JP2017119617A - ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置 - Google Patents

ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】シートガラスの幅方向の端部における失透を抑制できるガラス基板の製造方法及び製造装置を提供する。【解決手段】熔融ガラスが供給される供給溝が形成された上面から流れ落ちる熔融ガラスを誘導し、下端で融合させてシートガラスとする一対の壁面を備える成形体を用いるガラス基板の製造方法であって、ガラス組成物の液相粘度が80000dPa・s以上100000dPa・s以下であり、熔融ガラスの粘度が25000dPa・s以上35000dPa・s以下である熔融ガラスを供給溝に供給し、成形体の幅方向の端部から突出する一対のガイドによって、熔融ガラスの幅を規制しながら熔融ガラスを壁面に沿って流下させ、前記壁面のうち、前記幅方向の両端部の間の内側部分を流下する熔融ガラスより、前記端部を流下する熔融ガラスに与える加熱量を多くすることにより、前記下端における熔融ガラスの粘度を40000dPa・s以上80000dPa・s未満とする。【選択図】図4

Description

本発明は、ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置に関する。
オーバーフローダウンドロー法とは、(1)熔融ガラスの供給溝が上部に形成された、楔形の断面を有する成形装置(成形体)に熔融ガラスを供給し、(2)供給溝から溢れ出た熔融ガラスを、成形装置における上記楔形の双方の側面に相当する一対の壁面に誘導し、当該壁面に沿って流下させ、(3)それぞれの壁面を流下した熔融ガラスを成形装置の下端で融合させてシートガラス(ガラスリボン)を連続的に成形する方法である。得られたシートガラスは、その後、厚さの調整、徐冷などの工程を経て所望のサイズに切断され、ガラス基板となる。オーバーフローダウンドロー法は、大面積かつ薄いガラス基板、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ(FPD)に使用するガラス基板、の製造に適している。
成形装置における両端部、具体的には、熔融ガラスが流下する壁面の、熔融ガラスの幅方向の双方の端部に、当該端部の壁面から突出するように、互いに対向して形成された一対のガイドが設けられることがある。ガイドの配置によって、壁面に沿って流下する熔融ガラスの幅が規制される。特許文献1には、特定の形状を有するガイドを備えた成形装置が開示されている。特許文献1には、当該成形装置により、熔融ガラスの粘度が相対的に高い場合においても両端部(耳部)の形状が安定したシートガラスを成形できることが記載されている。
特許文献2には、シートガラスの端部の形状不良を防止する技術が開示されている。より具体的に特許文献2には、成形装置の下端と、当該装置から最も近くに位置する、シートガラスの搬送ロールとの間の空間にヒータを配置し、当該ヒータによって融合直後のシートガラスの端部を局所的に加熱しながらシートガラスの成形および搬送を実施する技術が開示されている。
特開2010−189220号公報 特開2010−215428号公報
オーバーフローダウンドロー法において、上述のガイドを備える成形装置を用いた場合、液相粘度の小さいガラスを成形しようとすると、ガイド近傍を流下する熔融ガラスに失透が生じやすい、すなわち、成形したシートガラスにおける幅方向の端部(以下、「幅方向の端部」を単に「端部」という)に失透が生じやすいという問題がある。特許文献1には、このようなシートガラス端部の失透に関する記載がない。特許文献2には、成形装置の下端と、成形装置よりも下流側に位置する搬送ロールとの間に配置されたヒータによってガイド下端を加熱することで、ガイド下端近傍の熔融ガラスだけが失透の生じやすい温度域に長く保存されるのを防止できることが記載されている。しかし、特許文献2の技術において上記ヒータにより加熱されるのはガイドの下端のみであるので、必ずしも、ガイド近傍を流下する熔融ガラスの失透を十分に抑制できるとはいえない。特に、熔融ガラスを構成するガラス組成物の液相粘度が小さい場合には、成形したシートガラスの端部における失透の抑制が困難である。液相粘度が小さいガラス組成物としては、例えば、熱収縮率を小さくするために歪点を上昇させた低温ポリシリコン(LTPS:Low Temperature Poly-Silicon)用ガラス組成物が挙げられる。
そこで、本発明は、オーバーフローダウンドロー法によるガラス基板の製造方法および製造装置であって、成形したシートガラスの端部における失透を抑制する効果が高く、熔融ガラスを構成するガラス組成物の液相粘度が小さいにも拘わらず、当該端部における失透抑制の効果が得られるガラス基板の製造方法及びガラス基板の製造装置の提供を目的とする。
本発明の一態様は、熔融ガラスが供給される供給溝が形成された上面と、前記供給溝の両側に溢れ出して前記上面から流れ落ちる熔融ガラスを誘導し、下端で融合させてシートガラスとする一対の壁面と、を備える成形体を用いて、オーバーフローダウンドロー法によりシートガラスを成形する成形工程を有するガラス基板の製造方法である。
前記熔融ガラスを構成するガラス組成物の液相粘度が80000dPa・s以上100000dPa・s以下である。
前記成形工程では、
熔融ガラスの粘度が25000dPa・s以上35000dPa・s以下である熔融ガラスを前記供給溝に供給し、
前記成形体の上面から前記下端まで、前記壁面の幅方向における双方の端部に当該端部から突出するように互いに対向して形成された一対のガイドによって、前記熔融ガラスを、当該熔融ガラスの幅を規制しながら前記壁面に沿って流下させ、
前記壁面のうち、前記幅方向の両側の端部の間の内側部分を流下する熔融ガラスより、前記端部を流下する熔融ガラスに与える加熱量を多くすることにより、前記下端における熔融ガラスの粘度が40000dPa・s以上80000dPa・s未満となるよう加熱する、ことを特徴とする。
前記成形工程において、前記端部を流下する熔融ガラスの温度が、前記成形体の前記上面から前記下端に至るまで前記液相温度よりも10℃〜150℃高くなるように、前記ガイドに沿って前記端部を流下する熔融ガラスを加熱する、ことが好ましい。
前記成形工程において、前記一対のガイド及び前記壁面に対向する位置に設けられる加熱装置により前記壁面を流下する熔融ガラスを、前記熔融ガラスの温度が前記壁面の幅方向に沿って均一になるよう加熱する、ことが好ましい。
前記成形体の下端は、前記一対の壁面同士が接続した直線状の稜線であり、
前記成形体における前記壁面からの前記ガイドの高さは、前記下端に近づくほど低くなるとともに、前記稜線の位置においてゼロである、ことが好ましい。
本発明の他の一態様は、オーバーフローダウンドロー法により成形体を用いてシートガラスを成形するガラス基板の製造装置である。
当該製造装置の前記成形体は、
熔融ガラスが供給される供給溝と、
前記供給溝が形成された上面と、
前記供給溝の両側に溢れ出して前記上面から流れ落ちる熔融ガラスを誘導し、下端で融合させてシートガラスとする一対の壁面と、
前記成形体の上面から前記下端まで、前記壁面の幅方向における双方の前記壁面の端部に当該端部から突出するように互いに対向して形成され、前記熔融ガラスを、当該熔融ガラスの幅を規制しながら前記壁面に沿って流下させる一対のガイドと、
を備える。
前記供給溝には、液相粘度が80000dPa・s以上100000dPa・s以下であるガラス組成物で構成された熔融ガラスを、前記熔融ガラスの粘度が25000dPa・s以上35000dPa・s以下の状態で流れるように構成される。
さらに、前記製造装置は、前記壁面のうち、前記幅方向の両側の端部間の内側部分を流下する熔融ガラスより、前記端部を流下する熔融ガラスに与える加熱量を多くすることにより、前記下端における熔融ガラスの粘度が40000dPa・s以上80000dPa・s未満となるよう加熱する加熱装置を、備える。
上述の態様のガラス基板の製造方法及びガラス基板の製造装置によれば、成形したシートガラスの端部における失透を抑制する効果が高く、熔融ガラスを構成するガラス組成物の液相粘度が小さいにも拘わらず、当該端部における失透抑制の効果を得ることができる。
本実施形態の製造方法の一例のフローを示す図である。 本実施形態のガラス基板の製造装置の一例の概略図である。 本実施形態の製造方法に使用できる成形体の一例を示す模式図である。 図3に示す装置を用いた本実施形態の製造方法の一例を示す模式図である。 本実施形態の製造方法において、熔融ガラスにおけるガイド近傍の部分を加熱する加熱装置の一例を示す模式図である。
以下、本発明のガラス基板の製造方法について説明する。
(ガラス基板の製造方法の全体概要)
図1は、本実施形態のガラス基板の製造方法の工程の一例を示す図である。ガラス基板の製造方法は、熔解工程(ST1)、清澄工程(ST2)、均質化工程(ST3)、供給工程(ST4)、成形工程(ST5)、徐冷工程(ST6)、および、切断工程(ST7)を主に有する。この他に、研削工程、研磨工程、洗浄工程、検査工程、梱包工程等を有してもよい。製造されたガラス基板は、必要に応じて梱包工程で積層され、納入先の業者に搬送される。
熔解工程(ST1)では、ガラス原料を加熱することにより熔融ガラスを作る。
清澄工程(ST2)では、熔融ガラスが昇温されることにより、熔融ガラス中に含まれる酸素、CO2あるいはSO2を含んだ泡が発生する。この泡が熔融ガラス中に含まれる清澄剤(酸化スズ等)の還元反応により生じた酸素を吸収して成長し、熔融ガラスの液面に浮上して放出される。その後、清澄工程では、熔融ガラスの温度を低下させることにより、清澄剤の還元反応により得られた還元物質が酸化反応をする。これにより、熔融ガラスに残存する泡中の酸素等のガス成分が熔融ガラス中に再吸収されて、泡が消滅する。清澄剤による酸化反応及び還元反応は、熔融ガラスの温度を制御することにより行われる。
なお、清澄工程は、熔融ガラスに存在する泡を減圧雰囲気で成長させて脱泡させる減圧脱泡方式を用いることもできる。減圧脱泡方式は、清澄剤を用いない点で有効である。しかし、減圧脱泡方式は装置が複雑化及び大型化する。このため、清澄剤を用い、熔融ガラス温度を上昇させる清澄方法を採用することが好ましい。
均質化工程(ST3)では、スターラを用いて熔融ガラスを撹拌することにより、ガラス成分の均質化を行う。これにより、脈理等の原因であるガラスの組成ムラを低減することができる。均質化工程は、後述する撹拌槽において行われる。
供給工程(ST4)では、撹拌された熔融ガラスが成形装置に供給される。
成形工程(ST5)及び徐冷工程(ST6)は、成形装置で行われる。
成形工程(ST5)では、熔融ガラスをシートガラスに成形し、シートガラスの流れを作る。成形には、オーバーフローダウンドロー法が用いられる。
徐冷工程(ST6)では、成形されて流れるシートガラスが所望の厚さになり、内部歪が生じないように、さらに、反りが生じないように冷却される。
切断工程(ST7)では、徐冷後のシートガラスを所定の長さに切断することで、板状のガラス基板を得る。切断されたガラス基板はさらに、所定のサイズに切断され、目標サイズのガラス基板が作られる。
図2は、本実施形態における熔解工程(ST1)〜切断工程(ST8)を行うガラス基板の製造装置の概略図である。ガラス基板の製造装置は、図2に示すように、主に熔解装置100と、成形装置200と、切断装置300と、を有する。熔解装置100は、熔解槽101と、清澄管120と、撹拌槽103と、移送管104、105と、ガラス供給管106と、を有する。
図2に示す熔解槽101には、図示されないバーナー等の加熱手段が設けられている。熔解槽には清澄剤が添加されたガラス原料が投入され、熔解工程(ST1)が行われる。熔解槽101で熔融した熔融ガラスMGは、移送管104を介して清澄管102に供給される。
清澄管120では、熔融ガラスMGの温度を調整して、清澄剤の酸化還元反応を利用して熔融ガラスMGの清澄工程(ST2)が行われる。具体的には、清澄管102内の熔融ガラスMGが昇温されることにより、熔融ガラスMG中に含まれる酸素、CO2あるいはSO2を含んだ泡が、清澄剤の還元反応により生じた酸素を吸収して成長し、熔融ガラスMGの液面に浮上して気相空間に放出される。その後、熔融ガラスMGの温度を低下させることにより、清澄剤の還元反応により得られた還元物質が酸化反応をする。これにより、熔融ガラスMGに残存する泡中の酸素等のガス成分が熔融ガラスMG中に再吸収されて、泡が消滅する。清澄後の熔融ガラスMGは、移送管105を介して撹拌槽103に供給される。
撹拌槽103では、撹拌子103aによって熔融ガラスMGが撹拌されて均質化工程(ST3)が行われる。撹拌槽103で均質化された熔融ガラスMGは、ガラス供給管106を介して成形装置200に供給される(供給工程ST4)。
成形装置200では、オーバーフローダウンドロー法により、熔融ガラスMGからシートガラスSGが成形され(成形工程ST5)、徐冷される(徐冷工程ST6)。
切断装置300では、シートガラスSGから切り出された板状のガラス基板が形成される(切断工程ST7)。
(成形体の構成)
次に、図3、図4を参照して、成形装置200が備える成形体1の構成について説明する。図3に、本実施形態の製造方法に使用できる成形体1の一例を、図4に、図3に示す成形体1用いた本実施形態の製造方法の一例を、それぞれ示す。成形体1は、所定の断面を成して一方向に延在した長尺形状を成している。本明細書では、成形体1の長尺に延在する方向を幅方向という。成形体1は、熔融ガラスが供給される供給溝2が形成された上面3と、供給溝2の両側に溢れ出して上面3の両端部3a,3bから流れ落ちる熔融ガラスを誘導し、成形体1の下端4で融合させてシートガラスSGとする一対の壁面5(図3,4では一方の壁面のみが図示されている)と、壁面5の幅方向における双方の端部5a,5bに形成された一対のガイド6a,6bとを備える。ガイド6a,6bは、それぞれ、端部5a,5bの壁面5から突出しており、ガイド6a,6bは、互いに対向して形成されている。供給溝2から溢れ出た熔融ガラスは一対の壁面5のそれぞれを流下する。壁面5は、供給溝2から溢れ出た熔融ガラスが鉛直方向に流下する垂直壁面と、垂直壁面を流下した熔融ガラスを成形体1の下端4に導く、垂直壁面と接続した傾斜壁面と、を有する。壁面5を流下する熔融ガラスの一対の流れは成形体1の下端4で合流し、互いに融合する。このとき、ガイド6a,6bによって、壁面5に沿って流下する熔融ガラスの幅が規制され、例えば幅方向の厚さの均一性が高いシートガラスSGが連続して形成される。成形体1の下端4は、一対の壁面5同士(傾斜壁面同士)が接続した直線状の稜線を形成している。図3,4に示す符号2aは、供給溝2の底面2aであり、図3に示す符号7は、供給溝2に供給された熔融ガラスの液面7である。
図3に示すように、ガイド6a,6bのそれぞれの近傍には、成形体1の上面3側から下端4側に延びるように加熱装置8が配置されており、成形体1における図3に示されていない側を含めて(当該側にも、図3に示されている側と同様に加熱装置8が配置されている)、一対の壁面5を流下する熔融ガラスMGにおけるガイド6a,6b近傍の部分、及び、壁面5を流下する熔融ガラスMGが、当該加熱装置8によって加熱される。この加熱は、壁面5を流下する熔融ガラスMGにおけるガイド6a,6b近傍の部分の粘度が、成形体1の上面3から下端4に至るまで(熔融ガラスの当該部分が成形体1の上面3から流下して下端4に至るまで)、当該熔融ガラスMGを構成するガラス組成物の液相粘度(以下、単に「液相粘度」ともいう)未満となるように、ガイド6a,6bに沿って行われる。
ガイド6a,6bを備える成形体1を用いたオーバーフローダウンドロー法によるシートガラスSGの成形(および当該シートガラスSGを冷却して得るガラス基板の製造)では、ガイド6a,6b近傍、すなわち成形するシートガラスSGの端部(図3に示す符号50a)において失透が発生しやすい。これは、成形体1が収容される成形炉が、成形体1の下端で熔融ガラスMGを成形に適した粘度にすることを目的として、シートガラスSGの成形だけではなく熔融ガラスMGの冷却をも目的とする温度、すなわち熔融ガラスMGよりも低い温度、に通常設定されているために、ガイド6a,6bによって熱が奪われることで、ガイド6a,6b近傍の熔融ガラスMGの温度が熔融ガラスMGにおける他の部分の温度よりも低下しやすいこと、ならびにこのような温度の低下およびガイド6a,6bとの接触による物理的な抵抗によって、ガイド6a,6b近傍の熔融ガラスMGの流下速度が熔融ガラスMGにおける他の部分よりも低下しやすく、ガイド6a,6bに接してから成形体1を離れるまでに長時間要すること、などの理由によると考えられる。
特許文献2(特開2010-215428号公報)の技術によれば、ガイドの下端で生じる失透が抑制できる可能性がある。しかし特許文献2の技術では、ガイドの下端よりも上流の領域、特に、熔融ガラスがガイドと接触して冷え始めた初期に生じる失透を抑制することは難しく、一度生じた失透をガイドの下端の加熱で解消することもできない。また、FPDのガラス基板への使用に適した無アルカリガラス、アルカリ微量含有ガラスなどの、液相温度が高く、液相粘度が小さいガラス組成物、例えば、本実施形態の製造方法で使用される液相粘度が80000dPa・s以上100000dPa・s以下であり、液相温度が1200℃〜1220℃の範囲のガラス組成物から構成されるシートガラスを成形する場合に、このような失透が特に発生しやすくなる。
本実施形態の製造方法では、成形体1の壁面5を流下する熔融ガラスにおけるガイド6a,6b近傍の部分の粘度が、成形体1の上面3から下端4に至るまで液相粘度未満を保つように(当該部分の温度が、成形体1の上面3から下端4に至るまで液相温度以上となるように)、ガイド6a,6bに沿って熔融ガラスにおける当該部分を加熱する。これにより、熔融ガラスのガイド6a,6b近傍の部分(熔融ガラスMGの幅方向の両端部)における失透を抑制する高い効果が得られ、熔融ガラスMGを構成するガラス組成物が80000dPa・s以上100000dPa・s以下の小さい液相粘度を有し、かつ、1200℃〜1220℃の範囲の液相温度を有する場合にも、当該端部における失透の発生が抑制される。
本明細書において、液相温度とは、熔融体と結晶の初相との間の平衡温度で、その温度以上では結晶が存在しない温度のことであり、液相粘度とは、ガラスが上記液相温度となる粘度のことである。
本実施形態の製造方法では、ガラス組成物の液相粘度が80000dPa・s以上100000dPa・s以下である熔融ガラスMGが成形装置200に流れる。この場合、ガラス供給管106を介して熔融ガラスMGを成形装置200(成形体1の供給溝2)に供給する際の熔融ガラスの粘度は、20000dPa・s以上40000dPa・s未満となるように製造装置は熔融ガラスMGの温度を制御する構成となっており、さらには、25000dPa・s以上35000dPa・s以下の粘度となるように製造装置は熔融ガラスMGの温度を制御する構成となっている。
成形体1の供給溝2に供給する熔融ガラスの粘度を低くする、つまり、熔融ガラスMGの温度を高くすると、成形体1のクリープ現象が顕著となり、成形開始からの時間の経過に従ってシートガラスSGの中央部が垂れ下がるなどの問題も生じる。一方、成形体1の供給溝2に供給する熔融ガラスMGの粘度を高くする、つまり、熔融ガラスMGの温度を低くすると、成形工程において、失透が発生しやすい。このため、失透の発生を防ぎつつ、成形体1のクリープ現象を抑制できる熔融ガラスMGを、成形体1に供給する必要がある。熔融ガラスMGを構成するガラス組成物の液相粘度が80000dPa・s以上100000dPa・s以下である場合、成形体1で成形する熔融ガラスMGの粘度が最も高くなる成形体1の下端において失透を防止するために、熔融ガラスMGの粘度が、80000dPa・s未満になるように熔融ガラスの粘度を制御する。成形体1のクリープ現象を抑制するために、成形体1の供給溝2に供給する熔融ガラスMGの粘度を高くしつつ、成形体1の下端において熔融ガラスの粘度が80000dPa・s未満となる、熔融ガラスを成形体1の供給溝2に供給する。本実施形態の製造方法では、成形体1の供給溝2に供給する熔融ガラスMGの粘度は、下限は20000dPa・sから25000dPa・sであり、上限は35000dPa・sから40000dPa・sである。
本実施形態の製造方法では、成形体1の壁面5を流下する熔融ガラスにおけるガイド6a,6b近傍の部分の温度が、成形体1の上面3から下端4に至るまで液相温度よりも10℃以上高い温度となるように当該部分を加熱することが好ましく、液相温度よりも15℃以上高い温度となるように当該部分を加熱することがより好ましい。これらの場合、成形するシートガラスの端部における失透の発生がより確実に抑制される。具体的な液相温度は、ガラス組成物の組成によって異なる。
本実施形態の製造方法では、成形工程において、成形体1の壁面5を流下する熔融ガラスにおけるガイド6a,6b近傍の部分(端部を流下する熔融ガラスMG)の温度が、成形体1の上面3から下端4に至るまで液相温度よりも10℃〜150℃高くなるように(液相温度よりも10℃以上高く、かつ液相温度に150℃を加えた温度以下となるように)、ガイド6a,6bに沿って当該部分を加熱することが好ましい。これにより、成形体1の変形、および成形後のシートガラスSGにおける幅方向の収縮を抑制できる。成形体1の壁面5を流下する熔融ガラスMGにおけるガイド6a,6b近傍の部分の温度が、成形体1の上面3から下端4に至るまで液相温度よりも15℃〜100℃高くなるように、ガイドに沿って当該部分を加熱することがさらに好ましい。
熔融ガラスが成形体1から離れた後の端部の急冷(シートガラスSG端部の急冷)と組み合わせることにより、当該端部における失透の発生の抑制がさらに確実になる。
本実施形態の製造方法に従って、成形体1の壁面5を流下する方向のうち、熔融ガラスMGにおけるガイド6a,6b近傍の部分を加熱するのではなく、当該部分の温度が成形体1の上面3から下端4に至るまで液相温度よりも十分に高くなるように成形体1を流下する熔融ガラスMG全体の温度を液相温度よりも十分に高温とすることによっても理論上は失透が抑制される。しかし、液相温度が高いガラスを製造する場合、現実には、オーバーフローダウンドロー法にこのような方法を適用できない。オーバーフローダウンドロー法によるシートガラスの成形に適切な熔融ガラスの粘度が存在するためである(下記のようなシートガラスの弛みやシートガラスの幅の収縮の問題が生じないようにするためには、成形体1の下端における熔融ガラスの粘度が40000dPa・s以上であることが好ましく、70000dPa・s以上であることがより好ましい)。熔融ガラスにおけるガイド近傍の部分の温度が液相温度よりも十分に高くなるように、成形体1を流下する熔融ガラス全体の温度を液相温度よりも十分に高温にすると、あるいは成形体1の下端での加熱を過度に行うと、成形体1の下端における熔融ガラスMGの粘度が上記適切な範囲よりも小さくなってしまう可能性がある。すると、成形体1を離れた後のシートガラスSGの粘度が十分に上昇せず、成形体1の下流側に配置された搬送ロールによる引張速度以上の速度でシートガラスが落下して当該ロール上でシートガラスSGが弛んだり、シートガラスSGの幅が収縮したりする問題が発生する。また、成形体1の温度が高くなればなるほど、成形体1のクリープ現象が顕著となり、成形開始からの時間の経過に従ってシートガラスSGの中央部が垂れ下がるなどの問題も生じる。
これに対して、徐冷工程におけるシートガラスSGの搬送ロールによる引張速度を増加させることも考えられるが、ガラス基板として所望される厚さおよび成形後の徐冷工程で実施されるシートガラスSGの温度制御を考慮すると、搬送ロールによる引張速度の増加には限界がある(徐冷工程で実施されるシートガラスの温度制御を考慮すると、シートガラスの搬送速度は50〜500m/時が好ましく、100〜400m/時が好ましく、120〜300m/時が好ましい)。このため、成形するシートガラスの幅が収縮し易くなり、ガラス基板としての製品幅が確保できない。また、クリープ現象が顕著になると、製造するガラス基板の板厚の均一性が低下する。
本実施形態の製造方法では、成形体1の壁面5を流下する熔融ガラスMG全体の温度を熔融ガラスMGの流れる方向及び幅方向のいずれにおいても一律に上昇させて、熔融ガラスMGにおけるガイド6a,6b近傍の部分の温度を液相温度以上とするのではない。失透が特に生じやすい、熔融ガラスMGにおけるガイド6a,6b近傍の部分の温度を成形体1の上面3から下端4に至るまで液相温度以上とすることにより、すなわち成形体1の壁面5を流下する熔融ガラスMGに対する幅方向の局所的な加熱により、熔融ガラスMG全体および成形体1全体が過熱することを抑制しつつ、当該部分の粘度を成形体1の上面3から下端4に至るまで液相粘度未満として、シートガラスの端部に生じる失透を抑制することができる。
本実施形態の製造方法において熔融ガラスMGにおけるガイド6a,6b近傍の部分をガイド6a,6bに沿って加熱する方法は、当該部分の粘度が成形体1の上面3から下端4に至るまで液相粘度未満を保つことができる限り、限定されない。
加熱する方法の一例が、図4に示すように、ガイド6aからガイド6bにかけて、成形体1の上面3側から下端4側に延びるように配置された加熱装置8による加熱である。この方法によれば、ガイド6aからガイド6bにかけて、壁面5を流下する熔融ガラスMGの加熱の制御を比較的簡便に行うことができる。加熱装置8は、一対のガイド6a,6b及び壁面5に対向する位置に設けられ、壁面5を流下する熔融ガラスMGを、熔融ガラスMGの温度が壁面5の幅方向に沿って均一になるよう加熱する。熔融ガラスMGを、熔融ガラスMGの温度が壁面5の幅方向に沿って均一になるよう加熱することにより、成形するシートガラスの板厚の均一性を実現できる。
本実施形態の製造方法では、ガイド6a,6b近傍を流下する熔融ガラスMGの粘度が高くなりやすく、成形体1の下端4のガイド6a,6b近傍において、熔融ガラスMGの粘度が最も高くなり易い。このため、熔融ガラスMGを加熱する加熱装置8の設定温度を、ガイド6aとガイド6bとの間において壁面5を流下する熔融ガラスに対向する領域8bの温度より、ガイド6a、6b近傍を流下する熔融ガラスに対向する領域8aの温度が高くなるように設定する。すなわち、領域8bに略対向する壁面5の部分(幅方向の両側の端部間の内側部分)を流下する熔融ガラスMGより、領域8aに略対向するガイド6a,6b近傍の壁面5の部分(壁面5の端部)を流下する熔融ガラスMGに与える加熱量を高くする。このように、加熱装置8の領域8aの設定温度より加熱装置8の領域8bの設定温度を高くすることにより、成形体1の下端4における熔融ガラスMGの粘度が40000dPa・s以上80000dPa・s未満となるよう加熱する。このような加熱により、壁面5を流下する熔融ガラスMGにおけるガイド6a,6b近傍の部分の粘度が、成形体1の上面3から下端4に至るまで、当該熔融ガラスMGを構成するガラス組成物の液相粘度未満となり失透を防止することができる。加熱装置8の領域8の幅方向の位置は、ガイド6a,6bに略対向する位置であり、加熱装置8の領域8aの幅方向の位置は、成形体1の壁面5の幅方向の中央部分に対向する位置である。
加熱装置8は、当該部分における熔融ガラスMGの粘度が液相粘度未満となるように、すなわち当該部分における熔融ガラスの温度が液相温度を超えるように、熔融ガラスMGを加熱することができる限り限定されない。加熱装置8は、例えば、ヒータである。
ヒータの種類は、シートガラス成形炉の温度雰囲気下で使用でき、当該ヒータによる熔融ガラスMGの加熱によって、熔融ガラスMGにおけるガイド6a,6b近傍の部分の粘度を液相粘度未満とすることができる限り限定されない。加熱装置8には、ヒータの他に、レーザーあるいは電磁波を利用して熔融ガラスMGの加熱を行うものも含まれる。
加熱装置8の配置の状態は、成形体1におけるガイド6a,6bの近傍、及び、幅方向に延びる壁面5に沿って延びるように配置され、成形体1の壁面5を流下する熔融ガラスMGにおけるガイド6a,6b近傍の部分の粘度が、成形体1の上面3から下端4に至るまで液相粘度未満を保つことができる限り、限定されない。加熱装置8は、図3に示すように、1つの成形体1について4箇所存在する、ガイド6a,6b近傍の部分のそれぞれに加熱できるように配置されていることが好ましい。
図4に示す例では、加熱装置8としてヒータが、ガイド6a,6bの間全体を、幅方向に渡って壁面5に沿って延びるように配置されている。加熱装置8の形状は、ガイド6aからガイド6bまで幅方向に直線状に延びる形状である。加熱装置8の形状は、全体としてガイド6aからガイド6bまで幅方向に延びていれば(全体としてガイド6a,6b及び成形体1の幅方向に延びる壁面5に沿う形状であれば)、直線状でなくても構わない。
加熱装置8は、例えば、図4に示すように、成形体1におけるガイド6bの近傍に、成
形装置1の上面3側から下端4側へ延びる方向にも沿って延びるように配置された加熱装置であってもよい。
ガイド6a,6bと加熱装置との位置関係について、加熱装置8は、例えば
図2に示すように、ガイド6a,6bの熔融ガラス側(ガイド6a,6bよりもガイド6a,6bの間の側)の近傍に配置してもよいし、図5に示すように、ガイド6a,6bの熔融ガラスとは反対側(ガイド6a,6bよりも幅方向の外側)の近傍に配置してもよい。前者の場合、加熱装置8によって熔融ガラスMGにおけるガイド6a,6b近傍の部分を直接的に加熱することができる。後者の場合、加熱装置8の具体的な配置の位置およびガイド6a,6bを構成する材料によっても異なるが、加熱装置8によってガイド6a,6bを発熱させ、発熱したガイド6a,6bによって熔融ガラスMGにおける当該ガイド6a,6b近傍の部分を加熱することも可能である。加熱の効率の観点からは、加熱装置8によって熔融ガラスMGにおけるガイド6a,6b近傍の部分を、直接、加熱することが好ましい。
加熱装置8による具体的な加熱の制御は、成形体1の壁面5を流下する熔融ガラスMGにおけるガイド6a,6b近傍の部分の粘度が、成形体1の上面3から下端4に至るまで液相粘度未満を保つことができる限り、自由に設定できる。例えば、加熱装置8による加熱が連続的であっても断続的であってもよい。複数の加熱装置8を配置した場合、各加熱装置8による加熱を独立して制御してもよい。1つの加熱装置8について複数の加熱セクションを設定しておき、各加熱セクションによる加熱を独立して制御してもよい。
成形体1における壁面5からのガイド6a,6bの高さは、成形体1の下端4に近づくほど、すなわち下方の位置ほど低くなることが好ましい。成形体1の下端4が、両側の傾斜した壁面5同士が接続した直線状の稜線であり、一対のガイド6a,6bの傾斜した壁面5における高さが、当該稜線の位置において0(ゼロ)であることが好ましい。これにより、シートガラスSGの端部(耳部)が二叉形状に開くことがさらに抑制され、ガラス基板をより安定して連続的に生産することができる。
本実施形態の製造方法によれば、熔融ガラスMGを構成するガラス組成物の液相温度が高く、液相粘度が小さい場合、例えば、ガラス組成物が無アルカリガラス、アルカリ微量含有ガラスなどの場合、においても、成形するシートガラスSGの端部における失透を抑制する効果が得られる。すなわち、熔融ガラスMGを構成するガラス組成物の液相温度が高く、液相粘度が小さい場合に、本実施形態の製造方法によってもたらされる利点が大きい。
本実施形態の製造方法では、熔融ガラスMGを構成するガラス組成物の液相粘度は10000dPa・s以下である。このようなガラス組成物では、従来、オーバーフローダウンドロー法によるシートガラスの成形において端部における失透の問題が発生しやすい。しかし、本実施形態の製造方法では、失透抑制の効果が得られる。
本実施形態の製造方法に用いる熔融ガラスMGの液相粘度は100000dPa・s以下である。液相粘度が100000dPa・s以下であるガラス組成物では上記失透の問題がより顕著となるが、本実施形態の製造方法では失透抑制の効果が得られる。オーバーフローダウンドロー法によるシートガラスの成形を安定して実施できる観点からは、液相粘度は80000dPa・s以上が好ましい。
本実施形態の製造方法では、熔融ガラスMGを構成するガラス組成物の液相温度が1200℃以上1220℃以下である。このようなガラス組成物では、従来、オーバーフローダウンドロー法によるシートガラスの成形において端部における失透の問題が発生しやすい。しかし、本実施形態の製造方法では、失透抑制の効果が得られる。
本実施形態の製造方法では、熔融ガラスMGがジルコニアおよび/または酸化スズを含有していてもよい。ジルコニアを含有する熔融ガラスMGでは、ジルコニアを含有していない場合に比べてガラス組成物の液相温度が上昇する。このような熔融ガラスMGでは、従来、オーバーフローダウンドロー法によるシートガラスSGの成形において端部における失透の問題が発生しやすい。しかし、本実施形態の製造方法では、失透抑制の効果が得られる。ジルコニアは、ガラス組成物の成分として元々熔融ガラスMGに含まれる場合以外にも、高ジルコニア系耐火物を使用して構成される熔解槽および成形装置を用いることによっても熔融ガラスMGに溶出する。特に、このような熔解槽を用いてガラス原料を電気熔解する場合、熔融ガラスMG中のジルコニア濃度が高くなる傾向がある。すなわち本実施形態の製造方法は、高ジルコニア系耐火物を使用して構成される熔解槽を用いてガラス原料を電気熔解する場合に、より好適となる。
なお、高ジルコニア系耐火物を使用して構成される熔解槽は、従来広く使用されているアルミナ電鋳耐火物を使用して構成される熔解槽に比べて、ガラスに浸食されにくく、熔解槽としての寿命が長い。また、熔融ガラスMGの発泡を抑えることもできる。このため、熔融温度(ガラス組成物の粘度が102.5ポアズとなる温度)が高いガラス組成物、例えば無アルカリガラスおよびアルカリ微量含有ガラス、の熔融ガラスの形成に適している。
また、熔解槽で形成する熔融ガラスが無アルカリガラスまたはアルカリ微量含有ガラスにより構成される場合、ガラス組成物の比抵抗が高くなりやすく、ガラス原料ではなく高ジルコニア耐火物に電流が流れる傾向がある。当該耐火物に電流が流れると、熔解槽で形成される熔融ガラスMGにジルコニアが溶出する。すなわち本実施形態の製造方法は、高ジルコニア系耐火物を使用して構成される熔解槽を用いて、無アルカリガラスまたはアルカリ微量含有ガラスの熔融ガラスMGを電気熔解により形成する場合に、さらに好適となる。
液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどのFPD用ガラス基板には、無アルカリガラスまたはアルカリ微量含有ガラスから構成されるガラス基板が好ましい。パネル製造工程においてガラス基板からアルカリ成分が溶出すると、薄膜トランジスタ(TFT)などの電子素子の特性が劣化するおそれがあるためである。すなわち本実施形態の製造方法は、高ジルコニア系耐火物を使用して構成される熔解槽を用いてガラス原料を電気熔解し、得られた熔融ガラスを用いてオーバーフローダウンドロー法によりFPD用ガラス基板を製造する場合に、特に好適となる。なお、無アルカリガラスとは、実質的にアルカリ金属酸化物を含有しない(含有率にして0.05質量%未満)ガラス組成物をいう。アルカリ微量含有ガラスとは、アルカリ金属酸化物を0.05〜2.0質量%含有するガラス組成物をいう。
酸化スズを含有する熔融ガラスMGでは、酸化スズの晶出により失透が生じやすくなる。また、ジルコニアと共存した場合、酸化スズはジルコニアを晶出させる作用を有する。このような熔融ガラスMGでは、従来、オーバーフローダウンドロー法によるシートガラスSGの成形において端部における失透の問題が特に生じやすい。しかし、本実施形態の製造方法では、失透抑制の効果が得られる。
本実施形態の製造方法では、熔融ガラスMGを構成するガラス組成物が無アルカリガラスまたはアルカリ微量含有ガラスであってもよい。アルカリ金属酸化物を、2.0質量%超含有するアルカリガラスと比較して、このような無アルカリガラスまたはアルカリ微量含有ガラスの液相温度は高く、液相粘度は小さい傾向にあるが、本実施形態の製造方法では失透抑制の効果が得られる。この効果が、高ジルコニア系耐火物を使用して構成される熔解槽を用いて無アルカリガラスまたはアルカリ微量含有ガラスの熔融ガラスを電気熔解により形成する場合に特に顕著となるのは、上述したとおりである。
なお、TFTなどの電子素子の特性の劣化を防止するという観点からは、FPD用ガラス基板には無アルカリガラスが好適である。ただし、熔解性および清澄性という観点からは、FPD用ガラス基板にはアルカリ微量含有ガラスが好適である。アルカリ金属酸化物を敢えて微量含ませてアルカリ微量含有ガラスとすることによって、ガラス組成物の熔解性および清澄性が向上する。清澄性には、アルカリ金属酸化物の存在によってガラスの塩基性度が上昇し、価数変動する金属の酸化が容易となることが寄与する。また、高ジルコニア系耐火物を使用して構成される熔解槽においてガラス原料の電気熔解により熔融ガラスMGを形成する場合においても、無アルカリガラスに比べてガラスの比抵抗を小さくすることができ、熔融ガラスへのジルコニアの溶出を抑え、熔融ガラスの失透性上昇を抑えることができる。
本実施形態の製造方法では、熔融ガラスMGを構成するガラス組成物について、102.5ポアズの粘度を示す温度(熔融温度)が1500℃〜1750℃であってもよい。このようなガラス組成物は熔融時に高温が必要になるため、高ジルコニア系耐火物を使用して構成される熔解槽により熔融ガラスMGを形成する場合にジルコニアが溶出しやすい。このようなガラス組成物に対しても、本実施形態の製造方法では失透抑制の効果が得られる。
本実施形態の製造方法で製造するガラス基板に含まれるガラス成分として、例えば、SiO、Al、B、MgO、CaO、SrO、BaO、LiO、NaO、KO、ZrO、TiO、ZnO、及びPが挙げられる。
SiOは、ガラスの骨格成分であり、従って、必須成分である。含有量が少なくなると、歪点が低下し、熱膨張係数が増加する傾向がある。また、SiO含有量が少なすぎると、ガラス基板を低密度化するのが難しくなる。一方、SiO含有量が多すぎると、熔融ガラスMGの比抵抗が上昇し、熔融温度が著しく高くなり熔解が困難になる傾向がある。SiO含有量が多すぎると、失透温度が上昇し、耐失透性が低下する傾向もある。さらに、SiO含有量が多すぎると、エッチングレートが遅くなる。このような観点から、SiOの含有量は、例えば60〜80mol%の範囲であることが好ましい。SiOの含有量は、より好ましくは64〜73mol%あるいは65〜75mol%、より一層好ましくは66〜72mol%、さらにより一層好ましくは67〜71mol%の範囲である。
Alは、歪点を高くする必須成分である。Al含有量が少なすぎると、歪点が低下する。さらに、Al含有量が少なすぎると、ヤング率及び酸によるエッチングレートも低下する傾向がある。一方、Al含有量が多すぎると、ガラスの失透温度が上昇して、耐失透性が低下するので、成形性が悪化する傾向がある。このような観点から、Alの含有量は8〜20mol%の範囲である。Alの含有量は、好ましくは10〜17mol%、より好ましくは10.5〜17mol%、より好ましくは11〜15mol%、さらに好ましくは12〜15mol%の範囲である。
は、ガラスの高温粘性を低下させ、熔融性を改善する成分である。即ち、熔融温度近傍での粘性を低下させるので、熔解性を改善する。また、失透温度を低下させる成分でもある。B含有量が少ないと、熔解性及び耐失透性が低下する傾向がある。B含有量が多すぎると、歪点及びヤング率が低下する。また、ガラス成形時のBの揮発により、失透が生じやすくなる。特に、歪点が高いガラスは、成型温度が高くなる傾向にあるため、上記揮発が促進され、失透の生成が顕著な問題となる。また、ガラス熔解時のBの揮発により、ガラスの不均質が顕著となり、脈理が発生しやすくなる。このような観点から、B含有量は、0〜15mol%であり、好ましくは0〜8mol%であり、より好ましくは0〜7mol%であり、さらに好ましくは0.1〜6mol%、一層好ましくは1〜5mol%、より一層好ましくは1.5〜4.5mol%の範囲である。
MgOは、熔解性を向上させる成分である。また、アルカリ土類金属の中では密度を増加させにくい成分であるので、その含有量を相対的に増加させると、低密度化を図りやすくなる。含有させることで、熔融ガラスMGの比抵抗及び熔融温度を低下できる。但し、MgOの含有量が多すぎると、ガラスの失透温度が急激に上昇するため、特に成形工程で失透しやすくなる。このような観点から、MgO含有量は、0〜15mol%であり、好ましくは1〜15mol%、より好ましくは0〜6mol%、さらに好ましくは1〜6mol%の範囲である。あるいは、MgO含有量は、0〜15mol%であることが好ましく、より好ましくは0〜6mol%、さらに好ましくは1〜6mol%の範囲である。
CaOは、ガラスの失透温度を急激に上げることなくガラスの熔解性を向上させるのに有効な成分である。また、アルカリ土類金属酸化物の中では密度を増加させにくい成分であるので、その含有量を相対的に増加させると、低密度化を図りやすくなる。含有量が少な過ぎると、熔融ガラスMGの比抵抗の上昇及び耐失透性低下が生じる傾向がある。CaO含有量が多すぎると、熱膨張係数が増加し、密度が上昇する傾向がある。このような観点から、CaO含有量は、0〜20mol%であり、好ましくは1〜15mol%、より好ましくは2〜11mol%、さらに好ましくは4〜9mol%の範囲である。
SrOは、ガラスの失透温度を下げることができる成分である。SrOは、必須ではないが、含有させると、耐失透性および熔解性が向上する。しかし、SrO含有量が多すぎると、密度が上昇してしまう。このような観点から、SrO含有量は、0〜15mol%であり、好ましくは0〜8mol%であり、より好ましくは0〜3mol%、さらに好ましくは0〜1mol%、一層好ましくは0〜0.5mol%の範囲であり、より一層好ましくは実質的に含有させない。
BaOは、ガラスの失透温度および熔融ガラスMGの比抵抗を効果的に下げることができる必須成分である。BaOを含有させると、耐失透性および熔解性が向上する。しかし、BaOの含有量が多すぎると、密度が上昇してしまう。また、環境負荷の観点、および熱膨張係数が増大する傾向があることから、BaO含有量は、0〜15mol%あるいは0.1〜15mol%であり、好ましくは1〜15mol%であり、より好ましくは1〜10mol%、さらに好ましくは1.5〜6mol%の範囲である。
LiO及びNaOは、ガラスの熱膨張係数を大きくして熱処理時に基板を破損したりするおそれのある成分である。また、歪点を低下させる成分でもある。一方、熔融ガラスMGの比抵抗を低下させることができるので、含有させることで熔解槽が侵食されることを抑制できる。以上の観点からLiOの含有量は、0〜0.5mol%であることが好ましく、より好ましくは実質的に含有させない。NaOの含有量は、0〜0.5mol%であることが好ましく、より好ましくは0〜0.2mol%である。なお、NaOは、LiOと比較して歪点を低下させにくい成分であることから、NaO>LiOであることが好ましい。なお、ガラス基板から溶出してTFT特性を劣化させることを防止するという観点からは、LiO及びNaOは、実質的に含有させないことが好ましい。
Oは、ガラスの塩基性度を高め、清澄性を促進させる成分である。また、熔融ガラスMGの比抵抗を低下させる成分である。含有させると、熔融ガラスMGの比抵抗が低下するため、熔解槽を構成する耐火物に電流が流れてしまうことを防止でき、熔解槽が侵食されることを抑制できる。また、熔解槽を構成する耐火物がジルコニアを含有する場合、熔解槽が侵食されて、熔解槽から熔融ガラスMGへジルコニアが溶出してしまうことを抑制できるため、ジルコニアに起因する失透も抑制できる。また、熔解温度近傍におけるガラス粘性を低下させるので、熔解性と清澄性が向上する。一方、KO含有量が多すぎると、熱膨張係数増大及び歪点低下の傾向がある。このような観点から、KO含有量は、好ましくは0〜0.8mol%、より好ましくは0.01〜0.5mol%、さらに好ましくは0.1〜0.3mol%の範囲である。
ZrOおよびTiOは、ガラスの歪点を向上させる成分である。しかし、ZrO量およびTiO量が多くなりすぎると、失透温度が著しく上昇するため、耐失透性が低下する傾向がある。特に、ZrOは融点が高く難熔なため、原料の一部が熔解槽の底部に堆積するといった問題を引き起こす。これらの未熔解の成分がガラス素地に混入するとインクルージョンとしてガラスの品質悪化を引き起こす。また、TiOは、ガラスを着色させる成分なので、ディスプレイ用基板には好ましくない。このような観点から、本実施形態のガラス基板では、ZrOおよびTiOの含有量は、それぞれ、0〜5mol%が好ましく、より好ましくは0〜2mol%の範囲であり、実質的に含有しないことがさらに好ましい。
ZnOは、熔解性を向上させる成分である。但し、必須成分ではない。ZnO含有量が多くなりすぎると、失透温度が上昇し、歪点が低下し、密度が上昇する傾向がある。このような観点から、ZnO含有量は、好ましくは0〜5mol%、より好ましくは0〜2mol%の範囲であり、実質的に含有しないことがさらに好ましい。
は、高温粘性を低下させ、熔解性を向上させる成分である。但し、必須成分ではない。P含有量が多すぎると歪点が低下する。また、ガラス熔解時のPの揮発により、ガラスの不均質が顕著となり、脈理が発生しやすくなる。このような観点から、P含有量は、好ましくは0〜3mol%、より好ましくは0〜1mol%、さらに好ましくは0〜0.5mol%の範囲であり、実質的に含有しないことが一層好ましい。
本実施形態の製造方法で製造するガラス基板は、例えば以下の組成を含む無アルカリガラスからなる。
SiO:56−65質量%
Al:15−19質量%
:8−13質量%
MgO:1−3質量%
CaO:4−7質量%
SrO:1−4質量%
BaO:0−2質量%
NaO:0−1質量%
O:0−1質量%
As:0−1質量%
Sb:0−1質量%
SnO:0−1質量%
Fe:0−1質量%
ZrO:0−1質量%
本実施形態で製造されるガラス基板は、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板を含むディスプレイ用ガラス基板に好適である。IGZO(インジウム、ガリウム、亜鉛、酸素)等の酸化物半導体を使用した酸化物半導体ディスプレイ用ガラス基板及びLTPS(低温度ポリシリコン)半導体を使用したLTPSディスプレイ用ガラス基板に好適である。また、本実施形態で製造されるガラス基板は、アルカリ金属酸化物の含有量が極めて少ないことが求められる液晶ディスプレイ用ガラス基板に好適である。また、有機ELディスプレイ用ガラス基板にも好適である。言い換えると、本実施形態のガラス基板の製造方法は、ディスプレイ用ガラス基板の製造に好適であり、特に、液晶ディスプレイ用ガラス基板の製造に好適である。その他、携帯端末機器などのディスプレイや筐体用のカバーガラス、タッチパネル板、太陽電池のガラス基板、磁気ディスク用ガラスやカバーガラスとしても用いることができる。特に、ポリシリコンTFTを用いた液晶ディスプレイ用ガラス基板に好適である。
以上、本発明のガラス基板の製造方法及びガラス基板の製造装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
100 熔解装置
101 熔解槽
102 清澄管
103 撹拌槽
103a 撹拌子
104、105 移送管
106 ガラス供給管
120 清澄管
200 成形装置
300 切断装置
MG 熔融ガラス
SG シートガラス
SGa (シートガラスの)端部
1 成形体
2 供給溝
3 上面
3a、3b (上面の)端部
4 下端
5 壁面
6a、6b ガイド
7 液面
8 加熱装置(ヒータ)

Claims (5)

  1. 熔融ガラスが供給される供給溝が形成された上面と、前記供給溝の両側に溢れ出して前記上面から流れ落ちる熔融ガラスを誘導し、下端で融合させてシートガラスとする一対の壁面と、を備える成形体を用いて、オーバーフローダウンドロー法によりシートガラスを成形する成形工程を有するガラス基板の製造方法であって、
    前記熔融ガラスを構成するガラス組成物の液相粘度が80000dPa・s以上100000dPa・s以下であり、
    前記成形工程では、
    熔融ガラスの粘度が25000dPa・s以上35000dPa・s以下である熔融ガラスを前記供給溝に供給し、
    前記成形体の上面から前記下端まで、前記壁面の幅方向における双方の端部に当該端部から突出するように互いに対向して形成された一対のガイドによって、前記熔融ガラスを、当該熔融ガラスの幅を規制しながら前記壁面に沿って流下させ、
    前記壁面のうち、前記幅方向の両側の端部の間の内側部分を流下する熔融ガラスより、前記端部を流下する熔融ガラスに与える加熱量を多くすることにより、前記下端における熔融ガラスの粘度が40000dPa・s以上80000dPa・s未満となるよう加熱する、
    ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  2. 前記成形工程において、前記端部を流下する熔融ガラスの温度が、前記成形体の前記上面から前記下端に至るまで前記液相温度よりも10℃〜150℃高くなるように、前記ガイドに沿って前記端部を流下する熔融ガラスを加熱する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
  3. 前記成形工程において、前記一対のガイド及び前記壁面に対向する位置に設けられる加熱装置により前記壁面を流下する熔融ガラスを、前記熔融ガラスの温度が前記壁面の幅方向に沿って均一になるよう加熱する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス基板の製造方法。
  4. 前記成形体の下端は、前記一対の壁面同士が接続した直線状の稜線であり、
    前記成形体における前記壁面からの前記ガイドの高さは、前記下端に近づくほど低くなるとともに、前記稜線の位置においてゼロである、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のガラス基板の製造方法。
  5. オーバーフローダウンドロー法により成形体を用いてシートガラスを成形するガラス基板の製造装置であって、
    前記成形体は、
    熔融ガラスが供給される供給溝と、
    前記供給溝が形成された上面と、
    前記供給溝の両側に溢れ出して前記上面から流れ落ちる熔融ガラスを誘導し、下端で融合させてシートガラスとする一対の壁面と、
    前記成形体の上面から前記下端まで、前記壁面の幅方向における双方の前記壁面の端部に当該端部から突出するように互いに対向して形成され、前記熔融ガラスを、当該熔融ガラスの幅を規制しながら前記壁面に沿って流下させる一対のガイドと、
    を備え、
    前記供給溝には、液相粘度が80000dPa・s以上100000dPa・s以下であるガラス組成物で構成された熔融ガラスを、前記熔融ガラスの粘度が25000dPa・s以上35000dPa・s以下の状態で流れるように構成され、
    さらに、前記壁面のうち、前記幅方向の両側の端部間の内側部分を流下する熔融ガラスより、前記端部を流下する熔融ガラスに与える加熱量を多くすることにより、前記下端における熔融ガラスの粘度が40000dPa・s以上80000dPa・s未満となるよう加熱する加熱装置を、備えることを特徴とするガラス基板の製造装置。
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