JP6714677B2 - ガラス基板製造装置、及びガラス基板の製造方法 - Google Patents

ガラス基板製造装置、及びガラス基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス基板製造装置、及びガラス基板の製造方法に関する。
ガラス基板は、ガラス原料を熔融して生成させた熔融ガラスを成形して製造される。一般に、ガラス基板製造装置は、ガラス原料から熔融ガラスを生成させる熔解槽と、熔融ガラスをガラス基板へと成形する成形装置と、熔解槽と成形装置との間を熔融ガラスが移送可能であるように接続する移送管と、を備える。
ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくるとき、熔融ガラスの液面上に投入されたガラス原料は、バーナー等の火炎により熔解される。熔解したガラス原料は、液面の下方の熔融ガラスに溶けて行く。熔融ガラスは、熔解槽に蓄えられ、熔融ガラスと接触する電極対を用いて通電される。この通電により、熔融ガラス自身はジュール熱を発し、このジュール熱が熔融ガラス自身を加熱する。
熔融ガラスにガラス組成のムラ(ガラス組成が均一でないこと)が存在すると、成形されたガラス基板において、例えば脈理と呼ばれるスジ状の欠陥が発生する。この脈理は、不均質なガラス組成に起因する熔融ガラスの粘度の違い、つまり、ガラス原料の熔解ムラに起因して、成形時の熔融ガラスの表面に微細な表面凹凸として形成され、この表面凹凸がガラス基板に残存したものである。このため、ガラス原料を熔解する段階で脈理等の原因となるガラス組成のムラを引き起こさないようにする必要がある。
例えば、熔解槽において、熔融ガラスのホットスプリングを強調し、熔融ガラスの対流を促進して十分に撹拌を行うと共に、ガラス原料投入端側の表層の半熔融状態等のガラスが導出端側へ早流れすることを阻止し得るガラス熔解窯が知られている(特許文献1)。
上記ガラス熔解窯では、ガラス原料の投入端側の領域から導出端側の領域に至る途中のホットスプリング領域に、通電方向を窯の長さ方向とした複数対の電極を適宜間隔で窯の幅方向全長に亘って複列配置することにより、熔融ガラスのホットスプリングを強調している。これにより、半熔融状態等のガラスが導出端側へ早流れすることを抑えている。
特開2002−60226号公報
熔解槽内の熔融ガラスは、熔解槽の底部に設けられた流出口から、移送管を通って流出する。したがって、熔解槽内の流出口付近では、流出口に向かう熔融ガラスの流れが形成される。このような熔融ガラスの流れとして、熔解槽内での熔融ガラスの対流や、熔解槽内の熔融ガラスの温度分布に起因して、熔融ガラスの液面付近から下方向に向かって流れる下降流が形成される場合がある。熔融ガラスの下降流が形成されると、液面に浮遊する未溶解のガラス原料が、周囲の熔融ガラスと十分に混ざり合うことなく下降し、流出する可能性がある。このようにして流出した熔融ガラスには、ガラス組成のムラが生じているため、ガラス基板に脈理を発生させ、ガラス基板の品質を低下させてしまうおそれがある。
そこで、本発明は、熔解槽の流出口付近で熔融ガラスの下降流が発生することを抑制することのできるガラス基板製造装置及びガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、ガラス基板製造装置であって、
ガラス原料を熔解し、熔融ガラスをつくる熔解槽を備え、
前記熔解槽は、前記熔融ガラスと接する壁部と、前記壁部のうち前記熔融ガラスを囲む側壁に設けられた複数の電極対と、前記側壁のうち、前記複数の電極対が並ぶ方向と交差するように延在した部分に設けられ、前記熔融ガラスを外部に流出させる流出口と、を有し、
前記側壁の前記部分のうち前記流出口の周りの第1の部分の材料は、前記流出口に対して前記第1の部分よりも離れて位置する前記壁部のうちの第2の部分の材料よりも導電率が大きく、
前記第2の部分は、前記電極対のうち前記流出口に最も接近して配置された第1の電極対の周りに設けられ、
前記第2の部分の材料は、前記流出口に対して前記第1の電極対よりも離れて配置された第2の電極対の周りの第3の部分の材料よりも導電率が小さく、
前記第1の部分の材料は、前記第3の部分の材料よりも導電率が大きい、ことを特徴とする。
本発明の別の一態様は、ガラス基板製造装置であって、
ガラス原料を熔解し、熔融ガラスをつくる熔解槽を備え、
前記熔解槽は、前記熔融ガラスと接する壁部と、前記壁部のうち前記熔融ガラスを囲む側壁に設けられた複数の電極対と、前記側壁のうち、前記複数の電極対が並ぶ方向と交差するように延在した部分に設けられ、前記熔融ガラスを外部に流出させる流出口と、を有し、
前記側壁の前記部分のうち前記流出口の周りの第1の部分の材料は、前記流出口に対して前記第1の部分よりも離れて位置する前記壁部のうちの第2の部分の材料よりも導電率が大きく、
前記電極対が並ぶ方向において、前記電極対のうち前記流出口に最も接近して配置された第1の電極対と、前記流出口との間隔Mは、前記流出口から最も離れて位置する前記第2の部分の端と、前記第1の電極対との間隔Nより長い、ことを特徴とする。
前記ガラス基板製造装置は、前記電極対が並ぶ方向において、前記電極対のうち前記流出口に最も接近して配置された第1の電極対と、前記流出口との間隔Aは、前記流出口に対して前記第1の電極対よりも離れて配置された第2の電極対と、前記第1の電極対との間隔Bより長い場合に好適である。
前記第1の部分は、前記電極対をなす2つの電極を結ぶ方向に沿った前記流出口の両側のそれぞれに、当該電極が設けられた側壁の間の間隔の25%以上の範囲に配置されていることが好ましい。
前記電極対のうち前記流出口に最も接近して配置された第1の電極対の間を流れる電流量は、前記流出口に対して前記第1の電極対よりも離れて配置された第2の電極対の間を流れる電流量よりも多いことが好ましい。
前記第1の部分の材料の導電率の大きさは、前記第2の部分の材料の導電率の大きさの20倍以下であることが好ましい。
本発明の別の一態様は、ガラス基板の製造方法であって、
熔解槽を用いてガラス原料を熔解し、熔融ガラスをつくる熔解工程を有し、
前記熔解槽は、前記熔融ガラスと接する壁部と、前記壁部のうち前記熔融ガラスを囲む側壁に設けられた複数の電極対と、前記側壁のうち、前記複数の電極対が並ぶ方向と交差するように延在した部分に設けられ、前記熔融ガラスを外部に流出させる流出口と、を有し、
前記側壁の前記部分のうち前記流出口の周りの第1の部分の材料は、前記流出口に対して前記第1の部分よりも離れて位置する前記壁部のうちの第2の部分の材料よりも導電率が大きく、
前記第2の部分は、前記電極対のうち前記流出口に最も接近して配置された第1の電極対の周りに設けられ、
前記第2の部分の材料は、前記流出口に対して前記第1の電極対よりも離れて配置された第2の電極対の周りの第3の部分の材料よりも導電率が小さく、
前記第1の部分の材料は、前記第3の部分の材料よりも導電率が大きい、ことを特徴とする。
本発明の別の一態様は、ガラス基板の製造方法であって、
熔解槽を用いてガラス原料を熔解し、熔融ガラスをつくる熔解工程を有し、
前記熔解槽は、前記熔融ガラスと接する壁部と、前記壁部のうち前記熔融ガラスを囲む側壁に設けられた複数の電極対と、前記側壁のうち、前記複数の電極対が並ぶ方向と交差するように延在した部分に設けられ、前記熔融ガラスを外部に流出させる流出口と、を有し、
前記側壁の前記部分のうち前記流出口の周りの第1の部分の材料は、前記流出口に対して前記第1の部分よりも離れて位置する前記壁部のうちの第2の部分の材料よりも導電率が大きく、
前記電極対が並ぶ方向において、前記電極対のうち前記流出口に最も接近して配置された第1の電極対と、前記流出口との間隔Mは、前記流出口から最も離れて位置する前記第2の部分の端と、前記第1の電極対との間隔Nより長い、ことを特徴とする。
前記熔解工程では、前記電極対のうち前記流出口に最も接近して配置された第1の電極対の間を流れる電流量を、前記流出口に対して前記第1の電極対よりも離れて配置された第2の電極対の間を流れる電流量よりも多くすることが好ましい。
本発明によれば、熔解槽の流出口付近で熔融ガラスの下降流が発生することを抑制することができる。
本実施形態の製造方法のフローを示す図である。 ガラス基板製造装置の概略図である。 熔解槽の概略的な斜視図である。 熔解槽の長手方向に直交する方向に沿った断面図である。 熔解槽の壁部について説明する図である。 図5の熔解槽の変形例を示す図である。 熔解槽の壁部について説明する図である。 図6の熔解槽の変形例を示す図である。 熔解槽内部の熔融ガラスの対流の一例を説明する図である。
以下、本発明のガラス基板の製造方法、及びガラス基板製造装置について説明する。
(ガラス基板の製造方法の全体概要)
図1は、本実施形態のガラス基板の製造方法の工程の一例を示す図である。ガラス基板の製造方法は、熔解工程(ST1)、清澄工程(ST2)、均質化工程(ST3)、供給工程(ST4)、成形工程(ST5)、徐冷工程(ST6)、および、切断工程(ST7)を主に有する。この他に、研削工程、研磨工程、洗浄工程、検査工程、梱包工程等を有してもよい。製造されたガラス基板は、必要に応じて梱包工程で積層され、納入先の業者に搬送される。
熔解工程(ST1)では、ガラス原料を加熱することにより熔融ガラスを作る。
清澄工程(ST2)では、熔融ガラスが昇温されることにより、熔融ガラス中に含まれる酸素、CO2あるいはSO2を含んだ泡が発生する。この泡が熔融ガラス中に含まれる清澄剤(酸化スズ等)の還元反応により生じた酸素を吸収して成長し、熔融ガラスの液面に浮上して放出される。その後、清澄工程では、熔融ガラスの温度を低下させることにより、清澄剤の還元反応により得られた還元物質が酸化反応をする。これにより、熔融ガラスに残存する泡中の酸素等のガス成分が熔融ガラス中に再吸収されて、泡が消滅する。清澄剤による酸化反応及び還元反応は、熔融ガラスの温度を制御することにより行われる。
均質化工程(ST3)では、スターラを用いて熔融ガラスを撹拌することにより、ガラス成分の均質化を行う。これにより、脈理等の原因であるガラスの組成ムラを低減することができる。均質化工程は、後述する撹拌槽において行われる。
供給工程(ST4)では、撹拌された熔融ガラスが成形装置に供給される。
成形工程(ST5)及び徐冷工程(ST6)は、成形装置で行われる。
成形工程(ST5)では、熔融ガラスをシートガラスに成形し、シートガラスの流れを作る。成形には、オーバーフローダウンドロー法が用いられる。
徐冷工程(ST6)では、成形されて流れるシートガラスが所望の厚さになり、内部歪が生じないように、さらに、反りが生じないように冷却される。
切断工程(ST7)では、徐冷後のシートガラスを所定の長さに切断することで、板状のガラス基板を得る。切断されたガラス基板はさらに、所定のサイズに切断され、目標サイズのガラス基板が作られる。
(ガラス基板製造装置の全体概要)
図2は、本実施形態における熔解工程(ST1)〜切断工程(ST7)を行うガラス基板製造装置の概略図である。ガラス基板製造装置は、図2に示すように、主に熔解装置100と、成形装置108と、切断装置109と、を有する。熔解装置100は、熔解槽101と、清澄管102と、撹拌槽103と、移送管104、105と、ガラス供給管106と、を有する。
図2に示す熔解槽101には、バーナー112(図3及び図4参照)等の加熱手段が設けられている。熔解槽には清澄剤が添加されたガラス原料が投入され、熔解工程(ST1)が行われる。熔解槽101で熔融した熔融ガラスは、移送管104を介して清澄管102に供給される。
清澄管102では、熔融ガラスMGの温度を調整して、清澄剤の酸化還元反応を利用して熔融ガラスの清澄工程(ST2)が行われる。具体的には、清澄管102内の熔融ガラスが昇温されることにより、熔融ガラス中に含まれる酸素、CO2あるいはSO2を含んだ泡が、清澄剤の還元反応により生じた酸素を吸収して成長し、熔融ガラスの液面に浮上して気相空間に放出される。その後、熔融ガラスの温度を低下させることにより、清澄剤の還元反応により得られた還元物質が酸化反応をする。これにより、熔融ガラスに残存する泡中の酸素等のガス成分が熔融ガラス中に再吸収されて、泡が消滅する。清澄後の熔融ガラスは、移送管105を介して撹拌槽103に供給される。
撹拌槽103では、撹拌機107によって熔融ガラスが撹拌されて均質化工程(ST3)が行われる。撹拌槽103で均質化された熔融ガラスは、ガラス供給管106を介して成形装置108に供給される(供給工程ST4)。
成形装置108では、オーバーフローダウンドロー法により、熔融ガラスからシートガラスSGが成形され(成形工程ST5)、徐冷される(徐冷工程ST6)。
切断装置109では、シートガラスSGから切り出された板状のガラス基板が形成される(切断工程ST7)。
(熔解槽の構成)
図3は、本実施形態の熔解槽101の概略的な斜視図である。図4は、熔解槽101の長手方向に直交する方向に沿った断面図である。
熔解槽101は、主として、熔解槽本体を構成する壁110と、バーナー112と、電極対114と、迫部113とを備える。
熔解槽101は、例えば、ガラス原料を、熔解槽101に蓄えられた熔融ガラスMGの液面101cの略全面に投入することにより、液面を含む表層において均一にガラス原料が熔融した熔融ガラスを作る。さらに、熔解槽101は、熔解槽101の内側側壁のうち、図3中の左右方向(第1の方向)に向く内側側壁の底部に設けられた流出口104aから後工程に向けて熔融ガラスMGを流す。第1の方向とは、図3において、熔解槽101の長手方向であり、ガラス原料の投入口から移送管104へ向かう方向であるとともに、複数の電極対114が並ぶ方向である。
壁110は、耐火レンガ等の耐火物により構成されている。熔解槽101は、壁110で囲まれた内部空間を有し、熔解槽101の内部空間は、空間内に投入されたガラス原料が熔解してできた熔融ガラスMGを加熱しながら収容する液槽101a内の空間と、液槽101a内の空間の上方に形成され、ガラス原料が投入される上部空間(気相空間)101bと、を有する。このうち、液槽101aを構成する壁110の部分、すなわち、熔融ガラスMGと接する壁110の部分は、本実施形態の壁部をなす。
熔解槽101の底壁110cは、複数種類の耐火物が鉛直方向に積層された構造を有している。図4に示されるように、底壁110cは、少なくとも3種類の耐火物が積層された構造を有している。底壁110cは、第1耐火物121、第2耐火物122および第3耐火物123が、鉛直方向上方から下方に向かって積層している構造を有している。第1耐火物121、第2耐火物122および第3耐火物123は、例えば、耐熱耐火レンガ等である。第1耐火物121は、底壁110cの最上層を構成し、熔解槽本体110に貯留される熔融ガラスMGと接触する。後述する内側側壁110a、110bは、第1耐火物121と接続されている。
迫部113は、熔解槽101の気相空間101bを覆う天井壁である。図4には、迫部113の詳細が示されている。迫部113は、高温の熔融ガラスMGに対して耐熱性を有する素材で成形されている。
上部空間101bと接する第1の方向と平行な壁110の部分には、燃料と酸素等を混合した燃焼ガスが燃焼して火炎を発する複数のバーナー112が設けられる。バーナー112は、電極対114が設けられた位置の熔融ガラスMGの液面101cより上方位置に設けられ、火炎によって上部空間101bの耐火物を加熱して壁110を高温にする。ガラス原料は、高温になった壁110の輻射熱により、また、高温となった気相の雰囲気によって加熱される。図3、4に示されるように、上部空間101bの互いに対向する一対の壁に、それぞれ3基のバーナー112が取り付けられている。図3では、熔解槽本体110の奥側の壁に取り付けられているバーナー112のみが示されている。バーナー112は、互いに対向する位置に設けられておらず、互い違いの位置に設けられている。すなわち、図4では、2基のバーナー112が互いに対向する位置に設けられるように見えるが、この2基のバーナー112は、図4の紙面に対して垂直方向の異なる位置に設けられている。なお、バーナー112は、互いに対向する一対の壁の一方のみに設けられてもよい。
熔解槽101の図3中の左側側壁には、上部空間101bに接する面には、原料投入窓(投入口)101fが設けられている。この原料投入窓101fを通して、ガラス原料を収めたバケット101d(図2参照)が上部空間101bに出入りし、熔融ガラスMGの液面101c上を前後左右に移動するように構成されている。
熔解槽101では、熔融ガラスMGの液面の略全面に投入され、常に熔融ガラスMGの液面101cをガラス原料が覆うように浮遊していることによって、熔融ガラスMGの熱が液面101cを通して、気相である上部空間101bに放射されず、熔融ガラスMGの液面を含む表層において均一にガラス原料が熔融した熔融ガラスを形成させることができる。
熔解槽101の第1の方向と平行で、お互いに対向する液槽101aの内側側壁110a,110bに、酸化錫あるいはモリブデン等の耐熱性を有する導電性材料で構成された3つの電極対114が設けられている。3つの電極対114は、内側側壁110a,110bのうち、熔融ガラスMGの下層に対応する領域に設けられている。3つの電極対114はいずれも、液槽101aの外壁の面の外側から内壁の面まで延びている。3つの電極対114のうち、図中奥側の電極は図示されていない。電極対114のそれぞれをなす電極は、熔融ガラスMGを挟んでお互いに対向するように、内側側壁110a,110bに設けられている。各電極対114は、電極間に位置する熔融ガラスMGに電流を流す。熔融ガラスMGはこの通電により、ジュール熱を自ら発して熔融ガラスMGを加熱する。熔解槽101では、熔融ガラスMGは例えば1500℃以上に加熱される。加熱された熔融ガラスMGは、移送管104を通して清澄管102へ送られる。
本実施形態では、熔解槽101には3つの電極対114が設けられるが、2つあるいは4つ、5つ、6つ以上の電極対が設けられてもよい。
電極対114は、制御ユニット(図示せず)に接続され、制御ユニットから電流の供給を受ける。制御ユニットは、コンピュータ(図示せず)に接続される。コンピュータは、電極対114に流れる電流を制御するための制御信号を制御ユニットに送る。コンピュータは、熔解槽101に蓄えられる熔融ガラスMGの温度および粘度が所定の範囲内になるように制御信号を生成する。
熔解槽101の流出口104aは、移送管104を通して、清澄管102と接続されている。
図5及び図7は、熔解槽101の壁部について説明する図である。
熔解槽101の壁部は、液槽101aを構成する壁110の部分であり、図5及び図7には、このうち、内側側壁110a、底壁110c、及び、図3中の右側側壁が示されている。なお、図5及び図7において、3つの電極対114は、流出口104aから近い順に、電極対114a、電極対114b、電極対114cで表される。
本実施形態において、壁部のうち、流出口104aの周りの第1の部分111aの材料は、流出口104aに対して第1の部分111aよりも離れて位置する第2の部分111bの材料よりも導電率が大きい。図5及び図7に示す例において、第1の部分111aは、図3中の右側側壁である。第2の部分111bは、内側側壁110a、110bのうち、電極対114aを囲むように配置された部分である。
電極対114aの間を流れる電流は、熔融ガラスMGだけでなく、第1の部分111aにも流れる。上記したように、第1の部分111aの材料の導電率が、第2の部分111bの材料の導電率より大きいと、第1の部分111aを流れる電流量は、第1の部分111aの材料の導電率が第2の部分111bの材料の導電率と等しい場合と比べ、熔融ガラスMGを流れる電流量に対して多くなる。このため、第1の部分111aにより消費される電力が増加し、第1の部分111aの発熱量が大きくなる。したがって、流出口104a付近に位置する熔融ガラスMGは、通電によって加熱されることに加え、第1の部分111aによっても加熱され、さらにその周囲に位置する熔融ガラスMGに対して相対的に温度が上昇する。これにより、流出口104aの近傍で、熔融ガラスMGの液面付近から下方向に向かって流れる下降流の発生が抑制される。また、このような下降流の発生を抑制する効果によって、熔融ガラスMG内に生じている下降流の速度を低減することもできる。本明細書において、導電率は、熔解工程(ST1)を行うときの熔解槽101内の熔融ガラスMGの温度(例えば1500℃)における導電率を意味する。
下降流の発生を抑制する効果を高めるために、第1の部分111aの材料の導電率は、第2の部分111bの材料の導電率の4倍以上であることが好ましい。
一方で、第1の部分111aの材料の導電率が、第2の部分111bの材料の導電率に対して過度に大きいと、第1の部分111aの発熱量が大きくなりすぎ、これにより、第1の部分111aの一部が熔融ガラスMG中に溶出し、第1の部分111aの損耗が進行する場合がある。このため、第1の部分111aの材料の導電率は、第2の部分111bの材料の導電率の20倍以下であることが好ましく、15倍以下であることがより好ましい。
図5及び図7に示すように、第2の部分111bが、電極対114a(第1の電極対)の周りに設けられている場合、第2の部分111bの材料は、流出口104aに対して電極対114aよりも離れて配置された電極対のうち、電極対114aに最も近い電極対114b(第2の電極対)の周りの第3の部分111cの材料よりも導電率が小さく、かつ、第1の部分111aの材料は、第3の部分111cの材料よりも導電率が大きいことが好ましい。すなわち、第1から第3の部分111a〜111cの材料の導電率に関して、第1の部分111aの導電率>第3の部分111cの導電率>第2の部分111bの導電率、を満たしていることが好ましい。なお、図5及び図7に示す例において、第3の部分111cは、内側側壁110a、110bのうち、電極対114b及び電極対114cを囲むように配置された部分である。図5及び図7において、第1から第3の部分111a〜111cをそれぞれ、斜線領域で示す。なお、図5及び図7において、第3の部分111cは、第1の方向に沿った電極対114b及び電極114aの中間点を通る、第1の方向と垂直な平面を基準として、電極対114bが位置する側の内側側壁110a、110bの部分に設けられている。第2の部分111bは、当該平面と、流出口104aが位置する側壁(図3中の右側側壁)との間の内側側壁110a、110bの部分に設けられている。
第1から第3の部分111a〜111cの材料の導電率が、上記した大小関係を満たしていると、第1の部分111a付近の熔融ガラスMGの温度上昇量が、さらにその周囲の熔融ガラスMGの温度上昇量に対して大きくなり、熔融ガラスMGの間の温度差が強調されるので、流出口104aの近傍での下降流の発生を効果的に抑制できる。
第1の部分111a付近の熔融ガラスMGと、その周囲の熔融ガラスMGとの間の温度差を強調する効果を高めるために、第2の部分111bの材料の導電率は、第3の部分111cの材料の導電率の1/2倍以下であることが好ましく、第1の部分111aの材料の導電率は、第3の部分111cの材料の導電率の2倍以上であることが好ましい。
また、上記した導電率(S/m)の大小関係を満たす、第1から第3の部分111a〜111cの好ましい電気抵抗率(Ω・cm)の範囲として、1500℃において、第1の部分111aの電気抵抗率50〜90Ω・cm、第2の部分111bの電気抵抗率200〜600Ω・cm、第3の部分111cの電気抵抗率90〜400Ω・cmが挙げられる。
第1から第3の部分111a〜111cの材料の具体例として、ジルコニア系電鋳耐火物が挙げられる。ジルコニア系電鋳耐火物は、ジルコニア(ZrO2)の含有量が90質量%以上である耐火物である。ジルコニア系電鋳耐火物の好ましい具体例としては、サンゴバン・ティーエム(SAINT-GOBAIN TM)社のSCIMOSシリーズのジルコニア系電鋳耐火物が挙げられ、例えば、第1の部分111aの材料としてSCIMOS Zが挙げられ、第2の部分111bの材料としてSCIMOS MCZが挙げられ、第3の部分111cの材料としてSCIMOS CZが挙げられる。
第1から第3の部分111a〜111cは、図5及び図7に示す例において、いずれも内側側壁の一部を構成するよう配置されているが、このうち少なくとも一部は、内側側壁の一部を構成するよう配置する代わりに、図6及び図8に示す例のように、底壁110cの一部を構成するよう配置されていてもよい。あるいは、内側側壁の一部及び底壁110cの一部の両方を構成するよう配置されていてもよい。図6は、図5の熔解槽の変形例を示す図である。図8は、図7の熔解槽の変形例を示す図である。図6及び図8において、第2の部分111bは、底壁110cのうち第1耐火物121の一部を構成するよう配置されている。なお、図6及び図8に示す例において、電極対111aに隣接する内側側壁の部分(図6及び図8中、電極対111aの周りの斜線のない領域)の材料の導電率も、熔融ガラスMGの下降流の発生を抑制する観点から、第1の部分111aの材料の導電率より小さいことが好ましい。
第1の部分111aは、電極対111aをなす2つの電極を結ぶ方向に沿った流出口104aの両側のそれぞれに、内側側壁110a、110bの間の間隔の好ましくは25%以上、より好ましくは40%以上、特に好ましくは50%の範囲にわたって配置されている。これにより、上記2つの電極を結ぶ方向に沿った流出口104aの両側の流出口104aから離れた位置から流出口104aに向かって流れる下降流の発生を抑制できる。なお、図5から図8に示す例において、第1の部分111aは、図3中の左側側壁の全体を構成している。
本実施形態は、図5に示す例のように、電極対114a〜114cが並ぶ方向(第1の方向)において、電極対114a(第1の電極対)と流出口104aとの間隔Aは、流出口104aに対して電極対114aよりも離れて配置された電極対のうち、電極対114aに最も近い電極対114b(第2の電極対)と電極対114aとの間隔Bより長い場合に好適である。間隔Aを定めるとき、流出口104aとは、図5及び図6に示すように、熔解槽101の壁110の外側を延びる移送管104の部分と接する壁110の壁面の部分をいう。電極対114aの間を流れる電流は、電極対114aと電極対114bの間の中間点を通る、第1の方向と垂直な平面と、第1の部分111aとの間(内側側壁110a、110bのそれぞれに設けられた第1の部分111bの間)に位置する熔融ガラスMG内を流れるとともに、一部は第1の部分111aを流れる。上記した間隔Aが間隔Bよりも長い熔解槽では、間隔Aが間隔B以下の長さである場合と比べ、電極対114aから第1の部分111aに流れる電流量が少なく、第1の部分111aの発熱量は少ない。しかし、本実施形態によれば、上述したように、第1の部分111aの材料の導電率が第2の部分111bの材料の導電率より大きいことによって、間隔Aが間隔Bよりも長い熔解槽を用いて溶解工程を行った場合でも、第1の部分111aの材料の導電率が第2の部分111bの材料の導電率と等しい場合と比べ、第1の部分111aに流れる電流量が増え、第1の部分111aの発熱量が確保されるため、上記した下降流の発生を抑制する効果が得られる。
間隔Aの好ましい長さは、例えば、間隔Bの長さの100%を超え、150%以下である。
本実施形態は、図7に示す例のように、電極対114a〜114cが並ぶ方向(第1の方向)において、電極対114a(第1の電極対)と流出口104aとの間隔Mは、流出口104aから最も離れて位置する第2の部分111bの端と電極対114aとの間隔Nより長い場合に好適である。間隔Mを定めるとき、流出口104aとは、図3中の右側側壁の熔融ガラスMGと接する壁面の部分(図7及び図8において、第2の部分111bと接する第1の部分111aの端)をいう。なお、図7及び図8において、間隔Mと間隔Nは、便宜的に、等しい長さで示している。電極対114aの間を流れる電流は、内側側壁110a、110bのそれぞれに設けられた第1の部分111bの間(図7及び図8において、電極対114aと電極対114bの間の中間点を通る、第1の方向と垂直な平面と、第1の部分111aとの間)に位置する熔融ガラスMG内を流れるとともに、一部は第1の部分111aを流れる。上記した間隔Mが間隔Nよりも長い熔解槽では、図3中の右側側壁から外部に熱が放出され難く、第1の方向の端部における熔融ガラスMGの温度は中央部に比べて低くなり難い。その反面、間隔Mが間隔N以下の長さである場合と比べ、電極対114aから第1の部分111aに流れる電流量が少なく、第1の部分111aの発熱量は少ない。しかし、本実施形態によれば、上述したように、第1の部分111aの材料の導電率が第2の部分111bの材料の導電率より大きいことによって、間隔Mが間隔Nよりも長い熔解槽を用いて溶解工程を行った場合でも、第1の部分111aの材料の導電率が第2の部分111bの材料の導電率と等しい場合と比べ、第1の部分111aに流れる電流量が増え、第1の部分111aの発熱量が確保されるため、上記した下降流の発生を抑制する効果が得られる。
間隔Mの好ましい長さは、例えば、間隔Nの100%を超え、150%以下である。
熔解工程では、電極対114a(第1の電極対)の間を流れる電流量I1を、流出口104aに対して電極対114aよりも離れて配置された電極対のうち、電極対114aに最も近い電極対114b(第2の電極対)の間を流れる電流量I2よりも多くすることが好ましい。これにより、第1の部分111aを流れる電流量I1が増して第1の部分111aの発熱量がさらに増すため、下降流の発生を抑制する効果が高くなる。具体的には、電極対114aの間を流れる電流量I1が、電極対114bの間を流れる電流量I2よりも多くなるよう、コンピュータが、電極対114a、114bを流れる電流を制御する制御信号を、制御ユニットに送ることで、上記した熔解工程が行われる。
下降流を抑制する効果を高めるために、電極対114aの間を流れる電流量I1は、電極対114bの間を流れる電流量I2の2倍以上であることが好ましい。
一方で、電極対114aの間を流れる電流量が、電極対114bの間を流れる電流量に対して過度に大きいと、第1の部分111aの発熱量が大きくなりすぎ、これにより、第1の部分111aの一部が熔融ガラスMG中に溶出し、第1の部分111aの損耗が進行する場合がある。このため、電極対114aの間を流れる電流量I1は、電極対114bの間を流れる電流量I2の5倍以下であることが好ましく、4倍以下であることがより好ましい。
図9は、熔解槽101内部の熔融ガラスの流れを説明する図である。
熔解工程では、熔融ガラスMGの下層において熔融ガラスMGの温度分布に起因した対流が生じないように、熔融ガラスMGの深さ方向に沿って下層の温度を、調整することが好ましい。このような熔融ガラスMGの流れをつくることにより、流出口104aの近傍で熔融ガラスMGの下降流を発生し難くすることができる。熔融ガラスMGの下層とは、熔融ガラスMGの表層以外の領域をいう。熔融ガラスMGの表層とは、液面101cから熔解槽101の底部に向かった深さの5%以下の範囲内の液面101cを含む領域をいう。なお、流出口104aは、熔解槽101の底部に設けられており、熔解槽101の底部とは、下層の一部であって、底面側に位置する領域、好ましくは、熔解槽101の深さ方向において底面からの高さが、液面101cと熔解槽101の底面との間の深さの1/2の以下である領域をいう。
上記した下層の温度の調整は、具体的には、下層に位置する熔融ガラスMGのうち、熔解槽101の第1の方向(図3中の左右方向)の両端部に位置する熔融ガラスに与える熱量を少なくとも調整する(大きくする)ことにより、下層における温度分布を均一化させることで行う。このように両端部に位置する熔融ガラスに与える熱量を少なくとも調整するのは、図3中の左右の側壁から外部に熱が放出され易く、上記両端部における熔融ガラスMGの温度は中央部に比べて低くなり易いからである。すなわち、温度が低下し易い両端部に位置する熔融ガラスの温度が上昇するように、両端部に位置する熔融ガラスに与える熱量を調整する。このため、温度が低下し易い両端部に位置する熔融ガラスMGの温度が上昇するように、図3中の左側側壁のうち液槽を構成する部分(第4の部分)の材料の導電率を、この部分に最も接近して配置された電極対114cの周りの壁部の材料の導電率よりも大きくすることが好ましい。例えば、第4の部分の材料には、第1の部分111aと同じ材料、あるいは、第1の部分111aの材料よりも導電率が高い材料が用いられる。また、第4の部分は、内側側壁110a、110bの間の間隔の好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上、特に好ましくは100%の範囲にわたって配置されている。さらに、これらの態様と合わせて、3つの電極対114に供給する電力を、第1の方向の中央部の電極対114bに比べて、両側に位置する電極対114a、114cを高く設定することも好ましい。
以上のように熔解工程を行うことにより、熔融ガラスMGは、下層における熔融ガラスMGの温度分布に起因した対流を起こすことなく、熔融ガラスMGの流出口104aからの流出に引っ張られて、図9に示す矢印のように流れる。
本実施形態によれば、第1の部分111aの材料の導電率が、第2の部分111bの材料の導電率より大きいことによって、流出口104aの近傍で、熔融ガラスMGの液面付近から下方向に向かって流れる下降流の発生が抑制される。このため、熔融ガラスMGの液面に浮遊する未熔解のガラス原料や、液面付近に存在する半熔融状態のガラス原料が、周囲の熔融ガラスMGと十分に混ざりあうことなく下降し、流出口104aから流出することが抑制される。特に、SiO(シリカ)等の熔解性の低い(熔解温度が高い)原料成分は熔け難く、液面に異質素地として浮遊する場合があるため、このように下降流の発生を抑制できることは有効である。また、下降流の発生を抑制する効果によって、熔融ガラスMG内に生じている下降流に異質素地が残らない程度に下降流の速度を低減することができる。
このようにして、成形されたガラス基板において脈理等が発生してガラス品質が低下することが抑制される。
本実施形態が適用されるガラス基板は、例えば以下の組成を含む無アルカリガラスからなる。
SiO:55−80質量%
Al:8−20質量%
:0−18質量%
RO 0〜17モル%(ROはMgO、CaO、SrO及びBaOの合量)、
R’2O 0〜2モル%(R’2OはLi2O、Na2O及びK2Oの合量)。
SiOは60〜75質量%、さらには、63〜72質量%であることが、熱収縮率を小さくするという観点から好ましい。
ROのうち、MgOが0〜10質量%、CaOが0〜10質量%、SrOが0〜10質量%、BaOが0〜10質量%であることが好ましい。
また、SiO2、Al23、B23、及びROを少なくとも含み、モル比((2×SiO2)+Al23)/((2×B23)+RO)は4.5以上であるガラスであってもよい。また、MgO、CaO、SrO、及びBaOの少なくともいずれか含み、モル比(BaO+SrO)/ROは0.1以上であることが好ましい。
また、質量%表示のB23の含有率の2倍と質量%表示のROの含有率の合計は、30質量%以下、好ましくは10〜30質量%であることが好ましい。
さらに、熔融ガラス中で価数変動する金属の酸化物(酸化スズ、酸化鉄)を合計で0.05〜1.5質量%含んでいることが好ましい。
AS23、Sb23、PbOを実質的に含まないことが好ましいが、これらを任意に含んでいてもよい。
また、ガラス中で価数変動する金属の酸化物(酸化スズ、酸化鉄)を合計で0.05〜1.5質量%含み、As、Sb及びPbOを実質的に含まないということは必須ではなく任意である。
本実施形態で製造されるガラス基板は、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板を含むディスプレイ用ガラス基板に好適である。IGZO(インジウム、ガリウム、亜鉛、酸素)等の酸化物半導体を使用した酸化物半導体ディスプレイ用ガラス基板及びLTPS(低温度ポリシリコン)半導体を使用したLTPSディスプレイ用ガラス基板に好適である。また、本実施形態で製造されるガラス基板は、アルカリ金属酸化物の含有量が極めて少ないことが求められる液晶ディスプレイ用ガラス基板に好適である。また、有機ELディスプレイ用ガラス基板にも好適である。言い換えると、本実施形態のガラス基板の製造方法は、ディスプレイ用ガラス基板の製造に好適であり、特に、液晶ディスプレイ用ガラス基板の製造に好適である。その他、携帯端末機器などのディスプレイや筐体用のカバーガラス、タッチパネル板、太陽電池のガラス基板やカバーガラスとしても用いることができる。特に、ポリシリコンTFTを用いた液晶ディスプレイ用ガラス基板に好適である。
また、本実施形態で製造されるガラス基板は、カバーガラス、磁気ディスク用ガラス、太陽電池用ガラス基板などにも適用することが可能である。
以上、本発明のガラス基板の製造方法及びガラス基板製造装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
100 熔解装置
101 熔解槽
102 清澄管
103 撹拌槽
104、105 移送管
104a 流出口
106 ガラス供給管
107 撹拌機
108 成形装置
109 切断装置
110 壁
110a、110b 内側側壁
111a 第1の部分
111b 第2の部分
111c 第3の部分
114 電極対
MG 熔融ガラス
SG シートガラス

Claims (8)

  1. ガラス基板製造装置であって、
    ガラス原料を熔解し、熔融ガラスをつくる熔解槽を備え、
    前記熔解槽は、前記熔融ガラスと接する壁部と、前記壁部のうち前記熔融ガラスを囲む側壁に設けられた複数の電極対と、前記側壁のうち、前記複数の電極対が並ぶ方向と交差するように延在した部分に設けられ、前記熔融ガラスを外部に流出させる流出口と、を有し、
    前記側壁の前記部分のうち前記流出口の周りの第1の部分の材料は、前記流出口に対して前記第1の部分よりも離れて位置する前記壁部のうちの第2の部分の材料よりも導電率が大きく、
    前記第2の部分は、前記電極対のうち前記流出口に最も接近して配置された第1の電極対の周りに設けられ、
    前記第2の部分の材料は、前記流出口に対して前記第1の電極対よりも離れて配置された第2の電極対の周りの第3の部分の材料よりも導電率が小さく、
    前記第1の部分の材料は、前記第3の部分の材料よりも導電率が大きい、ことを特徴とするガラス基板製造装置。
  2. ガラス基板製造装置であって、
    ガラス原料を熔解し、熔融ガラスをつくる熔解槽を備え、
    前記熔解槽は、前記熔融ガラスと接する壁部と、前記壁部のうち前記熔融ガラスを囲む側壁に設けられた複数の電極対と、前記側壁のうち、前記複数の電極対が並ぶ方向と交差するように延在した部分に設けられ、前記熔融ガラスを外部に流出させる流出口と、を有し、
    前記側壁の前記部分のうち前記流出口の周りの第1の部分の材料は、前記流出口に対して前記第1の部分よりも離れて位置する前記壁部のうちの第2の部分の材料よりも導電率が大きく、
    前記電極対が並ぶ方向において、前記電極対のうち前記流出口に最も接近して配置された第1の電極対と、前記流出口との間隔Mは、前記流出口から最も離れて位置する前記第2の部分の端と、前記第1の電極対との間隔Nより長い、ことを特徴とするガラス基板製造装置。
  3. 前記第1の部分は、前記電極対をなす2つの電極を結ぶ方向に沿った前記流出口の両側のそれぞれに、当該電極が設けられた側壁の間の間隔の25%以上の範囲に配置されている、請求項1又は2に記載のガラス基板製造装置。
  4. 前記電極対のうち前記流出口に最も接近して配置された第1の電極対の間を流れる電流量は、前記流出口に対して前記第1の電極対よりも離れて配置された第2の電極対の間を流れる電流量よりも多い、請求項1からのいずれか1項に記載のガラス基板製造装置。
  5. 前記第1の部分の材料の導電率の大きさは、前記第2の部分の材料の導電率の大きさの20倍以下である、請求項1からのいずれか1項に記載のガラス基板製造装置。
  6. ガラス基板の製造方法であって、
    熔解槽を用いてガラス原料を熔解し、熔融ガラスをつくる熔解工程を有し、
    前記熔解槽は、前記熔融ガラスと接する壁部と、前記壁部のうち前記熔融ガラスを囲む側壁に設けられた複数の電極対と、前記側壁のうち、前記複数の電極対が並ぶ方向と交差するように延在した部分に設けられ、前記熔融ガラスを外部に流出させる流出口と、を有し、
    前記側壁の前記部分のうち前記流出口の周りの第1の部分の材料は、前記流出口に対して前記第1の部分よりも離れて位置する前記壁部のうちの第2の部分の材料よりも導電率が大きく、
    前記第2の部分は、前記電極対のうち前記流出口に最も接近して配置された第1の電極対の周りに設けられ、
    前記第2の部分の材料は、前記流出口に対して前記第1の電極対よりも離れて配置された第2の電極対の周りの第3の部分の材料よりも導電率が小さく、
    前記第1の部分の材料は、前記第3の部分の材料よりも導電率が大きい、ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  7. ガラス基板の製造方法であって、
    熔解槽を用いてガラス原料を熔解し、熔融ガラスをつくる熔解工程を有し、
    前記熔解槽は、前記熔融ガラスと接する壁部と、前記壁部のうち前記熔融ガラスを囲む側壁に設けられた複数の電極対と、前記側壁のうち、前記複数の電極対が並ぶ方向と交差するように延在した部分に設けられ、前記熔融ガラスを外部に流出させる流出口と、を有し、
    前記側壁の前記部分のうち前記流出口の周りの第1の部分の材料は、前記流出口に対して前記第1の部分よりも離れて位置する前記壁部のうちの第2の部分の材料よりも導電率が大きく、
    前記電極対が並ぶ方向において、前記電極対のうち前記流出口に最も接近して配置された第1の電極対と、前記流出口との間隔Mは、前記流出口から最も離れて位置する前記第2の部分の端と、前記第1の電極対との間隔Nより長い、ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  8. 前記熔解工程では、前記電極対のうち前記流出口に最も接近して配置された第1の電極対の間を流れる電流量を、前記流出口に対して前記第1の電極対よりも離れて配置された第2の電極対の間を流れる電流量よりも多くする、請求項6又は7に記載のガラス基板の製造方法。
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