JP5890559B2 - ガラス基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス基板の製造方法に関する。
例えばフラットパネルディスプレイ(FPD)用のガラス基板を製造する場合、一般に、溶解槽に投入されたガラス原料を溶解させて溶融ガラスがつくられる。この溶融ガラスは、脱泡等により清澄されたのち、成形装置でシート状ガラスに成形される。このシート状ガラスが所定の長さで切断されることによりガラス基板が得られる。
ガラス原料を溶解して溶融ガラスをつくるとき、溶融ガラスの液面上に投入されたガラス原料は、バーナー等の火炎により溶解される。具体的には、ガラス原料は、バーナー等により加熱された炉壁の熱輻射や高温化した気相雰囲気により次第に溶解を始め、下方の溶融ガラスに溶けて行く。一方、溶融ガラスは、溶解槽に蓄えられ、溶融ガラスと接触する一対の電極を用いて通電される。この通電により、溶融ガラス自身はジュール熱を発し、このジュール熱が溶融ガラス自身を加熱する。
溶解槽に用いる電極に使用する材料として、白金や白金ロジウム合金、モリブデン、酸化錫等の耐熱性材料を使用することが知られている(特許文献1)。
酸化錫やモリブデンを用いた電極は、溶融ガラスと接触した先端の部分が浸食によって減耗し、経時的に短小化してしまう。浸食により電極の先端の位置が所定の位置よりも後退すると、溶解槽の壁により多くの電流が流れて、溶解槽の壁が浸食されるおそれがある。そのため、電極が浸食されてその先端の位置が所定の位置よりも後退したら、電極の先端が所定の位置になるように、電極を溶解槽の内側へ向けて押し込む必要がある(特許文献2)。
特開2003−292323号公報 特開昭56−5336号公報
しかしながら、上記従来の技術では、操業中に電極が浸食された長さを正確に推定することが困難であった。そのため、溶解槽の操業を本来可能な操業期間よりも短い期間で停止して、溶解槽のメンテナンスを行わざるを得なかった。
そこで、本発明は、操業中に溶解槽の電極が浸食された長さを正確に推定し、操業期間を延長することができるガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、少なくとも一対の貫通孔に酸化錫からなる電極を設けた溶解槽に導入したガラス原料を溶解してガラス基板を製造する方法である。このガラス基板の製造方法は、前記ガラス基板に含まれる酸化錫の重量と、前記ガラス原料から前記ガラス基板に供給される酸化錫の重量との差に基づいて、前記電極から前記ガラス基板への酸化錫の溶出重量を求める工程と;前記溶出重量に基づいて前記電極の浸食長さを求める工程と;前記浸食長さに基づいて、前記電極を所定の位置まで溶融ガラス方向へ押し出す工程と;を有する。
上記態様のガラス基板の製造方法は、前記浸食長さを、前記ガラス基板が製造された時間で除して、前記電極の浸食速度を求める工程を有してもよい。
また、上記態様のガラス基板の製造方法は、前記溶融ガラスを通電加熱する工程は、前記電極の冷却量を調節可能な冷却装置を用いて前記電極を冷却する工程を有し、前記電極を冷却する工程において、前記浸食速度と前記冷却量との相関を求め、その相関に基づいて、前記浸食速度を低下させるように、前記冷却量を調節してもよい。
上記の態様によれば、操業中に溶解槽の電極が浸食された長さを正確に推定し、溶解槽の操業期間を延長することができる。
本実施形態のガラスの製造方法の工程を説明する工程図である。 図1に示す溶解工程から切断工程までを行う装置を模式的に示す図である。 図1に示す溶解工程を行う溶解槽を説明する図である。 (a)は電極体の配置を示す電極体周辺の水平断面図であり、(b)は電極体の浸食を示す電極体周辺の水平断面図である。 電極体の浸食速度と冷却量との相関を示すグラフである。
以下、本実施形態のガラスの製造方法について説明する。図1は、本実施形態のガラス基板の製造方法の工程を説明する工程図である。
ガラス基板の製造方法は、溶解工程(ST1)と、清澄工程(ST2)と、均質化工程(ST3)と、供給工程(ST4)と、成形工程(ST5)と、徐冷工程(ST6)と、切断工程(ST7)と、を主に有する。この他に、研削工程、研磨工程、洗浄工程、検査工程、梱包工程等を有し、梱包工程で積層された複数のガラス板は、納入先の業者に搬送される。
図2は、溶解工程(ST1)から切断工程(ST7)までを行う装置を模式的に示す図である。当該装置は、図2に示すように、主に溶解装置200と、成形装置300と、切断装置400と、を有する。溶解装置200は、溶解槽201と、清澄槽202と、攪拌槽203と、第1配管204と、第2配管205と、を主に有する。
溶解工程(ST1)では、溶解槽201内に供給されたガラス原料を、バーナー206(図3参照)から発する火焔で加熱して溶解することで、溶融ガラスMGが作られる。この後、電極体(電極)208(図3参照)を用いて溶融ガラスMGが通電加熱される。
清澄工程(ST2)は、清澄槽202において行われる。清澄槽202内の溶融ガラスMGが加熱されることにより、溶融ガラスMG中に含まれるO等の気泡は、清澄剤の還元反応により生成される酸素を吸収して成長し、液面に浮上して放出される。あるいは、気泡中の酸素等のガス成分が、清澄剤の酸化反応のために溶融ガラス中に吸収されて、気泡が消滅する。
均質化工程(ST3)では、第1配管204を通って供給された攪拌槽203内の溶融ガラスMGがスターラを用いて攪拌されることにより、ガラス成分の均質化が行われる。
供給工程(ST4)では、第2配管205を通して溶融ガラスMGが成形装置300に供給される。
成形装置300では、成形工程(ST5)及び徐冷工程(ST6)が行われる。
成形工程(ST5)では、溶融ガラスMGがシート状ガラスに成形され、シート状ガラスの流れが作られる。本実施形態では、オーバーフローダウンドロー法を用いる。徐冷工程(ST6)では、成形されて流れるシート状ガラスが所望の厚さになり、内部歪が生じないように、さらに、熱収縮率が大きくならないように、冷却される。
切断工程(ST7)では、切断装置400において、成形装置300から供給されたシート状ガラスを所定の長さに切断することで、ガラス基板が得られる。切断されたガラス基板は、さらに所定のサイズに切断され、目標サイズのガラス基板が作られる。この後、ガラス基板は、端面の研削および研磨がされ、洗浄が行われ、さらに気泡や脈理等の異常欠陥の有無が検査され、検査合格品のガラス基板が最終製品として梱包される。
図3は、溶解工程を行う溶解槽201を説明する図である。
溶解槽201は、耐火レンガである耐火物部材により構成された壁210を有する。溶解槽201は、壁210で囲まれた内部空間を有する。溶解槽201の内部空間は、上記空間に投入されたガラス原料が溶解してできた溶融ガラスMGを加熱しながら収容する液槽Bと、溶融ガラスMGの上層に形成され、ガラス原料が投入される、気相である上部空間Aとを有する。
上部空間Aの壁210には、燃料と酸素等を混合した燃焼ガスが燃焼して火炎を発するバーナー206が設けられる。バーナー206は火炎によって上部空間Aの耐火物部材を加熱して壁210を高温にする。ガラス原料は、高温になった壁210の輻射熱により、また、高温となった気相の雰囲気により加熱されて溶解する。
溶解槽201の液槽Bの向かい合う壁210,210には、それぞれ3つの貫通孔210aが設けられている。貫通孔210aには、酸化錫からなる3対の電極体208が配置されている。電極体208は、酸化錫以外にも、例えばモリブデン等の耐熱性を有する導電性材料で構成することができる。3対の電極体208はいずれも、貫通孔210aを通して溶解槽201の外側から液槽Bの内壁面に向かって延びている。
3対の電極体208のそれぞれの対のうち、図中奥側の電極体は図示されていない。3対の電極体208の各対は、溶融ガラスMGを通してお互いに対向するように、貫通孔210aに配置されている。各対の電極体208は、正電極、負電極となってこの電極間の溶融ガラスMGに電流を流す。この通電により溶融ガラスMGにジュール熱が発生し、溶融ガラスMGは自ら発するジュール熱により加熱される。溶解槽201では、溶融ガラスMGは例えば1500℃以上に加熱される。加熱された溶融ガラスMGは、ガラス供給管を通して清澄槽202へ送られる。
本実施形態では、溶解槽201には3対の電極体208が設けられるが、1対、2対あるいは4対以上の電極体が設けられてもよい。すなわち、本実施形態では、少なくとも一対の貫通孔210a,210aの各々に電極体208を設けた溶解槽201を用い、溶解槽201に収納したガラスを溶解する。
図4の(a)は電極体208の配置を示す電極体208周辺の水平断面図である。図4の(b)は電極体208の浸食を説明する電極体周辺の水平断面図である。図4では、電極体208に設けられるコネクタ等の図示は省略されている。
電極体208は、複数の長尺状の電極体要素208aを一方向に延びるように束ねた複合体であり、電極体要素208aの各々が溶融ガラスMGに通電する。本実施形態では、電極体208は、縦方向に4段、横方向に4列、合計16本の電極体要素208aで構成されている。電極体要素208aからなる複合体としての電極体208は、本実施形態のように、縦方向に4段、横方向に4列、合計16本の電極体要素208aで構成されることに限定されず、合計本数、縦方向の段数、横方向の列数は特に制限されない。例えば、電極体208は、1つの電極体要素208aで構成されてもよい。
電極体208は、設置時に、先端面208fの位置が溶解槽201の液槽Bの内壁面(壁210の内表面)の位置P0に合せられている。すなわち、電極体208の先端面208fと壁210の内表面とは段差なく隣接している。すなわち、先端面208fは、溶解槽201の内壁面と同一の平面上に配置することができる。なお、電極208の先端面208fは、ある程度、溶解槽201の壁210の内表面よりも貫通孔210aの内側に窪むように配置しても良いが、先端面208fの位置を壁210の内表面の位置P0に合せることで、電極体208の浸食および壁210を構成する耐火物部材の浸食を低減することができる。
電極体208は、溶融ガラスMGを通電加熱することで、溶融ガラスMGに接する先端部が溶融ガラスMGによって浸食されて磨耗し、図4の(b)に示すように、先端面208fの位置が壁210の内表面の位置P0よりも溶解槽201の外側へ後退していく。このように、電極体208の先端面208fが壁210の内表面から貫通孔210aの内側に窪んだ状態になると、対向する電極体208,208間の電圧が上昇するだけでなく、電極体208の近傍の壁210が浸食されやすくなる。
そのため、電極体208は、溶融ガラスMGによって浸食されて摩耗した場合、電極体208を溶融ガラスMG方向に押し出すことができるように構成されている。具体的には、溶解槽201の外側に、電極体208を溶融ガラスMG方向へ押圧する押圧構造220が設けられている。押圧構造220は、電極体208の各段の電極体要素208aに横方向に掛け渡された水平治具221と、水平治具112に縦方向に掛け渡された垂直治具222と、溶解槽201の外側の不図示のフレーム状の構造体に固定されたウォームジャッキ223と、を備えている。押圧構造220は、水平治具221及び垂直治具222を介してウォームジャッキ223によって電極体208の後端面208bに押圧力を作用させ、電極体208を溶融ガラスMG方向に押し出すように構成されている。
すなわち、電極体208が溶融ガラスMGの浸食によって摩耗した場合、図4(b)に示すように、押圧構造220のウォームジャッキ223を操作することにより、電極体208が浸食された長さ(浸食長さ)Lだけ、電極体208を溶融ガラスMG方向に押し出すことができる。こうして、電極体208は、通電により溶融ガラスMGを安定して加熱することができる。なお、電極体208は、後端面208bに新しい電極体208を継ぎ足す場合を除き、溶融ガラスMGに対する通電を継続したまま、溶融ガラスMG方向へ押し出すことが好ましい。また、複数の電極体208を一括して押し出すこともできるが、溶解条件の急激な変動を防止する観点から、電極体208の押し出しは1つずつ順次行っていくことが好ましい。
ここで、従来の電極体208の浸食長さLの推定方法について説明する。
従来は、電極体208の浸食長さLを求めるために、溶解槽201の操業を一時的に停止した際に残存した電極体208の長さL1を測定していた。具体的には、元の電極体の長さL0と残存した電極体208の長さL1との差から、実際に電極208が浸食された長さ(浸食長さ)Lを求め、その浸食長さLを操業日数で割ることで一日あたりの浸食長さ(L/日)を求めていた。そして、溶解槽208の操業を再開した後、上記のように求めた一日あたりの電極体208の浸食長さ(L/日)と操業日数とに基づいて、操業中の溶解槽201における電極体208の浸食長さLを推定していた。
しかし、電極体208が浸食される速度は、溶解槽201における種々の条件によって変化する。溶解槽201の操業を一時停止する前の条件と、溶解槽201の操業を再開した後の条件とは、必ずしも一致しない。したがって、操業を一時停止する前と操業再開後の溶解槽201における一日あたりの電極体208の浸食長さ(L/日)は異なる場合があり、操業中の電極体208の浸食長さLを正確に推定することが困難であった。そのため、溶解槽201の操業を、本来可能な操業期間よりも短い期間で一時停止して、溶解槽201のメンテナンスを行わざるを得なかった。
そこで、本実施形態では、以下の手順により操業中の溶解槽201における電極体208の浸食長さLを求めている。まず、ガラス基板に含まれる酸化錫の重量と、ガラス原料からガラス基板に供給される酸化錫の重量との差に基づいて、電極体208からガラス基板への酸化錫の溶出重量を求める。次に、求めた溶出重量に基づいて電極体208の浸食長さLを求める。
以下、本実施形態の電極体208の浸食長さLの推定方法について詳細に説明する。
まず、電極体208からガラス基板への酸化錫の溶出重量を求めるために、ガラス基板に含まれる酸化錫の重量と、ガラス原料からガラス基板に供給される酸化錫の重量とを求める。
(ガラス基板に含まれる酸化錫の重量)
ガラス基板に含まれる酸化錫の重量は、次の手順により求める。
まず、溶解槽201の操業中に、図1に示す切断工程ST7を経て得られたガラス基板を採取し、ガラス基板の組成分析を行うことにより、ガラス基板の組成中の酸化錫の含有率g(wt%)を求める。所定の期間Tに生産されたガラス基板の重量MGは既知であるので、以下の式(1)に示されるように、ガラス基板の組成中の酸化錫の含有率gから、所定の期間Tに生産されたガラス基板に含まれる酸化錫の重量Wが求められる。
W=g・MG ・・・(1)
(ガラス原料からガラス基板に供給される酸化錫の重量)
ガラス原料からガラス基板に供給される酸化錫の重量は、以下の手順により求める。
ガラス原料は、ガラス基板の組成の各成分の供給源である粉末状の物質が混合された原料粉末と、ガラス基板を破砕したカレットとを所定の比x:yで混合したものが用いられる。したがって、所定の期間Tにガラス原料からガラス基板に供給される酸化錫の重量Rは、以下の式(2)に示されるように、原料粉末から供給される酸化錫の重量Pと、カレットから供給される酸化錫の重量Qとの和である。
R=P+Q ・・・(2)
所定の期間Tに投入された原料粉末からガラス基板に供給される酸化錫の重量Pは、所定の期間Tに投入された原料粉末の重量Wbと、単位重量あたりの原料粉末における酸化錫の含有率a(wt%)と、単位重量あたりの原料粉末を溶解する際に揮発する酸化錫の比率b(wt%)と、から以下の式(3)に示すように求められる。
P=(a−b)・Wb ・・・(3)
また、所定の期間Tに投入されたカレットからガラス基板に供給される酸化錫の重量Qは、所定の期間Tに投入されたカレットの重量Wcと、ガラス基板の組成中の酸化錫の含有率g(wt%)と、から以下の式(4)に示すように求められる。
Q=g・Wc ・・・(4)
所定の期間Tに投入された原料粉末の重量Wbおよびカレットの重量Wcが不明の場合、これらの重量は所定の期間Tに製造されたガラス基板の重量MGから以下の式(5)及び(6)に示すように求めることができる。ここで、ガラス原料中の原料粉末の重量とカレットとの重量の比は既知であり、原料粉末の重量とカレットの重量との比はx:yとする。
Wb=MG・x/(x+y) ・・・(5)
Wc=MG・y/(x+y) ・・・(6)
(電極体からガラス基板への酸化錫の溶出重量)
以上のように求めた、所定の期間Tに生産されたガラス基板に含まれる酸化錫の重量Wと、所定の期間Tにガラス原料からガラス基板に供給される酸化錫の重量Rとに基づき、以下の式(7)に示すように、電極体208からガラス基板への酸化錫の溶出重量Zを求める。
Z=W−R ・・・(7)
(電極体の浸食長さ)
次に、上記のように求めた電極体208からガラス基板への酸化錫の溶出重量Zに基づいて、電極体208の浸食長さLを求める。具体的には、以下の式(8)に示すように、溶出重量Zと、電極体208の断面積Aと、酸化錫の比重sgとに基づいて、電極体208の浸食長さLを求める。
L=Z/sg/A ・・・(8)
以上説明したように、本実施形態によれば、操業中に実際に電極体208から溶出した酸化錫の重量である溶出重量Zを求め、その結果に基づいて電極体208の浸食長さLを求めている。したがって、操業中の溶解槽201における各種の条件の変動が反映された電極体208の浸食長さLを求めることができ、従来と比較してより正確に操業中の溶解槽201における電極体208の浸食長さLを推定することができる。
従来は、溶融ガラスの清澄剤として、比較的低い温度で清澄機能を発揮するAs等が用いられていた。また、溶融ガラスの高温粘性が比較的低く、アルカリ成分を比較的多く含んだアルカリガラスが用いられていた。そのため、溶融ガラスの温度は比較的低く、溶融ガラスを通電加熱するための電極体の浸食は比較的緩やかで規則的であった。したがって、操業を停止したときの電極の浸食長さに基づいて一日あたりの浸食長さを求め、その一日あたりの浸食長さに基づいて、操業再開後の電極の浸食長さを比較的精度よく推定することが可能であった。
しかし、本実施形態において、溶融ガラスMGは、以下の(A)〜(C)の場合、従来に比べて高温に加熱される。従来に比べて溶融ガラスMGを高温に加熱する場合、従来よりも電極体208および溶解槽201の壁210の浸食の問題が顕著になる。したがって、本実施形態のように、電極体208の浸食長さLを正確に推定し、電極体208の先端面208fを溶解槽201の壁210の内表面の位置P0に正確に位置合わせすることによる、電極体208および溶解槽201の延命効果が顕著になる。
(A)従来から清澄剤として用いられてきたAs等に比べてSnOは毒性が少ないので、環境負荷低減の点から、清澄剤としてSnOを用いることが好ましい。しかし、清澄剤として用いられてきたAs等に比べて清澄機能が劣るSnOの清澄機能を効果的に機能させるために、溶融ガラスMGの温度は従来よりも高温にする。
(B)溶融ガラスMGの102.5ポアズにおける温度が1500℃以上である場合、溶融ガラスMGは高温粘性が高いため、清澄工程における脱泡処理において従来と同様の粘性を保つために、溶融ガラスMGを高温にする。
(C)本実施形態において作製されるガラス基板をフラットパネルディスプレイ用のガラス基板に用いる場合が挙げられる。フラットパネルディスプレイ(液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等)に用いるガラス基板には、その表面にTFT(Thin Film Transistor)を使用される。この場合、TFTの影響を抑制する観点から、無アルカリガラスを用いた無アルカリガラスガラス板、あるいは、アルカリ成分を微量含有させるアルカリ微量含有ガラスを用いたアルカリ微量含有ガラス板が好適に用いられる。しかし、アルカリ微量含有ガラス板あるいは無アルカリガラス板は、高温粘性が高い。高温粘性が高いガラス板を製造する場合、従来のアルカリガラスのガラス板を製造する場合よりも溶融ガラスMGの温度を高温にする。
本実施形態で用いられるガラス基板のガラス組成は例えば以下のものを挙げることができる。以下に示す組成の含有率表示は、質量%である。
SiO:50〜70%、
Al:0〜25%、
:1〜15%、
MgO:0〜10%、
CaO:0〜20%、
SrO:0〜20%、
BaO:0〜10%、
RO:5〜30%(ただし、RはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種であり、ガラス基板が含有するものである)、
を含有する無アルカリガラスであることが、好ましい。
なお、本実施形態では無アルカリガラスとしたが、ガラス基板はアルカリ金属を微量含んだアルカリ微量含有ガラスであってもよい。アルカリ金属を含有させる場合、R’Oの合計が0.10%以上0.5%以下、好ましくは0.20%以上0.5%以下(ただし、R’はLi、NaおよびKから選ばれる少なくとも1種であり、ガラス基板が含有するものである)含むことが好ましい。勿論、R’Oの合計が0.10%より低くてもよい。また、As、SbおよびPbOを実質的に含まないことが好ましい。
また、本発明のガラス基板の製造方法を適用する場合は、ガラス組成物が、上記各成分に加えて、質量%で表示して、SnO:0.01〜1%(好ましくは0.01〜0.5%)、Fe:0〜0.2%(好ましくは0.01〜0.08%)を含有し、環境負荷を考慮して、As、SbおよびPbOを実質的に含有しないようにガラス原料を調製してもよい。
さらに、上述した成分に加え、本実施形態のガラス基板に用いるガラスは、ガラスの様々な物理的、溶融、清澄、および、成形の特性を調節するために、様々な他の酸化物を含有しても差し支えない。そのような他の酸化物の例としては、以下に限られないが、TiO、MnO、ZnO、Nb、MoO、Ta、WO、Y、および、Laが挙げられる。
次に、上記のように求めた電極体208の浸食長さLに基づいて、電極体208を所定の位置まで溶融ガラスMG方向へ押し出す工程について説明する。
上記のように求めた電極体208の浸食長さLが、予め定められた上限値に達したら、図4(b)に示す押圧構造220のウォームジャッキ223を操作することにより、電極体208が浸食された長さLだけ、電極体208を溶融ガラスMG方向に押し出す。
浸食長さLの上限値は、例えば、溶融ガラスMGを挟んで対向する電極体208,208間の電圧値、溶解槽201の壁210を構成する耐火レンガの浸食などを考慮して決定する。溶解槽201の内部空間はバーナー206が設けられた位置によって温度が異なるため、3対の電極体208で浸食された長さLが異なる場合がある。このため、各電極体208において、浸食長さLを推定してもよく、また、3対の電極体208の浸食長さLの平均値を、浸食長さLを推定してもよい。
このように電極体208が浸食された長さLだけ、電極体208を溶融ガラスMG方向に押し出すことで、電極体208の先端面208fが、溶解槽201の壁210の内表面の位置P0に配置される。したがって、溶融ガラスMGを挟んで対抗する電極体208,208間の電圧が増大することを防止し、溶解槽201の壁210を構成する耐火レンガの浸食量の増加を抑制し、電極体208及び溶解槽201を長期間、安定して操業することができる。よって、溶解槽201の操業期間を従来よりも延長することができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態では、以下の式(9)に示すように、電極体208の浸食長さLと、ガラス基板が製造された所定の期間(時間)Tとに基づいて、電極体208の浸食速度Sを求める。
S=L/T ・・・(9)
図4の(a)及び(b)に示す電極体208の後端面208bは、不図示の冷却装置により冷却されている。冷却装置は、電極体208の後端面208bに向けて冷却空気を吹き付ける複数の風冷管を備え、冷却空気の供給量を調節することで、電極体208の冷却量を調節可能に構成されている。すなわち、冷却装置は、冷却空気の供給量を増減させることで、電極体208の冷却量を増減させることができる。
本実施形態では、上記の式(9)で求めた浸食速度Sを用い、冷却装置の冷却量が変化した場合の浸食速度Sと冷却量Uの複数のデータを取得して、図5に示すように、浸食速度Sと冷却量Uとの相関を求める。さらに、求めた相関に基づいて、浸食速度Sを低下させるように、電極体208の冷却量(冷却空気の供給量)Uを調節する。具体的には、図5に示す負の相関が得られた場合には、電極体208の冷却量をガラス原料の溶解に影響が出ない範囲でできるだけ多くすることで、浸食速度Sを低下させ、電極体208を延命することができる。したがって、本実施形態によれば、電極体208を溶融ガラスMG方向に押し出す周期を延長し、溶解槽201の操業期間をさらに延長することができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよい。
本発明の方法は、溶融ガラスを成形することによるガラス基板の製造において、特にガラスの溶解工程を有利に行うことを可能とする。
201 溶解槽
208 電極体(電極)
208b 後端面
210a 貫通孔
MG 溶融ガラス

Claims (2)

  1. 少なくとも一対の貫通孔に酸化錫からなる電極を設けた溶解槽に導入したガラス原料を溶解してガラス基板を製造する方法において、
    前記ガラス基板に含まれる酸化錫の重量と、前記ガラス原料から前記ガラス基板に供給される酸化錫の重量との差に基づいて、前記電極から前記ガラス基板への酸化錫の溶出重量を求める工程と、
    前記溶出重量と一対の前記電極の電圧値とに基づいて前記電極の浸食長さを求め、求めた浸食長さだけ前記電極を溶融ガラス方向へ押し出す、
    ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  2. 前記電極の電圧値は、前記電極の先端面が前記溶解槽の内表面から前記貫通孔の内側に窪んだ状態になると上昇する、
    請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
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