JP2016124751A - ディスプレイ用ガラス基板の製造方法および製造装置 - Google Patents

ディスプレイ用ガラス基板の製造方法および製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】成形体に付着した高粘性のガラスを除去することで、シートガラスに表面凹凸が生成されることを抑制する。【手段】上端から下端に向かって幅が狭くなる鉛直断面楔形状の成形体の上部から両側の側壁に沿って熔融ガラスを定常的に流下させ、前記成形体の下端部で熔融ガラスを合流させることにより連続したシートガラスを成形する工程と、前記シートガラスをローラにより挟持して下方に引っ張る工程と、前記シートガラスの搬送方向に発生する表面凹凸の凹凸量を検出する工程と、を有するガラス基板の製造方法において、検出された表面凹凸の凹凸量が所定の基準値以上である場合、前記成形体から流下される熔融ガラスの幅又は張力を変動させることで、前記成形体に付着した、前記成形体から流下される熔融ガラスよりも高粘性のガラスを前記成形体から除去する。【選択図】図3

Description

本発明は、ディスプレイ用ガラス基板の製造方法および製造装置に関する。
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどのフラットパネルディスプレイに用いるガラス基板(以下、「ディスプレイ用ガラス基板」という)を製造するのに、オーバーフローダウンドロー法が使用される場合がある(例えば特許文献1参照)。オーバーフローダウンドロー法は、成形炉において熔融ガラスを成形体の上部から溢れ(オーバーフロー)させることにより成形体の下方において板状のシートガラスを成形する工程と、シートガラスを徐冷炉において徐冷する冷却工程とを含む。徐冷炉では、対になったローラ間にシートガラスを引き込み、ローラによりシートガラスを下方に搬送しながら所望の厚さに引き伸ばした後、シートガラスを徐冷する。この後、シートガラスを所定の寸法に切断することでガラス板が形成される。
特許第5246568号 特表2013−528148
オーバーフローダウンドロー法により製造されたシートガラスに、周囲とは屈折率や比重が異なる筋状の領域(脈理)が生じる場合がある。脈理の一因として、熔融ガラスの組成が均一とならないために局所的に高粘性のガラスが生じ、この高粘性のガラスが成形体に付着することがある。
高粘性のガラスが成形体に付着すると、高粘性のガラスが付着した位置に脈理が形成され、成形後のシートガラスに幅方向に幅の広い表面凹凸が残存する。表面凹凸の生成を解消するために、特許文献2では、熔融ガラスを局所的に冷却することで表面凹凸を調整することが記載されている。しかし、特許文献2に記載される方法では、根本的には解決することができず、また1インチ以下の幅の凹凸を修正することは困難である。
本発明は、成形体に付着した高粘性のガラス、又は結晶化が進んだガラスを除去することで、シートガラスに表面凹凸が生成されることを抑制することができるガラス基板の製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様は、ガラス基板の製造方法であって、
成形体の上部から両側壁に沿って熔融ガラスを流下させ、前記成形体の下端部で合流した熔融ガラスをローラにより挟持して下方に引っ張りながら搬送する工程と、
前記シートガラスの搬送方向に発生する表面凹凸の凹凸量を検出する工程と、を有し、
検出された表面凹凸の凹凸量が所定の基準値以上である場合、前記成形体から流下される熔融ガラスの幅、又は、前記熔融ガラスに作用する張力を変動させることで、前記成形体に付着した、前記成形体から流下される熔融ガラスよりも高粘性のガラスを前記成形体から除去する、ことを特徴とする。
前記ローラにより前記シートガラスを引っ張る力を変動させることで、前記熔融ガラスの張力を変動させる、ことが好ましい。
前記ローラを前記シートガラスから離すことで、前記熔融ガラスの張力を変動させる、ことが好ましい。
前記ローラにより前記シートガラスを引っ張る前記シートガラスの幅方向の位置を変動させることで、前記熔融ガラスの幅を変動させる、ことが好ましい。
前記成形体が収納される成形炉の温度を変動させることで、前記熔融ガラスの張力を変動させる、ことが好ましい。
前記成形体から流下される溶融ガラスの幅、又は、前記溶融ガラスに作用する張力を変動させる際に、前記成形体から流下される前記溶融ガラスの粘度を、500,000poise以下とする、ことが好ましい。
本発明の第二の態様は、ガラス基板の製造装置であって、
上端から下端に向かって幅が狭くなる鉛直断面楔形状の成形体を収納し、前記成形体の上部から両側の側壁に沿って定常的に流下される熔融ガラスが前記成形体の下端部で合流する連続したシートガラスが成形される成形炉と、
前記シートガラスを挟持して下方に引っ張るローラを有する徐冷炉と、
前記シートガラスの搬送方向に発生する表面凹凸の前記シートガラスの幅方向の位置および凹凸量を検出する検出装置と、を有し、
前記検出装置により検出された表面凹凸の凹凸量が所定の基準値以上である場合、前記成形体から流下される熔融ガラスの幅又は張力を変動させることで、前記成形体に付着した、前記成形体から流下される熔融ガラスよりも高粘性のガラスを前記成形体から除去する、ことを特徴とする。
上述の態様のガラス板の製造方法及びガラス板の製造装置によれば、成形体から流下される熔融ガラスの幅又は張力を変動させることで、成形体に付着した高粘性のガラスに熔融ガラスが作用する力を変動させ、成形体に付着した高粘性のガラスを除去し、シートガラスに表面凹凸が生成されることを抑制することができる。
本実施形態の製造方法のフローを示す図である。 ガラス基板の製造装置の概略図である。 成形装置の概略図である。 図3のIV−IV矢視断面図である。
以下、本発明のガラス基板の製造方法について説明する。
(ガラス基板の製造方法の全体概要)
図1は、本実施形態のガラス基板の製造方法の工程の一例を示す図である。ガラス基板の製造方法は、熔解工程(ST1)、清澄工程(ST2)、均質化工程(ST3)、供給工程(ST4)、成形工程(ST5)、徐冷工程(ST6)、検出工程(ST7)、および、切断工程(ST8)を主に有する。この他に、研削工程、研磨工程、洗浄工程、検査工程、梱包工程等を有してもよい。製造されたガラス基板は、必要に応じて梱包工程で積層され、納入先の業者に搬送される。
熔解工程(ST1)では、ガラス原料を加熱することにより熔融ガラスを作る。
清澄工程(ST2)では、熔融ガラスが昇温されることにより、熔融ガラス中に含まれる酸素、CO2あるいはSO2を含んだ泡が発生する。この泡が熔融ガラス中に含まれる清澄剤(酸化スズ等)の還元反応により生じた酸素を吸収して成長し、熔融ガラスの液面に浮上して放出される。その後、清澄工程では、熔融ガラスの温度を低下させることにより、清澄剤の還元反応により得られた還元物質が酸化反応をする。これにより、熔融ガラスに残存する泡中の酸素等のガス成分が熔融ガラス中に再吸収されて、泡が消滅する。
均質化工程(ST3)では、スターラを用いて熔融ガラスを撹拌することにより、ガラス成分の均質化を行う。これにより、脈理等の原因であるガラスの組成ムラを低減することができる。均質化工程は、後述する撹拌槽において行われる。
供給工程(ST4)では、撹拌された熔融ガラスが成形装置に供給される。
成形工程(ST5)及び徐冷工程(ST6)は、成形装置で行われる。
成形工程(ST5)では、熔融ガラスをシートガラスに成形し、シートガラスの流れを作る。成形には、オーバーフローダウンドロー法が用いられる。
徐冷工程(ST6)では、成形されて流れるシートガラスが所望の厚さになり、内部歪が生じないように、さらに、反りが生じないように冷却される。
検出工程(ST7)では、徐冷後のシートガラスの表面凹凸の有無、表面凹凸の幅方向の位置、表面凹凸の凹凸量(基準面からの凹み量又は突出量)等を検出する。
切断工程(ST8)では、徐冷後のシートガラスを所定の長さに切断することで、板状のガラス基板を得る。切断されたガラス基板はさらに、所定のサイズに切断され、目標サイズのガラス基板が作られる。
図2は、本実施形態における熔解工程(ST1)〜切断工程(ST8)を行うガラス基板の製造装置の概略図である。ガラス基板の製造装置は、図2に示すように、主に熔解装置100と、成形装置200と、切断装置300と、を有する。熔解装置100は、熔解槽101と、清澄管102と、撹拌槽103と、移送管104、105と、ガラス供給管106と、を有する。
図2に示す熔解槽101には、図示されないバーナー等の加熱手段が設けられている。熔解槽には清澄剤が添加されたガラス原料が投入され、熔解工程(ST1)が行われる。熔解槽101で熔融した熔融ガラスは、移送管104を介して清澄管102に供給される。
清澄管102では、熔融ガラスMGの温度を調整して、清澄剤の酸化還元反応を利用して熔融ガラスの清澄工程(ST2)が行われる。具体的には、清澄管102内の熔融ガラスが昇温されることにより、熔融ガラス中に含まれる酸素、CO2あるいはSO2を含んだ泡が、清澄剤の還元反応により生じた酸素を吸収して成長し、熔融ガラスの液面に浮上して気相空間に放出される。その後、熔融ガラスの温度を低下させることにより、清澄剤の還元反応により得られた還元物質が酸化反応をする。これにより、熔融ガラスに残存する泡中の酸素等のガス成分が熔融ガラス中に再吸収されて、泡が消滅する。清澄後の熔融ガラスは、移送管105を介して撹拌槽103に供給される。
撹拌槽103では、撹拌子110によって熔融ガラスが撹拌されて均質化工程(ST3)が行われる。撹拌槽103で均質化された熔融ガラスは、ガラス供給管106を介して成形装置200に供給される(供給工程ST4)。
成形装置200では、オーバーフローダウンドロー法により、熔融ガラスからシートガラスSGが成形され(成形工程ST5)、徐冷され(徐冷工程ST6)、徐冷後のシートガラスSGの表面凹凸が検出される(検出工程ST7)。
切断装置300では、シートガラスSGから切り出された板状のガラス基板が形成される(切断工程ST8)。
熔解槽101、清澄管102、撹拌槽103等の処理装置においては、処理装置の壁面からジルコニア等の不純物が熔融ガラス中に溶出して組成が変化するおそれがある。
また、上記処理装置における熔融ガラスの表面から気相空間にホウ素等の揮発成分が揮発することで熔融ガラスの組成が変化する場合がある。特に熔融ガラスが高温となる清澄管102では、揮発量が多くなることが考えられる。
このように組成が変化したことにより高粘性となったガラスが成形装置200内の成形体210(図3、図4参照)に付着すると、シートガラスの幅方向に幅の広い脈理(表面凹凸)が形成されるおそれがある。そこで、本実施形態においては、成形装置200において、成形体210に付着した高粘性のガラスを除去する処理を行う。以下、本実施形態に係る成形装置200について説明する。
(成形装置)
図3は成形装置200を示す概略図であり、図4は図3のIV−IV矢視断面図である。
成形装置200の炉壁は、酸化被膜が形成されたSiC部材、耐火レンガ、耐火断熱レンガ、ファイバー系断熱材等の耐火物、及びステンレスなどの金属の組み合わせにより形成されている。図3、図4に示すように、成形装置200の内部空間は、成形炉201と、成形炉201の下部の徐冷炉202とに区分けされている。成形炉201では成形工程(ST5)が行われ、徐冷炉202では徐冷工程(ST6)が行われる。
成形炉201は、雰囲気仕切り部材260(0)によって上部成形炉201Aと下部成形炉201Bとに区分けされている。
上部成形炉201Aには、成形体210が設けられている。上部成形炉201Aには、雰囲気及び成形体、成形体を流下する熔融ガラスを加熱するための図示しないヒータが設けられている。
成形体210には、図2に示すガラス供給管106を通して熔解装置100から熔融ガラスが供給される。なお、ガラス供給管106は白金からなり、通電により加熱され、ガラス供給管106から成形体210に供給される熔融ガラスの温度・粘度を調整することができる。
成形体210は、耐火レンガ等によって構成された細長い構造体であり、図4に示すように、上端から下端に向かって幅が狭くなる鉛直断面楔形状を成している。成形体210の上部には、熔融ガラスMGを導く流路となる溝212が設けられている。溝212は、第3配管106と接続され、第3配管106を通して流れてくる熔融ガラスMGは、溝212を伝って流れる。溝212の深さは、熔融ガラスMGの流れの下流ほど浅くなっているため、溝212を流れる熔融ガラスMGは徐々に溝212から溢れ出し、成形体210の両側の側壁を伝わって流下し、成形体210の下方端部213で合流し、融合して鉛直下方に流下する。これにより、成形装置200内で成形体210から鉛直下方に向かうシートガラスSGが作られる。
なお、成形体210の下方端部213の直下におけるシートガラスSGの温度は、105.7〜107.5poiseの粘度に相当する温度であり、例えば1000〜1130℃である。
成形体210の長さ方向の両端部には、ガイド部材214、215が設けられている。ガイド部材214、215は、溝212から溢れ出す熔融ガラスが成形体210の両端の方向(図3の左右方向)に溢れ出すのを抑制する。ガイド部材214、215は、例えば白金族金属等からなる。
雰囲気仕切り部材260(0)は、成形体210の下方端部213の下方近傍に設けられており、成形炉201Aの内部空間を上部成形炉201Aと下部成形炉201Bとに区分けする。雰囲気仕切り部材260(0)は、一対の板状の断熱材であって、シートガラスSGを厚さ方向(図中X方向)の両側から挟むように、シートガラスSGの厚さ方向の両側に設けられている。シートガラスSGと雰囲気仕切り部材260(0)との間には、雰囲気仕切り部材260(0)がシートガラスSGに接触しない程度に隙間が設けられている。雰囲気仕切り部材260(0)は、成形装置200の内部空間を仕切ることにより、雰囲気仕切り部材260(0)の上方の成形炉201と下方の徐冷炉202との間の熱の移動を遮断する。
下部成形炉201Bには、1対の冷却ローラ230と、冷却装置240が設けられている。
冷却ローラ230および冷却装置240は、雰囲気仕切り部材260(0)の下方に設けられている。
1対の冷却ローラ230は、図3、図4に示すように、シートガラスSGを厚さ方向の両側から挟持して下方に引っ張るように、シートガラスSGの厚さ方向の両側に設けられている。冷却ローラ230は、シートガラスSGの幅方向両端部を、約109・0poise以上の粘度に相当する温度(例えば900℃)以下の温度に低下するように、冷却する。冷却ローラ230は中空であり、内部に冷却媒体(例えば空気等)が供給されることにより急冷されている。
冷却ローラ230はシートガラスSGの幅方向(図3の左右方向)に移動可能に設けられている。冷却ローラ230によるシートガラスSGの冷却位置を調整することで、シートガラスSGの幅を調整することができる。シートガラスSGの幅を調整することにより、成形体210から流下される熔融ガラスの幅(図3の左右方向の長さ)を調整することができる。
冷却装置240は、複数の冷却ユニット(端部冷却ユニット241および中央冷却ユニット242)からなり、シートガラスSGを冷却する。
端部冷却ユニット241は、シートガラスSGの幅方向両端部を、1014.5poise以上の粘度に相当する温度に低下するように、冷却する。
中央冷却ユニット242は、シートガラスSGの幅方向の中央部を、軟化点より高い温度から、徐冷点近傍まで冷却する。ここで、シートガラスSGの中央部とは、シートガラス成形後に切断される対象を除く領域であり、シートガラスSGの板厚が均一となるように製造される領域である。
中央冷却ユニット242は、例えば上下方向に3段のユニット(上段ユニット242a、中段ユニット242b、下段ユニット242c)からなる。上段ユニット242aは成形体210の下端213から離れたシートガラスSGを軟化点近傍まで急冷し、中段ユニット242bおよび下段ユニット242cは、緩やかな冷却により、シートガラスSGを徐冷点近傍まで冷却する。
徐冷炉202は、壁203を有している。壁203は、徐冷炉202のシートガラスSGが搬送される炉内と、外空間の炉外とを区画している。徐冷炉202には、複数の搬送部材250(1)、250(2)、…、250(n)と、複数の温度調整装置270(1)、270(2)、270(n)と、複数の仕切り板260(1)、260(2)、…、260(n)とが設けられている。
徐冷炉202は、仕切り板260(1)により下部成形炉201Bと仕切られており、徐冷炉202の内部空間は、仕切り板260(1)以外の複数の仕切り板2022、…、202nにより高さ方向に複数の空間に仕切られている。複数の仕切り板260(1)、260(2)、…、260(n)により仕切られた各空間にそれぞれ搬送部材250(1)、250(2)、…、250(n)、複数の温度調整装置270(1)、270(2)、270(n)が設けられている。具体的には、仕切り板260(1)および仕切り板260(2)により仕切られた空間に搬送部材250(1)および温度調整装置270(1)が設けられ、仕切り板260(2)および図示しない仕切り板260(3)により仕切られた空間に搬送部材250(2)および温度調整装置270(2)が設けられている。
仕切り板260(3)と仕切り板202nの間も図示されない仕切り板260(4)〜260(n−1)により仕切られており、仕切られた各空間に他の図示されない搬送部材250(4)〜250(n−1)および温度調整装置270(4)〜270(n−1)が同様に設けられている。なお、最も下部の搬送部材250nおよび温度調整装置270nは最も下部の仕切り板260(n)の下部の空間に設けられている。
各搬送部材250(1)、250(2)、…、250(n)は、シートガラスSGの厚さ方向の両側に設けられ、炉壁の外部において図示しない軸受により片持ち支持される1対の回転軸と、各回転軸の先端に取り付けられた1対の搬送ローラとを備える。各温度調整装置270(1)、270(2)、…、270(n)は、シートガラスSGの厚さ方向の両側に設けられた1対のヒータからなる。各ヒータはシートガラスSGの幅方向に複数の熱源を備え、それぞれ加熱量が調整可能である。複数の熱源は例えばクロム系発熱線等である。
下部成形炉201B及び徐冷炉202では、上記冷却ローラ230、冷却装置240および温度調整装置270(1)、270(2)、…、270(n)により、シートガラスSGが、予め設計された温度プロファイルに対応した温度分布を持つように、冷却する。
粘性領域では、例えば、シートガラスSGの幅方向の端部の温度が中央領域の温度より低く、且つ、中央領域の温度が均一になるような温度プロファイル(第1プロファイル)に設計される。これにより、幅方向の収縮を抑えつつ、シートガラスSGの板厚を均一にすることができる。
粘弾性領域では、例えば、シートガラスSGの温度が中央部から端部に向かって幅方向に漸減するような温度プロファイル(第2プロファイル)に設計される。
ガラス歪点の近傍の温度領域では、シートガラスSGの幅方向の端部の温度と中央部の温度とが略均一になるような温度プロファイルに設計される。
上記の設計された温度プロファイルに従うようにシートガラスSGの温度を管理することにより、シートガラスSGの反り及び歪(残留応力)を低減することができる。なお、シートガラスSGの中央領域は、板厚を均一にする対象の部分を含む領域であり、シートガラスSGの端部は、製造後に切断される対象の部分を含む領域である。
徐冷炉202の下部には、検出装置290が設けられている。検出装置290は、例えば、光学式の表面検査装置であり、徐冷炉202の下部から搬出されるシートガラスSGに発生する表面凹凸の幅方向の位置、表面凹凸の凹凸量(基準面からの凹み量又は突出量)を検出する。なお、この表面凹凸は、シートガラスSGの厚み(高さ)が変動したものであり、シートガラスSGの搬送方向に筋状に連続的に発生する。シートガラスSGに表面凹凸が発生するのは、成形体210に高粘性のガラスが付着することが原因である。
本実施形態では、検出工程において、検出装置290により検出されたシートガラスSGの表面凹凸(幅広脈理)の凹凸量が所定の基準値以上である場合に、成形体210から流下される熔融ガラスよりも高粘性のガラスが成形体210に付着していると判定する。例えば、高粘性のガラスが成形体210に付着していると判定する凹凸量の基準値は0.2μm/インチである。
高粘性のガラスが成形体210に付着していると判定した場合、成形体210から流下される熔融ガラスの幅又は溶融ガラスに作用する張力を変動させることで、高粘性のガラスを成形体210から除去する。
熔融ガラスの幅を変動させる方法として、例えば、冷却ローラ230によるシートガラスSGの冷却位置を調整することで、シートガラスSGの幅を調整する方法がある。シートガラスSGの幅を調整すると、シートガラスSGの上流側の成形体210から流下される熔融ガラスの幅(図3の左右方向の長さ)を調整することができる。熔融ガラスの幅が変動することで、熔融ガラスの単位幅当たりの重さが変動し、熔融ガラスから成形体210に作用する力が変動するため、成形体210の下方端部213に付着した高粘性のガラスを除去することができる。また、高粘性のガラスは成形体210の両端部(図3の左右の端部)において付着しやすい。シートガラスSGの幅を調整することで、成形体210の両端部のガイド部材214、215の近傍に付着した高粘性のガラスを容易に除去することができる。
熔融ガラスの張力を変動させる方法として、冷却ローラ230の回転数を調整することで、冷却ローラ230によりシートガラスSGを下方へ引っ張る力を調整する方法がある。シートガラスSGを下方へ引っ張る力を調整すると、シートガラスSGの上流側の成形体210から流下される熔融ガラスの張力を調整することができる。
なお、冷却ローラ230をシートガラスSGから完全に離し、冷却ローラ230からシートガラスSGに張力が作用していない状態としてもよい。この状態では、成形体210から流下される熔融ガラスの流れが不安定となり、熔融ガラスの幅(図3の左右方向の長さ)も変動する。これにより、成形体210の両端部(図3の左右の端部)に付着した高粘性のガラスを除去することができる。
さらに、成形体210が収納される上部成形炉201A内の温度を変動させることで、熔融ガラスの粘性を変動させ、熔融ガラスの張力を変動させてもよい。これにより、熔融ガラスから成形体210に作用する力を変動させ、成形体210に付着した高粘性のガラスを除去することができる。
成形体210から流下される溶融ガラスの幅、又は、溶融ガラスに作用する張力を変動させる際に、成形体210から流下される溶融ガラスの粘度(具体的には、成形体210の下方端部213における熔融ガラスの粘度)は、500,000poise以下であり、200,000poise以下とすることが好ましく、60,000poise以下とすることがより好ましい。熔融ガラスの粘度を低下させることで、成形体210に付着している高粘性のガラスの粘度を下げ、成形体210から容易に除去できるためである。
例えば成形体210の温度を上昇させることで、成形体210から流下される熔融ガラスの粘度を低下させることができる。一方、成形体210の温度が高すぎると、成形体210やガイド部材214、215、成形炉210への負担が大きくなるという問題がある。このため、成形体210の最高温度は1400℃以下とすることが好ましい。また、白金族金属からなるガイド部材214、215の最高温度は、1250℃以下とすることが好ましい。
なお、高粘性のガラスが成形体210に付着していると判定された後の操業においては、成形体210よりも上流で生じる高粘性のガラスが成形体210に付着してシートガラスSGの表面凹凸を再び発生させることを防ぐために、成形体210から流下される熔融ガラスの粘性が下がるように、熔融ガラスの温度を上げることが好ましい。成形体210に供給される熔融ガラス(成形体210よりも上流の熔融ガラス)の温度を調整することや、上部成形炉201A内のヒータの出力を調整することにより、成形体210から流下される熔融ガラスの温度を上昇させることができる。
以上説明したとおり、本実施形態によれば、成形体210から流下される熔融ガラスの幅又は張力を変動させることで、成形体210に付着した高粘性のガラスを除去することができる。このため、成形体210に付着した高粘性のガラスに起因してシートガラスSG上に表面凹凸が生成されることを抑制することができる。
以上、本発明のガラス基板の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
本実施形態のガラス基板の製造方法によって製造されるガラス基板には、歪点や徐冷点が高く良好な寸法安定性を有する無アルカリのボロアルミノシリケートガラスあるいはアルカリ微量含有ガラスが用いられる。
本実施形態が適用されるガラス基板は、例えば以下の組成を含む無アルカリガラスからなる。
SiO:56−65質量%
Al:15−19質量%
:8−13質量%
MgO:1−3質量%
CaO:4−7質量%
SrO:1−4質量%
BaO:0−2質量%
NaO:0−1質量%
O:0−1質量%
As:0−1質量%
Sb:0−1質量%
SnO:0−1質量%
Fe:0−1質量%
ZrO:0−1質量%
本実施形態で製造されるガラス基板は、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板を含むディスプレイ用ガラス基板に好適である。IGZO(インジウム、ガリウム、亜鉛、酸素)等の酸化物半導体を使用した酸化物半導体ディスプレイ用ガラス基板及びLTPS(低温度ポリシリコン)半導体を使用したLTPSディスプレイ用ガラス基板に好適である。また、本実施形態で製造されるガラス基板は、アルカリ金属酸化物の含有量が極めて少ないことが求められる液晶ディスプレイ用ガラス基板に好適である。また、有機ELディスプレイ用ガラス基板にも好適である。言い換えると、本実施形態のガラス基板の製造方法は、ディスプレイ用ガラス基板の製造に好適であり、特に、液晶ディスプレイ用ガラス基板の製造に好適である。
また、本実施形態で製造されるガラス基板は、カバーガラス、磁気ディスク用ガラス、太陽電池用ガラス基板などにも適用することが可能である。
100 熔解装置
101 熔解槽
102 清澄槽
103 攪拌槽
104、105 移送管
106 ガラス供給管
200 成形装置
201 成形炉
202 徐冷炉
210 成形体
212 溝
213 下方端部
214、215 ガイド部材
230 冷却ローラ
240 冷却装置
241 端部冷却ユニット
242 中央冷却ユニット
250(1)、250(2)、…、250(n) 搬送部材
260(0) 雰囲気仕切り部材
260(1)、260(2)、…、260(n) 仕切り材
270(1)、270(2)、…、270(n) 温度調整装置
290 検出装置
300 切断装置

Claims (7)

  1. ガラス基板の製造方法であって、
    成形体の上部から両側壁に沿って熔融ガラスを流下させ、前記成形体の下端部で合流した熔融ガラスをローラにより挟持して下方に引っ張りながら搬送する工程と、
    前記シートガラスの搬送方向に発生する表面凹凸の凹凸量を検出する工程と、を有し、
    検出された表面凹凸の凹凸量が所定の基準値以上である場合、前記成形体から流下される熔融ガラスの幅、又は、前記熔融ガラスに作用する張力を変動させることで、前記成形体に付着した、前記成形体から流下される熔融ガラスよりも高粘性のガラスを前記成形体から除去する、ガラス基板の製造方法。
  2. 前記ローラにより前記シートガラスを引っ張る力を変動させることで、前記熔融ガラスに作用する張力を変動させる、請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
  3. 前記ローラを前記シートガラスから離すことで、前記熔融ガラスに作用する張力を変動させる、請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
  4. 前記ローラにより前記シートガラスを引っ張る前記シートガラスの幅方向の位置を変動させることで、前記熔融ガラスの幅を変動させる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のガラス基板の製造方法。
  5. 前記成形体が収納される成形炉の温度を変動させることで、前記熔融ガラスに作用する張力を変動させる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のガラス基板の製造方法。
  6. 前記成形体から流下される溶融ガラスの幅、又は、前記溶融ガラスに作用する張力を変動させる際に、前記成形体から流下される前記溶融ガラスの粘度を、500,000poise以下とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のガラス基板の製造方法。
  7. ガラス基板の製造装置であって、
    成形体の上部から両側壁に沿って熔融ガラスを流下させ、前記成形体の下端部で合流した熔融ガラスをローラにより挟持して下方に引っ張りながら搬送する成形炉と、
    前記シートガラスの搬送方向に発生する表面凹凸の前記シートガラスの幅方向の位置および凹凸量を検出する検出装置と、を有し、
    前記検出装置により検出された表面凹凸の凹凸量が所定の基準値以上である場合、前記成形体から流下される熔融ガラスの幅又は前記熔融ガラスに作用する張力を変動させることで、前記成形体に付着した、前記成形体から流下される熔融ガラスよりも高粘性のガラスを前記成形体から除去する、ガラス基板の製造装置。
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