JP2013216519A - ガラス基板の製造方法、ガラス基板製造用の製造装置 - Google Patents

ガラス基板の製造方法、ガラス基板製造用の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】環境負荷の少ない清澄剤を使用することにより従来よりも脱泡処理に高温を要することになっても、清澄槽本体の内壁が揮発しにくいガラス基板の製造方法を提供する。
【解決手段】清澄槽本体1の内部表面の上部の領域であって、清澄槽本体に溶融ガラスを通過させて脱泡処理を行う際に、溶融ガラスと接することのない領域として予め設定された領域として、気相空間aに接する本体1の内壁のうち、溶融ガラスMGとの境目付近を除く領域Aの少なくとも一部に耐火性酸化物からなる被覆層2を設ける。具体的には、領域Aのうち、溶融ガラスMGの液位から5mm〜10mm以上上側の領域に被覆層2を溶射により設ける。また、複数の本体1を溶接等により接合して構成される清澄槽30の場合、溶接部分から10mm〜20mmの範囲内を避けて被覆層2を設ける。
【選択図】図3

Description

本発明は、ガラス原料を溶融して生成させた溶融ガラスを成形することによりガラス基板を製造する、ガラス基板の製造方法に関する。
ガラス基板は、一般的に、ガラス原料から溶融ガラスを生成させた後、溶融ガラスをガラス基板へと成形する工程を経て製造される。上記の工程中に、溶融ガラスが内包する微小な気泡を除去する工程(以下、清澄ともいう)が含まれる。清澄は、管状の清澄槽の本体を加熱しながら、この清澄槽本体(以下、単に本体ともいう)にAs等の清澄剤を配合させた溶融ガラスを通過させ、清澄剤の酸化還元反応により溶融ガラス中の泡が取り除かれることで行われる。より具体的には、粗溶解した溶融ガラスの温度をさらに上げて清澄剤を機能させ泡を浮上脱泡させた後、温度を下げることにより、脱泡しきれずに残った比較的小さな泡は溶融ガラスに吸収させるようにしている。すなわち、清澄は、泡を浮上脱泡させる処理(以下、脱泡処理または脱泡工程ともいう)および小泡を溶融ガラスへ吸収させる処理(以下、吸収処理または吸収工程ともいう)を含む。
清澄剤は従来Asが一般的であったが、近年の環境負荷の観点から、SnOやFe等が用いられるようになってきている。
高温の溶融ガラスから品位の高いガラス基板を量産するためには、ガラス基板の欠陥の要因となる異物等が、ガラス基板を製造するいずれの装置からも溶融ガラスへ混入しないよう考慮することが望まれる。このため、ガラス基板の製造過程において溶融ガラスに接する部材の内壁は、その部材に接する溶融ガラスの温度、要求されるガラス基板の品質等に応じ、適切な材料により構成する必要がある。たとえば、上述の清澄槽本体を構成する材料は、通常白金または白金合金等の白金族金属が用いられていることが知られている(特許文献1)。白金または白金合金等は、高価ではあるが融点が高く、溶融ガラスに対する耐食性にも優れている。
脱泡工程時に清澄槽本体を加熱する温度は、成形するべきガラス基板の組成によって相違するが、1000〜1650℃程度である。
清澄槽本体に上述の溶融ガラスを通過させる際に、清澄槽本体の内部表面と溶融ガラスの液面との間に一定広さの脱泡用の気相空間を有することが必要である。
なお、本明細書においては「溶融」の表記について常用漢字の「溶融」を用いているが、「熔融」と表記されるものと同様の意味を含んでいる。
特表2006−522001号公報
上述の気相空間には溶融ガラスから酸素を含む気泡が放出されるため、清澄槽本体のうち気相空間に接する内壁部分の白金または白金合金が揮発する。
ところで、ガラス基板の製造においては、用いる清澄剤によって清澄作用が効果的に発揮される温度が異なることが知られている。例えば、As(亜ヒ酸)は、気泡を除去する能力に優れており、清澄温度も1500℃程度以上の範囲で足りるため、従来は清澄剤としてAsを用いるのが一般的であった。しかし、亜ヒ酸は環境負荷が高いため、既に述べたように近年は環境負荷が高くない清澄剤としてSnO(酸化錫)等が用いられるようになってきている。しかし、酸化錫は亜ヒ酸と比較して脱泡工程時に泡を放出する力が弱いため、ガラスの粘性を低くして脱泡効果を上げる必要があり、したがって高い温度で清澄を行う必要がある。例えば、酸化錫を清澄剤として使用した場合は、1600℃以上に昇温させることが好ましい。このため、上述の気相空間に接する本体内壁部分において、この内壁部分が従来よりも揮発しやすくなってしまうという課題があった。
揮発物は気相空間に接する内壁部分のうち、比較的低温となっている部分に付着する。この付着した揮発物が落下して脱泡工程中の溶融ガラス中に混入し、ガラス基板の品質の低下を招くおそれがあった。
本発明は以上の点を鑑み、ガラス基板の製造過程において清澄槽本体を加熱して脱泡処理を行う際、清澄剤として環境負荷の少ないSnO等を用いても、本体内壁の気相空間に接する部分の揮発を抑えることが可能なガラス基板の製造方法を提供しようとするものである。
上述した目的を達成するために、本発明は、清澄槽本体を加熱しながら、前記清澄槽本体に清澄剤を配合させた溶融ガラスを通過させて脱泡処理を行う脱泡工程を含むガラス基板の製造方法において、清澄槽本体の内部表面の上部の領域であって、清澄槽本体に溶融ガラスを通過させて脱泡処理を行う際に、溶融ガラスと接することのない領域として予め設定された領域の少なくとも一部に、溶射により形成した耐火性酸化物からなる被覆層を設けることを特徴としている。
また、ガラス基板の製造工程において溶融ガラスの脱泡処理を行うための管状の清澄槽を有するガラス基板製造装置であって、前記清澄槽は、白金族金属からなる清澄槽本体と、清澄槽本体内部表面の上部の領域であって、清澄槽本体に溶融ガラスを通過させて脱泡処理を行う際に、溶融ガラスと接することのない領域として予め設定された領域と、を備え、前記領域の少なくとも一部に、溶射により設けた耐火性酸化物からなる被覆層をさらに備えたことを特徴としている。
本発明のガラス基板の製造方法、及びガラス基板製造用の清澄槽によれば、清澄剤として環境負荷の少ないSnOを用いることにより清澄に係る温度が従来より高温を要するようになっても、清澄槽本体内壁の気相空間に接する部分の揮発を効果的に抑えることができる。したがって、脱泡工程中に溶融ガラスに異物が混入するのを避けることができるため、ガラス製品の品質を保つことができる。
実施の形態のガラス基板の製造方法を説明するための、ガラス基板製造装置の概略的な構成図である。 清澄槽の基本的な構成を示す概略図である。 清澄槽に設ける被覆層の一例を示す概略図である。
以下、図面を参照しながら、本発明のガラス基板の製造方法の実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態のガラス基板の製造方法を説明するための概略図であり、ガラス基板の製造における基本的な流れを簡略的に示したものである。
ガラス基板製造装置(以下、単に装置ともいう)100は、ガラス原料を加熱して溶融ガラスを生成する溶融槽10と、溶融ガラスを清澄する清澄槽30と、溶融ガラスを成形する成形装置(図示せず)と、これらの間を接続する移送管20、40とを備えている。移送管20は、溶融槽10と清澄槽30とを接続し、溶融槽10から導出された溶融ガラスを清澄槽30に供給する。移送管40は、清澄槽30と成形装置(図示せず)を接続し、清澄槽30から導出された溶融ガラスを成形装置(図示せず)に供給する。なお、清澄槽30と成形装置との間には溶融ガラスを撹拌して均質化するための撹拌槽が配置されることがある。矢印は溶融ガラスが流れる方向を示す。
溶融槽10に投入されるガラス原料は、製造するべきガラス基板の組成に応じて適宜調製される。一例として、TFT型LCD用基板として用いるガラス基板を製造する場合を挙げると、ガラス基板を構成するガラス組成物を質量%で表示して、
SiO:50〜70%、
Al:0〜25%、
:1〜15%、
MgO:0〜10%、
CaO:0〜20%、
SrO:0〜20%、
BaO:0〜10%、
RO:5〜30%(ただし、RはMg、Ca、Sr及びBaの合量)、
を含有する無アルカリガラスであることが、好ましい。
なお、本実施形態では無アルカリガラスとしたが、ガラス基板はアルカリ金属を微量含んだアルカリ微量含有ガラスであってもよい。アルカリ金属を含有させる場合、R’Oの合計が0.10%以上0.5%以下、好ましくは0.20%以上0.5%以下(ただし、R’はLi、Na及びKから選ばれる少なくとも1種であり、ガラス基板が含有するものである)含むことが好ましい。勿論、R’Oの合計が0.10%未満でもよい。
また、本発明のガラス基板の製造方法を適用する場合は、ガラス組成物が、上記各成分に加えて、質量%で表示して、SnO:0.01〜1%(好ましくは0.01〜0.5%)、Fe:0〜0.2%(好ましくは0.01〜0.08%)を含有し、環境負荷を考慮して、As、Sb及びPbOを実質的に含有しないようにガラス原料を調製しても良い。
溶融槽10で生成した溶融ガラスは、移送管20を介して清澄槽30に送られる。清澄槽30では、溶融ガラスが所定温度(上記組成のガラスの場合は例えば1500℃以上)に保たれて、溶融ガラスに含まれる気泡の除去を行う脱泡工程を含む清澄が行われる。
さらに、清澄槽30で清澄された溶融ガラスは、移送管40を介して成形装置へと送られる。溶融ガラスは、清澄槽30から成形装置に送られる際の移送管40において、成形に適した温度(上記組成のガラスの場合は例えば1200℃程度)となるように冷却される。成形装置では、溶融ガラスがガラス基板へと成形される。
次に、脱泡工程を含む清澄について図2を用いて説明する。図2は清澄槽30の基本的な構成を示す概略図であり、内部を透視して示してある。
清澄槽30は、主に清澄槽本体(以下、本体ともいう)1、及び本体1に接続されたヒータ電極1a及び1bにより構成されている。本体1は白金あるいは白金ロジウム合金等の白金合金の金属管であり、一般的に円筒状のものが採用されている。本体1の管路を流路として、溶融ガラスMGは本体1の内部を流れる。ヒータ電極1a及び1bは、本体1の外周壁面から本体1に電流を流し、本体1の抵抗によって生じるジュール熱を用いて本体1の外周壁を加熱して溶融ガラスMGの温度を所定の温度に上げ、溶融ガラスMGに配合させた清澄剤を用いて溶融ガラスMGの脱泡を行う。
本体1の内部を流れる溶融ガラスMGは、本体1の流路断面全体を流れるのではなく、通常、本体1内部の上方には、溶融ガラスMGの脱泡処理により脱泡した泡を放出させるための気相空間aが存在する。また、本体1上部には、気相空間aから放出した泡中のガス成分を大気に放出させるための図示しないガス排気口が設けられている。
次に、本発明のガラス基板の製造方法、及びガラス基板製造用の清澄槽につき、図3を用いて詳細に説明する。
本発明においては、上述の脱泡工程を含むガラス基板の製造方法において、清澄槽本体1の内部表面の上部の領域であって、清澄槽本体に溶融ガラスを通過させて脱泡処理を行う際に、溶融ガラスと接することのない領域として予め設定された領域(以下、単に領域ともいう)の少なくとも一部に、溶射により形成した耐火性酸化物からなる被覆層(以下、被覆層ともいう)を設ける。本実施形態においては、上記領域を領域Aとし、領域Aは、気相空間aに接する本体1の内壁のうち、溶融ガラスMGとの境目付近を除く領域とし、図3にハッチングで示している。この領域Aの少なくとも一部に耐火性酸化物からなる被覆層2を設ける。ここでは、領域Aのうち、溶融ガラスMGの液位から5mm〜10mm以上上側の領域に被覆層2を溶射により設けるものとする。溶射の方法については後述する。また、清澄槽30は、たとえば複数の本体1を溶接等により接合して構成される場合があるが、その場合は溶接による接合箇所から10mm〜20mmの範囲内を避けて被覆層2を設けるのが良い。図3には本体1の中心部を接合箇所とした場合に被覆層2を設けた例を示す。
気相空間aは、清澄槽30の本体1を流れる溶融ガラスMGの液位の調整をすることにより所定の広さを得ることが可能である。また、一定の広さの気相空間aを保持することもできる。上記の液位は、たとえばレーザ変位計を用いて必要に応じて計測し、溶融槽10に投入するガラス材料の量を増減する等の好適な方法により調整する。溶融ガラスの液位が上がると被覆層2と接触するおそれがあるため、溶融ガラスの液位は上述の領域Aの下限よりも上にならないように調整することが望ましい。
次に、被覆層2を形成する溶射の方法について説明する。溶射方法としては、ガス式溶射でもよいし、電気式溶射でもよい。ガス式溶射の例としては、フレーム溶射が挙げられる。電気式溶射の例としては、大気プラズマ溶射、減圧プラズマ溶射などのプラズマ溶射が挙げられる。本発明には様々な溶射方法を適用することができ、可能な方法を採用してよい。
被覆層2を構成する耐火性酸化物は、清澄槽30の動作条件の高温に耐えられる任意の耐火性酸化物(セラミック材料)であり、例えば、Al23、ZrO2、Cr23、TiO2、MgOを含むものが挙げられるが、これらに限らない。また、Y23−ZrO2などの安定化ジルコニアであってもよい。
例えば、Al23をプラズマ溶射することより、被覆層2を形成してもよい。また、Y23−ZrO2をプラズマ溶射することより、被覆層2を形成してもよい。
耐火性酸化物は、既に述べた溶射技法のうち好適な方法を採択し、所望の被覆厚を有する被覆層2が形成されるまで十分に溶射されるものとする。被覆層2に要求される厚さは、清澄槽30を加熱する温度、すなわちガラス材料により異なるものであり、必要に応じて好適な厚さに設定することができる。一例として、本実施の形態のガラス材料からなる溶融ガラスで清澄を行う場合、例えば、被覆層2の厚さは50μm〜500μm程度とする。50μm未満の場合には、揮発を効果的に抑えることができない。また、500μmを超えると、溶射に時間を要する。好ましくは、被覆層2の厚さは60μm〜500μm、さらに好ましくは、70μm〜500μm程度である。
以上の説明からも理解できるように、本発明のガラス基板の製造方法、及びガラス基板製造用の清澄槽によれば、清澄槽本体に溶融ガラスを通過させて脱泡処理を行う際に、溶融ガラスと接することのない領域として予め設定された領域の少なくとも一部に、溶射により形成した耐火性酸化物からなる被覆層を設ける。このため、溶融ガラスに配合させる清澄剤として環境負荷の少ないSnOを用いることにより清澄に係る温度が高温を要することになっても、清澄槽本体内壁の気相空間に接する部分の揮発を効果的に抑えることができる。したがって、脱泡工程中に、溶融ガラスに異物が混入するのを効果的に避けることができ、ガラス製品の品質を保つことができる。
ところで、清澄槽30内においては、溶融ガラスは清澄剤の酸素の放出反応が促進されるように、泡が浮上しやすい粘度、好ましくは、120poise(ポアズ)~400ポアズとなるように、清澄槽30に供給される前に加熱される。たとえば、無アルカリガラスやアルカリを微量しか含まないアルカリ微量含有ガラス(高温粘性ガラス)、たとえば102.5ポアズとする場合に1300℃以上、好ましくは1400℃以上、さらに好ましくは1500℃以上の溶融温度を要するガラス材料の場合、1700℃、好ましくは1710℃、さらに好ましくは1720℃近傍まで昇温される。
つまり、清澄槽30の温度を、清澄槽30を構成する本体1の白金または白金合金の耐熱温度近傍まで上げる必要がある。
したがって本発明は、高温粘性の高いガラス材料を用いてガラス基板を製造する場合に特に適している。具体的には、溶融ガラスを102.5ポアズとする場合に1300℃以上の溶融温度を要するガラス材料で構成する場合に特に適している。上記の溶融温度は1400℃以上、さらに1500℃以上の溶融温度を要するガラス材料により好適である。
また、酸化錫を清澄剤として使用した場合、1630℃〜1700℃、好ましくは1630℃〜1710℃、さらに好ましくは1630℃〜1720℃近傍まで昇温される。つまり、清澄槽30の温度を、清澄槽30を構成する本体1の白金または白金合金の耐熱温度近傍まで上げる必要がある。したがって、本発明は酸化錫を清澄剤として使用するガラス基板の製造に特に適している。
本発明は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機Eディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ(FPD)用のガラス基板の製造に特に適している。
いずれの場合も本発明を適用することにより、清澄槽本体1の内壁の、気相空間aに接する部分の揮発を効果的に抑えることが可能である。
本発明のガラス基板の製造方法の実施に際し、実施の形態の製造方法に限定されるものではないことは明らかである。たとえば、実施の形態で例示したガラス原料以外のガラス原料についても、従来から用いられてきた汎用の原料を使用すれば本発明のガラス基板の製造方法を適用することができる。
また、実施の形態では、溶融ガラスMGとの境目付近と、複数の本体1の溶接する部分付近とを除く、領域Aのほぼ全域に被覆層2を設けるものとしたが、領域Aの少なくとも一部を保護することにより揮発を防止し、所望の効果が得られるとすれば、被覆層を設ける領域はこれより小さい領域に設定しても良い。さらに、被覆層2を構成する耐火性酸化物は、実施の形態で例示したものに限定されない。
なお、本明細書において、「白金族金属」は、白金族元素からなる金族を意味し、単一の白金族元素からなる金属のみならず白金族元素の合金を含む用語として使用する。ここで、白金族元素とは、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)の6元素を指す。白金族金属は高価ではあるが、融点が高く、溶融ガラスに対する耐食性にも優れている。
また、清澄槽は、図示したように円筒形であることが好ましいが、溶融ガラスMGをその内部に収容する空間が確保されていればその形状に制限はなく、例えばその外形が直方体などであってもよい。
本発明は、オーバーフロー・ダウンロード法でガラスを成形するガラス基板の製造に適する。本発明は、オーバーフロー・ダウンロード法でガラスを成形するガラス基板の製造に適する。オーバーフロー・ダウンロード法は、溶融ガラスを楔状成形体の両側面に沿って流下させて、前述の楔状成形体の下端部で合流させることにより板状ガラスに成形し、成形された板状ガラスを徐冷し、切断する。オーバーフロー・ダウンロード法は、溶解したガラスを何物にも触れることなく垂直方向に引き伸ばして冷却することで、滑らかな表面を実現することができる。その後、切断された板状ガラスは、さらに、顧客の仕様に合わせて所定にサイズに切断され、端面研磨、洗浄などが行われ、出荷される。
本発明は、例えば、厚さが0.5〜0.7mmで、サイズが300×400mm〜2850×3050mmのFPD用ガラス基板の製造に適する。
なお、液晶表示装置用ガラス基板等は、その表面に半導体素子が形成されるため、アルカリ金属成分を全く含有しないか、または含まれていても半導体素子に影響を及ぼさない程度の微量であることが好ましい。また、液晶表示装置用ガラス基板等は、ガラス基板中に泡が存在すると表示欠陥の原因となるため、泡を極力低減することが好ましい。これらにことから、液晶表示装置用ガラス基板等では、上述したように、ガラス組成、溶融ガラスの温度、清澄剤等が選択されるので、本発明は、液晶表示装置用ガラス基板等の製造に適する。
その他、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々好適な他の形態への変更が可能である。
1 本体(清澄槽本体)
2 被覆層(溶射により形成した耐火性酸化物からなる被覆層)
10 溶融槽
20、40 移送管
30 清澄槽
100 ガラス基板製造装置
MG 溶融ガラス
a 気相空間
A 領域(溶融ガラスと接することのない領域として予め設定された領域)

Claims (6)

  1. 清澄槽本体を加熱しながら、前記清澄槽本体に清澄剤を配合させた溶融ガラスを通過させて脱泡処理を行う脱泡工程を含むガラス基板の製造方法において、
    前記清澄槽本体の内部表面の上部の領域であって、前記清澄槽本体に溶融ガラスを通過させて脱泡処理を行う際に、溶融ガラスと接することのない領域として予め設定された領域の少なくとも一部に、溶射により形成した耐火性酸化物からなる被覆層を設ける
    ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  2. 前記耐火性酸化物からなる被覆層は、アルミナまたはジルコニアを含む材料で構成されたことを特徴とする請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
  3. 前記耐火性酸化物からなる被覆層は、安定化ジルコニアであることを特徴とする請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
  4. 前記清澄剤は、酸化錫であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のガラス基板の製造方法。
  5. 前記溶融ガラスは、粘度を102.5ポアズとする場合に1300度以上の溶融温度を要する材料で構成したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のガラス基板の製造方法。
  6. ガラス基板の製造工程において溶融ガラスの脱泡処理を行うための管状の清澄槽を有するガラス基板製造装置であって、
    前記清澄槽は、
    白金族金属からなる清澄槽本体と、
    前記清澄槽本体内部表面の上部の領域であって、前記清澄槽本体に溶融ガラスを通過させて脱泡処理を行う際に、溶融ガラスと接することのない領域として予め設定された領域と、を備え、
    前記領域の少なくとも一部に、溶射により設けた耐火性酸化物からなる被覆層をさらに備えた
    ことを特徴とするガラス基板製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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