JP2018030742A - 光学ガラスの製造方法 - Google Patents

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俣野 高宏
Takahiro Matano
高宏 俣野
隆 村田
Takashi Murata
隆 村田
高山 佳久
Yoshihisa Takayama
佳久 高山
良憲 山▲崎▼
Yoshinori Yamazaki
良憲 山▲崎▼
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Abstract

【課題】冷却工程において、ガラス中にブツが析出しにくい光学ガラスの製造方法の提供。【解決手段】原料を溶融して得たガラス融液を成形し、成形体を得た後、前記成形体を冷却する光学ガラスの製造方法であって、(結晶化温度からガラス転移点までの冷却速度)/(冷却開始温度から結晶化温度までの冷却速度)が1.3以上である光学ガラスの製造方法。冷却開始温度から結晶化温度までの冷却速度が30℃/分以下、結晶化温度からガラス転移点までの冷却速度が50℃/分以上であることが好ましい、光学ガラスの製造方法。冷却開始温度から結晶化温度までのガラスの粘度が102dPa・s以下、結晶化温度からガラス転移点までのガラスの粘度が102.5dPa・s以上であることが、好ましい、光学ガラスの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、光学ガラスの製造方法に関するものである。
スズリン酸塩系ガラス等は、その低屈伏点特性や高屈折、高分散特性を利用して、光学レンズ用ガラス等への適用が検討されている。(例えば、特許文献1参照)
光学ガラスの製造方法として、次のような製造方法が挙げられている。まず、所望の組成となるように原料を調合し、加熱溶融する。溶融ガラスをカーボン型等に鋳込み成形後、冷却することによりインゴットを得る。得られたインゴットを必要に応じて、研削、研磨、洗浄してプリフォームガラスを作製する。プリフォームガラスは、さらにプレス成形等を行うことにより、所望の形状を有する光学レンズを作製することができる。
特開2012−193065号公報
しかしながら、高屈折ガラスは、金属酸化物等の高屈折成分を多く含むため、失透性が高く、上記の製造方法で作製すると、冷却工程において、ガラス中にブツが析出しやすくなるという問題がある。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、冷却工程において、ガラス中にブツが析出しにくい光学ガラスの製造方法を提供することを目的とする。
原料を溶融して得たガラス融液を成形し、成形体を得た後、前記成形体を冷却する光学ガラスの製造方法であって、(結晶化温度からガラス転移点までの冷却速度)/(冷却開始温度から結晶化温度までの冷却速度)が1.3以上であることを特徴とする。通常の冷却工程では、冷却開始温度からガラス転移点付近まで急速に冷却された後、徐冷点付近で1〜10時間保持される。急速に冷却されると、ガラス中に温度ムラが発生し、また、冷却される際に結晶化温度を通過するため結晶核が生成する。ガラス中に温度ムラがあるとガラス中で熱の対流が発生するため、結晶核が生成された後に温度が上昇する部分が発生する。その結果、急激に結晶成長が促進されガラス中にブツが発生しやすい。そこで、冷却開始温度から結晶化温度までの冷却速度を遅くすることにより、ガラス中に温度ムラが存在しなくなるため、結晶成長の促進を抑制し、ブツの発生を防止することが可能となる。また、結晶化温度からガラス転移点までの冷却速度を速くすることにより、ガラスが結晶化温度付近の温度に曝される時間が短くなるため、さらに結晶成長の促進を抑制できる。
冷却開始温度から結晶化温度までの冷却速度が30℃/分以下、結晶化温度からガラス転移点までの冷却速度が50℃/分以上であることが好ましい。
冷却開始温度から結晶化温度までのガラスの粘度が10dPa・s以下、結晶化温度からガラス転移点までのガラスの粘度が102.5dPa・s以上であることが好ましい。
本発明の光学ガラスの製造方法は、不活性雰囲気中で溶融を行うことが好ましい。このようにすれば、ガラスの酸化が原因となって生じるブツの析出を抑制することができる。
本発明の光学ガラスの製造方法は、不活性雰囲気中で成形を行うことが好ましい。このようにすれば、ガラスの酸化が原因となって生じるブツの析出を抑制することができる。
本発明の光学ガラスの製造方法は、不活性雰囲気中で冷却を行うことが好ましい。このようにすれば、ガラスの酸化が原因となって生じるブツの析出を抑制することができる。
本発明の光学ガラスの製造方法は、光学ガラスがSnO−P系ガラスであることが好ましい。
本発明の光学ガラスの製造方法は、ガラスが、組成として、モル%で、SnO 33.5〜90%、P+SiO+B 0.1〜66.5%を含有するガラスとなるように調合した原料を用いることが好ましい。ここで、「P+SiO+B」は、P、SiO及びBの含有量の合量を意味する。
本発明の光学ガラスの製造方法は、冷却開始温度が650℃以下であることが好ましい。
本発明の光学ガラスの製造方法は、光学ガラスの結晶化温度が550℃以下であることが好ましい。
本発明の光学ガラスの製造方法は、光学ガラスのガラス転移点が400℃以下であることが好ましい。
本発明の光学ガラスの製造方法は、光学ガラスの屈折率が1.65以上、アッベ数が30以下であることが好ましい。
本発明の光学ガラスは、ガラス転移点が400℃以下、屈折率が1.65以上であって、少なくとも1つの面が火造り面であることを特徴とする。
本発明の光学ガラスは、火造り面の表面粗さRaが1μm以下であることが好ましい。
本発明によれば、冷却工程において、ガラス中にブツが析出しにくい光学ガラスの製造方法を提供することができる。
本発明の光学ガラスの製造方法について説明する。まず、所望の組成となるように調合したガラス原料を加熱溶融して、ガラス融液を得る。好適なガラス組成は後述する。溶融雰囲気は、不活性雰囲気であることが好ましい。不活性雰囲気は、窒素、アルゴンまたはヘリウム雰囲気のいずれでも構わないが、安価である点から特に窒素雰囲気が好ましい。雰囲気制御を行わずに溶融した場合、つまり大気中で溶融した場合、ガラスが酸化され、ブツが発生する傾向がある。また、溶融温度は、800〜1200℃、特に900〜1100℃が好ましい。溶融温度が高すぎると、溶融容器から溶出した不純物が原因となって、着色が強まり、透明なガラスが得られ難い。溶融温度が低すぎると、ガラス原料が十分に溶解しないため、未溶解のブツが発生しやすくなる。溶融容器としては、耐火物、石英ガラス、白金、金、グラッシーカーボン等が使用できる。
次に、溶融ガラスを成形型に鋳込み成形し、成形体を得る。成形雰囲気は、不活性雰囲気であることが好ましい。不活性雰囲気は、窒素、アルゴンまたはヘリウム雰囲気のいずれでも構わないが、安価である点から特に窒素雰囲気が好ましい。雰囲気制御を行わずに成形した場合、つまり大気中で成形した場合、ガラスが酸化され、ブツが発生する傾向がある。成形型としては、金属、カーボン等が使用できる。
次に、得られた成形体を冷却することにより、光学ガラスを得る。冷却工程について説明する。まず、冷却開始温度から結晶化温度まで、所定の冷却速度で冷却する。次に、結晶化温度からガラス転移点まで、所定の冷却速度で冷却する。具体的には、冷却開始温度から結晶化温度までの冷却速度は、30℃/分以下、20℃/分以下、10℃/分以下、5℃/分以下、特に2.5℃/分以下が好ましい。冷却開始温度から結晶化温度までの冷却速度が速すぎると、ガラス中に温度ムラが存在しやすくなり、結晶成長を促進し、ブツが発生しやすくなる。結晶化温度からガラス転移点までの冷却速度は、50℃/分以上、75℃/分以上、100℃/分以上、125℃/分以上、特に150℃/分以上が好ましい。結晶化温度からガラス転移点までの冷却速度が遅すぎると、結晶化温度付近の温度に曝される時間が長くなるため、結晶成長を促進しやすい。(結晶化温度からガラス転移点までの冷却速度)/(冷却開始温度から結晶化温度までの冷却速度)は、1.3以上であり、1.5以上、1.75以上、2以上、特に2.2以上が好ましい。冷却開始温度は、650℃以下、600℃以下、特に550℃以下が好ましい。冷却開始温度の下限は特に限定されないが、結晶化温度+20℃以上が好ましい。結晶化温度は、550℃以下、500℃以下、特に450℃以下が好ましい。結晶化温度の下限は特に限定されないが、ガラス転移点+20℃以上が好ましい。ガラス転移点は、400℃以下、350℃以下、特に300℃以下が好ましい。ガラス転移点の下限は特に限定されないが、現実的には200℃以上が好ましい。なお、冷却雰囲気は、不活性雰囲気であることが好ましい。不活性雰囲気は、窒素、アルゴンまたはヘリウム雰囲気のいずれでも構わないが、安価である点から特に窒素雰囲気が好ましい。雰囲気制御を行わずに冷却した場合、つまり大気中で冷却した場合、ガラスが酸化され、ブツが発生する傾向がある。また、冷却開始温度から結晶化温度までのガラスの粘度は、10dPa・s以下、101.5dPa・s以下、101.0dPa・s以下、特に100.5dPa・s以下であることが好ましい。結晶化温度からガラス転移点までのガラスの粘度は、102.5dPa・s以上、103.0dPa・s以上、103.5dPa・s以上、特に104.0dPa・s以上であることが好ましい。
得られた光学ガラスは、少なくとも1つの面に火造り面を有している。なお、火造り面の表面粗さRaは、1μm以下、0.5μm以下、0.2μm以下、特に0.1μm以下になりやすい。
得られた光学ガラスを、必要に応じて研削、研磨、洗浄しても構わない。
光学ガラスとしては、SnO−P系ガラスであることが好ましい。SnO−P系ガラスは、低ガラス転移点、高屈折率及び高分散という光学特性を有する。
SnO−P系ガラスとしては、モル%で、SnO 33.5〜90%、P+B+SiO 0.1〜66.5%を含有するものが好ましい。以下に、各成分の含有量を上記のように特定した理由を説明する。なお、特に断りがない場合、以下の成分含有量に関する説明において、「%」は「モル%」を意味する。
SnOは、高屈折率かつ高分散の光学特性を達成し、化学耐久性を向上させるための成分である。SnOの含有量は33.5〜90%、35〜88%、40〜86%、50〜85%、特に57.5〜83%であることが好ましい。SnOの含有量が少なすぎると、高屈折率特性を達成しにくくなり、また、耐侯性や化学耐久性が低下する傾向がある。一方、SnOの含有量が多すぎると、耐失透性が低下する傾向がある。
、BおよびSiOはガラスの骨格を構成する成分である。また、ガラスの透過率を高める成分であり、紫外域付近の透過率低下を抑制したり、吸収端を低波長側にシフトさせることができる。特に、高屈折率のガラスの場合は、これらの成分による透過率向上の効果が得られやすい。また、失透を抑制する効果も有する。P、BおよびSiOの含有量は、合量で0.1〜66.5%、10〜60%、15〜57.5%、20〜55%、特に25〜47%であることが好ましい。これらの成分の含有量が少なすぎると、前記効果が得られにくくなり、一方、多すぎると、SnOの含有量が相対的に少なくなって、屈折率が低下しやすくなる。
なお、P、BおよびSiOの各成分の好ましい含有量は以下の通りである。
の含有量は0.1〜66.5%、1〜60%、3〜57.5%、4〜55%、5〜50%、特に10〜47%であることが好ましい。Pの含有量が多すぎると、屈折率が低下しやすくなる。また、耐侯性や化学耐久性が低下しやすくなる。なお、Pを積極的に添加することにより、ガラス転移点の低いガラスが得られやすくなる。
の含有量は0〜66.5%、0.1〜66.5%、1〜60%、3〜57.5%、4〜55%、5〜50%、特に10〜47%であることが好ましい。Bの含有量が多すぎると、屈折率が低下しやすくなる。また、耐侯性や化学耐久性が低下しやすくなる。
SiOの含有量は0〜66.5%、0.1〜66.5%、1〜60%、3〜57.5%、4〜55%、5〜50%、特に10〜47%であることが好ましい。SiOの含有量が多すぎると、屈折率が低下しやすくなる。また、未溶解による脈理や泡がガラス中に残り、光学素子としての要求品位を満たさなくなる可能性がある。
本発明を構成するガラスには、上記成分以外にも以下の成分を含有させることができる。
ZnOは融剤として作用する成分である。また、耐候性を向上させたり、ガラス化を安定にする効果もある。ZnOの含有量は0〜50%、0〜30%、0〜10%、0.1〜5%、特に0.2〜1%であることが好ましい。ZnOの含有量が多すぎると、失透しやすくなったり、光透過率が低下しやすくなる。
Alは、SiOやBとともにガラス骨格を構成することが可能な成分である。また、耐候性を向上させる効果がある。Alの含有量は0〜10%、特に0.1〜5%であることが好ましい。Alの含有量が多すぎると、失透しやすくなる。また、溶融性が低下したり、光透過率が低下する傾向がある。
ZrOは耐候性を向上させる成分である。ただし、その含有量が多すぎると、耐失透性が低下したり、溶融温度が上昇して光透過率が低下しやすくなる。従って、ZrOの含有量は0〜2%、0〜1.5%、0.1〜1%、特に0.2〜0.5%であることが好ましい。
La、Gd、Ta、WO、Nb、Y、Yb及びGeOは耐侯性及び化学耐久性を高める成分である。また、これらの成分を含有させることにより、屈折率を調整することができる。La+Gd+Ta+WO+Nb+Y+Yb+GeOの含有量は0〜30%、0.1〜20%、0.3〜15%、0.5〜10%、特に1〜7.5%であることが好ましい。これらの成分の含有量が多すぎると、耐失透性の低下、溶融温度の上昇、あるいは光透過率の低下等の不具合が生じやすくなる。なお、「La+Gd+Ta+WO+Nb+Y+Yb+GeO」は、La、Gd、Ta、WO、Nb、Y、Yb及びGeOの含有量の合量を意味する。
MgO、CaO、SrO及びBaO(アルカリ土類金属酸化物)は融剤として作用する成分である。また、耐候性を向上させる効果がある。ただし、これらの成分の含有量が多すぎると、液相温度が上昇(液相粘度が低下)して、溶融または成形工程中に失透物が析出しやすくなる。以上に鑑み、MgO+CaO+SrO+BaOの含有量は0〜30%、0.5〜25%、1〜20%、特に2〜15%であることが好ましい。なお、「MgO+CaO+SrO+BaO」は、MgO、CaO、SrO及びBaOの含有量の合量を意味する。
LiO、NaO及びKOは屈伏点を低下させる成分である。LiO+NaO+KOの含有量は0〜10%、特に0〜8%であることが好ましい。LiO+NaO+KOの含有量が多すぎると、失透しやすくなり、化学耐久性も低下する傾向がある。また、光透過率が低下しやすくなる。なお、「LiO+NaO+KO」は、LiO、NaO及びKOの含有量の合量を意味する。
清澄剤として、Cl、SまたはBrを含有させてもよい。Cl+S+Brの含有量は0〜1%、0.01〜1%、特に0.05〜0.5%であることが好ましい。Cl+S+Brの含有量が多すぎると、溶融時に揮発して溶融容器が腐食しやすくなる。なお、「Cl+S+Br」は、Cl、S及びBrの含有量の合量を意味する。また、他の清澄剤として、SbまたはSnOを含有させることができる。Sb及びSnOの含有量は各々0〜1%、0.01〜1%、特に0.05〜0.5%であることが好ましい。Sb、SnOの含有量が多すぎると、光透過率が低下しやすくなる。
Fe、NiO及びCoOは光透過率を低下させる成分である。よって、これら成分は実質的に含有しない(具体的には、各々0.1%未満)ことが好ましい。
Ce、Pr、Nd、Eu、Tb及びEr等の希土類成分も光透過率を低下させるおそれがあるため、これらの成分の含有量は酸化物換算で各々1%未満であることが好ましい。
In及びGaは光透過率を低下させるおそれがあり、また高価であるため、実質的に含有しない(具体的には、酸化物換算で各々0.1%未満)ことが好ましい。
なお、環境上の理由から、鉛成分(例えばPbO)及びヒ素成分(例えばAs)を実質的に含有しない(具体的には、各々0.1%未満)ことが好ましい。
本発明により作製した光学ガラスは、低ガラス転移点、高屈折、及び、高分散を達成しやすいSnO−P系ガラスであることが好ましい。具体的には、400℃以下、380℃以下、特に360℃以下の低ガラス転移点、1.65以上、1.75以上、特に1.85以上の高屈折率、及び、30以下、28以下、26以下、特に25以下のアッベ数を達成しやすい。
本発明の方法により光学ガラスを製造すれば、ブツの発生を抑制でき均質なガラスを得ることができる。また、着色を抑制しやすいため、近紫外〜可視域における光透過率に優れた光学ガラスが得られる。具体的には、着色度(λ70)が420nm以下、410nm以下、405nm以下、特に400nm以下の光学ガラスが得られやすい。着色度λ70が大きすぎると、可視域または近紫外域における光透過率に劣り、光学ガラスとして使用することが困難となる。なお、着色度(λ70)は厚み10mmにおいて、光透過率が70%となる最短波長を指す。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1は本発明の実施例(No.1、2)及び比較例(No.3〜5)を示している。
モル%で、SnO 72%、P 28%、になるように原料を調合し、窒素雰囲気中にて金製容器を用いて700〜1000℃で1時間溶融することにより、ガラス融液を得た。次に、ガラス融液を予熱したカーボン型に鋳込み成形し、成形体を得た。成形体を表1に示す冷却条件で冷却し、光学ガラスを得た。その後、得られた光学ガラスについて、ガラス転移点、結晶化温度、ブツの有無、屈折率、及び、着色度を評価した。結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例であるNo.1、2の試料は光学ガラスにブツが確認されなかった。一方、比較例であるNo.3〜5は、光学ガラスにブツが析出していた。
ガラス転移点、結晶化温度は、マクロ型示差熱分析計を用いて測定した。1000℃まで測定して得られたチャートにおいて、第一の変曲点の値をガラス転移点、強い発熱ピークを結晶化温度とした。
ブツの有無は、試料を目視で評価し、ブツが確認されなかったものを「○」、ブツが確認されたものを「×」とした。
屈折率はヘリウムランプのd線(587.6nm)に対する測定値で示した。
着色度は、厚さ10mm±0.1mmの光学研磨された試料について、分光光度計を用いて、200〜800nmの波長域での光透過率を0.5nm間隔で測定し、光透過率70%を示す最短波長により評価した。
本発明により作製した光学ガラスは、CD、MD、DVD、その他各種光ディスクシステムの光ピックアップレンズや、ビデオカメラ、一般のカメラの撮影用レンズ、光通信用等のレンズに使用することができる。

Claims (14)

  1. 原料を溶融して得たガラス融液を成形し、成形体を得た後、前記成形体を冷却する光学ガラスの製造方法であって、
    (結晶化温度からガラス転移点までの冷却速度)/(冷却開始温度から結晶化温度までの冷却速度)が1.3以上であることを特徴とする光学ガラスの製造方法。
  2. 冷却開始温度から結晶化温度までの冷却速度が30℃/分以下、結晶化温度からガラス転移点までの冷却速度が50℃/分以上であることを特徴とする請求項1に記載の光学ガラスの製造方法。
  3. 冷却開始温度から結晶化温度までのガラスの粘度が10dPa・s以下、結晶化温度からガラス転移点までのガラスの粘度が102.5dPa・s以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学ガラスの製造方法。
  4. 不活性雰囲気中で溶融を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学ガラスの製造方法。
  5. 不活性雰囲気中で成形を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学ガラスの製造方法。
  6. 不活性雰囲気中で冷却を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学ガラスの製造方法。
  7. 光学ガラスがSnO−P系ガラスであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光学ガラスの製造方法。
  8. 組成として、モル%で、SnO 33.5〜90%、P+SiO+B 0.1〜66.5%を含有するガラスとなるように調合した原料を用いることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光学ガラスの製造方法。
  9. 冷却開始温度が650℃以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光学ガラスの製造方法。
  10. 光学ガラスの結晶化温度が550℃以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の光学ガラスの製造方法。
  11. 光学ガラスのガラス転移点が400℃以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の光学ガラスの製造方法。
  12. 光学ガラスの屈折率が1.65以上、アッベ数が30以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の光学ガラスの製造方法。
  13. ガラス転移点が400℃以下、屈折率が1.65以上であって、少なくとも1つの面が火造り面であることを特徴とする光学ガラス。
  14. 火造り面の表面粗さRaが1μm以下であることを特徴とする請求項13に記載の光学ガラス。

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