JP2014037320A - ガラス板製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐火金属製装置の長寿命化を効果的に図ることができるガラス板の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るガラス板の製造方法は、耐火金属からなる長手方向に延長する管状の清澄槽102に溶融ガラスを流す工程を含むガラス板の製造方法であって、清澄槽102を通電加熱することにより溶融ガラスを加熱し、清澄槽102は、耐火金属の融点未満、かつ、融点よりも150℃低い温度以上となる溶融ガラスに接する部位の少なくとも一部の全周において他の部分よりも肉厚である肉厚部102bを有することを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、ガラス板の製造方法に関する。
ガラスの製造には、高温である溶融ガラスを扱うため、白金又は白金合金等、耐火性金属からなる装置が多く用いられる。特に、液晶ディスプレイ(LCD)用のガラス基板においては、アルカリ分が極めて少なくガラス原料の溶解、溶融温度が他のガラス製品と比べて高いことから、溶融ガラスの移送管、槽は殆どが白金または白金合金からなる製造装置となっている。また、上記したLCD用ガラス基板は泡を含まない製品が求められているため、「清澄工程」と呼ばれる工程において溶融ガラス温度を1500℃以上とし溶融ガラス中の泡を除去している。このため、LCDガラス基板用のガラス板の製造装置では、耐火性金属の中でも高温下での耐久性に最も優れている、白金または白金合金からなる製造装置が多用されている。しかし、耐火金属といえどもガラスが溶ける程度の高温下では、酸化される。このとき白金又は白金合金の製造装置は酸化の際に揮発し、製造装置を構成する部材が薄くなる酸化孔食が発生してしまう。特に、LCDガラス基板用のガラス板の製造においては、上記した清澄工程において白金又は白金合金が高温にさらされる特定の部位があり、上記した白金の酸化孔食が著しく発生してしまう。上記したLCDガラス基板の清澄工程は、ガラス原料に清澄剤を添加することにより行われている。清澄剤は溶融ガラスが低温から高温に達する際に、清澄剤を構成する金属の価数変動を伴うMxy→Mx1y1+zO2(Mは金属元素、x,x1,y,y1,zは実数)という反応が生じ、この際に発生する酸素によって、溶解時の巻き込み気泡を拡大して、浮上脱泡が行われる。ガラスの清澄剤としては、酸化ヒ素や酸化アンチモン等が従前より使用されてきたが、環境への影響が懸念されることから、近年では環境への影響が殆ど無い酸化スズが使用されるようになっている。しかしながら、酸化スズは酸化ヒ素や酸化アンチモンやよりも価数変動を伴う反応を生じさせる温度が高く、清澄工程を行う製造装置では、溶融ガラスおよび製造装置の温度は約1650℃又はそれ以上になる。このため、耐火金属製の装置の寿命はせいぜい数年となる。特に白金又は白金合金のように高価な貴金属からなる装置を数年おきに調達しなければならないとなると費用がかさむ。
そこで、例えば、特許文献1(特表2010-502550号公報)に記載されているように、表面にコーティングを施すことによりガラス製造システムの耐火金属からなる槽の酸化孔食を最少化する技術が提案されている。
しかし、上記の方法を用いても耐火金属製装置の酸化孔食を十分に抑えられない場合があり、耐火金属製装置の長寿命化を効果的に図ることが可能な方法が依然として要請されている。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、耐火金属製装置の長寿命化を効果的に図ることが可能なガラス板の製造方法を提供するものである。
本発明の発明者は、耐火金属製装置の長寿命化を図る方法について鋭意研究を行った結果、
(i)耐火金属製装置のうち特に他の領域と比べて高温となる特定部位において他の部位よりも耐火金属の酸化又は揮発が激しく、1〜2年で当該部位に穴があくこと、
(ii)当該特定部位は、例えば装置が溶融ガラス清澄用の管状の耐火金属製装置(清澄槽)の場合、高温の溶融ガラスと接するところのみならず、当該ガラスと管の内壁の間の雰囲気と接する部位、つまり当該管の長手方向の一部の頂部に位置することがあること、
を見出した。
本発明は、このような観点からなされたものであり、本発明に係るガラス板の製造方法は、耐火金属からなる長手方向に延長する管状の耐火金属製装置に溶融ガラスを流す工程を含むガラス板の製造方法であって、耐火金属製装置を通電加熱することにより溶融ガラスを加熱し、耐火金属製装置は、耐火金属の融点未満、かつ、融点よりも150℃低い温度以上の溶融ガラスに接する部位の少なくとも一部において他の部分よりも肉厚である肉厚部を有することを特徴とする。
耐火金属製装置は、特に高温になりやすい部位に他の部位よりも肉厚な肉厚部を有するので、耐火金属製装置の耐久性が増す。したがって、耐火金属製装置の長寿命化を効果的に図ることが可能である。
また、本発明に係るガラス板の製造方法は、耐火金属製装置は、少なくとも半周にわたって肉厚部を有することが好ましい。
また、本発明に係るガラス板の製造方法は、耐火金属製装置は、全周にわたって肉厚部を有することが好ましい。
また、本発明に係るガラス板の製造方法は、耐火金属が白金又は白金合金であることが好ましい。
また、本発明に係るガラス板の製造方法は、耐火金属製装置が溶融ガラスを清澄するための清澄槽であることが好ましい。
また、本発明に係るガラス板の製造方法は、肉厚部が前記耐火金属製装置の他の部分よりも少なくとも10%肉厚になっていることが好ましい。
本発明に係るガラス板の製造方法によれば、耐火金属製装置の長寿命化を効果的に図ることが可能である。
本発明の実施形態に係るガラス板製造工程のフローチャート 本発明の実施形態に係るガラス板製造ライン 本発明の実施形態に係る清澄槽
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明は本発明の一例に関するものであり、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(1)管状の耐火金属製装置(清澄槽)
本発明の一実施形態に係る耐火金属からなる長手方向に延長する管状の耐火金属製装置は、ガラス板の製造に用いる耐火金属製の装置であり、溶融ガラスを加熱しながら清澄する清澄槽102(清澄管)である。図3に示すとおり、清澄槽102は、管本体102aと、管本体102aの両端と略中間に設けられた少なくとも3つの給電装置201とを備えている。
管本体102aは、円筒状の形状を有している。管本体102aの最大内径は、例えば300〜400mmである。この管本体102aは、耐火金属からなるが、白金又は白金合金からなることが好ましい。管本体102aは、第1給電装置201a、第2給電装置201b、及び、第3給電装置201cにより通電されることによって発熱し、そのジュール熱で溶融ガラスを加熱する。第1給電装置201a、第2給電装置201b、及び、第3給電装置201cは、フランジとフランジから引き出された電極とからなり、電流は、第1給電装置201aと第2給電装置201bとの間及び第2給電装置201bと第3給電装置201cとの間を流れる。
管本体102aは、他の部分よりも肉厚である肉厚部102bを有することが好ましい。管本体102aは、管本体102aが所定の温度範囲の溶融ガラスと接する部位の少なくとも一部において肉厚部102bを有することが好ましい。管本体102aの当該所定の温度範囲の溶融ガラスと接する部位は、肉厚部102bの管本体102aにおける長手方向の位置を画するものである。当該所定の温度範囲は、管本体102aを構成する耐火金属の融点未満であり、かつ、当該融点より150℃低い温度以上であることが好ましい。また、さらには、当該所定の温度範囲は、当該融点未満であり、かつ、当該融点より100℃低い温度以上であることがより好ましい。また、さらに好ましくは、当該所定の温度範囲は、当該耐火金属の融点未満であり、かつ、融点より80℃低い温度以上であることがよい。例えば、管本体102aが白金からなる場合、溶融ガラスの温度が白金の融点約1770℃未満、かつ、1620℃以上、より好ましくは、1670℃以上、さらにより好ましくは、1690℃以上となる領域に接する管本体102aの部位の一部において肉厚部102bを有することがよい。肉厚部102bの全長は、100mm以上、より好ましくは、150mm、さらにより好ましくは、200mm以上であることが好ましい。肉厚部102bは、管本体102aの全周の一部にわたって設けられていてもよいが、半周以上にわたって設けられていることが好ましく、さらには、全周にわたって設けられていることがより好ましい。但し、管本体102aの全周の一部にわたって肉厚部102bを設ける場合は、肉厚部102bは、管本体102bの頂部を覆うように設けられることが好ましい。肉厚部102bの厚みは、耐火金属製装置の材料、肉厚部102bの断面積、溶融ガラスの温度などを考慮して調整することが好ましく、例えば、他の部分における厚みより10%以上肉厚であることが好ましく、さらには、20%以上、さらには、50%以上、さらには、100%以上肉厚であることがより好ましい。肉厚部102b以外の厚みが1mmである管本体102aが肉厚部102bを有する場合、肉厚部102bの厚みは、1.1mm以上であることが好ましく、さらには、1.2mm以上、さらには、1.5mm以上、さらには、2mm以上であることがより好ましい。
清澄槽102においては、ガラス板の品質及び特性を保つために管本体102aの中の溶融ガラスを所定の温度まで加熱する必要がある。この場合に部分的に管本体102aの温度が管本体102aを構成する耐火金属、例えば白金、が酸化又は揮発しやすい温度以上になる部位が生じる。清澄槽102では、溶融ガラス中からガス成分を放出させるために溶融ガラスの液面と清澄槽102の管本体102aの内壁との間には、空間があいていることが好ましい。当該空間は、気泡が溶融ガラスから抜け出るのに十分なものであることが好ましく、当該空間となっている液面と内壁との間の距離は、管本体102aの内径の50%未満かつ1%以上であることが好ましく、さらには、管本体102aの内径の15%未満かつ5%以上であることが好ましい。ところで、当該空間内の雰囲気に接する管本体102aの部位は、通電による発熱が輻射電熱でガラスに伝わるのみなので、溶融ガラスに接する部位よりも高温になる。耐火金属からなる管本体102aを流れる溶融ガラスの温度が例えば1700℃になる部位の管本体102aの頂部は、中の雰囲気にのみ接するので、1700℃よりも高温になる。耐火金属からなる管本体102aであっても、管本体の温度が所定の温度以上の高温になると酸化又は揮発し、やがて穴があく。したがって、耐火金属の酸化や揮発を抑えるには、所定の温度範囲となる管本体102aの部位の少なくとも一部において、管本体102aを他の部分よりも肉厚にして強化すればよい。こうすれば、肉厚な部分は、酸化や揮発により薄くなっても穴があくまで時間を要し、耐久性が増す。このほか、当該部分の電気抵抗の低下や熱容量の増加等、複数の原因により、当該部分の温度上昇の抑制も見込める。なお、管本体102aを全体的に肉厚にしてもよいが、耐火金属の中でも貴金属である白金は、特に高価であり、費用が膨大となる。
一方、管本体102aを通電すると、電流は、電気抵抗の小さい部位により多く流れる。電気抵抗は、電流が流れる断面積が大きいほど小さくなるからである。抵抗値Rの抵抗に電流を流した場合の発熱量Qは、I2*Rという式で表されるから、電気抵抗が下がっても、より多くの電流が流れれば、発熱量はより大きくなる恐れがある。したがって、耐火金属が酸化及び揮発しやすい管本体102aの頂部のみにおいて肉厚部102bを設けると、肉厚部102bに電流が集中することにより肉厚部102bが設けられた頂部周辺がかえって高温となることがあり得る。よって、上述した厚みの範囲では、肉厚部102bを半周以上、さらに好ましくは、全周にわたって設けると、肉厚部102bに電流が集中することによって肉厚部102bを設けない場合よりも当該部分の発熱量が増加するのを避けることができる。
例えば、肉厚部102bの厚み及び管本体102aの全周を占める範囲と、電流、抵抗、および、発熱量との関係を計算すると、以下のようになる。白金からなり、厚さが肉厚部102bを除いて一様に1mmである管本体102aが、厚さ2mmの肉厚部102bを、管本体102aの第1給電装置201aと第2給電装置201bとが取り付けられている位置の間であって、管本体102aの温度が特に高温になる全長Lmmの部位(以下、高温部位とする)において、全周にわたって有していると仮定する。また、管本体102aが肉厚部102bを有さないと仮定した場合の、高温部位と同じ位置にあたる部位の抵抗をRΩとする。管本体102aの高温部位の全周にわたって流れる電流をIアンペアとする。この場合に、管本体102aを通電したときの肉厚部102bの抵抗R1は、抵抗R=ρ(比抵抗)*L(長さ)/A(断面積)であるところ、肉厚部102bの断面積は、肉厚部102bを有しない場合の管本体102aの断面積Aの2倍であるから、R/2となる。肉厚部102bの発熱量Q1は、Q1[J・s]=(I)2*R/2となる。肉厚部102bが無い場合の高温部位の発熱量Q2は、Q2[J・s]=(I)2*Rとなる。したがって、高温部位の全周にわたって管本体102aにIアンペアの電流を流す場合、Q1/Q2=1/2となり、肉厚部102bがあるほうが、肉厚部102bがないよりも、通電時の発熱量が半分になる。次に、肉厚部102bの厚みが他の部分より20%厚い1.2mmであるとし、また肉厚部102bは、全長Lmmの高温部位の半周にわたって設けられているとすると、肉厚部102bである半周とその他の半周とが並列に繋がれた回路を電流が流れるとみることができる。この場合に、管本体102aの高温部位の全周にわたって流れる電流をIアンペア、肉厚部102bを流れる電流は、I1、その他の半周部分を流れる電流は、I2とすると、I=I1+I2となる。肉厚部102bの抵抗R1=2R/1.2、その他の半周部分の抵抗R2=2Rであるから、I=1.2E/2R+E/2R(Eは、電圧)、E=2RI/2.2となり、I1=E/R1=1.2I/2.2となる。肉厚部102bの発熱量Q1は、Q1[J・s]=(1.2I/2.2)2*2R/1.2となる。肉厚部102bが無い場合の高温部位における半周の発熱量Q2=(I/2)2*2Rであるから、Q1/Q2=約0.992となり、肉厚部102bがあるほうが、肉厚部102bがないよりも、通電時の発熱量は小さくなる。
清澄槽102の耐火金属からなる管本体102aが、耐火金属の融点未満、かつ、融点よりも150℃低い温度以上の溶融ガラスに接する部位の少なくとも一部において他の部分よりも肉厚である肉厚部を有することの管本体102aの温度上昇に対する効果をシュミレーション計算した。管本体102aは、白金とロジウムとの合金(融点約1840℃)からなり、直径約350mm、厚さ1mmであり、第1給電装置201aと第2給電装置201bとの間に、第2給電装置201bから約300mmの位置から約450mmの位置までの全長150mmの全周にわたって厚さ1.2mmの上述の肉厚部102bを有すると仮定した。当該肉厚部が設けられた位置の頂部は、肉厚部102bを有さない管本体からなる従来の清澄槽を用いてガラス板を製造した際に、白金とロジウムとの合金製の管本体の温度が著しく高温に達し、白金の酸化又は揮発が著しい領域である。第1給電装置201a、第2給電装置201b、及び、第3給電装置201cにより清澄層102を通電させて発熱させ、第1給電装置201aと第2給電装置201bとの間で、約6000Aの電流を流して清澄槽102内の溶融ガラスを加熱し、肉厚部102bが設けられている位置で溶融ガラスの温度が約1700℃以上に達したと仮定した。そして、このときの清澄槽102の管本体102aの肉厚部102bの頂部の温度がいくらになるかをシュミレーションした。結果は、管本体102aの肉厚部102bの頂部の温度は、肉厚部102aがない場合に約1820℃に達するのに対し、それよりも約10℃下がり、約1810℃であった。このシュミレーション結果からも、本発明を用いると耐火金属製の清澄槽102等のガラス製造装置の長寿命化を効果的に図れることが分かる。
なお、上記結果を得たシュミレーション方法については、当業者であれば下記に挙げた市販のソフトウェアを用いて行なうことが可能なので、ここで詳述することはしないが、簡単に述べておくと、清澄槽102の白金合金からなる管本体102aの温度分布をシュミレーションするのに、数学的モデリングを用いた。具体的には、管本体102aの特性としては、例えば、管本体102aを構成する白金合金の電気抵抗率および熱伝導率、溶融ガラスの電気および熱に関する特性(密度、熱伝導率、比熱、粘度、流量)、管本体102aの幾何形状が挙げられる。また、数学的モデリングでは、管本体102aを構成する白金合金の特性を用いて、電場、温度場、流れ場の方程式を連成した場を、有限要素法もしくは有限体積法もしくは有限差分法などの手法により離散化し、数値解析的に管本体102aの温度分布を得ることができる。これらは、カスタマイズされたソフトウェアあるいは、市販のソフトウェアパッケージを数学モデリングのツールとして使用できる。市販のソフトウェアパッケージとしては、例えば3−D CADとして、AUTOCAD、SOLIDWORKSが挙げられ、メッシングにはGAMBIT、FEMAP、KSWAD、ICEMCFDが挙げられ、ジュール発熱熱伝導、ガラスの流れの計算には、FIDAP、FLUENTなどが挙げられ、計算結果のポストツールとしては、CFD−POST、ENSIGHTなどが挙げられる。
(2)ガラス板の製造方法の概要
(2−1)ガラスの原料
本発明に係るガラス板の製造方法は、あらゆるガラス板の製造に適用可能であるが、特に液晶表示装置やプラズマディスプレイ装置などのフラットパネルディスプレイ用のガラス基板、あるいは、表示部を覆うカバーガラスの製造に好適である。
本発明に従ってガラス板を製造するには、まず所望のガラス組成となるようにガラス原料を調合する。例えば、フラットパネルディスプレイ用のガラス基板を製造する場合は、以下の組成を有するように原料を調合するのが好適である。
(a)SiO2:50〜70質量%、
(b)B23:5〜18質量%、
(c)Al23:10〜25質量%、
(d)MgO:0〜10質量%、
(e)CaO:0〜20質量%、
(f)SrO:0〜20質量%、
(o)BaO:0〜10質量%、
(p)RO:5〜20質量%(但し、Rは、Mg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種である)、
(q)R’ 2O:0.10質量%を超え2.0質量%以下(但し、R’は、Li、Na、およびKから選ばれる少なくとも1種である)、
(r)酸化スズ、酸化鉄、および、酸化セリウムなどから選ばれる少なくとも1種の金属酸化物を合計で0.05〜1.5質量%。
なお、上記のフラットパネルディスプレイ用のガラス基板は、ヒ素およびアンチモンを実質的に含まないことが好ましい。すなわち、これらの物質を含むとしても、それは不純物としてであり、具体的には、これらの物質は、As23、および、Sb23という酸化物のものも含め、0.1質量%以下であることが好ましい。
上述した成分に加え、本発明のガラスは、ガラスの様々な物理的、溶融、清澄、および、成形の特性を調節するために、様々な他の酸化物を含有しても差し支えない。そのような他の酸化物の例としては、以下に限られないが、SnO2、TiO2、MnO、ZnO、Nb25、MoO3、Ta25、WO3、Y23、および、La23が挙げられる。
上記(a)〜(r)の中の(p)におけるROの供給源には、硝酸塩や炭酸塩を用いることができる。なお、溶融ガラスの酸化性を高めるには、ROの供給源として硝酸塩を工程に適した割合で用いることがより望ましい。
本実施形態で製造されるガラス板は、一定量のガラス原料を溶解用の炉に供給してバッチ処理を行う方式とは異なり、連続的に製造される。本発明の製造方法で適用されるガラス板は、いかなる厚さおよび幅を有するガラス板でもよい。
(2−2)ガラス製造工程の概要
本発明の一実施形態に係るガラス板の製造方法は、図1のフローチャートが示す一連の工程を含み、図2が示すガラス板製造ライン100を用いる。
上記の組成となるように調合されたガラスの原料は、まず溶解工程(ステップS101)において、溶解される。原料は、溶解槽101に投入され、所定の温度まで加熱される。所定の温度は、例えば上記の組成を有するフラットパネルディスプレイ用のガラス基板の場合、1550℃以上であることが好ましい。加熱された原料は、溶解し、溶融ガラスを形成する。溶融ガラスは、第1移送管105aを通して次の清澄工程(ステップS102)が行われる清澄槽102へ送り込まれる。
次の清澄工程(ステップS102)では、溶融ガラスが清澄される。具体的には、清澄槽102において溶融ガラスが所定の温度まで加熱されると溶融ガラス中に含まれるガス成分は、気泡を形成し、あるいは、気化して溶融ガラスの外へ抜け出る。所定の温度は、例えば上記の組成を有するフラットパネルディスプレイ用のガラス基板の場合、1610℃〜1700℃であることが好ましい。清澄された溶融ガラスは、第2移送管105bを通して次の工程である均質化工程(ステップS103)が行われる攪拌槽103へ送り込まれる。
次の均質化工程(ステップS103)では、溶融ガラスが均質化される。具体的には、溶融ガラスは、攪拌槽103において、攪拌槽103が備える攪拌翼(図示せず)により撹拌されることにより均質化される。攪拌槽103に送り込まれる溶融ガラスは、所定の温度範囲になるように加熱される。所定の温度範囲は、例えば上記の組成を有するフラットパネルディスプレイ用のガラス基板の場合、1440℃〜1500℃であることが好ましい。均質化された溶融ガラスは、攪拌槽103から第3移送管105cへ送り込まれる。
次の供給工程(ステップS104)では、溶融ガラスは、第3移送管105cにおいて成形するのに適した温度になるように加熱され、次の成形工程(ステップS105)が行われる成形装置104へ送り込まれる。成形に適した温度は、例えば上記の組成を有するフラットパネルディスプレイ用のガラス基板の場合、約1200℃であることが好ましい。
次の成形工程(ステップS105)では、溶融ガラスが板状のガラスに成形される。本実施形態では、溶融ガラスは、オーバーフローダウンドロー法により連続的にリボン状に成形される。成形されたリボン状のガラスは、切断され、ガラス板となる。オーバーフローダウンドロー法は、それ自体公知の方法であり、例えば米国特許第3,338,696号明細書に記載されているように、成形体に流し込まれて溢れ出た溶融ガラスが当該成形体の各外表面をつたって流れ落ち、当該成形体の底で合流したところを下方に延伸してリボン状のガラスに成形する方法である。
(3)特徴
本発明に係るガラス板の製造方法は、耐火金属からなる長手方向に延長する管状の耐火金属製装置に溶融ガラスを流す工程を含むガラス板の製造方法であって、耐火金属製装置は、耐火金属製装置を構成する白金又は白金合金等の耐火金属の融点未満、かつ、融点よりも150℃低い温度以上の溶融ガラスに接する部位の少なくとも一部において他の部分よりも肉厚である肉厚部102bを有することを特徴とする。これにより、当該肉厚部102bの温度上昇を抑えることができる。また、肉厚な分だけ強度が増し、耐火金属が酸化又は揮発しても穴があきにくくなり、耐火金属製装置の耐久性が増す。よって、本発明に係るガラス板の製造方法によれば、例えば、上記実施形態のように耐火金属製装置である清澄槽102の長寿命化を効果的に図ることができる。
100 ガラス板製造ライン
101 溶解槽
102 清澄槽(耐火金属製装置)
102a 管(清澄槽)本体
102b 肉厚部
特表2010-502550号公報

Claims (6)

  1. 耐火金属からなる長手方向に延長する管状の耐火金属製装置(102)に溶融ガラスを流す工程を含むガラス板の製造方法であって、
    前記耐火金属製装置(102)を通電加熱することにより前記溶融ガラスを加熱し、
    前記耐火金属製装置(102)は、前記耐火金属の融点未満、かつ、前記融点よりも150℃低い温度以上の溶融ガラスに接する部位の少なくとも一部において他の部分よりも肉厚である肉厚部(102b)を有することを特徴とする、ガラス板の製造方法。
  2. 前記耐火金属製装置(102)は、少なくとも半周にわたって前記肉厚部(102b)を有することを特徴とする、
    請求項1に記載のガラス板の製造方法。
  3. 前記耐火金属製装置(102)は、全周にわたって前記肉厚部(102b)を有することを特徴とする、
    請求項1又は2に記載のガラス板の製造方法。
  4. 前記耐火金属は、白金又は白金合金である、
    請求項1〜3のいずれかに記載のガラス板の製造方法。
  5. 前記耐火金属製装置(102)は、溶融ガラスを清澄するための清澄槽である、
    請求項1〜4のいずれかに記載のガラス板の製造方法。
  6. 前記肉厚部(102b)は、前記耐火金属製装置(102)の他の部分よりも少なくとも10%肉厚になっている、
    請求項1〜5のいずれかに記載のガラス板の製造方法。
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