JP5232332B2 - ガラス板の製造方法 - Google Patents

ガラス板の製造方法

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Description

本発明は、ガラス板の製造方法に関する。
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどのフラットパネルディスプレイのガラス基板に用いられるガラス板では、ガラス表面に高い平坦度が要求される。近年では、ガラス表面の平坦度に対する要求品質がますます高まってきている。
このようなフラットパネルディスプレイの基板用ガラス板は、オーバーフローダウンドロー法によって製造されることが多い。オーバーフローダウンドロー法は、それ自体公知の方法であり、例えば特許文献1(米国特許第3,338,696号明細書)に記載されているように、成形体に流し込まれて溢れ出た溶融ガラスが当該成形体の各外表面をつたって流れ落ち、当該成形体の底で合流したところを下方に延伸してリボン状のガラスに成形する方法である。
ところで、例えばTFT液晶ディスプレイ用のガラス板には高い熱的安定性が求められるため、このガラス板の製造にはそれを実現するように調合されたガラス原料が用いられる。このようなガラス原料は通常は難溶性であるために、溶融ガラス中に脈理(周りの部分と成分が異なった部分)が発生しやすくなる。そして、溶融ガラス中に脈理が存在すると、成形装置で成形されるガラスリボンを引き下げる際に周りの部分と脈理との粘性の違いによってそれらの引き伸ばされ方が異なるために、ガラス表面の平坦度が悪化することになる。
このような脈理の問題に対し、例えば特許文献2(特開2004−67408号公報)には、平均粒径が30〜60μmのシリカ原料を使用することで、脈理の発生を抑える技術が提案されている。
しかし、特許文献2に開示された技術を用いても脈理を完全に抑えることはできず、効果的に脈理を低減することが可能なガラス板の製造方法を見つけることが依然として要請されている。
本発明は、このような事情に鑑み、脈理を効果的に低減することが可能なガラス板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の発明者は、脈理を効果的に低減する方法について鋭意研究を行った結果、
(i)脈理の抑制には、成形装置に供給される溶融ガラスが均質であることが必要であること、
(ii)成形装置に供給される溶融ガラスを均質にするには、供給される溶融ガラスの温度が全体にわたって均一である必要があること、
を見出した。
本発明は、このような観点からなされたものであり、本発明に係るガラス板の製造方法は、溶融ガラスを移送管の一端から他端に向かって流して、溶融ガラスを、オーバーフローダウンドロー法用の成形装置に供給する供給工程と、成形装置において、オーバーフローダウンドロー法により、ガラス板を成形する成形工程とを含む方法であって、供給工程において、溶融ガラスの温度を平均30℃/m以下の割合で150℃以上下げた後、溶融ガラスを、移送管の内側に接する界面領域の溶融ガラスよりも高い温度の移送管の部位にとおして成形装置に供給することを特徴とする。
また、本発明に係るガラス板の製造方法は、供給工程において、溶融ガラスの温度を50℃/m以上の割合で下げた後、溶融ガラスの温度を50℃/mよりも低い割合で下げて、溶融ガラスの温度を下げる割合を平均30℃/m以下にすることが好ましい。
また、本発明に係るガラス板の製造方法は、溶融ガラスを移送管の一端から他端に向かって温度を下げながら流して、溶融ガラスを移送管の他端に接続されたオーバーフローダウンドロー法用の成形装置に供給する供給工程と、成形装置において、オーバーフローダウンドロー法により、ガラス板を成形する成形工程とを含む方法であって、供給工程において、移送管の断面の中央部における溶融ガラスの温度と、移送管の断面の周辺部における溶融ガラスの温度との温度差を低減することを特徴とする。
また、本発明に係るガラス板の製造方法は、供給工程において、溶融ガラスの温度を平均30℃/m以下の割合で150℃以上下げることにより、移送管の断面の中央部における溶融ガラスの温度と、移送管の断面の周辺部における溶融ガラスの温度との温度差を低減することが好ましい。
また、本発明に係るガラス板の製造方法は、供給工程において、溶融ガラスの温度を下げた後、溶融ガラスを、移送管の内側に接する界面領域の溶融ガラスよりも高い温度の移送管の部位にとおして成形装置に供給することにより、移送管の断面の中央部における溶融ガラスの温度と、移送管の断面の周辺部における溶融ガラスの温度との温度差を低減することが好ましい。
本発明に係るガラス板の製造方法を用いれば、脈理を効果的に低減することが可能である。
ガラス板製造方法の一連の工程のフローチャート ガラス板製造ライン 第3移送管 第3移送管における溶融ガラス温度履歴例1 第3移送管における溶融ガラス温度履歴例2 第3移送管の断面方向における溶融ガラス温度分布
以下、本発明の実施形態に係るガラス板製造方法について詳細に説明する。
(1)ガラス板の製造方法の概要
(1−1)ガラスの原料
本発明に係るガラス板の製造方法は、あらゆるガラス板の製造に適用可能であるが、特に液晶表示装置やプラズマディスプレイ装置などのフラットパネルディスプレイ用のガラス基板、あるいは、表示部を覆うカバーガラスの製造に好適である。
本発明に従ってガラス板を製造するには、まず所望のガラス組成となるようにガラス原料を調合する。例えば、フラットパネルディスプレイ用のガラス基板を製造する場合は、以下の組成を有するように原料を調合するのが好適である。
(a)SiO2:50〜70質量%、
(b)B23:5〜18質量%、
(c)Al23:10〜25質量%、
(d)MgO:0〜10質量%、
(e)CaO:0〜20質量%、
(f)SrO:0〜20質量%、
(o)BaO:0〜10質量%、
(p)RO:5〜20質量%(但し、Rは、Mg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種である)、
(q)R’ 2O:0.10質量%を超え2.0質量%以下(但し、R’は、Li、Na、およびKから選ばれる少なくとも1種である)、
(r)酸化スズ、酸化鉄、および、酸化セリウムなどから選ばれる少なくとも1種の金属酸化物を合計で0.05〜1.5質量%。
なお、上記の液晶基板用ガラスは、ROを実質的に含まない無アルカリガラスでもよい。例えば、上記の液晶基板用ガラスは、以下の組成を有するように原料を調合してもよい。
(a’)SiO2:50〜70質量%
(b’)B23:1〜10質量%
(c’)Al23:0〜25質量%
(d’)MgO:0〜10質量%
(e’)CaO:0〜20質量%
(f’)SrO:0〜20質量%
(o’)BaO:0〜10質量%
(q’)K2O:0〜2質量%
(r’)SnO2:0〜1質量%
(s’)Fe23:0.01〜0.045質量%
また、上記の液晶基板用ガラスは、ヒ素およびアンチモンを実質的に含まないことが好ましい。すなわち、これらの物質が含まれるとしても、それは不純物として含まれる。具体的には、これらの物質は、As23、および、Sb23という酸化物のものも含め、0.1質量%以下であることが好ましい。
上述した成分に加え、本発明のガラスは、ガラスの様々な物理的、溶融、清澄、および、成形の特性を調節するために、様々な他の酸化物を含有しても差し支えない。そのような他の酸化物の例としては、以下に限られないが、SnO2、TiO2、MnO、ZnO、Nb25、MoO3、Ta25、WO3、Y23、および、La23が挙げられる。
上記(a)〜(r)の中の(p)におけるROの供給源には、硝酸塩や炭酸塩を用いることができる。なお、溶融ガラスの酸化性を高めるには、ROの供給源として硝酸塩を工程に適した割合で用いることがより望ましい。
本実施形態で製造されるガラス板は、一定量のガラス原料を溶解用の炉に供給してバッチ処理を行う方式とは異なり、連続的に製造される。本発明の製造方法で適用されるガラス板は、いかなる厚さおよび幅を有するガラス板でもよい。
(1−2)ガラス製造工程の概要
本発明の一実施形態に係るガラス板の製造方法は、図1のフローチャートが示す一連の工程を含み、図2が示すガラス板製造ライン100を用いる。
上記の組成となるように調合されたガラスの原料は、まず溶解工程(ステップS101)において、溶解される。原料は、溶解槽101に投入され、所定の温度まで加熱される。所定の温度は、例えば上記の組成を有するフラットパネルディスプレイ用のガラス基板の場合、1550℃以上であることが好ましい。加熱された原料は、溶解し、溶融ガラスを形成する。溶融ガラスは、第1移送管105aを通して次の清澄工程(ステップS102)が行われる清澄槽102へ送り込まれる。
次の清澄工程(ステップS102)では、溶融ガラスが清澄される。具体的には、清澄槽102において溶融ガラスが所定の温度まで加熱されると溶融ガラス中に含まれるガス成分は、気泡を形成し、あるいは、気化して溶融ガラスの外へ抜け出る。所定の温度は、例えば上記の組成を有するフラットパネルディスプレイ用のガラス基板の場合、1610℃〜1700℃であることが好ましい。清澄された溶融ガラスは、第2移送管105bを通して次の工程である均質化工程(ステップS103)が行われる攪拌槽103へ送り込まれる。
次の均質化工程(ステップS103)では、溶融ガラスが均質化される。具体的には、溶融ガラスは、攪拌槽103において、攪拌槽103が備える攪拌翼(図示せず)により撹拌されることにより均質化される。攪拌槽103に送り込まれる溶融ガラスは、所定の温度範囲になるように加熱される。所定の温度範囲は、例えば上記の組成を有するフラットパネルディスプレイ用のガラス基板の場合、1440℃〜1500℃であることが好ましい。均質化された溶融ガラスは、攪拌槽103から第3移送管105cへ送り込まれる。
次の供給工程(ステップS104)では、溶融ガラスは、第3移送管105cにおいて成形するのに適した温度になるように降温され、次の成形工程(ステップS105)が行われる成形装置104へ送り込まれる。成形に適した温度は、例えば上記の組成を有するフラットパネルディスプレイ用のガラス基板の場合、約1200℃であることが好ましい。
次の成形工程(ステップS105)では、溶融ガラスが板状のガラスに成形される。本実施形態では、溶融ガラスは、オーバーフローダウンドロー法により連続的にリボン状に成形される。成形されたリボン状のガラスは、切断され、ガラス板となる。
(2)供給工程詳細
次に供給工程について詳細に説明する。
供給工程(ステップS104)では、上述のとおり溶融ガラスを成形工程(ステップS105)に適する温度に冷却する工程である。供給工程において、溶融ガラスの温度は、少なくとも150℃下げられることが好ましい。例えば、上記の組成を有するフラットパネルディスプレイ用のガラス基板の場合、均質化工程(ステップS103)では、1440℃〜1500℃の溶融ガラスが、供給工程(ステップS104)において、約1200℃まで冷却される。しかし、溶融ガラスの均質性を保つために、溶融ガラスの冷却は、所定の冷却率になるように調整しながら行なうことが好ましい。そのため、供給工程が行われる第3移送管105cは、第3移送管105cの中を通る溶融ガラスの温度を制御できるようになっていることが好ましい。なお、第3移送管105cは、高温である溶融ガラスとの接触に耐えられるような耐火金属からなることが好ましく、さらに好ましくは白金又は白金合金からなることが好ましい。
第3移送管105cの下流側の外周には、図3に示されるように、ヒータ201が取り付けられている。ヒータ201は、温度制御装置202に接続されている。ヒータ201は、第3移送管105cの下流部を加熱することで、第3移送管105cの下流部を流れる溶融ガラスを加熱する。温度制御装置202は、ヒータ201の出力を制御することで、第3移送管105cの下流部を流れる溶融ガラスの温度を制御する。
溶融ガラスの冷却率は、溶融ガラスが第3移送管105cの上流端から下流端まで流れる間に平均30℃/m以下であることが好ましい。例えば、1500℃の溶融ガラスが全長約10mの第3移送管105cの上流端から下流端まで流れる場合、この間に最大でも300℃だけ冷却されて、1200℃以上の溶融ガラスとなって成形装置104へ流れ出ることが好ましい。
溶融ガラスは、第3移送管105cの中を流れる過程で降温される。より詳細に説明すると、溶融ガラスが、溶融ガラスの温度よりも低い温度を有する第3移送管105cの中を流れることによって、溶融ガラスから第3移送管105cに熱伝達が起こる。その結果、溶融ガラスは第3移送管105cの温度付近まで降温される。その場合、第3移送管105cからの断面方向の距離が近い溶融ガラスほど、第3移送管105cに熱伝達しやすいので、第3移送管105cの温度により近づく。一方、第3移送管105cからの断面方向の距離が遠い溶融ガラスほど、第3移送管105cに熱伝達しにくくなるため、第3移送管105と温度差が付きやすい。すなわち、第3移送管105cからの断面方向の距離が遠い溶融ガラスほど、降温されにくい。
より具体的には、第3移送管105cの中を流れる溶融ガラスの温度は、第3移送管105cの内面において第3移送管105c自体の温度に最も近く、かつ、当該内面から第3移送管105cの中心に向かうにつれて第3移送管105c自体の温度との差が大きくなる。そのため、第3移送管105cの外周から中心に向かうに従って、溶融ガラスの温度と第3移送管105cの温度との差が大きくなる。これを図示すると図6の左(a)のグラフのようになる。したがって、溶融ガラスの温度は、第3移送管105cの断面方向において不均一になりかねない。発明者は、温度が均一でない溶融ガラスの成形装置104への供給は、均質なガラスの形成の妨げとなることを発見した。そのため、温度が均一な溶融ガラスを成形装置104へ供給することが好ましい。そして、発明者は、以下のように、第3移送管105cの温度を制御することにより、温度が均一な溶融ガラスを成形装置104へ供給することができることをさらに発見した。
より具体的には、ヒータ201によって、第3移送管105cの下流側の部位を、その部位に流れ着き第3移送管105cの内側に接する溶融ガラスの温度よりも高い温度まで加熱する。これにより、第3移送管105cの下流側において、第3移送管105cから溶融ガラスに熱伝達が起きる。その結果、溶融ガラスは第3移送管105cの温度付近まで昇温される。その場合、第3移送管105cからの距離が近い溶融ガラスほど、第3移送管105cから熱伝達されやすい。一方、第3移送管105cの断面の周辺部から中央部に向かうにつれて、溶融ガラスは、第3移送管105cからの距離が遠くなるので、第3移送管105cから熱伝達されにくくなる。すなわち、第3移送管105cの断面の周辺部から中央部に向かうにつれて、溶融ガラスは昇温されにくくなる。
ここで、第3移送管105cの下流側の部位に流れ着く溶融ガラスは、図6の左(a)のグラフに示されるように、第3移送管105cの断面の周辺部から中央部に向かうにつれて温度が高くなり、第3移送管105cの断面方向に温度差が生じている。しかし、上述したように、第3移送管105cの下流側の部位において、第3移送管105cの断面の周辺部から中央部に向かうにつれて溶融ガラスが昇温されにくくなる状態をつくることにより、この温度差は相殺される。すなわち、第3移送管105cの断面の中央部における溶融ガラスの温度と、第3移送管105cの断面の周辺部における溶融ガラスの温度との温度差が低減される。
したがって、第3移送管105cのうち成形装置104への下流端の部位をその部位に流れ着く溶融ガラスよりも高い温度に加熱することが好ましい。具体的には、ヒータ201によって加熱される第3移送管105cの下流部の温度は、その上流側の近傍における第3移送管105cの温度よりも高いことが好ましい。例えば、1℃以上、さらには、5℃以上、さらには、10℃以上高いことが好ましい。第3移送管105cから成形装置104へ流れ出る前に、溶融ガラスが自身よりも高温の第3移送管105cの部位を通ると、当該部位の第3移送管105cの熱が第3移送管105cの内側と溶融ガラスとの界面から中心に向かって伝わることにより、図6の右(b)のグラフに示されるように、第3移送管105cの断面方向の溶融ガラスの温度差を減少させることができる。この場合、第3移送管105cの長手方向の温度分布は、図4のグラフのようになる。
また、溶融ガラスは、成形装置104に流れ出る直前では、できるだけ緩やかに冷却されたほうが、より好ましい。また、第3移送管105cの上流では、30℃/mよりも速い割合で冷却されても構わない。すなわち、第3移送管105cに入ってから流れ出るまでの間に溶融ガラスが冷却される割合が、平均で30℃/m以下になるのであれば、例えば、第3移送管105cの周囲の温度を制御することにより、第3移送管105cの上流部において、溶融ガラスが50℃/m以上の割合で冷却され、その後、ヒータ201によって加熱される第3移送管105cの下流部に到達するまで、溶融ガラスが50℃/mよりも低い割合で冷却されてもよい。この場合、第3移送管105cの長手方向の温度分布は、図5のグラフのようになる。
(3)実施例
以下のとおり、実際に本発明にかかるガラス板の製造方法を用いると脈理が低減されたガラス板を製造することができる。
まず、組成が、SiO2:60.9質量%、B23:11.6質量%、Al23:16.9質量%、MgO:1.7質量%、CaO:5.1質量%、SrO:2.6質量%、BaO:0.7質量%、K2O:0.25質量%、Fe23:0.15質量%、SnO2:0.13質量%となるガラスが製造されるように原料を調合した。次いで、原料を溶解槽101内に投入した。溶解槽101内で生成された溶融ガラスを図3に示した第3移送管105cを含む、図2に示したガラス板製造装置100、及び、上述した本発明の本実施形態にかかるガラス板製造方法を用いてガラス板を製造した。供給工程(ステップS104)では、平均内径約146mm、全長約8mの第3移送管の中を上流端から下流端の手前まで溶融ガラスを流す間に、溶融ガラスの温度を1440℃から1200℃まで下げた。すなわち、溶融温度の冷却速度は、約30℃/mであった。その後、成形装置104に溶融ガラスを供給する直前で、1220℃に加熱された第3移送管105cの下流端の長さ約300mm、内径約140mmの部位を通過させた。成形工程(ステップS105)では、溶融ガラスをオーバーフローダウンドロー法を用いて、サイズが1100mm×1300mmのガラス板を製造した。
上記ガラス板を4分割したガラス板を40枚サンプリングし、脈理が原因で発生すると思われるガラス板表面の表面粗さを測定した。この測定には、東京精密社製の表面粗さ測定機(サーフコム1400−D)を用い、ピーク高さを測定した。次いで測定したピーク高さを、本発明を行っていない従来のガラス板製造装置で製造したガラス板の平均値を基準値として比較した。その結果、基準値を1とすると、本発明のガラス板のピーク高さ平均は0.8となり平坦度が向上したことから、本発明により脈理が低減したことが確認できた。
(4)特徴
本発明にかかるガラス板の製造方法の上記実施形態では、供給工程(ステップS104)において、溶融ガラスが第3移送管105cの入り口から出口まで流れる間に平均30℃/m以下の割合で、溶融ガラスの温度が150℃以上(例えば、上記の組成を有するフラットパネルディスプレイ用のガラス基板の場合、約240℃〜300℃)下げられる。その後、溶融ガラスは、成形装置104に供給される直前で、第3移送管105cの内側に接する界面領域の溶融ガラスの温度よりも高温の第3移送管105cの部位を通され、当該部位の第3移送管105cの熱が第3移送管105cの内側と溶融ガラスとの界面から中心に向かって伝わることにより第3移送管105cの断面方向の溶融ガラスの温度差を減少させる。これにより、溶融ガラスは緩やかに冷却されるとともに、成形装置104に供給される溶融ガラスの温度が全体的に均一になり、脈理を低減することができる。
また、本発明にかかるガラス板の製造方法の上記実施形態では、供給工程(ステップS104)において、溶融ガラスが第3移送管105cの入り口から出口まで流れる間に、溶融ガラスの温度は、成形装置104に供給される溶融ガラスの温度まで下げられる。そして、ヒータ201によって、第3移送管105cの下流側の部位を、その部位に流れ着き第3移送管105cの内側に接する溶融ガラスの温度よりも高い温度に加熱することにより、第3移送管105cから溶融ガラスに熱伝達が起きる。第3移送管105cを流れる溶融ガラスは、第3移送管105cの断面の周辺部から中央部に向かうにつれて、熱伝達されにくくなる。ここで、第3移送管105cの下流側の部位に流れ着く溶融ガラスは、本来、図6の左(a)のグラフに示されるように、第3移送管105cの断面の周辺部から中央部に向かうにつれて温度が高くなり、第3移送管105cの断面方向に温度差が生じている。しかし、上述したように、第3移送管105cの下流側の部位において、第3移送管105cの断面の周辺部から中央部に向かうにつれて溶融ガラスが昇温されにくくなる状態をつくることにより、この温度差は相殺される。すなわち、第3移送管105cの断面の中央部における溶融ガラスの温度と、第3移送管105cの断面の周辺部における溶融ガラスの温度との温度差が低減される。これにより、成形装置104に供給される溶融ガラスの温度が全体的に均一になり、脈理を低減することができる。
(5)変形例
上記実施形態にかかる供給工程は、以下のようにも変形可能である。
溶融ガラスは、成形に適した温度で、溶融ガラスをガラスリボン状に成形する成形装置に供給されることが好ましい。成形に適した温度は、下記のフラットパネルディスプレイ用のガラス基板の場合、1190℃〜1220℃の範囲であることが好ましく、さらには、約1200℃であることが好ましい。
この供給工程は、移送管である図2に示す第3移送管105c内で行われる。溶融ガラスは、図2の攪拌槽103から流れ出て、第3移送管105cに入り、第3移送管105c内を通って、成形装置104へ流れ出る。溶融ガラスは、第3移送管内を通る間に、上流端から下流端まで、1440℃〜1500℃から1190℃〜1220℃まで漸次温度が下げられることが好ましい。
図3には、第3移送管105cの一例が示されている。溶融ガラスの温度を上記のように制御するために、第3移送管105cは、下流側の外周にヒータ201が取り付けられている。ヒータ201は、第3移送管105cの下流部を加熱することで、第3移送管105cの下流部を流れる溶融ガラスを加熱する。ヒータ201に接続される温度制御装置202は、ヒータ201の出力を制御することで、第3移送管105cの下流部を流れる溶融ガラスの温度を制御する。なお、第3移送管105cは、高温である溶融ガラスとの接触に耐えられるような耐火金属からなることが好ましく、さらに好ましくは白金又は白金合金からなることが好ましい。
溶融ガラスの温度は、第3移送管105cの上流側から下流側に流れるにつれて、1440℃〜1500℃から1190℃〜1220℃まで漸次温度が下げられる。また、溶融ガラスが成形装置104へ流れ出る第3移送管105cの下流側では、ヒータ201によって第3移送管105cの温度が一旦上げられる。ヒータ201によって加熱される第3移送管105cの下流部の温度は、その上流側の近傍における第3移送管105cの温度よりも高く、具体的には、1℃以上高いことが好ましく、さらには、5℃以上、あるいは更には、10℃以上高いことが好ましい。なお、下流側とは第3移送管105cの全長の半分よりも下流の半分であり、下流端を含む、なるべく第3移送管105cの下流端に近い部分である。
また、溶融ガラスは、当該下流側のヒータ201によって加熱される部分を所定の時間をかけて通ることが好ましい。所定の時間は、一旦上げられた第3移送管105cの温度に対応して、それに接触した溶融ガラスの温度が上昇するのに十分な時間であることが適しており、例えば、1分以上がこの好ましく、さらには、2分以上が好ましい。このように第3移送管105cの温度を制御すれば、熱が第3移送管105cの内壁から第3移送管105cの断面の中心まで溶融ガラスによく伝わり、溶融ガラスの温度をよりなるべく均一にすることができる。
100 ガラス板製造装置
101 溶解槽
102 清澄槽
103 攪拌槽
104 成形装置
105c 第3移送管(移送管)
201 ヒータ
202 温度制御装置
米国特許第3,338,696号明細書 特開2004−67408号公報

Claims (5)

  1. 溶融ガラスを移送管(105c)の一端から他端に向かって流して、前記溶融ガラスを、オーバーフローダウンドロー法用の成形装置(104)に供給する供給工程
    前記成形装置において、オーバーフローダウンドロー法により、ガラス板を成形する成形工程と、
    を含むガラス板の製造方法であって、
    前記供給工程において、
    前記溶融ガラスの温度を平均30℃/m以下の割合で150℃以上下げた後、
    前記溶融ガラスを、前記移送管(105c)の内側に接する界面領域の前記溶融ガラスよりも高い温度の前記移送管(105c)の部位にとおして前記成形装置(104)に供給することを特徴とする、
    ガラス板の製造方法。
  2. 前記供給工程において、
    前記溶融ガラスの温度を50℃/m以上の割合で下げた後、
    前記溶融ガラスの温度を50℃/mよりも低い割合で下げて、
    前記溶融ガラスの温度を下げる割合を平均30℃/m以下にすることを特徴とする、
    請求項1に記載のガラス板の製造方法。
  3. 溶融ガラスを移送管(105c)の一端から他端に向かって温度を下げながら流して、前記溶融ガラスを前記移送管(105c)の前記他端に接続されたオーバーフローダウンドロー法用の成形装置(104)に供給する供給工程
    前記成形装置において、オーバーフローダウンドロー法により、ガラス板を成形する成形工程と、
    を含むガラス板の製造方法であって、
    前記供給工程において、
    前記移送管(105c)の断面の中央部における前記溶融ガラスの温度と、前記移送管(105c)の断面の周辺部における前記溶融ガラスの温度との温度差を低減することを特徴とする、
    ガラス板の製造方法。
  4. 前記供給工程において、
    前記溶融ガラスの温度を平均30℃/m以下の割合で150℃以上下げることにより、前記移送管(105c)の断面の中央部における前記溶融ガラスの温度と、前記移送管(105c)の断面の周辺部における前記溶融ガラスの温度との温度差を低減することを特徴とする、
    請求項3に記載のガラス板の製造方法。
  5. 前記供給工程において、
    前記溶融ガラスの温度を下げた後、前記溶融ガラスを、前記移送管(105c)の内側に接する界面領域の前記溶融ガラスよりも高い温度の前記移送管(105c)の部位にとおして前記成形装置(104)に供給することにより、前記移送管(105c)の断面の中央部における前記溶融ガラスの温度と、前記移送管(105c)の断面の周辺部における前記溶融ガラスの温度との温度差を低減することを特徴とする、
    請求項3又は4に記載のガラス板の製造方法。
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