JP6775338B2 - ガラス板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス板の製造方法に関する。
ガラス基板は、一般的に、ガラス原料から熔融ガラスを生成させた後、熔融ガラスをガラス基板へと成形する工程を経て製造される。上記の工程中には、ガラス原料を熔解させて熔融ガラスを生成させる熔解工程、熔融ガラスが内包する微小な気泡を除去する清澄工程が含まれる。
熔解工程では、熔解槽にガラス原料が投入され、ガラス原料を加熱することで熔融ガラスが生成される。熔解槽で生成された熔融ガラスは、移送管により清澄槽に搬送される。
清澄工程は、清澄剤を配合させた熔融ガラスを清澄槽に通過させ、清澄剤の酸化還元反応により熔融ガラス中の泡が取り除かれることで行われる。具体的には、熔解槽で粗熔解した熔融ガラスの温度をさらに上げて清澄剤を機能させ泡を浮上脱泡させた後、温度を下げることにより、脱泡しきれずに残った比較的小さな泡は熔融ガラスに吸収させるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−216531号公報
熔解槽から清澄槽に熔融ガラスを搬送する移送管において、熔融ガラスの温度をさらに上げるために、加熱が行われる場合がある。この場合、下流側ほど熔融ガラスの温度が高くなるように、移送管の温度を下流側ほど高くすることが行われる。移送管の温度が高くなると熔解槽および清澄槽によって拘束される移送管の両端部に応力が集中しやすくなる。特に下流側の端部では、温度が高くなることで剛性が低下するため、移送管の下流側の部分で応力によるひび割れが生じやすい。さらに、温度が高くなると移送管を構成する材料が揮発しやすくなる。このため、高温となる移送管の下流側では、揮発により移送管の壁厚が薄くなりやすく、一層破損しやすくなり、移送管の寿命が短くなるという問題がある。一方、移送管で搬送される熔融ガラスの最高温度を下げると、清澄工程に支障が生じる場合がある。
本発明は、熔融ガラスの最高温度を変更することなく、移送管の最高温度を低減することで、移送管の破損を抑制して長寿命化を図ることを目的とする。
本発明の態様は、ガラス板を製造するガラス板の製造方法であって、
導体からなる移送管内で熔融ガラスを搬送して昇温させる工程を含み、
前記移送管は上流側から下流側へ向かって上昇する様に傾斜して設けられ、
前記熔融ガラスは前記移送管内の内側断面全体に充填され、
前記移送管を通電して加熱することにより前記熔融ガラスの昇温を行い、
前記昇温させる工程において、前記移送管の電流密度が前記熔融ガラスの上流側から下流側に向かって減少するように前記移送管への通電量を調整することにより、前記熔融ガラスの温度が最高温度になるまで、前記移送管の単位長さ当たりの加熱量前記熔融ガラスの上流側から下流側に向かって減少させ、かつ、前記熔融ガラスの温度が前記最高温度になるまで、前記移送管の温度と前記移送管内を搬送される熔融ガラスの温度との差を、上流側から下流側に向かって減少させる、ことを特徴とする。
ここで、移送管の単位長さ当たりの加熱量は、熔融ガラスの上流側から下流側に向かって連続的に減少してもよいし、段階的に減少してもよい。
ここで、移送管の温度と熔融ガラスの温度との差は、熔融ガラスの上流側から下流側に向かって連続的に減少してもよいし、段階的に減少してもよい。
また、前記加熱量を、前記移送管の全長にわたって前記熔融ガラスの上流側から下流側に向かって減少させ、
前記移送管の温度と前記熔融ガラスの温度との前記差を、前記移送管の全長にわたって上流側から下流側に向かって減少させる、ことが好ましい。
前記移送管の電流密度は、熔融ガラスの上流側から下流側に向かって連続的に減少してもよいし、段階的に減少してもよい。
前記移送管の単位長さ当たりの電気抵抗が前記熔融ガラスの上流側から下流側に向かって減少するように前記移送管を調整することが好ましい。
ここで、移送管の単位長さ当たりの電気抵抗は、熔融ガラスの上流側から下流側に向かって連続的に減少してもよいし、段階的に減少してもよい。
前記移送管の壁厚が前記熔融ガラスの上流側から下流側に向かって増加するように前記移送管を調整することが好ましい。
ここで、移送管の壁厚は、熔融ガラスの上流側から下流側に向かって連続的に増加してもよいし、段階的に増加してもよい。なお、移送管の内径は均一であることが好ましい。
本発明によれば、熔融ガラスの最高温度を変更することなく、移送管が最高温度となる下流側の温度を低減することができ、移送管の破損を抑制し、長寿命化を図ることができる。
ガラス基板の製造方法を示すフロー図である。 ガラス基板の製造装置の概略図である。 移送管の流れ方向の位置(横軸)と、移送管内の熔融ガラスの温度および移送管の温度との関係を示す図である。 移送管104Aの断面図である。 移送管104Bの断面図である。
以下、本実施形態のガラス基板の製造方法およびガラス基板の製造装置について説明する。
(ガラス基板の製造方法の全体概要)
図1は、本実施形態のガラス基板の製造方法の工程の一例を示す図である。ガラス基板の製造方法は、熔解工程(ST1)、清澄工程(ST2)、均質化工程(ST3)、供給工程(ST4)、成形工程(ST5)、徐冷工程(ST6)、および、切断工程(ST7)を主に有する。この他に、研削工程、研磨工程、洗浄工程、検査工程、梱包工程等を有してもよい。製造されたガラス基板は、必要に応じて梱包工程で積層され、納入先の業者に搬送される。
熔解工程(ST1)では、ガラス原料を加熱することにより熔融ガラスを作る。
清澄工程(ST2)では、熔融ガラスが昇温されることにより、熔融ガラス中に含まれる酸素、COあるいはSOを含んだ泡が発生する。この泡が熔融ガラス中に含まれる清澄剤(酸化スズ等)の還元反応により生じた酸素を吸収して成長し、熔融ガラスの液面に浮上して放出される。その後、清澄工程では、熔融ガラスの温度を低下させることにより、清澄剤の還元反応により得られた還元物質が酸化反応をする。これにより、熔融ガラスに残存する泡中の酸素等のガス成分が熔融ガラス中に再吸収されて、泡が消滅する。
均質化工程(ST3)では、スターラを用いて熔融ガラスを撹拌することにより、ガラス成分の均質化を行う。これにより、脈理等の原因であるガラスの組成ムラを低減することができる。均質化工程は、後述する撹拌槽において行われる。
供給工程(ST4)では、撹拌された熔融ガラスが成形装置に供給される。
成形工程(ST5)及び徐冷工程(ST6)は、成形装置で行われる。
成形工程(ST5)では、熔融ガラスをシートガラスに成形し、シートガラスの流れを作る。成形には、オーバーフローダウンドロー法が用いられる。
徐冷工程(ST6)では、成形されて流れるシートガラスが所望の厚さになり、内部歪が生じないように、さらに、反りが生じないように冷却される。
切断工程(ST7)では、徐冷後のシートガラスを所定の長さに切断することで、板状のガラス基板を得る。切断されたガラス基板はさらに、所定のサイズに切断され、目標サイズのガラス基板が作られる。
本実施形態において製造されるガラス基板は、特に制限されないが、例えば縦寸法及び横寸法のそれぞれが、500mm〜3500mm、1500mm〜3500mm、1800〜3500mm、2000mm〜3500mmなどが挙げられ、2000mm〜3500mmであることが好ましい。
ガラス基板の厚さは、例えば、0.1〜1.1(mm)が挙げられ、より好ましくは0.75mm以下の極めて薄い矩形形状の板で、例えば、0.55mm以下、さらには0.45mm以下の厚さがより好ましい。ガラス基板の厚さの下限値としては、0.15mm以上が好ましく、0.25mm以上がより好ましい。
以下、切断工程以後のガラス基板の製造方法について説明する。
本実施形態におけるガラス基板は、例えばフュージョン法あるいはフロート法等の公知の方法により、熔融されたガラスを所定の厚さの帯状ガラスであるシートガラスに成形される(ステップS1)。
次に、成形されたシートガラスが所定の長さの素板であるガラス基板に採板される(ステップS2)。採板により得られたガラス基板は、搬送機構により、ピンチング保持されつつ、熱処理工程に誘導され搬送され、次に、この搬送されたガラス基板に対し熱処理を行なってもよい。
ステップS2あるいは熱処理後のガラス基板は切断工程に搬送され、製品のサイズに切断され、ガラス基板が得られる(ステップS3)。得られたガラス基板には、端面の研削、研磨およびコーナカットを含む端面加工が行われる(ステップS4)。端面加工後のガラス基板のガラス表面の微細な異物や汚れを取り除くために、ガラス基板を洗浄する(ステップS5)。
端面加工直後の洗浄工程S5の後に、ガラス基板に対して表面化処理S6(粗面化工程Pr1及びすすぎ工程Pr2)を行う。
表面処理工程S6の後に、第2洗浄後S7を行い、この後、洗浄されたガラス基板はキズ、塵、汚れあるいは光学欠陥を含む傷が無いか、光学的検査が行われる(ステップS8)。検査により品質の適合したガラス基板は、ガラス基板を保護する紙と交互に積層された積層体としてパレットに積載されて梱包される(ステップS9)。梱包されたガラス基板は納入先業者に出荷される。
このようなガラス基板として、以下のガラス組成のガラス基板が例示される。つまり、以下のガラス組成のガラス基板が製造されるように、熔融ガラスの原料が調合される。
SiO2 55〜80モル%、
Al23 8〜20モル%、
23 0〜12モル%、
RO 0〜17モル%(ROはMgO、CaO、SrO及びBaOの合量)。
SiO2は60〜75モル%、さらには、63〜72モル%であることが、熱収縮率を小さくするという観点から好ましい。
ROのうち、MgOが0〜10モル%、CaOが0〜15モル%、SrOが0〜10%、BaOが0〜10%であることが好ましい。
また、SiO2、Al23、B23、及びROを少なくとも含み、モル比((2×SiO2)+Al23)/((2×B23)+RO)は4.5以上であるガラスであってもよい。また、MgO、CaO、SrO、及びBaOの少なくともいずれか含み、モル比(BaO+SrO)/ROは0.1以上であることが好ましい。
また、モル%表示のB23の含有率の2倍とモル%表示のROの含有率の合計は、30モル%以下、好ましくは10〜30モル%であることが好ましい。
また、上記ガラス組成のガラス基板におけるアルカリ金属酸化物の含有率は、0モル%以上0.4モル%以下であってもよい。
また、ガラス中で価数変動する金属の酸化物(酸化スズ、酸化鉄)を合計で0.05〜1.5モル%含み、As、Sb及びPbOを実質的に含まないということは必須ではなく任意である。
本実施形態で製造されるガラス基板は、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板、またはカーブドパネルディスプレイ用ガラス基板で、例えば、液晶ディスプレイ用ガラス基板あるいは、有機ELディスプレイ用のガラス基板として好適である。さらに、本実施形態で製造されるガラス基板は、高精細ディスプレイに用いるLTPS(Low−temperature poly silicon)・IGZO(Indium−Gallium−Zinc−Oxide)・TFTディスプレイ用ガラス基板として特に好適である。
本実施形態における熔融ガラスからシートガラスを成形する方法として、フロート法やフュージョン法等が用いられるが、本実施形態のガラス基板のオフラインにおける熱処理を含むガラス基板の製造方法は、フュージョン法(オーバーダウンドロー法)において製造ライン上の徐冷装置を長くすることが困難である点から、フュージョン法に適している。本実施形態のガラス基板の熱収縮率は、50ppm以下であり、好ましくは40ppm以下、より好ましくは30ppm以下、更により好ましくは20ppm以下である。熱収縮率を低減する前のガラス基板の熱収縮率の範囲としては、10ppm〜40ppmが好ましい。
図2は、本実施形態における熔解工程(ST1)〜切断工程(ST7)を行うガラス基板の製造装置の概略図である。ガラス基板の製造装置は、図2に示すように、主に熔解装置100と、成形装置200と、切断装置300と、を有する。熔解装置100は、熔解槽101と、清澄管102と、撹拌槽103と、移送管104、105と、ガラス供給管106と、を有する。
図2に示す熔解槽101には、図示されないバーナー等の加熱手段が設けられている。熔解槽には清澄剤が添加されたガラス原料が投入され、熔解工程(ST1)が行われる。熔解槽101で熔融した熔融ガラスは、移送管104を介して清澄管102に供給される。
清澄管102では、熔融ガラスMGの温度を調整して、清澄剤の酸化還元反応を利用して熔融ガラスの清澄工程(ST2)が行われる。具体的には、清澄管102内の熔融ガラスが昇温されることにより、熔融ガラス中に含まれる酸素、COあるいはSOを含んだ泡が、清澄剤の還元反応により生じた酸素を吸収して成長し、熔融ガラスの液面に浮上して気相空間に放出される。その後、熔融ガラスの温度を低下させることにより、清澄剤の還元反応により得られた還元物質が酸化反応をする。これにより、熔融ガラスに残存する泡中の酸素等のガス成分が熔融ガラス中に再吸収されて、泡が消滅する。清澄後の熔融ガラスは、移送管105を介して撹拌槽103に供給される。
撹拌槽103では、撹拌子103aによって熔融ガラスが撹拌されて均質化工程(ST3)が行われる。撹拌槽103で均質化された熔融ガラスは、ガラス供給管106を介して成形装置200に供給される(供給工程ST4)。
成形装置200では、オーバーフローダウンドロー法により、熔融ガラスからシートガラスSGが成形され(成形工程ST5)、徐冷される(徐冷工程ST6)。
切断装置300では、シートガラスSGから切り出された板状のガラス基板が形成される(切断工程ST7)。
次に、熔解槽101で熔融した熔融ガラスを清澄管102に供給する移送管104の詳細な構成について説明する。
移送管104は、熔解槽101(上流側)から清澄管102(下流側)へ向かって上昇する様に傾斜して設けられている。移送管104では、熔融ガラスが移送管104内の内側断面全体に充填された状態で熔融ガラスを搬送しながら、熔融ガラスの温度を清澄工程に適した温度まで昇温させている。具体的には、移送管104の上流側における熔融ガラスの温度(1550℃〜1700℃)から、約50〜60℃上昇させて、移送管104の下流側で清澄に適した温度(1600℃〜1750℃)となるように熔融ガラスの昇温を行う。熔融ガラスの昇温は、移送管104を加熱することにより行う。
図3は、移送管の流れ方向の位置(横軸)と、移送管内の熔融ガラスの温度および移送管の温度との関係を示す図である。図3において、実線は本実施形態における移送管104内の熔融ガラスの温度、破線は本実施形態における移送管104の温度、一点鎖線は従来の移送管内の熔融ガラスの温度、二点鎖線は従来の移送管の温度をそれぞれ示す。
図3に示すように、従来の移送管では、移送管の長さ方向の位置にかかわらず、移送管の単位長さ当たりの加熱量を一定にすることで、図3の二点鎖線に示すように、移送管の温度を直線状に上昇させていた。これにより、図3の一点鎖線に示すように、移送管内の熔融ガラスの温度もまた直線状に上昇させていた。このような従来の方法では、下流側ほど熔融ガラスの温度を高くするために、移送管の温度をより高くする必要があった。移送管の下流側で温度が高くなると熱膨張によって移送管の下流側の部分に応力が集中しやすくなり、上述したように移送管が破損しやすいといった問題があった。
これに対し、本実施形態においては、移送管104の単位長さ当たりの加熱量が熔融ガラスの上流側から下流側に向かって減少するように移送管104の加熱を行う。これにより、図3に示すように、移送管104の上流側で温度を急速に上昇させ、移送管104の下流側で温度勾配を緩やかにすることができる。ここで、移送管104の温度勾配は、熔融ガラスの上流側から下流側に向かって連続的に減少するようにしてもよいし、図3に示すように断続的に減少するようにしてもよい。すなわち、移送管104の単位長さ当たりの加熱量は、熔融ガラスの上流側から下流側に向かって連続的に減少するようにしてもよいし、断続的に減少するようにしてもよい。
図3の実線および破線に示すように、移送管104の温度と移送管104内を搬送される熔融ガラスの温度との差が熔融ガラスの上流側から下流側に向かって減少するように移送管104の加熱を行うことができる。具体的には、移送管104の上流側において移送管104と熔融ガラスとの温度差を大きくする一方、移送管104の下流側において移送管104と熔融ガラスとの温度差を小さくするように加熱量を制御する。熔融ガラスの温度が上昇する下流側において移送管104と熔融ガラスとの温度差を小さくすることで、移送管104の最高温度を低く抑えることができる。このため、図3に示すように、熔融ガラスの最高温度を変更することなく、移送管104が最高温度となる下流側の温度を低減することができ、移送管104の破損を抑制し、長寿命化を図ることができる。移送管104の温度と熔融ガラスの温度との差は、上流側から下流側に向かって連続的に減少するようにしてもよいし、断続的に減少するようにしてもよい。
例えば、移送管104を導体により構成し、移送管104へ通電することで移送管104をジュール熱により直接加熱してもよい。熔融ガラスの温度に耐えうる導体として、白金族金属又は白金族金属の合金を移送管104に用いることができる。
例えば、移送管104に通電する電流密度が熔融ガラスの上流側から下流側に向かって減少するように移送管104への通電量を調整することで、移送管104の単位長さ当たりの加熱量を調整してもよい。移送管104に通電する電流密度は、熔融ガラスの上流側から下流側に向かって連続的に減少するようにしてもよいし、断続的に減少するようにしてもよい。
例えば、移送管104の単位長さ当たりの電気抵抗が熔融ガラスの上流側から下流側に向かって減少するように移送管104を調整することで、移送管104に通電する電流密度が熔融ガラスの上流側から下流側に向かって減少するようにしてもよい。移送管104の単位長さ当たりの電気抵抗は、熔融ガラスの上流側から下流側に向かって連続的に減少するようにしてもよいし、断続的に減少するようにしてもよい。
また、移送管104の壁厚が熔融ガラスの上流側から下流側に向かって増加するように移送管104を調整してもよい。移送管104の壁厚を熔融ガラスの上流側から下流側に向かって上昇させることで、移送管104の単位長さ当たりの電気抵抗が上流側から下流側に向かって減少させることができる。また、温度が上昇する下流側ほど移送管104の壁厚を上昇させることで、移送管104が最高温度となる下流側で移送管104の剛性を高め、移送管104の破損を抑制して長寿命化を図ることができる。
例えば、図4に示すように、移送管104Aの壁厚が、熔融ガラスの上流側から下流側に向かって連続的に増加するようにしてもよい。
あるいは、図5に示すように、移送管104Bの壁厚が、熔融ガラスの上流側から下流側に向かって断続的に増加するようにしてもよい。
いずれの場合も、移送管の内径は均一であることが好ましい。
以上、本発明のガラス基板の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
本実施形態のガラス基板の製造方法によって製造されるガラス基板には、無アルカリのボロアルミノシリケートガラスあるいはアルカリ微量含有ガラスが用いられることが好ましい。
<ガラス組成>
本実施形態が適用されるガラス基板は、例えば以下の組成を含む無アルカリガラスからなることが好ましい。
本実施形態が適用するガラス組成として、例えば、次が挙げられる(質量%表示)。
SiO:50〜70%(好ましくは、57〜64%)、Al:5〜25%(好ましくは、12〜18%)、B:0〜15%(好ましくは、6〜13%)を含み、さらに、次に示す組成を任意に含んでもよい。任意で含む成分として、MgO:0〜10%(好ましくは、0.5〜4%)、CaO:0〜20%(好ましくは、3〜7%)、SrO:0〜20%(好ましくは、0.5〜8%、より好ましくは3〜7%)、BaO:0〜10%(好ましくは、0〜3%、より好ましくは0〜1%)、ZrO:0〜10%(好ましくは、0〜4%,より好ましくは0〜1%)が挙げられる。さらに、R’O:0.10%を超え2.0%以下(ただし、R’はLi、NaおよびKから選ばれる少なくとも1種である)を含むことがより好ましい。
或いは、SiO:50〜70%(好ましくは、55〜65%)、B:0〜10%(好ましくは、0〜5%、1.3〜5%)、Al:10〜25%(好ましくは、16〜22%)、MgO:0〜10%(好ましくは、0.5〜4%)、CaO:0〜20%(好ましくは、2〜10%、2〜6%)、SrO:0〜20%(好ましくは、0〜4%、0.4〜3%)、BaO:0〜15%(好ましくは、4〜11%)、RO:5〜20%(好ましくは、8〜20%、14〜19%),を含有することが好ましい(ただし、RはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種である)。さらに、R’Oが0.10%を超え2.0%以下(ただし、R’はLi、NaおよびKから選ばれる少なくとも1種である)を含むことがより好ましい。
<ヤング率>
本実施形態が適用されるガラス板のヤング率として、例えば、72(Gpa)以上が好ましく、75(Gpa)以上がより好ましく、77(Gpa)以上がより更に好ましい。
<歪点>
本実施形態が適用されるガラス基板の歪率として、例えば、650℃以上が好ましく、680℃以上がより好ましく、700℃以上、720℃以上が更により好ましい。
本実施形態で製造されるガラス基板は、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板を含むディスプレイ用ガラス基板に好適である。IGZO(インジウム、ガリウム、亜鉛、酸素)等の酸化物半導体を使用した酸化物半導体ディスプレイ用ガラス基板及びLTPS(低温度ポリシリコン)半導体を使用したLTPSディスプレイ用ガラス基板に好適である。また、本実施形態で製造されるガラス基板は、アルカリ金属酸化物の含有量が極めて少ないことが求められる液晶ディスプレイ用ガラス基板に好適である。また、有機ELディスプレイ用ガラス基板にも好適である。言い換えると、本実施形態のガラス基板の製造方法は、ディスプレイ用ガラス基板の製造に好適であり、特に、液晶ディスプレイ用ガラス基板の製造に好適である。
また、本実施形態で製造されるガラス基板は、カバーガラス、磁気ディスク用ガラス、太陽電池用ガラス基板などにも適用することが可能である。
100 熔解装置
101 熔解槽
102 清澄管
103 撹拌槽
103a 撹拌子
104、104A、104B、105 移送管
106 ガラス供給管
200 成形装置
300 切断装置
MG 熔融ガラス
SG シートガラス

Claims (4)

  1. ガラス板を製造するガラス板の製造方法であって、
    導体からなる移送管内で熔融ガラスを搬送して昇温させる工程を含み、
    前記移送管は上流側から下流側へ向かって上昇する様に傾斜して設けられ、
    前記熔融ガラスは前記移送管内の内側断面全体に充填され、
    前記移送管を通電して加熱することにより前記熔融ガラスの昇温を行い、
    前記昇温させる工程において、前記移送管の電流密度が前記熔融ガラスの上流側から下流側に向かって減少するように前記移送管への通電量を調整することにより、前記熔融ガラスの温度が最高温度になるまで、前記移送管の単位長さ当たりの加熱量前記熔融ガラスの上流側から下流側に向かって減少させ、かつ、前記熔融ガラスの温度が前記最高温度になるまで、前記移送管の温度と前記移送管内を搬送される熔融ガラスの温度との差を、上流側から下流側に向かって減少させる、ガラス板の製造方法。
  2. 前記加熱量を、前記移送管の全長にわたって前記熔融ガラスの上流側から下流側に向かって減少させ、
    前記移送管の温度と前記熔融ガラスの温度との前記差を、前記移送管の全長にわたって上流側から下流側に向かって減少させる、請求項1に記載のガラス板の製造方法。
  3. 前記移送管の単位長さ当たりの電気抵抗が前記熔融ガラスの上流側から下流側に向かって減少するように前記移送管を調整する、請求項1または2に記載のガラス板の製造方法。
  4. 前記移送管の壁厚が前記熔融ガラスの上流側から下流側に向かって増加するように前記移送管を調整する、請求項1〜のいずれか一項に記載のガラス板の製造方法。
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