JP6346461B2 - ガラス板の製造方法、及び、ガラス板の製造装置 - Google Patents

ガラス板の製造方法、及び、ガラス板の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス板の製造方法、及び、ガラス板の製造装置に関する。
従来より、ガラス板を製造する際、オーバーダウンドロー法を用いてガラス板を成形することが行われている。オーバーダウンドロー法では、ガラス原料を熔解槽で熔融して熔融ガラスをつくり、この熔融ガラスに清澄処理、均質化処理を施した後、熔融ガラスは移送管を通して長尺状の成形体に供給される。長尺状の成形体では、成形体の上部に長手方向に延びる溝部が設けられており、この溝部の一端に熔融ガラスが供給される。この溝部は、熔融ガラスの供給側から長手方向の反対側に進むほど溝深さが浅くなっているため、熔融ガラスは、成形体の溝部からあふれ出し、成形体の両側の側壁を伝って下方に流下する。成形体の両側の側壁を下方に流下する熔融ガラスは成形体の下端で合流して1つに張り合わせられガラス板(シートガラス)となる。
ところで、熔融ガラスを成形体に供給する移送管の流路断面形状は一般的に円形状であり、成形体の溝部の流路断面形状は、矩形あるいは多角形形状である。移送管の流路断面形状を円形状とするのは、移送管内に高温の熔融ガラスを充填しても屈曲する部分がなく、強度が維持できることが好ましいからである。一方、成形体の溝部の流路断面形状を矩形あるいは多角形形状とするのは、溝部の加工の容易性のためである。例えば、下記特許文献1の図1、図3には、流路断面形状が円形状の移送管と、流路断面形状が矩形形状の溝部を有する成形体が開示されている。この場合、円形形状の移送管から、成形体の溝部に熔融ガラスが供給されるとき、熔融ガラスの流路断面が段差を持って急激に拡大する。
特表2008−501609号公報
このように、一般的に、熔融ガラスを成形体に供給する移送管の流路断面形状は円形状であり、成形体の溝部の流路断面形状は矩形あるいは多角形形状であるため、移送管から、成形体の溝部に熔融ガラスが供給されるとき、熔融ガラスの流路断面が段差を持って急激に拡大する。このため、熔融ガラスの流路の急激な拡大により、成形体の溝部内で熔融ガラスの流れが部分的に停留し易くなる場合がある。熔融ガラスの流れの停留は、熔融ガラスの失透に繋がり易い。また、熔融ガラスの流れの停留は異質素地(異質な熔融ガラス)を生じさせ易く、脈理の発生にも繋がりやすい。より詳細に説明すると、熔融ガラスの流れが停留すると、他の部分の熔融ガラスに比べて成形体と接触する時間が長くなるため、成形体の表面から成形体の成分が溶出し、熔融ガラスのガラス組成が部分的に変化し易い。また、成形体の温度の影響を受けて、熔融ガラスの粘度が部分的に変化し易い。すなわち、溶融ガラス中に異質素地(異質な熔融ガラス)が生じ易くなり、この結果、最終製品のガラス板に、脈理が発生し易くなり、またガラス板の厚さが不均一になり易い。
また、フラットパネルディスプレイ用ガラス板には、TFT(Thin Film Transistor)等の半導体素子が、ガラス板上に形成される。近年、ディスプレイ表示のさらなる高精細化を実現するために、従来から用いられてきたα-Si・TFTに替わって、p-Si(低温ポリシリコン)・TFTや酸化物半導体をガラス板に形成することが求められている。p-Si・TFTや酸化物半導体の形成工程では、α−Si・TFTの形成工程よりも高温な熱処理工程が存在する。そのため、p−Si(低温ポリシリコン)TFTや酸化物半導体が形成されるガラス板には、熱収縮率が小さいことが求められている。熱収縮率を小さくするためには、ガラスの歪点を高くすることが好ましいが、歪点が高いガラスは、液相温度が高くなる傾向があり、液相粘度(液相温度における粘度)が低くなる傾向にある。このため、ガラス板(シートガラス)の成形に必要な熔融ガラスの粘度(成形粘度)と、液相粘度との差が少なくなり、あるいは、成形粘度が液相粘度より大きくなる場合もあり、その結果ガラスが失透し易くなる。したがって、p−Si(低温ポリシリコン)・TFT形成用あるいは酸化物半導体形成用などの特に液相粘度が低いガラスでシートガラスを製造する場合、成形体の表面から成形体の成分が溶出し、液相粘度の上昇(失透の生成)の虞があるような成形体の溝部内で熔融ガラスの一部の流れが停留し易くなることは極力避けなければならない。
そこで、本発明は、従来の問題点を解決するために、成形体を用いた熔融ガラスの成形時、成形体の溝部を通過する熔融ガラスの流れが停留し難く、熔融ガラスに失透及び異質な熔融ガラスが生じることがなく、脈理がなく、均一な板厚の高品質なガラス板を製造することができるガラス板の製造方法及びガラス板の製造装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、成形体に熔融ガラスを流してガラス板を製造するガラス板の製造方法であって、
ガラス原料を熔解して熔融ガラスを生成する熔解工程と、
前記熔融ガラスを、移送管を通して前記成形体に供給する供給工程と、
前記成形体の溝部に前記熔融ガラスを流しつつダウンドロー法により前記熔融ガラスからガラス板を成形する成形工程と、を備え、
前記供給工程において、前記熔融ガラスを前記移送管から前記成形体の溝部に供給するとき、前記移送管の開口端と前記成形体の前記溝部の開口端との接続位置において前記溝部の溝幅に対応する前記移送管のが前記溝部の溝幅に同じになるように、前記移送管を流れる熔融ガラスの流路断面積を、前記接続位置に近づくにつれて徐々に広げ、前記成形体の溝部の開口端における熔融ガラスの粘性を、3300Pa・s〜5450Pa・sとなるよう制御する、
ことを特徴とする。
本発明の他の態様は、成形体に熔融ガラスを流してガラス板を製造するガラス板の製造方法であって、 ガラス原料を熔解して熔融ガラスを生成する熔解工程と、
前記熔融ガラスを、移送管を通して前記成形体に供給する供給工程と、
前記成形体の溝部に前記熔融ガラスを流しつつダウンドロー法により前記熔融ガラスからガラス板を成形する成形工程と、を備え、
前記供給工程において、前記熔融ガラスを前記移送管から前記成形体の溝部に供給するとき、前記移送管の開口端と前記成形体の前記溝部の開口端との接続位置において前記溝部の溝幅に対応する前記移送管の幅が前記溝部の溝幅に同じになるように、前記移送管を流れる熔融ガラスの流路断面積を、前記接続位置に近づくにつれて徐々に広げ、前記成形体の溝部の開口端における熔融ガラスの最大の粘性を、5450Pa・s以下となるよう制御し、
前記溝部の溝底に接続される前記移送管の底部は、前記流路断面積が広がる管拡張部において、前記接続位置まで直線状に延びる一方、前記底部から前記移送管の前記底部に対向する頂部までの高さは、前記接続位置に進むに連れて大きくなるように構成されている、ことを特徴とする。
本発明の他の態様は、成形体に熔融ガラスを流してガラス板を製造するガラス板の製造方法であって、
ガラス原料を熔解して熔融ガラスを生成する熔解工程と、
前記熔融ガラスを、移送管を通して前記成形体に供給する供給工程と、
前記成形体の溝部に前記熔融ガラスを流しつつダウンドロー法により前記熔融ガラスからガラス板を成形する成形工程と、を備え、
前記供給工程において、前記熔融ガラスを前記移送管から前記成形体の溝部に供給するとき、前記移送管の開口端と前記成形体の前記溝部の開口端との接続位置において前記溝部の溝幅に対応する前記移送管の幅が前記溝部の溝幅に同じになるように、前記移送管を流れる熔融ガラスの流路断面積を、前記接続位置に近づくにつれて徐々に広げ、前記成形体の溝部の開口端における熔融ガラスの最大の粘性を、5450Pa・s以下となるよう制御し、
前記移送管は、前記移送管の幅が前記接続位置に近づくに連れて広がり、前記接続位置で前記溝部と接続する管拡張部を備え、
前記成形体の溝部の開口端の幅と前記管拡張部の前記接続位置と反対側の端における幅との比率が、1.2〜1.8である、
ことを特徴とする。
前記成形体の溝部の開口端における流路断面での最高温度と最低温度との差を、20℃以下にする、ことが好ましい。
本発明の他の態様は、成形体に熔融ガラスを流してガラス板を製造するガラス板の製造装置であって、
ガラス原料を熔解して熔融ガラスを生成する熔解装置と、
前記熔融ガラスを通して前記成形体に供給する移送管と、
前記成形体の溝部に前記熔融ガラスを流しつつダウンドロー法により前記熔融ガラスからガラス板を成形する成形装置と、を備え、
前記移送管において、前記熔融ガラスを前記移送管から前記成形体の溝部に供給するとき、前記移送管の開口端と前記成形体の前記溝部の開口端との接続位置において前記溝部の溝幅に対応する前記移送管のが前記溝部の溝幅に同じになるように、前記移送管を流れる熔融ガラスの流路断面積を、前記移送管の開口端と前記成形体の前記溝部の開口端との接続位置に近づくにつれて徐々に広げ、前記成形体の溝部の開口端における熔融ガラスの粘性を、3300Pa・s〜5450Pa・sとなるよう制御する、
ことを特徴とする。
また、本発明の他の態様は、成形体に熔融ガラスを流してガラス板を製造するガラス板の製造装置であって、
ガラス原料を熔解して熔融ガラスを生成する熔解装置と、
前記熔融ガラスを通して前記成形体に供給する移送管と、
前記成形体の溝部に前記熔融ガラスを流しつつダウンドロー法により前記熔融ガラスからガラス板を成形する成形装置と、を備え、
前記移送管において、前記熔融ガラスを前記移送管から前記成形体の溝部に供給するとき、前記移送管の開口端と前記成形体の前記溝部の開口端との接続位置において前記溝部の溝幅に対応する前記移送管の幅が前記溝部の溝幅に同じになるように、前記移送管を流れる熔融ガラスの流路断面積を、前記移送管の開口端と前記成形体の前記溝部の開口端との接続位置に近づくにつれて徐々に広げ、前記成形体の溝部の開口端における熔融ガラスの最大の粘性を、5450Pa・sとなるよう制御し、
前記溝部の溝底に接続される前記移送管の底部は、前記流路断面積が広がる管拡張部において、前記接続位置まで直線状に延びる一方、前記底部から前記移送管の前記底部に対向する頂部までの高さは、前記接続位置に進むに連れて大きくなるように構成されている、
ことを特徴とする。
さらに、本発明の他の態様は、成形体に熔融ガラスを流してガラス板を製造するガラス板の製造装置であって、
ガラス原料を熔解して熔融ガラスを生成する熔解装置と、
前記熔融ガラスを通して前記成形体に供給する移送管と、
前記成形体の溝部に前記熔融ガラスを流しつつダウンドロー法により前記熔融ガラスからガラス板を成形する成形装置と、を備え、
前記移送管において、前記熔融ガラスを前記移送管から前記成形体の溝部に供給するとき、前記移送管の開口端と前記成形体の前記溝部の開口端との接続位置において前記溝部の溝幅に対応する前記移送管の幅が前記溝部の溝幅に同じになるように、前記移送管を流れる熔融ガラスの流路断面積を、前記移送管の開口端と前記成形体の前記溝部の開口端との接続位置に近づくにつれて徐々に広げ、前記成形体の溝部の開口端における熔融ガラスの最大の粘性を、5450Pa・sとなるよう制御し、
前記移送管は、前記移送管の幅が前記接続位置に近づくに連れて広がり、前記接続位置で前記溝部と接続する管拡張部を備え、
前記成形体の溝部の開口端の幅と前記管拡張部の前記接続位置と反対側の端における幅との比率が、1.2〜1.8である、
ことを特徴とする。
本発明によれば、成形体を用いた熔融ガラスの成形時、成形体の溝部を通過する熔融ガラスの流れが停留し難く、熔融ガラスに失透及び異質な熔融ガラスが生じることがなく、脈理がなく、均一な板厚の高品質なガラス板を製造することができる。
本実施形態のガラス板の製造方法の工程の一例を示す図である。 本実施形態における熔解工程〜切断工程を行う装置の一例を模式的に示す図である。 (a)は、本実施形態における成形体とガラス供給管との接続部分を示す分解斜視図であり、(b)は、本実施形態の第2管拡張部が溝部と接続するときの接続領域と溝部との間の相対位置を示す図であり、(c)は、本実施形態の第1拡張部の断面を示す図である。 本実施形態におけるガラス供給管及び成形体の接続位置周辺を上方からみたときの熔融ガラスの流れを説明する図である。 本実施形態におけるガラス供給管及び成形体の接続位置周辺を側面からみたときの熔融ガラスの流れを説明する図である。 (a)、(b)は、成形体の溝部とガラス供給管との従来の接続状態を説明する図である。
以下、本実施形態のガラス板の製造方法、及び、ガラス板の製造装置について説明する。図1は、本実施形態のガラス板の製造方法の工程の一例を示す図である。
(ガラス板の製造方法の全体概要)
ガラス板の製造方法は、熔解工程(ST1)と、清澄工程(ST2)と、均質化工程(ST3)と、供給工程(ST4)と、成形工程(ST5)と、徐冷工程(ST6)と、切断工程(ST7)と、を主に有する。この他に、研削工程、研磨工程、洗浄工程、検査工程、梱包工程等を有し、梱包工程で積層された複数のガラス板は、納入先の業者に搬送される。
熔解工程(ST1)は熔解槽で行われる。熔解槽では、ガラス原料を、熔解槽に蓄えられた熔融ガラスの液面に投入し、加熱することにより熔融ガラスを作る。さらに、熔解槽の内側側壁の1つの底部に設けられた流出口から下流工程に向けて熔融ガラスを流す。
熔解槽の熔融ガラスの加熱は、熔融ガラス自身に電気が流れて自ら発熱し加熱する方法に加えて、バーナーによる火焔を補助的に与えてガラス原料を熔解することもできる。なお、ガラス原料には清澄剤が添加される。清澄剤として、SnO、As、Sb等が知られているが、特に制限されない。しかし、環境負荷低減の点から、清澄剤としてSnO(酸化錫)を用いることができる。
清澄工程(ST2)は、少なくとも清澄槽において行われる。清澄工程では、清澄槽内の熔融ガラスが昇温されることにより、熔融ガラス中に含まれるO、COあるいはSOを含んだ泡が、清澄剤の還元反応により生じたOを吸収して成長し、熔融ガラスの液面に泡は浮上して放出される。さらに、清澄工程では、熔融ガラスの温度を低下させることにより、清澄剤の還元反応により得られた還元物質が酸化反応をする。これにより、熔融ガラスに残存する泡中のO等のガス成分が熔融ガラス中に再吸収されて、泡が消滅する。清澄剤による酸化反応及び還元反応は、熔融ガラスの温度を制御することにより行われる。なお、清澄工程は、減圧雰囲気の空間を清澄槽につくり、熔融ガラスに存在する泡を減圧雰囲気で成長させて脱泡させる減圧脱泡方式を用いることもできる。なお、清澄工程では、酸化錫を清澄剤として用いた清澄方法を用いる。
均質化工程(ST3)では、清澄槽から延びる配管を通って供給された攪拌槽内の熔融ガラスを、スターラを用いて攪拌することにより、ガラス成分の均質化を行う。これにより、脈理等の原因であるガラスの組成ムラを低減することができる。
供給工程(ST4)では、攪拌槽から延びる配管を通して熔融ガラスが成形装置に供給される。
成形装置では、成形工程(ST5)及び徐冷工程(ST6)が行われる。
成形工程(ST5)では、熔融ガラスをシートガラス(ガラス板)に成形し、シートガラスの流れを作る。成形は、オーバーフローダウンドロー法が用いられる。
徐冷工程(ST6)では、成形されて流れるシートガラスが所望の厚さになり、内部歪が生じないように、さらに、反りが生じないように冷却される。
切断工程(ST7)では、切断装置において、成形装置から供給されたシートガラスを所定の長さに切断することで、板状のガラス板を得る。切断されたガラス板はさらに、所定のサイズに切断され、目標サイズのガラス板が作られる。この後、ガラス板の端面の研削、研磨が行われ、ガラス板の洗浄が行われ、さらに、気泡や脈理等の異常欠陥の有無が検査された後、検査合格品のガラス板が最終製品として梱包される。
図2は、本実施形態における熔解工程(ST1)〜切断工程(ST7)を行うガラス板の製造装置の一例を模式的に示す図である。当該装置は、図2に示すように、主に熔解装置100と、成形装置200と、切断装置300と、を有する。熔解装置100は、熔解槽101と、清澄槽102と、攪拌槽103と、ガラス供給管104、105、106と、を有する。
図2に示す熔解装置101では、ガラス原料の投入がバケット101dを用いて行われる。清澄槽102では、熔融ガラスMGの温度を調整して、清澄剤の酸化還元反応を利用して熔融ガラスMGの清澄が行われる。さらに、攪拌槽103では、スターラ103aによって熔融ガラスMGが攪拌されて均質化される。成形装置200では、成形体210を用いたオーバーフローダウンドロー法により、熔融ガラスMGからシートガラスSGが成形される。
(ガラス供給管と成形体との接続)
図3(a)は、成形体210とガラス供給管106との接続部分を示す分解斜視図であり、図3(b)は、第2管拡張部106cの開口端が溝部210aの開口端と接続するときの接続領域Z1と溝部210aとの間の相対位置を示す図であり、図3(c)は、第1管拡張部106bの断面を示す図である。
成形体210は、その上部に溝部210aが形成された一方向(図中X方向)に延びる長尺状の構造体である。溝部210aは、X方向に進むにつれて溝深さが浅くなっている。このため、溝部210aに供給された熔融ガラスMGは、溝部210aから溢れ出して、成形体210の両側に設けられた側壁210bを鉛直下方に流れる。両側の側壁210bを流下する熔融ガラスMGは、成形体210の鉛直下方に設けられた下方先端210cで合流し、1つに張り合わされてシートガラス(ガラス板)SGとなる。このような成形体210の溝部210aには、熔融ガラスMGが円滑に供給される(熔融ガラスMGの流れが停留し難い)ことが、失透や脈理を生じさせない点で好ましい。特に、液相温度が高く、液相粘度が成形工程時の熔融ガラスの粘度(成形粘度)に近づき、あるいは、液相粘度が成形粘度より小さくなるような失透し易いガラスでは、ガラス供給管106から溝部210aに供給される熔融ガラスMGの流れが停留することを避けなければならない。
成形体210の溝部210aの流路断面は矩形形状を成している。一方、成形体210の溝部210aと接続するガラス供給管106は移送管であって、一定の流路断面を有するガラス供給管本体106aと、ガラス供給管本体106aの流路断面が徐々に広がるテーパー形状からなる第1管拡張部106bと、ガラス供給管本体106aの端部に設けられた第2管拡張部106cを含む。ガラス供給管本体106a、第1管拡張部106bの流路断面は円形状を成している。また、ガラス供給管本体106aの流路断面形状である円の直径は、溝部210aの溝幅に比べて小さい。熔融ガラスMGをガラス供給管本体106aから、第1管拡張部106b、第2管拡張部106cを通して成形体210の溝部210aに供給するとき、ガラス供給管106を流れる熔融ガラスMGの流路断面の横幅、縦幅(断面積)は、ガラス供給管106の開口端と成形体210の溝部210aの開口端の接続位置に近づくにつれて徐々に広がり、接続位置で溝部210aの溝幅になっている。しかも、この接続位置において、ガラス供給管106の開口端の縁は、溝部210aの開口端における少なくとも底面の縁形状(図3(a)の場合直線形状)に一致する形状を有し、ガラス供給管106(第2管拡張部106c)の壁面は溝部210aの底面と段差なく接続されている。ここで、熔融ガラスMGの流路断面の横幅とは、溝部210aの溝幅方向における幅をいい、熔融ガラスMGの流路断面の縦幅とは、熔融ガラスMGが溝部210aから溢れ出す鉛直方向における幅をいう。
具体的には、第1管拡張部106bの断面形状は、図3(c)に示すように、円形状であり、第1管拡張部106bの底面107bとガラス供給管本体106aの底面とは同一位置(同一高さ)にあり、底面同士が段差なく接続されている。第1管拡張部106bの流路断面の横幅、縦幅は、底面107bを円の基準点として、第2管拡張部106cに近づくにつれて広くなる。このため、第1管拡張部106bの頭頂108bの接合部において、流路断面積が拡大している。
また、第2管拡張部106cの断面形状は、第1管拡張部106bの円形状の流路断面形状から、その断面形状の一部が溝部210aの底面の縁形状である直線形状に一致する形状に変化する。ここで、溝部210aの底面とは、溝部210aの断面形状が矩形形状の場合の溝底に当たる平面の部分の他に、一定の溝幅で深さ方向に延びる部分より下方であって、溝幅が段階的にあるいは連続的に狭くなり溝が終了する部分の面も含まれる。
さらに、第2管拡張部106cの開口端における断面形状は、溝部210aの開口端における側面(側壁面)の縁形状(直線形状)の一部に一致する形状を有している。
なお、ガラス供給管106における熔融ガラスMGの流路断面の幅(断面積)の変化は、連続的にあるいは段階的に行われてもよいが、連続的な幅(断面積)の変化が、熔融ガラスMGの流れを可能な限り停留させない点で好ましい。
また、成形体210の溝部210aとガラス供給管106(第2管拡張部106c)との接続については、例えば、特開2013―234107号公報に記載される内容を含み、当該内容が参酌される。
上述したように、第2管拡張部106cは、溝210aと接続するとき、溝部210aの溝幅と同じ幅を持って溝部210aと接続される。図3(b)に示すように、第2管拡張部106cの開口端の縁は、溝部210aの底面を含む溝下部の縁と一致するように第2管拡張部106cは設けられる。これにより、第2管拡張部106cから溝部210aに流れ込む熔融ガラスMGは、第2管拡張部106cから溝210aに滑らかに流れるので、熔融ガラスMGの流れは滞留し難くなる。もし、第1管拡張部106b、第2管拡張部106cがない場合、ガラス供給管本体106aから溝部210aに進むとき、流路断面が急拡大するので、熔融ガラスMGの流れの停留が起こる場合がある。この場合、熔融ガラスMGは特に底面、頭頂に停留し易く、失透の原因、異質素地(異質な熔融ガラス)の生成の原因となり易い。このため、ガラス供給管106の開口部の縁は、溝部210aの底面を含む溝下部の縁の形状と一致するように第2管拡張部106cが設けられる。
なお、図3(b)に示すように、成形体210の溝部210aには、熔融ガラスMGが溝部210aの底面を含む溝下部から供給され、接続位置において、溝部210aのうち溝下部の上方に位置する溝上部は、図3に示すように板状部材を用いて閉塞されている。このため、熔融ガラスMGは溝部210aの溝下部から供給され、しかも、底面において熔融ガラスMGが停留することなく滑らかに流れるので溝部210aから熔融ガラスMGは滑らかに溢れ出す。
また同様に、ガラス供給管本体106aが第1管拡張部106bと接続するとき、及び、第1管拡張部106bが第2管拡張部106cと接続するとき、同じ幅を持って接続される。これにより、熔融ガラスMGは管が接続する部分においても滑らかに流れるので、熔融ガラスMGの流れは滞留し難くなる。
図4は、ガラス供給管本体106a、第1管拡張部106b、第2管拡張部106c、及び、成形体210の接続位置周辺を上方からみたときの熔融ガラスMGの流れを説明する図である。図4に示すように、熔融ガラスMGをガラス供給管106から成形体210に供給するとき、ガラス供給管106を流れる熔融ガラスMGの流路断面の幅が、成形体210に近づくにつれて拡張している。第1管拡張部106bの流路断面の幅は、ガラス供給管本体106aの流路断面の幅W1から第2拡張部106cの入り口の流路断面の幅W2に向かって徐々に拡張し、第2管拡張部106cの流路断面の幅は、幅W2から成形体210の溝部210aの流路断面の幅W3に向かって徐々に拡張している。ここで、流路断面の幅が拡張する部分、つまり、ガラス供給管本体106aと第1管拡張部106bの頭頂108bとの接合部、第1管拡張部106bと第2管拡張部106cの頭頂108cとの接合部、第2管拡張部106cと溝部210aの頭頂211aとの接合部では、熔融ガラスMGの流れが滞留し易い。熔融ガラスMGの流速は、ガラス供給管106の径方向の中心付近が最も速く、ガラス供給管106の外周付近、例えば、頭頂付近、底面付近では遅くなる。ガラス供給管106の流路断面が急拡大すると、流路断面の急拡大以降を流れる熔融ガラスMGの流速は、この拡大前と比較して急激に低下する。流路断面の幅(管路、断面積)が急激に拡大すると,流体の粘性よりも流体の慣性の影響が強くはたらき、上流からの延長上では流速が速いが、そこから離れると流速は遅くなり、流れの滞留が発生しやすくなる。ここで、流体の慣性とは、それまで流れていた速度(速さ・流れ方向)を維持しようとする性質をいい、流体の粘性とは、粘性応力に起因する圧力損失の原因であり、流体は圧力損失を小さくしようとして、速度勾配を小さくしようとする、また、その結果、流れが管路の断面いっぱいに広がる性質をいう。管路が緩やかに拡大すると、流体の慣性よりも流体の粘性の影響が勝り、流れは管路の断面いっぱいに広がろうとして、よどみは発生しにくい。特に、熔融ガラスMGの温度を下げていく供給工程(ST4)においては、熔融ガラスMGの流速が遅いと、その部分での上流からの熔融ガラスMGの持ち込み顕熱が低下し、温度が下がる。温度が下がると熔融ガラスMGの粘性が上昇するため、さらに流速が下がる。この悪循環を防ぐには、管路設計に注意を払い、流速の遅いよどみ点をつくらないことが重要である。熔融ガラスMGの流速が低下した付近に、停留、よどみが発生すると、成形体210で成形するシートガラス(ガラス板)に、歪み、板厚偏差、脈理等が発生する原因となる。例えば、SiOは軽く、ガラス供給管106の上部に留まりやすく、ZrOは重く、ガラス供給管106の下部(底部)に留まりやすい。ガラス供給管106内において、熔融ガラスMG中にこれらのような成分の不均一性が生じ、脈理の原因となる。このため、ガラス供給管106での流路断面の急激変化を防ぐために、幅の比率W2/W1、W3/W2を、1.1〜2にすることが好ましく、1.2〜1.8にすることがより好ましい。これにより、熔融ガラスMGは、滞留が抑制され、滑らかに成形体210の溝部210aに流れ込む。なお、第1管拡張部106bの長さL1、第2管拡張部106cの長さL2は、幅の比率によって任意に変更できるが、例えば、0.1m〜2mが好ましく、0.1m〜1mがより好ましい。
図5は、ガラス供給管本体106a、第1管拡張部106b、第2管拡張部106c、及び、成形体210の接続位置周辺を側面からみたときの熔融ガラスMGの流れを説明する図である。図5に示すように、ガラス供給管本体106a、第1管拡張部106b、第2管拡張部106c、及び、成形体210の底面は、同一位置(同一高さ)にあり、底面同士が段差なく接続されているため、熔融ガラスMGの滞留は発生し難い。これに対し、ガラス供給管本体106aと第1管拡張部106bの頭頂108bとの接合部、第1管拡張部106bと第2管拡張部106cの頭頂108cとの接合部では、流路断面の幅が広がるため、熔融ガラスMGの流れが滞留し易い。このため、頭頂108b、108cの接合部において、流路断面の幅が急激に広がるのを防ぐ必要がある。本実施形態では、第1管拡張部106bの流路断面の縦幅は、幅W4から幅W5に徐々に拡張し、第2管拡張部106cの流路断面の縦幅は、幅W5から幅W6に徐々に拡張している。ここで、幅の比率W5/W4、W6/W5を、1.1〜2.0にすることが好ましく、1.2〜1.8にすることがより好ましい。これにより、熔融ガラスMGは、滞留が抑制され、滑らかに成形体210の溝部210aに流れ込む。なお、幅W4、W5については、ガラス供給管本体106a、第1管拡張部106bが円形状であるため、幅W1、W2とほぼ等しく、幅W6については、第2管拡張部106cが正方形状であるため、幅W3とほぼ等しいが、管の断面形状にあわせて任意に変更することができる。
熔融ガラスMGの流れの停留は、流路断面が急拡大することによって発生する場合があるが、停留が発生しやすいガラス供給管106の径方向の外周付近(例えば、頭頂、底面)の熔融ガラスMGの温度が、ガラス供給管106の径方向の中心付近の熔融ガラスMGの温度と比較して、一定以上低くなっている(温度差が一定以上ある)場合についても、停留が発生しやすい。このため、ガラス供給管本体106a、第1管拡張部106b、第2管拡張部106cを、耐火煉瓦等の耐火物、断熱体で覆うことにより保温、断熱にする。また、電気ヒーター等によって、ガラス供給管106の径方向の外周付近の熔融ガラスMGを加熱することもできる。本実施形態では、成形体210の溝部210aの開口端における流路断面での最高温度と最低温度との温度差を、20℃以下、または、10℃以下にする。一般的に、溝部210aの開口端における流路断面での最高温度は、管の径方向の中心付近の温度であり、溝部210aの開口端における流路断面での最低温度は、管の径方向の外周(底面、頭頂)付近の温度である。最高温度と最低温度との温度差をなくすことにより、熔融ガラスMGの径方向の温度分布の不均一性によって発生する停留、よどみを抑制することができる。
熔融ガラスMGの温度は、成形体210で成形を行うために適した温度に近づけるために、下流に向かうにつれて徐々に降下する。熔融ガラスMGが成形体210の溝部210aから溢れ出す前段階では、溝部210aにある熔融ガラスMGの液面(表面)温度が一番低い。つまり、図5に示される、成形体210の溝部210a入口の流路断面において、第2管拡張部106cと溝部210aの頭頂211aとの接合部付近の熔融ガラスMGの温度が最も低くなる。ガラス供給管本体106aと第1管拡張部106bの頭頂108bとの接合部、第1管拡張部106bと第2管拡張部106cの頭頂108cとの接合部については、流路断面の幅が拡大する比率を規定することにより、熔融ガラスMGが滞留することを抑制しているが、溝部210aは、熔融ガラスMGが溢れ出る部分であるため、流路断面の幅を規定しても、停留を防げない場合がある。このため、溝部210aにある熔融ガラスMGの液面(表面)、つまり、頭頂211aの接合部付近での温度低下を防ぐことにより、停留、よどみを抑制する必要がある。本実施形態では、溝部210aの上部付近、成形体210の上部(上面)付近、特に、第2管拡張部106cと溝部210aの頭頂211aとの接合部付近に、例えば、抵抗加熱、誘電加熱、マイクロ波加熱によって発熱するヒーター212等を設けることにより、溝部210aにある熔融ガラスMGの液面の温度(成形体210の溝部210a入口の流路断面における最低温度)の低下を抑制し、頭頂211aの接合部付近での熔融ガラスMGの流速が基準速度以上になるよう制御している。ここで、基準速度とは、頭頂211aの接合部付近で熔融ガラスMGによどみが発生しない最低速度であり、例えば、ガラス供給管106(ガラス供給管本体106a、第1管拡張部106b、第2管拡張部106c)を流れる熔融ガラスMGの最高速度(ガラス供給管106の径方向の中心付近の速度)の1/5、または、2.5×10−3m/sである。このようにすることにより、溝部210aに供給された熔融ガラスMGの停留、よどみを抑制することができる。
次に、熔融ガラスMGに停留、よどみが発生しない粘性について説明する。上述したように、成形体310の溝部210a入口の流路断面において、第2管拡張部106cの径方向の中心付近で熔融ガラスMGの温度が最高になり、溝部210a(第2管拡張部106c)の頭頂211aの接続部付近で熔融ガラスMGの温度が最低になる。熔融ガラスMGの温度と熔融ガラスMGの粘性とは相関関係があり、成形体310の溝部210a入口の流路断面において、熔融ガラスMGが最高温度となる付近で熔融ガラスMGの粘性が最小になり、熔融ガラスMGが最低温度となる付近で熔融ガラスMGの粘性が最大になる。熔融ガラスMGの粘性が最大になる付近では、熔融ガラスMGの停留、よどみが発生するおそれがあるため、この熔融ガラスMGの最大粘性を基準値以下となるよう制御することにより、停留等を抑制することができる。本実施形態では、成形体の溝部の開口端における熔融ガラスの粘性を、3300Pa・sから5450Pa・sの範囲内となるよう制御する。つまり、熔融ガラスMGの最大粘性を基準値である5450Pa・s以下となるよう、熔融ガラスMGの最小粘性を3300Pa・s以上となるよう制御する。ガラス供給管本体106aから成形体310の溝部210aに接続する第1管拡張部106b、第2管拡張部106cの幅の比率W2/W1、W3/W2を、1.2〜1.8にすることにより、このような熔融ガラスMGの粘性を実現することができる。
図6(a)、(b)は、成形体210の溝部210aとガラス供給管106との従来の接続状態を説明する図である。図6(a)、(b)に示すように、ガラス供給管106の接続位置における流路断面は、溝部210aの流路断面に比べて小さいので、熔融ガラスMGの流路断面は接続位置で急拡大する。このため、図6(b)に示すように、溝部210aの延びる方向(X方向)に対して傾斜した方向に速度成分を有する熔融ガラスMGの流れが発生し、熔融ガラスMGは、溝部210a内でX方向に滑らかに流れない。特に、溝部210aの底面は、ガラス供給管106の壁面と段差を持って接するので、底面近傍を流れる熔融ガラスMGの流れの停留の程度は大きい。
このように、本実施形態では、ガラス供給管106は、その端部に第1管拡張部106b、第2管拡張部106cを含む。このとき、ガラス供給管106を流れる熔融ガラスMGの流路断面の幅が、ガラス供給管106の開口端と成形体210の溝部210aの開口端の接続位置に近づくにつれて徐々に広がって、接続位置で溝部210aの溝幅になっている。しかも、この接続位置において、ガラス供給管106(第2管拡張部106c)の開口端の縁は、成形体210の溝部210aの開口端における少なくとも底面の縁形状に一致する形状を有し、ガラス供給管106の壁面は溝部210aの底面と段差なく接続されている。このため、本実施形態は、ガラス供給管106から成形体210の溝部210aへの熔融ガラスMGの流れを滑らかにすることができ、熔融ガラスMGの溝部210aにおける滞在時間を比較的一定範囲内に揃えて溝部210aから熔融ガラスMGを溢れ出させることができる。このため、ガラスの失透や異質な熔融ガラスが生じ難く、脈理がなく、均一な板厚の高品質なガラス板を製造することができる。
ここで、成形体210の溝部210aに供給する熔融ガラスMGの流量を一定に保つ方法について説明する。図6(a)、(b)に示される、成形体210の溝部210aとガラス供給管106との従来の接続状態と、図3(a)〜(c)に示される、第1管拡張部106b及び第2管拡張部106cを用いた本実施形態における成形体210の溝部210aとガラス供給管106との接続状態とにおいて、成形体210の溝部210aに到達したときの熔融ガラスMGの流量を比較する。ガラス供給管本体106a、第1管拡張部106b、第2管拡張部106cを通過する熔融ガラスMGの圧力損失は、ハーゲン・ポアズイユの式、ダルシー・ワイスバッハの式に、熔融ガラスの流速、熔融ガラスの粘性係数、ガラス供給管の管半径等を代入することにより求まる。ここで、圧力損失とは、流体が配管などを通過する際の単位時間単位流量あたりのエネルギー損失をいい、圧力損失が増えると流量は減少し、圧力損失が減ると流量は増加する。本実施形態における接続状態では、管径が徐々に拡大する第1管拡張部106b及び第2管拡張部106cを用いているため、圧力損失は従来の接続状態と比べて減少している。圧力損失が減少しているため、本実施形態における熔融ガラスMGの流量は、従来と比較して増加している。本実施形態における熔融ガラスMGの流量と従来の熔融ガラスMGの流量とを同一にする(一定に保つため)には、本実施形態におけるガラス供給管106(ガラス供給管本体106a、第1管拡張部106b、第2管拡張部106c)での圧力損失を大きくする必要がある。圧力損失を大きくする手法として、例えば、熔融ガラスMGの流速を高める手法、また、熔融ガラスMGの粘性を高める手法がある。そこで、本実施形態では、第1管拡張部106bに熔融ガラスMGを供給するガラス供給管本体106aを流れる熔融ガラスMGの流速を高めるために、ガラス供給管本体106aの管径を、従来より小さく、例えば、φ50〜150にする。また、ガラス供給管本体106aから第1管拡張部106bに流れる熔融ガラスMGの温度を、従来より低く、例えば、1150℃〜1300℃に低下させて、熔融ガラスMGの粘性を上昇させる。このようにすることにより、ガラス供給管106(ガラス供給管本体106a、第1管拡張部106b、第2管拡張部106c)での圧力損失を大きくし、成形体210の溝部210aに供給する熔融ガラスMGの流量を一定に保つことができる。なお、ガラス供給管本体106aの管径、第1管拡張部106bに流れる熔融ガラスMGの温度は、熔融ガラスMGの組成、第1管拡張部106b及び第2管拡張部106cの形状、幅長等によって変化するものであり、任意である。
(ガラス板の特性、適用)
本実施形態のガラス板をフラットパネルディスプレイ用ガラス板に用いる場合、以下のガラス組成を有するようにガラス原料を混合するものが例示される。
SiO:50〜70質量%、
Al:0〜25質量%、
:1〜15質量%、
MgO:0〜10質量%、
CaO:0〜20質量%、
SrO:0〜20質量%、
BaO:0〜10質量%、
RO:5〜30質量%(ただし、RはMg、Ca、Sr及びBaの合量)、
を含有する無アルカリガラス。
なお、本実施形態では無アルカリガラスとしたが、ガラス板はアルカリ金属を微量含んだアルカリ微量含有ガラスであってもよい。アルカリ金属を含有させる場合、R’Oの合計が0.10質量%以上0.5質量%以下、好ましくは0.20質量%以上0.5質量%以下(ただし、R’はLi、Na及びKから選ばれる少なくとも1種であり、ガラス板が含有するものである)含むことが好ましい。勿論、R’Oの合計が0.10質量%より低くてもよい。
また、本発明のガラス板の製造方法を適用する場合は、ガラス組成物が、上記各成分に加えて、SnO:0.01〜1質量%(好ましくは0.01〜0.5質量%)、Fe:0〜0.2質量%(好ましくは0.01〜0.08質量%)を含有し、環境負荷を考慮して、As、Sb及びPbOを実質的に含有しないようにガラス原料を調製しても良い。
また、近年フラットパネルディスプレイの画面表示のさらなる高精細化を実現するために、α−Si(アモルファスシリコン)・TFTではなく、p−Si(低温ポリシリコン)・TFTや酸化物半導体を用いたディスプレイが求められている。ここで、p−Si(低温ポリシリコン)TFTや酸化物半導体の形成工程では、α−Si・TFTの形成工程よりも高温な熱処理工程が存在する。このため、p−Si・TFTや酸化物半導体が形成されるガラス板には、熱収縮率が小さいことが求められている。熱収縮率を小さくするためには、歪点を高くすることが好ましいが、歪点が高いガラスは、上述したように液相温度が高く、液相粘度が低くなる傾向にある。すなわち、上記液相粘度は、成形工程における熔融ガラスの適正な粘度に近づく。このため、失透を抑制するためには、成形体210の溝部210aにおいて熔融ガラスMGの流れを停留させないことがより強く求められる。本実施形態では、熔融ガラスMGの流れが停留し難い。したがって、本発明のガラス板の製造方法は、例えば歪点が655℃以上のガラスを用いたガラス板にも適用できる。特に、p−Si・TFTや酸化物半導体に好適な歪点が655℃以上、歪点が680℃以上、さらには、歪点が690℃以上のガラスを用いたガラス板にも、本発明のガラス板の製造方法は適用でき、失透は生じ難い。
また、液相粘度が6000Pa・s以下のガラス、さらには、液相粘度が5000Pa・s以下のガラス、特に、液相粘度が4500Pa・s以下のガラスを用いたガラス板にも本発明のガラス板の製造法を適用でき、失透は生じ難い。
歪点が655℃以上あるいは液相粘度が4500Pa・s以下のガラスをガラス板に用いる場合、ガラス組成としては、例えば、ガラス板が質量%表示で、以下の成分を含むものが例示される。
SiO:52〜78質量%、
Al:3〜25質量%、
:3〜15質量%、
RO(但し、RはMg、Ca、Sr及びBaから選ばれる、ガラス板が含有する全ての成分であって、少なくとも1種である)3〜20質量%、を含み、
質量比(SiO+Al)/Bは7〜20の範囲にある無アルカリガラスまたはアルカリ微量含有ガラスであることが、好ましい。
さらに、歪点をより上昇するために、質量比(SiO+Al)/ROは7.5以上であることが好ましい。さらに、歪点を上昇させるために、β−OH値を0.1〜0.3mm−1とすることが好ましい。さらに、高い歪点を実現しつつ液相粘度の低下を防止するためにCaO/ROは0.65以上とすることが好ましい。環境負荷を考慮して、As、Sb及びPbOを実質的に含有しないようにガラス原料を調製してもよい。
さらに、上述した成分に加え、本実施形態のガラス板に用いるガラスは、ガラスの様々な物理的、溶融、清澄、および、成形の特性を調節するために、様々な他の酸化物を含有しても差し支えない。そのような他の酸化物の例としては、以下に限られないが、SnO、TiO、MnO、ZnO、Nb、MoO、Ta、WO、Y、および、Laが挙げられる。ここで、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ用ガラス板は、泡に対する要求が特に厳しいので、上記酸化物の中では清澄効果が大きいSnOを少なくとも含有することが好ましい。
上記ROの供給源には、硝酸塩や炭酸塩を用いることができる。なお、溶融ガラスの酸化性を高めるには、ROの供給源として硝酸塩を工程に適した割合で用いることがより望ましい。
以上、本発明のガラス板の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
以下に、実施例により本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
熔融ガラスMGをガラス供給管本体106aから、第1管拡張部106b、第2管拡張部106cを通して成形体210の溝部210aに供給し、成形体210で成形したガラス板における歪み、板厚偏差、脈理等の発生を確認した。第1管拡張部106bの幅の比率W2/W1を1.8、第2管拡張部106cの率W3/W2を1.2とした。成形体210の入り口での、熔融ガラスMGの流量が100kg/1day、ガラス供給管本体106aから第1管拡張部106bに流れ込む熔融ガラスMGの温度が1235℃になるよう設定した。この条件において成形したガラス板における歪み、板厚偏差、脈理の発生結果を表1に示す。
Figure 0006346461
表1に示すように、ガラス供給管106の拡張率(幅の比率)を、1.2〜1.8にした場合、成形したガラス板では要求スペックを満たさない歪み、板厚偏差、脈理は発生しなかった。
以上の結果から、ガラス供給管106の拡張率(幅の比率)を1.8以下にすることにより、ガラス供給管106における熔融ガラスの停留、よどみを抑制し、歪み、板厚偏差、脈理の発生を防ぐことができることがわかった。
(実施例2)
ガラス供給管106の拡張率(幅の比率)を実施例1と変え、ガラス板における歪み、板厚偏差、脈理等の発生を確認した。第1管拡張部106bの幅の比率W2/W1を2.2、第2管拡張部106cの率W3/W2を2.5とし、他の条件においては、実施例1と同一に設定した。この条件において成形したガラス板における歪み、板厚偏差、脈理の発生結果を表2に示す。
Figure 0006346461
表2に示すように、ガラス供給管106の拡張率(幅の比率)を、2より大きくした場合、歪み、板厚偏差、脈理は要求スペックを満たさず、発生が確認された。
以上の結果から、ガラス供給管106の拡張率(幅の比率)を2より大きい場合では、ガラス供給管106における熔融ガラスの停留、よどみを抑制できず、歪み、板厚偏差、脈理が発生することがわかった。
(実施例3)
ガラス供給管106、成形体210の溝部210aを流れる熔融ガラスMGの流速、温度、粘性と、成形体210で成形したガラス板で発生する歪み、板厚偏差、脈理との関係性を調査した。実施例1における第1管拡張部106b、第2管拡張部106cを用いた場合、実施例2における第1管拡張部106b、第2管拡張部106cを用いた場合において、成形体210の溝部210a入口の流路断面において、第2管拡張部106cの径方向の中心付近の熔融ガラスMGの速度、温度及び粘性と、溝部210aに供給された熔融ガラスMGの液面(成形体210の溝部210a入口の流路断面の上部、または、第2管拡張部106cと溝部210aとの頭頂211aの接合部付近)での速度、温度及び粘性とを測定した。熔融ガラスMGの温度、粘度は、温度測定器、粘度測定器を用いて求めた。また、熔融ガラスMGの流速(速度)の測定方法は、ガラス供給管106内にピトー管を挿入し、動圧をマノメータで測定することにより求めた。熔融ガラスMGの流速(速度)の測定結果を表3に示す。また、熔融ガラスMGの温度の測定結果を表4に示す。また、熔融ガラスMGの粘性の測定結果を表5に示す。
Figure 0006346461
Figure 0006346461
Figure 0006346461
表3に示すように、実施例1の条件では、溝部210aの液面での熔融ガラスMGの速度は2.5×10−3m/sであり、実施例2の条件では、溝部210aの液面での熔融ガラスMGの速度は9.1×10−4m/sであった。上述したように、実施例1では、ガラス板に歪み、板厚偏差、脈理が発生しない(要求スペックを満た)し、実施例2では、ガラス板に歪み等が発生した(要求スペックを満たさない)ため、溝部210aの液面での熔融ガラスMGの速度が、2.5×10−3m/s以上である場合に歪み等が発生せず、9.1×10−4m/s程度の場合に歪み等が発生することがわかった。また、溝部210aに供給された熔融ガラスMGの液面での(最低)速度が、第2管拡張部106cの径方向の中心付近の熔融ガラスMGの(最高)速度の1/5(=(2.5×10−3)/(1.2×10−2m/s))以上であれば、ガラス板に歪み等が発生しないことがわかった。
また、表4に示すように、実施例1の条件では、溝部210aの液面での熔融ガラスMGの温度と第2管拡張部106cの径方向の中心付近の熔融ガラスMGの温度との差は、10℃〜20℃であり、実施例2の条件では、40℃〜60℃であった。上述したように、実施例1では歪み等が発生せず、実施例2では歪み等が発生している。このため、溝部210aの液面での熔融ガラスMGの温度と第2管拡張部106cの径方向の中心付近の熔融ガラスMGの温度との差が、20℃以下であれば、ガラス板に歪み等が発生しないことがわかった。
また、表5に示すように、実施例1の条件では、熔融ガラスMGの粘性は3300Pa・s〜5450Pa・sであり、実施例2の条件では、熔融ガラスMGの粘性は2750Pa・s〜7350Pa・sであった。上述したように、実施例1では歪み等が発生せず、実施例2では歪み等が発生している。このため、溝部210aの液面での熔融ガラスMGの粘性、つまり、成形体210の溝部210a入口の流路断面での熔融ガラスMGの最大の粘性が5450Pa・s以下であれば、ガラス板に歪み等が発生しないことがわかった。
以上の結果から、熔融ガラスの速度が最も遅くなる成形体の溝部の液面での流速、粘性を制御することにより、熔融ガラスの停留、よどみを抑制し、歪み、板厚偏差、脈理の発生を防ぐことができることがわかった。また、熔融ガラスの温度が最も高くなるガラス供給管の中心の温度と熔融ガラスの温度が最も低くなる成形体の溝部の液面の温度との差を制御することにより、熔融ガラスの停留、よどみを抑制し、歪み、板厚偏差、脈理の発生を防ぐことができることがわかった。
100 熔解装置
101 熔解槽
101d バケット
102 清澄槽
103 攪拌槽
103a スターラ
104、105、106 ガラス供給管
106a ガラス供給管本体
106b 第1管拡張部
106c 第2管拡張部
200 成形装置
210 成形体
210a 溝部
210b 側壁
210c 下方先端
210d 底面
210e 溝傾斜面
300 切断装置

Claims (7)

  1. 成形体に熔融ガラスを流してガラス板を製造するガラス板の製造方法であって、
    ガラス原料を熔解して熔融ガラスを生成する熔解工程と、
    前記熔融ガラスを、移送管を通して前記成形体に供給する供給工程と、
    前記成形体の溝部に前記熔融ガラスを流しつつダウンドロー法により前記熔融ガラスからガラス板を成形する成形工程と、を備え、
    前記供給工程において、前記熔融ガラスを前記移送管から前記成形体の溝部に供給するとき、前記移送管の開口端と前記成形体の前記溝部の開口端との接続位置において前記溝部の溝幅に対応する前記移送管のが前記溝部の溝幅に同じになるように、前記移送管を流れる熔融ガラスの流路断面積を、前記接続位置に近づくにつれて徐々に広げ、前記成形体の溝部の開口端における熔融ガラスの粘性を、3300Pa・s〜5450Pa・sとなるよう制御する、
    ことを特徴とするガラス板の製造方法。
  2. 成形体に熔融ガラスを流してガラス板を製造するガラス板の製造方法であって、
    ガラス原料を熔解して熔融ガラスを生成する熔解工程と、
    前記熔融ガラスを、移送管を通して前記成形体に供給する供給工程と、
    前記成形体の溝部に前記熔融ガラスを流しつつダウンドロー法により前記熔融ガラスからガラス板を成形する成形工程と、を備え、
    前記供給工程において、前記熔融ガラスを前記移送管から前記成形体の溝部に供給するとき、前記移送管の開口端と前記成形体の前記溝部の開口端との接続位置において前記溝部の溝幅に対応する前記移送管の幅が前記溝部の溝幅に同じになるように、前記移送管を流れる熔融ガラスの流路断面積を、前記接続位置に近づくにつれて徐々に広げ、前記成形体の溝部の開口端における熔融ガラスの最大の粘性を、5450Pa・s以下となるよう制御し、
    前記溝部の溝底に接続される前記移送管の底部は、前記流路断面積が広がる管拡張部において、前記接続位置まで直線状に延びる一方、前記底部から前記移送管の前記底部に対向する頂部までの高さは、前記接続位置に進むに連れて大きくなるように構成されている、ことを特徴とするガラス板の製造方法。
  3. 成形体に熔融ガラスを流してガラス板を製造するガラス板の製造方法であって、
    ガラス原料を熔解して熔融ガラスを生成する熔解工程と、
    前記熔融ガラスを、移送管を通して前記成形体に供給する供給工程と、
    前記成形体の溝部に前記熔融ガラスを流しつつダウンドロー法により前記熔融ガラスからガラス板を成形する成形工程と、を備え、
    前記供給工程において、前記熔融ガラスを前記移送管から前記成形体の溝部に供給するとき、前記移送管の開口端と前記成形体の前記溝部の開口端との接続位置において前記溝部の溝幅に対応する前記移送管の幅が前記溝部の溝幅に同じになるように、前記移送管を流れる熔融ガラスの流路断面積を、前記接続位置に近づくにつれて徐々に広げ、前記成形体の溝部の開口端における熔融ガラスの最大の粘性を、5450Pa・s以下となるよう制御し、
    前記移送管は、前記移送管の幅が前記接続位置に近づくに連れて広がり、前記接続位置で前記溝部と接続する管拡張部を備え、
    前記成形体の溝部の開口端の幅と前記管拡張部の前記接続位置と反対側の端における幅との比率が、1.2〜1.8である、
    ことを特徴とするガラス板の製造方法。
  4. 前記成形体の溝部の開口端における流路断面での最高温度と最低温度との差を、20℃以下にする、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
  5. 成形体に熔融ガラスを流してガラス板を製造するガラス板の製造装置であって、
    ガラス原料を熔解して熔融ガラスを生成する熔解装置と、
    前記熔融ガラスを通して前記成形体に供給する移送管と、
    前記成形体の溝部に前記熔融ガラスを流しつつダウンドロー法により前記熔融ガラスからガラス板を成形する成形装置と、を備え、
    前記移送管において、前記熔融ガラスを前記移送管から前記成形体の溝部に供給するとき、前記移送管の開口端と前記成形体の前記溝部の開口端との接続位置において前記溝部の溝幅に対応する前記移送管のが前記溝部の溝幅に同じになるように、前記移送管を流れる熔融ガラスの流路断面積を、前記移送管の開口端と前記成形体の前記溝部の開口端との接続位置に近づくにつれて徐々に広げ、前記成形体の溝部の開口端における熔融ガラスの粘性を、3300Pa・s〜5450Pa・sとなるよう制御する、
    ことを特徴とするガラス板の製造装置。
  6. 成形体に熔融ガラスを流してガラス板を製造するガラス板の製造装置であって、
    ガラス原料を熔解して熔融ガラスを生成する熔解装置と、
    前記熔融ガラスを通して前記成形体に供給する移送管と、
    前記成形体の溝部に前記熔融ガラスを流しつつダウンドロー法により前記熔融ガラスからガラス板を成形する成形装置と、を備え、
    前記移送管において、前記熔融ガラスを前記移送管から前記成形体の溝部に供給するとき、前記移送管の開口端と前記成形体の前記溝部の開口端との接続位置において前記溝部の溝幅に対応する前記移送管の幅が前記溝部の溝幅に同じになるように、前記移送管を流れる熔融ガラスの流路断面積を、前記移送管の開口端と前記成形体の前記溝部の開口端との接続位置に近づくにつれて徐々に広げ、前記成形体の溝部の開口端における熔融ガラスの最大の粘性を、5450Pa・s以下となるよう制御し、
    前記溝部の溝底に接続される前記移送管の底部は、前記流路断面積が広がる管拡張部において、前記接続位置まで直線状に延びる一方、前記底部から前記移送管の前記底部に対向する頂部までの高さは、前記接続位置に進むに連れて大きくなるように構成されている、
    ことを特徴とするガラス板の製造装置。
  7. 成形体に熔融ガラスを流してガラス板を製造するガラス板の製造装置であって、
    ガラス原料を熔解して熔融ガラスを生成する熔解装置と、
    前記熔融ガラスを通して前記成形体に供給する移送管と、
    前記成形体の溝部に前記熔融ガラスを流しつつダウンドロー法により前記熔融ガラスからガラス板を成形する成形装置と、を備え、
    前記移送管において、前記熔融ガラスを前記移送管から前記成形体の溝部に供給するとき、前記移送管の開口端と前記成形体の前記溝部の開口端との接続位置において前記溝部の溝幅に対応する前記移送管の幅が前記溝部の溝幅に同じになるように、前記移送管を流れる熔融ガラスの流路断面積を、前記移送管の開口端と前記成形体の前記溝部の開口端との接続位置に近づくにつれて徐々に広げ、前記成形体の溝部の開口端における熔融ガラスの最大の粘性を、5450Pa・s以下となるよう制御し、
    前記移送管は、前記移送管の幅が前記接続位置に近づくに連れて広がり、前記接続位置で前記溝部と接続する管拡張部を備え、
    前記成形体の溝部の開口端の幅と前記管拡張部の前記接続位置と反対側の端における幅との比率が、1.2〜1.8である、
    ことを特徴とするガラス板の製造装置。
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