JP4074568B2 - 光学ガラスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高均質であって、所望の光学恒数を有する光学ガラスの製造方法に関する。
従来、溶融槽中に投入したガラス原料を加熱し、ガラス化、溶融する方法が知られている。そして、ガラス原料を溶融させる溶融槽として、燃焼バーナ及び電極を備えるものが知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。
特開昭58−91040号公報 特開昭62−246824号公報
ガラスを連続的に溶融し、製造する技術においては、最終的に流出され、固化されるガラス製品を、ある範囲で均一であり、泡の混入や極端な組成不均一(脈理)を生じない条件で製造する必要がある。これに対して、光学ガラスの領域で必要とされるガラスの均質性は極度に厳しい。例えば、10−4〜10−5オーダの精度の屈折率が管理されるため、厳格かつ精密に計量され、均一に撹拌され、その均一性を維持すべく配慮された保管、搬送方法によってガラス原料は溶融槽に供給されなければならない。更に、溶融槽に供給されたガラス原料が、槽内ですべて均一に溶解されなければ所望の製品が得られない。すなわち、溶融槽中で一部滞留していたり、多量の揮発が生じたり、槽の浸食による不純物が混入することは許されない。
一方、近年、撮像機器のコンパクト化などに伴い、高屈折率を有する光学ガラスの需要が増加している。この種の光学ガラスに対する要求は厳しく、所望の光学恒数を有し、かつ、高均質であることが求められる。例えば、屈折率ndが1.7以上、屈折率変動が基準値±5×10−4の範囲内であり、脈理があってはならない。
光学ガラスに高い屈折率を与えるガラス成分として、TiOやNbが知られている。これらを含有するガラスは、上記の撮像機器などの光学系に好適に用いられる。
一般に、ガラス溶融に際しては、液相温度(LT)以上の温度で溶融を完全に行い、均質化の後に、所定の冷却速度で冷却固化し、その過程で結晶化による失透を生じさせない配慮が必要である。
しかしながら、上記のような光学ガラスは、光学特性を重視した組成となっているため、ガラスの安定性に乏しく、特に、溶融時のわずかな温度降下によってガラスの一部が結晶化し、失透する可能性がある。
そこで、失透を防ぐために、ガラス溶融時の加熱温度を高くすることが考えられる。
しかしながら、高屈折率成分を含むガラスは、侵食性が強いため、加熱温度を高くすると、激しい反応によって溶融槽の侵食が進行し、溶融槽の寿命が短くなるだけでなく、溶融槽の成分によってガラスに着色が生じるという問題がある。
したがって、上記のような光学ガラスの溶融工程では、失透が生じないように溶融ガラスを均等に加熱しながら、過度の加熱による溶融槽の侵食を抑制する必要がある。
しかしながら、従来の溶融槽、例えば、特許文献1に示される溶融槽では、電極が溶融槽の壁面を貫通しているので、侵食性の強い光学ガラスを溶融すると、溶融槽の壁面が侵食され、侵食による不純物がガラスに混入するとともに、壁面に穴があいてガラスの漏れ出す可能性がある。また、この溶融槽では、溶融ガラスを冷たい原料バッチで覆うため、温度分布に大きな偏りが生じてガラス粘度が均等でなくなることから、部分的にガラスが滞留し、光学ガラスレベルの均質性を得ることは困難である。
また、特許文献2に示される溶融槽では、燃焼バーナとガラス原料供給部との間に輻射熱防止障壁を設け、ガラス原料供給部付近に電極を配置しているので、溶融ガラスは、燃焼炎と電極の双方によって同時に加熱されることがない。そのため、溶融ガラスの表面部分と底部分との間に生じる温度分布が大きくなり、光学ガラスにおいては、温度の低い部分で失透の問題が生じる。また、この溶融槽では、電極が槽の底面を貫通しているため、侵食性の強い光学ガラスを溶融すると、溶融槽の底面が侵食され、不純物混入による着色や、ガラスの漏れ出す可能性がある。
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、高屈折率を有する光学ガラスの溶融に際し、溶融ガラスの温度分布を適切にコントロールすることにより、局所的な温度低下による失透や、過度の加熱による槽の侵食を抑制することができる光学ガラスの製造方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため本発明の光学ガラスの製造方法は、屈折率ndが1.7以上となるように、高屈折率成分として、TiO を22重量%以上又はNb を7重量%以上含有させた光学ガラスの製造方法であって、溶融槽内に供給されたガラス原料を加熱して、溶融ガラスを得るにあたり、前記ガラス原料を、溶融槽内の溶融ガラスの液面上に配置したバーナの燃焼炎による加熱と、前記溶融槽内の前記溶融ガラスに上方から浸漬させた電極による通電加熱とによって溶融し、このとき、前記電極の素材としては、白金又は白金合金を使用するとともに、前記バーナの燃焼ガス中に、空気とともに酸素を導入し、かつ、製造される光学ガラスが、10mm厚で分光透過率70%を示す波長が470nm以下となるように、導入する酸素量を制御する方法としてある。
このようにすると、高屈折率を有する光学ガラスは、溶融槽中で、溶融ガラスの液面上に配置された燃焼炎による加熱と、溶融ガラスに上方から浸漬した電極による通電加熱とによって、液面と液中から同時に加熱され、溶融槽内の溶融ガラス全体を適切な温度範囲に維持することができる。これにより、供給されたガラス原料が完全に分散、溶融し、失透がなく、均質な光学ガラスの製造が可能になる。
また、電極は、溶融ガラスに上方から浸漬され、溶融槽との間に適度な距離を確保するので、溶融槽の侵食を抑制して溶融槽の寿命を延長できるだけでなく、侵食によるガラスの着色も防止することができる。
好ましくは、溶融槽中の溶融ガラスに、連続的又は間歇的に新たなガラス原料を供給しつつ、連続的に溶融ガラスを次工程に送る方法を用いる。
またこの製造方法において、前記バーナの燃焼ガス中に、空気とともに酸素を導入するのは、溶融槽内の雰囲気が適切な酸化雰囲気に維持されるようにするためであり、製造される光学ガラスが、10mm厚で分光透過率70%を示す波長が470nm以下となるように、導入する酸素量を制御する
このようにすると、溶融槽内の雰囲気を常に適切な酸化雰囲気に維持することができるので、高屈折率成分中のTiやNbの還元や、白金の酸化を抑止して、着色の抑止効果を高めることができる。
ここで、導入する酸素量は、製造される光学ガラスが、10mm厚で分光透過率80%を示す波長が450nm以下となるように制御するのが好ましく、より具体的には、導入空気量に対して1vol%〜10vol%とすることができる。
また、前記電極の下端と前記溶融槽の底部との距離を、前記溶融ガラスの深さの1/4未満とすると好まし
このようにすると、溶融槽内の溶融ガラス全体を均等に通電加熱することが可能になる。特に、溶融槽の底部に低温の溶融ガラスが滞留することを防止し、ガラスの均質性を高めることができる。
また、本発明における光学ガラスの製造方法は、前記溶融槽内における前記溶融ガラスの表面部分と底部分の温度差が50℃以内とすることができる
このようにすると、溶融槽内の溶融ガラス全体を適切な温度範囲に維持し、失透のない均質な光学ガラスを製造することができる。
また、本発明における光学ガラスの製造方法は、高屈折率、高分散の光学ガラスを得るために、高屈折率成分として、TiO2又はNb2O5を所定量以上含有させている。TiO2又はNb2O5を含有するガラスは、溶融温度と結晶化する温度領域が近いため、溶融中の僅かな温度不均一により失透しやすく、更に、侵食性も強いが、本発明の製造方法によれば、溶融槽の侵食を抑えつつ、ガラスを均等に加熱することができるので、失透のない高屈折率、高分散の光学ガラスを効率良く製造することが可能になる。
また、本発明における光学ガラスの製造方法は、前記光学ガラスが、ガラス成分として、重量%表示で、SiO2を18%以上35%未満、TiO2を22〜37%、Nb2O5を7%以上16%未満、含有する方法とすることができ、TiO 又はNb は合計39〜45重量%の範囲で含有させることができる。
このようにすると、高屈折率、高分散を達成するためのガラス成分が相当量含有された光学ガラスが得られる。このような光学ガラスは、骨格成分の含有量が相対的に少なくなり、溶融域での失透が起きやすく、かつ、溶融槽を侵食しやすい傾向があるため、本発明の効果が顕著となる。
また、本発明における光学ガラスの製造方法は、前記光学ガラスが、アルカリ成分を含有する方法とすることができる
このようにすると、電荷移動物質であるアルカリ成分を含有することにより、ガラスが効率良く通電加熱され、ガラスの均質性が更に高められる。
なお、アルカリ成分は、槽への侵食性を高める成分であるので、本発明の効果が顕著となる。
以上のように、本発明によれば、高屈折率を有する光学ガラスの溶融において、溶融槽内の温度を最適範囲に維持することが可能になるため、失透を防止できるだけでなく、ガラスの均質性を高めることができる。しかも、電極は、溶融ガラスの上方から浸漬され、溶融槽との間に適度な距離を保つので、溶融槽の侵食も抑制でき、その結果、溶融槽の寿命を延長することができるとともに、侵食によってガラス中に不純物が混入する可能性も低減させることができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
まず、本発明を好適に実施し得る光学ガラスの製造装置について説明する。
図1は、光学ガラスの製造装置を示す断面図、図2は、光学ガラスの製造装置を示す平面図である。
これらの図に示すように、光学ガラスの製造装置は、光学ガラスの原料を連続的又は間歇的に供給するガラス原料供給部10と、ガラス原料供給部10から供給されてくるガラス原料を溶融する溶融槽20と、連結パイプ30を介して溶融槽20に接続され、溶融槽20から供給されてくる溶融ガラスGの脱泡処理などを行う清澄槽40と、連結パイプ50を介して清澄槽40に接続され、清澄槽40から供給されてくる溶融ガラスGの粘度調整などを行う作業槽60とを備えて構成されている。
溶融槽20は、溶融温度が高い光学ガラスの溶融を行うため、溶融槽20の炉材としては、溶融ガラスGによって侵食されにくい耐熱性及び耐蝕性に優れた白金や白金合金を用いることが好ましい。一方、ガラス成分にTiなどの還元性成分が含まれる場合は、炉材として白金や白金合金を用いると、ガラスに着色が生じるため、炉材として耐火物を用いることが好ましい。ここで、耐火物とは、例えば、アルミナ(Al)、石英(SiO)、クレー(Al+SiO)、ジルコニア(ZrO)などを主成分とする耐熱性の高いセラミックスである。
溶融槽20は、ガラス原料を溶融させるための加熱手段として、燃焼バーナ70及び電極80を備えている。
燃焼バーナ70は、溶融槽20の上部側面から溶融槽20内の上部に向けて、水平方向に燃焼ガスを吐出し、その燃焼炎Fによってガラス原料及び溶融ガラスGを加熱する。燃焼バーナ70の個数や配置については、特に制限はなく、溶融槽20の構成などに応じて適宜定めることができる。
電極80は、少なくとも二本設けられる。これらの電極80は、溶融槽20内の溶融ガラスGに上方からほぼ鉛直方向に浸漬されるように、図示しない電極支持架台で支持されている。電極80間に交流電圧を印加すると、溶融ガラスGに直接通電され、ジュール熱によって溶融ガラスGが加熱される。
電極80としては、棒状電極や板状電極を用いることができる。溶融温度が高い光学ガラスの溶融では、耐熱性に優れる棒状電極が好ましい。
また、電極80の素材としては、白金、白金合金使用でき光学ガラスに対する着色が極めて小さい白金電極が好ましい。
また、電極80の本数や配置は、溶融槽20の構成などに応じて適宜定めることができる。好ましくは、溶融槽20内の溶融ガラスGが均等に加熱されるように、適数本の電極80を偏りなく配置する。
つぎに、本発明の実施形態に係る光学ガラスの製造方法について説明する。
この光学ガラスの製造方法は、屈折率ndが1.7以上の光学ガラスを溶融する工程に適用される。
このような高屈折率の光学ガラスを得るためには、高屈折成分として、TiOやNbが有用である。しかしながら、これらの含有量を多くすると、ガラスの骨格成分として機能するSiO、P、Bなどの含有量が相対的に減少傾向となり、ガラスの安定性を下げることになる。
このような光学ガラスは、溶融時において局所的に低温部分が生じると、結晶化が進み、失透してしまう。したがって、十分な加熱能力を持つ溶融槽20を用い、溶融ガラスGの全体温度を、液相温度(LT)より、少なくとも10℃〜数10℃高くなるように維持することが必要である。
溶融槽20に設けられる加熱手段としては、一般にヒータによる抵抗加熱、燃焼バーナによる加熱、電極による通電加熱、高周波誘導による加熱などが知られているが、本発明では、燃焼バーナと電極を併用する。
燃焼バーナ70によって形成される燃焼炎Fは熱効率が高く、供給後のガラス原料を直接加熱し、ガラス化するために有用である。また、液面から溶融ガラスGを所定の熱量で加熱することにより、完全にガラス化が進む。しかしながら、燃焼炎Fによる加熱のみで溶融槽20の底部まで十分に加熱し、底部での失透を防ぐためには、液面付近の温度を液相温度よりも相当高くする必要がある。
一方、光学ガラスは、一般に溶融粘度が低く、特に、上記の高屈折率成分を含有し、骨格成分が相対的に少ないガラスにおいては、更に粘度が低くなっている。このため、溶融槽20の壁面、特に、反応の激しい液面付近は常に侵食されやすい状況下におかれているので、溶融槽20の侵食を抑制するには、液面温度の過度な上昇を回避する必要がある。
したがって、溶融ガラスG全体の温度を、液相温度(LT)+10℃以上、液相温度(LT)+100℃以下の範囲に維持することが好ましい。
ただし、溶融ガラスG全体を上記温度範囲内に維持すれば、その範囲内での僅かな温度差は許容され、例えば、溶融槽の侵食しやすい部分を外部から調温(冷却)することで侵食を抑止することが可能である。
このような問題を解決するために発明者らは、屈折率ndが1.7以上となる光学ガラスの製造において、溶融槽20内に供給されるガラス原料を加熱して、溶融ガラスGを得るにあたり、溶融槽20内の上部に配置される燃焼炎Fによって、ガラス原料及び溶融ガラスGを加熱しながら、溶融ガラスGに上方から浸漬される電極80によって、溶融ガラスGを通電加熱することにより、溶融槽20内の溶融ガラスG全体を適切な温度範囲に維持できることを見出した。
本発明の目的を達成するには、溶融槽20内の溶融ガラスが、燃焼炎F及び電極80の加熱作用を同時に受けることが適切である。
燃焼炎Fによってガラス原料を加熱溶融させるにあたっては、燃焼ガス中に、空気とともに酸素を供給するこの酸素は、製造される光学ガラスを、10mm厚に加工したとき、その分光透過率が70%を示す光の波長が470nm以下で、5%を示す光の波長が390nm以下となるように導入する。
より好ましくは、10mm厚での光学ガラスの透過率が80%を示す光の波長が450nm以下となるように導入する。
このときに導入する酸素の量は、より具体的には、導入空気量に対して、1vol%〜10vol%とすることができる
このようにすると、溶融槽20内の雰囲気を常に適切な酸化雰囲気に維持することができるので、高屈折率成分中のTiやNbの還元や、白金の酸化を抑止して、着色の抑止効果を高めることができる。
燃焼に用いる燃料としては、メタン、エタン、プロパン、n−ブタン、又は、それらが適宜混合された天然ガスなどを好適に用いることができる。
一方、電極80の付近では、溶融ガラスGが高温になるため、電極80は、溶融槽20に非接触の状態で、溶融ガラスGに上方から浸漬するこのようにすれば、溶融槽20の電極付近における侵食の進行を防げるからである。
本発明によれば、溶融槽20内における溶融ガラスGの表面部分と底部分の温度差を50℃以内に維持することが可能である。
溶融ガラスGに対する電極80の浸漬量に制限はないが、電極80の下端と溶融槽20の底部との距離Aを、溶融ガラスGの深さBを基準とし、1/4未満とすることが好ましい。より好ましくは、1/5未満である。このように電極80の浸漬量を設定すれば、溶融ガラスG全体が、通電により加熱され、失透が防止されるとともに、適度な対流によってガラスの均質性が高められる。
本発明の製造方法は、リン酸系、ホウ酸系、ケイ酸系、ホウケイ酸系などの光学ガラスに好適に用いられる。また、ガラス成分として、TiO又はNbを含有するものが好適である。これらの高屈折率成分を含有する光学ガラスは、失透安定性が低いため、本発明が有効である。
特に、液相温度における粘度が低い(例えば、30ポアズ以下)光学ガラスは失透安定性が低いため、本発明の効果が顕著となる。
上記のガラス成分は、高屈折率、高分散を達成する成分として、撮像機器のレンズなどに非常に有用であるが、リン酸、ホウ酸、ケイ酸といったガラスの骨格成分と比べて比重が大きいため、溶融槽20内で均一に分散され難い。しかしながら、本発明によれば、均等な加熱により上記成分の分散を促し、組成及び光学恒数が均質な光学ガラスを得ることが可能になる。
本発明に適用されるガラスについて以下に例示する。
ガラス成分として重量%表示で、SiO:18%以上35%未満、TiO:22〜37%、Nb:7%以上16%未満を含有する光学ガラスが挙げられる。
更に、本発明の効果が顕著に得られるガラスとしては、ガラス成分として、TiO又はNbが合計39〜45重量%の範囲で含有されているケイ酸塩ガラスが挙げられる。
これらのガラスは、高屈折率、高分散を達成するためのガラス成分を相当量含有するため、骨格成分の含有量が相対的に少ない。このような場合に、溶融域での失透が起きやすく、かつ溶融槽20を侵食しやすい傾向があるが、本発明により効果的に防止できる。
更に、本発明によって製造されるガラスの例としては、重量%表示で、SiO:18%以上35%未満、BaO:10%以上23%未満、TiO:22〜37%、Nb:7%以上16%未満、NaO:5〜20%、KO:0〜6%、CaO:0〜5%、SrO:0〜5%、ZrO:0〜4%、Ta:0〜3%、Sb:0〜1%及びP:0%以上0.5%未満を含み、かつPbO、As及びFを実質上含まない光学ガラスが挙げられる。
更に、必須成分として、SiO、BaOおよびTiOを含み、屈折率(nd)が1.70以上で、アッベ数(νd)が30以下である光学ガラスが挙げられる。
更に、屈折率(nd)が1.80以上のガラス、又はアッベ数(νd)が25以下である高屈折率、高分散ガラスに本発明は好適に適用される。
光学ガラスにおいて、SiOは、骨格成分、すなわち網目形成酸化物としてガラスの溶解性、流動粘性の維持に効果的な成分であり、また、ガラス構造を安定に保ち、耐失透性の向上に効果的であるため、18%以上が好ましい。しかし、35%以上になると屈折率が低下するので、SiOは18%以上35%未満が好ましく、より好ましくは24%以上30%未満である。
BaOは、ガラスの耐久性、熱的安定性を高めるのに有効な成分であり、10%以上が好ましい。しかし、23%以上添加するとアッベ数が増加し、高分散ガラスを得ることができない。したがって、BaOは、23%未満にすることが好ましく、より好ましくは14〜20%である。
TiOは、高屈折、高分散ガラスを得るために重要な成分であり、22%以上が好ましい。しかし、TiOは、光学ガラスにおいて再加熱、軟化させた際に生じる結晶の主成分であり、かつ核形成酸化物でもあるため、37%を超えて目的の屈折率にあわせようとすると、耐失透性が著しく低下するだけでなく、透過吸収端の長波長側へのシフトが起こる。したがって、TiOは22〜37%が好ましく、より好ましくは25〜32.5%である。
Nbは、上記の成分と同様、高屈折、高分散ガラスを得るために有用な成分であり、ガラスの安定化にも寄与するため、7%以上が好ましい。しかし、16%以上では逆に耐失透性が悪化してしまうため、10%以上16%未満とすることが好ましい。
本発明では、ガラスを直接通電加熱するため、ガラス成分として、電荷移動物質が含まれていることが必要である。特に、アルカリ成分は電荷移動物質として好適であり、LiO、NaO、KOが、合量として10重量%以上含まれていることが好ましく、多すぎると比抵抗が小さくなり、加熱効率が低くなる上、溶融槽20の侵食が多くなるため、20重量%以下が好ましい。
NaO、KOは、網目修飾酸化物としてガラス転移温度(Tg)の低下に有効な成分であるため、NaOの量は5%以上とすることが好ましい。しかし、耐失透性の低下及び屈折率の低下のために、NaOは20%以下とするが、中でも9.5〜13.5%とすることが好ましい。KOは6%以下、好ましくは5%以下の添加が好ましい。
CaO、SrOは、BaOと同様の効果を有するが、多すぎると耐失透性が低下する。したがってCaO及びSrOの含有量は0〜5%が好ましい。
上記成分以外に、清澄剤として1%以下のSbを添加することが好ましい。より好ましい添加量は0.1%以下である。なお、Sbの添加量は、ガラス中の酸化アンチモンの量をSbの量として換算した値である。
本発明は、溶融槽20にガラス原料を供給し、溶融槽20において溶融したものを清澄槽40に導き、脱泡の過程を経て作業槽60に送りこみ、成形に適切な粘度に調整して最終端より連続的にガラスを送り出して成形する連続溶融に好適に用いることができる。また、作業槽60の前に、脈理の消失を行う攪拌槽などを付加してもよい。このような連続溶融によれば、溶融ガラスGが各槽間を連続的に移動し、最終製品となるので、光学ガラスを効率良く製造することができる。
本発明は、高屈折率を有する光学ガラスの製造に適用でき、特に、高屈折率成分を多く含有し、耐失透性が低く、侵食性が強い光学ガラスの製造に有用である。
光学ガラスの製造装置を示す断面図である。 光学ガラスの製造装置を示す平面図である。
符号の説明
10 ガラス原料供給部
20 溶融槽
40 清澄槽
60 作業槽
70 燃焼バーナ
80 電極
F 燃焼炎
G 溶融ガラス

Claims (8)

  1. 屈折率ndが1.7以上となるように、高屈折率成分として、TiO を22重量%以上又はNb を7重量%以上含有させた光学ガラスの製造方法であって、
    溶融槽内に供給されたガラス原料を加熱して、溶融ガラスを得るにあたり、
    前記ガラス原料を、溶融槽内の溶融ガラスの液面上に配置したバーナの燃焼炎による加熱と、前記溶融槽内の前記溶融ガラスに上方から浸漬させた電極による通電加熱とによって溶融し、
    このとき、前記電極の素材としては、白金又は白金合金を使用するとともに、前記バーナの燃焼ガス中に、空気とともに酸素を導入し、かつ、製造される光学ガラスが、10mm厚で分光透過率70%を示す波長が470nm以下となるように、導入する酸素量を制御することを特徴とした光学ガラスの製造方法。
  2. 製造される光学ガラスが、10mm厚で分光透過率80%を示す波長が450nm以下となるように、導入する酸素量を制御することを特徴とする請求項1に記載の光学ガラスの製造方法。
  3. 前記バーナの燃焼ガス中に、空気とともに導入する酸素量を、導入空気量に対して1vol%〜10vol%としたことを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載の光学ガラスの製造方法。
  4. 前記電極の下端と前記溶融槽の底部との距離を、前記溶融ガラスの深さの1/4未満としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項にガラスの製造方法。
  5. 前記溶融槽内における前記溶融ガラスの表面部分と底部分の温度差を50℃以内としたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の光学ガラスの製造方法。
  6. 前記光学ガラスが、ガラス成分として、SiOを18重量%以上35重量%未満、TiOを22重量%以上37重量%未満、Nbを7重量%以上16重量%未満、含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の光学ガラスの製造方法。
  7. 前記光学ガラスが、ガラス成分として、TiO 又はNb が合計39〜45重量%の範囲で含有されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学ガラスの製造方法。
  8. 前記光学ガラスが、アルカリ成分を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の光学ガラスの製造方法。
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