JP6660792B2 - ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置 - Google Patents

ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置に関する。
ガラス基板は、工業的には、ガラス原料を熔融して生成させた熔融ガラスを成形して製造される。一般に、ガラス基板の製造装置は、ガラス原料から熔融ガラスを生成させる熔融部(熔融槽)と、熔融ガラスをガラス基板へと成形する成形部(成形装置)と、熔融部と成形部との間を熔融ガラスが移送可能であるように接続する移送部(移送管)とを備え、必要に応じ、熔融ガラスが内包する微小な気泡を除去する清澄槽等から構成される中間部をさらに備えている。中間部を備えた装置では、熔融部と中間部、中間部と成形部、場合によっては中間部を構成する各槽の間、を移送部がそれぞれ連結する。
LCD基板用ガラス基板を製造するガラス基板の製造装置の内壁には、通常、熔融ガラスに対する耐食性に優れる白金族金属(典型的には白金)が用いられている。内壁を構成する材料として白金族金属が用いられる移送部(移送管)は、通常、白金族金属により構成されていてその内部を熔融ガラスが通過する導管を備え、さらに、導管を支持する耐火物支持体を備えている。耐火物支持体は、典型的には、耐火レンガにより構成される。高価な白金族金属は薄く引き延ばされて使用されるため、耐火レンガは、強度が不足する導管を補強する支持体として、さらには導管を保温する断熱体としての役割を果たす。白金族金属からなる導管は、高温な熔融ガラスにさらされることにより白金が揮発することにより破損し、また、温度変化により生じた座屈により破損し、破損個所から熔融ガラスが漏出することがある。特許文献1には、導管の破損を低減できる導管により熔融ガラスの漏出を抑制する方法が開示されている。
特開2002−87826号公報
しかし、白金が揮発することにより導管が破損して、熔融ガラスが漏出することがある。導管から熔融ガラスが漏出すると、導管内の温度が低下するため、熔融ガラスが内包する微小な気泡を除去する清澄が不十分となり、成形するガラス基板に品質不良が起こる場合があった。
そこで、本発明は、熔融ガラスが漏出した場合であっても、熔融ガラスの温度を維持できるガラス基板の製造方法及びガラス基板の製造装置の提供を目的とする。
本発明の一態様は、ガラス原料を加熱して熔融ガラスを生成する熔融槽と、前記熔融ガラスからガラス基板を成形する成形装置と、前記熔融槽から前記成形装置へと移送される熔融ガラスが通過する移送管とを備えるガラス基板の製造方法であって、
前記移送管は、
白金族金属からなり、前記熔融ガラスの流路を構成する導管と、
前記導管の外部に設置され、前記導管が内側に設置される加熱空間を形成する耐熱部材と、
前記加熱空間内の前記導管の外部の場所に設置される複数の発熱体と、を有し、
前記耐熱部材は、前記導管から漏出した熔融ガラスを外部に排出する排出口を有し、
前記排出口近傍に、前記漏出した熔融ガラスを加熱する加熱装置を有し、
前記加熱装置により、前記漏出した熔融ガラスを加熱して前記排出口から排出する、
ことを特徴とする。
前記漏出した熔融ガラスの量を検出し、検出した熔融ガラスの量と、前記排出口から排出する熔融ガラスの量と、が一致するよう前記漏出した熔融ガラスの加熱を制御する、ことが好ましい。
前記漏出した熔融ガラスの量が一定の量に達した後、前記加熱装置による加熱を開始する、ことが好ましい。
前記漏出した熔融ガラスと前記発熱体との距離を検出し、前記距離が一定の距離内にあるとき、前記加熱装置による加熱量を増加する、ことが好ましい。
本発明の他の一態様は、ガラス原料を加熱して熔融ガラスを生成する熔融槽と、前記熔融ガラスからガラス基板を成形する成形装置と、前記熔融槽から前記成形装置へと移送される熔融ガラスが通過する移送管とを備えるガラス基板の製造装置であって、
前記移送管は、
白金族金属からなり、前記熔融ガラスの流路を構成する導管と、
前記導管の外部に設置され、前記導管が内側に設置される加熱空間を形成する耐熱部材と、
前記加熱空間内の前記導管の外部の場所に設置される複数の発熱体と、を有し、
前記耐熱部材は、前記導管から漏出する熔融ガラスを外部に排出する排出口を有し、
前記排出口近傍に、前記漏出した熔融ガラスを加熱する加熱装置を有し、
前記導管から漏出した熔融ガラスが前記排出口から排出されるよう熔融ガラスを加熱する加熱装置を有する、
ことを特徴とする。
上述の態様のガラス基板の製造方法及びガラス基板の製造装置によれば、熔融ガラスが漏出した場合であっても、ガラス基板の製造を維持できる。
本実施形態の製造方法のフローを示す図である。 ガラス基板の製造装置の概略図である。 攪拌装置の一例を示す縦断面図である。 制御装置のブロック図である。 排出口近傍の拡大図である。 加熱量の変化を示した図である。 加熱装置の加熱量と熔融ガラスの排出量との関係を示した図である。
以下、本発明のガラス基板の製造方法について説明する。
(ガラス基板の製造方法の全体概要)
図1は、本実施形態のガラス基板の製造方法の工程の一例を示す図である。ガラス基板の製造方法は、熔解工程(ST1)、清澄工程(ST2)、均質化工程(ST3)、供給工程(ST4)、成形工程(ST5)、徐冷工程(ST6)、および、切断工程(ST7)を主に有する。この他に、研削工程、研磨工程、洗浄工程、検査工程、梱包工程等を有してもよい。製造されたガラス基板は、必要に応じて梱包工程で積層され、納入先の業者に搬送される。
熔解工程(ST1)では、ガラス原料を加熱することにより熔融ガラスを作る。
清澄工程(ST2)では、熔融ガラスが昇温されることにより、熔融ガラス中に含まれる酸素、CO2あるいはSO2を含んだ泡が発生する。この泡が熔融ガラス中に含まれる清澄剤(酸化スズ等)の還元反応により生じた酸素を吸収して成長し、熔融ガラスの液面に浮上して放出される。その後、清澄工程では、熔融ガラスの温度を低下させることにより、清澄剤の還元反応により得られた還元物質が酸化反応をする。これにより、熔融ガラスに残存する泡中の酸素等のガス成分が熔融ガラス中に再吸収されて、泡が消滅する。清澄剤による酸化反応及び還元反応は、熔融ガラスの温度を制御することにより行われる。
なお、清澄工程は、熔融ガラスに存在する泡を減圧雰囲気で成長させて脱泡させる減圧脱泡方式を用いることもできる。減圧脱泡方式は、清澄剤を用いない点で有効である。しかし、減圧脱泡方式は装置が複雑化及び大型化する。このため、清澄剤を用い、熔融ガラス温度を上昇させる清澄方法を採用することが好ましい。
均質化工程(ST3)では、スターラを用いて熔融ガラスを撹拌することにより、ガラス成分の均質化を行う。これにより、粘性差を抑制し、脈理等の原因であるガラスの組成ムラを低減することができる。均質化工程は、後述する撹拌槽において行われる。
供給工程(ST4)では、撹拌された熔融ガラスが成形装置に供給される。
成形工程(ST5)及び徐冷工程(ST6)は、成形装置で行われる。
成形工程(ST5)では、熔融ガラスをシートガラスに成形し、シートガラスの流れを作る。成形には、オーバーフローダウンドロー法が用いられる。
徐冷工程(ST6)では、成形されて流れるシートガラスが所望の厚さになり、内部歪が生じないように、さらに、反りが生じないように冷却される。
切断工程(ST7)では、徐冷後のシートガラスを所定の長さに切断することで、板状のガラス基板を得る。切断されたガラス基板はさらに、所定のサイズに切断され、目標サイズのガラス基板が作られる。
図2は、本実施形態における熔解工程(ST1)〜切断工程(ST8)を行うガラス基板の製造装置の概略図である。ガラス基板の製造装置は、図2に示すように、主に熔解装置100と、成形装置200と、切断装置300と、を有する。熔解装置100は、熔解槽101と、清澄管102と、攪拌槽103と、移送管104、105と、ガラス供給管106と、を有する。
図2に示す熔解槽101には、図示されないバーナー等の加熱手段が設けられている。熔解槽には清澄剤が添加されたガラス原料が投入され、熔解工程(ST1)が行われる。熔解槽101で熔融した熔融ガラスは、移送管104を介して清澄管102に供給される。
清澄管102では、熔融ガラスMGの温度を調整して、清澄剤の酸化還元反応を利用して熔融ガラスの清澄工程(ST2)が行われる。具体的には、清澄管102内の熔融ガラスが昇温されることにより、熔融ガラス中に含まれる酸素、CO2あるいはSO2を含んだ泡が、清澄剤の還元反応により生じた酸素を吸収して成長し、熔融ガラスの液面に浮上して気相空間に放出される。その後、熔融ガラスの温度を低下させることにより、清澄剤の還元反応により得られた還元物質が酸化反応をする。これにより、熔融ガラスに残存する泡中の酸素等のガス成分が熔融ガラス中に再吸収されて、泡が消滅する。清澄後の熔融ガラスは、移送管105を介して攪拌槽103に供給される。
攪拌槽103では、攪拌機107によって熔融ガラスが攪拌されて均質化工程(ST3)が行われる。攪拌槽103で均質化された熔融ガラスは、ガラス供給管106を介して成形装置200に供給される(供給工程ST4)。
成形装置200では、オーバーフローダウンドロー法により、熔融ガラスからシートガラスSGが成形され(成形工程ST5)、徐冷される(徐冷工程ST6)。
切断装置300では、シートガラスSGから切り出された板状のガラス基板が形成される(切断工程ST7)。
(攪拌槽の構成)
攪拌槽103は、熔融ガラスを攪拌しながら上流側から下流側に流すガラス供給管の一部である。移送管104、105、及び、清澄槽102と同様に、攪拌槽103内を熔融ガラスが流れ、攪拌槽103内において熔融ガラスMGのガラス成分の均質化が行われ、均質化された熔融ガラスMGは、第3配管106を通って成形装置200に供給される。攪拌槽103には、例えば、耐熱性及び高温耐食性の高い白金または白金合金(白金族金属)が用いられる。ここで、白金族金属は、白金族元素からなる金属を意味し、単一の白金族元素からなる金属のみならず白金族元素の合金を含む用語として使用する。白金族元素とは、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)の6元素を指す。ここでは、攪拌槽103の構成を用いて、ガラス供給管の構成を示す。
図3は、攪拌槽103を有する攪拌装置130の一例を示す縦断面図である。同図に示す攪拌装置130は、攪拌槽(攪拌容器)103と、攪拌槽103の上部を覆う蓋(容器カバー)110と、攪拌槽103の内部に配置された攪拌機107とを備える。攪拌機107は、鉛直方向に配置される回転シャフト108と、回転シャフト108の下方の側周面に取り付けられた攪拌翼(羽根)109とを有する。回転シャフト108は、蓋(容器カバー)110から蓋110の上方に突出した突出部を有する。回転シャフト108は、落下してくるPt、Sn等の凝集物を保持するための保持部材117を突出部に有する。攪拌槽103には、移送管105及び移送管106が接続されており、清澄槽102から移送管105を通って攪拌槽103内に供給された熔融ガラスMGは、攪拌機107を用いて攪拌することにより、ガラス成分の均質化が行われ、均質化された熔融ガラスMGは、攪拌槽103から移送管106を通って成形装置200に供給される。
なお、前述の図2では、攪拌槽103と攪拌機107のみが図示されているが、詳細な構成は図3に示すとおりである。
攪拌槽103及び撹拌槽103の上部を覆う蓋110の周囲は第1の耐火材料111で覆われている。そして、第1の耐火材料111の外側の雰囲気(加熱空間112)を加熱する複数の発熱体118を有している。つまり、攪拌槽103を加熱する方法として間接加熱法を採用している。加熱手段が加熱する加熱空間112は、さらに第2の耐火材料(耐熱部材)113で覆われている。上記第1の耐火材料111および第2の耐火材料113は、耐火レンガ、耐火断熱レンガ、あるいはファイバー系断熱材等の耐火物である。発熱体118は、加熱空間112に設置される。発熱体118は、通電により発熱し、炭化ケイ素等から構成される棒状の部材である。発熱体118は、その長手方向が水平方向に沿うように配置されている。発熱体118の出力は、個別に調整される。発熱体118は、攪拌槽103、移送管105、106を輻射により加熱して、熔融ガラスMGの温度を制御し、温度の低下を抑制する。また、発熱体118は、回転シャフト108、保持部材117を選択的に加熱する。
第1の耐火材料111および第2の耐火材料113は、耐火レンガ、耐火断熱レンガ、あるいはファイバー系断熱材等の耐火物であり、耐熱部材である。また耐火煉瓦113の天井面に、断熱性のある煉瓦を設置することにより加熱空間112の上部の温度は上昇し、回転シャフト108、保持部材117の部分の温度も上がるため、熔融ガラスからのPtO2、SnO2揮発物が温度差の縮小により、PtO、SnO揮発物が、回転シャフト108、保持部材117の表面で凝集することを抑制する。ここで、揮発物は、ガラス原料や攪拌槽内に存在している成分から形成されるものであり、例えば、PtO、B、SnOが挙げられる。
第2の耐火材料113には、熔融ガラスMGが、攪拌槽103、移送管105、106から漏出した際に、熔融ガラスMGを第2の耐火材料113の外部に排出するための排出口119が設けられる。高温の熔融ガラスMGが攪拌槽103、移送管105、106内を流れると白金が揮発することにより破損し、破損個所から熔融ガラスMGが漏出する。第1の耐火材料111が設けられた位置において漏出した熔融ガラスMGは、白金管と第1の耐火材料111との隙間を流れ、また、第1の耐火材料111を溶かしながら流れ、加熱空間112の底部(第2の耐火材料113の底部)に溜まる。熔融ガラスMGが漏出を続けると加熱空間112内に溜まり続け、熔融ガラスMGが発熱体118に接触すると、発熱体118が損傷する。発熱体118が損傷すると、加熱空間112が加熱されず、攪拌槽103内において熔融ガラスMGの攪拌不良が発生し、成形するシートガラスSGに品質不良が発生する可能性がある。このため、攪拌槽103、移送管105、106から漏出した熔融ガラスMGを、第2の耐火材料113の外部に排出することにより、攪拌装置130に発生する不良を防ぐ必要がある。
なお、排出口119を設ける位置、数、及び、径サイズは任意であるが、移送管105と攪拌槽103との接合領域、攪拌槽103と移送管106との接合領域、第1の耐火材料111が設けられてない領域から熔融ガラスMGが漏出することが多いため、これらの領域の下方位置に、排出口119を設けることが好適である。
加熱装置120は、排出口119近傍に設けられ、漏出した熔融ガラスMGが第2の耐火材料113の外部に排出されるように熔融ガラスMG及び第2の耐火材料113を加熱する。加熱装置120は、ガスによって対象物を加熱するガスバーナー部材、通電により発熱する通電加熱部材などからなる。漏出した熔融ガラスMGは、加熱空間112内において加熱されるが、攪拌槽103、移送管105、106内を流れたいたときより温度が低下するため粘度が高くなり、加熱空間112内に溜まりやすい。このため、加熱装置120は、加熱量を制御することにより、排出口119から排出する熔融ガラスMGの量を制御する。加熱空間112内には、攪拌槽103、移送管105、106から漏出した熔融ガラスMGの量、加熱空間112の底部領域に溜まった熔融ガラスMGの量(高さ)を検出する検出装置(図示せず)が設けられる。例えば、攪拌槽103に流入した熔融ガラスMGの量と攪拌槽103から流出した熔融ガラスMGの量との差分から、熔融ガラスMGの漏出量を検出でき、また、加熱空間112内に設けられる液位測定装置(図示せず)を用いて、加熱空間112の底部領域に溜まった熔融ガラスMGの量(高さ)を検出できる。加熱空間112に熔融ガラスMGが漏出した後、加熱装置120による加熱量を制御して、排出口119から排出する熔融ガラスMGの量を制御する。
なお、加熱装置120は、排出口119から排出する熔融ガラスMGの量を制御できればよく、加熱装置120の設置位置、設置数は任意であり、排出口119の周囲、第2の耐火材料113の内部に設けることができる。また、排出口119近傍に設けられた発熱体118を加熱装置120として用いることもできる。
また、回転シャフト108の上方は、蓋110及びその上の第1の耐火材料111を貫通し、さらに第2の耐火材料113を貫通し、回転手段(図示していない)に接続されている。回転シャフト108は撹拌槽103に内装され、回転シャフト108を回転自在に支持する、撹拌槽103上部の蓋110及び第1の耐火材料111近傍に設けられる支持部材(図示していない)によって支持されている。回転手段が支持部材を回転させることにより、支持部材に支持された回転シャフト108が回転する。なお、回転シャフト108と、蓋110およびその上の第1の耐火材料111との間には、第1の間隙(クリアランス)115が設けられており、また、回転シャフト108と第2の耐火材料113との間には、第2の間隙(クリアランス)116が設けられている。
そして、回転シャフト108が貫通する第1の耐火材料111より上方に位置する回転シャフト108の、蓋110及び第1の耐火材料111から突出した突出部に、回転シャフト108と蓋110及び第1の耐火材料111との間に存在する第1の間隙115をほぼ覆う大きさを有する保持部材117を設けている。このため、保持部材117は、第2の耐火材料113の天井等から落下した揮発物の凝集物等が第1の間隙115を通過して熔融ガラスMG中に混入することを防止する遮蔽部材である。
なお、攪拌装置130を構成する攪拌槽103、撹拌機107(回転シャフト108、攪拌翼109)の材料は、白金または白金合金等の白金族金属が用いられるが、保持部材117についても、同様の白金族金属を用いるのが好適である。
攪拌装置130を用いる攪拌工程において、清澄槽102から移送管105を通って攪拌槽103内に供給された熔融ガラスMGは、攪拌槽103の内部を上方から下方へ導かれながら、撹拌機107によって攪拌され、ガラス成分が均質化された熔融ガラスMGは、攪拌槽103から移送管106を通って成形装置200に供給される。なお、攪拌装置130に熔融ガラスMGを通過させて攪拌する際に、熔融ガラスMGの表面の位置が多少は上下するため、攪拌槽103の上部を覆う蓋110と熔融ガラスMGの表面との間に一定広さの気相空間114を有するように攪拌槽103と移送管105との位置関係が調節される。ここでは、攪拌槽103内に供給された熔融ガラスMGは、攪拌槽103の内部を上方から下方へ導かれるように構成されているが、これに限らず、攪拌槽103の内部を下方から上方へ導かれるように構成されてもよい。
(加熱装置120の加熱の制御)
攪拌槽103、移送管105、106から漏出した熔融ガラスMGは、加熱空間112内において発熱体118により加熱されるが、攪拌槽103、移送管105、106内を流れたいたときより温度が低下するため粘度が高くなり、加熱空間112の底部領域に溜まる。加熱空間112の底部領域に溜まった熔融ガラスMGの高さ(量)を検出するための液位測定装置(図示せず)が設けられる。液位測定装置、及び、加熱装置120は、制御装置に接続される。制御装置は、主として、CPU、RAM、ROMおよびハードディスク等から構成されるコンピュータである。図4は、制御装置のブロック図である。制御装置は、液位測定装置が測定した加熱空間112内における第2の耐火材料113の底面から熔融ガラスMGの高さ(量)に基づいて、加熱装置120による加熱量を制御する。図5は、排出口119の近傍の拡大図である。制御装置は、液位測定装置を動作させて、加熱空間112の底部領域に溜まった熔融ガラスMGの高さ情報を取得する。熔融ガラスMGの高さが高さA1未満である場合には、制御装置は加熱装置120を動作させず、熔融ガラスMGの高さが高さA1以上である場合に、制御装置は加熱装置120を動作させて熔融ガラスMGを加熱し、熔融ガラスMGの粘度を下げることにより排出口119から熔融ガラスMGを排出する。制御装置は、加熱装置120の加熱量を制御して、加熱空間112の底部領域に熔融ガラスMGが溜まった状態を維持する。攪拌槽103、移送管105、106から漏出した熔融ガラスMGの漏出量と排出口119から排出する熔融ガラスMGの排出量とが一致するように、加熱装置120の加熱量を制御するのが好適である。このような制御により、加熱空間112の底部領域、特に、排出口119に熔融ガラスMGが存在すると、排出口119が熔融ガラスMGに塞がれるため、排出口119から熱が漏れることを抑制でき、加熱空間112の温度を所定の温度に保つことができる。また、加熱装置120の加熱によって第2の耐火材料113が損傷するのを抑制することができる。また、不要な加熱がなくなり、装置の維持費用を抑制することができる。
攪拌槽103、移送管105、106から漏出する熔融ガラスMGの量が増加すると、加熱空間112の底部領域に溜まった熔融ガラスMGの高さが徐々に高くなる。攪拌装置130の設置時において、加熱空間112の底部領域から発熱体118までの高さA2が定められている。熔融ガラスMGの高さが徐々に高くなり、発熱体118までの高さ位置まで達すると、熔融ガラスMGが発熱体118と接触し、発熱体118が損傷するおそれがある。このため、制御装置は、液位測定装置を動作させて熔融ガラスMGの高さ情報を取得し、熔融ガラスMGの高さが高さA2未満になるように、加熱装置120を動作させて排出口119から熔融ガラスMGを排出する。制御装置は、熔融ガラスMGの液面位置と発熱体118との距離を検出し、この距離が一定の距離内にあるとき、加熱装置120の加熱量を増加する。これにより、発熱体118が損傷するのを防ぐことができ、熔融ガラスMGが漏出した場合であっても、ガラス基板の製造を維持できる。
図7は、加熱装置120の加熱量と排出口119からの熔融ガラスMGの排出量との関係を示した図である。熔融ガラスMGの排出量は、加熱装置120の加熱量に応じて変化するが、加熱装置120には加熱限界が存在する。加熱装置120の加熱限界時での熔融ガラスMGの排出量はD1であり、排出量D1より熔融ガラスMGの漏出量が多くなると、加熱空間112の底部領域に熔融ガラスMGが溜まり始め、熔融ガラスMGが発熱体118に達してしまう。このような場合には、第2の耐火材料113の底面に新たな排出口119及び加熱装置120を設けることにより、熔融ガラスMGの排出量を増加させることができる。これにより、発熱体118の損傷を防ぎ、熔融ガラスMGが漏出した場合であっても、ガラス基板の製造を維持できる。熔融ガラスMGによって、攪拌槽103、移送管105、106、第2の耐火材料113が損傷し、装置寿命(操業限界)になるまで、排出口119からの熔融ガラスMGを排出することができ、熔融ガラスMGが漏出した場合であっても、ガラス基板の製造を維持できる。
このように、ガラス移送管から漏出する熔融ガラスMGの漏出量によって加熱装置による加熱量を制御することにより、装置が損傷するのを防ぐことができ、ガラス基板の製造を維持できる。また、熔融ガラスMGが漏出した場合であっても、装置寿命限界まで、ガラス基板の製造装置を使用することができる。
本実施形態が適用されるガラス基板は、例えば以下の組成を含む無アルカリガラスからなる。
SiO:55−80質量%
Al:8−20質量%
:0−18質量%
RO 0〜17モル%(ROはMgO、CaO、SrO及びBaOの合量)、
R’2O 0〜2モル%(R’2OはLi2O、Na2O及びK2Oの合量)。
SiO2は60〜75質量%、さらには、63〜72質量%であることが、熱収縮率を小さくするという観点から好ましい。
ROのうち、MgOが0〜10質量%、CaOが0〜10質量%、SrOが0〜10質量%、BaOが0〜10質量%であることが好ましい。
また、SiO2、Al23、B23、及びROを少なくとも含み、モル比((2×SiO2)+Al23)/((2×B23)+RO)は4.5以上であるガラスであってもよい。また、MgO、CaO、SrO、及びBaOの少なくともいずれか含み、モル比(BaO+SrO)/ROは0.1以上であることが好ましい。
また、質量%表示のB23の含有率の2倍と質量%表示のROの含有率の合計は、30質量%以下、好ましくは10〜30質量%であることが好ましい。
さらに、熔融ガラス中で価数変動する金属の酸化物(酸化スズ、酸化鉄)を合計で0.05〜1.5質量%含んでいることが好ましい。
AS23、Sb23、PbOを実質的に含まないことが好ましいが、これらを任意に含んでいてもよい。
また、ガラス中で価数変動する金属の酸化物(酸化スズ、酸化鉄)を合計で0.05〜1.5質量%含み、As、Sb及びPbOを実質的に含まないということは必須ではなく任意である。
本実施形態で製造されるガラス基板は、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板を含むディスプレイ用ガラス基板に好適である。IGZO(インジウム、ガリウム、亜鉛、酸素)等の酸化物半導体を使用した酸化物半導体ディスプレイ用ガラス基板及びLTPS(低温度ポリシリコン)半導体を使用したLTPSディスプレイ用ガラス基板に好適である。また、本実施形態で製造されるガラス基板は、アルカリ金属酸化物の含有量が極めて少ないことが求められる液晶ディスプレイ用ガラス基板に好適である。また、有機ELディスプレイ用ガラス基板にも好適である。言い換えると、本実施形態のガラス基板の製造方法は、ディスプレイ用ガラス基板の製造に好適であり、特に、液晶ディスプレイ用ガラス基板の製造に好適である。その他、携帯端末機器などのディスプレイや筐体用のカバーガラス、タッチパネル板、太陽電池のガラス基板やカバーガラスとしても用いることができる。特に、ポリシリコンTFTを用いた液晶ディスプレイ用ガラス基板に好適である。
また、本実施形態で製造されるガラス基板は、カバーガラス、磁気ディスク用ガラス、太陽電池用ガラス基板などにも適用することが可能である。
以上、本発明のガラス基板の製造方法及びガラス基板の製造装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
100 熔解装置
101 熔解槽
102 清澄管
103 撹拌槽
104、105 移送管
106 ガラス供給管
200 成形装置
300 切断装置
MG 熔融ガラス
SG シートガラス

Claims (4)

  1. ガラス原料を加熱して熔融ガラスを生成する熔融槽と、前記熔融ガラスからガラス基板を成形する成形装置と、前記熔融槽から前記成形装置へと移送される熔融ガラスが通過する移送管とを備えるガラス基板の製造方法であって、
    前記移送管は、
    白金族金属からなり、前記熔融ガラスの流路を構成する導管と、
    前記導管の外部に設置され、前記導管が内側に設置される加熱空間を形成する耐熱部材と、
    前記加熱空間内の前記導管の外部の場所に設置される複数の発熱体と、を有し、
    前記耐熱部材は、前記導管から漏出した熔融ガラスを外部に排出する排出口を有し、
    前記排出口近傍に、前記漏出した熔融ガラスを加熱する加熱装置を有し、
    前記加熱装置により、前記漏出した熔融ガラスを加熱して前記排出口から排出し、
    前記漏出した熔融ガラスと前記発熱体との距離を検出し、前記距離が一定の距離内にあるとき、前記加熱装置による加熱量を増加する、
    ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  2. 前記漏出した熔融ガラスの量を検出し、検出した熔融ガラスの量と、前記排出口から排出する熔融ガラスの量と、が一致するよう前記漏出した熔融ガラスの加熱を制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
  3. 前記漏出した熔融ガラスの量が一定の量に達した後、前記加熱装置による加熱を開始する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
  4. ガラス原料を加熱して熔融ガラスを生成する熔融槽と、前記熔融ガラスからガラス基板を成形する成形装置と、前記熔融槽から前記成形装置へと移送される熔融ガラスが通過する移送管とを備えるガラス基板の製造装置であって、
    前記移送管は、
    白金族金属からなり、前記熔融ガラスの流路を構成する導管と、
    前記導管の外部に設置され、前記導管が内側に設置される加熱空間を形成する耐熱部材と、
    前記加熱空間内の前記導管の外部の場所に設置される複数の発熱体と、を有し、
    前記耐熱部材は、前記導管から漏出する熔融ガラスを外部に排出する排出口を有し、
    前記排出口近傍に、前記導管から漏出した熔融ガラスが前記排出口から排出されるよう熔融ガラスを加熱する加熱装置を有し、
    前記漏出した熔融ガラスと前記発熱体との距離を検出し、前記距離が一定の距離内にあるとき、前記加熱装置による加熱量が増加する、
    ことを特徴とするガラス基板の製造装置。
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