JP2014009137A - ガラス基板の製造方法、ガラス基板製造装置 - Google Patents

ガラス基板の製造方法、ガラス基板製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ガラス基板の製造過程で用いられる攪拌装置において、溶融ガラスに異物が混入するのを防ぎ、ガラス製品の品質を保つことが可能なガラス基板の製造用攪拌容器内を提供する。
【解決手段】攪拌装置100は、白金族金属で構成され、溶融ガラスMGを収納する攪拌容器101と、攪拌容器101内に配設された、シャフト103aを有する回転可能な攪拌機103とを備え、攪拌容器101の内部の、溶融ガラスと接することのない領域として予め設定された領域aの少なくとも一部に、溶射により形成した耐火性酸化物からなる被覆層107を設ける。
【選択図】図3

Description

本発明は、ガラス原料を溶融して生成させた溶融ガラスを成形することによりガラス基板を製造する、ガラス基板の製造方法等に関する。
ガラス基板は、一般的に、ガラス原料から溶融ガラスを生成させた後、溶融ガラスをガラス基板へと成形する工程を経て製造される。
上述のガラス基板の製造工程において、不均質な溶融ガラスは、ガラス製品に生じる脈理の原因となる。したがって、このようなガラスの不均質性を改善するために、溶融ガラスを攪拌する工程が含まれているのが一般的である。溶融ガラスを攪拌するための攪拌装置は、攪拌容器と、攪攪容器の上部を覆うカバーと、攪拌容器の内部に配置される攪拌機等で構成されている。攪拌機は、モータ等で回転する中心シャフトと、中心シャフトの外周面に溶接によって取り付けられる攪拌翼とを有している。シャフトは、上記カバーの一部を貫通している。溶融ガラスが攪拌容器の内部を上方から下方へ、または、下方から上方へと通過するときに、上述のシャフトに取り付けられた攪拌翼が溶融ガラスを混合して均質化する仕組みである。このように溶融ガラスを攪拌処理することにより、ガラス製品の脈理や縞等の欠陥を防止している。
ところで、高温の溶融ガラスから品位の高いガラス基板を量産するためには、ガラス基板の欠陥の要因となる異物等が、ガラス基板を製造するいずれの装置からも溶融ガラスへ混入しないよう考慮することが望まれる。このため、ガラス基板の製造過程において溶融ガラスに接する部材の内壁は、その部材に接する溶融ガラスの温度、要求されるガラス基板の品質等に応じ、適切な材料により構成する必要がある。たとえば、上述の攪拌容器を構成する材料としては、通常白金または白金合金等の白金族金属が知られている(特許文献1)。白金または白金合金は、高価ではあるが融点が高く、溶融ガラスに対する耐食性にも優れている。
攪拌工程時に攪拌装置(攪拌容器)を加熱する温度は、成形するべきガラス基板の組成によって相違するが、1400℃を超える場合もある。
攪拌装置に上述の溶融ガラスを通過させて攪拌する際に、液位が上下するため、攪拌容器を覆うカバーと溶融ガラスの液面との間に一定広さの気相空間を有するようにすることが必要である。
なお、本明細書においては「溶融(溶解)」の表記について常用漢字の「溶融(溶解)」を用いているが、「熔融(熔解)」と表記されるものと同様の意味を含んでいる。
特開2012−41264号公報
攪拌装置内の気相空間には酸素が含まれており、また、攪拌装置は高温で加熱されるため、気相空間に接する白金族金属成分が揮発する。気相空間は、攪拌装置外部の雰囲気よりも高温であるため、揮発物を含有した気体は、例えば撹拌機のシャフトと攪拌容器のカバーとの間に存在する隙間等を通って上方に流れていく傾向がある。
攪拌機のシャフトは、攪拌容器内に存在する溶融ガラスの液面(上部表面)からの距離が離れるにつれ温度が下がっていく。このため、たとえば、白金の蒸気圧が飽和蒸気圧を超える温度(すなわち白金が析出される温度)よりも温度が低い箇所のシャフトの表面上に、攪拌容器内の気相空間に含まれる揮発物が凝結することがある。
凝結した白金揮発物は、撹拌機のシャフトと攪拌容器を覆うカバーとの間に存在する隙間等から落下して溶融ガラスに混入し、ガラス基板の品質の低下を招くおそれがあった。
本発明は以上の点を鑑み、ガラス基板の製造過程で攪拌処理を行う際、攪拌装置の内部において前述の気相空間に接する部分の揮発を抑えて溶融ガラスに異物が混入するのを防ぐことにより、ガラス製品の品質を保つことができるようなガラス基板の製造方法、及びガラス基板製造装置を提供しようとするものである。
上述した目的を達成するために、本発明は、溶融ガラスを均質化させる目的で、加熱した攪拌装置内に前記溶融ガラスを通過させて攪拌処理を行う工程を含むガラス基板の製造方法であって、以下のように構成されている。
攪拌装置は、白金族金属で構成され、溶融ガラスを収納する攪拌容器と、攪拌容器内に配設された、シャフトを有する回転可能な攪拌機とを備え、攪拌装置の内部の、溶融ガラスと接することのない領域として予め設定された領域の少なくとも一部に、溶射により形成した耐火性酸化物からなる被覆層を設ける。
以上のような構成とすることにより、攪拌装置の内部において、気相空間に接する部分が揮発するのを抑えることができるため、この揮発成分の凝結物が攪拌装置内に存在する溶融ガラスに混入するのを避けることができる。上述の被覆層を構成する耐火性酸化物は、例えば攪拌装置の動作条件の高温に耐えられる任意の材料とする。
上述の耐火性酸化物からなる被覆層は、アルミナまたはジルコニアを含む材料で構成されているのが良い。これらの材料で構成される被覆層は、攪拌装置の内部の気相空間に接する部分において、白金族金属の成分が揮発するのを効果的に防ぐことができる。
また同様に、上述の耐火性酸化物からなる被覆層は、安定化ジルコニアであっても良い。その場合も、上述の揮発を効果的に防ぐことができる。安定化ジルコニアとしては、例えばY23−ZrO2等が挙げられる。
また、本発明において、溶融ガラスは、粘度を102.5ポアズとする場合に1500度以上の溶融温度を要する材料で構成されるものに好適である。
高温粘性のガラス材料を用いた場合、攪拌装置を高温で動作させる必要があるため、攪拌装置の内部の揮発がさらに促進される傾向がある。このため、本発明は上記のような高温粘性を有するガラス材料に好適である。
また、本発明は、ガラス基板の製造工程において溶融ガラスの均質化の目的で攪拌処理を行うための攪拌装置を有するガラス基板製造装置であって、以下のように構成されている。
攪拌装置は、白金族金属からなる攪拌容器と、攪拌容器内に配設された、シャフトを有する回転可能な攪拌機と、攪拌装置の内部の、溶融ガラスと接することのない領域として予め設定された領域と、を備え、前記領域の少なくとも一部に、溶射により設けた耐火性酸化物からなる被覆層をさらに備える。
溶融ガラスと接することのない領域は、気相空間に接している。
したがって、このような構成のガラス基板製造装置とすることにより、攪拌装置の内部において、気相空間に接する部分が揮発するのを抑えることができるため、この揮発成分の凝結物が攪拌装置内に存在する溶融ガラスに混入するのを避けることができる。
本発明のガラス基板の製造方法及びガラス基板製造装置によれば、溶融ガラスを均質化するために攪拌処理を行う際に、攪拌装置の内部の気相空間に接する部分の揮発を抑えることが可能である。その結果、この揮発成分の凝結物(凝集物)に基づく異物が攪拌装置内に存在する溶融ガラス中混入するのを防ぐことができるため、ガラス製品の品質を保つことができる。
実施の形態のガラス基板の製造方法の簡単な工程を説明するためのフロー図である。 実施の形態のガラス基板の製造装置の概略的な配置図である。 実施の形態の攪拌装置の構成を示す概略図である。 耐火性酸化物からなる被覆層を設ける領域の例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明のガラス基板の製造方法の実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態のガラス基板の製造方法の工程を示すフロー図である。図1に示すように、ガラス基板は、主に溶解工程(ST1)、清澄工程(ST2)、均質化工程(ST3)、供給工程(ST4)、成形工程(ST5)、徐冷工程(ST6)、切断工程(ST7)を経て作製される。
また、図2は、上述の溶解工程(ST1)〜切断工程(ST7)を経て作製される本実施の形態のガラス基板の製造装置の概略図であり、各工程において使用される装置の配置を概略的に示している。
図2に示すように、ガラス基板の製造装置200は、ガラス原料を加熱して溶融ガラスを生成する溶解装置40と、溶融ガラスを清澄する清澄装置41と、溶融ガラスを撹拌して均質化するための撹拌装置100と、ガラス基板に成形する成形装置42とを備えている。また、溶融ガラスを上述の装置間に移送するガラス供給管43a、43b、43cを有する。溶解装置40以降、成形装置42までの各装置間を接続するガラス供給管43a、43b、43cおよび清澄装置41と撹拌装置100は、白金族金属による金属管で構成されている。
溶解装置40は、耐火レンガ等の耐火物により構成されている。
また、溶解装置40には、図示されない燃料と酸素等を混合した燃焼ガスが燃焼して火炎を発するバーナー等の加熱手段が設けられている。
溶解工程(ST1)では、たとえばSnO等の清澄剤が添加されて溶解装置40内に供給されたガラス原料を、上述の加熱手段で加熱して溶解することで溶融ガラスMGを得る。 具体的には、図示されない原料投下装置を用いてガラス原料が溶融ガラスの液面に供給される。ガラス原料は、バーナーの火炎からの輻射熱により、加熱される。ガラス原料は、上述の加熱手段により加熱されて徐々に溶解し、溶融ガラスMG中に溶ける。
また、上記加熱手段は、例えばモリブデン、白金または酸化スズ等で構成された少なくとも1対の電極であってもよい。この場合、溶融ガラスMGは、上記電極間に電流を流すことにより通電加熱されて、昇温されてもよい。
溶解装置40に投入されるガラス原料は、製造するべきガラス基板の組成に応じて適宜調製される。一例として、TFT型LCD用基板として用いるガラス基板を製造する場合を挙げると、ガラス基板を構成するガラス組成物を質量%で表示して、
SiO:50〜70%、
Al:0〜25%、
:1〜15%、
MgO:0〜10%、
CaO:0〜20%、
SrO:0〜20%、
BaO:0〜10%、
RO:5〜30%(ただし、RはMg、Ca、Sr及びBaの合量)、
を含有する無アルカリガラスであることが、好ましい。
なお、本実施形態では無アルカリガラスとしたが、ガラス基板はアルカリ金属を微量含んだアルカリ微量含有ガラスであってもよい。アルカリ金属を含有させる場合、R’Oの合計が0.10%以上0.5%以下、好ましくは0.20%以上0.5%以下(ただし、R’はLi、Na及びKから選ばれる少なくとも1種であり、ガラス基板が含有するものである)含むことが好ましい。勿論、R’Oの合計が0.10%より低くてもよい。
また、本発明のガラス基板の製造方法を適用する場合は、ガラス組成物が、上記各成分に加えて、質量%で表示して、SnO:0.01〜1%(好ましくは0.01〜0.5%)、Fe:0〜0.2%(好ましくは0.01〜0.08%)を含有し、環境負荷を考慮して、As、Sb及びPbOを実質的に含有しないようにガラス原料を調製しても良い。
次の清澄工程(ST2)は、少なくとも清澄装置41において行われる。清澄工程では、清澄装置41内の溶融ガラスMGが所定温度(上記組成のガラスの場合は例えば1500℃以上)に昇温されることにより、溶融ガラスMG中に含まれるO、COあるいはSOを含んだ泡が、例えばSnO等の清澄剤の還元反応により生じたOを吸収して成長し、溶融ガラスMGの液面に浮上して放出される。その後、熔融ガラスMGの温度を低下させることにより、SnO等の清澄剤が酸化反応をすることにより、溶融ガラスMGに残存する泡中のO等のガス成分が溶融ガラスMG中に吸収されて、泡が消滅する。清澄剤による酸化反応および還元反応は、溶融ガラスMGの温度を制御することにより行われる。
均質化工程(ST3)では、ガラス供給管43bを通って供給された撹拌装置100内の溶融ガラスMGを、後述する攪拌機103を用いて撹拌することにより、ガラス成分の均質化を行う。攪拌装置100は、1つの攪拌機103を用いて溶融ガラスMGを攪拌するが、2つ以上の攪拌機を用いて溶融ガラスMGを攪拌することもできる。均質化工程についての詳細は後述する。
供給工程(ST4)では、ガラス供給管43cを通して溶融ガラスMGが成形装置42に供給される。溶融ガラスは、清澄槽30から成形装置に送られる際のガラス供給管43cにおいて、成形に適した温度(上記組成のガラスの場合は例えば1200℃程度)となるように冷却される。
成形装置42では、成形工程(ST5)および徐冷工程(ST6)が行われる。
成形工程(ST5)では、溶融ガラスMGをシート状ガラス44に成形し、シート状ガラス44の流れを作る。徐冷工程(ST6)では、成形されて流れるシート状ガラス44が所望の厚さになり、内部歪みが生じないように冷却される。
切断工程(ST7)では、図示しない切断装置において、成形装置42から供給されたシート状ガラス44を所定の長さに切断することで、板状のガラス基板を得る。切断されたガラス基板はさらに、所定のサイズに切断され、目標サイズのガラス基板が作製される。この後、ガラス基板の端面の研削、研磨およびガラス基板の洗浄が行われ、さらに、泡やキズ、汚れ等の欠点の有無が検査された後、検査合格品のガラス基板が最終製品として梱包される。
次に、図3を用いて本発明のガラス基板の製造装置を用いてガラス基板の製造方法を実施する形態の一例を説明する。具体的には、上述の均質化工程(ST3)、すなわち攪拌装置100を用いて溶融ガラスMGを均質化する工程についての説明である。
図3の攪拌装置100は、図2の攪拌装置100を詳細に示す図である。攪拌装置100は、攪拌容器101、攪拌機103及び攪拌容器のカバー105を備えている。
攪拌容器101は、好ましくは円筒形であり、実質的に垂直に向けられているが、この攪拌容器は必要に応じて他の形状および向きを有していてもよい。攪拌容器101は、白金または白金合金から構成された内壁101aを有する。耐食性を含む耐高温性、並びに導電率を有するその他の白金族金属で構成される材料を代わりに使用してもよい。攪拌容器101は、攪拌容器101の上部にまたはその近くに位置し、溶融ガラスMGの攪拌容器101への入口管となるガラス供給管(以下、入口管ともいう)43b、および攪拌容器101の下部の近くに位置し、溶融ガラスMGの攪拌容器101からの出口管となるガラス供給管(以下、出口管ともいう)43cを備えている。
攪拌機103は、シャフト103aおよびシャフト103aから延在する複数の攪拌翼103bを備えている。攪拌翼103bは、攪拌装置100の動作中には、攪拌容器101内の上部の気相空間aに接する溶融ガラスMGの液面より下の位置となるように沈められている。溶融ガラスMGの表面温度は、約1300℃から1500℃の程度であるが、ガラス組成によりその範囲外となる場合もある。攪拌機103は、白金族金属で構成されることが好ましい。
カバー105は、攪拌容器101の上部の開放部を覆うように設けられている。攪拌機103はカバー105を貫通しており、シャフト103aとカバー105との間に間隙105aが存在する。また、カバー105の下面105bは、気相空間aに接している。
攪拌装置100において、攪拌容器に溶融ガラスを通過させて攪拌処理を行う際に、攪拌装置100の内部の溶融ガラスと接することのない領域として予め設定された領域(以下、単に領域ともいう)の少なくとも一部に、溶射により形成した耐火性酸化物からなる被覆層(以下、被覆層ともいう)107を設けている。攪拌装置100の内部の溶融ガラスと接することのない領域は、気相空間aに接している。本実施形態においては、上記領域を、攪拌容器101の内部の上部に存在する気相空間aに接し、かつ、溶融ガラスMGの液位から5mm〜10mm以上上側の領域であって、以下の1−3を含む領域Aとした。攪拌装置100の上部を更に拡大して、図4にこの領域Aを示す。
1)気相空間aに接する攪拌容器101の内壁101aのうち、溶融ガラスMGとの境目付近を除く(溶融ガラスMGの液位から5mm〜10mm以上上側の)領域。
2)カバー105の下面105bのうち、気相空間aに接する部分。
3)気相空間aに接するシャフト103a表面のうち、溶融ガラスMGとの境目付近を除く(溶融ガラスMGの液位から5mm〜10mm以上上側の)部分。
ここでは、上記の領域Aに、被覆層107を溶射により設けるものとする。溶射の方法については後述する。
気相空間aは、攪拌容器101内の溶融ガラスMGの液位の調整をすることにより所定の広さを得ることが可能である。また、一定の広さの気相空間aを保持することもできる。上記の液位は、たとえばレーザ変位計を用いて必要に応じて計測し、溶解装置40に投入するガラス材料の量を増減する等の好適な方法により調整する。溶融ガラスMGの液位が上がると被覆層107に接触するおそれがあるため、溶融ガラスMGの液位は上述の領域Aの下限よりも上にならないように調整することが望ましい。
次に、被覆層107を形成する溶射の方法について説明する。溶射方法としては、ガス式溶射でもよいし、電気式溶射でもよい。ガス式溶射の例としては、フレーム溶射が挙げられる。電気式溶射の例としては、大気プラズマ溶射、減圧プラズマ溶射などのプラズマ溶射が挙げられる。本発明には様々な溶射方法を適用することができ、可能な方法を採用してよい。
被覆層107を構成する耐火性酸化物は、攪拌装置100の動作条件の高温に耐えられる任意の耐火性酸化物(セラミック材料)であり、例えば、Al23、ZrO2、Cr23、TiO2、MgOを含むものが挙げられるが、これらに限らない。また、Y23−ZrO2などの安定化ジルコニアであってもよい。
例えば、Al23をプラズマ溶射することより、被覆層107を形成してもよい。また、Y23−ZrO2をプラズマ溶射することより、被覆層107を形成してもよい。
耐火性酸化物は、既に述べた溶射技法のうち好適な方法を採択し、所望の被覆厚を有する被覆層107が形成されるまで十分に溶射されるものとする。被覆層107に要求される厚さは、攪拌装置100を加熱する温度、すなわちガラス材料により異なるものであり、必要に応じて好適な厚さに設定することができる。一例として、本実施の形態のガラス材料からなる溶融ガラスで攪拌処理を行う場合、例えば、被覆層107の厚さは50μm〜500μm程度とする。50μm未満の場合には、揮発を効果的に抑えることができない。また、500μmを超えると、溶射に時間を要する。好ましくは、被覆層107の厚さは60μm〜500μm、さらに好ましくは、70μm〜500μm程度である。
以上の説明からも理解できるように、本発明のガラス基板の製造方法、及びガラス基板製造装置によれば、ガラス材料の均質化工程において、攪拌処理を行うための攪拌装置を構成する攪拌装置の内部の、溶融ガラスと接することのない領域として予め設定された領域の少なくとも一部に、溶射により形成した耐火性酸化物からなる被覆層を設ける。このため、攪拌装置の内部の気相空間に接する部分の揮発を効果的に抑えることができる。本実施の形態では上述の領域として設定された領域Aのほぼ全域が被覆層107により覆われているため、領域Aのほぼ全域において、白金族金属成分が揮発するのを抑えることができる。したがって、気相空間aの気体が含有する揮発物が抑えられるため、この気体がカバー105の間隙105aを通って上方に流れることにより生じていた揮発物の凝結を避けることができる。その結果、この揮発成分の凝結物が攪拌工程中に溶融ガラスMGに混入するのを効果的に防ぐことができ、ガラス製品の品質を保つことが可能である。
高温粘性の高いガラス材料は、高温粘性の低いガラス材料と比較して、ガラスを同じ粘度にする場合に、より高温にする必要があるので、攪拌装置をより高温にする必要がある。攪拌装置をより高温にすると、白金族金属が揮発しやすい。
したがって本発明は、高温粘性の高いガラス材料を用いてガラス基板を製造する場合に特に適している。具体的には、溶融ガラスを102.5ポアズとする場合に1500℃以上の溶融温度を要するガラス材料で構成する場合に特に適している。
本発明は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ(FPD)用のガラス基板の製造に特に適している。
いずれの場合も本発明を適用することにより、攪拌装置100の攪拌容器101の内壁の揮発を効果的に抑えることが可能である。
本発明のガラス基板の製造方法の実施に際し、実施の形態の製造方法に限定されるものではないことは明らかである。たとえば、実施の形態で例示したガラス原料以外のガラス原料についても、従来から用いられてきた汎用の原料を使用すれば本発明のガラス基板の製造方法を適用することができる。
また、本実施の形態では、溶融ガラスMGとの境目付近を除く、領域Aのほぼ全域に被覆層107を設けるものとしたが、領域Aの少なくとも一部を保護することにより揮発を防止し、所望の効果が得られるとすれば、被覆層を設ける領域はこれより小さい領域に設定しても良い。さらに、被覆層107を構成する耐火性酸化物は、実施の形態で例示したものに限定されない。
なお、本明細書において、「白金族金属」は、白金族元素からなる金族を意味し、単一の白金族元素からなる金属のみならず白金族元素の合金を含む用語として使用する。ここで、白金族元素とは、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)の6元素を指す。白金族金属は高価ではあるが、融点が高く、溶融ガラスに対する耐食性にも優れている。
また、攪拌装置100の攪拌容器101は、図示したように円筒形であることが好ましいが、溶融ガラスMGをその内部に収容する空間が確保されていればその形状に制限はなく、例えばその外形が直方体などであってもよい。
また、攪拌装置100に接続されている入口管43bおよび出口管43cの高さ位置は逆であっても良い。すなわち、溶融ガラスMGが攪拌容器101の下部から流入し、攪拌装置100の上部を通じて流出するような形でも良い。また、適切な攪拌が行われるものであれば、実施の形態で示した位置に限らず、攪拌容器101の本体中央高さ付近に入口管43bおよび出口管43cを設ける形としてもよい。
本発明は、オーバーフロー・ダウンロード法でガラスを成形するガラス基板の製造に適する。オーバーフロー・ダウンロード法は、溶融ガラスを楔状成形体の両側面に沿って流下させて、前述の楔状成形体の下端部で合流させることにより板状ガラスに成形し、成形された板状ガラスを徐冷し、切断する。オーバーフロー・ダウンロード法は、溶解したガラスを何物にも触れることなく垂直方向に引き伸ばして冷却することで、滑らかな表面を実現することができる。その後、切断された板状ガラスは、さらに、顧客の仕様に合わせて所定にサイズに切断され、端面研磨、洗浄などが行われ、出荷される(実施の形態に示した成形工程(ST5)、徐冷工程(ST6)、切断工程(ST7)に相当する)。
本発明は、例えば、厚さが0.5〜0.7mmで、サイズが300×400mm〜2850×3050mmのFPD用ガラス基板の製造に適する。
なお、液晶表示装置用ガラス基板等は、その表面に半導体素子が形成されるため、アルカリ金属成分を全く含有しないか、または含まれていても半導体素子に影響を及ぼさない程度の微量であることが好ましい。また、液晶表示装置用ガラス基板等は、ガラス基板中に泡が存在すると表示欠陥の原因となるため、泡を極力低減することが好ましい。これらにことから、液晶表示装置用ガラス基板等では、上述したように、ガラス組成、溶融ガラスの温度、清澄剤等が選択されるので、本発明は、液晶表示装置用ガラス基板等の製造に適する。
その他、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々好適な他の形態への変更が可能である。
40 溶解装置
41 清澄装置
42 ガラス成形装置
43a,43b,43c ガラス供給管
44 シート状ガラス
100 攪拌装置
101 攪拌容器
101a 内壁
103 攪拌機
103a シャフト
103b 攪拌翼
105 カバー
105a 間隙
105b 下面
107 被覆層(溶射により形成した耐火性酸化物からなる被覆層)
200 ガラス基板製造装置
MG 溶融ガラス
a 気相空間
A 領域(溶融ガラスと接することのない領域として予め設定された領域)

Claims (5)

  1. 溶融ガラスを均質化させる目的で、加熱した攪拌装置内に前記溶融ガラスを通過させて攪拌処理を行う工程を含むガラス基板の製造方法であって、
    前記攪拌装置は、
    白金族金属で構成され、前記溶融ガラスを収納する攪拌容器と、前記攪拌容器内に配設された、シャフトを有する回転可能な攪拌機とを備え、
    攪拌装置の内部の、溶融ガラスと接することのない領域として予め設定された領域の少なくとも一部に、溶射により形成した耐火性酸化物からなる被覆層を設ける
    ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  2. 前記耐火性酸化物からなる被覆層は、アルミナまたはジルコニアを含む材料で構成されたことを特徴とする請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
  3. 前記耐火性酸化物からなる被覆層は、安定化ジルコニアであることを特徴とする請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
  4. 前記溶融ガラスは、粘度を102.5ポアズとする場合に1500度以上の溶融温度を要する材料で構成したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のガラス基板の製造方法。
  5. ガラス基板の製造工程において溶融ガラスの均質化の目的で攪拌処理を行うための攪拌装置を有するガラス基板製造装置であって、
    前記攪拌装置は、
    白金族金属からなる攪拌容器と、
    前記攪拌容器内に配設された、シャフトを有する回転可能な攪拌機と、
    前記攪拌容器に溶融ガラスを通過させて攪拌処理を行う際に、攪拌装置の内部の、溶融ガラスと接することのない領域として予め設定された領域と、を備え、
    前記領域の少なくとも一部に、溶射により設けた耐火性酸化物からなる被覆層をさらに備えた
    ことを特徴とするガラス基板製造装置。
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