JP2017066005A - ガラス基板の製造方法及びガラス導管 - Google Patents

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【課題】ガラス基板を製造するとき、熔融ガラスを搬送するガラス導管の延在方向に沿って流れる電流が偏ることを抑制する。【解決手段】ガラス基板を製造する製造方法は、ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解工程と、前記熔融ガラスが流れるガラス導管の導電性の管本体の外周を覆う電極板であって、前記電極板の面が前記熔融ガラスの流れの上流側及び下流側に向く一対の電極板が前記管本体に設けられ、前記一対の電極板を通して前記管本体に電流を流すことにより前記熔融ガラスを加熱しながら、前記熔融ガラスを搬送する搬送工程と、ガラス基板を製造するために、搬送した前記熔融ガラスをシートガラスに成形する成形工程と、を含む。 前記電極板の1300℃における電気抵抗率は、前記管本体の1300℃における電気抵抗率よりも低い。【選択図】 図3

Description

本発明は、熔融ガラスを加熱しながら搬送するガラス導管、及びガラス基板を製造するガラス基板の製造方法に関する。
液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどのディスプレイに用いるガラス基板には、厚さが例えば0.5〜0.7mmと薄いガラス基板が用いられている。
このようなディスプレイ用のガラス基板、例えば、TFT(Thin Film Transistor)をガラス表面に形成するガラス基板には、TFTの特性を劣化させないために、アルカリ金属を全く含まないか、含んでも少量であるガラス基板が好適に用いられる。また、このようなガラス基板は、400〜500℃の熱処理を行ってポリシリコンTFTをガラス表面に形成する場合にも、熱収縮が小さいガラス基板として好適に用いられる。
一方、アルカリ金属を全く含まないか、含んでも少量であるガラス基板の製造段階では、熔融ガラスの高温粘性は高い。このため、熔融ガラスの脱泡を行う清澄槽は、上記熔融ガラスの脱泡を効果的に行うために、上記熔融ガラスを、アルカリ金属を含む従来の熔融ガラスに比べて高い温度に昇温する。また、清澄処理では、酸素等を放出して、熔融ガラス内の泡を成長させるための清澄剤が熔融ガラスに含まれているが、昨今の環境負荷の低減の点から、清澄機能は大きいが毒性の高いAs23に替えて、熔融ガラスを1600〜1630℃以上の高温にして脱泡処理を有効に機能させるSnO2等の清澄剤を用いる場合が多い。さらに、高温粘性の高い熔融ガラスは、熔融ガラスの粘性を適切にした状態(熔融ガラスの温度を適切な高温状態にした状態)で、攪拌槽、さらには、オーバーフローダウンドロー法を行なう成形体に供給しなければならない。攪拌槽及び成形体では、適正な粘性の熔融ガラスでなければ、十分な攪拌と成形ができない。
以上の理由から、熔解槽でつくった熔融ガラスを従来に比べて高温に加熱して清澄槽及び攪拌槽等を介して成形装置まで熔融ガラスを搬送するガラス導管では、ガラス導管中の熔融ガラスの温度の制御及び管理を十分に行なわなければならない。
熔融ガラスはガラス導管内を流れる際、放熱による温度低下を抑制して所定の温度にするために熔融ガラスを加熱することにより、熔融ガラスの温度を制御、管理している。具体的には、ガラス導管には、熔融ガラスの温度を所望の温度にするために、ガラス導管の導電性の管本体を通電加熱して搬送中の熔融ガラスを加熱する一対の電極板が設けられる。一対の電極板は、ガラス導管の延在方向の異なる位置に設けられる。
例えば、成形装置に熔融ガラスを搬送するガラス導管には、一対の電極板の間のガラス導管に電流を流し、ガラス導管の抵抗率によってガラス導管を発熱させることにより熔融ガラスを加熱する。この場合、熔融ガラスの温度が一定に維持されるようにガラス導管に流す電流のPID(Proportional-Integral-Derivative)制御を行なう。熔融ガラスの温度は、熔融ガラスの粘性に影響を与え、熔融ガラスの粘性は熔融ガラスの流量にも影響を与えることから、熔融ガラスの温度を適切な範囲で一定に維持することにより、成形装置に供給する熔融ガラスの温度のみならず、流量も一定に維持することができる。
上記一対の電極板からガラス導管の管本体に電流が流れる場合、一対の電極板間に挟まれたガラス導管の管本体の部分を、管本体の延在方向に沿って流れる電流密度は不均一になり易い。例えば、ガラス導管の一方の側(例えば上方)から給電する場合、ガラス導管の給電側部分に電流が偏り、その結果、電極板近傍のガラス導管の給電側部分の温度は高くなり、非給電側部分の温度は低くなり易い。このため、給電側部分近傍を流れる熔融ガラスの温度は高く粘性は低く、非給電側部分近傍を流れる熔融ガラスの温度は低く粘性は高くなる。この結果、熔融ガラスの流量にも偏りが生じ、給電側部分近傍を流れる熔融ガラスの流量は、非給電側部分近傍を流れる熔融ガラスの流量に比べて多くなり、熔融ガラスの温度差は増幅される。このため、以下の不都合な問題が生じ易くなる。具体的には、給電側部分近傍を流れる熔融ガラスが過度に高温になり、再加熱の原因となって、リボイルによる泡が発生し易くなる。また、非給電側部分近傍を流れる熔融ガラスが過度に低温になり、ガラスの失透が生じ、熔融ガラスの温度が液相温度より高くても、熔融ガラス中の酸化錫成分が結晶化して異物となり易くなる。
このため、ガラス導管の延在方向に沿って流れる電流密度は均一に近いことが好ましい。
このような熔融ガラスを搬送するガラス導管として、ガラス導管の周上の温度が分布を持つこと、及び、熔融ガラスに温度差をつくることを抑制し、熔融ガラスの加熱を効率よく行うことができる、ガラス導管が知られている(特許文献1)。
具体的には、ガラス導管は、金属製の管本体と、前記管本体の長手方向の異なる位置に設けられた一対のフランジと、前記管本体に電流を流して加熱するために、前記フランジのそれぞれに接続した電極と、を備える。前記電極から前記フランジに至る電流路は、前記フランジのそれぞれに給電する前に、前記フランジの周上の異なる2箇所に給電するために、分岐した分岐路を備える。
特開2014/051399号公報
しかし、上記ガラス導管でも、ガラス導管の給電側部分に電流が偏ることを十分に抑制することはできなかった。
本発明は、従来とは異なる方式を用いて、ガラス導管の延在方向に沿って流れる電流が偏ることを抑制することができるガラス導管及びガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、ガラス基板を製造する製造方法である。前記製造方法は、
ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解工程と、
前記熔融ガラスが流れるガラス導管の導電性の管本体の外周を覆う電極板であって、前記電極板の面が前記熔融ガラスの流れの上流側及び下流側に向く一対の電極板が前記管本体に設けられ、前記一対の電極板を通して前記管本体に電流を流すことにより前記熔融ガラスを加熱しながら、前記熔融ガラスを搬送する搬送工程と、
ガラス基板を製造するために、搬送した前記熔融ガラスをシートガラスに成形する成形工程と、を含む。
前記電極板の1300℃における電気抵抗率は、前記管本体の1300℃における電気抵抗率よりも低い。
前記電極板は白金で構成され、前記管本体は白金ロジウム合金で構成されている、ことが好ましい。
前記白金ロジウム合金は、ロジウムを5〜20質量%含む、ことが好ましい。
前記搬送工程は、熔融ガラスを攪拌する均質化工程と前記成形工程の間で行われる、ことが好ましい。
本発明の他の一態様は、熔融ガラスが流れる導電性の管本体を備えるガラス導管である。前記ガラス導管の前記管本体の外周には、前記外周を覆う電極板であって、前記電極板の面が前記熔融ガラスの流れの上流側及び下流側に向く一対の電極板が設けられ、
前記電極板の1300℃における電気抵抗率は、前記管本体の1300℃における電気抵抗率よりも低い。
前記電極板は白金で構成され、前記管本体は白金ロジウム合金で構成されている、ことが好ましい。
上記ガラス導管およびガラス基板の製造方法では、ガラス導管の延在方向に沿って流れる電流が偏ることを抑制することができる。
本実施形態のガラス基板の製造方法の工程図である。 図1に示す熔解工程〜切断工程を行う装置を模式的に示す図である。 本実施形態のガラス導管を詳細に説明した断面図である。
以下、本実施形態のガラス導管及びガラス基板の製造方法について説明する。
(ガラス基板の製造方法の全体概要)
図1は、ガラス基板の製造方法の工程図である。
ガラス基板の製造方法は、熔解工程(ST1)と、清澄工程(ST2)と、均質化工程(ST3)と、供給工程(ST4)と、成形工程(ST5)と、徐冷工程(ST6)と、切断工程(ST7)と、を主に有する。この他に、研削工程、研磨工程、洗浄工程、検査工程、梱包工程等を有し、梱包工程で積層された複数のガラス基板は、納入先の業者に搬送される。
図2は、熔解工程(ST1)〜切断工程(ST7)を行う装置を模式的に示す図である。当該装置は、図2に示すように、主に熔解装置100と、成形装置200と、切断装置300と、を有する。熔解装置100は、熔解槽101と、清澄槽102と、攪拌槽103と、ガラス導管104,105,106と、を有する。
熔解工程(ST1)では、熔解槽101内に供給されたガラス原料を、図示されない火焔および電気ヒータで加熱して熔解することで熔融ガラスを得る。
清澄工程(ST2)は、ガラス導管104、清澄槽102およびガラス導管105において主に行われ、清澄槽102内の熔融ガラスMGを加熱することにより、熔融ガラスMG中に含まれるO2等の気泡が、清澄剤の酸化還元反応により成長し液面に浮上して放出される、あるいは、気泡中のガス成分が熔融ガラス中に吸収されて、気泡が消滅する。
均質化工程(ST3)では、ガラス導管105を通って供給された攪拌槽103内の熔融ガラスMGを、スターラ103aを用いて攪拌することにより、ガラス成分の均質化を行う。
供給工程(ST4)では、ガラス導管106を通して熔融ガラスMGを成形装置200に搬送する。供給工程では、後述する本実施形態のガラス導管106が用いられる。供給工程(ST4)は、熔融ガラスMGを加熱しながら熔融ガラスMGを搬送する搬送工程の一つであり、搬送工程は、ガラス導管104,105を流れる熔融ガラスMGにも適用することができる。
成形装置200では、成形工程(ST5)及び徐冷工程(ST6)が行われる。
成形工程(ST5)では、熔融ガラスMGをシートガラスSGに成形し、シートガラスSGの流れを作る。本実施形態では、成形体210を用いたオーバーフローダウンドロー法を用いる。徐冷工程(ST6)では、成形されて流れるシートガラスSGが所望の厚さになり、内部歪が生じないように冷却される。
切断工程(ST7)では、切断装置300において、成形装置200から供給されたシートガラスSGを所定の長さに切断することで、板状のガラス基板を得る。切断されたガラス基板はさらに、所定のサイズに切断され、目標サイズのガラス基板が作製される。さらに、ガラス端面の研削、研磨、及びガラス主面の洗浄が行われ、さらに、気泡等の異常欠陥の有無が検査された後、検査合格品のガラス基板が最終製品として梱包される。
(ガラス導管)
図3は、図2に示すガラス導管106をより詳細に説明した断面図である。以降で説明するガラス導管106の形態は、ガラス導管104,105においても用いることができるが、特に、後述する電極板を有するガラス導管は、熔融ガラスMGをオーバーフローダウンドロー法でシートガラスに成形する成形体210に供給する部分であるため、成形体210に供給する熔融ガラスMGの粘性が不均一になること抑制することができる点で、供給工程ST4で用いるガラス導管106に適用することが好ましい。
ガラス導管106は、攪拌槽103と成形装置200との間を結ぶ、導電性材料、例えば白金合金で構成された管本体110を有し、管本体110内を熔融ガラスMGが流れる。具体的には、ガラス導管106は、導電性材料、例えば白金合金で構成された管本体110と、管本体110の長手方向の異なる位置に設けられた一対の電極板116と、電極板116に接続され、管本体110を通電加熱するために電力を供給する加熱電源118を、備える。さらに、ガラス導管106には、図3には図示されないが、ガラス導管106の周りを取り巻くキャスタブル及び断熱部材が設けられ、放熱による熔融ガラスMGの温度の低下を可能な限り抑制している。
加熱電源118は、交流電圧を電極板116に印加して所定の電流を流すように構成されている。
ガラス導管106の管本体110の外周には、外周を覆う電極板116が、ガラス導管106の延在方向の異なる2箇所に設けられている。電極板116は、電極板116の面が熔融ガラスMGの流れの上流側及び下流側に向くように設けられている。
電極板116の形状は、特に制限されず、円形状でもよいし、円形状の一部と長方形形状を組み合わせた形状であってもよいし、U字形状であってもよい。本実施形態では、電極板116に上方から電流が供給されるが、必ずしも電流は上方から供給される必要はなく、下方から、あるいは側方から供給されてもよい。U字形状の場合、ガラス導管106の管本体110の外径より大きい幅寸法を有するのが好ましい。そして、U字形状の下方の湾曲部分が、管本体110の下方部分の下方に位置するように設けられるとよい。図3では、電極板116の板厚は一定であるが、電極板116は、管本体110の最上部よりも上方から管本体110に近づくように電極板116の両側の外縁に沿って設けられた厚肉部と、厚肉部より板厚の薄い、電極板116の内側の内側部分と、を備え、この厚肉部は、U字形状の湾曲部の外縁に沿って延びて、前記両側の外縁に沿って設けられた厚肉部同士が接続されている、ことが好ましい。
このような電極板116と管本体110に関して、電極板116の1300℃における電気抵抗率は、管本体110の1300℃における電気抵抗率よりも低い。すなわち、電極板116の上記電気抵抗率は低く、管本体110の上記電気抵抗率は高い。電極板116の1300℃における電気抵抗率は、例えば4.7×10−7〜5.1×10−7Ω・mであり、管本体110の1300℃における電気抵抗率は、例えば5.2×10−7〜5.6×10−7Ω・mである。このように、1300℃における電気抵抗率を相違させることにより、以下の利点が生じる。
すなわち、管本体110の上記電気抵抗率を電極板116よりも高くすることにより、電極板116から供給された電流が流れる管本体110では電流が流れにくくなるので、管本体110の周上における電流密度は均一になり易く、この場合、電極板116における電流経路が伸びても、管本体110での電流密度の偏りを抑制するような電流密度の分布となる。このため、管本体110における電流の偏りは抑制される。すなわち、理論的には、管本体110および電極板116で発熱するエネルギー損失密度pは、p=ρ・j、(ρは電気抵抗率、jは電流密度)に従い、かつ、電流が管本体110および電極板116を流れるとき、管本体110および電極板116の発熱によるトータルのエネルギー損失が最小となるように電流経路となる。したがって、電極板116から供給される電流の電流密度jが部分的に高い場合、その部分でエネルギー損失密度pが極端に高くなり、その結果トータルのエネルギー損失は増加する。本実施形態のように、管本体110の1300℃における電気抵抗率ρが電極板116に比べて高い場合、電極板116から、偏って流れる電流が管本体110に供給されても、電流は管本体110で電流の偏った流れを抑制するように流れる。この点から、本実施形態では、管本体110の上記電気抵抗率を電極板116よりも高くしている。
また、管本体110の上記電気抵抗率を高くすることにより、管本体110に同じ発熱をさせる場合、管本体110の温度を修正するために管本体110に流す必要な電流を小さくすることができる。したがって、管本体110に流す最大電流も抑制することができる。このような最大電流を抑制することにより、この最大電流に応じて板厚を設計することが必要な電極板116の板厚を薄くすることができる。さらに、電極板116の板厚が薄くなることにより、電極板116の熱抵抗が大きくなることに起因して熱伝導量が少なくなり、電極板116の温度低下を抑制することができる。したがって、電極板116近傍の管本体110の温度は低下しにくい。このため、電極板116近傍を通過することで熔融ガラスの温度が低下することを抑制することができる。
このような電極板116と管本体110の電気抵抗率、電極板116及び板厚110の板厚、及び電極板116の形状及び管本体110のサイズの情報を予め用いてシミュレーション計算により、電流密度を計算することができる。シミュレーション計算は、j=−σ・gradφ(jは電流密度、σは導電率、φは電位)を支配方程式とする公知の有限体積法または有限要素法を用いた電気伝導解析を、または、熱流体解析に電気伝導解析をコンピュータにサブルーチンとして組み込むことにより行うことができる。したがって、シミュレーション計算を行って、管本体110の電流の偏りが抑制されるように、電極板116及び管本体110の電気抵抗率、電極板116及び板厚110の板厚、及び電極板116の形状及び管本体110のサイズの情報を求めることが好ましい。
例えば、電極板116に白金(1300℃における電気抵抗率ρが4.9×10−7Ω・m)を用い、管本体110に白金90質量%、ロジウム10質量%(1300℃における電気抵抗率ρが5.4×10−7Ω・m)を用い、電極板116の形状を板厚1〜12mmの板を組み合わせて円形状とし、管本体110の管の厚さを0.7mmとした場合、上記電極板116及び管本体110と同じ構造であるが電極板116及び管本体110に白金を用いた場合に比べて管本体110の電流密度分布を均一に近づけることを確認できた。
本実施形態の電極板116は白金で構成され、管本体110は白金ロジウム合金で構成されていることが、高温の溶融ガラスを搬送する管本体110において、1300℃における電気抵抗率を変更させることができる点から好ましい。例えば、白金ロジウム合金のうち、ロジウムを5〜20質量%含む限りにおいて、1300℃における電気抵抗率を白金よりも高くすることができる。さらに、白金ロジウム合金は、白金よりも熱の放射率は高い。管本体110と熔融ガラスMGとの間の熱移動は、熱伝導よりも輻射伝熱の寄与が大きいため、管本体110に熱放射率の高い材料を用いると、管本体110と熔融ガラスMGの温度を近づけることができ、熔融ガラスMGの温度を制御し易くできる点から、電極板116は白金で構成され、管本体110は白金ロジウム合金で構成されることが好ましい。
本実施形態では、一対の電極板116を通して管本体110に電流を流すことにより熔融ガラスMGを加熱しながら搬送する搬送工程として、熔融ガラスMGを攪拌する均質化工程と成形工程の間で行われる供給工程に適用されることが好ましい。供給工程は熔融ガラスMGを成形体210に供給するので、熔融ガラスMGの加熱に偏りが生じ、熔融ガラスMGの温度にムラができることは、ガラス基板に異物を含まないようにする点から好ましくない。
(ガラス原料、ガラス組成)
本実施形態のガラス基板の製造方法では、あらゆるガラス基板の製造に適用可能であるが、特に液晶表示装置、有機EL表示装置やプラズマディスプレイ装置などのディスプレイ用のガラス基板、あるいは、表示部を覆うカバーガラスの製造に好適である。
本実施形態のガラス基板の製造方法に従ってガラス基板を製造するには、所望のガラス組成となるようにガラス原料を調合する。例えば、ディスプレイパネル用のガラス基板を製造する場合は、以下の組成を有するように原料を混合するのが好適である。
(a)SiO2 50〜70質量%、
(b)B23 5〜18質量%、
(c)Al23 10〜25質量%、
(d)MgO 0〜10質量%、
(e)CaO 0〜20質量%、
(f)SrO 0〜20質量%、
(g)BaO 0〜10質量%、
(h)RO 5〜20質量%(但し、Rは、Mg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種であり、ガラス基板に含有される成分)、
(i)R’2O 0.10質量%を超え2.0質量%以下(但し、R’は、Li、Na、およびKから選ばれる少なくとも1種であり、ガラス基板に含有されるアルカリ金属成分)、
(j)酸化スズ、酸化鉄、および、酸化セリウムなどから選ばれる少なくとも1種の金属酸化物を合計で0.05〜1.5質量%。
なお、(i)R’2Oは必須ではないため、含有させなくてもよい。この場合、R’2Oを実質的に含まない無アルカリガラスとなり、ガラス基板からR’2Oが流出してTFTを破壊するおそれを低減することができる。他方、あえて(i)R’2Oを、0.10質量%を超え2.0質量%以下含有させることによって、TFT特性の劣化やガラスの熱膨張を一定範囲内に抑制しつつ、ガラスの塩基性度を高め、価数変動する金属の酸化を容易にして、清澄性を高めることができる。さらに、ガラスの比抵抗を低下させることができるので、熔解槽101にて電気熔融を行うためには好適となる。
さらに、近年さらなるディスプレイの高精細化を実現するために、p-Si(低温ポリシリコン)・TFTや酸化物半導体を用いられている。ここで、p-Si・TFTや酸化物半導体の形成工程では、高温な熱処理工程を必要とする。そのため、p-Si・TFTや酸化物半導体が形成されるガラス基板には、熱収縮率が小さいことが求められている。熱収縮率を小さくするためには、ガラスの歪点を高くすることが好ましいが、歪点が高いガラスは、高温時の粘度(高温粘性)が高くなる傾向にある。そのため、ガラス導管において、より熔融ガラスの温度を上昇させる必要がある。しかし、熔融ガラスの温度を上昇させるために電極116から管本体110に供給する電力は大きくなる。従来のガラス導管では、管本体の給電側部分に電流が偏るので、ガラス導管が破損してしまう虞がある。しかし、本実施形態では、管本体110の延在方向に沿って流れる電流が偏ることを抑制することができるので、高温粘性が高くなりやすい高歪点ガラスの製造にも好適である。
本実施形態を、例えば歪点が655℃以上のガラス基板の製造に適用することが好適である。特に、p-Si・TFTや酸化物半導体にも好適な歪点が675℃以上のガラス基板の製造に本実施形態を適用することが好適であり、歪点680℃以上のガラス基板の製造に適用することがさらに好適であり、歪点690℃以上のガラス基板の製造に適用することが特に好適である。
歪点が675℃以上のガラス基板の組成としては、例えば、ガラス基板が質量%表示で、以下の成分を含むものが例示される。
SiO2 52〜78質量%、
Al23 3〜25質量%、
23 3〜15質量%、
RO(但し、ROはMgO、CaO、SrO及びBaOの成分であって、ガラス基板に含まれる成分の合量) 3〜20質量%、
質量比(SiO2+Al23)/B23は7以上の範囲である、
ことが好ましい。
さらに、歪点をより上昇させるために、質量比(SiO2+Al23)/ROは7.5以上であることが好ましい。さらに、歪点を上昇させるために、β−OH値を0.1〜0.3mm-1とすることが好ましい。他方、溶解時にガラスではなく溶解槽101に電流が流れてしまわないように、R2O(但し、R2OはLi2O、Na2O及びK2Oの成分であって、ガラス基板に含まれる成分の合量) 0.01〜0.8質量%としてガラスの比抵抗を低下させることが好ましい。あるいは、ガラスの比抵抗を低下させるために質量比Fe23:0.01〜1質量%とすることが好ましい。さらに、高い歪点を実現しつつ失透温度の上昇を防止するために質量比CaO/ROは0.65以上とすることが好ましい。あるいは、質量比(SiO2+Al23)/B23は7.5〜20の範囲であることが好ましい。失透温度を1250℃以下とすることにより、オーバーフローダウンドロー法の適用が可能となる。また、モバイル機器などに適用されることを考慮すると、軽量化の観点からはSrO及びBaOの合計含有量が0〜2質量%未満であることが好ましい。
なお、本実施形態で用いるガラス基板は、ヒ素を実質的に含まないことが好ましく、ヒ素およびアンチモンを実質的に含まないことがより好ましい。すなわち、これらの物質を含むとしても、それは不純物としてであり、具体的には、これらの物質は、As23、および、Sb23という酸化物のものも含め、0.1質量%以下であることが好ましい。
上述した成分に加え、本実施形態で用いるガラスは、ガラスの様々な物理的、熔融、清澄、および、成形の特性を調節するために、様々な他の酸化物を含有しても差し支えない。そのような他の酸化物の例としては、以下に限られないが、SnO2、TiO2、MnO、ZnO、Nb25、MoO3、Ta25、WO3、Y23、および、La23が挙げられる。ここで、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどのディスプレイパネル用のガラス基板は、泡に対する要求が特に厳しいので、上記酸化物の中では清澄効果が大きいSnO2を少なくとも含有することが好ましい。
以上、本発明のガラス基板の製造方法及びガラス導管について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
100 熔解装置
101 熔解槽
102 清澄槽
103 攪拌槽
104,105,106 ガラス導管
110 管本体
116 電極板
118 加熱電源
200 成形装置
210 成形体
300 切断装置

Claims (6)

  1. ガラス基板を製造する製造方法であって、
    ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解工程と、
    前記熔融ガラスが流れるガラス導管の導電性の管本体の外周を覆う電極板であって、前記電極板の面が前記熔融ガラスの流れの上流側及び下流側に向く一対の電極板が前記管本体に設けられ、前記一対の電極板を通して前記管本体に電流を流すことにより前記熔融ガラスを加熱しながら、前記熔融ガラスを搬送する搬送工程と、
    ガラス基板を製造するために、搬送した前記熔融ガラスをシートガラスに成形する成形工程と、を含み、
    前記電極板の1300℃における電気抵抗率は、前記管本体の1300℃における電気抵抗率よりも低い、ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  2. 前記電極板は白金で構成され、前記管本体は白金ロジウム合金で構成されている、請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
  3. 前記白金ロジウム合金は、ロジウムを5〜20質量%含む、請求項2に記載のガラス基板の製造方法。
  4. 前記搬送工程は、熔融ガラスを攪拌する均質化工程と前記成形工程の間で行われる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス基板の製造方法。
  5. 熔融ガラスが流れる導電性の管本体を備えるガラス導管であって、
    前記管本体の外周には、前記外周を覆う電極板であって、前記電極板の面が前記熔融ガラスの流れの上流側及び下流側に向く一対の電極板が設けられ、
    前記電極板の1300℃における電気抵抗率は、前記管本体の1300℃における電気抵抗率よりも低い、ことを特徴とするガラス導管。
  6. 前記電極板は白金で構成され、前記管本体は白金ロジウム合金で構成されている、請求項5に記載のガラス導管。
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