方向(図中X方向)のうちシートガラスSGから離れる方向をいい、前方とは、シートガラスSGの厚さ方向のうちシートガラスSGに近づく方向をいう。また、筐体241aの前面、すなわち筐体241aの表面のうちシートガラスSGに最も近い表面は、シートガラスSGの幅方向に沿って延びるように形成されており、シートガラスSGの幅方向中央部に対して、シートガラスSGの厚さ方向に間隔(例えば20〜150mm)をおいて対向するように設けられている。
なお、筐体241aの枠に用いられる部材は、大気中で600℃以上の耐熱性、少なくとも30W/m・K以上の熱伝導率、使用温度域で0.85以上の両表面の放射率特性を有する材料であることが好ましい。
冷却機構241bは、筐体241aの後端側に、筐体241a内の空間を密閉するように設けられている。冷却機構241bには、冷却用の流体(例えば、水、空気、窒素等の不活性ガス等)を供給するための供給ユニット(図示省略)が接続されており、冷却用の流体が供給ユニットから供給されることにより、筐体241a内の空間の空気が冷却される。この場合、シートガラスSGの幅方向中央部は、シートガラスSGの熱が筐体241a内の空間の空気に伝わることにより、所定の冷却量で冷却される。
なお、供給ユニットから冷却機構241bに供給される流体の量は制御装置によって制御されることが好ましい。これにより、シートガラスSGの幅方向中央部の冷却量を制御することができる。
複数の冷却量調整ユニット242は、図3及び図4に示すように、中央部冷却ユニット241の下方に、シートガラスSGの流れ方向(図中Z方向)に積み重ねて設けられている。複数の冷却量調整ユニット242は、シートガラスSGの幅方向中央部の幅方向の温度が軟化点近傍から徐冷点より高い温度領域において、シートガラスSGの幅方向中央部を冷却する。なお、本実施形態では、冷却量調整ユニット242が2つ設けられているが、冷却量調整ユニット242の数は1つであってもよく、3つ以上であってもよい。
また、中央部冷却ユニット241と冷却量調整ユニット242との間、及び各冷却量調整ユニット242間のそれぞれには断熱部材243が設けられている。このため、各ユニットの後方に形成された空間の熱の移動は、断熱部材243によって遮断される。
冷却量調整ユニット242は、筐体242aと、冷却量調整部260とを有している。
筐体242aは、上方から筐体242aをみたとき、後方に開いたコの字形状を有しており、例えば純ニッケル等のように熱伝導が良好な金属部材や、セラミック材等から構成されている。また、筐体242aの上下の開口面は、断熱性に優れた板材242a´(例えばセラミックファイバー等)で塞がれている。筐体242aの前面は、シートガラスSGの幅方向に沿って延びるように形成されており、シートガラスSG表面の幅方向中央部に対して、シートガラスSGの厚さ方向に間隔(例えば20〜200mm)をおいて対向するように設けられている。
冷却量調整部260は、図5に示すように、筐体242aの空間内に、筐体242a内の空間を密閉するように設けられており、シートガラスSGの幅方向中央部の冷却量を、シートガラスSGの幅方向の所定間隔毎に調整する。冷却量調整部260は、図6に示すように、第1移動体261と、一対の第2移動体262(図6では、一方の第2移動体262のみ図示する)と、一対の第3移動体263(図6では、一方の第3移動体263のみ図示する)と、移動体保持部264とを有している。各移動体261,262,263は、シートガラスSGの幅方向中央部から幅方向両端部に向かって第1移動体261、第2移動体262、第3移動体263の順に並ぶように、シートガラスSGの幅方向に沿って配置されている。すなわち、各移動体261,262,263を用いることによって、シートガラスSGの幅方向中央部の冷却量が、シートガラスSGの幅方向の所定間隔毎に調整されるようになっている。なお、本実施形態では、冷却量調整ユニット242内に5つの移動体が設けられているが、移動体の数は6つ以上であってもよい。移動体の数の増加に伴って、シートガラスSGの冷却量を調整可能な間隔を小さくすることができる。したがって、シートガラスSGの冷却量を、シートガラスSGの幅方向に細かく調整することができる。
各移動体261,262,263は、冷却抑制部材265と、取付板266と、支持部材267とを有しており、シートガラスSGに対する冷却抑制部材265の距離を、冷却抑制部材265の移動により変化させることで、シートガラスSGの冷却量を調整するようになっている。ここで、冷却抑制部材265はシートガラスSGの幅方向に分割して設けられ、且つ、一つの支持部材267に対して一つの冷却抑制部材265が設けられていることが好ましい。これにより、シートガラスSGの冷却量を、シートガラスSGの幅方向の所定間隔毎に個別に調整することができる。
冷却抑制部材265は、シートガラスSGの幅方向に延びる板状の断熱部材(例えばファイバーボード等)で構成されており、取付板266の前面に取り付けられている。また、冷却抑制部材265は、シートガラスSGの厚さ方向にシートガラスSGと対向するように配置されている。この場合、シートガラスSGの幅方向中央部は、主に筐体242aの前面との間での輻射熱伝達により冷却される。ここで筐体242aの温度は、短時間当たりの後方への熱の放出量を変えること、つまり、冷却抑制部材265の筐体242aとの距離を変更することにより調整できる。例えば、冷却抑制部材265が後方に移動した場合には、筐体242a内の空間のうち筐体242aの前面側と冷却抑制部材265との間の空間が広がることにより、筐体242aの温度が下がり、シートガラスSGの冷却量が大きくなる。一方、冷却抑制部材265が前方に移動した場合には、筐体242a内の空間のうち筐体242aの前面側と冷却抑制部材265との間の空間が狭まることにより、筐体242aの温度が上がり、シートガラスSGの冷却量が小さくなる。したがって、シートガラスSGに対する冷却抑制部材265の距離を、各移動体261,262,263のそれぞれで個別に設定することにより、シートガラスSGの冷却量をシートガラスSGの幅方向の所定間隔毎に個別に調整することができる。
なお、後述するように、シートガラスSGの冷却が行われる際には、シートガラスSGの流れ方向の同位置におけるシートガラスSGの温度が、シートガラスSGの幅方向中央部から幅方向両端部に向かって低下するような温度プロファイルが形成されることが好ましい。すなわち、シートガラスSGの流れ方向の同位置におけるシートガラスSGの冷却量は、シートガラスSGの幅方向中央部から幅方向両端部に向かって大きくなることが好ましい。このため、各移動体261,262,263の冷却抑制部材265は、シートガラスSGに対する冷却抑制部材265の距離が、第1移動体261、一対の第2移動体262、一対の第3移動体263の順に大きくなるように配置されることが好ましい。
支持部材267は、冷却抑制部材265を、冷却抑制部材265とシートガラスSGとの対向方向(以下、対向方向という)に沿って移動可能に支持する部材であり、取付板266を介して冷却抑制部材265に接続されている。支持部材267は、取付板266の後面に固定されており、取付板266の後面から対向方向に沿って後方に延びるように形成されている。また、支持部材267は、対向方向に沿って移動することにより、接続された冷却抑制部材265を対向方向に沿って移動させる。
移動体支持部264は、シートガラスSGの幅方向に延びる板状の部材から構成されており、各移動体261,262,263を対向方向に移動可能に支持する。移動体支持部264には、対向方向に貫通する複数の孔が、シートガラスSGの幅方向に間隔をおいて設けられている。移動体支持部264は、各移動体261,262,263の支持部材267を各孔に挿通させることにより、各移動体261,262,263を対向方向に移動可能に支持する。また、移動体支持部264には、例えば支持部材267をネジ止め等することにより各移動体261,262,263の移動を規制するための複数の規制部264aが設けられている。
なお、各移動体261,262,263の支持部材267は、それぞれ対向方向に沿って延びている。一方、移動体支持部264の後面は、シートガラスSGの幅方向に延びる平面である。したがって、各移動体261,262,263の支持部材267は、移動体支持部264の後面と交差する。ここで、移動体支持部264の後面を所定位置としたとき、シートガラスSGに対する各移動体261,262,263の冷却抑制部材265の距離は、各移動体261,262,263の支持部材267の後端が、移動体支持部264の後面から後方に移動した距離に基づいて設定される、ことが好ましい。具体的には、図6に示すように、シートガラスSGに対する各移動体261,262,263の冷却抑制部材265の距離は、各移動体261,262,263の支持部材267の後端が、移動体支持部264の後面から後方に移動した距離D1、D2、D3に基づき設定される。
この場合、移動体支持部264の後面から後方に突出する支持部材267の移動距離を測定等することで、シートガラスSGに対する各移動体261,262,263の冷却抑制部材265の距離を知ることができるため、各移動体261,262,263を用いた場合に、シートガラスSGの冷却量を個別に設定することが容易になるという利点がある。
また、反り又は歪が低減されたガラス板Gが製造されたときの支持部材267の突出部分の長さD1、D2、D3を得ることにより、このガラス板Gの基となるシートガラスSGの冷却時の温度プロファイルを得ることができる。したがって、シートガラスSGを冷却する際に、各移動体261,262,263の支持部材267の突出部分の長さを、事前に得られた長さに設定することにより、反り又は歪が低減されたガラス板Gを製造するためのシートガラスSGの温度プロファイルを精度良く再現することができる。
一対の端部冷却ユニット244は、図4に示すように、冷却ローラ230の下方において、複数の放熱量調整ユニット242をシートガラスSGの幅方向の両側から挟むように設けられている。一対の端部冷却ユニット244は、シートガラスSGの幅方向の最高温度が徐冷点より高い温度領域にあるときに、シートガラスSGの幅方向両端部を冷却する。なお、一対の端部冷却ユニット244の冷却処理は、制御装置によって制御されてもよい。
一対の端部冷却ユニット244は、例えば水冷板等から構成されている。この水冷板には、例えば、冷却用の流体(例えば、水、空気、窒素等の不活性ガス等)を流通させるための流路が、水冷板を構成する金属板によって閉じられた空間内に形成されてもよい。
なお、流路に供給される流体の量は制御装置によって制御されることが好ましい。これにより、シートガラスSGの幅方向両端部の冷却量を制御することができる。
以上のように、冷却ユニット240は構成されている。
冷却ユニット240の下方には、搬送ローラ250a〜250dが所定の間隔で設けられ、シートガラスSGを下方向に牽引する。図示される形態では、搬送ローラは4対設けられるが、5対以上であってもよい。冷却ユニット240の下方の空間は、徐冷炉202の炉内部空間となっている。搬送ローラ250a〜250dのそれぞれは、ローラ対を有し、シートガラスSGの厚さ方向の両側を挟むようにシートガラスSGの厚さ方向両側に設けられている。
(温度プロファイルを用いた温度制御)
次に、図7を参照して、温度プロファイルを用いた温度制御について説明する。図7は、複数の温度プロファイルを説明する図である。本実施形態では、第1の温度プロファイルP1と、第2の温度プロファイルP2と、第3の温度プロファイルP3とが、シートガラスSGの流れ方向に沿って設定される。第2の温度プロファイルP2は、第1の温度プロファイルP1よりもシートガラスSGの流れ方向下流側において設定され、第3の温度プロファイルP3は、第2の温度プロファイルP3よりもシートガラスSGの流れ方向下流側において設定される。
まず、第1の温度プロファイルP1を用いた温度制御について説明する。
第1の温度プロファイルP1は、シートガラスSGの幅方向の最高温度が軟化点以上の温度領域にあるときの温度プロファイルである。
第1の温度プロファイルP1は、第1プロファイルP1aと、第2プロファイルP1bとを有している。第1プロファイルP1aは、シートガラスSGの幅方向中央部の温度プロファイルに対応し、第2プロファイルP1bは、シートガラスSGの幅方向両端部の温度プロファイルに対応する。第1の温度プロファイルP1は、シートガラスSGの流れ方向の同位置において、シートガラスSGの幅方向中央部の温度が均一であり、且つ、シートガラスSGの幅方向両端部の温度がシートガラスSGの幅方向中央部の温度よりも低くなるように設定されていることが好ましい。前述したように、シートガラスSGの幅方向中央部の温度が均一に設定されることにより、ガラス板Gの板厚のばらつきを低減することができる。なお、第1の温度プロファイルP1では、シートガラスSGの幅方向中央部の温度(平均温度)と、シートガラスSGの幅方向両端部の温度との差が、第1の温度差T1になるように設定されている。
冷却ローラ230及び冷却ユニット240の中央部冷却ユニット241は、第1の温度プロファイルP1に基づいて、シートガラスSGを冷却する。具体的に説明すると、冷却ローラ230は、第1の温度プロファイルP1の第2プロファイルP1bに基づいて、シートガラスSGの幅方向両端部の温度が約109・0poise以上の粘度に相当する温度(例えば850℃〜900℃)に低下するまで、シートガラスSGの幅方向両端部を急冷する。シートガラスSGの幅方向両端部を急冷するのは、シートガラスSGの幅方向両端部の粘度を速やかに上昇させることにより、成形体210直下のシートガラスSGの幅がシートガラスSGの表面張力によって縮小するのを防ぐため、及び、シートガラスSGの幅方向両端部の温度を幅方向中央部の温度よりも低くするためである。
また、中央部冷却ユニット241は、第1の温度プロファイルP1の第1プロファイルP1aに基づいて、シートガラスSGの幅方向中央部の温度がシートガラスSGの幅方向両端部の温度よりも高く、且つ、シートガラスSGの幅方向中央部の温度がシートガラスSGの幅方向に均一になるように冷却量を調整して、シートガラスSGの幅方向中央部を冷却する。
これにより、シートガラスSGには、第1の温度プロファイルP1に対応する温度プロファイルが付与される。
次に、第2の温度プロファイルP2を用いた温度制御について説明する。
第2の温度プロファイルP2と、後述する第3の温度プロファイルP3は、シートガラスSGの幅方向の最高温度が軟化点より低い温度領域にあるときの温度プロファイルである。好ましくは、第2の温度プロファイルP2、第3の温度プロファイルP3は、シートガラスSGの幅方向の最高温度が軟化点より低い温度領域であって、徐冷点より高い温度領域にあるときの温度プロファイルである。
第2の温度プロファイルP2は、第1のプロファイルP1よりもシートガラスSGの温度が低くなるように設定されている。第2の温度プロファイルP2は、第1プロファイルP2aと、第2プロファイルP2bとを有している。第1プロファイルP2aは、シートガラスSGの幅方向中央部の温度プロファイルに対応し、第2プロファイルP2bは、シートガラスSGの幅方向両端部の温度プロファイルに対応する。第2の温度プロファイルP2は、シートガラスSGの流れ方向の同位置において、シートガラスSGの幅方向中央部の温度が、シートガラスSGの幅方向中心から幅方向両端部に向かって低下するように、且つ、シートガラスSGの幅方向両端部の温度がシートガラスSGの幅方向中央部の温度よりも低くなるように設定されている。なお、第2の温度プロファイルP2では、シートガラスSGの幅方向中心の温度と、シートガラスSGの幅方向両端部の温度との差が、第2の温度差T2になるように設定されている。
複数の冷却量調整ユニット242のうちシートガラスSGの流れ方向上流側の冷却量調整ユニット242と、一対の端部冷却ユニット244とは、第2の温度プロファイルP2に基づいて冷却量を調整して、シートガラスSGを冷却する。具体的に説明すると、第2の温度プロファイルP2の第1プロファイルP2aに基づいて、シートガラスSGに対する各移動体261,262,263の冷却抑制部材265の距離が設定されることにより冷却量が調整される。シートガラスSGの幅方向中央部は、シートガラスの流れ方向の同位置におけるシートガラスの温度がシートガラスの幅方向中心から幅方向両端部に向かって低下するように、冷却量調整ユニット242によって冷却される。また、一対の端部冷却ユニット244は、第2の温度プロファイルP2の第2プロファイルP2bに基づいて冷却量を調整して、シートガラスSGの幅方向両端部を冷却する。
これにより、シートガラスSGには、第2の温度プロファイルP2に対応する温度プロファイルが付与される。
次に、第3の温度プロファイルP3を用いた温度制御について説明する。
第3の温度プロファイルP3は、第2のプロファイルP2よりもシートガラスSGの温度が低くなるように設定されている。第3の温度プロファイルP3は、第1プロファイルP3aと、第2プロファイルP3bとを有している。第1プロファイルP3aは、シートガラスSGの幅方向中央部の温度プロファイルに対応し、第2プロファイルP3bは、シートガラスSGの幅方向両端部の温度プロファイルに対応する。第3の温度プロファイルP3は、シートガラスSGの流れ方向の同位置において、シートガラスSGの幅方向中央部の温度が、シートガラスSGの幅方向中心から幅方向両端部に向かって低下するように、且つ、シートガラスSGの幅方向両端部の温度がシートガラスSGの幅方向中央部の温度よりも低くなるように設定されている。なお、第3の温度プロファイルP3では、シートガラスSGの幅方向中心の温度と、シートガラスSGの幅方向両端部の温度との差が、第3の温度差T3になるように設定されている。ここで、第3の温度差T3は、第2の温度差T2より小さいことが好ましい。
複数の冷却量調整ユニット242のうちシートガラスSGの流れ方向下流側の冷却量調整ユニット242と、一対の端部冷却ユニット244とは、第3の温度プロファイルP3に基づいて、シートガラスSGを冷却する。なお、温度制御についての具体的な内容は、第2の温度プロファイルP2を用いて温度制御を行う場合と同様である。
これにより、シートガラスSGには、第3の温度プロファイルP3に対応する温度プロファイルが付与される。
このように、シートガラスSGの流れ方向に沿って各温度プロファイルP2,P3の温度差(勾配)が小さくなっていくようにシートガラスSGが冷却されるので、シートガラスSGの幅方向中央部において、シートガラスSGの流れ方向及び幅方向への引っ張り応力を常に生じさせることができる。したがって、ガラス板Gの反りを低減することができる。その後、徐冷炉202で、温度差(勾配)がさらに小さくなるようにシートガラスSGを冷却し、歪点近傍でシートガラスSGの幅方向の温度が均一になるように冷却する。
以上のように、シートガラスSGの幅方向の最高温度が軟化点より低い温度領域であって徐冷点より高い温度領域にあるときに、各移動体261,262,263の支持部材267を個別に用いてシートガラスSGに対する冷却抑制部材265の距離を設定することにより、シートガラスSGの幅方向に温度プロファイルを形成することができる。これにより、例えば複数のヒータのそれぞれに対する通電を細かく制御する等の煩雑な温度制御を行う必要がなく、簡単な構成で温度プロファイルを形成することができる。また、シートガラスSGに対する冷却抑制部材265の距離を、良好な反り又は歪が実現したガラス板Gが製造されたときの距離に設定することにより、良好な反り又は歪を実現できる温度プロファイルを精度良く再現することができる。したがって、反り又は歪の値が良好なガラス板を容易に製造することができる。
(変形例)
図8を参照して、上記実施形態の変形例について説明する。図8は、図4に示した成形装置の変形例を示す図である。図8に示すように、本変形例は、一対の端部冷却ユニット244の代わりに、シートガラスSGの幅方向両端側まで延長した複数の冷却量調整ユニット242を用いて、シートガラスSGの幅方向両端部を冷却する点において、上記実施形態と異なっている。
本変形例における複数の冷却量調整ユニット242の構成は、上記実施形態と同様である。なお、シートガラスSGの幅方向両端部を冷却するために、各移動体261,262,263の冷却抑制部材265の幅を大きく形成してもよいし、移動体の数を増やしてもよい。
また、上記実施形態では、冷却量調整ユニット242を、シートガラスSGの幅方向の最高温度が軟化点より低い温度領域であって徐冷点より高い温度領域にあるときに用いたが、シートガラスSGの幅方向の最高温度が徐冷点より低い温度領域にあるときに用いてもよい。つまり、徐冷炉202で用いてもよい。
以上、本発明のガラス板の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
100 熔解装置
101 熔解槽
102 清澄槽
103 攪拌槽
104 第1配管
105 第2配管
106 第3配管
200 成形装置
201 成形炉
202 徐冷炉
210 成形体
220 雰囲気仕切り部材
230 冷却ローラ
240 冷却ユニット
241 中央部冷却ユニット
242 冷却量調整ユニット
243 断熱部材
244 一対の端部冷却ユニット
250a〜250d 搬送ローラ
260 冷却量調整部
261 第1移動体
262 第2移動体
263 第3移動体
264 移動体保持部
265 冷却抑制部材
266 取付板
267 支持部材
300 切断装置

Claims (4)

  1. ダウンドロー法により、熔融ガラスを成形体から溢れ出させてシートガラスを成形し、前記シートガラスを流下方向に引き伸ばしながら冷却することによりガラス板を製造する方法であって、
    前記シートガラスに対向するように前記シートガラスの幅方向に沿って設けられた複数の冷却抑制部材のそれぞれに接続され、前記複数の冷却抑制部材を前記シートガラスとの対向方向に沿って移動可能に支持する複数の支持部材を配置し、
    前記複数の支持部材を個別に用いて前記シートガラスに対する前記冷却抑制部材の距離を設定することにより、反り又は歪を低減するための温度分布を前記シートガラスの幅方向に形成する、
    ことを特徴とするガラス板の製造方法。
  2. 前記シートガラスの幅方向の温度が軟化点より低い温度領域にあるときに、前記複数の支持部材を個別に用いて前記シートガラスに対する前記冷却抑制部材の距離を設定することにより、前記温度分布を前記シートガラスの幅方向に形成する、請求項1に記載のガラス板の製造方法。
  3. 前記複数の支持部材は、前記複数の冷却抑制部材から前記対向方向に沿って前記シートガラスから離れる方向に延びるとともに、前記対向方向に沿って移動することにより前記複数の冷却抑制部材を移動させるように形成され、
    前記シートガラスに対する前記複数の冷却抑制部材のそれぞれの距離は、前記複数の支持部材の所定位置からの移動距離に基づいて設定される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス板の製造方法。
  4. 前記温度分布は、前記シートガラスの温度が、前記シートガラスの幅方向中央部から幅方向両端部に向かって低くなるように形成される、請求項1〜3の何れか1項に記載のガラス板の製造方法。
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